『金日成主席革命活動史』

 第6節 抗日武装闘争の歴史的意義


  金日成主席は、抗日武装闘争を勝利へと導き、朝鮮人民を帝国主義の植民地支配から解放し、新しい社会づくりへの展望を開いて、朝鮮民族の尊厳と栄誉、不屈の革命精神と英雄的気概を世界に示した。

 主席によって指導された抗日武装闘争は、史上はじめて、チュチェ思想の革命的旗印のもとに自力によって帝国主義侵略者を撃破し、民族の自主権と国の独立を回復した栄えある民族解放革命であり、常備の武装力によって反革命勢力を撃破し、被抑圧勤労大衆の自由と解放を達成した最高形態の革命戦争であり、国家的後方も正規軍の支援もなしに強大な敵と15星霜を戦い勝利した、たぐいなく困難な革命闘争であった。

 抗日武装闘争はひとえに、革命の英才であり、偉大な軍事戦略家である金日成主席の賢明な指導によってのみ輝かしい勝利をおさめることができた。

 主席は、不滅のチュチェ思想を創始し、それを具現して抗日武装闘争を勝利へと導いた。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「我々は、つとに抗日武装闘争の時期から、チュチェ思想を指導指針とし、自主的な路線と政策を実施して、革命と建設を正しい勝利の道に導くことができました」(『自主の旗を高くかかげて進む第3世界人民の革命偉業は、必ず勝利するであろう』1974年3月4日)

 主席は、抗日革命闘争の初期に科学的かつ革命的な指導思想であるチュチェ思想を創始して、革命闘争のすべての問題に正しい解答を与える思想的・理論的武器をもたらし、革命発展の各段階に応じた正確な路線と戦略・戦術、闘争方針と方途を示し革命を勝利に導いてきた。また、いかに複雑困難な状況のなかでもチュチェの旗を高くかかげて、左右の日和見主義や分派・事大主義を克服し、すべての問題を自主的、創造的に解決していった。ここに、あのたぐいなく困難な抗日武装闘争を常に勝利に導くことのできた要因がある。

 主席は、革命隊列の統一と団結をかため、人民大衆との連係を強化して、抗日武装闘争の勝利を保障した。主席は、人民革命軍の隊員や人民をチュチェ思想と主体的な革命路線で武装させ、自力更生の革命精神と不屈の闘争精神で教育することに心を砕いた。特に、隊員や人民を温かくいたわり、革命的同志愛と上下一致の気高い気風、軍民一致の伝統的美風を発揮するよう教え導いた。また革命的大衆路線を貫いて、労働者、農民はもちろん青年学生、都市小市民、中小商工人、民族資本家、宗教者、ひいては敵の機関で働く人たちをも含む各階層のすべての大衆を革命の支持者として獲得した。これは、主席を中心とする革命隊列の思想・意志の統一と革命的団結を強め、全人民を主席のまわりに結集して反革命勢力にたいする革命勢力の優位を確保し、抗日武装闘争の勝利を保障した。

 主席は独創的な軍事戦略とすぐれた遊撃戦術を創始し、それを駆使して抗日武装闘争の勝利をもたらした。主席は、敵の数量上、軍事技術上の優位を革命軍隊の政治的・思想的および戦略・戦術的優位によって打破する主体的な軍事思想をもって戦った。そして、抗日武装闘争の各段階ごとに正確な戦略・戦術的方針を示し、また遊撃戦の戦術的原則や戦法を創造し、その内容を豊かにしていった。戦闘にさいしては、常に部隊の先頭に立ち、巧みな用兵術によって作戦を指揮した。だからこそ朝鮮人民革命軍は、数量上、技術上圧倒的に優勢な日帝侵略軍と戦って、常に主導権を握り、百戦百勝することができたのであった。

 主席はまた、世界の革命的人民との戦闘的団結と国際主義的連帯を強めて、抗日武装闘争の勝利を促した。主席は、国際的な反帝共同戦線にかんする独創的な路線を示し、抗日武装闘争の全期間を通じて中国の共産主義者および広範な反日勢力との共同闘争と共同戦線を強化したばかりでなく、ソ連を武力で擁護するスローガンをうち出し、それを立派に実現した。また、世界の革命的人民との国際主義的連帯を強めることにも大きな関心を向けた。そうした努力は、抗日武装闘争の勝利に有利な状況をつくりだした。

 金日成主席によって指導された抗日武装闘争は、朝鮮革命と世界革命の発展にとって非常に大きな意義のある歴史的な出来事であった。

 それは第1に、朝鮮人民の革命闘争を新たな段階へと発展させて祖国解放の歴史的偉業を達成し、新しい社会建設への大路を切り開いた。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「共産主義者の指導のもとに展開された抗日武装闘争は、朝鮮人民の民族解放闘争と共産主義運動を新たな高い段階へと発展させました」(『朝鮮労働党創立30周年にさいして』1975年10月9日)

 抗日武装闘争は、はじめて偉大なチュチェ思想を指導指針とし、勤労人民大衆の自主性を実現するために展開された革命闘争であった。それ以後、朝鮮革命は正しい指導思想、指導理論、科学的な戦略・戦術にもとづいて新たな発展の道に入り、チュチェの革命偉業を勝利のうちに前進させることができるようになった。

 抗日武装闘争の勝利によって朝鮮人民は、滅亡の危機から救われ、民族の自主権と国の独立を回復し、新しい朝鮮の堂々たる主人となった。そして、反帝反封建民主主義革命の諸課題を遂行し、社会主義・共産主義への道を力強く前進することになった。それは、朝鮮革命と人民の生活に根本的な変化をもたらした歴史的な出来事であった。

 抗日武装闘争は第2に、革命を中断することなく前進させる主体的な革命勢力を育成した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「かつて、我々共産主義者は、自力で革命をなし遂げようと武装部隊を組織して日本帝国主義者とたたかいました。この闘争の過程で革命の隊列をたえず拡大し、解放後には、これを土台にして党を組織し、我が国の革命を正しく指導することができるようになりました」(『祖国統一偉業の実現をめざし全力をあげて革命力量を強化しよう』1964年2月27日)

 抗日武装闘争を通じてチュチェ型の共産主義革命家が育成され、革命隊列のチュチェ思想化が実現した結果、チュチェの革命偉業を完遂する根幹部隊が形成された。また、その過程で朝鮮革命にたいする労働者階級の指導が実現し、労農同盟が強化され、各階層の広範な大衆が一つの勢力に結集した。朝鮮人民は、金日成主席を民族の太陽、解放の救いの星として敬慕し、主席のまわりに一丸となって革命の道を力強く前進した。抗日武装闘争を通じて形成された、この主体的な革命勢力は、祖国解放の歴史的偉業を達成したばかりでなく、朝鮮革命をひきつづき発展させる強力な基盤となった。

 抗日武装闘争は第3に、チュチェ型の革命的党創立の組織的・思想的基礎をきずき、栄えある革命伝統を形成した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「抗日武装闘争は、朝鮮共産主義運動の初期にあった本質的な弱点を克服して、マルクス・レーニン主義党を創立するための組織的・思想的基礎をつくり、我が人民の最も栄えある革命伝統をきずきあげました」(『朝鮮労働党創立20周年にさいして』1965年10月10日)

 抗日武装闘争の過程で組織的根幹部隊が育成され、共産主義隊列の統一と団結が実現して党創立の組織的基礎がきずかれた。また、主体的な革命路線と戦略・戦術が確立し、チュチェ思想にもとづく革命隊列の思想・意志の統一が強化されて、党創立の思想的基礎もきずかれた。抗日武装闘争と反日民族統一戦線運動が展開されるなかで、党創立の大衆的基盤もかためられた。こうして、解放後の複雑を極めた状況のなかでも、いちはやく党を強固な基盤のうえに創立し、その後、直ちに政権を担当する党として、社会経済的変革を指導し、強大な大衆的党として急速な発展を遂げることができた。

 また、抗日武装闘争の過程で、朝鮮労働党と人民の貴重な革命伝統が形成された。主席の創始した朝鮮労働党の革命伝統は、チュチェの革命伝統である。後代、永久に継承されるべきこの革命伝統には、非常に深く豊かな内容が含まれている。そこには、チュチェの思想、理論、方法が全面的に具現されており、またチュチェの革命偉業を切り開き、その前進過程で積まれた貴重な革命の業績と豊富な闘争の経験が全面的に集大成されている。この栄えある革命伝統は、朝鮮労働党と朝鮮革命の歴史的根幹として、チュチェの革命偉業を完成する不動の礎となり、朝鮮人民の貴重な革命的財富となった。

 抗日武装闘争は第4に、国際的にも大きな意義がある。

 抗日武装闘争は、チュチェ思想の偉大さと正しさ、不敗の生命力を誇示し、自己の運命を自力で切り開く人民は必ず勝利するという真理をもって、チュチェの旗のもとに展開される革命の新しい時代を開いた。特にそれは、反帝民族解放闘争の先駆的模範を示すことによって、世界の被抑圧人民に無限の力と勇気を与え自主・独立へのたたかいへと励ました。1968年にハバナで開かれた世界文化大会では、『金日成同志の指導のもとに展開された朝鮮人民の抗日武装闘争』と題する文書を採択し、それをアジア、アフリカ、ラテンアメリカ人民の反帝民族解放闘争の戦略・戦術とすることに決めた。

 抗日武装闘争はまた、国際ファシズムのアジアにおける「突撃隊」であった日本帝国主義を撃滅して人類をファシズムの危険から救い、帝国主義的植民地体制を崩壊に導くうえで極めて重要な役割を果たした。それはまた、中国人民の革命闘争を血を流して援助し、資本主義の包囲のなかで単独で社会主義を建設していたソ連を武力で擁護するなど、国際革命勢力の強化にも大きく貢献した。

 抗日武装闘争はさらに、労働者階級の革命理論、特に植民地民族解放革命にかんする理論を独創的に発展させるとともに、被抑圧、被搾取人民の革命闘争の経験を豊かにして、自主性を擁護する世界の労働者階級と革命的人民のたたかいに大きな寄与をした。

 金日成主席によって抗日武装闘争の時期に積みあげられた不滅の歴史的功績は、朝鮮と世界の革命の発展にますます明るい光を放っている。




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