金 正 日

反党反革命分子の思想的毒素を一掃し、
党の唯一思想体系を確立するために
朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部の活動家への談話
1967年6月15日 


 最近開かれた党中央委員会第4期第15回総会は、党の唯一思想体系を確立し、金日成同志の革命思想にもとづく党隊列の統一と団結を強化するためのわが党の闘争において大きな意義を持つ歴史的な会議でした。

 今回の総会では、長い間わが党内に潜入して策動していた反党反革命分子の罪業を暴露、批判し、主動分子を党隊列から除去する断固たる措置をとりました。しかし、幾人かの主動分子を除去したからといって、反党反革命分子との闘争が終わったのではありません。反党反革命分子との闘争は今始まったばかりです。

 これまで反党反革命分子は、党の責任ある位置にあって、党内にブルジョア思想、修正主義思想、封建的儒教思想などの反動的な思想を広く流布しました。反党反革命分子は除去されましたが、彼らが流布した思想的毒素は依然として残っています。この思想的毒素を一掃せずには、革命隊伍の思想・意志の統一と団結を保障することができず、革命と建設を力強く促進することもできません。

 反党反革命分子の思想的毒素を徹底的に一掃しなければ、革命に厳しい試練が到来する時、再び革命隊伍内に動揺分子、異分子が生じかねません。これは、反分派闘争におけるわが党の深刻な歴史的教訓です。戦後、わが党は反分派闘争を展開しながら長い来歴を持つ宿弊的な分派の残党を組織的に除去するのに力を注いだため、彼らが及ぼした思想的毒素を一掃する闘争を深化させることができませんでした。その結果、組織的な分派は一掃されましたが、分派の思想的根源は完全になくならず残されるようになりました。最近、アメリカ帝国主義の侵略策動がいっそう露骨になり、外部から修正主義の風が激しく吹き寄せてくると、ブルジョア思想、事大主義思想に毒された者がそれに便乗して党に反対する挙に出てきました。

 我々は1956年8月総会以後、反党分派分子の思想的毒素を一掃する闘争を徹底的におこなえなかったことから相応の教訓をくみ取り、このたび暴露、粉砕された反党修正主義者がまき散らした反動的、日和見主義的な思想的毒素を一掃する闘争を各級党組織が力強く繰り広げるようにしなければなりません。

 反党反革命分子の思想的毒素を一掃する闘争を全党的に力強く繰り広げるためには、まず、彼らの正体と罪業を党員と勤労者に明白に認識させなければなりません。

 これまで多くの人は反党反革命分子の正体を見抜けなかったため、彼らを党に忠実な人と思い、彼らの指示を見さかいなく受け入れ、彼らに盲従しました。今回、党中央委員会総会を通して反党反革命分子の正体が暴露されましたが、まだ少なからぬ人々は反党反革命分子の罪業について具体的に知っていません。人々に反党反革命分子の正体と罪業をはっきり認識させ、政治的自覚を高めなくては、ブルジョア思想、修正主義思想、封建的儒教思想の毒素を一掃する闘争を成功裏に繰り広げることができません。

 それでは、このたび暴露された反党反革命分子の罪業は何でしょうか。

 それは、何よりもまず金日成同志の革命思想に反対し、金日成同志の高い権威と威信を傷つけるため狡猾に策動したことです。

 金日成同志を限りなく敬慕し高く仰ごうとするのは、朝鮮人民の心の底からの一致した志向です。金日成同志を仰いでいるのは、朝鮮人民のこのうえない幸せであり誇りであります。ところが、反党反革命分子は金日成同志を敬慕し従う人民の赤誠に水を差し、金日成同志の高い権威を傷つけようと陰険に策動しました。恵山に普天堡戦闘勝利記念塔を建立する時、ある者は塔の規模が大きすぎるの、何がどうのと記念塔の建立を執拗に妨げ、さらには、記念塔は人民英雄塔であるから、そこに金日成同志の銅像を立てるのは塔の性格に合わないとたわ言をいい、記念塔に抗日の伝説的英雄である敬愛する金日成同志の銅像が立てられないようにしようと策動しました。党の思想活動部門に潜入していたある者は、朝鮮労働党歴史研究室をなくせと各地方に指示し、党員と勤労者を金日成同志の革命思想で武装させるのを各面から妨げました。

 反党反革命分子は、金日成同志の権威を傷つけようと陰で悪巧みをする一方、自分自身を押し立てるためにあらゆる卑劣な行動をあえてしました。ある者は追従分子を唆して、自分の「伝記」を書かせたり、「生家」をつくり直させたりし、自分の妻をモデルにした『ひたむきな心』という演劇まで創作して公演させました。反党反革命分子はまた、自分の出身地の人物をみだりに登用し、政治的にも階級的にも不純な者まで手なずけて自分の地盤をかためようとしました。こうした事実は、彼らが汚らわしい下心を持った政治的野心家、陰謀家であることを明白に示しています。

 反党反革命分子は、金日成同志が築き上げたわが党の輝かしい革命伝統を骨抜きにしようと狡猾に策動しました。金日成同志が祖国解放をめざす血みどろの闘争の過程で築き上げた抗日の革命伝統は、朝鮮革命の歴史的根源であり、貴い革命的財貨です。我々は当然、抗日の革命伝統を汚れなく固守し、輝かしく継承発展させなければなりません。ところが、反党反革命分子は、革命伝統の幅を広げるという党の方針をねじ曲げ、革命伝統の幅を上下左右に広げるべきだといって、抗日革命闘争の時期に築かれたわが党の栄えある革命伝統に雑多なものを引き入れようとしました。また、彼らはいろいろな口実をもうけて、抗日パルチザン参加者の回想記などの革命伝統の教育資料を出版できないように妨害し、回想記は昔話の本を見るように1回読んで見ればいいと言って、党員と勤労者の間で革命伝統教育を強化できないようにしました。それは、わが党の輝かしい革命伝統をくもらせ抹殺し、人々を革命的に教育できないようにするための反党的、反革命的行為です。

 我々の革命偉業は完成されておらず、我々には困難かつ複雑な革命任務が提起されています。我々は絶対に革命伝統教育を放棄したり、弱めたりすることはできません。革命伝統教育は、人々に強い革命精神と闘争経験を身につけさせ、彼らを不屈の革命家に育てる強力な手段です。革命伝統教育は、革命に参加したことがなく困難を体験したことのない人々、特に、育ちゆく新しい世代に切実に必要です。革命伝統教育を強化してこそ、党員と勤労者を革命化して社会主義・共産主義を成功裏に建設し、祖国統一の偉業も実現することができます。

 反党反革命分子は、うわべでは党を支持し、党の路線と政策を擁護するふりをしながら、裏では党の路線と政策を中傷し、その実行をいろいろと妨げました。彼らは、わが党が示した独創的な自立的民族経済建設路線と、経済建設と国防建設の並進路線に反対し、最もすぐれた社会主義経済管理体系であるテアンの事業体系もまともに取り入れられないようにしました。彼らは、経済の規模が大きくなれば生産成長の予備が少なくなるといって、経済発展の速度を遅らせようとし、社会主義建設におけるわが党の総路線であるチョンリマ運動についてまで難くせをつけました。また、彼らは、金日成同志の示した「一当百」のスローガンに反対し、「一当百」という表現を使うなと言いました。しかし、人民軍では、「一当百」は金日成同志が人民軍に示した方針であるから、誰が何と言おうと絶対に取り下げることはできないといって「一当百」のスローガンをあくまで守りとおしました。

 このたび暴露、批判された反党反革命分子は政治的野心家、陰謀家であるのみか、階級的に堕落し、思想的に変質した革命の背信者であり、右翼投降主義者です。

 反党反革命分子は、わが党の革命思想に対する宣伝はおこなわず、ブルジョア思想と修正主義思想、封建的儒教思想などの異質的で反動的な思想をかなりまき散らしました。彼らは、民族的なものを生かし、主体性を確立するという口実のもとに封建的儒教思想を説き、我々の社会主義の現実に合わないかつての古くて立ち後れたものをむやみに復活させようと策動しました。彼らがいかに階級性に欠け政治的に変質したかということは、わが党の文献と革命伝統の教育資料を多く出版し、それをもって勤労者を教育するのでなく、実学派の本を多く出版させ、丁茶山の『牧民心書』を幹部の必読文献に指定して党組織に押し付けたことを見てもよくわかります。ある者は、朝鮮固有の良風美俗を生かすべきだといって、女学生に昔のお辞儀の仕方を教え、娘が嫁ぐ時には輿に乗せるようにと言いました。

 反党反革命分子は、思想理論分野でもブルジョア思想、修正主義思想を多くまき散らしました。修正主義に毒された一部の学者は、社会主義制度が樹立されれば資本主義から社会主義への過渡期が終わり、プロレタリアート独裁と階級闘争は必要でなくなると言いましたが、それは、わが党の継続革命の思想を否定するものであり、人民政権の独裁機能を弱め、人民の階級意識を麻痺させる修正主義理論です。

 反党反革命分子は、資本主義に対する幻想を抱き、経済管理に資本主義的方法を導入しようと画策しました。反党反革命分子は、平安北道のある工場に行って、生産は社会主義的に、管理は資本主義的におこなうべきだといったかと思うと、黄海製鉄所に行っては価値法則を云々して「仮貨幣」というものをつくりだし、物質的刺激によって労働者を愚弄しようとしました。甚だしくは、彼らは資本主義国の新聞にも見習うべきものがあるといって、それをもって「方式講習」なるものまでおこないました。このような行為は、資本主義を取り入れて朝鮮革命を他の道に導こうとする反革命的策動です。

 反党分子の修正主義的正体は、社労青組織に押し付けたいわゆる「10カ年計画」なるものに明白にあらわれています。反党反革命分子は、社会主義的愛国主義教育を強化するという党の方針を表面に掲げて、青年の間にブルジョア思想と修正主義をまき散らすための「10カ年計画」というものをつくりだしました。それは、地方ごとに自分の村の「郷土史」を編纂して学習するようにし、亭や舞踏場をつくって「蝶よ燕よ」といった歌をうたい、踊りをおどるといったことが基本内容となっていました。

 わが党は、青年の間で社会主義的愛国主義教育を強化し、彼らが自分の郷土と社会主義祖国を熱烈に愛し、祖国の富強発展のため献身的にたたかうことを求めています。郷土を愛するというのは、自分の故郷と村、町と職場を愛し、そこをより暮らしよい社会主義楽園にするということであって、決して、自分の郷里の陳腐な両班や地主の家系を調べ、逸楽にふける遊び場をつくるということではありません。そういうことは、社会主義的愛国主義とは縁もゆかりもありません。反党反革命分子は、郷土愛だの、愛情だの、理想だのといって青年を誘惑し、腐りきったブルジョア的生活様式をまき散らし、彼らに安逸をむさぼらせ、わが社会の健全な生活気風を濁らせようとしました。

 これまで党の要職に居座っていたブルジョア分子、修正主義分子が陰険な手口で人々の目を欺きながら強行した罪悪行為は実に重大です。彼らが及ぼした悪影響は、党の組織活動と思想活動部門をはじめ、わが社会に及んでいないところがありません。

 活動家はこれまで政治的に明き盲になり、反党反革命分子の不純な行為を見分けられず、彼らの正体を適時にあばき出せなかったことを深く反省し、そこから深刻な教訓をくみ取るべきです。

 我々は党員と勤労者に、このたび暴露、粉砕された反党反革命修正主義分子の汚らわしい正体と罪業を明白に認識させ、彼らが反党反革命分子の思想的毒素を一掃する闘争に高い政治的熱意を持って参加するようにしなければなりません。

 反党反革命修正主義分子の罪業に関する資料をまとめて下級党組織に配付し、党員に知らせるべきだと思います。

 反党反革命分子の思想的毒素を一掃するためには、思想闘争と思想教育活動を着実におこなわなければなりません。

 反党反革命分子の思想的毒素を一掃する思想闘争は、党の唯一思想体系の確立に基本を置いて進めるべきです。思想闘争の過程で提起されるいっさいの問題を党の唯一思想体系の視点で分析し、それに反する時には仮借なくたたかって徹底的に克服すべきです。思想闘争では、絶対に枝葉末節の問題にこだわることのないようにすべきです。

 思想闘争を着実におこなうには、党内民主主義を十分に発揚する必要があります。思想闘争会議では誰でも自分の言いたいことは全部述べ、意見を積極的に提起できるようにしなければなりません。そうして、批判が大衆的に活発におこなわれるようにすべきです。

 すべての人が思想闘争会議に主人らしく参加するようにしなければなりません。このたびおこなわれる思想闘争会議では、批判される人と批判する人が別にいるわけではありません。誰もが自分の活動と生活を第4期第15回総会決定の精神にてらして深刻に検討しなければなりません。

 思想闘争の過程で偏向があらわれないようにすべきです。このたび思想闘争会議をおこなう目的は、反党反革命分子の思想的毒素を一掃し、党の唯一思想体系を確立するところにあるのですから、批判はあくまでも党の統一と団結を強化する方向で進めるべきです。批判の際、個人的感情が作用して、以前批判されたことを根にもってこの機会に仕返しをしようとする傾向があらわれたり、超党性を発揮して人々にむやみに政治的レッテルを張り付けるようなことがないようにすべきです。

 反党反革命分子の思想的毒素は長い期間にわたってまき散らされたものなので、1、2回の思想闘争ではそれを完全になくすことができません。それゆえ、反党反革命分子の思想的毒素を一掃するたたかいを一時的なキャンペーンとしてではなく、根気よく進めなければなりません。

 反党反革命分子がまき散らした思想的毒素を一掃し、党の唯一思想体系を確立するうえで基本は、思想教育を強化して党員と勤労者をわが党の革命思想で武装させることです。

 党の唯一思想体系はとりもなおさず、金日成同志の思想体系であり、指導体系です。わが党内には金日成同志の革命思想と指導があるのみであり、それを抜きにしてはわが党の存在について考えることができません。金日成同志の革命思想は、わが党と革命の永遠の指導思想です。金日成同志の賢明な指導があったからこそ、朝鮮人民は抗日血戦万里の道を勝利のうちに乗り越え、3年間の祖国解放戦争でアメリカ帝国主義侵略者を打ち破っただけでなく、戦後の復興建設と社会主義革命を成功裏に遂行し、社会主義建設で世人を驚嘆させる奇跡を生み出すことができたのです。

 我々は、党員と勤労者の間に党の唯一思想体系を確立することに基本を置いて、党政策教育と革命伝統教育、社会主義的愛国主義教育を強化しなければなりません。金日成同志の古典的著作を大々的に出版し、革命伝統の教育資料など各種の教育資料をより多く編纂すべきです。これと同時に、革命戦跡と革命史跡を革命伝統教育の拠点として立派に整え、それを通じての教育を強化すべきです。そうして、すべての党員と勤労者が共産主義的革命精神で武装し、党政策の要求どおりに思考し行動し、党と領袖の指導に忠実に従うようにしなければなりません。

 反党反革命分子の思想的毒素を一掃し、党の唯一思想体系を確立する活動を、党代表者会議の決定貫徹のための実践闘争と密接に結びつけて進めるべきです。

 昨年おこなわれた党代表者会議では、新たな情勢に対処して経済建設と国防建設を並進させる革命的路線を示し、革命と建設の各部門で革命的大高揚を起こすことを呼びかけました。我々は、反党反革命分子の思想的毒素を一掃するための思想闘争の成果が、党代表者会議の決定を貫徹するための実践闘争にあらわれるようにしなければなりません。我々が反党反革命分子の思想的毒素を一掃する闘争を繰り広げるのも結局は、党員と勤労者を党のまわりにかたく結集して、革命と建設をより立派に進めるためです。

 我々は、反党反革命分子の思想的毒素を一掃するための思想闘争を、党代表者会議の決定貫徹をめざす闘争と密接に結びつけて進めることによって、経済建設と国防建設のすべての単位で革新を起こし、社会主義建設に革命的大高揚が起こるようにしなければなりません。人々は革命闘争の実践のなかで鍛えられ、改造されていくのです。我々は、党代表者会議の決定を貫徹するための闘争の過程が、とりもなおさずブルジョア思想、修正主義思想などあらゆる反動的な思想的要素を克服し、人々を革命化、労働者階級化する過程、党の唯一思想体系を確立する過程となるようにすべきです。

 反党反革命分子の思想的毒素を一掃し、党の唯一思想体系を確立するには、党の宣伝活動家の役割を一段と高める必要があります。

 党の宣伝活動家は思想戦線の前哨に立っているのですから、誰よりも政治的に鋭く、金日成同志の革命思想を擁護、防衛するうえで断固たるものがなければなりません。しかし、これまで多くの党の宣伝活動家は明き盲になり、反党反革命分子に盲従しました。反党反革命分子は、長い間党の思想活動部門に潜んでいて、ブルジョア思想と修正主義思想、封建的儒教思想を狡猾な手口で押し付け、党の宣伝活動家はそれを見分けることができず、そのとおり受け入れました。そのため、党内に異質的な思想的毒素が少なからずまき散らされるようになりました。

 党の宣伝活動家は、このたびの思想闘争会議で自分自身を厳しく検討、批判し、党の唯一思想体系を確立し、二度と明き盲になって不穏分子に翻弄されることがないようにすべきです。党の宣伝活動家は金日成同志の革命思想と、その具現である党政策で武装し、いつどこにあっても党の思想で呼吸し、思考し、行動しなければなりません。また、金日成同志の教えと党政策を尺度にしてすべてをはかり、それに反している時にはいささかも妥協することなく断固としてたたかい、いかなる逆境にあっても党と領袖をゆるぎなく擁護、防衛しなければなりません。

 党の宣伝活動家は、反党反革命分子の思想的毒素を一掃し、党の唯一思想体系を確立する活動を責任を持って正しく進めることによって、党の高い信頼と期待に必ずこたえなければなりません。

出典:『金正日選集』増補版2

<参考>金日成主席が提示した「党の唯一思想体系の確立方針」の詳細。

 金日成主席の著作『資本主義から社会主義への過渡期とプロレタリアート独裁の問題について』。


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