金 正 日

大学生の間に党の思想体系を確立することについて
金日成総合大学の学生党・民青の初級幹部への談話 
−1963年7月29日− 

 金日成同志は去る4月18日、党中央委員会部長会議で金日成総合大学の教職員、学生の間に党の思想体系を確立することについて強調しました。

 それから3カ月しか経っていませんが、その間、党の思想体系を確立するうえで少なからぬ成果がもたらされました。

 大学新聞に「すべてのことを金日成同志に聞こう」「金日成同志に見習おう」というスローガンが掲載されましたが、それには、いつどこにあっても金日成同志だけを信頼し慕い、ただ金日成同志の意図どおりに考え行動しようとする大学生の崇高な志向が反映されていると思います。最近、大学生の間でこのスローガンを活動と生活で実践しようという覚悟と熱意が一段と高まっています。

 大学生の間で、金日成同志の著作への学習意欲が高まり、金日成同志の教えをあくまで実行するために奮闘する革命的気風も確立されつつあります。

 しかし、金日成同志の4月18日教示を実行する活動は第一歩を踏み出したにすぎません。我々は、金日成同志の4月18日教示を実行するために奮励努力し、学生の間に党の思想体系をよりしっかり確立しなければなりません。

 党の思想体系とは、一言で言って偉大な領袖金日成同志の思想体系です。

 党の規約にわが党がマルクス・レーニン主義党だと規定されているからといって、わが党の思想体系を労働者階級の党の思想体系だと一般的に理解してはなりません。

 わが党は、金日成同志が打ち出した路線と方針を指針とし、その指導を受けている最も革命的な党です。それゆえ、わが党の思想体系は、あくまで金日成同志の思想体系でなければなりません。

 党の思想体系を確立するということは、すべての党員と勤労者が金日成同志の革命思想で武装し、いかなる環境にあっても金日成同志が打ち出した路線と方針を断固擁護し、貫徹するためすべてをささげてたたかうことを意味します。

 こんにち、党の思想体系を確立することは、我々に提起されている最も重要な課題であり、すべての学生を民族幹部に育て上げるための基本的要求です。学生の間に党の思想体系を確立してこそ、彼らを党と領袖のために、祖国と人民のために忠実に奉仕する熱烈な革命家に育て上げることができ、祖国の明日を担って立つ有能な革命的人材として鍛え上げることができるのです。

 金日成総合大学の学生の間に党の思想体系を確立することは、いっそう重要な問題となります。金日成同志の尊名を冠した総合大学の学生は、誰よりも金日成同志に忠誠を尽くさなければなりません。金日成同志に忠誠を尽くすのは、金日成総合大学の第一の生命であり、誇るべき伝統です。したがって、金日成総合大学に籍を置く人は誰よりも党の思想体系をしっかり確立しなければなりません。党の思想体系が確立していない人は金日成総合大学にいる資格がありません。

 党の思想体系を確立することは、朝鮮革命の多難さと複雑さのためいっそう重要な問題となっています。

 我々はいま、国が分断されている状況下で、世界反動の元凶であるアメリカ帝国主義侵略者と直接対峙して社会主義を建設しています。我々はまだ革命の全国的勝利をなし遂げていません。朝鮮革命の全国的勝利をなし遂げるには、今後も苦難の闘争を展開しなければなりません。

 こんにち、朝鮮革命の国際的環境も複雑をきわめています。国際共産主義運動内部にあらわれた現代修正主義は革命に大きな弊害をもたらしています。現代修正主義者は、原則を曲げて帝国主義者と妥協することを説き、革命を放棄しようとしています。これは、社会主義建設と祖国統一のための朝鮮人民の闘争に難関をもたらしています。

 このような状況下で党の思想体系を確立しなければ、人々が修正主義思想に染まり、革命勝利への信念を失い、動揺する恐れがあります。我々は革命が困難と複雑をきわめるほど、学生の間に党の思想体系を確立する活動を強化しなければなりません。

 何よりもまず、学生の間で金日成同志の革命思想で武装する運動を強力に展開すべきです。

 わが党の革命思想は、金日成同志の革命思想であり、金日成同志の革命思想で武装するのは党の思想体系を確立するための第一の要求です。金日成同志の革命思想で武装することなしに党の思想体系の確立について考えることはできません。すべての学生は、金日成同志の革命思想で武装することを第一の課題とし、それに、すべての精力を注ぐべきです。

 金日成同志の革命思想で武装するためには、金日成同志の教えと著作の学習に力を入れなければなりません。

 金日成同志の教えと著作は、革命の真理を解き明かす教科書であり、このうえなく貴重な思想的糧です。金日成同志の教えと著作の学習に励んでこそ、革命に忠実な真の共産主義的革命人材となり、与えられた革命課題を立派に遂行することができるのです。

 ところがいま、少なからぬ学生が専攻科目の学習をするのだとして、金日成同志の教えや著作の学習をおろそかにしています。一部の人は、金日成同志の著作の学習を、組織が統制するので仕方なくおこなったり、解説テキストをそのまま書き写すやり方でおこなっています。また、いまなお、事大主義、教条主義に毒されている一部の人は古典ばかり持ち歩き、わが党の路線や政策を古典の枠にはめて解釈しようとしたり、古典や他国の党の文献を尺度にして評価しようとしています。これは、金日成同志の教えと著作に対する基本姿勢と立場が間違っていることを示しています。

 我々が金日成同志の教えと著作を学習するのは、誰かの歓心を買ったり評価してもらうためではなく、単に知識を得るためでもありません。我々が金日成同志の教えと著作を学習する目的は、金日成同志の革命思想で武装し、金日成同志の意図どおりに朝鮮革命を進めることにあるのです。

 我々は、金日成同志の教えと著作の学習計画をきちんと立て、学習に励んでその深遠な思想と理論を深く体得すべきです。

 金日成同志の教えと著作の学習は、原文にもとづき、討論の方法でおこなうべきです。

 特に、すべての学生が、党政策の講義にもれなく参加し、各時期に提示される金日成同志の教えと著作を体系的に深く研究すべきです。

 わが党の歴史を深く研究、学習するのは、金日成同志の革命思想で武装するうえで非常に重要な意義があります。

 わが党の歴史は、金日成同志が路線と方針を打ち出し、その貫徹へと正しく導いてきた歴史であり、党の路線と政策に反対して陰に陽に策動するあらゆる反党反革命分派分子と妥協することなくたたかつてきた厳しい歴史です。わが党の歴史を深く研究、学習してこそ、金日成同志が示した路線と方針の正当さと指導の賢明さをはっきり知り、革命勝利への確信をもって金日成同志にあくまで忠誠を尽くすことができるのです。

 学生の間で朝鮮労働党歴史科目の学習を強化するとともに、朝鮮労働党歴史研究室でさまざまな研究発表会などを活発におこなって、誰義で学んだ内容を強固にし深化させるべきです。

 次に、学生の間に金日成同志の教えを貫徹する革命的気風を確立すべきです。

 党の思想体系を確立する重要な目的は、金日成同志の教えを貫徹して社会主義・共産主義建設をいっそう早めることにあります。

 金日成同志は4月18日の党中央委員会部長会議で、学習は学生に課せられた基本革命課題であり、学生は学習第一をモットーとすべきであると述べました。ところが、いまなお一部の学生は学習に全力を尽くさず、漫然と日を送っています。いま、党細胞と民青(朝鮮民主青年同盟)の初級団体は、一部の学生に学習を怠る傾向が見られるにもかかわらず、それと強くたたかつていません。

 学生の間に金日成同志の教えを貫徹する革命的気風を確立するには、何よりもまず彼らをよく教育しなければなりません。党組織と民青組織は学生に、金日成同志の教えを貫徹することは革命勝利の確固たる保証であり、党員と民青員の本分であることを深く認識させなければなりません。そして、すべての学生が金日成同志の教えを貫徹するためにみずから立ち上がるようにすべきです。

 学生の間に金日成同志の教えを貫徹する革命的気風を確立するには、その貫徹を怠ったり中途で放棄する傾向と鋭い思想闘争を展開しなければなりません。金日成同志の教えは、誰もその実行を怠ったり中途で放棄してはならず、ただ無条件に受け入れ、あくまで貫徹する義務があるだけです。党細胞と民青の初級団体は、学生の間に金日成同志の教えを適時に実行せず、その実行を怠ったり中途で放棄するようなことがあったら問題視し、強い思想闘争を展開して、それをあくまで貫徹する革命的気風を確立すべきです。

 次に、事大主義と教条主義に反対する闘争を強力に展開すべきです。

 事大主義と教条主義は、わが党の革命思想に根本的に反するきわめて有害な思想潮流です。人が事大主義と教条主義に陥ると自分の信念を失って人に期待をかけ、人の真似をするようになります。事大主義と教条主義が増長すると、外部からブルジョア思想や修正主義が入り込み、あらゆる反動的思想毒素が頭をもたげることになりかねません。歴史的経験は、事大主義、教条主義に陥ると国が滅び、革命と建設を台なしにしてしまうことを示しています。

 わが党が、事大主義と教条主義に反対し、主体性を確立するための闘争を力強く展開した結果、人々の間で事大主義と教条主義がかなりなくなりましたが、まだ根絶されたとは言えません。事大主義と教条主義は、いまも革命と建設に大きな支障をきたしています。革命と建設が急速に進捗しているわが国の現実は、すべての分野で事大主義と教条主義を徹底的に克服することを切実に求めています。

 我々は、学生の間で事大主義と教条主義を根絶するたたかいをより幅広く、深く展開しなければなりません。

 事大主義と教条主義を根絶するには何よりもまず、学生に事大主義と教条主義の反動的本質と弊害、その表現形態を明確に認識させる必要があります。事大主義と教条主義は、人々の頭に残っている古い思想であり、行政的方法では決して根絶できず、ただ根気よく忍耐強い教育によってのみ根絶することができるのです。我々は、事大主義と教条主義の反動的本質と弊害、その表現形態を生々しい資料と結びつけて明確に認識させ、すべての学生が、事大主義、教条主義に反対して積極的にたたかうようにしなければなりません。

 事大主義と教条主義を根絶するにはまた、すべての学生に民族的誇りと自負心をもたせる必要があります。

 民族的誇りと自負心は、自分の国と人民への限りない愛情に根ざした崇高な思想・感情であり、その核をなすのは自分の党と領袖に対する絶対的な信頼です。党と領袖への絶対的な信頼はひとりでに生まれるのではなく、領袖が示した路線と方針の正当さを深く認識してこそ確固たるものとなります。我々は、学生にわが党の路線と政策の正当さと独創性を明確に認識させることにより、すべての学生が金日成同志を戴いている大きな民族的誇りと自負心をもち、朝鮮革命は朝鮮人自身の力で十分遂行できるという確固たる信念をもつようにしなければなりません。また、すべての学生が、わが国の歴史と民族文化を深く研究、学習し、朝鮮民族は悠久の歴史と燦然たる文化を有する英知に富む民族であるという誇りと自負心をもつようにすべきです。

 学生の間に党の思想体系を確立するには、党細胞の役割を一段と高めなければなりません。

 学生の間に党の思想体系を確立するのは、党細胞の最も重要な任務です。党細胞は、学生の間に党の思想体系を確立することに重点を置いてすべての活動をおこなうべきです。

 党細胞は、学生の党の思想体系の確立状況を常時掌握し、露呈した欠陥をそのつど是正するための対策を立てるべきです。同時に、学生の間で党の思想体系を確立するよう要求の度合を強め、この活動を絶えず深化させるべきです。

 党組織は、特に、民青の初級団体が党の思想体系を確立するための活動を正しくとらえていくよう助けるべきです。

 いま、少なからぬ民青員は党の思想体系の確立は党員に限られた活動であるかのように考え、この活動に関心を払っていません。党の思想体系の確立は党員だけがおこなうべき活動ではなく、すべての学生がおこなわなければならない活動であり、大学内の党組織と民青組織が基本としてとらえていくべき活動です。

 党組織は、民青の初級団体が同盟員の間に党の思想体系を確立する活動をしっかりとらえて力強く推し進めるよう助けるとともに、活動上の偏向をそのつど正し、懸案を解決することに深い関心を払うべきです。、

 我々は、党の思想体系を確立する活動を引き続き力強く推し進めて、すべての学生を金日成同志の革命思想で武装させ、金日成同志の教えを貫徹するために奮励努力する真の革命家に育て上げなければなりません。

出典:『金正日選集』増補版1


<参考>「金日成同志の教えと著作の学習は、原文にもとづき……」に関して

 総書記は1986年7月15日、朝鮮労働党中央委員会の責任幹部との談話で次のように述べています。

 「金日成同志の著作には、チュチェの思想、理論、方法が全面的に集大成されており、革命と建設で提起されるあらゆる理論的・実践的問題と、それを解決するための具体的方途が明白に示されています。金日成同志の著作には、党の指導のもとに朝鮮人民が困難かつ複雑な闘争の過程でかちとったあらゆる貴い経験と輝かしい業績が、幅と深さをもって総括されており、我々が指針とすべき根本的原則と戦略戦術が全面的に解明されています。金日成同志の著作は、革命と建設にかんする真理を集大成した百科全書であり、チュチェ思想の叢書です。金日成同志の著作こそ、我々が研究し、学習すべき最も貴重な古典です。それゆえ金日成同志の著作学習は、あくまでもその原書をもっておこなうべきです。
  ところがいま、著作学習は形式的におこなわれています。一部の人は著作を原書で学習するのではなく、もっぱらそれを解説したテキストや参考資料などにたよっています。著作の原書を読めばよく理解できるのですが、それを解説したテキストを読むと、難解で内容がはっきりしません」


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