『金日成主席革命活動史』

第8節 国際革命勢力との連帯の強化。世界革命の促進


 金日成主席は抗日革命闘争の過程で、常にプロレタリア国際主義の旗をかかげ、世界革命を促進するために努力を傾けた。

 朝鮮で抗日革命闘争が進められていた時期、世界の革命は急速に発展していた。世界各国で共産主義勢力が成長し、各民族の革命勢力も強化されて、民族の解放と階級の解放をめざすたたかいは空前のもりあがりを見せていた。資本への従属と民族的抑圧に反対する労働者階級の革命闘争は、発展した資本主義国の範囲をこえて地球上の広い地域に拡大し諸国人民の革命闘争と国際労働者階級の革命偉業は緊密に結ばれていった。革命闘争のこのような発展は、世界革命の遂行を機の熟した問題として提起した。したがって、個々の国の革命と世界革命の相関関係を解明し、世界革命にたいする共産主義者の立場と態度を正しく規定することは、世界革命全般を促進するうえで極めて重要な問題であった。

 主席は、世界革命発展の実態と要求を正しく見きわめ、この問題を理論的に解明した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「個々の国の革命は、世界革命の一環であり、その構成部分である。個々の国の革命は世界革命勢力の強力な支援のもとに進められ、世界革命の勝利のために積極的にたたかうことは、各国共産主義者の国際主義的義務である」(『朝鮮共産主義者の任務』1937年11月10日)

 主席は、個々の国の革命と世界革命は互いに密接に結びついており、世界革命の勝利は個々の国における革命の勝利をとおして達成され、各国革命の勝利は世界革命の発展につれていっそう促進されると指摘し、ついで世界革命にたいする共産主義者の原則的な立場と態度を明らかにした。

 すなわち、世界革命を促進するためにはまず、各国の共産主義者が自国の革命を立派におこなうべきであり、そのためには自主的立場に立って革命と建設をおこなうことが必要である。同時に各国の共産主義者は、世界革命全般の発展に深い関心を払い、世界各国人民の革命闘争を積極的に支援しなければならない。

 主席は、世界革命と個々の国の革命の相関関係、世界革命にたいする共産主義者の立場と態度を解明することによって、共産主義者と革命的人民が世界革命を促進するうえで守るべき有力な思想的・理論的武器を提供した。

 主席は、抗日革命闘争の初期から世界革命の勝利を促す活動を展開した。

 打倒帝国主義同盟の綱領には、朝鮮に社会主義・共産主義を建設し、すすんではすべての帝国主義を打倒し世界に共産主義を建設することが朝鮮共産主義者の闘争目的として規定されており、また類例のない複雑多難な抗日革命闘争の過程でも主席は、朝鮮革命とともに世界革命の発展に深い関心を払った。

 主席は、国際ファシズムのアジアの突撃隊である日本帝国主義と対峙して反帝闘争の前哨線でたたかっている朝鮮の共産主義者は、世界革命の前に極めて重要な使命と任務を担っていると指摘し、共産主義者と人民を世界革命のために積極的にたたかうよう導いた。また、朝鮮の革命を指導しながら同時に、世界革命の発展にとって重要な理論的・実践的問題を解明して、世界革命のための偉大な模範を示した。

 主席は、不滅のチュチェ思想とそれにもとづくチュチェの革命理論、チュチェの指導方法を創始して、朝鮮人民はもとより現時代のすべての革命的人民が革命と建設で堅持すべき指導指針を示し、闘争の前途を明るくさし示した。

 主席は、抗日武装闘争の方針を提起し、それを勝利へと導くことによって、反帝闘争のすぐれた模範を示し、世界における植民地民族解放戦争の端緒を開いた。

 主席は、1930年代の初めに反帝共同戦線路線を提起し、中国人民との共同戦線を形成して帝国主義とファシズムに反対する闘争で国際的な反帝勢力の統一戦線を形成する先駆者的模範を示した。

 主席は、革命闘争で一貫して自主性の原則を堅持し、国際共産主義運動と朝鮮革命に生じた左右の日和見主義、排外主義、セクト主義、事大主義、教条主義を克服して世界革命に大きく寄与した。

 主席は、1930年代の後半に生じた国際情勢の変化に対処して、国際革命勢力との連帯を強化し、世界各国人民の革命闘争をさらに強く支援した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「我々は今後も、新しい情勢の要請にこたえてプロレタリア国際主義の旗を高くかかげ、ソ連を積極的に擁護し、中国人民との反日統一戦線を強化し、国際労働者階級と植民地被抑圧人民との連帯を強めて、朝鮮人民の主な敵−日本帝国主義侵略者に攻撃の矛先を集中し、アジア制覇の野望を粉砕しなければならない」(同上)

 日本帝国主義はこの時期、アジア制覇の野望のもとに中日戦争を起こして中国本土に侵略戦争を拡大し、ソ連にたいする戦争準備に拍車をかけていた。ヨーロッパでもファシスト・ドイツとイタリアが、世界大戦の準備を進め世界各国に侵攻して労働者階級と人民の革命闘争を抹殺しようとしていた。

 情勢は、朝鮮共産主義者に世界の革命的人民と連帯して日帝侵略者の野望を粉砕し、各国人民の革命闘争を強く支援することを求めていた。

 主席は、中国人民の革命闘争を支援することを朝鮮共産主義者の崇高な国際主義的義務とみなし、その闘争を手段と方法を尽くして支援した。また、中国の広範な人民と統一戦線を形成し、その闘争をあらゆる面から支援し、中国共産主義者の指導する武装部隊と連合戦線を形成して、かれらの闘争を血を流して支援した。

 主席は多くの戦闘をとおして、北満州と南満州の各地で活動していた中国共産主義者の指導する部隊の戦闘を支援し、朝中抗日武装部隊の戦闘的連帯を強化した。これと同時に、みずから育成した政治・軍事幹部を抗日連合軍内の中国人部隊に派遣し、苦しい状況のもとでも武器、食糧、被服を分け与え、遊撃戦の経験を紹介するなど、さまざまな方法でかれらの闘争を援助した。

 主席は、中国の民族主義的軍隊である反日部隊の支援にも大きな力を傾けた。特に、1930年代の後半に敵の「討伐」の前で萎縮していた多くの反日部隊を革命的に教育して抗日連合軍に編入する一方、1936年8月の撫松県城戦闘、1938年4月の双山子戦闘など大規模な連合作戦を展開して勝利の信念をいだかせ、抗日戦線に積極的に参加させた。

 朝中人民とその革命的武装力間の戦闘的団結と共同闘争の強化をはかる主席の適切な措置とたゆみない指導は、朝中両国の共産主義者と人民の反帝革命闘争史にプロレタリア国際主義の模範として記録された。

 主席は、日本帝国主義のソ連にたいする侵略策動を阻止し、世界最初の社会主義国ソ連を武力で擁護する戦いを積極的に展開した。主席は、日帝侵略軍が1930年代の後半多くの「精鋭」師団と予備兵力をひそかにソ満国境地帯に集結し、軍事施設を大々的に拡張するなどソ連への侵攻準備を急ぐと、「ソ連を武力で擁護しよう!」という戦闘的スローガンを示し、日本帝国主義の対ソ侵略策動を破綻させる戦いを強化した。主席は、朝鮮人民革命軍を指揮してソ連国境地帯をはじめ、敵後方の各地で攪乱作戦を展開し、敵の軍事要衝をあいついで攻撃し、飛行場や橋梁などの軍事施設を破壊して侵略者に大きな打撃を与えた。また1938年7月、日帝侵略軍が張鼓峰でソ連にたいする武力侵攻事件を起こしたとき、新台子密営で軍事・政治幹部会議を開いてソ連を支援するための敵背後攪乱作戦を展開する革命的措置を講じ、臨江県新台子戦闘、外岔溝戦闘、八道江金鉱戦闘、樺甸県富爾河近郊戦闘など多くの戦闘で敵の後方を攻撃し、日本帝国主義の対ソ侵攻策動に痛撃を加えた。

 翌年5月、日帝侵略軍が「ノモンハン事件」を起こしたときにも、ソ連を武力で擁護する戦いを展開した。主席は「ノモンハン事件」の初期に、人民革命軍部隊を日本帝国主義の対ソ武力侵攻の補給路である京羅線と浜敦線の鉄道沿線に集結し、関東軍の兵力移動と軍需輸送を破綻させる戦闘をくりひろげた。そして同年8月には、人民革命軍各部隊に命令書を送って強力な敵背後攻撃戦を展開させた。人民革命軍の各部隊は主席の命令に従って、同年8月大沙河および大醤缸戦闘、9月の腰岔戦闘など多くの戦闘で、「最精鋭部隊」を豪語する日帝侵略軍の大部隊を掃滅し、多量の戦闘技術機資材をろ獲した。日帝侵略軍は、ソ連軍の猛烈な反撃と朝鮮人民革命軍の強力な背後攻撃戦によって大打撃を受け、ソ連侵攻計画を遅らさざるをえなかった。

 このように、主席の指導のもとに進められた人民革命軍の強力な敵背後攻撃戦は、ソ連侵攻を企む日帝侵略者に大きな打撃を与え、ソ連人民への強力な支援となった。

 主席は、世界各国人民の革命闘争と反ファシズム闘争を全力を尽くして支援した。主席は、抗日革命闘争を進める困難な状況のもとでも国際的な記念日には欠かさず記念行事をおこなって、人民革命軍の隊員と人民に全世界の労働者階級をはじめ、被抑圧人民との戦闘的連帯の精神をはぐくみ、力の限り世界の革命的人民の闘争を支援するようにした。

 主席は、創建直後のスペイン共和国にたいする帝国主義者の武力干渉とエチオピアにたいするファシスト・イタリアの侵略が強行されたとき、これらの国の人民への積極的な支持を表明する集会など多彩な活動を展開し、反帝反ファッショ闘争に決起した人民のたたかいに連帯をあらわした。そして、『3.1月刊』『曙光』『チョンソリ(鐘の音)』など各種の革命的出版物に世界各国人民の闘争を紹介し、たたかう国の人民の闘争を声援した。

 金日成主席はこのように、抗日武装闘争の厳しい試練のなかでも、朝鮮革命ばかりでなく世界革命に深い関心を向け、国際共産主義運動と反帝革命闘争、植民地民族解放闘争の発展に大きな貢献をした。





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