米国の「人権」騒動は破綻を免れない
 −2014年3月25日−


 朝鮮中央通信社は25日、「われわれの国権を抹殺するための米国の『人権』騒動は破綻を免れない」と題する報道を発表した。その全文は次のとおり。


 最近、米国の反共和国人権謀略騒動が放任しがたい極端な域へと広がっている。

 米国の元、現職の高位当局者が出て、われわれの体制非難戦に熱を上げたあげく、反共和国人権政策を立法化したし、ありもしない「人権問題」を国連の舞台にまで持ち出して国際社会を惑わし、必死にあがいている。

 現在、ジュネーブで開かれている国連人権理事会第25回会議なる場で、米国主導のいわゆる「朝鮮人権調査委員会」が「朝鮮人権報告書」なるものを発表して、われわれに途方もなく言いがかりをつけ、ヒステリックな狂気を振りまいている。

 これは明白に、米国の対朝鮮敵視政策実現の新たな侵略方式としての「人権」騒動であり、現代版の戦争宣言も同然である。

 朝鮮中央通信社は、世紀をまたいで世界を動乱と戦争の惨禍の中に陥れる米国がこんにち新たに行っている「人権」策動の欺瞞性と反動性、反共和国人権謀略策動の破綻の不可避性を明らかにするために次のように報じる。
 

「人権保護」−新たな戦争の看板

 世界は21世紀の10年代中葉に至っている。

 「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀の2度の世界大戦と数百余に及ぶ局地戦争、核戦争の危険をはらんだ冷戦を体験した人類は、真に新世紀の平和と安定を願っている。

 しかし、人類の念願に逆行して新世紀の初葉から「9.11テロ事件」と「カラー革命」、中東の「民主化革命」と命名された「アラブの春」など、帝国主義者が起こした「人権」の挑戦によってこんにち、地球上のどこにも平和と安定など見つけようにも見つけられない。

 こんにち、帝国主義者の世界かく乱の代名詞は、「人権」と「民主主義」である。

 20世紀の戦争が、深刻な経済危機の活路を求める列強の利害関係によって挑発された軍事的衝突による武力戦争であったなら、こんにち、世界の多くの国と地域を動乱のなかに陥れる戦争は、「人権」を口実に「手を血に染めず」に内戦を唆すいわゆる「民主革命の輸出」である。

 20世紀の戦争で絶対的利益を得た米国はこんにち、自分らの国家的利益が存在する国と地域で権力欲に狂った反乱分子を種族紛争と内乱へと促して漁夫の利を得るさらに邪悪な戦争行為で再び最高の利得者として君臨している。

 米国は、「世界の人権裁判官」を自任して定例的に世界の人権状況をむやみに評価する茶番を演じている。

 最近発表した「国別人権報告書」でも、世界のおよそ200の国と地域の人権状況について勝手に非難した。

 同時に、国連をはじめ国際機関を唆して、わが国をはじめ、自分らの支配主義的策動に反対する自主的な国を悪辣に誹謗・中傷する怪奇な決議を採択するようにしている。

 人権蹂躙の元凶である米国は、「人権優位論」を提唱して主権国家に対する国権蹂躙、政権転覆行為を公然と働いている。

 他国の政権を崩壊させ、親米勢力が権力を握るようにあおるいわゆる「政権交代」は100余年問、米国の対外政策の基調、基本趣旨となってきた。

 米国紙「ニューヨーク・タイムズ」の記者スティーブン・キンザー氏が米国の近代外交政策の歴史を分析して書いた著書「体制転覆−ハワイからイラクに至るまで」によると、100余年問、米国は、キューバ、ニカラグア、フィリピン、プエルトリコ、ホンジュラス、グアテマラ、イラン、ベトナム、チリ、グレナダ、パナマ、アフガニスタンなど多くの国に対する政権転覆策動を働いた。

 「人権擁護」「民主主義」の口実のもとに米国主導下の世界秩序の樹立に妨げになるとみる国に対する政府転覆と進歩的政治家に対するテロ、暗殺、公然たる侵略もためらうことなく強行した。

 米国は、去る20世紀にだけでも中南米の約40の政権を転覆し、多くの国と地域で1961年から76年の間に実に900余件の暗殺、テロ行為を働いた。第2次世界大戦後から60年代中葉までの間にアジアで23回、60年から68年までの間にアフリカで20回にわたって多くの国の政府を転覆させた。80年代と90年代のドミニカ戦争、グレナダ戦争、パナマ戦争、コソボ戦争なども、すべて「人権保護」の名分で強行された政権転覆戦争であった。

 歴史は、帝国主義者の「人権保護」の裏では、必ず血なまぐさい戦争、軍事的干渉が伴うという教訓を与えている。

 軍事クーデターが起きて親米政権が樹立された国の大部分は、反帝・自主的な道へ進んだ国、対米追従を脱しようとした国であった。

 これは、軍事クーデターの裏の操縦者がまさに、米国であったことを示している。

 これについて米国紙「シカゴ・サンタイムズ」までも「米国の支持のない軍事政権の出現とその施策など考えすらできないこと」であると明らかにした。

 歴史発展の基本方向を逆戻りさせるための帝国主義者の策動は、冷戦終息後、さらに悪辣に行われた。

 米国は毎年、他国の政府転覆の陰謀に10億ドルを支出している。

 一部の国は、米国の術策にだまされて「経済的繁栄の夢」を抱いて階級闘争を放棄した結果、数十年間血でなし遂げた革命の貴い獲得物を一朝にして失ってしまった。

 西側文化に対する幻想を抱き、異色な文化を取り入れて社会の腐敗と変質をまねいた国も多い。

 帝国主義者は、ユーラシア全域で「カラー革命」をでっち上げて西側式の価値観と腐り切った文化を浸透させて地域諸国の人民の自主意識を麻痺させ、支配と統制を実現するための内政干渉、政権転覆策動を働いた。

 「カラー革命」が起こった国で、例外なく政権交代がなされて社会的・政治的矛盾と混乱が生じた事実は、帝国主義者の「人権擁護」の繰り言の危険性と反動性を如実に示している。

 新世紀初に「人権保護」を口実に米国が起こしたイラク戦争の結末もやはり同様である。

 数十万人の死者と数百万人の避難民が発生し、教派閥、政治派閥間の亀裂は日々激化して、反目、嫉視と衝突が絶えず、戦争前に比較的豊かな国であったが、こんにちは世界的に初歩的な生存条件も整えていない最も悲惨な国となった。

 アフガニスタン、イラクだけでなく、西側式の「民主主義」が導入された他の国でも政治的・経済的難関はいうまでもなく、同族同士が互いにやり合う派閥争いと種族紛争が日増しに熾烈になっている。

 「人権保護」の口実のもとに行われる帝国主義者の内政干渉の黒い魔手は、国家政治と社会生活のすべての分野に深く伸びている。

 2011年5月、米政府は「サイバー空間の国際戦略」なるものを打ち出した。

 米国の「インターネットの自由」の輸出で生じた中東と北アフリカの政治動乱で、その理念を受け入れた不健全な者が政権交代の先頭に立って狂奔した。

 彼らが掲げた「民主主義、人権、自由」のスローガンとは、約束でもしたかのように米国の主張と一致しており、米国が同地域の乱離にさらに深く介入するうえでの政治的口実を提供した。

 米国は、他国の人権状況を不当に問題視し、機が熟せば「人権保障」「民主主義提供」の口実のもとに膨大な武力を投入して合法的な主権国家を転覆する手法を用いている。

 世界の多くの国の人民を、自分らの強権と専横に屈服する現代版の奴隷にしようとする米図式「人権保護」策動こそ、オオカミがヒツジに化けて山の動物を守るという寓話を連想させる。


対朝鮮圧殺政策の2大柱の一つ−「人権」

 米国の「人権」攻勢の主な矛先は、わが共和国に向けられている。

 核問題とともに「人権問題」を反共和国圧殺政策の2本柱とみなす米国はいま、「人権」を口実にわれわれの「制度変更」を何としても実現しようとあらゆるあがきを尽くしている。

 こんにち、偉大な思想と不敗の軍事力、一心団結の威力で、チュチェ革命の最後の勝利に向かつて活力に満ちて前進するわが共和国の総合的国力は著しく高まっている。

 これに恐れおののいた敵対勢力は、反帝自主の道を力強く進むわれわれの制度を転覆して、われわれの歴史と伝統を壊し、われわれの勝利の富を強奪するための対朝鮮人権騒動に狂奔している。

 米国防総省が作成した朝鮮攻撃計画の「5つの版本」のうちの4番目は、「心理戦」で東北アジア版「カラー革命」を起こすことを骨子とする「作戦計画5030」である。この作戦計画は、内部に恐怖を醸成して思想を混乱させ、わが軍隊と人民の信念と意志をくじこうというところにその陰険な目的がある。

 米国は、「人権問題」を口実に朝鮮の孤立・圧殺を国家の政策として立法化したのに続き、その実行のための実践的措置をあらゆる面から講じている。

 米国は、「定例人権報告書」「人権および民主主義報告書」なるもので、われわれの「人権問題」があたかも国際的な論議の対象になっているかのような世論をつくって、共和国の国際的なイメージを傷つけるために血眼になって狂奔している。

 われわれを誹謗・中傷するさまざまな謀略キャンペーンを行い、人間のくずである「脱北者」まで押し立てて、われわれの「人権」と「難民」問題なるものをでっち上げた。

 ワシントンでいわゆる「北朝鮮自由の日」騒動を起こして自分の国、自分の故郷であらゆる悪行と醜行に明け暮れ、実の肉親にも見放されて追い出された人間のくずをかき集めて「北朝鮮人権状況抗議デモ」だの、「北朝鮮住民のための祈祷集会」だのの反共和国茶番劇も演じた。

 米国は、「先核放棄」を通じてわれわれを武装解除する勝算がなくなると、いまや「人権」と「民主主義」のカードをかかげて、わが共和国に対する圧殺策動に臨んだし、「北朝鮮人権法」をでっち上げてその実現のために莫大な国家予算をつぎ込んでいる。

 いわゆる「北朝鮮の人権改善」の美名のもとに、反共和国活動に加担する団体と個人に米政府の予算で毎年数千万ドルを支出している。

 米国はまた、わが国での「インターネットの自由」を云々し、米国式政治価値観と理念を注入しようとしている。これまでは反動的な思想文化が侵略の先導役であったなら、こんにちは侵略の主役を担っている。

 われわれが民族の健全な思想と文化を守るためにみだらな出版物をはじめ人間を精神・肉体的に堕落させる不純な出版物を徹底的に遮断することをあくまで、「人権」にかこつけて悪質に振る舞う米国の真意はまさに、そのてこを利用して不純分子を唆そうとするところにある。

 米国のヒステリックな狂気は、度を超え、わが人民の人権を甚だしく蹂躙した現代版分派の残滓を一掃した革命的措置と広範な労働者、農民をはじめ、勤労大衆のためのスポーツ施設の建設、大衆の間で生活化しているスポーツブームまでも「人権基準」に抵触するかのように騒ぎ立てている。

 黒白を転倒する対朝鮮人権謀略宣伝に熱を上げ、われわれの新しい世代を狙って腐り切った反動的思想文化を休みなくつぎ込んでいる。

 反共和国謀略団体を財政・物質的に積極的に後援する一方、追従勢力に圧力を加えて共和国のイメージを傷つけ、われわれの社会主義制度を崩壊させるための本格的な環境づくりにしがみついている。

 最近、米中央情報局(CIA)は、われわれの「人権問題」を口実にした「攻撃的な諜報活動を行うこと」を指示した。

 どんな国際法も眼中にない強盗の米国が、いわゆる「人権法」を振りかざしていつでもわが共和国に対する侵略戦争を行わないという保証はない。

 事態は、国家の自主権を抜きにした人権、力で守られない人権などあり得ないし、米国の反共和国敵視政策が撤回されない限り、もっぱら物理的力で立ち向かってたたかう道だけが真の人権擁護の唯一の選択であるという哲理を改めて心に刻ませている。


国権は民族の生命である

 米国の「人権」攻勢は、われわれに絶対に通じない。

 わが人民は、国家の自主権によって保証されない人権は虚構にすぎないことを理論的にではなく、実際の体験として体得した。

 国権は、わが民族の生命である。

 日帝の軍事的占領統治40余年、外部勢力による国土分断、制裁と封鎖のおよそ70年問、わが人民が骨身に染みるほど体験した歴史の教訓がまさに、国のない人民は喪家の犬にも劣るということである。

 世界的な政治的動乱と帝国主義の悪辣な孤立・圧殺策動のなかで、われわれの社会主義の強硬のとりでがどう民族の生存を守り、輝かせてきたのか。

 わが人民は、強者には犯罪も善行になり、弱者には善行も悪行になる厳しい現実を見て人権はすなわち国権であり、国権はほかならぬ強力な抑止力によって保証されるという真理を強く痛感した。

 誇大国の利害関係が互いに交差して衝突する所がまさに、朝鮮半島を中心とした東北アジア地域である。

 国権が弱く自主権を守れなかったなら、地政学的な利害関係によってわが国は既に「カラー革命」や中東事態の程度で終わらなかったであろうし、人民は21世紀の現代版の奴隷の凄惨な運命を免れなかったであろう。

 人民大衆中心のわが国の社会主義は、党と人民の偉大な実践闘争のなかで生まれ、われわれの実情と勤労人民大衆自身の選択と要求によって存在し、発展している。

 人民大衆を優先視する人権、人民民主主義独裁によって頼もしく保証される人権、外部勢力の侵略と干渉から人民を防衛し、生存権を保証するのが、わが共和国の人権の真の本質である。

 人民民主主義独裁の刃を鋭くして、勤労人民大衆の人権を蹂躙する者、懐に刀を忍ばせて暴力を振るう時が来ることだけを待って陰に陽に悪事に明け暮れる者、凶悪な犯罪者は法で厳格に治めるのが、われわれの正当な人権法である。

 朝鮮の政治・経済体制を米国の基準に合わせて変更させられると考えるのは、白昼夢のような愚かな妄想である。

 いま、われわれの千万軍民は、過去の歴史が証明したように、よりいっそう高揚した精神力と無限の力で、貴重な国権をさらにしっかり守っている。

 偉大な思想、偉大な制度、偉大な人民によって、しっかり保証されるわれわれの自主権、共和国の国権は億万の金の富ともかえられない。

 朝鮮を見るならしっかり見て、知るならしっかり知らなければならない。

 米国の政策作成者は、躍動する気迫で前進するわが共和国に対する「人権」の挑戦がワシントンの心臓に時限爆弾をしかける自滅行為になることを銘記する方が良かろう。

 現実に対する冷静な判断と大勢に合致する政策的決断をくだすことこそ、こんにちの米国の国益に有益な選択になるであろう。

 米国の対朝鮮人権謀略策動は、絶対に許されないし、必ず破綻を免れないであろう。【朝鮮通信=東京】




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