米国・南朝鮮の北侵戦争演習策動を断罪する
祖国統一研究院白書
−2011年3月8日−


 朝鮮中央通信によると、祖国統一研究院は8日、「米国とかいらい好戦狂の北侵戦争演習策動を断罪する」と題する白書を発表した。その全文は次のとおり。


 南朝鮮では現在、米国とかいらい好戦狂が強行している「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習が頂点に達している。

 原子力空母と核弾頭を搭載した戦闘艦船集団、戦略爆撃飛行隊をはじめ、各種の核攻撃手段を動員した米帝侵略軍と南朝鮮かいらい軍の膨大な武力が空と陸、海をぎっしり埋めて戦争演習の銃声・砲声が揺るがしている。

 南朝鮮はこんにち、世界最大の侵略戦争の演習場、最も危険な核戦争の発源地になっている。

 祖国統一研究院は、南朝鮮で行う米国とかいらい好戦狂の北侵戦争演習策動の実相を満天下に暴露、断罪するためにこの白書を発表する。




 米国とかいらい好戦狂は今回、「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習が、「定例的な防御訓練」であって、誰かの脅威にならないと騒いでいる。

 しかし、これは「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習の侵略的で挑発的な性格を隠し、朝鮮半島の平和と安定を破壊した犯罪的な責任を免れようとする術策にすぎない。

 「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習は、米軍と南朝鮮かいらい軍が2002年から行ってきた「連合戦時増援」「フォールイーグル」合同軍事演習を、2008年からその名称を現在のように変えたものであって、訓練の性格と内容、訓練の期間と規模、投入される武力装備などから見ると徹頭徹尾、我々に対する奇襲的な核先制攻撃を狙って行われる北侵戦争演習である。

 この訓練は、南朝鮮米国「連合軍司令部」の主管のもと、有事に朝鮮半島に投入される「米増援軍の収容、待機、前方移動および統合」などを熟練するための連合指揮演習と連合特殊作戦および後方地域作戦のための連合野外機動演習であって、戦時に米軍の迅速な投入とかいらい軍の作戦能力、南朝鮮の人的・物的資源の動員能力を検証し、錬磨することを目的にしている。

 特に、この訓練は、我々の戦略的要衝を先制攻撃して占領するという新たな北侵戦争シナリオに沿って平時にも我々に対する侵略挑発を行うためのものであって、これには核兵器除去訓練、北地域山岳克服訓練、平壌市街戦訓練、指揮拠点ピンポイント攻撃訓練、北側地域での治安作戦訓練など各種の挑発的な内容が含まれている。

 今年の「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習は、その危険性と挑発的な性格において極めて無謀な域に達している。

 まず、今回の「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習は、朝鮮半島で44の局地戦および全面戦を想定した危険極まりない戦争火遊びである。

 朝鮮西海の5島でだけでも局地戦を挑発する6種の類型をあらかじめ定めて訓練を行って、「北の軍隊の異常兆候」が米軍とかいらい軍の情報網に捕捉される場合先制攻撃し、我が軍隊がそれに対応すれば、北の戦略拠点を攻撃することを内容としている。(「国民日報」2011.2.28)

 これに従って釜山と慶尚北道の倭館、日本の相模原、横浜の各米軍基地にある補給廠で訓練を名目に自走砲、戦車、装甲車、修理・付属品、医療物資、兵糧、軍服など米軍が60余日閏戦争を遂行できる各種の装備と物資が前進配置された。

 これは、局地戦が発生すれば、航空便を利用して米軍兵力を迅速に展開した後、現地で事前配置物資を受け取って全面戦を行えるようにするためである。(「統一ニュース」2011.3.3、「ソウル新聞」2011.3.3)

 これについて元・現職の南朝鮮占領米軍司令官は、「我々は、通常攻撃を超えた多くの実質的なシナリオに沿って訓練している」、今回の訓練は「全面戦が差し迫ったと判断される場合、米国と韓国、日本が北に対する軍事攻撃を検討するための訓練」であると打ち明けた。

 かいらい政府関係者も、「『キー・リゾルブ』訓練は、基本的に初期に局地挑発から始まって全面戦に入り、全面戦を行いながら北の内部変化に備えた演習」であると公言した。(「ノーカットニュース」2011.2.17、「聯合ニュース」2011.2.15)

 また、今回の演習は「作戦計画5029」に沿って、誰それの「急変事態」を口実に北侵戦争を挑発するための極めて不純な火遊びである。

 米国とかいらい一味がつくり上げた「作戦計画5029」は、誰それの「急変事態」が発生する場合、米軍と南朝鮮かいらい軍が即時、軍事的介入へと移行して北を併呑するという愚かな妄想にすぎない北侵計画である。

 この作戦計画の骨子は、戦争開始90日前に南朝鮮占領米軍特殊作戦司令部とCIA傘下の特殊作戦団、かいらい軍特殊部隊を共和国北半部地域にひそかに浸透させて心理戦、テロ、攪乱などで「急変事態」を意図的に起こした後、大規模の武力侵攻で北を「占領」するというものである。

 そのうえ、北で津波や地震など大規模の自然災害が発生する場合にも、それを「急変事態」と見て侵略を断行することになっているが、世界には米国とかいらい一味のように自然災害の発生時、人道救護活動はおろか、その機会に急襲する極悪非道で反人倫的な戦争計画を立てる戦争狂信者はどこにもいない。

 今回の「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習は、その期間と規模においてもこれまでをはるかにしのいでいる。

 昨年の「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習は、3月8日から3月30日まで23日間行われた。

 しかし、今年の「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習の期間は、2月28日から4月30日までの62日間で、昨年よりも実に39日間もさらに増えた。

 また、訓練に参加する米軍とかいらい軍の兵力も従来の数万人から今年は実に21万余人で最大に増えた。

 特に、今回の訓練には2004年に組織されて世界各地で核、ミサイルなどの探知と除去の任務を負っている米陸軍第20支援司令部の特殊部隊員が原子力攻撃用潜水艦と特殊作戦用輸送機を通じて大規模で参加する。

 今回の「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習に動員された戦争装備を見ると、超大型原子力空母ロナルド・レーガンとイージス巡洋艦および駆逐艦、原子力潜水艦、Fl17ステルス戦闘機、FA18ホーネット戦闘機、E2C早期警戒機、EA6B電子戦機、MIAlエイプラムス戦車、MlO9A6自走砲、化学・生物・核偵察車、M26除毒装置、爆発物探知用ロボット「タロン」、K317生物偵察車、K221赤外線遮蔽システムなど丸々一つの戦争を行っても余るほど膨大である。(「聯合ニュース」2011.3.3)

 今年の訓練には、かいらい予備軍兵力も大々的に動員されている。

 これまで、米国とかいらい一味は、「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習時、かいらい予備軍兵力に限っては当該地域で非常招集訓練だけ行うことに限定し、現役とともに前方に投入する訓練は行わなかったが、今年は初めてかいらい予備軍を現役将校の指揮のもとに前方に配置して実戦訓練に参加させた。

 諸般の事実は、米国とかいらい好戦狂が行う今回の「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習が定例的な防御訓練ではなく、名実共に先制攻撃を狙った北侵戦争演習、危険極まりない核試験戦争演習であることをはっきりと示している。




 米帝とかいらい好戦狂の無分別な北侵戦争演習策動は、こんにちになって初めて重大に提起されているのではない。

 歴史的に振り返れば、米国が南朝鮮を占領してかいらい軍をつくり上げた時から現在まで、南朝鮮では一日として北侵戦争演習がやんだ日はない。

 米帝と李承晩かいらい一味が、1950年の朝鮮戦争前夜に38度線一帯で北侵戦争演習と軍事的挑発に狂奔したあげく、ついに戦争の火ぶたを切ったというのは周知の事実である。

 戦後には、南朝鮮・米国「相互防衛条約」に基づいて1954年から毎年、米軍と南朝鮮かいらい軍の「フォーカスレンズ」合同軍事演習が行われてきたし、1960年代に入ってからは「フォールイーグル」訓練が、1970年代には「乙支(ウルチ)・フォーカスレンズ」合同軍事演習が毎年行われた。

 特に、1970年代と1980年代に毎年行われた「チームスピリット」合同軍事演習は、実に30万余人の兵力と原子力空母、戦略爆撃機など各種の核戦争装備が総動員されて2〜3カ月間にわたって行われたことにより悪名をはせた。(「国防白書2010」、「統一ニュース」2011.3.7)

 米帝と南朝鮮かいらい一味は、こうした「チームスピリット」戦争演習が内外の強力な糾弾を呼び起こすや、1990年代に入ってその名称だけ変えて「連合戦時増援」「フォールイーグル」合同軍事演習、「ウルチ・フォーカスレンズ」合同軍事演習をさらに悪辣に行ったし、2000年代になっては「連合戦時増援」「フォールイーグル」合同軍事演習を「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習に、「ウルチ・フォーカスレンズ」合同軍事演習は「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習に名称を変えて毎年大々的に強行した。

 米帝と南朝鮮かいらい一味が北侵戦争演習にどれほど血眼になったのかは、この数十年間に「チームスピリット」合同軍事演習は17回、「連合戦時増援」演習は8回、「フォールイーグル」合同軍事演習は24回、「ウルチ・フォーカスレンズ」合同軍事演習は33回、「連合戦時増援」「フォールイーグル」合同軍事演習は6回、「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習は4回、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習は3回も次々と頻繁に行ってきたところにそのままあらわれている。

 特に、現かいらい保守一味は、米帝と結託していつにも増して北侵戦争演習に躍起になってしがみついている。

 かいらい一味は、執権初日から最大規模の合同火力示範訓練、大規模迅速機動訓練、大規模のレーダー移動展開訓練、最大規模空中強襲訓練、大規模海上連合訓練、民間空港と非常滑走路での戦闘機離着陸訓練、空中給油訓練、予備軍狙撃手訓練、民間企業の輸送訓練、民間防空待避訓練など、多種多様な最大級の戦争演習を数え切れないほど行った。

 訓練地域もソウル以北地域へと次第に移して主に軍事境界線の隣接地域と朝鮮西海の5島をはじめ、海上境界線水域で集中的に行っている。

 特に、昨年11月23日と12月20日に行われたかいらい軍の延坪島砲撃訓練は、北侵のため緻密に計画された挑発であった。

 これについては、前かいらい国防部長官であった者が2010年5月22日の軍部会議で「西海の5島で局地戦が発生する場合、全軍の戦闘力を動員して北の発進基地個体を攻撃する計画を立てた」と打ち明けた。(「中央日報」2010.5.24)

 かいらい保守一味が米帝と結託してどれほど無謀に北侵戦争演習にしがみついてきたのかは、次のような公開された代表的な合同軍事演習日誌だけを見てもよくわかる。

 −2008年(31回)
 2月−酷寒期夜間行軍訓練、戦時支援手順模擬演習、工兵訓練、空軍連合交換訓練
 3月−「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習に伴う戦時指揮所訓練、市街戦訓練、対空防御訓練、対特殊部隊訓練
 4月−「双鷹」訓練
 5月−特殊戦部隊精密航空爆撃誘導訓練、通信網構成訓練
 6月−探索救助訓練、連合化学・生物・核訓練、「リムパック」合同軍事演習
 7月−化学・生物・核訓練、対特殊部隊訓練
 8月−工兵訓練、偵察訓練、「レッド・フラッグ」訓練、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習
 9月−戦時指揮所訓練、海兵隊軍需支援訓練
 10月−航空機救助訓練
 11月−大規模上陸訓練、作戦地域海上偵察訓練、化学・生物・核訓練
 12月−対火力戦戦術訓練

 −2009年(37回)
 1月−探索救助訓練、大規模火力戦訓練、海上交通路(シーレーン)保護作戦訓練
 2月−対特殊部隊訓練、操縦士探索救助訓練、空中機動訓練
 3月−「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習、対特殊部隊訓練、海兵隊市街地訓練、「双鷹」訓練、艦船機動訓練、海兵隊訓練、空中強襲訓練
 4月−歩兵実弾射撃訓練
 5月−大規模航空全域訓練、夜間空中強襲訓練
 6月−化学・生物・核対応訓練、空軍訓練、対特殊部隊訓練、戦時指揮所訓練
 8月−「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習
 9月−対潜水艦探索訓練、軍需支援訓練
 10月−空輸訓練、大規模海上機動訓練、海上偵察訓練、対特殊部隊訓練、潜水艦訓練
 11月−海兵隊大規模上陸訓練、大量破壊兵器除去訓練
 12月−空中強襲訓練

 −2010年(50回)
 1月−空軍航空作戦戦闘態勢演習
 2月−対特殊部隊訓練、空軍夜間飛行および戦術訓練、米増援軍展開および復帰訓練
 3月−「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習、対特殊部隊訓練
 4月−爆発物処理訓練、山岳救助訓練
 6月−「リムパック」合同軍事演習
 7月−大規模海上機動訓練、対潜水艦訓練、空軍編隊実弾砲撃訓練、海軍特殊戦訓練
 8月−「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習、海上浸透訓練、空軍緊急給油訓練、工兵訓練
 9月−空中機動訓練、対潜水艦訓練、
 10月−「大量破壊兵器拡散防止構想」(PSI)関連海上封鎖・捜索訓練、大規模連合空軍訓練
 11月−空中浸透訓練、空母搭載機強襲訓練

 南朝鮮のメディアが公開した資料によっても、米軍とかいらい軍が2008年から2010年末まで、南朝鮮とその周辺水域で行った大規模合同訓練は120余回、かいらい軍単独の主要軍事訓練は実に980余回に達する。

 これらの事実は、米帝と南朝鮮かいらい一味こそ、朝鮮半島で平和を蹂躙し、戦争を招く張本人であることを雄弁に実証している。




 米帝と南朝鮮かいらい一味の狂乱的な北侵戦争演習は、反共和国対決政策と戦争策動の産物であり、延長である。

 南朝鮮の現かいらい当局が権力を握ってまず着手したのがまさに、かいらい軍と人民の間に同族対決意識と戦争熱を鼓吹することであった。

 かいらい当局者は「大統領」に当選するや否や、かいらい国防部と前方部隊を訪問したし、かいらい国防部の最初の業務報告も前任者とは異なり第3野戦軍司令部で受け取り、戦争が起きたら必ず勝たなければならないし、そのためには米国との同盟が重要であると騒いだ。(KBS2007.12.31、「ノーカットニュース」2008.3.26)

 また、歴代のかいらい大統領としては初めて全軍主要指揮官会議を主宰し、かいらい軍合同火力示範訓練に直接参加して北と敵対状態にある特殊な状況に即して軍の安保意識を強化しなければならないし、北と戦って無条件勝たなければならないと力説した。(「ニューシス」2008.9.26、「聯合ニュース」2010.5.4)

 「わずか50キロメートルの距離に最も好戦的な集団がいるということを認めなければならない」「戦争を恐れずにどんな危険も冒す強い覚悟をもて」「百の言葉よりも行動で示すであろう」などの露骨な戦争扇動がすべて執権者の口から出たし、「3日だけ耐えれば戦争が終わる」という暴言も南朝鮮好戦分子の中から公然と飛び出した。(「ハンギョレ」2010.12.27、「プレシアン」2010.6.3)

 かいらい国防部長官、合同参謀本部議長、各軍の参謀総長など軍部好戦分子の就任式と軍部会議では、この10年間に安保意識が弱まっただの、北を常に「最大の主敵」とみなして戦う考えだけをしなければならないだのの極端な同族対決・戦争意識が鼓吹された。(KBS2008.1.4、「文化日報」2008.4.12、「聯合ニュース」2010.12.4)

 かいらい軍の精神教育で、北は「最も中核的な敵」と定められ、日常的な訓練と警戒勤務に入るに先立ち、将校が兵士に「対敵観」を植え付ける日課を経なければならないし、兵士は「我々の敵は、北である」という文句の入った宣誓と決議文を義務的に叫ぶのが制度化された。(「聯合ニュース」2010.9.25)

 かいらい軍が生活するすべての空間に北を「敵」と定めたスローガンと宣伝物が設置され、訓練場の射撃の的と「占領地」も徹頭徹尾、あえて北を象徴する標識にした。(「クッキーニュース」2011.2.12)

 6.25戦争記念行事、ソウル奪還記念行事、仁川上陸作戦再演行事など反共和国対決茶番が、かいらい当局の主管のもとに歴代最大の規模で行われており、民間人が参観する大規模の武力示威、火力示範などがテレビで南朝鮮全域に実況中継されているありさまである。(「ファイナンシャルニュース」2010.9.28)

 かいらい軍駐屯地ごとに「安保公園」なるものができて住民と学生が北に対する敵対意識で洗脳されており、かいらい軍部隊内では10代の幼い生徒まで完全な軍服姿で戦争教育を受けている。(「世界日報」2010.1.20、「聯合ニュース」2010.7.14)

 かいらい当局の特別支援のもとに西海武力衝突事件と6.25戦争を素材にして我々の制度と軍隊を悪辣に冒涜する映画が大々的に制作、上映され、我が民族同士のスローガンが響き出ていた通りと広場で軍服姿の保守右翼のごろつきが集まって「反共」「滅共」を叫んでいる。

 その光景は、あたかも第2次世界大戦前夜に軍服に腕章を巻いて戦争熱を上げたナチス・ドイツのナチス分子と日本の軍国主義者の狂乱を連想させる。

 保守一味は、統治機構と軍の構造も戦時体制に改編して戦争装備を大々的に増強している。

 青瓦台は既に、2008年に「危機情報状況チーム」を「国家危機状況センター」に昇格させたのに続き、2010年5月には再び「国家危機管理センター」に、2010年12月には「国家危機管理室」に拡大、改編して完全な戦時機構にした。

 また、青瓦台内に安保特別補佐官職制と「国家安保総括点検会議」なる機構も新設して党、行政、かいらい軍の戦争準備態勢を総括して随時点検している。(「ハンギョレ」2010.5.23、KBS2010.12.21)

 その一方で、「非常対備資源管理法」「民防衛基本法」「災難および安全管理基本法」「戦時資源動員法」などを戦時に合わせて修正し、「戦時動員基本法」をつくり上げようとしている。

 かいらい国防部も極悪な野戦軍出身の現役軍人に交代した。

 昨年12月には、野戦部隊と陸軍本部、合同参謀本部など野戦系統で悪名をはせた極悪な好戦分子の金寛鎮が国防部長官の座についたし、陸軍参謀総長、野戦軍司令官などをはじめ、実に119人に達する将官が戦争狂信者に交代した。(「ソウル新聞」2010.12.16)

 かいらい合同参謀本部の指揮体系が戦時に戦区級作戦司令部の役割を果たすように改編されたし、かいらい軍の各軍種には任意の瞬間に北を先制攻撃できる能力を備えた機動武力が大幅に増強され、権限が強化された新たな戦争司令部が組織されている。(「聯合ニュース」2010.11.16)

 かいらい保守一味は、予備軍が戦争遂行能力を備えなければならないとして、予備軍の任務を後方地域防御から前方戦闘と占領地域での民事作戦に変え、4つの予備軍戦闘師団と10の民事作戦師団をおのおの編成する茶番も働いている。(「ソウル新聞」2009.6.27)

 李明博「政権」の登場以降の2年間に海外から各種の先端兵器を引き入れる上で注ぎ込んだ資金は88億ドルで、前「政権」の5年間に比べて実に20億ドル以上も多い。

 米国は、かいらい保守一味の対決と戦争策動を積極的にあおって後押ししている。

 「我々は韓国政府を信頼する」「米国は韓国とともに行動するであろう」として、かいらいの反共和国対決謀略騒動と北侵戦争策動を公然と支持しているのも米国であり、米第8軍司令部を戦時に備えた戦闘司令部に改編して南朝鮮に引き続き駐屯させ、かいらい軍に対する戦時作戦統制権の移譲を延期したし、ひとたび有事にかいらい軍を「拡大抑止力」と強力な力で支援することを保障しているのもまた米国である。(「聯合ニュース」2009.2.6、「中央日報」2010.10.9、「プレシアン」2010.10.8)

 現在、米国とかいらい保守一味は、戦争準備を完了した状態であり、北侵戦争の導火線に火を付けることだけが残った。

 米国とかいらい好戦狂が北侵戦争挑発策動にさらにしがみついているのは、対内外政策の総破綻による危機の活路を求めようとするところにある。

 米国の支配戦略は全世界的範囲で根底から揺らぎ、東北アジアでも米国の地位は大きく弱まっている。

 特に、我が共和国を制裁と封鎖で孤立、圧殺しようとしていた戦略的忍耐政策が破綻に直面している。

 かいらい保守一味もまた、3年間の悪政と対内外政策の失敗、民生破綻、北南関係の破局で最悪の危機に陥っている。

 かいらい一味は昨年、特大型謀略事件である艦船沈没事件をでっち上げ、延坪島砲撃事件などを起こして危機を逃れようとしたが、北南関係を破綻させて朝鮮半島情勢を悪化させたという責任ばかりかぶった。

 とりわけ、今年になって北南対話の雰囲気が日増しに高まると、何としてもこれを遮断しようと戦争策動にさらにしがみついているのである。

 米国とかいらい好戦狂は、どんな詭弁をもってしても危険極まりない北侵戦争演習策動を正当化できない。

 我が軍隊と人民は、敵の戦争策動を絶対に袖手傍観せず、侵略者が襲いかかるなら先軍の気概をしっかりと示すであろう。

 米国とかいらい好戦狂が、我々の警告と内外世論の糾弾、排撃にもかかわらず、あくまで戦争の道へ進むなら、それから得るものは恥ずべき惨敗と死しかないことを知るべきである。
2011.3.8 朝鮮中央通信−朝鮮通信=東京




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