国連安保理に旅客機事件を上程しようとする
アメリカ、日本、南朝鮮の共謀結託を糾弾する
朝鮮民主主義人民共和国外交部スポークスマン声明
−1988年2月16日−


 国連スポークスマンの発表によると2月12日、国連安全保障理事会(国連安保理)非公開協議会では、南朝鮮旅客機事件を16日、国連安保理緊急会議で討議することにしたという。

 日本と南朝鮮独裁集団は、アメリカの後押しのもとに旅客機事件を不当にも共和国と結び付けて、国連安保理で討議することを要求した。

 同協議会で国連安保理常任理事国であるソ連と中国の代表は、日本と南朝鮮が提起した旅客機問題を国連安保理で討議することに反対した。

 南朝鮮旅客機事件について述べるならば、共和国とは何のかかわりもなく、それは南朝鮮当局が計画的に行った同族集団殺りく行為であり、彼らが発表した「捜査結果」発表なるものも徹底した捏造に過ぎない。

 南朝鮮当局は今日まで、旅客機事件と関連した物的証拠を出しておらず、事件にたいする公正な調査も行っていない。

 特に、世界の世論がアブダビ空港で降りた13人の南朝鮮「政府」所属要員の中に真犯人がいると一様に認めているにもかかわらず、南朝鮮当局はこれについてこんにちまで一言も言及していない。

 事件の真相と本質が明白であるにもかかわらず、アメリカと日本、南朝鮮独裁集団が、国連安保理で討議する問題でもない旅客機事件をあくまで国連安保理に不当に上程しようとする目的はどこにあるのか。

 それは、アメリカと日本、南朝鮮が何としてでも旅客機事件を捏造し、凶悪な共謀行為を隠し、共和国の対外的権威を中傷する一方、南朝鮮で進められている侵略と分裂策動を合理化しようとすることにある。

 それはまた、南朝鮮で日増しに高まっている人民大衆の反米、反「政府」闘争気勢を押さえ込み、内外で窮地に瀕した深刻な危機から逃れようとすることにある。

 朝鮮民主主義人民共和国政府はアメリカ、日本、南朝鮮が不純な政治的目的のもとに、旅客機事件を国連安保理に上程し、討議しようとしていることを、国連憲章と世界の公正な世論にたいする愚弄、我が共和国にたいする許しがたい挑戦として厳しく糾弾する。

 国連憲章によると、国連安保理は、世界の平和と安全の維持に重要な使命を負っている。

 国連安保理は当然、国連の目的と使命にそくして黒白をはっきりさせ、旅客歳事件を醜い政治的目的に利用しようとするアメリカ、日本、南朝鮮独裁集団の不純な結託行為を許してはならない。

 アメリカと南朝鮮は、1950年代に朝鮮民主主義人民共和国に反対する侵略戦争を挑発して国連の旗を盗用したように、今回も国連安保理を犯罪的策略の隠蔽に利用しようと考えるならば、それは大きな誤算である。

 アメリカは朝鮮停戦協定の締結から35年になるこんにちまで、同協定を系統的に侵害し、「国連軍」の名のもとに4万余人の米軍を南朝鮮に駐屯させて大量の核兵器を搬入し、我々のたび重なる緊張緩和提案にもかかわらず、南朝鮮とともに、我が共和国に反対する戦争挑発を絶えず強化している。

 周知のように、共和国政府は世界各国の人民が深い憂慮をもって注視している今年の朝鮮半島情勢を、国の平和と平和統一に有利に転換させるために北南連席会議を開催し、共和国とアメリカの間の平和協定を締結することを提案した。

 にもかかわらず、アメリカと南朝鮮は、我々の平和愛好的救国方策に肯定的に応じるかわり、オリンピックの「安全開催」との名目で、武力の増強、大規模な「チームスピリット88」合同軍事演習の展開によってこたえ、旅客機事件をもって故意に南北間の関係を極度に悪化させる道に進んでいる。

 こんにち、朝鮮半島で緊張状態を緩和して平和を維持するためには、理性を失った者たちによる旅客機事件のようなものに巻き込まれるのではなく、アメリカと南朝鮮が行う悪らつな謀略と戦争挑発を阻止、破綻させるための当然の措置がとられなければならない。

 朝鮮民主主義人民共和国政府は、世界の平和愛好諸国の反対にもかかわらず、旅客機事件を国連安保理で討議することは不当であると認めるが、彼らが共和国を関連させて討議する以上、我々も会議に参加してアメリカ、日本、南朝鮮の不純な三角結託関係の罪悪的本質と内幕を徹底的に暴露、糾弾するであろう。

 朝鮮民主主義人民共和国政府は、正義と平和を愛する世界各国の政府と人民が、我が共和国の正当な立場に当然の支持と理解を表明するものと確信する。



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