金正日総書記革命活動史

第8章 先軍の旗を高く掲げて社会主義強盛国家を
建設するために

第5節 国防力を強化するために

 国防力を強化して軍事強国としての偉容をとどろかせることは、社会主義強盛国家建設の必須の要求である。

 国防力を強化することはまた、当時の情勢の切実な要求でもあった。

 アメリカは、共和国を圧殺するため軍事的侵略策動を引き続き強化する一方、共和国を「悪の枢軸」と決めつけて核先制攻撃の企図をむき出しにし、情勢を一触即発の戦争瀬戸際に立ち至らせた。そのため、情勢は新世紀に入っても依然として複雑かつ緊張をきわめていた。

 金正日総書記は、人民軍を無敵の白頭山革命強兵に強化するための活動を賢明に指導した。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「人民軍は、朝鮮革命の主力部隊であり、祖国防衛の中核勢力です。我々の先軍政治においては軍事は第一義であり、人民軍を強化することが基本となります」

 総書記は、人民軍内に党の軍指揮体系を確固と打ち立てるようにした。

 2000年1月1日をはじめ多くの機会に、人民軍内に最高司令官の命令に絶対服従し等しく動く革命的軍紀を確立するよう強調し、2003年5月20日には、かつて革命武力の建設において党の指導を骨抜きにしようとした反党反革命分子らの罪業とその弊害の重大さを幹部と軍人に教え、それを忘れないようにするための教育を強化するよう指示した。

 特に2009年10月13日、党中央委員会の責任幹部たちに、チュチェ革命偉業継承の歴史的転換期に至った現実発展の要請に即して幹部がそれぞれの責任を果たし、すべての部門、すべての単位で金正恩同志の指導に忠実に従うよう強調し、2010年7月27日と10月8日には、人民軍指揮メンバーに、人民軍内に金正恩同志の軍指揮体系を確立し、金正恩同志に心から従い、その指導にあくまでも忠実でなくてはならないと強調した。

 総書記は、人民軍の政治的・思想的威力を強めることに力を注いだ。

 人民軍の軍人を革命の首脳部を決死の覚悟で擁護する銃弾・爆弾精神と先軍思想で武装させることを基本としながら、忠実性を培う教育、革命伝統教育、階級的教育、社会主義的愛国主義教育と信念教育、李寿福、金光徹、吉永祚英雄たちに学ぶ教育などを強化して、彼らを思想と信念の強者に育てるようにした。

 また、政治・思想教育の形式と方法を改善することにも深い関心を払い、2000年に全軍的な政治活動家の講習と会議を開催する措置をとり、宣伝・鼓舞活動を軍隊らしく戦闘的におこない、人民軍新聞の発行部数を増やし、内容と形式の充実した卓上教育カードをすべての中隊に配布して広く利用させるようにした。また、軍隊内の党の思想活動を軍人の心との活動、感情・情緒との活動に変え、部隊の沿革室をきちんと整え、それを通じての教育を強化するようにした。同時に、革命事績を通じての教育と芸能宣伝を通じての教育を強化するようにした。

 また、「人民を助けよう!」「全軍が一体の同志となろう!」というスローガンのもとに、全軍が官兵一致、軍民一致の美風をさらに高く発揚するようにした。

 総書記は、人民軍の軍事技術的威力を全面的に強化することに力を尽くした。

 全軍に白頭の訓練熱風が巻き起こるようにした総書記は、指揮官、参謀部の訓練に第一義的な関心を払い、各級の指揮官と参謀部のメンバーが現代戦の困難で複雑な状況下でも、それぞれの任務を円滑に遂行できるよう、彼らの軍事的資質と指揮能力を決定的に高めるようにした。また、軍人の間で実戦訓練とともに行軍と射撃、地形熟達訓練を強化することに大きな力を注ぐようにし、すべての軍種、兵種、専科兵の各部隊でも訓練を強めるようにした。そして、各軍種、兵種の実動訓練を現地で指導した。

 総書記は中隊を全軍強化のキーポイントとしてとらえ、すべての軍事・政治活動を中隊の強化に重点を置いておこない、人民軍の幹部が中隊に随時出向いて助けるようにした。そして1999年2月、朝鮮人民軍中隊長会議を開き、参会者に金日成主席が1973年10月11日におこなった演説『人民軍の中隊を強化しよう』を録音で聴取させ、2002年10月には朝鮮人民軍中隊青年同盟初級団体書記熱誠者会議の参加者に書簡を送った。

 総書記は、部隊の指揮・管理を改善し、軍紀を確立するため、部隊内に厳格な命令・指揮体系を打ち立て、指揮官の責任感と役割を強めるようにした。

 軍人の生活改善にも深い関心を払い、人民軍の給養基地をしっかり築くようにする一方、軍人の食生活を細やかに気遣って改善のための対策と方途も示した。そして、人民軍軍人の文化・情操生活にも深い関心を払い、彼らが軍務生活を楽天的にしていくよう導いた。

 総書記は、人民軍が強盛国家建設の主要部門で絶えず奇跡と革新を起こすようにし、強盛国家の面貌にかなった生活文化を確立するうえでも人民軍をその先頭に立たせ、軍隊で創造された軍人文化の模範を社会に一般化させるようにした。

 金正日総書記は軍事を重視し、国防工業に引き続き大きな力を注ぎ、全国土を鉄壁の要塞にするために力を尽くした。

 まず、全社会に軍事重視の気風を強く確立するようにした。新しい世代の等しい志向をくんで2002年5月8日、全民軍隊服務制を実施するという党中央軍事委員会の命令を下達した。こうして、2003年から祖国の歴史において初めての全民軍隊服務制が実施されることになった。

 全民軍隊服務制の実施と相まって、その優越性と生命力が明確にあらわれるようにすることに細やかに関心を払い、2003年5月30日には最前線に位置する人民軍部隊を視察しながら、全民軍隊服務制によって新しく入隊した人民軍兵士たちに会って彼らを励ました。

 総書記は、全人民武装化と全国土要塞化をより高い水準で実現するための活動を精力的に指導した。

 全人民武装化を高い水準で実現するため、民間武力の隊伍を強固に築き、訓練を強化する一方、戦闘動員の準備を完璧に整えるようにした。

 全国土要塞化を高い水準で実現するため、戦闘施設をしっかり建設し、全国土を鉄壁の要塞にする過程で得た成果と経験を広く一般化させるようにした。また1999年1月と4月、後方の要塞化を完成し、主要工場をはじめ、各種の対象を保護する対策を立て、2009年2月には世界的な兵器発展の趨勢に対応して全国土の要塞化水準を引き続き高め、民間防空対策をしっかり立てるようにした。

 総書記は、全社会に軍支援の美風を確立するよう指導した。

  2002年11月に初めて開かれた全国軍支援美風熱誠者大会を契機に、全国に軍支援の熱風を巻き起こすようにした。また、全人民が、先軍政治に従い人民軍を愛し支援するための宣伝・鼓舞活動を党の思想活動の中心的課題として引き続きとらえていくようにした。そして、軍支援活動で模範的な幹部と勤労者に感謝を送り、彼らの美挙を新聞、放送を通じて広く宣伝するようにした。

 総書記は、国防工業の強化に引き続き大きな力を注いだ。

 まず、軍需工業部門の幹部と労働者が、君子里精神で働くよう彼らを奮起させた。

 君子里精神は、祖国解放戦争の時期、君子里の軍需工場の労働者が、欠乏するものが多く最悪の状況下で、金日成将軍がおられるかぎり必ず勝利するという信念と決死の覚悟をもって機械を地下に設置し、人力でベルトを回して自動小銃や迫撃砲を生産した決死貫徹の精神である。

 総書記は2000年12月24日、軍需工業部門の従事者が君子里精神で働くよう激励し、具体的な実行措置もとった。君子里精神は、軍需工業部門に新たな高揚をもたらす思想的・精神的力の源となり推進力となって国防工業をさらに高い段階に発展させた。

 総書記は、軍需生産を高い水準で正常化し、軍需品の質を高めるようにした。

 国の経済活動全般を国防工業の優先的発展に重点を置くようにさせ、人民経済のすべての部門が国防工業に必要な労力と設備、原料、資材を最優先的に供給するようにした。そして、軍需生産の正常化と軍需品の品質向上を国防工業部門の第一義的な課題とし、経済組織活動を綿密にし、既存生産土台とすべての潜在力を最大限に動員、利用して生産計画を必ず遂行するようにし、兵器と戦闘技術機材の質を最上の水準で保障し、その性能と堅固性、信頼性が確実に保証されるようにした。

 総書記は、国防工業の自立性と近代化、情報化を促進する措置をとった。

 国防工業を国内の原料と資材に依拠し、自分の力と技術にもとづく自立的国防工業にさらに発展させるようにする一方、日増しに発展する軍需工業の発展趨勢に即して軍需工業部門を、さらに近代化、情報化することに深い関心を払った。

 総書記は、世界的な国防科学技術発展の趨勢に即して国防科学技術の急速な発展を促した。

 集団的技術革新運動をいっそう活発に展開するようにさせる一方、最先端技術にもとづく近代的な戦闘技術機材を開発するよう科学者、技術者を導いた。





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