金正日総書記革命活動史

第8章 先軍の旗を高く掲げて社会主義強盛国家を
建設するために

第2節 著作『わが党の先軍政治は
強力な社会主義政治方式である』を発表、
先軍思想を深化発展させるための思想・理論活動を展開

 金正日総書記は、精力的な思想・理論活動によって金日成主席の先軍思想を深化、発展させ、金日成主義の牽引力と生命力を強めて先軍革命偉業遂行の指導指針をもたらした。

 金正恩第1書記は次のように述べている。

 「…金正日同志は、金日成同志の銃剣重視の思想を先軍革命思想、先軍政治理論として深化発展させ、社会主義強盛国家建設理論を提示することにより、金日成主義の牽引力と生命力を一段と高め、革命実践でその正当性を実証しました」

 抗日の銃砲声と祖国解放戦争の炎のなかで銃剣の重要さを誰よりも深く痛感した総書記は、1960年8月25日に先軍革命の指導を始めて以来、半世紀にわたる先軍長征の道を歩みながら、主席の銃剣重視、軍事重視思想を断固擁護し終始一貫堅持し、特に、先軍革命指導、先軍政治を全面的に展開する壮大な革命実践の過程で先軍思想を深化、発展させ、定立、体系化した。

 総書記は2001年7月5日、著作『わが党の先軍政治は、強力な社会主義政治方式である』を発表して先軍思想を深化、発展させた。

 この著作で、先軍政治と主席の銃剣重視、軍事重視思想との相互関係、先軍政治の本質と社会主義政治方式において先軍政治の占める地位を明らかにした。

 まず、党の先軍政治と主席の銃剣重視、軍事重視思想の相互関係を明らかにした。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「わが党の先軍政治は、銃剣重視、軍事重視思想を立派に具現した独創的な社会主義政治方式です」

 著作ではまず、軍は、党であり国家であり人民であるという独創的な思想を示し、銃剣によって朝鮮革命を切り開き前進させてきた主席の革命活動史を総括している。

 労働者階級の革命闘争史が示しているように、革命武力を強化することなしには革命の勝利を達成することはできない。革命闘争は、反革命勢力との力の対決を伴うものであるため、強い革命武力に依拠せずには革命で勝利することはできず、勝利した革命を守りとおすこともできない。これは、革命の原理であり公式である。

 主席はつとに革命の道を踏み出して長い間、朝鮮革命を導いてきた全行程で銃剣重視、軍事重視路線を一貫して堅持してきた。そして、武装した敵を打ち破って祖国を解放する唯一の道は、武装闘争を展開することにあるという思想を示して抗日遊撃隊から創建し、祖国の解放をなし遂げてからはじめて党も国家も創建した。

 総書記は、銃剣重視、軍事重視路線を一貫して堅持してきた主席の革命活動史を総括し、それにもとづいて主席の先軍思想を今日の現実的条件に即して一つの政治方式として深化、発展させたことを明らかにした。

 総書記は、先軍政治の本質と社会主義政治方式における先軍政治の地位を明らかにした。

 わが党の先軍政治は、人民軍を無敵の強兵にして祖国を守り、人民軍を中核とし模範として革命の主体を打ちかため、人民軍を革命の柱として全般的社会主義建設を推し進めていく政治方式である。

 このように先軍政治の本質を解明したうえで、社会主義政治における先軍政治の地位を科学的に論証した。

 先軍政治は、社会主義の基本的政治方式である。先軍政治は、革命と建設を自分の力で、自分の実情に即して、自分のやり方で進める独創的な政治方式であり、いかなる試練にさらされても革命と建設を勝利に導いていける万能の宝剣であり、地球上に帝国主義が残存し、帝国主義者の侵略策動が続くかぎり恒久的に堅持していくべき戦略的な路線であり、政治方式である。

 総書記は、相次いで著作を発表し、先軍思想をいっそう深化、発展させるための思想・理論活動を展開した。

 2003年1月29日、党中央委員会の責任幹部への談話『先軍革命路線は我々の時代の偉大な革命路線であり、朝鮮革命の百戦百勝の旗印である』で、革命の主力部隊に関する独創的な解明をおこない、革命的軍人精神の地位と役割、先軍政治の性格を明確に解明した。

 まず、革命の主力部隊に関する独創的な解明をおこなった。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「わが党は、時代の発展と変化する社会・階級関係を深く分析し、それにもとづき革命運動史上はじめて先軍後労の思想を打ち出し、人民軍を革命の中核部隊、主力部隊として押し立てました」

 著作は、労働者階級を革命の主力部隊とみなした従来のマルクス主義革命理論を深く分析し、朝鮮労働党が先軍政治をおこないながら人民軍を革命の主力部隊として押し立てたのは、革命の主力部隊に関する問題、革命と建設で革命軍隊が果たす役割の問題にたいする新しい見解、新しい観点にもとづいていることを論証した。

 従来のマルクス主義の革命理論では、19世紀中葉の西欧資本主義諸国の社会階級関係を分析して、資本の支配とあらゆる搾取制度を一掃し、社会主義・共産主義を実現する使命を帯びた最も先進的で革命的な階級は労働者階級であるとし、労働者階級を革命の指導階級、主力部隊として規定した。これは当代の資本主義社会の現実を反映した理論であり、その後、世界のいくつもの国で労働者階級を主力部隊とする社会主義革命が勝利し、社会主義建設が進められた。

 しかし、1世紀半前のマルクスの理論と公式は、こんにちの現実には合わなくなった。時代は、はるかに前進し、社会的環境も階級関係も、労働者階級の境遇も大きく変わった。

 総書記は、朝鮮労働党は、いかなる既成理論や既存の公式にもこだわることなく、情勢の変化と革命発展の要請に即して軍隊を強化し、その役割を強めて革命と建設を勝利に導いてきたとし、党が人民軍を革命の主力部隊として押し立てるのは、人民軍が朝鮮革命の第一の生命線を守る隊伍であり、社会のどの階級や階層より最も革命的で戦闘的であり、最も強力な集団であるからだということを解明した。

 総書記は、革命的軍人精神の地位と役割、先軍政治の性格を明らかにした。

 革命的軍人精神は、領袖決死擁護の精神、決死貫徹の精神、英雄的犠牲精神を基本とする人民軍の高潔な革命精神である。革命的軍人精神は、先軍時代を象徴し代表する気高い精神であり、革命と建設で奇跡を起こし、偉勲をとどろかせる革命的で戦闘的な思想的・精神的武器である。

 先軍政治の革命的性格は、帝国主義反動勢力のあらゆる侵害から人民大衆の自主的要求と利益、国と民族の自主権と尊厳を確固と守り保証する原則的で正義の反帝・自主の政治であり、気高い愛国、愛族、愛民の政治だということにある。

 総書記は2007年4月18日、党および軍隊の責任幹部への談話『偉大な先軍の旗を高くかかげ、金日成同志の偉業、チュチェの革命偉業を成功裏に完成させていこう』で、党の銃剣哲学と先軍政治の根本的基礎、先軍政治の柱について明らかにした。

 この談話で、銃剣には銃剣で対抗し、革命は銃剣によって保証すべきだというのが、朝鮮労働党の銃剣哲学であり、革命の銃剣のうえに人民大衆の自主偉業、社会主義偉業の勝利があり、国と民族の富強・繁栄があるということは、チュチェ思想によって明らかにされ、歴史によってその真理性が実証された革命の原理であり法則であることを明らかにした。

 また、革命的軍人精神に関する思想をさらに深化、発展させ、それを先軍政治の根本的基礎として定義づけ、チュチェの革命的党と無敵の革命武力、革命隊伍の一心団結、この3大革命要素を先軍政治の柱、チュチェの革命偉業の強力な推進力として規定した。

 このほかにも著作『今年を新世紀の進撃路を開くうえで転換の年にしよう』『記者、言論人は我々の思想、我々の制度、我々の偉業を断固擁護する思想的旗手である』で、先軍指導体系と指導芸術、先軍革命の原則と先軍政治の目的を明らかにした。

 総書記は2011年10月16日、先軍思想の構成体系を先軍革命の原理と先軍革命の原則、先軍政治理論として定立し体系化した。こうして、先軍思想は、全一的な構成体系を備えたチュチェの革命理論として完成された。

 金正日総書記によって先軍思想が絶えず深化、発展し、定立、体系化されることによって、チュチェの革命理論は、さらに発展し豊富になり、チュチェの革命偉業の完成と社会主義強盛国家建設の前途を明示する強力な思想的・理論的武器がもたらされた。





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