金正日総書記革命活動史

第6章 人民大衆中心の朝鮮式社会主義を固守するために

第8節 平壌宣言の旗のもとに
社会主義運動を再建するために

 金正日総書記は、陣痛と紆余曲折を経ていた社会主義運動を新たな基礎のうえで再建し、社会主義偉業を高揚へと導くために心血を注いだ。

 アメリカをはじめ、帝国主義者の反社会主義策動と現代社会民主主義者の背信行為により、ソ連と東欧諸国で社会主義が挫折し、資本主義が復活した。こうした情勢下で、世界の革命的党と人民の耳目は、変わることなく社会主義の旗を高くかかげて進む社会主義朝鮮に注がれた。

 1992年1月3日、金正日総書記は、著作『社会主義建設の歴史的教訓とわが党の総路線』を発表した。

 総書記は著作で、世界の社会主義運動が解明を待ち望んでいる問題である一部の国における社会主義の挫折の原因と教訓、社会主義建設を指導する党が一貫して堅持すべき総路線を明示した。

 世界の革命家と進歩的人民は、総書記のこの著作を「信念と勇気を与えてくれる生命水」「社会主義建設の百科全書」「社会主義建設の大綱」だとして、総書記を「思想と政治の大家」「人類の未来を照らす輝かしい太陽」だとたたえた。

 総書記は、金日成主席の誕生80周年を祝って開かれるチュチェ思想国際討論会に重要な意義を付与し、それがチュチェの社会主義偉業の正当性と不抜の威力を認識させる重要な契機となるようにした。

 総書記は活動家たちに、討論会では世界の人民の共通の関心事となっている問題についてチュチェ思想の原理にもとづいて分科別に理論的に深く討論し、人々が社会主義にたいする古い概念を捨て、チュチェ思想が具現されている朝鮮の社会主義の優越性をよく理解できるようにすべきであると述べた。

 1992年4月、東京で開かれた「現代とチュチェ思想に関する国際討論会」は、世界の革命家と進歩的人民にチュチェ思想の正当性と真理性、それが具現されている朝鮮式社会主義の必勝不敗性を深く認識させる重要な契機となった。

 総書記は、主席の誕生80周年慶祝行事に社会主義をめざしてたたかう世界の革命的党の代表をより多く参加させるようにした。1991年11月20日、総書記は代表団招請の総体的方向を示すとともに、国別、対象別の招請対象を一つ一つ定めた。

 特に、世界の社会主義運動に新たな活力を与えるため、社会主義が挫折した国の進歩的党の代表団をはじめ、反帝・自主を志向する世界各国の党代表団を多く招くようにした。

 そうして、世界の多くの国の社会主義的政党の代表団が、平壌宣言が採択されることになる平壌を訪れ、主席の誕生80周年慶祝行事に参加することになった。

 朝鮮側は、世界各国から訪れた革命的党の代表団との双務的・多務的接触を活発におこない、総書記の著作『社会主義建設の歴史的教訓とわが党の総路線』の思想的・理論的内容を積極的に解説、宣伝するとともに、彼らがチュチェ思想が具現されている朝鮮の社会主義の現実をより多く見ることができるように手配した。

 各国の党首と党の代表は一致して、『社会主義建設の歴史的教訓とわが党の総路線』に盛り込まれている思想を反映した共同の闘争綱領を発表することを提起した。こうして、1992年4月20日、平壌では「社会主義偉業を擁護し前進させよう」と題する平壌宣言が採択、発表された。

 平壌宣言は、一部の国で社会主義が挫折した原因を正確に分析し、資本主義に比べた社会主義の本質的優越性と社会主義勝利の歴史的必然性を科学的に論述した。また、社会主義偉業を擁護し前進させるため、各国の党はみずからの力量を打ちかため、いかなる環境のもとでも自主性と革命的原則を堅持し、社会主義の旗を引き続き高くかかげて進み、社会主義偉業の遂行においてすべての進歩的政党間の団結と連帯を強めるという共同の闘争課題を明示した。

 平壌宣言は、社会主義の真理性と正当性、その最終的勝利の必然性を明らかにし、社会主義の理念に忠実であろうとする強力な勢力が存在していることを世界に宣布することによって、社会主義は依然として生きており前進していることを誇示した。また、世界の進歩的人民に社会主義偉業勝利の確たる信念を与えた。

 平壌宣言が発表された後、世界の革命的党は、この宣言を「新しい共産党宣言」「国際共産主義運動の新たな出発を告げる歴史的文書」「革命的党が進むべき行動方向を規定した指導指針」などと評価し、これに次々と署名した。そうして、平壌宣言に署名した党の数は、採択当初は70だったものが、2012年4月には289に増えた。

 金正日総書記は、平壌宣言にもとづき社会主義運動を再建するための世界の革命的党と人民のたたかいを積極的に支持声援するようにした。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「わが党は、今後とも人民大衆の自主偉業、社会主義偉業の勝利をめざして、世界のすべての革命的な党と強く団結して積極的に協力し、朝鮮革命と世界革命にたいして担っている聖なる使命と責任を果たすであろう」

 総書記は、朝鮮労働党創立47周年に当たる日に著作『革命的党建設の根本問題について』を発表し、革命的な党を再建し、社会主義を再生させるためにたたかう各国の革命家を心から助けるよう導いた。

 総書記の遠大な構想にもとづき、1991年と1992年にも朝鮮労働党代表団が世界各国に派遣された。

 総書記は、世界各国の革命的な党の首班が朝鮮を訪れて金日成主席と会見することができるようにした。

 世界の社会主義運動が試練にさらされ、帝国主義者の狂乱的な反社会主義攻勢が強まっていた時、朝鮮労働党は敵の挑戦を断固粉砕し、社会主義の理念と革命的な党の正当な偉業を積極的に擁護した。

 ヨーロッパの資本主義国の共産党、労働者党をはじめ、多くの国の革命的な党の首班が朝鮮を訪れてチュチェ思想が具現されている真の社会主義の姿を目の当たりにし、金日成主席の貴重な教えを受けた。

 総書記は、社会主義運動の再建をめざしてたたかう多くの国の革命的な党の首班に会って助言を与えた。

 特に、社会主義の再生をめざしてたたかう世界各国の政党との活動に深い関心を払った。ヨーロッパの社会主義が崩壊した後、総書記は数度にわたって活動家たちに、それらの国の党との活動に力を入れて彼らをよく助けるべきだと述べ、多くの国の政党の党首に会って彼らを励ました。

 1992年4月には、ある国の党書記長に会い、社会主義の再生をめざして困難なたたかいを続けているその党にたいする朝鮮労働党の全的な支持声援を確約するとともに、記念写真を撮り、晩餐会まで催した。

 彼は、金正日総書記は、わが党にこのうえなく貴重な教えを与えてくれたとして、心から感謝の意を表した。そして、金正日総書記は実に偉大な指導者であり、限りなく謙虚でおおらかな気質の持ち主で、無限の人間愛と度量を備えた偉人であるとほめたたえた。

 これは、総書記と会見したすべての革命的な党の首班と革命家の一致した心情であった。

 総書記は対外活動部門の活動家たちに、いまや、各国の共産党、労働者党を押し立て支持声援する党はわが党しかないとして、外国の党代表団が訪れたら彼らに温かく接し、共同声明も採択してきずなを強め、大いに励ますべきだと述べた。

 1993年7月の戦勝40周年慶祝行事をはじめ、重要な行事の際、総書記は、社会主義運動の再建をめざしてたたかっている外国の党首班を幹部壇の前列につかせるようにした。そうして、社会主義が挫折した国をはじめ多くの国の左翼政党の代表団が朝鮮を訪れ、社会主義偉業に一身をささげることを誓った。

 金正日総書記は、このように、世界の社会主義運動が試練を経ていた1990年代の前半に、チュチェ思想にもとづく世界の社会主義運動の再建のために不眠不休の活動を続け、社会主義偉業の遂行に偉大な歴史的貢献をなした。





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