金正日総書記革命活動史

第6章 人民大衆中心の朝鮮式社会主義を固守するために

第3節 党の指導的役割を強め、
全社会の一心団結を強化するために

 1990年代の前半、金正日総書記は、党を組織的、思想的に強化し、その指導的機能と役割を強め全社会の一心団結を強めるために心血を注いだ。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「革命と建設の成否は、党をいかに強化し、党の指導的役割をいかに高めるかにかかっています」

 金正日総書記は、党を組織的、思想的に強化し、その指導的機能と役割をさらに強めるためにまず、党内活動に力を入れて、党の隊伍を組織的、思想的に強化することに深い関心を払った。

 そのために、革命の指揮メンバーである幹部陣容をかためることに第一の関心を払い、各級党組織が幹部の選抜、配置を党の原則にもとづいておこなうとともに、幹部の革命化を引き続き強力に推し進めるようにした。特に、すべての幹部が党と運命をともにし、党の思想と指導に忠実に従う真の革命家としてみずからを鍛えるよう導いた。

 総書記は、党の隊伍全般を強化することに精力を傾けた。そのために、すべての党員が信念と意志の化身である英雄李仁模のように党への忠誠心を変わることなく胸に秘め、率先して党の指導に従うようにする教育を絶えず深化させた。また、党員の党生活を強化し、彼らがみな高い党組織観念をもって党生活に自発的に誠実に参加するようにした。

 総書記は発展する現実の要求に即して、党員と勤労者の間で党の革命思想で武装させる思想教育活動をより積極的におこなうよう導いた。

 そのために、党と領袖への忠誠心を信念化、良心化、道徳化、生活化することに重点を置き、党と領袖の偉大性教育、社会主義制度の優越性についての教育、朝鮮民族第一主義の教育、革命伝統教育、階級的教育を思想教育活動の基本としてとらえていくようにした。また、思想教育活動を対象の特性と水準に応じておこなうとともに、講演、学習問答、出版物や放送による教育など、さまざまな形式と方法を合理的に組み合わせておこなうようにした。特に、思想教育活動で反証資料を利用した対比教育を多くおこない、党員と勤労者の間に見られる美挙を見習うための模範による感化教育を強化することに深い関心を払った。

 総書記はまた、党の基層組織である党細胞を強化することに大きな力を傾けた。そのために、党細胞を党と領袖に限りなく忠実な細胞にするための活動を積極的に推し進めるようにした。

 1990年11月、党の指導に忠実に従うことを誓ったある党細胞の党員たちの手紙を受け取った総書記は、彼らに直筆の返書を送り、この細胞を忠誠の党細胞のモデルとして押し立て、この細胞を見習うための運動を繰り広げるよう導いた。

 1991年5月、総書記は、党史に前例のない大きな規模で朝鮮労働党第1回細胞書記大会を開催するようにし、党細胞の機能と役割を強め、忠誠の党細胞づくりの転機を開いた。

 総書記は、大会の参加者に送った書簡『党細胞を強化しよう』で「すべての党細胞を忠誠の細胞にしよう!」というスローガンを打ち出し、忠誠の党細胞づくりを党組織の中心的課題としてとらえ、党をあげてこの事業を強力に推し進めるようにした。そして、1994年3月末から4月初めにかけて朝鮮労働党第2回細胞書記大会を開き、党細胞の強化と忠誠の党細胞づくりで得た貴重な成果と経験を広く一般化させるようにした。この過程で数多くの忠誠の党細胞が生まれ、党の基層組織である党細胞が全面的によりいっそう強化された。

 総書記はまた、党活動で古い活動方法と作風を一掃することに深い注意を向けた。

 特に、「人民に奉仕する!」というスローガンを示し、党活動家が人民の忠僕として大衆のなかに深く入り、彼らと生死、苦楽をともにし、人民のために献身する気風を確立するよう導いた。

 総書記は、1994年5月24日に党中央委員会の責任幹部への談話『革命発展の要請に即して幹部を徹底的に革命化するために』を発表し、党の意図を体して幹部を革命化する活動を偏向を犯すことなく引き続き推し進めるようにした。そうして、党活動家の活動方法と作風に転換がもたらされ、党の指導的権威が一段と高まり、党にたいする大衆の信頼はますます厚くなった。

 金正日総書記は、全社会の一心団結をさらに強めるために精力を傾けた。

 1992年1月1日の党中央委員会の責任幹部への談話『党活動を強化して朝鮮式社会主義をさらに輝かそう』で、全社会の一心団結をさらに強めるための綱領的課題を提示した。

 金正日総書記は次のように述べている。

 「『一心団結の威力によって朝鮮式社会主義をさらに輝かそう!』 これが現在わが党が示している戦闘的スローガンです」

 この談話で総書記は、帝国主義者と反動勢力のあらゆる挑戦を退け、人民大衆中心の朝鮮式社会主義を固守し輝かす最も強力な武器は、ほかならぬ一心団結であり、一心団結は朝鮮革命の生命であり、あくまでとらえていくべき旗印であるとし、党組織は全社会の一心団結をよりいっそう強めることに党活動の中心を置き、これを絶えず深化させるべきであると強調した。

 総書記は、すべての党員と勤労者が、指導者にたいする清らかな忠誠心をもつようにすることに主眼を置き、広範な大衆を党のまわりに結束するための活動を深化させるようにした。

 大衆を党のまわりに結束するうえで、革命家の遺児と戦没者および敵に虐殺された人の遺族、英雄、戦傷栄誉軍人、参戦老兵の役割を強めることに特に重要な意義を付与した総書記は、彼らが党と領袖を守り戴くうえで常に隊伍の旗手となるよう導いた。そして、各級党組織が大衆との活動を党活動、対人活動の重要な内容の一つとしてとらえ、革命家の遺児と戦没者、敵に虐殺された人の遺族が自分の階級的立場を忘れることなく、革命の先の世代のように生き、たたかうよう教育する一方、戦傷栄誉軍人と参戦老兵を大いに押し立て、彼らの活動と生活を見守るようにした。また、1992年10月には、全国烈士遺族大会、1993年7月には全国老兵大会を開催し、彼らが党と領袖の指導に従ううえで中核的役割を果たすようにした。

 総書記は、労働者、農民、知識人との活動を対象の特性に応じて深化させるようにし、特に、社会主義が挫折した多くの国の教訓を踏まえて知識人との活動を強化することに大きな力を傾けた。

 1990年9月20日、党中央委員会の責任幹部におこなった演説『革命と建設におけるインテリの役割をさらに高めよう』で、新たな情勢の要求に即して知識人との活動を強化する課題を提示し、それを実現するための活動を指導した。

 総書記は、知識人の間で革命的領袖観を確立するための思想教育と組織生活を強化し、実践を通じて革命的に鍛えるための活動を不断に深化させるようにした。そして、1992年12月に朝鮮知識人大会を開催し、党と領袖のまわりに一心団結した知識人の誇らかな姿を全世界に示威し、すべての知識人が党と最後まで運命をともにする決意をかためるようにした。

 総書記は、青年・学生を党のまわりに結束するよう導いた。まず、青年を重視し、彼らを党と領袖に忠実な青年前衛として鍛えることに第一の関心を払った。

 青年運動における金日成主席の業績を輝かせ、全社会に青年重視の気風を確立するため、総書記は1991年1月、主席が朝鮮共産主義青年同盟を結成した日である8月28日を青年デーとして制定するようにした。そして1991年8月26日、初の青年デーを迎える全国の青年と青年同盟の活動家に書簡を送り、「青年は党と領袖に限りなく忠実な青年前衛となろう!」というスローガンを提示した。また、青年が、このスローガンのもとにチュチェ思想を確固たる信念とし、いかなる環境のもとでも党と領袖を守り、党と領袖の指導に忠実に従い、党の路線と政策を貫徹する先鋒隊、突撃隊となるよう導いた。

 総書記は1993年2月に社労青第8回大会を開催し、大会が党に限りなく忠実なチュチェの革命偉業の継承者の大会として盛大におこなわれるよう導いた。

 総書記は、社労青組織が、青年の間で党と領袖への忠実性を培う教育、革命伝統教育、階級的教育、社会主義的愛国主義教育を引き続き強化するとともに、特に、青年がブルジョア思想に染まらないよう深い関心を払うようにした。また、青年の間で組織生活を強化し、彼らが労働や国防などの実践を通じて、みずからをさらに革命的に鍛えていくようにした。

 総書記は、党員と勤労者の間に社会と集団のためにすべてをささげる気風を確立することにも深い関心を払った。総書記の愛と信頼の政治により、党員と勤労者の間で人々の感動を呼ぶおこないが続出した。

 総書記はこうしたおこないを広く紹介、宣伝するようにし、彼らに感謝と直筆の手紙を送った。そして、1993年12月に全国共産主義美風先駆者大会を開催し、この大会を機に人民の間に見られる美風を見習う運動を新たな高い段階に発展させるよう導いた。

 こうして、全国が「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という集団主義の原則にもとづく一つのむつまじい大家庭としてかたく団結し、全社会の一心団結がよりいっそう強まった。

 金正日総書記は、チュチェの党建設理論をさらに深化発展させた。

 1990年代初めの数年の間にも、『朝鮮労働党は朝鮮人民のすべての勝利の組織者であり導き手である』『チュチェの党建設理論は労働者階級の党の建設において堅持すべき指導指針である』『革命的党建設の根本問題について』など多くの著作を発表し、チュチェの党建設理論を新たな高い段階へと深化発展させた。

 総書記はこれらの著作で、従来の労働者階級の党建設理論の制約性とチュチェの党建設理論の独創性、正当性を科学的に解明した。

 従来の労働者階級の党建設理論は唯物史観にもとづいて展開されているので、党の思想建設の原則をはじめ、多くの問題を十分に解明することができなかった。また、個々の国での党建設偉業が主に国際的中央によって指導されていた当時の時代的制約性のため、各国の共産主義者が自主的に党を建設する道を示すことができなかった。のみならず、実践的経験の不足と未熟性のため、政権党建設理論をはじめ、党建設で提起される原則的な問題を全面的に解明することができなかった。

 総書記は、従来の労働者階級の党建設理論の制約性を解明したうえで、金日成主席が示したチュチェの党建設理論は、チュチェ思想にもとづいて展開された最も科学的で革命的な党建設理論であり、相異なる革命段階と闘争条件における党のすべての活動経験が全面的に集大成されている党建設理論であることを論証した。

 総書記はまた、チュチェの党建設理論の正当性と生命力は、党建設の歴史的経験と党の指導のもとにもたらされた朝鮮革命の輝かしい勝利と成果によって全面的に証明されており、国際共産主義運動の教訓によっても証明されていると指摘した。

 総書記は、党の指導は、社会主義偉業の生命線であるという貴い真理を解明した。

 総書記は、党の指導が社会主義偉業の生命線であるのは、それが社会主義偉業の主体を強化しその役割を強める決定的保証であり、正しい闘争戦略と戦術にもとづいて社会主義偉業を前進させる根本条件であり、社会主義偉業遂行の全過程で革命的原則を一貫して堅持し具現するための必須の要求であるからであると指摘した。

 総書記は、労働者階級の党を時代の要求にかなった真のチュチェの革命的党として建設するうえで提起される原則的問題を明らかにした。

 チュチェ思想を指針として党建設と党活動を進めることについて強調し、党を勤労人民の大衆的な党として建設すること、党内で思想と指導の唯一性を確保すること、党の統一団結を強化すること、思想を基本に党を強固にすること、全社会の思想の一色化を実現すること、全社会にたいする政治的指導をしっかりと実現すること、革命的大衆路線を具現することをチュチェの革命的党建設における重要な原則的問題として提起した。そして、労働者階級の党は、その発展において継承性を確実に保障しなければならないと指摘した。

 金正日総書記の指導のもとに、党を強化し、その指導的役割を強め、全社会の一心団結を強めるためのたたかいが力強く繰り広げられることにより、革命の主体がよりいっそう強固になり、労働者階級の党建設偉業と社会主義偉業は新たな発展の道に入ることになった。





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