金正日総書記革命活動史

第5章 全社会の金日成主義化をさらに促進するために

第10節 世界の自主化を促進するために

 1980年代に至って、自主性の力強い潮流が世界のすべての大陸を席巻し、国際舞台では、革命勢力と反革命勢力、反帝・自主勢力と支配勢力との闘争がいっそう先鋭化した。

 帝国主義への植民地的従属から脱した数多くの国の人民が、自主の道に沿って前進し、反帝・自主をめざす人民の革命闘争は日ごとに高揚していた。反面、支配圏を維持、拡大しようとする帝国主義者の干渉と侵略策動は、いっそう悪辣さを増していた。特に、アメリカ帝国主義者は、社会主義諸国を内部から瓦解させるための策動を、いつにもまして強化し、発展途上諸国にたいする侵略と略奪、戦争策動に狂奔していた。

 世界の政治舞台におけるこうした変化の過程と時代の要求を深く洞察した金日成主席は、1982年4月14日に朝鮮労働党中央委員会・朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議合同会議でおこなった施政演説『全社会のチュチェ思想化をめざす人民政権の任務』で、全世界を自主化するという方針を提示した。

 主席の高志を体した金正日総書記は、1983年5月3日、カール・マルクス生誕165周年および没後100周年に際して発表した論文『マルクス・レーニン主義とチュチェ思想の旗を高くかかげて進もう』で、世界の自主化を促進することは人類共同の闘争課題であるとし、それを実現するためのたたかいを指導した。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「マルクスによって切り開かれた労働者階級の革命偉業を完成させるうえで当面する重要な課題は、帝国主義に反対し、世界の自主化を促進することである」

 全世界を自主化するということは、すべての国と民族がいかなる列強や支配主義勢力にも従属したり服従することなく、みずからの自主的発展が保障された世界を建設することを意味する。

 金正日総書記は、反帝・自主勢力の団結と協力を強めるために心血を注いだ。

 世界を自主化するためのたたかいで主体は、反帝・自主勢力であり、その威力は団結にある。帝国主義者が互いに結託し合って、連合した勢力として社会主義と世界の進歩的人民に反対している状況のもとで、世界のすべての反帝・自主勢力がかたく団結してたたかうことはいっそう切実な問題となっていた。

 総書記は、社会主義諸国の団結を強めることに優先的な力を注いだ。

 総書記は、1984年5月16日から7月1日にかけての旧ソ連および東欧社会主義諸国訪問をはじめ、主席の社会主義国の党および国家指導者との対外活動を立派に補佐するようにし、社会主義諸国の統一団結を強化する重要な契機にならしめた。また、1984年7月の党中央委員会第6期第9回総会で、世界のすべての進歩的政党、社会団体、革命組織との連係と接触を強化し、団結をかためる課題を提示し、党代表団の往来を活発化させるための対策を立てた。

 そうして、朝鮮労働党は、さまざまなクラスの党代表団を世界各国に派遣する一方、世界各国の政党の指導者と代表団を招いて友好関係を深め、連係を強めた。1985年の1年間だけでも朝鮮労働党代表団は、70余回にわたって外国を訪問して諸政党との活動を行い、90余の外国の党代表団が朝鮮を訪問した。

 総書記は、非同盟運動を強化発展させることに大きな力を注いだ。そのためにまず、この運動の統一と団結を強めることに深い関心を払った。

 1980年代に入って、非同盟諸国を離間して各個撃破し、非同盟運動を内部から瓦解させようとする帝国主義者の策動はいっそう悪辣になった。

 総書記は、前述の著作『マルクス・レーニン主義とチュチェ思想の旗を高くかかげて進もう』で、非同盟諸国は、非同盟運動の根本原則を厳守し、完全な平等と内政不干渉の原則にもとづいて政治的にかたく団結し、経済的に緊密に協力しなければならないと指摘した。また、非同盟諸国首脳会議を控えて、非同盟運動の統一と団結を強化するという朝鮮労働党の原則的立場を明らかにした朝鮮労働党中央委員会政治局・朝鮮民主主義人民共和国中央人民委員会の合同会議に関する報道を発表するようにした。1983年2月と1986年6月、1989年6月に発表された合同会議の報道を通じて明らかにされた朝鮮労働党の原則的立場は、複雑な情勢のもとで非同盟運動の統一と団結を強化することに寄与した。

 総書記は、非同盟運動の多くの会議で朝鮮代表団が、この運動の統一と団結のために積極的な活動を展開するよう導いた。そのために、1980年代に3度開催された非同盟諸国首脳会議をはじめ、重要な会議に参加する朝鮮代表団の活動方向を具体的に示した。

 朝鮮代表団は、非同盟諸国の各会議でこの運動を強化発展させるうえで提起される原則的な問題について討議し、共同の戦略を立てることに力を集中するよう真剣な努力を傾注した。朝鮮代表団の積極的な活動は、反帝・自主の旗のもとに非同盟運動加盟国の団結を強化することに大いに寄与した。

 総書記は、非同盟運動を強化発展させるために南南協力を拡大発展させるよう導いた。そのために、朝鮮で開催される南南協力に関する多くの国際会議が南南協力の実現を促進する重要な契機となるようにした。

 そうして、平壌では1981年8月に食糧・農業増産に関する非同盟および、その他発展途上諸国の討論会が開かれ、次いで1982年5月には非同盟諸国ニュース・プール調整委員会第7回会議、1983年9月には第1回非同盟および、その他発展途上諸国の教育・文化相会議、1987年6月には南南協力に関する非同盟諸国閣僚級特別会議などが成功裏に開催された。これらの会議は、非同盟諸国と発展途上諸国が経済的自立をなし遂げ、南南協力を発展させるための実際的な方途を討議し、新たな里程標をもたらした歴史的な会議となった。

 総書記は、南南協力を拡大発展させるため、非同盟諸国の農業発展のために積極的な援助を与えるようにした。

 1981年8月にアフリカ諸国の農業発展のための農業科学研究センターを設立する課題を提示し、タンザニア、ギニアなど多くの国に農業科学研究所や試験農場を設けるよう対策を立てた。また、マリ、ベニン、イエメン民主人民共和国(当時)、ガイアナなどの30余の灌漑工事に専門家を派遣し、設備や資材を送るとともに、多くの国に技術者、専門家を派遣し、朝鮮で農業技術者を養成するようにした。

 総書記は、南南協力を拡大発展させるため、党および国家建設、工業、教育、保健医療、文学・芸術など多くの分野で新興諸国を助けるようにした。そうして、共和国政府は、80余カ国と経済協力、技術交流関係を結び、数十の対象に援助を与えた。また、多くの国に多数の専門家を派遣し、党および国家建設、経済管理、民族文化建設、医療奉仕事業などを誠心誠意助けた。

 金正日総書記は、世界の平和愛好人民の反帝共同闘争を強化するために精力を傾けた。

 総書記は、アメリカをはじめ、帝国主義者の侵略と戦争策動に反対し、世界の平和と安全を守るためのたたかいを力強く展開するよう導いた。そのために、帝国主義者の侵略と戦争策動を阻止し、平和を守るうえで提起される原則的問題を明らかにした。

 1983年5月3日に発表した著作で、すべての反帝・自主勢力は、反米統一戦線を形成してアメリカ帝国主義に集団的攻撃を加え、帝国主義者の軍備拡張と戦争準備策動を阻止し、他国にあるアメリカ帝国主義の軍事基地を撤廃し、アメリカ軍と核兵器などの大量殺りく兵器を撤収し、軍事ブロックを解体し、世界各地域に非核地帯・平和地帯を設置、拡大しなければならないと指摘した。

 また、1987年9月25日の党中央委員会の責任幹部への談話『反帝闘争の旗をさらに高くかかげ、社会主義・共産主義の道を力強く前進しよう』で、現代帝国主義の実体とその運命にたいする正確な認識をもって、反帝的立場を堅持し、世界のすべての反帝・自主勢力がかたく団結して反帝闘争を力強く展開しなければならないと述べた。

 総書記は、世界の平和愛好人民を反帝・反戦・反核・平和擁護運動へと立ち上がらせることに力を注いだ。そのために、1983年5月、平壌で開かれる世界ジャーナリスト大会が、世界の平和愛好人民を反帝共同闘争へと立ち上がらせる重要な契機となるよう、対外活動を立派に行うようにと指示した。そうして、1983年7月に平壌で開催された世界ジャーナリスト大会は、118カ国、17の国際機構の169の代表団と代表の参加のもとに成功裏におこなわれた。

 総書記は、世界の平和愛好人民の反帝・平和擁護運動を鼓舞激励するための対外活動を積極的に繰り広げるよう導いた。

 こうして、朝鮮労働党は、1981年3月に朝鮮を訪問した日本社会党代表団と会談をおこない、東北アジア地域における非核・平和地帯設置に関する共同宣言を発表した。そして、1984年9月に再度訪朝した日本社会党代表団との会談で、アジア地域の諸政党・社会団体が連合して全人民的反核運動を大々的に展開し、アメリカと日本、南朝鮮の3角軍事同盟結成策動に反対する両党の共同闘争を強化することにした。また、1986年9月には、朝鮮半島における非核・平和のための国際会議を招集し、会議を成功させるために積極的な活動をおこなった。

 朝鮮労働党と共和国政府は、インド洋を平和地帯にするためのインドをはじめ、この地域の諸人民のたたかい、カリブ海地域を平和・自主・開発地帯にするためのこの地域の諸人民のたたかい、東南アジア地域を非核地帯にするためのこの地域の諸人民のたたかいなど、帝国主義の侵略と戦争策動に反対し、自主、独立、平和のためにたたかう世界各国人民の反帝・平和運動を全力をあげて支持声援した。

 総書記は、第13回世界青年学生祭典を反帝連帯、平和と友好の大祭典にするよう導いた。平壌祭典が徹底した反帝祭典、特色ある祭典となるよう、総書記は、反帝的性格を固守し具現するようにした。そのために、反帝連帯、平和と友好を平壌祭典の理念とし、祭典の反帝的性格を明白にするようにした。そして、1988年10月12日、党中央委員会の責任幹部への談話『現代と青年の任務』を発表し、帝国主義者の妨害策動を粉砕し、平壌祭典がその理念を固守するよう導いた。

 また、数度にわたって関係部門の活動家に会って、平壌祭典の反帝的性格を固守するための積極的な活動を繰り広げるよう具体的な指示を与えるとともに、祭典の行事が催される場所を見て回り、行事のすべての面に祭典の崇高な理念を具現すべきだと指摘した。

 総書記は、平壌祭典を祭典史上最高のモデル祭典にするため精力を傾けた。そのために、祭典国家準備委員会を設置し、祭典の準備を全党的、全国家的、全人民的な事業として進めるようにした。また、祭典の準備で主体性を確立して祭典を徹底的に朝鮮式におこなうとともに、開幕・閉幕セレモニーと「朝鮮の日」のイベントをはじめ、すべての行事を高水準の特色あるものにするよう導いた。

 こうして、第13回世界青年学生祭典は、1989年7月1日から8日にかけて平壌で盛大に催された。祭典には、180カ国の1245の青年・学生組織と64の国際機構および地域機構の代表1万6000余人、90カ国、470余人の名誉ゲスト、数多くの国の観光団のメンバー、海外同胞が参加した。祭典には、南朝鮮の「全国大学生代表者協議会」の代表も参加し、祭典をいっそう意義あるものにした。

 総書記は、主席とともに開幕・閉幕セレモニーに臨席し、5大陸の青年学生を励ました。

 平壌祭典は、世界の青年学生と革命的人民の反帝闘争を新たな高揚へと導いた歴史的な祭典であり、朝鮮革命の国際連帯をさらに強める重要な契機となった。

 金正日総書記の指導のもとに世界の自主化を実現するためのたたかいが強力に展開されることにより、反帝・自主勢力は一段と強化され、世界革命は自主の軌道に沿って力強く前進するようになった。





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