金正日総書記革命活動史

第5章 全社会の金日成主義化をさらに促進するために

第5節 人民軍の強化、党の軍指導体系の全面的確立

 1980年代に入り、金正日総書記は人民軍を強化発展させることに重点を置き、国防力全般をさらに強化していった。

 金正日総書記は、全軍に党の指導体系を確立することに心血を注いだ。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「我々は、人民軍内に党の指導体系を確立する活動をさらに深化させなければなりません。人民軍内に党の指導体系を確立することは、金日成同志が切り開いたチュチェの革命偉業が、わが党によって継承されている現段階において軍建設の核心だと言えます」

 総書記は、1983年3月9日の金日成軍事総合大学の政治部長との談話『有能な軍事指揮幹部を育てるために』、1982年6月12日の朝鮮労働党中央委員会軍事委員会に参加した朝鮮人民軍の指揮メンバーへの談話『人民軍を金日成同志の軍隊、党の軍隊として、さらに強化発展させよう』、1988年2月11日の『新たに任命された朝鮮人民軍総参謀長との談話』など多くの著作で、全軍に党の指導体系を確立するための課題を提示し、それを貫徹するためのたたかいを推進した。

 総書記は、人民軍で党の指導体系を確立するための思想教育活動を強化するようにした。

 1981年2月中旬、人民軍内での党への忠実性教育をほかの部門とは異なり、ストレートに、強力におこなうようにし、人民軍内の党組織と政治機関が、軍人大衆の間で、党の指導についての原理教育と党の偉大さについての教育をさまざまな形式と方法で深化させるようにした。

 1982年1月2日、朝鮮人民軍総政治局の副局長との談話『党の唯一的指導体系を確立するための活動をさらに深化させるべきである』で、全軍が党の指導にあくまで忠実に従うようにするための思想教育活動をさらに深化させるべきであるとして、人民軍内で記念講演会、徳性発表会などを教育的意義をもたせておこなうとともに、出版物や文学・芸術作品を通じて党の偉大さと業績について広く宣伝することにより、軍人が心から党に従い、慕うようにした。また、軍人の間で忠実性の生きた手本による教育を発展する現実の要求に即しておこない、すべての人民軍将兵を「80年代の金赫」に育て上げるようにした。

 総書記は、全軍に党の指導体系を確立するための新たな活動体系と秩序を打ち立てた。

 1982年6月12日、金日成主席は、白頭山麓の三池淵で歴史的な党中央軍事委員会を招集し、全軍に金正日総書記の指導体系をいっそう強く確立するための措置を講じた。この会議で主席は、現在、金正日同志が人民軍を党の立場から指導しているが、軍事的にも直接指導するようにしなければならない、金正日同志が最高司令官の地位において人民軍を指導するのは代を継いで続けられる革命武力建設の合法則的過程であり、時代の発展の要求であるとして、軍建設と軍事活動において提起されるすべての問題を金正日同志に集中させ、その結論に従って処理する強い規律を確立しなければならないと述べた。

 その後、総書記は、人民軍の政治・軍事活動にたいする党の指導を実現するために、総政治局と総参謀部の活動体系、掌握・報告体系を新たに確立した。

 1985年3月、発展する現実の要求に即して、軍隊内の党政治活動で提起されるすべての問題を朝鮮人民軍総政治局が直接報告し、結論に従って処理する活動体系と秩序を確立した。また、総参謀部を通じた掌握・報告体系を新たに確立するための対策を立て、総参謀部が下部単位の各級参謀部をしっかりかため、それを通じて全軍を掌握、指揮するようにした。

 総書記は、全軍に党組織観念にもとづく革命的軍紀を確立し、軍・政連携を強めるようにした。そのために、人民軍の指揮メンバーが、党組織観念にもとづく軍紀について正しい認識をもつようにするとともに、人民軍内の党組織と政治機関の機能と役割を強め、その活動権威を保障するようにした。そして、指揮官と軍人の組織観念を高め、組織・思想生活を強化するとともに、党の方針と決定、指示を無条件に受け入れ、あくまで貫徹する革命的気風を確立するようにした。また、人民軍で軍・政連携を実現して、軍事幹部と政治幹部が党の指導に忠実に従うようにすることにも深い関心を払い、軍・政連携において政治幹部が模範となり、さまざまな形式と方法で教育活動を強化するようにし、特に、1987年2月10日、朝鮮人民軍の指揮メンバーにおこなった演説『人民軍で軍・政連携を強めるために』で、軍・政連携において軍事幹部と政治幹部が堅持すべき原則的問題を明らかにした。

 こうして、全軍に党組織観念にもとづく軍紀が確立し、軍・政連携が実現することにより、軍建設と軍事活動にたいする総書記の構想と意図がより徹底的に実現されるようになった。

 金正日総書記は、人民軍の軍事技術的威力を強化し、戦闘準備を完成するために力を尽くした。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「革命偉業にたいする階級敵の挑戦が強まれば強まるほど、我々は革命的武力をさらに強化し、戦争準備をさらに整えなければなりません」

 総書記は、発展する現実の要求に即して、指揮メンバーの軍事技術的水準と指揮能力を高めることに大きな力を入れるようにした。指揮メンバーの実務水準を高めるため軍事講習に大きな意義を付与し、1981年の軍事講習が高い水準でおこなわれるよう対策を立て、1982年9月には、指揮官、参謀部のメンバーの講習を軍種、兵種別におこなうよう措置を講じた。その後、指揮メンバーが講習を通じて軍事的水準と指揮能力を系統的に高めることができるよう、数度にわたって具体的な対策を立てた。また、指揮メンバーの軍事理論と科学技術水準を高めるため、軍事科学討論会や戦術研究討論会など、さまざまな研究討論会を広く催し、軍事図書の出版・普及活動を着実におこなうようにした。

 総書記は、指揮官を育成する軍事学校の教育活動を改善することに深い関心を払った。

 各級軍事学校が、近代軍事科学技術の発展趨勢に即して教育内容と方法を絶えず改善して教育の質を一段と高めるようにし、軍事学校にたいする判定検査を定期的におこなうようにした。そして、1982年と1987年には、各級軍事学校の教員大会を開き、軍事教育活動における優れた成果と経験を一般化させる措置も講じた。

 総書記は、戦闘訓練をさらに強化するようにした。そのために、1980年代に入って人民軍に「訓練も戦闘だ!」というスローガンを提示し、全軍に革命的訓練気風を確立するようにした。

 総書記は、戦闘訓練を朝鮮式の戦法と訓練方法にもとづいて主体的におこなうことに優先的な力を注いだ。

 1981年の春、ある連合部隊の戦術演習方案を検討した際、既成の理論と観念にとらわれ、発展する現実を正しく反映していない欠陥を是正し、既成の軍事理論と戦法にたいして創造的な態度をもたなければならないと指摘した。そして、1981年8月には、朝鮮の現実と現代戦の特性にかなった新しい戦法を研究、完成するのを助けるため、戦闘経験の資料を出版、普及させる措置を講じた。

 また、1984年1月には、種々の戦闘規定と教範をチュチェの戦法と現代戦の要求に即して改め、訓練方法を絶えず研究、完成し、それにもとづいて戦闘訓練を主体的におこなううえで提起される具体的な問題を科学的に解明した。

 総書記は、戦闘訓練を実践の雰囲気のなかで着実におこなうことにも深い関心を払った。

 1982年4月、ある戦術訓練場を訪ねた総書記は、軍人は銃砲の音を聞きながら胆力を養うべきだとして、実戦訓練を重ねるようにと指示した。

 総書記は、人民軍の武力装備の近代化を高い水準で実現することに大きな力を入れた。

 総書記は、人民軍の武力装備の近代化を、国の自然地理的条件と工業の発展水準、現代戦の特性に即して機動力と打撃力を高めることに主眼を置いて実現するよう対策を立て、これを賢明に指導した。また、武力装備の近代化を自立的軍需工業に依拠して実現していくようにした。

 こうして、1980年代に人民軍の軍事装備の近代化水準は全般的に一段と高まり、人民軍は、いかなる現代戦にも対処できる必勝不敗の強兵として強化発展した。

 総書記は、人民軍の基本戦闘単位である中隊を強化することに力を注いだ。

 1982年12月、中隊長、中隊政治指導員を助けるための中隊指導グループ活動を繰り広げることを提案し、1983年1月には中隊指導グループを選抜して各中隊に派遣するようにし、その優れた経験を一般化させるため全軍的な経験交換会も催した。特に、1984年1月、朝鮮人民軍中隊指導グループ会議を開くようにし、同月14日には会議の参加者に書簡『中隊指導グループ活動を力強く繰り広げて人民軍の中隊をさらに強化しよう』を送り、中隊指導グループが中隊を政治的、軍事的に強化するうえで大きな役割を果たすようにした。
また、中隊長、中隊政治指導員の役割を強めるため、1985年9月、朝鮮人民軍指揮官および政治幹部大会を招集し、大会に臨席して、中隊長、中隊政治指導員が、人民軍の基本戦闘単位である中隊を強化するうえでその責任と役割を十分に果たすよう強調した。

 総書記は、人民軍内に鉄の軍律を確立することを戦闘力強化のキーポイントとみなし、軍律強化のための旋風を巻き起こすようにした。

 1981年6月、人民軍内で軍律を強化するための課題を提示し、そのための思想教育活動をおこなうようにし、全軍に抗日遊撃隊式部隊指揮・管理方法を具現するための運動を強力に推し進めた。そして、軍律強化のための全軍的な社会主義的競争をおこなうようにし、1984年1月には、軍人の軍務生活を組織、指揮するうえで指針となる10大中隊管理準則まで作成して下達した。この過程で人民軍軍人の軍律にたいする自覚が高まり、部隊の指揮・管理方法が改善され、軍律の強化では革命的転換がもたらされた。

 1980年代に人民軍にたいする金正日総書記の指導体系が全面的に確立され、人民軍の軍事技術的威力が強化されることにより、人民軍は不敗の党軍としていっそう強化発展した。





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