金正日総書記革命活動史

第4章 全社会の金日成主義化を実現するために

第1節 金日成主席の後継者として推戴、
全社会の金日成主義化綱領を宣布

 領袖の偉業を継承することは、労働者階級の革命偉業の遂行において提起される重大な問題である。領袖の後継者問題を正しく解決できなければ革命と建設を台なしにしてしまうということは、1世紀を超える国際共産主義運動の歴史が示している深刻な教訓である。

 朝鮮人民は、革命偉業継承の問題を解決することが切実な要求となっていた歴史的な時期に、金正日総書記を金日成主席の後継者として推戴した。

 学生時代から主席を補佐し、党中央委員会の指導員、課長を経て副部長、部長、書記の重責を担って活動する過程でそなえた優れた品格と資質、党と革命の前に築き上げたその業績により、全党と全人民が総書記に尊敬と欽慕の念を抱いていた。総書記の業績の偉大さを実生活を通じて体得した全党員と人民は、総書記を人民の指導者として限りなく欽慕し仰ぎ慕った。

 総書記を主席の唯一の後継者としていただくことは、1960年代から総書記の指導を受ける過程で全党員と人民の切々たる願いとなり、1970年代の初めには押しとどめることのできない時代の流れとなった。

 朝鮮人民は、総書記を「親愛なる指導者」とたたえて絶対的に信頼し、高く仰ぐとともに、限りない尊敬と欽慕の念をこめた頌歌をつくって歌った。また、党中央委員会と文学・芸術部門をはじめ、多くの部門の活動家が総書記の教えに従って活動を展開する気風を確立した。

 こうしたなか、全国の党組織と政権機関、行政・経済機関、勤労者団体、人民軍、人民保安機関、科学・教育・文化・出版・報道機関、工場、企業、協同農場から、総書記を主席の後継者として推戴することを願う数多くの請願書、手紙が党中央委員会に寄せられた。特に、朝鮮革命の第1世代である抗日革命闘士たちの願いは、いっそう切々たるものであった。

 1974年2月13日、朝鮮労働党中央委員会第5期第8回総会では、全党と全人民の一致した意思と念願を反映して、総書記を党中央委員会政治委員会委員に選出するとともに、主席の唯一の後継者として推戴した。

 全国の人民は、総書記を主席の唯一の後継者として推戴したことを民族の一大慶事として盛大に祝った。全国各地の党および勤労者団体組織は祝賀会を催し、総書記に全的に運命を託し、総書記の指導のもとにチュチェの革命偉業、先軍革命偉業をあくまで継承し、達成していく決意をこめた誓書を採択した。抗日の老闘士たちも、主席に忠誠を尽くしたように変わることなく総書記に忠誠を尽くす決意をかためた。

 金正日総書記は、金日成主席の後継者として推戴された後、主席の革命思想を科学的に定式化し、それにもとづき全社会の金日成主義化綱領を宣布した。

 総書記は、主席の革命思想を科学的に定式化することをみずからの崇高な使命とみなし、それを実現するため早くから思索と探究を重ねてきた。党中央委員会で活動を始めた当初、従来の労働者階級の革命思想史を主体的立場に立って全面的に分析、総括したうえで、執務室ではもちろん、現地指導の道でも主席の革命思想を定式化するため思索と著述を続けた。

 1971年9月に両江道を現地指導した時も、昼は中央や道の幹部と仕事について協議し、夜は思索と著述に心血を注いだ。9月4日には、茂浦の釣り場で主席の革命思想を定式化するため思索と探究にふけり、活動家たちに『金日成同志の革命思想はその尊名と結びつけてのみ呼ぶことのできる独創的な思想である』と題する談話をおこなった。この談話で、いまでは確信をもって金日成同志の偉大な革命思想をその尊名と結び付けて科学的に定式化し、世に宣布することができるようになった、わたしは近い将来、金日成同志の革命思想、チュチェ思想を金日成主義と定式化して世に宣布し、金日成主義の旗を時代の先頭に立って高く掲げていくつもりだと述べた。

 1973年の夏にも、総書記は主席の革命思想をその尊名と結び付けて定式化するというみずからの鉄の意志をいま一度表明した。

 総書記は、1974年2月19日に発表した著作『全社会を金日成主義化するための党の思想活動の当面のいくつかの課題について』で、主席の革命思想を金日成主義と定式化して宣布した。

 金正日総書記は、次のように述べている。

 「金日成主義は、一言で言ってチュチェの思想、理論および方法の体系です。言いかえれば、チュチェ思想とそれによって明らかにされた革命と建設に関する理論と方法の全一的な体系です。

 人類の思想史で初めて発見された偉大なチュチェ思想を真髄とし、それにもとづいて革命理論と指導方法が全一的に体系化されているところに、金日成主義が従来の労働者階級の革命理論と区別される特徴があります。金日成主義こそは、我々の時代、チュチェ時代の革命の真の指導思想、指導理論、指導方法です」

 金正日総書記は、主席の革命思想を金日成主義と定式化したうえで、全社会の金日成主義化はわが党の最高綱領であると指摘した。

 全社会の金日成主義化を党の最高綱領として宣布した後、総書記はその本質的内容について次のように述べている。

 「全社会を金日成主義化するということは、金日成同志の偉大な革命思想、金日成主義を唯一の指導指針として朝鮮革命を前進させ、金日成主義にもとづいて共産主義社会を建設し完成していくことを意味します。言いかえれば、全社会を金日成主義化するということは、社会の全構成員を金日成同志に限りなく忠実な真の金日成主義者にし、金日成主義の要求どおりに社会を徹底的に改造して共産主義の思想的要塞と物質的要塞を占領することです」

 総書記は、全社会の金日成主義化が党の最高綱領となる根拠は、まず、このスローガンに党の最高目的がはっきりと示されているからであり、また、このスローガンに党の最高目的を実現するための基本的方途が明示されているからであると述べた。

 総書記は、全社会の金日成主義化で提起される問題とそれを解決するための原則的方途を示した。

 全社会を金日成主義化するためには、党員と勤労者にたいする唯一思想教育と革命教育を強化して社会の全構成員を熱烈な金日成主義者にし、経済、文化など社会のすべての分野を金日成主義の要求どおりに改造するとともに、党を強化し、党の活動において根本的な転換をもたらさなければならない。

 全社会の金日成主義化綱領によって、党の最高綱領が盛り込むべき根本的内容とその必須の構成部分、党綱領作成の理論的・方法論的基礎が革新された。





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