私は、タス通信が我々のロシアのシベリアおよび極東地域訪問が成功裏に行われたことと関連した書面インタビューを提起したことに謝意をあらわします。

　あなたたちがさまざまな問題を質問しましたが、便宜上いくつかにまとめて答えようと思います。

　まず、ロシア訪問の印象と朝露関係発展の展望について述べます。

　私は、去る８月、友好的な隣国のロシアを訪問し、ドミトリー・Ａ・メドベージェフ大統領と対面したのを大変うれしく思います。

　メドベージェフ大統領が首都モスクワから数千キロも離れたウランウデにまで訪れて我々を親切に出迎え、中央と地方の指導幹部とロシア人民が訪問した先々で熱烈に歓待してくれたことを忘れられません。そして、新世紀の初頭にウラジーミル・プーチン前大統領と何度も会い、友誼を厚くした日々を楽しく追憶しました。

　朝露友好の高貴な伝統を築き、その強化、発展に不滅の貢献をした偉大な金日成主席の尊い足跡が歴々と宿るゆかりの深い極東とシベリア地域をおよそ10年ぶりに再び訪問しましたがとても感慨深いものでした。

　新世紀に入って３度目となる今回のロシア訪問期間、我々は極東の大動力基地のブレヤ水力発電所とシベリアの名勝バイカル湖をはじめ、各都市と経済文化施設を見て回り、ロシア政府と人民が強力な国家建設でおさめている成果を感銘深く見たし、勇敢で勤勉なロシア人民の思想感情と風習についてもさらによく知ることになりました。

　朝露友好の歴史と伝統を引き続き深め、発展させるのは、我々両国人民の利益に全的に合致し、東北アジア地域の平和と安定を守るうえでも重大な意義をもちます。

　ウランウデで行われた朝露最高位級の対面と会談は、伝統的な朝露友好・協力関係を両国人民の志向と念願に即してさらに拡大、発展させるうえで重要な契機になりました。今回の朝露首脳の対面と会談では、ガスパイプラインの敷設と鉄道を連結させる問題をはじめ、朝露経済協力関係を各分野にわたって発展させていくことが両国人民の利益に合致し、地域の繁栄にも役立つものとの共通認識が遂げられました。これに従っていま、朝露間ではガスパイプラインの敷設をはじめ、エネルギー部門の協力を実現させるための実践的な措置が活発に推し進められています。

　私は、今回の最高位級の対面と会談で遂げられた合意と朝露共同宣言、朝露モスクワ宣言と朝露友好・善隣および協力に関する条約の精神にもとづいて両国の友好・協力関係が政治、経済、文化、軍事のすべての分野にわたってよりいっそう拡大し、強化されるものと確信します。我が共和国政府は、伝統的な朝露友好を大変重んじ、ロシア側との共同の努力で両国、両人民の友好・協力関係を絶えず強化し、発展させていくでしょう。

　次に、朝鮮半島の核問題と６者会談再開の問題について述べます。

　全朝鮮半島の非核化は、偉大な金日成主席の遺訓であり、我が共和国政府の終始一貫した立場です。

　朝鮮半島の核問題は、我が人民の自主権と安全を恒常的に脅かしている米国によって生じました。

　自主権は、国と民族の生命です。我々は、米国の露骨な核の威嚇と増大する敵視政策から自国の自主権を守るため核抑止力を保有することになりました。

　今回の朝露最高位級会談で見解の一致を見たように、前提条件なしに６者会談を一日も早く再開し、９．１９共同声明を同時行動の原則で全面的に、均衡的に履行することで全朝鮮半島の非核化を実現しようとする我々の原則的立場に変わりはありません。

　我々は、ロシア側とともに国際舞台で強権と専横に反対して公正な国際秩序を樹立し、アジアと世界の平和と安全を守るため引き続き努力するでしょう。

　我が国と米国、日本との間の関係正常化の展望について述べるなら、それは全的に米国と日本の立場と態度にかかっています。

　自主、平和、親善の理念に従って我々と友好的に接するすべての国との関係を良好に発展させるのは、我が共和国の一貫した対外政策です。

　米国は、新世紀に入っても対朝鮮敵視政策を実施し、各方面から我が国に対する圧力を強化して情勢を危険なラインに追い込んでいます。

　朝米敵対関係の歴史が現実に証明したように、米国のいかなる敵対行為や侵略瓦解策動も我々には絶対に通じないし、いつも失敗を免れません。

　もし、米国がこれからでも対朝鮮敵視政策を捨てて我々に善意で接するなら、我々は米国との関係を改善する用意があります。

　我が国と日本の関係では、何よりも日本がかつて我が国と我が民族に及ぼした犯罪行為をきれいに清算することです。

　日本が勇断をくだし、忌まわしい過去を清算して、我々に対する敵視政策をやめるなら、我が国と日本の関係も正常化されるでしょう。

　ロシアの親しい友人たちは、我が人民が強盛国家の建設で画期的な発展を遂げていることに関心をあらわしました。

　今回のロシア訪問期間、メドベージェフ大統領は、偉大な金日成主席の誕生100周年を迎えて強盛国家の建設で新たな転換を起こすため献身奮闘する我が人民に親切なあいさつを伝え、国と経済を発展させて人民生活を改善するために我々が講じた積極的な措置に対する支持をあらわし、富強祖国の建設でさらなる成果をおさめるものとの確信を表明しました。これは、我々の偉業に対する大きな鼓舞となります。

　こんにち、我が人民は、金日成主席の生涯の念願であった社会主義強盛国家建設偉業を実現するため力強いたたかいをおこなっており、特に、人民生活の向上に総力を傾けています。

　我々は、党と軍隊、人民の一心団結の威力、自立的民族経済のしっかりとした潜在力に依拠して必ず強盛国家建設偉業を輝かしく実現させるでしょう。

　我が人民を一日も早くうらやむものなく豊かに暮らせるようにするのが私の最も大きな願いであり、これを現実に花咲かせる道で我が人民と苦楽をともにし、精力的に活動するのが私の最も大きな安楽です。

　私は、この機会にロシア政府と人民に改めて友好のあいさつを送り、強力な国家の建設でさらなる成果があるよう願います。