金 正 日

わが党の農業革命方針をあくまで貫徹するために
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部への談話 
−2003年5月21日− 

 農村問題は革命と建設における基本問題の一つであり、農事は社会主義強盛大国建設の大本です。こんにち、わが国で農業問題は、革命と建設の全般的な成果を左右する鍵、社会主義強盛大国の建設において必ず解決すべき重要な問題となっています。

 我々は、革命発展の要請と変化した現実を踏まえて農業を発展させる方向と方法を正しく定め、それにもとづいて農業問題を立派に解決し、社会主義農村建設で一大革新を起こさなければなりません。

 わが国では、偉大な領袖金日成同志の正しい指導のもとに、革命発展の各時期、各段階で農村問題を立派に解決してきました。

 金日成同志は、社会主義的農業協同化を成功裏に実現した後、歴史的な農村テーゼを発表して社会主義農村問題解決の道を、科学的に、全面的に示しました。社会主義農村問題に関するテーゼは、わが党の偉大な社会主義農村建設の綱領です。金日成同志は、最もすぐれた朝鮮式の社会主義農業経営制度と農業指導体系を確立し、農村テーゼを貫く闘争を精力的に指導しました。

 金日成同志の主体的な社会主義農村建設思想と正しい指導によって、わが国の農村は長期にわたる後進性から脱して社会主義の文化的農村に変わり、農業勤労者は農村に深く根をおろした社会主義的集団経営をみずからの生のよりどころとし、わが家とし、社会主義農村建設で高い政治的熱意と献身的な勤労精神を発揮しました。

 金日成同志が示した水利化、電化、機械化、化学化を基本内容とする農村技術革命が強力に推進され、チュチェ農法が立派に貫かれることにより、わが国の農業生産は急速な発展を遂げました。

 農業部門に新たな変革をもたらし、金日成同志の社会主義農村建設思想と指導業績を子孫万代に輝かすことは、わが党と人民、すべての農業勤労者の聖なる革命任務です。

 現段階において農村問題解決の基本的課題は、農業生産と技術において革命を起こすことです。ここ数年、我々は、帝国主義者と反動勢力の侵略と瓦解策動と数年来の天災により、類ない厳しい環境と状況のもとで社会主義農村建設を進めてきました。農業生産と技術において革命を起こしてこそ、いまの難局を打開し、強盛大国建設の要求に即して人民の食糧問題、食の問題を円滑に解決し、社会主義農業経営制度を強化、発展させ、我々の農村基盤を新たな物質的・技術的土台のうえでさらに打ちかためることができるのです。

 発展する朝鮮革命の要請からしても、わが国が置かれている環境と現実的状況からしても、また世界的趨勢からしても、我々は農業部門で足踏みをしてはならず、必ず農業革命を起こさなければなりません。農業革命は、チュチェ革命の新時代の要請であり、急激に変化発展する現実の差し迫った要求です。

 わが党は、農業革命を起こすことを決心し、農業の実態を具体的に把握したうえで農業部門で堅持していくべき革命的方針を示しました。わが党が示した農業革命方針は、変化した環境と状況、農業科学技術の発展趨勢に即して農業生産と技術に一大変革をもたらし、社会主義農村建設分野に残した金日成同志の業績を擁護、固守し、金日成同志の遠大な構想と終生の願いを立派に実現するための革命的な方針です。党の農業革命方針を確実に貫徹してこそ、食糧問題、食の問題を完全に解決し、朝鮮式社会主義の優越性を高く発揮させ、社会主義強盛大国の建設を力強く推進することができるのです。

 わが党の農業革命方針は、実践を通じてその正当性と生命力がはっきりと立証されています。党の農業革命方針を確実に貫徹していくところに、農業生産に画期的な変革をもたらす基本的保証があります。

 農業部門は、党の農業革命方針を唯一の指導指針とし、終始一貫貫徹していくべきです。

 わが党の農業革命方針において何よりも重要なのは、チュチェ農法の要求どおり適地適作、適期適作の原則で作物と品種を配置し、その肥培管理を科学技術的にすることです。

 適地適作、適期適作の原則で地域の特性に即して作物と品種を配置し、肥培管理を科学技術的にするのは、農業生産において基礎的な問題であり、チュチェ農法の基本的要求です。農業は工業とは違って、土地を基本生産手段として生物体を扱う生産部門であり、地域の特性と自然・気候条件を抜きにしては円滑に営むことはできません。農業生産で適地適作、適期適作の原則を守ることは、わが国の自然・気候条件のもとではなおさら重要な問題となります。わが国は、三面が海に囲まれ、山が多いため、気候の変化が甚だしく、地方ごと、渓谷ごとに気候条件が異なり、土壌の条件も違います。こうした実情を考慮に入れず、一律に作物と品種を配置したり、営農方法と営農技術を適用するならば、農業を発展させることはできません。

 我々は、適地適作の原則で国の農業生産構造から思い切って改善しなければなりません。わが国は農業生産では稲作とトウモロコシ栽培を基本としてきましたが、稲やトウモロコシがよく出来ない地域でまでそれを一律に栽培する必要はありません。稲やトウモロコシがよく出来る地域ではそれを基本とすべきですが、よくできない北部の山間部ではジャガイモ栽培を主とするか、その地域でよく出来る作物を多く栽培すべきです。各地方、各農場で地域の特性と土壌条件にもとづいて、どのような作物と品種を栽培すれば収穫が上がり、より効果的であるかを具体的に検討し、最も適した農作物と品種を配置すべきです。農業部門では、適地適作の原則で、各地方、各農場の実情と要求に応じて作物を栽培するよう下部にたいする指導を着実におこない、国の農業生産構造を改善していかなければなりません。

 農業生産は時期が重要ですから、適期適作の原則を守るべきです。農業部門では毎年、営農準備を適時にしっかりおこない、種まきから取り入れに至るまで、すべての営農作業を時機を逸することなく適期におこない、作物を栽培する各工程で科学技術上の要求をきちんと守るようにしなければなりません。

 営農方法と営農技術を発展させ適用するうえでも、自然・気候条件を考慮に入れなければなりません。いかにすぐれた営農方法と営農技術であっても、地域の特性を考慮せず、むやみに取り入れては農業を立派に営むことができません。ある農場でよい経験を得たからといって、それを他のところでも無条件に受け入れるよう押し付けてはなりません。地元の特性に合った能率的かつ効果的な農法がいちばん良い農法なのです。地域の特性に即して耕種方式を確立し、それにもとづいて営農方法と営農技術を発展させ、適用すべきです。農業部門でモデルをつくり、模範講習を開くのも、地域別に実情に即しておこなうべきです。

 ジャガイモ栽培で革命を起こし、二毛作を大々的に発展させるのは、わが党が打ち出した重要な方針です。ジャガイモ栽培で革命を起こし、二毛作を発展させれば、農業生産を画期的に増やし、食糧問題、食の問題を短期間で円滑に解決することができます。

 ジャガイモは、生産性の高い多収穫作物であり、耐寒性作物です。山間部では、ジャガイモの方がトウモロコシに比べて収量が高く、あらゆる面で有益です。平野部でも二毛作の前作としてジャガイモを栽培することができます。ジャガイモは健康食品であり、米とともに主食として利用できます。山が多く冷害のひどいわが国は、ジャガイモを大量に栽培して食糧問題を解決する道を選ぶべきです。北部高山地帯をはじめ、ジャガイモの適地でその作付面積を大幅に増やし、平野部でも前作としてジャガイモを大量に栽培すべきです。

 ジャガイモ栽培で革命を起こすためには、ジャガイモの作付面積を増やすとともに、種子を改良し、営農技術と営農方法を革新しなければなりません。ジャガイモの栽培で基本となるのは、種子と堆肥です。ジャガイモの種子を改良して無ウイルス種子の問題を解決し、畑に水肥をたくさん施さなければなりません。また、ジャガイモを粒ごと植える方法をはじめ、先進的な農法を大いに取り入れ、肥培管理を科学技術的におこない、ジャガイモの疫病と病虫害の防止にも深い関心を払うべきです。

 ジャガイモ栽培では、両江道が先頭を切るべきであり、そこでも大紅丹郡が全国の模範とならなければなりません。わが党は、金日成同志の不滅の革命史跡と指導業績が残されている大紅丹郡をジャガイモ栽培のモデルに、住みよい社会主義の楽園にすることを決心し、ジャガイモ栽培で大紅丹那が全国の先頭に立って進むように導き、すべての条件を保障しました。昨年、大紅丹那では、党の意図を体して懸命に努力し、新しい大紅丹式ジャガイモ農法を開発、導入して大きな成果をおさめました。大紅丹式ジャガイモ農法は、近代的な科学農法です。大紅丹那は、最新科学技術にもとづいて育種した多収穫品種を植え、営農技術と営農方法を近代化、科学化すれば、ジャガイモの収量を飛躍的に高めることができるということを実証しました。大紅丹式科学農法を普及させて、ジャガイモ栽培に一大転換をもたらすようにすべきです。

 耕地が限られているわが国において作物増産の大きな潜在力は、二毛作を大々的に発展させることにあります。二毛作をおこなえば耕地の利用率を2倍に高め、同じ面積で穀類をはじめ、各種農作物をはるかに多く生産することができます。ここ数年、各地方で二毛作をおこなって得た経験は、種子革命をおこない、営農作業を機械化すれば、どこでも二毛作が可能であることを示しています。二毛作は、わが国の実情に適した集約農法です。我々は、党の二毛作方針を確実に貫徹し、二毛作をわが国の農業の主体的な営農体系に、朝鮮式の農法に発展させていかなければなりません。

 二毛作は、地域の特性に応じて穀物と穀物、穀物とジャガイモを基本としながら、穀物と野菜、穀物と工芸作物など、さまざまな方法でおこなうべきです。また、二毛作は水田でもおこない、畑でもおこなうべきです。

 二毛作を着実におこなって実利が得られるようにすべきです。二毛作は単作に比べて労働力と営農資材を多く要するので、収量もそれだけ上げなければなりません。二毛作をなおざりにして前作の収量を落としたり、後作の収穫に支障をきたしたりしてはなりません。各農場はその実情に即して二毛作に力を入れ、前作でも後作でも相応の収穫をおさめられるようにすべきです。

 二毛作の成果は、労働力の問題をどのように解決し、農作業の時期選択をいかにするかに大きくかかっています。したがって、二毛作では労働の手配を正しくおこない、農作業の機械化を積極的に実現して不足する労働力の問題を解決し、すべての農作業を適期に一挙におこなわなければなりません。

 種子革命は、わが党の農業革命方針で鍵となるものです。

 現在、世界的に農業生産で種子革命を推進するのが趨勢となっています。種子革命を進めてこそ、農業生産で飛躍を遂げることができるのです。種子革命を進めなければ、営農で適地適作、適期適作の原則を守ることができず、ジャガイモ栽培革命を起こすことも、二毛作を発展させることもできません。

 我々は、最新の科学技術を大いに取り入れて種子革命で新たな転換をもたらさなければなりません。農業部門は、育種において主体性を確立し、わが国の気候風土に合ったさまざまな優良品種の育種に大きな力を注ぐべきです。種子革命をして、少量の肥料で高い収穫を上げる品種、生育期日が短く、耐寒性の収量が高い品種、日照りと風雨、冷害と病虫害などの天災に耐える品種をつくり出すべきです。細胞工学、遺伝子工学など先端科学技術が急速に発展している現状のもとで、このような科学技術を利用すれば、わが国の気候風土に適したさまざまな多収穫品種をつくり出すことができます。

 自力で優良品種をつくり出す一方、外国から多収穫品種を取り寄せる努力もすべきです。外国から取り寄せた品種は、一定の期間、試験栽培をしてわが国の気候風土に順化させ、わが国のものにしなければなりません。

 採種は、種子革命の重要な構成部分です。いくらすぐれた品種を育種しても、採種が追いつかなくては生産で効を奏することはできません。現在、採種が正しくおこなわれていないため、各農場では退化した種子や確実性のないさまざまな品種を栽培しているありさまです。採種事業を是非とも改善する必要があります。農業部門は、整然とした採種体系を確立し、各地方、各農場で求める優良品種の種子を円滑に生産し、新たに育種した品種をそのつど採種して農業生産に広く取り入れるべきです。

 農産ばかりでなく、畜産、果樹栽培、養蚕など農業のすべての部門で種子革命を積極的に進めるべきです。

 農業部門では、化学肥料を少なく使い各種の微生物肥料と有機質肥料をたくさん生産して利用すべきです。

 わが国の農村では、これまで主として化学肥料を使って農作を営んできました。そのため、農業部門の多くの幹部と農民は、化学肥料が多くなくては営農実績を上げることができないかのように考えていますが、それは間違った考えです。化学肥料を多量に施せば、耕地が酸性化し、生態環境の破壊をまねきます。いま、世界の多くの国では、化学肥料を少なく使うか、使わず、微生物肥料と有機質肥料を利用して農作を営む方向に進んでいます。我々は、化学肥料を少なく使い、微生物肥料や有機質肥料を使って農作を営むよう方向転換をする必要があります。だからといって、いま、すぐ化学肥料を使わずに農作を営めというのではありません。微生物肥料と有機質肥料を利用して農作を営める条件が十分に整うまで、化学肥料を生産して農村に供給しなければなりません。我々は、各種の微生物肥料と有機質肥料の生産を速やかに増やし、その効率を全面的に高めて農作に広く利用する一方、化学肥料の施肥量を次第に減らしていくべきです。

 化学肥料にかわる最良の有機質肥料は堆肥です。田畑に堆肥をたくさん施してこそ、耕地を肥やし、地力を高め、安定した高い収穫をおさめることができます。堆肥の山は、とりもなおさず米の山です。農業部門は、肥やしの源泉を最大限探し出し、良質の堆肥を田畑にヘクタール当たり20〜30トン以上施すべきです。堆肥を大量に生産するには、農産と畜産を取り合わせて発展させなければなりません。農作を立派に営んで穀物生産を増大させれば、家畜の飼料問題が解決されて畜産業を発展させることができ、畜産を盛んにすれば堆肥をたくさん生産して営農実績を上げることができます。山間部や平野部を問わず、すべての農場が農産と畜産を取り合わせて発展させるべきです。そうして、どこでも食糧と肉類の生産を増やしながら、良質の堆肥を十分に生産するようにしなければなりません。

 耕地整理は、わが党が示した農業革命の重要な方針の一つです。

 わが党が示した耕地整理事業は、社会主義農村建設の基盤を築く大自然改造事業であると言えます。土地を万年大計のものとして整然と整理すれば、新しい土地を多く得られるばかりでなく、農業の総合的機械化を実現し、営農設備と資材を最も効果的に利用し、農村の全般的な生産文化と生活文化に新たな転換をもたらすことができます。我々が進めている耕地整理は、祖先伝来の小規模な田畑を近代的な規格田、機械化田野に変え、農村における封建的土地所有の残滓を一掃し、金日成同志が取り戻してくれたこの地を社会主義朝鮮の土地らしく一新する崇高な愛国事業です。農村で土地まで社会主義国家の土地らしく整理してこそ、社会主義的改造が完全に実現したと言えます。我々は、江原道と平安北道、黄海南道の耕地整理を成功裏に終え、いまは、平安南道と平壌市、南浦市の耕地整理をおこなっており、続いて黄海北道と咸鏡南道、開城市の耕地整理を次々と強力に推進しなければなりません。その他の道は、自力で耕地整理をおこなうべきです。我々は何としても、全国のすべての土地を大規模な機械化田野に、豊饒な社会主義農村の田野に変えて次世代に譲り渡すべきです。

 耕地整理とともに、農業の水利化を一段と高い水準で完成しなければなりません。

 水利化は、干ばつと大水を克服し、安定した収穫をあげるための基本的保証です。農業の水利化を高い水準で完成し、どこでも水の心配をせずに農作を営めるようにすべきです。現在の潅漑水利施設と設備を技術的に改造し近代的な潅漑施設をさらに建設し、治山治水事業を大衆運動として引き続き強力に推進すべきです。

 党の指導のもと、軍人と人民の英雄的勤労闘争によって价川──台城湖水路工事が完成したことは、西部地区の潅漑用水問題の解決に根本的な転換をもたらした偉大な変革です。わが国の潅漑工事史にかつてなかった最大規模の自然放流式水路が立派に完成して、平安南道と平壌市、南浦市の10万ヘクタールの耕地に水を十分供給することができるようになりました。我々は价川──台城湖水路工事の成果を踏まえて、平安北道と黄海北道をはじめ、各地域の自然放流式水路工事を大がかりに設計して強力に推進し、全国の潅漑システムを新世紀の要請に即して完成していかなければなりません。

 わが党の農業革命方針で基本となるのは、農業科学技術で革命を起こすことです。

 農業革命は、とりもなおさず農業科学技術革命だと言えます。農業科学技術革命を推し進めてこそ、最新の科学技術にもとづいて農業を工業化、近代化、科学化し、農業生産力を高度に発展させ、農業生産に変革をもたらすことができます。

 農業科学技術革命で重要なのは、農業の総合的機械化を実現することです。農村の不足する労働力の問題を解決し、農民を骨の折れる労働から完全に解放するためにも、最新の科学技術を取り入れて農業を工業化、近代化するためにも、農業の総合的機械化を実現しなければなりません。耕地整理によって田畑がすべて大規模な機械化田野に変わっているので、総合的機械化を強力に推進しなければなりません。トラクター工場と農業機械の生産基地を技術的に改造し、高馬力の近代的トラクターを生産するとともに、種まき、田植え、草取り、取り入れなどすべての農作業を機械化できるよう、能率の高い各種の農業機械を生産して供給すべきです。畜産をはじめ、農業の他の部門も積極的に機械化、近代化すべきです。

 農業科学研究部門では、わが党の科学技術重視路線にのっとり、党の農業革命方針を貫徹するうえで提起される科学技術上の諸問題を円滑に解決しなければなりません。農業科学の研究では、種子革命、営農技術と営農方法といった切実かつ重要な問題の解決に力を集中すべきです。農業部門の科学者、技術者は、科学技術によって、わが党を擁護し、党の農業革命方針を貫徹することに寄与しようという高い忠誠心と愛国心を胸に抱き、科学技術の探究に鋭意専心し、農業科学研究に一大革新をもたらすべきです。同時に、外国との農業科学技術交流をさまざまな形式と方法で大胆かつ積極的におこなうべきです。

 農村の技術革命を促進し、農作業を科学技術的におこなうためには、農業勤労者の科学技術水準を高めなければなりません。現代の農業は科学農業であり、すべての農作業が技術作業です。いまは、立ち後れた在来式の農法や古い経験によって農業を営む時代ではありません。農業勤労者のあいだで農業科学技術の学習を強化し、彼らが最新の農業科学技術を身につけ、近代的な農業機械を巧みに扱い、すべての農作業を科学技術的におこなうようにしなければなりません。

 農業革命を進めるためには、農村にたいする支援を強め、国家的保障活動に力を入れなければなりません。

 農村への支援は、農村テーゼが示した社会主義農村問題解決の基本原則の一つであり、ここでも重要なのは、人民経済の基幹部門である工業が農業を物質的、技術的に強力に支援することです。工業の援助を抜きにしては、農業生産力の発展について考えることはできません。農村にたいする国家的保障とは、農業にたいする工業の物質的・技術的援助を実現することです。国家的保障を円滑にしなければ、農業を立派に営むことができず、農業を工業化、近代化することもできません。農村の現実は、農村への国家的保障を抜本的に改善、強化することを求めています。農村への国家的保障にしっかり取り組み、国の経済状態が困難であっても揚水動力用の電力と化学肥料、農業用設備と資材をはじめ、国が農業に提供すべきものは間違いなく提供すべきです。農業に奉仕する工業部門を早急に活性化し、さらに発展させて、農業を工業化、近代化するための物質的・技術的保障を確固と優先させなければなりません。

 わが党の農業革命方針を確実に貫くためには、農業にたいする指導と管理を改善、強化しなければなりません。

 社会主義的農業は、もっぱら集団主義にもとづく社会主義的経済管理原則と経済管理方法によってのみ発展させることができます。農業にたいする社会主義的・集団主義的管理が弱まり、社会主義経済管理体系と秩序が乱れれば、非社会主義的傾向、資本主義的要素がはびこり、そうなれば農業を発展させることができないだけでなく、農村で社会主義を守り抜くこともできなくなります。

 農業にたいする指導管理において社会主義的原則を守り、社会主義的集団経営の優越性を強く発揮させるためには、変化した環境と現実発展の要請に即して農業協同経営にたいする社会主義的管理・運営体系と方法をさらに改善し、完成しなければなりません。農業科学技術の急速な発展に伴い、農作業を科学技術的におこなうための技術指導、技術管理体系を確立し、各農場が生産と管理のすべての活動に綿密に取り組んで最も合理的におこなうようにすべきです。各協同農場では、原価計算をはじめ、計算を綿密にし、見積もりを正しく立て、生産と管理における経済的効率を高め、実利を得なければなりません。特に、作業と労働力の手配を綿密にし、労働にたいする政治的評価と物質的評価を正しくおこない、農場員のあいだに自覚的かつ献身的な労働生活の気風を確立すべきです。

 農業で革命を起こすためには、農業指導機関と農業部門の幹部の活動に革命的転換をもたらさなければなりません。幹部が紋切り型の古い仕事の仕方を引き続き踏襲し、農作業を無計画に押し付け、督促するような方法で活動するなら、農業革命の要求に即して農業を指導することはできません。農業指導機関と農業部門の幹部は、古い活動方法と活動態度を思い切って革新すべきです。農業指導において主観主義、官僚主義、形式主義を根絶し、農業生産を具体的に、着実に指導し、農業勤労者が主人となって農作業を熱心におこなうように極力援助、後押しすべきです。郡協同農場経営委員会をはじめ、農業指導機関と農業部門の幹部は、技術的指導を基本とし、すべての農作業を科学技術的におこなうよう掌握、指導し、農村における営農組織と労働力、設備、資材、財政管理の改善、強化に深い関心を払うべきです。

 農村活動にたいする党の指導を強化すべきです。

 各党組織は、党の農業革命方針を堅持し、その貫徹のための組織・政治活動を力強く展開すべきです。

 党の農業革命方針を貫くうえで、郡党委員会の役割を高めることがきわめて重要です。郡党委員会は、わが党の末端指導単位であり、郡党委員会の主な活動対象は農村です。郡党委員会は、郡の実情に即して党の農業革命方針を貫徹するための方向と方法を正しく立て、その実行状況を随時把握して総括すべきです。また、郡党委員会は、郡協同農場経営委員会をはじめ、行政・経済機関の幹部が党の方針を貫くための経済組織活動と指揮を正しくおこなうよう積極的に後押しし、党の方針を貫徹する過程で見られる偏向をそのつど是正すべきです。また、農村の党活動家と農場の管理幹部、作業班長、分組長が、各自の責任と役割を果たすよう正しく導かなければなりません。

 党組織は、党の農業革命方針の貫徹へと農業勤労者を奮起させるための政治活動を力強く展開すべきです。農業生産の主人は農業勤労者であり、党の農業革命方針が満足に貫徹されるか否かは、彼らがいかに奮起するかにかかっています。農業勤労者のあいだで、党の農業革命方針についての宣伝活動をさまざまな形式と方法で着実におこなうべきです。そうして、すべての農業勤労者が、党の農業革命方針の内容と正当性、生命力を深く認識し、それを実現するために高い忠誠心と愛国的献身性を発揮するようにしなければなりません。

 すべての幹部と農業勤労者は、確たる信念を抱き、奮闘して党の農業革命方針をあくまで貫徹することにより、農業生産と社会主義農村建設全般に偉大な転換をもたらさなければなりません。

出典:『金正日選集』15巻


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