金 正 日

今年を新世紀の進撃路を開く転換の年にしよう
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部への談話 
−2001年1月3日− 


 我々は20世紀を送り、新たな21世紀を迎えました。

 去る2000年は、わが国の歴史において、いまだかつてない激動的な出来事が起こり、大きな勝利がもたらされた年でした。全党、全軍、全人民は、党創立55周年をチョンリマ大高揚のなかで誇るべき勝利の年にしようという党の戦闘的呼びかけにこたえて、堅忍不抜の意志で立ち上がり、強盛大国の建設において新たな前進を遂げ、祖国統一の前途に画期的な局面を開きました。わが党と人民は、厳しい「苦難の行軍」を成功裏に締めくくり、20世紀最後の年を立派に飾りました。昨年のようにわが国の尊厳と栄誉が高くとどろいたことはありませんでした。

 新世紀を迎えて過ぎ去った世紀を振り返ると、金日成同志への切々たる思いがいっそう胸に迫ります。金日成同志を戴いたがゆえに、朝鮮人民は20世紀に民族の尊厳と栄誉を全世界に高くとどろかすことができたのです。20世紀に金日成同志のように偉大な功績を残した政治家はいません。金日成同志は20世紀を代表する最も傑出した偉人でした。金日成同志の思想と功績は、新世紀においても朝鮮人民と世界の進歩的人民の闘争を勝利へと力強く鼓舞激励することでしょう。我々の偉業はチュチェの革命偉業であり、我々が進む道は金日成同志が切り開いたチュチェの道です。チュチェの道は百戦百勝の道であり、金日成同志の尊名は永遠の勝利の旗印です。

 来年、我々は、金日成同志の生誕90周年を迎えます。我々は、祖国と人民のために一生あらゆる労苦を尽くして築いた金日成同志の不滅の功績を永遠に輝かせ、その生前の願望を必ず実現しなければなりません。

 金日成同志の最大の念願は、朝鮮人民に他にひけをとらない裕福な暮しをさせ、祖国を統一することでした。人民の幸福は、金日成同志の喜びであり楽しみでした。金日成同志は人民により裕福で文化的な生活をさせようと、生涯を終える最後の時期まで現地指導の道を歩み続け、心を砕きました。金日成同志が人民の生活にいかに心を砕いたかは、万年長寿を願う幹部たちに、人民が食衣住で何一つ不自由なく暮らせるようになれば100歳まで生きられると言ったことでもわかります。我々は、金日成同志があれほど望んだ崇高な念願を一日も早く実現しなければなりません。ここ数年間、「苦難の行軍」、強行軍の困難な状況のもとでも、耕地整理など大自然改造事業をおこない、人民の生活に奉仕する近代的な工場と記念碑的創造物も多く建設しましたが、金日成同志の願望を実現するにはまだ解決すべき問題が少なくありません。

 現在、人民の生活で最大の難問は食糧問題です。最も苦しかった時期に、ひたすら党のみを信頼して従う人民にひもじい思いをさせ、そのことがいちばん胸痛みます。新世紀に入っても人民の食糧問題を解決できなくてはいけません。我々は、何としても人民の食糧問題から早く解決すべきです。

 何よりも、営農に力を入れて穀物生産を画期的に増やし、食糧の配給を正常化しなければなりません。ここ数年間、営農実績がかんばしくないので、外国から食糧を輸入していますが、いつまでもそうするわけにはいかず、また、そういう方法では、人民に安定した生活を保障することができません。全党、全国、全人民が奮起して、新世紀初年度には営農に励んで豊作をおさめなければなりません。すべての協同農場が国の米倉に責任をもった主人として、営農準備から種まき、田植え、草取りなどに至るまで、すべての農作業をチュチェ農法の要求どおりにおこなって収穫高を上げ、国は農村に燃料油、肥料、電力などをそのつど円滑に供給すべきです。種子革命の方針とジャガイモ栽培革命の方針を引き続き堅持し、穀類を基本とする二毛作を大々的におこなうべきです。昨年、大紅丹郡総合農場はジャガイモの栽培でかなりの実績を上げましたが、引き続きジャガイモの収穫高を高めていかなければなりません。

 耕地整理を引き続き力強く推進して早く完了すべきです。耕地整理をすれば、作付け面積を増やし、農業の総合的機械化を実現して、農民を骨の折れる労働から解放し、穀物生産を増大させることができます。ここ数年の間に江原道と平安北道、黄海南道の耕地を整理して驚天動地の変革をなし遂げたように、近いうちに全国のすべての田畑を社会主義朝鮮の耕地らしく規格化すべきです。价川──台城湖水路の工事も早く完成させるべきです。

 人民に肉類と卵、魚類を供給するために奮闘し、実利が得られるようにしなければなりません。最近、党は、人民と軍人に鶏肉を供給するため近代的な養鶏工場を数カ所に建てる措置を講じましたが、新築の養鶏工場の管理、運営に力を入れる一方、既設の養鶏工場の改造、近代化も早く進めて終えるべきです。金日成同志は、人民の食生活を豊かにするため、みずから敷地まで定めて随所に養鶏工場を建設するようにしましたが、幹部たちが管理を怠ったため、正常に運営されている所はいくらもありません。平壌市に建設された養鶏工場にしても、一時は鶏肉や卵をかなり生産して供給していましたが、いまはそうでありません。それで昨年、平壌市にある養鶏工場の改造、近代化を大々的に進める措置を講じましたが、これは、金日成同志の業績を輝かせ、その念願を実現するためです。平壌市の養鶏工場を改造、近代化する際には、著名な科学者や芸術家、スポーツマン、入院患者などに供給する鶏肉と卵の生産能力も造成しなければなりません。

 鶏の飼料基地を設けることにも深い関心を払うべきです。これまで養鶏工場が効力を発揮できなかった原因の一つは、飼料を円滑に供給できなかったことにあるのですから、配合飼料工場の改造、近代化をはじめ、飼料問題の解決に力を入れなければなりません。

 養豚工場とアヒル飼養工場も残らず復旧すべきものは復旧し、改造、近代化すべきものは、改造、近代化して正常に稼働させ、草食家畜の飼育を大衆運動として展開し、人民が肉類をいつも食べられるようにすべきです。ヤギやウサギの飼育も中断せず大々的におこなわなければなりません。何ごとであれ、根気よく推し進めるべきであって、中途でやめてはなりません。

 近代的なナマズ養殖工場と養魚場を多く建設しましたが、餌の供給対策を講じ、管理、運営に力を入れて、魚類が実際に人民に供給されるようにすべきです。

 党創立55周年を迎えて各道に近代的な基礎食品工場を建設したのですから、大豆をはじめ、原材料の供給対策を最初から綿密に立てて、味のよいしょう油とみそを生産し、人民に切らさず供給すべきです。油脂作物を大々的に栽培して、食用油の問題も解決しなければなりません。

 人民の食の問題とともに消費物資の問題も解決すべきです。「苦難の行軍」をしながら人民に生活必需品も満足に供給できませんでしたが、早急に解決していかなければなりません。織物、肌着、履き物、石けんなど一次消費物資の解決に第一義的な力を注ぎ、その他の一般消費物資や雑貨も量産して人民に供給すべきです。ボタン、洋服ブラシ、靴ブラシ、ハンガー、安全ピンなどの雑貨類は、遊休資材を広く利用すればどこでもつくることができます。

 一般消費物資の問題を解決するためには、軽工業部門の工場を近代的な技術で改造しなければなりません。わが国の軽工業部門の工場は設備が老朽し立ち後れているため、生産性がさほど高くありません。近代的な設備を輸入して新義州化粧品工場を新設したように、紡織工場や製靴工場をはじめ、他の軽工業部門の工場も近代的な技術で改造すべきです。

 住宅を大々的に建設しなければなりません。これまでかなりの住宅を建設しましたが、まだ増大する需要を満たすには至っていません。住宅の需要を満たすためには、平壌市だけでも年に数万所の住宅を建設しなければなりません。道、市、郡でも地元の実情に即して、地方の資材を利用して住宅を多く建てる運動を展開すべきです。慈江道と両江道、黄海南道の経験は、土焼き瓦やスレートなどの屋根材を解決すれば、住宅はいくらでも建設できるということを示しています。これからは住宅を建設するにしても、都市や農村を問わず新世紀の水準で、遜色がないように建てるべきです。暖房や燃料、飲料水の保障対策も綿密に立て、人民が生活で不便を感じないようにしなければなりません。

 山水の美しく清らかなところに休養所や静養所、療養所を多く建てる一方、既存のものを補修、改造し、立派に運営して、人民により多くの社会的恩恵がゆき渡るようにすべきです。今年は公共施設の建設は取りやめ、休養所や静養所、療養所を多く建設すべきです。

 我々は、一日も早く祖国を統一しなければなりません。金日成同志は、朝鮮人民への最大の贈り物は祖国の統一だとし、祖国統一偉業に心血と労苦を尽くしました。金日成同志が生涯の最後に検討した文書も祖国統一に関するものでした。昨年、歴史的な平壌対面が実現し、6.15北南共同宣言が発表されたことは、祖国統一をめざすたたかいにおいて画期的な出来事です。

 祖国の統一を実現するうえで重要なのは、民族の団結をなし遂げることです。南朝鮮の言論社代表団に会ったときにも話したことですが、6.15北南共同宣言を支持する人であれば、誰であれ過去を問わず、手を握るべきです。過去のことを持ち出しては民族の団結を実現することはできません。金日成同志は、かつて「反共」の立場に立っていた人でも、祖国統一の道に立とうとする人は大胆に包容しました。我々は、祖国統一のために尽くそうとする人であれば誰でも包容し、民族の団結を実現しなければなりません。

 祖国統一を実現するには、我々の革命隊伍をさらにかためなければなりません。我々は軍隊を革命の柱としてさらに強化するとともに、広範な大衆を党のまわりにかたく団結させ、革命の隊伍を一枚岩のようにかためていかなければなりません。

 党員と勤労者にこんにちの朝鮮革命の情勢を正しく認識させるため、彼らのあいだで解説活動を活発におこなうべきです。そうして、すべての党員と勤労者が、情勢がどう変わろうと帝国主義反動動力にたいし、いかなる幻想も抱くことなく、革命的原則と階級的原則をかたく守るようにすべきです。

 非社会主義的傾向との全面対決戦を展開して、それを一掃しなければなりません。非社会主義的傾向は、人々の健全な思想・意識を麻痺させ、党と革命隊伍の一心団結をむしばむ危険な要素です。元来、社会主義社会の発展、完成の過程は、社会主義社会本来の要求に反するあらゆる非社会主義的要素を克服していく過程です。搾取と抑圧から解放された人民大衆を非社会主義的要素の束縛からも解放してこそ、反社会主義勢力の足がかりとなる基盤を完全になくし、社会主義の確固たる勝利を得ることができるのです。党、勤労者団体組織と法律執行機関は、人々のあいだに見られるさまざまな非社会主義的傾向をなくすために思想教育と思想闘争、法的統制を強化し、そのような傾向があらわれないようにすべきです。

 帝国主義の思想的・文化的浸透を徹底的に防がなければなりません。アメリカをはじめとする帝国主義者は、我々の革命隊伍を内部から切り崩すため、腐り切ったブルジョア思想と文化を浸透させようと執拗に策動しています。我々はいつにもまして蚊帳をしっかり張り、ブルジョア思想と文化、浮かれた風潮が絶対に浸透できないようにし、そのような傾向が少しでも見えたら、そのつど強い打撃を加えて、革命隊伍の純潔を保たなければなりません。

 我々は新世紀にも、すべてのことを我々の方式でおこなっていかなければなりません。「我々の方式で生きよう!」 これが、我々が新世紀にも変わることなくかかげていくべき戦略的スローガンです。

 自主的政治の実施を徹底させなければなりません。自主的政治は、国家と民族の尊厳を守るための必須の要求です。多くの国で社会主義が崩壊したときにも、我々が社会主義を固守し、こんにちのように高い尊厳と国際的権威を保持することができたのは、一貫して自主的政治を実施してきたからです。我々は、いかなる環境においても自主性を堅持し、すべての路線と政策を朝鮮革命とわが国の実情、朝鮮人民の利益に即して策定し、朝鮮人民の力に頼って貫いていかなければなりません。

 先軍政治路線を終始一貫堅持していかなければなりません。先軍政治は、軍事重視思想をこんにちの現実的状況に即して具現し完成した我々式の新しい政治方式です。わが党の軍事重視思想は、銃剣に革命偉業の勝利があり、国と民族の自主独立も繁栄もあるという革命の原理にもとづいています。我々は、帝国主義者の横暴な策動に主動的に対応するために先軍政治方式を選択し、国家機構体系における国防委員会の地位を高め、国家・社会生活のすべての分野で軍隊が重要な役割を果たすようにしました。こんにち、わが国で先軍政治は、一つの体系化された政治方式として完成されました。先軍政治は、地球上に帝国主義が残存する限り、恒久的に堅持していくべき戦略的な政治方式です。

 党の先軍政治はこんにちの歴史的状況下で完成された政治方式ではありますが、それは金日成同志の革命方式を継承し発展させたものです。もともと先軍は、金日成同志が朝鮮革命を導く全過程で堅持した革命方式です。金日成同志の革命活動史は事実上、先軍革命指導の歴史だと言えます。金日成同志は、先軍革命指導によって朝鮮革命を切り開き、勝利に導いてきました。金日成同志が積んだ先軍革命指導の業績と経験が、ほかならぬ、こんにち我々が実施している先軍政治の基礎をなしているのです。我々は、金日成同志の先軍思想を受け継ぎ、こんにちの現実的状況に即して一つの政治方式として深化、発展させました。わが党の先軍政治が、金日成同志によって切り開かれたチュチェの革命偉業をあくまで達成できるようにする革命的政治方式となる根拠はまさにここにあるのです。幹部は、党の先軍政治の正当性と不敗の威力をはっきり認識し、その要求をしっかり具現していかなければなりません。

 人民軍の強化に引き続き大きな力を注ぐべきです。人民軍の軍人を政治的、思想的にいっそうしっかり準備させ、党と革命に限りなく忠実な思想の強者、信念と意志の強者に育て、革命的軍人精神と戦闘的生活気風をさらに高く発揮するようにしなければなりません。

 人民軍は、武力をもって祖国の防衛線を鉄壁のごとく守るとりでとなるのみでなく、思想・精神をもって党と革命を守る信念の堡塁となり、人民に革命的な思想・精神と闘争気風を植えつける先導者、立派な模範となるべきです。軍人のあいだで軍民一体の美風を高く発揚して人民を愛し、極力援助し、人民軍が強盛大国建設の骨の折れる部門を担当して突破口を開くうえで引き続き模範を示すようにすべきです。

 アメリカ帝国主義の新たな戦争挑発策動に対処して戦闘準備を完了することは、人民軍に提起されている最も重要な課題です。我々が先軍政治を実施する第一の目的は、アメリカ帝国主義の侵略策動に主動的に対処することにあります。人民軍は全力を集中し、アメリカ帝国主義の侵略策動を一撃のもとに粉砕できるよう戦闘準備を完了しなければなりません。

 後方を強固にすることは、国防力を強化するうえできわめて重要です。党組織と政権機関は、強盛大国の建設を力強く推進し、後方を政治的、思想的に、物質的、経済的にさらに打ちかため、全人民的防衛体系を確立すべきです。

 社会全体に軍事重視の気風を確立し、軍隊が第一であり、すべてを軍事に服従させなければならないという観点と立場に立って、人民軍と国防工業に必要なものを優先的に保障すべきです。人民を銃重視思想と軍擁護思想でしっかり武装させ、軍隊を極力押し立て、物心両面から支援する運動が全社会的に力強く展開されるようにすべきです。すべての党員と勤労者が、軍事を誠実に学ぶようにしなければなりません。

 人民軍軍人の革命的軍人精神と闘争気風を見習う運動を積極的に展開すべきです。わたしが人民軍部隊をたびたび現地指導し、軍隊の活動に大きな力を注いでいるのは、軍隊を強化するとともに、軍隊を手本にして全社会に革命的軍人精神と戦闘的生活気風がみなぎるようにするためです。革命的軍人精神で基本となるのは、領袖決死擁護の精神、決死貫徹の精神、英雄的犠牲精神です。党組織は、人民軍軍人のあいだで発揮されている領袖決死擁護の精神、決死貫徹の精神、英雄的犠牲精神の生き生きとした模範を広く宣伝し、大いに見習わせて、すべての党員と勤労者に口先ではなく、実際に党と領袖、祖国と人民のために献身するようにさせるべきです。人民軍軍人のあいだで高く発揮されている革命的同志愛と上下一体の美風、自力更生、刻苦奮闘の精神、強い組織性と規律性、きちんとした生活気風も大いに見習うようにすべきです。

 仁徳政治を正しく具現しなければなりません。人民大衆にたいする愛と信頼の政治、仁徳政治は、社会主義の本性に根ざしている政治です。人民大衆にたいする愛と信頼は、社会主義社会での政治の本質をなし、まさにここに社会主義政治の優越性があるのです。社会主義社会において仁徳政治は、強力な銃剣によって支えられています。帝国主義の侵略の脅威が存在する限り、銃剣が強力でなければ、人民大衆に自主的で創造的な生活を保障することはできません。仁徳政治は、全社会の一心団結を強化することによって先軍政治の要求をより立派に貫徹できるようにします。我々は、先軍政治と仁徳政治をともに堅持し、その要求を正しく具現していくべきです。わが党を信頼し従う人であれば、家族関係や社会・政治生活の経歴がいかに複雑であっても温かく包容して導き、人々の運命にたいする問題は革命の利益の見地から慎重に検討して正しく処理すべきです。

 科学技術重視の方針を堅持し貫徹していかなければなりません。

 現代は、科学と技術の時代、コンピュータの時代です。科学技術が高度に発展しているこんにちに至っては、かつて幻想にとどまっていた問題が現実となっています。一日も早く強盛大国を建設するには、科学技術を重視しなければなりません。最近、科学技術を強盛大国建設の柱の一つとし、科学技術を重視することについて強調しましたが、まだ、科学技術を重視する気風が確立されたとは言えません。口先で科学技術を重視すべきだと唱えるだけで、実際に対策を講じて着実に実行しているのはこれといってありません。現代科学技術にもとづくことなしには、強力な国防力はいうまでもなく、経済力も打ちかためていくことができません。すべての幹部は、いまは科学技術にもとづかなくては一歩も前進することができないということをはっきり認識し、すべての部門、すべての職域で提起される問題を科学技術にもとづいて解決する立場を確立しなければなりません。

 科学技術重視の方針の貫徹にあたっては、人民経済全般を現代技術で改造するうえで提起される科学技術上の問題の解決に力を集中すべきです。人民経済全般を現代技術で改造しなくては、強盛大国を建設することはできません。我々が建設する強盛大国は、21世紀に相応した高い科学技術に立脚した強盛大国となるべきですから、これからは工場を一つ建設し改造するにしても、新世紀にふさわしいものにしなければなりません。科学者、技術者と科学研究機関は、古い観念と消極的な態度を捨て最先端の科学技術分野を大胆に開拓し、人民経済の技術改造を新世紀の要請に即して高い水準で実現していくべきです。

 科学技術分野への投資を増やすべきです。科学技術の発展のためには資金を惜しんではなりません。

 科学者、技術者を大いに押し立て、彼らの研究条件と生活条件を十分に保障すべきです。科学者、技術者は、科学と技術で党と革命、祖国と人民に奉仕する人材です。幹部は、科学者、技術者が確信と勇気をもって科学研究活動で成果をおさめるよう積極的に援助し、新たに開発したものは、そのつど導入して実用化するようにすべきです。科学研究機関に社会的課題をみだりに与えたり、科学者、技術者を科学研究活動と関係のない事業に動員することがないようにしなければなりません。

 すべての分野で科学技術重視の気風を確立するためには、革命的な学習気風を確立し、現代科学と技術を学ぶ一大旋風を巻き起こさなければなりません。特に、幹部が現代科学技術の習得で先頭に立つべきです。一部の幹部は科学技術にうといため、科学技術上の問題が提起されると目をそむけ、科学者、技術者が提起する創造的な技術革新案を無視してしまい、経済を現代科学技術にもとづいて以下に発展させ、運営すべきかということは考えていません。最近、党はコンピュータ化されたモデル工場を建設し、幹部の眼界を広めるために参観させていますが、科学技術知識がなくてはそれを理解することもできません。誰もが現代科学技術を学ぶことが一つの社会的風潮となるようにすべきです。

 青年重視の思想を堅持して、青年との活動に力を注ぐべきです。

 青年は、革命の頼もしい継承者であり、社会で最も活力に満ちた部隊です。青年を立派に育ててこそ、朝鮮式の社会主義を固守し、強盛大国を成功裏に建設することができるのです。

 青年にたいする教育に力を入れ、彼らが自身の大本を忘れず、革命の代をしっかりと受け継いでいくようにすべきです。いま、わが国の青年の精神状態はたいへん良好です。青年のあいだで忠実性を培う教育をさらに強化し、彼らが自己の指導者を絶対的に崇拝し決死擁護し、党と領袖の呼びかけであれば水火をもいとわず立ち上がるようにしなければなりません。革命教育、階級的教育、社会主義的愛国主義教育を強化し、すべての青年が、社会主義祖国を熱烈に愛し、階級の敵にたいして燃えるような憎悪心と敵がい心をもって断固たたかっていくようにすべきです。

 すべての青年が、強盛大国建設の骨の折れる部門で突破口を開いていく突撃隊とならなければなりません。青年が厳しかった「苦難の行軍」、強行軍の時期に素手で青年英雄道路を立派に建設したのをみても、彼らは巨大な力をもっています。このような青年がいる限り、我々にとって恐るべきものはなく、不可能なこともありません。新世紀にも青年は、「苦難の行軍」、強行軍の時期に発揮したあの勢い、あの気迫を緩めることなく、骨の折れる部門に率先進出して突破口を開き、朝鮮青年の英雄的気概と気骨を示すべきです。青年は、祖国防衛を当然の義務とし、軍隊に服務することを最大の栄誉とし誇りとすべきです。

 青年同盟を強化し、その機能と役割を高めなければなりません。わが国の青年同盟は、金日成同志の尊名を冠した最も尊厳ある青年組織です。青年同盟を組織力と団結力、闘争力の強い戦闘的な組織としてさらに打ちかため、自立的に活発に活動するよう支援すべきです。

 次世代の教育事業に力を注ぐべきです。すべての事業に教育事業を優先させ、次世代を立派に育てることにすべてを惜しむことなく服従させるのは、つとに金日成同志が示した重要な方針の一つです。民族の興亡は新しい世代をいかに育てるかにかかっているのですから、新世紀の要求に即して教育事業を抜本的に改善しなければなりません。

 学校教育の質的水準を高めるべきです。とりわけ、コンピュータ教育をはじめ、先端科学技術教育に大きな力を注ぐべきです。コンピュータ教育に力を入れなければ、わが国が先進国に早く列することができません。学校でコンピュータ教育を強化し、コンピュータ分野の秀才を多く育成すべきです。コンピュータ教育は、幼いころから始めてこそ効果があらわれます。コンピュータ分野の秀才養成基地を設けて秀才として育てる生徒を厳選し、カリキュラムを合理的に編成し、教科書も適切に編さんしなければなりません。学科も正しく選定すべきです。いまは科目数が多すぎるので、一定の科学技術分野の秀才が輩出していません。コンピュータ分野の秀才として育てる生徒には、数学とコンピュータ科目を基本とし、一般科目としては革命活動史だけを教えるべきです。わが党の革命活動史を知らなければ、わが国の社会主義制度がどのように築かれ、誰のためにいかに働くべきかということが理解できないので、革命活動史は教える必要があります。

 我々に提起された課題を成功裏に遂行するためには、党と人民政権を強化し、その役割を高めなければなりません。先軍政治をするからといって、党と人民政権を弱体化させてもかまわないと考えてはなりません。先軍政治は、党と人民政権が強化されてこそ、さらに大きな威力を発揮するようになるのです。もともと、労働者階級の革命闘争において、党と人民政権、軍隊は、いずれも重要な武器となります。労働者階級が政権を握るまえは、党と軍隊が革命の最も強力な武器となり、政権を握った後は、人民政権がまた強力な武器となります。社会主義偉業を成功裏に遂行するためには、党と軍隊と人民政権をともに強化しなければなりません。

 労働者階級の党は、政治的導き手であり、すべての勝利の組織者です。党がその指導的役割と機能を正しく遂行してこそ、社会主義の優越性と威力を余すところなく発揮することができるのです。

 すべての部門で党の指導体系を確立しなければなりません。党を強化するのは革命と建設を正しく指導するためであり、それは党の指導体系を抜きにしては考えられません。すべての党組織は、重要な問題を党中央に逐一報告し、結論を得て処理する厳格な規律を打ち立て、党の路線と方針を無条件に受け入れ、あくまで貫徹する革命的気風を確立すべきです。いったん、何らかの方針が示されれば、決まりがつくまで実行していく革命的規律を打ち立て、党のすべての路線と方針が賞徹されるようにすべきです。

 党組織の機能と役割を確実に高めるべきです。全党と全社会にたいする党の指導は、党組織を通じて実現されるのですから、党組織の機能と役割を高めずには、党がその使命と任務を円滑に遂行することはできません。最近、人民軍内の党組織の活動は正しくおこなわれていますが、社会の党組織も奮起してその機能と役割を確実に高めなければなりません。

 党組織は、把握・報告システムを確立し、下部の実態をつぶさに把握しなければなりません。上部の党組織が下部の党組織をしっかり把握指導し、すべての党組織と党活動家が活発に動くようにすべきです。司法・検察、人民保安機関にたいする把握指導を正しくおこない、法律執行機関の活動家が情勢の要請に即して人民民主主義独裁の機能を高め、事の正否を弁別し、左右の偏向を犯すことのないようにしなければなりません。

 幹部と党員の党生活にたいする手配と指導を革命任務の遂行と結びつけて着実におこない、彼らが各自の任務を立派に遂行するようにすべきです。

 会議と文書を思い切って減らすべきです。これについては、ほとんど毎年強調していますが、なかなか実行されていません。もう新世紀に入ったのですから、思い切って古い殻を打ち破り、会議と文書を減らし、会議の形式と方法もためらうことなく改めるべきです。

 党の思想活動にも新たな転換をもたらすべきです。情勢が絶えず変化する現実的要請に即して党の思想活動を清新かつ着実におこなうべきです。党の思想活動を、沸き立ってはすぐ冷めてしまうようなやり方でしてはなりません。一定の戦略・戦術的目標が達成されるまで、一貫して推進すべきことは力強く推進すべきです。

 人民政権機関は、党政策の実行者であり、人民の生活に責任をもった戸主です。行政・経済活動は、もっぱら人民政権機関が責任をもっておこなうべきです。人民政権機関は、党の政策を実行する対策を適時に立て、それを無条件にあくまで実行しなければなりません。それとともに、行政・経済活動にたいする手配りと指揮に綿密に取り組み、経済課題を着実に実行すべきです。また、行政規律を厳格に立てて、国の法令と決定、指示がそのとおり実行されるようにし、人民の生活に不便をきたさないよう難問を責任をもって解決すべきです。

 幹部の責任感と役割を高めるべきです。我々に提起された課題が成功裏に遂行されるかどうかは、革命の指揮メンバーである幹部の活動いかんにかかっています。

 幹部は、党への限りない忠誠心をもって、党の思想と指導に心から従わなければなりません。党への忠実さにおいては、金一同志や呉振宇同志をはじめ、抗日革命闘士たちが模範を示しました。彼らは、党にたいしていささかの矯飾もなく生真面目でした。チュチェ偉業継承のための党の基礎構築の時期にも、党に忠誠を尽くした幹部が多くいました。そのなかには愛国烈士陵に埋葬されなかった幹部もいますが、すべて捜し出して埋葬しなければなりません。愛国烈士陵に埋葬し、石画像も施せば彼らの政治的生命はさらに輝き、家族や親族も非常に喜ぶことでしょう。

 幹部は、実力がなければなりません。少なからぬ幹部は、党の信頼に忠誠をもって報いるとよく言いますが、報いは、口先ではなく実力をもって実践で示すべきです。いま、幹部の最大の弱点は、現実発展の要請に実力が追いついていないことです。幹部は、各自の政治的・実務的実力と科学技術水準を高めるため地道に学習し、現実のなかに入って労働者、農民とともに働きながら謙虚に学ぶべきです。

 幹部は、活動方法と活動態度においても抜本的な改善をもたらすべきです。21世紀は、壮大な変革の世紀、創造の世紀です。駿馬を駆って疾走すべき進撃の時代に、過ぎ去った世紀の古い活動方法と活動態度に固執していては、偉勲を創造していくことはできません。最近、各部門の活動を現地指導しながらみると、困難な状況のもとでも大胆な作戦を練り、大がかりに仕事を展開する幹部がいるところでは、革新が起こり奇跡が生まれています。党は太っ腹で押しのきく実践家を求めています。幹部は「大胆に着想し大胆に実践しよう!」というスローガンをかかげ、すべてを革新的な眼識をもって大がかりに設計し、決着がつくまで強力に推進しなければなりません。幹部は、権柄と官僚主義をふるってはなりません。幹部が権柄と官僚主義をふるって人民の利益を侵すならば、人民の生活に不便をきたし、彼らの革命的熱意も冷め、事が順調に運びません。すべての幹部は、人民の利益をしっかりと守り、彼らの生活を責任をもって見守る忠僕となり、人民と同じように生活し、活動と生活において模範を示す大衆の鑑とならなければなりません。幹部は、常に骨の折れる仕事で大衆の先頭に立ち、率先垂範して大衆を導く旗手となるべきです。

 わたしは昨年、機会あるたびに今年の活動方向を示しました。党組織は、組織・政治活動を力強く展開し、党のすべての方針を着実に貫徹して、今年を新世紀の進撃路を開く転換の年にしなければなりません。

出典:『金正日選集』15巻


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