金 正 日

帝国主義者の「改革」「開放」策動は、
許すことのできない侵略・瓦解策動である
朝鮮労働党中央委員会幹部におこなった談話
−1998年5月7日−


 現在、帝国主義者と反動勢力が、我々を「改革」「開放」へと誘導しようと各方面から圧力を加えて誘惑していますが、それに正しい認識をもって警戒心を高めなければなりません。

 帝国主義と反動勢力は、社会主義の砦である我が共和国を圧殺しようと軍事戦略に執着するばかりか、それと並行して「平和的移行戦略」によって侵略的野望を実現しようとあらゆる策動を尽くしています。帝国主義者と反動勢力が、「改革」「開放」について騒ぎ立てながら我々の体制を中傷し、我々に圧力を加えることがまさに、そうした策動であります。

 帝国主義者と反動勢力は、我々が「改革」「開放」をせずに「孤立」と「閉鎖」の道に進んでいると誹謗していますが、これは現実を歪曲して逆さまに見る者ならではの荒唐な発言であります。

 偉大な領袖金日成同志は、国際的に「改革」「開放」の風が盛んに吹く時、既に、もともと改革、開放というのは、良くないものを正して門戸を閉じていたのを開けるという言葉でありますが、我々は、既に、正すものはすべて正して門戸を開けているので、我が国には「改革」するものもなく、「開放」するものもないと教えました。我々は新しい祖国、新しい社会を建設しながらどの一分野も改革していないものがないし、国の門戸を閉ざしたこともありません。

 改革とは、古いものを新しいものに改造して革新する過程であり、最も徹底した改革は、ほかならぬ社会的変革、社会革命であります。我々が進めた民主主義革命と社会主義革命は、人民大衆を帝国主義植民地統治と封建的従属、資本の搾取から解放して国家と社会の主人にさせた深刻な社会的変革でありました。我が党が、社会主義建設の総路線として堅持する思想、技術、文化の三大革命も、旧社会の遺物を徹底的に清算して人間と自然と社会を全面的に改造する最も包括的な変革過程であります。三大革命が、改革よりも深刻な変革であることは論議する余地がありません。

 開放について言うならば、我々は常に門戸を開けています。我が共和国は自主、平和、親善を対外政策の基本理念に掲げ、対外関係を拡大、発展させています。我々は、我が国の自主権を尊重して我が国に友好的に接する国々とは思想と制度の相違に関係なく、親善・協力関係を発展させています。現実的に、我が国は相異なる制度をもつ世界の多くの国と国家関係を結び、多方面にわたる交流を進めています。我が国には、多くの国からさまざまな分野の代表団や芸術団も訪れ、各界各層の人々が絶えず往来しており、航空機と船舶も自由に行き来しています。これが開放でなければ何でしょうか。我々に「閉鎖」だの、何だのといいながら「開放」せよと言うのは、我々の政策にも、現実にも全くそぐわないでまかせであります。

 帝国主義者と反動勢力が、我が国に対して「改革」「開放」をしていないだの、「孤立主義」だの、「閉鎖社会」だのと言って誹謗していますが、実際は、彼らが我が社会の変革過程、前進運動を阻み、我が国を封鎖して孤立、圧殺しようとしています。我が国を敵視して非友好的に接しながら政治的・軍事的に圧力を加えて威嚇し、我々の体制を誹謗、中傷するのも、我が国を経済的に封鎖して他国との協力と交流を阻害するのも、ほかならぬ米国とその追従国家であります。帝国主義者は、みずからの支配と略奪の目的に合わない他国の政治体制や経済制度は「世界の一体化」の流れに合わないと騒ぎ、「改革」すべきだと言いながら、みずからが求める体制と政治方式、腐敗したブルジョア文化と生活様式を受け入れない国に対しては「孤立主義」だの、「閉鎖」だのと言って「開放」すべきだと圧力を加えています。これこそ強盗の論理であります。帝国主義者は、我々に「改革」「開放」を要求するのではなく、我が国に対する孤立・圧殺策動と封鎖を撤廃しなければなりません。

 帝国主義者とその追従者たちが我々に「改革」「開放」をすべきだと騒ぐのは、我が国で社会主義制度を崩壊させ、資本主義制度をよみがえらせるところに基本的な意図があります。敵は、「改革」「開放」によって我々の社会主義を内部から瓦解させ、みずからの好みに合うよう資本主義へと転換させようとする陰険な目的を追求しています。

 帝国主義と反動勢力は、我が国に生じた経済的難関についても「改革」「開放」をしてこそ難関から抜け出すことができると騒いでいますが、これもやはり、みずからの野望を覆うための詭弁に過ぎません。我々の経済的難関は、我が国に対する帝国主義者の経済的封鎖と孤立・圧殺策動によって生じたものであります。しかも、世界の社会主義市場が崩壊して旧社会主義諸国との経済協力関係が断ち切られ、数年来続いた自然災害まで重なったので我々の経済状況と人民生活が困難になったのであります。しかし、我々が帝国主義者の唱える「改革」「開放」を受け入れれば、経済的難関から抜け出すのはおろか、国の自主権と尊厳が踏みにじられ、我々の社会主義をだめにしてしまうでしょうし、人民は植民地奴隷の境遇に転げ落ちることになるでしょう。これは「改編」だの、「多元主義」だのとした結果、社会主義が崩壊して資本主義が復帰した多くの国の現実がはっきり示しています。帝国主義者と反動勢力があれほど執拗に騒ぎ立てる「改革」「開放」という「処方」は、我々を経済的難関から抜け出させるためのものでもなく、我が国の経済を活性化するためのものでもなく、みずからの侵略的かつ支配主義的な野望を実現するためのものであります。

 帝国主義者は、「改革」「開放」を何かの付帯条件にかかげて政治的圧力の手段に、経済制裁や封鎖の口実にしています。帝国主義者は、果ては人道的問題にまで「改革」「開放」を持ち込み、人道主義を政治的な取引の玩弄物に変えています。彼らは、我々が国際社会から人道的援助を受けるためには、「経済構造を改革」すべきだの、「共産主義体制」を克服すべきだのとし、我々の体制転換について公言しています。これは人道主義に対する愚弄であります。人道主義は、政治の玩弄物になってはならないし、不純な政治目的に利用されては絶対になりません。

 我々に「改革」「開放」を迫る帝国主義者と反動勢力の策動は、我が国の自主権に対する乱暴な侵害、破廉恥な内政干渉であり、国家間の関係に関する国際法の公然たる蹂躙であります。我々の社会主義は、我が人民みずからが選択したものであり、誰であれ、我々の制度、我々の政治についてあれこれ言う権利がありません。我々はすべての国、すべての民族が、みずからの運命を自主的に開拓していくことを主張し、他人の自主権を蹂躙することにも反対し、我々の自主権を侵害することも許しません。我々は、常に他国の社会制度を尊重しましたし、米国やどの西側資本主義諸国に対しても、資本主義制度を社会主義制度にかえるよう求めたこともないし、求めることもありません。思想と理念、社会制度が異なる国であっても、互いに自主性を尊重する原則で平和的に共存すべきであるというのが、我が党と共和国政府の一貫した立場であります。

 帝国主義者は、「改革」「開放」について騒ぎ立てているが、みずからの体制はかえようせずに他人の体制をみずからの要求どおりかえるよう訓示し、強迫しようとしています。国際社会でこうした専横は許されないし、断然阻止、粉砕されなければなりません。

 帝国主義者とその手先らが、「改革」「開放」の方法で我々の社会主義を変質、崩壊させて、我が国でも資本主義を復帰させようとするのは途方もない妄想であります。帝国主義者の「改革」「開放」策動は、社会的進歩を阻んで歴史の流れを逆転させようとする反動的策動であり、「世界化」の看板のもとに、みずからの支配主義的企図を押しつけようとする陰険で横暴な侵略手法であります。

 革命の暴風雨を乗り越え盤石に固められた我々の社会主義体制、帝国主義者とあらゆる反動勢力の反社会主義攻勢を粉砕し、しっかりとそびえたっている不敗の社会主義の砦を崩そうとするのは愚かな試みであります。帝国主義者と反動勢力のいかなる軍事的威嚇・恐喝も、経済的封鎖や圧力も我々には絶対に通じません。

 帝国主義者は、歴史の教訓を忘れてはなりません。米国は半世紀もの間、我々の社会主義を抹殺しようと戦争と封鎖、威嚇と圧力、破壊・謀略策動に至るまであらゆる手段と方法を尽くしましたが、それらすべてが失敗を免れませんでした。我が国に対する帝国主義者の軍事的侵略と孤立・圧殺策動は、これまでと同様にきょうも、あすも恥ずべき敗北しかもたらしません。

 「改革」「開放」に対する我々の立場は、断固として明白であります。我々は、敵の「改革」「開放」策動を徹底的に排撃し、粉砕しなければなりません。誰が何と言おうが、どんな風が吹こうが、我が党と人民は決して「改革」「開放」の道に進まないでしょう。

 チュチェの社会主義を守り我々式に生きていくのは、いささかも譲歩できない我々の原則であります。我々は、偉大な領袖金日成同志が示した社会主義建設の総路線をしっかりと堅持し、思想、技術、文化の三大革命を力強く推し進めるし、革命と建設のあらゆる分野でチュチェの原則、社会主義の原則を確固と堅持してすべてのことを我々式に行っていくでしょう。

 経済問題も、チュチェの原則、社会主義の原則に基づいて我々式に解決していかなければなりません。我々の政治的・思想的威力を奮い起こし、我々の制度の優位性、自前の経済基盤に依拠してあらゆる問題を解決していくこと、まさにこれが我々式でありチュチェ式であります。

 我が革命は現在厳しい試練を経ていますが、我々の力は不敗であり、我々の展望は良好であります。革命の首脳部が確固としており、軍隊と人民が党のまわりに一心団結している以上、我が革命は、いかなる難関や試練も克服して勝利のうちに前進することでしょう。

 活動家たちは、信念と楽観を抱き、我々式に革命と建設を力強く推し進めなければなりません。



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