金 正 日

幹部は「苦難の行軍」精神をもって、生き働くべきである
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部への談話 
−1996年10月14日− 


 幹部は、「苦難の行軍」精神をもって、生き働かなければなりません。

 党は、現情勢と現実発展の要請に即して、幹部と党員、勤労者が、「背離の行軍」精神をもって、生きたたかおうというスローガンを打ち出しました。「苦難の行軍」精神は、金日成同志の指導のもとに抗日革命闘争の最も厳しい時期、朝鮮革命の命脈を守り通し、革命の大高揚を起こした徹底した革命精神、不屈の革命精神です。金日成同志は、抗日革命闘争が最も厳しかった1930年代末、朝鮮革命全般を一大高揚へと導く卓越した戦略的・戦術的方針を提示し、その実現のために比類ない厳しい「苦難の行軍」を成功裏に指導することによって、祖国の解放と革命の勝利をめざす闘争で新たな局面を開きました。

 党が、「苦難の行軍」精神をもって、生きたたかおうというスローガンを打ち出したのは、すべての幹部と党員と勤労者が「苦難の行軍」の時期に発揮された抗日革命闘士の領袖擁護の精神、自力更生の精神、難関克服の精神、革命的楽観主義の精神をもってこんにちの難関を克服し、革命と建設の各部門で新たな高揚を起こすためです。言いかえれば、すべての人が突きあたる障害と難関を果敢に乗り越え、社会主義経済建設をはじめ、各部門で新たな前進を遂げることによって、我々の一心団結の威力、朝鮮式社会主義の威力をさらに高く誇示するためです。「苦難の行軍」精神をもって、生きたたかうためには、ただ困難に耐えるだけではなく、試練を乗り越えて力強く前進していかなければなりません。

 ところが一部の幹部は、「苦難の行軍」精神をもって、生きたたかおうというスローガンは、あたかも、こんにちの障害と難関にただ耐えることだけを求めているかのように思っているようです。困難な時期であるほど「苦難の行軍」精神をもって、生きたたかおうという党のスローガンの要求どおり、さらに奮闘し、難しいことであっても方法を尽くしてやり遂げるために奔走すべきなのに、一部の幹部は、「苦難の行軍」の時期だから仕方がないといって自分を慰めています。いま、国の困難な状況を口実に幹部が可能なこともやろうとしないのが問題です。一部の市、郡では、そば屋一つさえ満足に運営されていませんが、これは食糧難よりも幹部の精神状態に問題があると見るべきです。責任ある幹部が難問を解決するために懸命に努力し、経済をきめ細かく管理する市、郡では、万事が円滑に運び、そば屋なども休業せずに運営されています。大紅丹那と殷栗郡では、いつもそば屋が運営されているということです。仕事で実績を上げているところから、その経験を聞いてみることも必要です。それを生きた模範に、国の状況が厳しいという口実で敗北主義に陥って仕事に打ち込まない幹部の間違った思想観点と思考方式を正す闘争を繰り広げるのがよいでしょう。

 すべての幹部は、「背離の行軍」精神をもって、生きたたかおうという党の要求どおり、突きあたる障害と難関を自力で打開し、革命と建設で新たな前進を遂げなければなりません。

 現在、我々は、きわめて困難な環境のもとで社会主義を建設しており、我々には一日も早く解決すべき問題が少なくありません。幹部は「苦難の行軍」隊伍の先頭に立ち、実践によって党に忠誠を尽くさなければなりません。現実は、空論や心配ばかりしている幹部ではなく、仕事の手配を綿密にし、難問を解決する実践家タイプの幹部、金策タイプの幹部を求めています。

 解放直後、経済活動を担当していた金策同志は、国の経済事情は困難でしたが、正面から取り組んで仕事を綿密に手配することで、経済活動と人民の生活上の難問を解決しました。金策同志のようにしっかり取り組んで仕事の手配を綿密にすれば、どんな問題でもすべて解決することができます。幹部は、難問をかかえて条件を云々したり心配ばかりせず、正面から取り組んで仕事を綿密に手配し、それをそのつど解決していくべきです。

 すべての幹部と党員と勤労者は、革命的楽観と確信をもって働くことが必要です。我々の「苦難の行軍」が厳しいとはいえ、抗日革命闘争や祖国解放戦争の時期、戦後の復興建設の時期に比するほどのものではありません。金日成同志は、無の状態から徒手空拳で革命を始め、輝かしい勝利を遂げました。金日成同志が築いた強固な土台があるのですから、我々が難関を克服し革命を成功裏に前進させられない理由はありません。わたしは、情勢がいかに複雑であっても悲観せず、困難かつ複雑なときであるほど楽観をもって仕事をしています。苦難と試練がたび重なるほど、それに立ち向かって進むことこそがわたしの意地です。祖国解放戦争の時期、わたしが最高司令部で過ごしながら金日成同志から学んだ革命的楽観主義と敢然と立ち向かう意志と戦術です。幹部は、常に信念を失わず、将来を見通して進むことが必要です。

 歌謡『高くかかげよう 赤旗を』は立派な歌です。この歌には、我々の信念と意志、理想が込められており、革命家に力と勇気と信念を与えています。歌詞は非常にすばらしいです。我々はこの歌を声高くうたいながら、党に従って革命の道をまっしぐらに進んでいかなければなりません。

 各党組織と党活動家は、党政策を貫徹するための政策上の指導を正しくおこなうべきです。党内部活動の成果も党政策の実行に反映されなければなりません。最近、党は、牧草地を造成し、草食の家畜を大々的に飼育することを特に強調していますが、各党組織と党活動家は、党の方針を貫徹するための準備をすることだけで満足してはなりません。党の方針を伝達して、そのとおり実行せよと押し付けたり、仕事が順調にいっていないことを追及したりするようなやり方では、党の方針は貫徹されません。各党組織と党活動家は、党の指示があくまで実行されるように組織・政治活動を綿密にし、大衆の先頭に立って模範を示さなければなりません。

 今年は、困難な状況のもとで農業を営んできたので、各党組織と党活動家は農民のあいだで一粒の穀物でも無駄にしないよう教育活動をしっかりとおこなう必要があります。

 出典:『金正日選集』14巻


ページのトップ


inserted by FC2 system