世界における社会主義運動は、多くの国での社会主義の挫折により依然として曲折を経ているが、かつての苦い歴史から教訓を酌み取り、しだいに再生の道に入っている。社会主義が崩壊した国々の惨めな現実から、世界のより広範な人民は社会主義の道でのみ人民大衆の運命が開かれることを自覚し、社会主義を憧憬し志向している。これは、社会主義が諸人民の心のなかに生きており、かれらが思想的に目覚めつつあることを示している。
多くの国々での社会主義の挫折が残した最も深刻な教訓は、社会主義の変質が思想の変質からはじまり、思想戦線が瓦解すれば社会主義のすべての戦線が瓦解し、結局は社会主義を総破産させるということである。
社会主義を守り勝利に導くためには、思想活動を強化しなければならない。人民大衆を社会主義思想で武装させ、社会主義の思想的陣地をかためてこそ、社会主義を強化、発展させ、いかなる狂風に見舞われても社会主義をかたく守りとおすことができる。朝鮮革命の実践的経験はこれを明白に実証している。
社会主義は思想を堅持すれば勝利し、思想を失えば滅びるというのが、歴史によって証明された真理である。
人民大衆を思想的に目覚めさせ、社会主義のための闘争に奮い立たせるのは、現段階における社会主義運動発展の切実な要求である。自主性のためにたたかう人民大衆が社会主義思想で武装し、社会主義への確固たる信念をもつようになれば、社会主義は必ずや新たな勝利の道を切り開いていくであろう。
１
思想活動を優先させるのは、社会主義偉業遂行の必須の要求である。
社会主義偉業を成功裏に遂行するためには、思想を基本にとらえ、思想活動をすべての活動に優先させなければならない。
人民大衆の自主偉業のためにたたかう労働者階級の党にとって、思想活動より重要な活動はない。元々、労働者階級の党は思想を武器にして人民大衆を目覚めさせ、革命と建設に立ち上がらせる指導的政治組織である。思想は労働者階級の党の唯一の武器であり、最も強力な武器である。労働者階級の党は思想を基本にとらえ、思想活動をすべての活動に優先させてこそ、人民大衆の自主偉業を導く指導的政治組織としての使命と本分をまっとうすることができる。
思想活動なくしては社会主義制度が生まれることができず、存在することも発展することもできない。資本主義制度は身分上の従属を資本への従属にかえた搾取制度であって、封建社会の胎内で成長するが、社会主義制度はすべての搾取制度とは根本的に異なる新しい制度であって、資本主義社会の胎内で成長することはできない。資本の支配に反対してたたかう被搾取勤労人民大衆の階級的要求を反映して社会主義思想が出現し、社会主義思想で目覚めた人民大衆のたたかいによって社会主義制度が誕生する。社会主義制度の強化、発展も社会主義思想に導かれてなしとげられる。
社会主義社会は社会主義思想によって導かれ、社会主義思想を基本的推進力として発展する社会である。黄金万能の資本主義社会とは異なり、思想の力によって、社会主義思想で武装した人々の意識的な活動によって発展する社会であるというところに、社会主義社会の本質的特徴がある。思想活動をどのように行い、人々を思想的にどう準備させるかということに、社会主義の強化、発展とその運命がかかっている。社会主義社会では思想活動を優先させ、たえず深化させてこそ、社会の政治的・思想的統一を保つことができ、同志的団結と協力を基本とする社会主義的社会関係を強化、発展させることも、社会主義経済建設を成功裏に進めることもできる。社会主義の思想的陣地をかためてこそ、社会主義は政治、経済、文化、軍事の各分野で不敗の威力を発揮することができる。社会主義建設において思想活動を軽視するのは、社会主義の基本を見落とすことであり、それは必然的に社会主義を変質と崩壊へと導くことになる。
社会主義をめざしてたたかう労働者階級の党の思想活動は、時代と革命発展の要求に即して社会主義思想を深化、発展させる思想・理論活動であり、人民大衆を社会主義思想で武装させる思想教育活動である。
社会主義の思想と理論は、労働者階級の革命闘争の発展過程で、時代の要求と革命実践の経験の一般化に基づいてもたらされ、それは社会主義をめざしてたたかう人民大衆の思想的・理論的武器となり、闘争の指針となる。革命闘争が進められる環境と条件は固定不変のものではなく、歴史は前進し、現実はたえず変化発展する。時代の変化と発展する現実は、既成の社会主義理論では解明できない多くの新たな問題を提起する。労働者階級の党は時代の変化と、革命と建設の前進に応じて社会主義思想を発展させる思想・理論活動に深い関心を向けなければならない。労働者階級の党が思想・理論活動を正しく行わず、社会主義思想の修正主義的変質や教条主義的停滞をまねくようになれば、社会主義は正しい指導指針をもてなくなり、曲折と失敗をまぬがれなくなる。
かつて社会主義を建設していた一部の国で、党と国家の指導的地位を占めた革命の裏切り者によって社会主義思想が歪曲、変質させられた結果、社会主義は方向を失い、自己の軌道から脱線して資本主義復活の道へ向かうようになった。社会主義革命と社会主義建設での紆余曲折と一部の国での社会主義の挫折は、つまるところ科学的で革命的な思想・理論の貧困と変質の結果である。
労働者階級の党は、社会主義偉業遂行の正しい指導思想と指導理論をもたらすとともに、それをもって人民大衆を武装させる教育活動に力を入れなければならない。
人民大衆を社会主義思想で武装させるのは、社会主義社会の主体を強化し、その役割を高めて革命と建設を力強く推進させる決定的な保証である。社会主義思想教育を正しく行ってこそ、人民大衆を思想的に目覚めさせ、組織的にかたく結束することができ、人民大衆に社会主義の主体、国家と社会の主人としての責任と役割を果たさせることができる。人民大衆は高い思想・意識をもち、一つにかたく団結してたたかうとき、底知れない力と知恵を発揮し、自然と社会の改造において偉大な変革をもたらすことができる。社会主義の比べようもない優越性と不敗の威力は、社会主義が歴史の主体である人民大衆の無尽蔵な力と知恵を全面的に高く発揮させるところにあり、それはとりもなおさず社会主義思想の優越性であり、威力である。社会主義思想の優越性と威力は思想活動によって保障される。
かつて社会主義を建設していた一部の国の党は、社会主義に関する従来の理論を教条主義的に受けとめて人民大衆を教育する思想活動に相応の関心を向けず、経済建設一面に偏った結果、経済建設そのものも停滞に陥らせ、結局は社会主義制度を崩壊させ、資本主義を復活させるまでにいたった。日和見主義者と社会主義の背信者は、社会主義社会での思想活動を放棄し、カネで人を動かす資本主義的方法を取り入れ、人々に個人主義、利己主義を助長し、黄金万能のブルジョア思想を流布し、資本主義市場経済の「効率性」と「優越性」について喧伝する反動的ブルジョア宣伝に同調して「所有の多様化」を唱え、社会主義的所有に基づく社会主義経済制度をそっくり破壊してしまった。日和見主義者と社会主義の背信者の策動が、帝国主義者の望みどおり社会主義をねじまげ、その優越性を麻痺させ、社会主義の崩壊と資本主義復活の道を開く反社会主義的・反革命的策動であることは論ずるまでもない。多くの国での社会主義崩壊の過程は、社会主義社会で思想を失い思想活動を放棄すれば、人々を思想的にむしばみ、社会主義的なものをすべて変質させ破壊し、社会主義の思想的陣地が崩れれば、いかに強い経済力と軍事力があっても社会主義を守りとおすことができないという深刻な教訓を与えている。同時にこれは、社会主義偉業の遂行において思想の役割がいかに大きく、思想活動がいかに重要であるかを証明している。
社会主義偉業の遂行において思想を基本にとらえ、思想活動を優先させるという要求は、人間の活動における思想・意識の役割についての主体的観点に基づいている。
チュチェ思想は歴史上はじめて、人間は自分の力で世界を改造し、自己の運命を開いていく自主的で創造的な社会的存在であり、自主的な思想・意識が人間の運命開拓において決定的役割を果たすことを解明した。
人間の活動にはさまざまな要因が作用し、そのうちのどれに決定的意義を付与するかは、社会の発展と人間の運命開拓において極めて重要な意義をもつ。
以前は、人間の活動に決定的影響を及ぼす要因を主に人間の外に求めた。宗教的・観念論的見解は、人間以外のある超自然的な神秘な存在によって人間の活動が規制され、その運命が左右されるかのように主張した。そういう見解の荒唐無稽さは科学によって、既に証明されている。唯物論的見解は、人間の活動に及ぼす決定的要因を客観的な物質的条件に求めた。人間は物質世界発展の産物であり、物質世界で生活し活動するので、その活動において客観的な物質的条件の影響を受けざるをえない。だが、客観的条件が直接、人間の活動を起こすのではない。客観的条件は、意識を通じてのみ人間の活動に影響を及ぼすのである。人間は意識をもって自主的で創造的な活動を行う社会的存在であり、客観的条件の影響を受けるのみでなく、それを能動的に改造し、積極的に利用する。
人間の活動において決定的役割を果たすのは思想・意識である。思想・意識は人間の要求と利害関係を反映しているため、人間のあらゆる活動を規制し、人間を世界改造の闘争に奮起させる原動力となる。人間の活動において、客観世界の合法則性を反映している知識が重要な役割を果たすことは言うまでもない。人間は科学的な知識があってこそ、客観的法則に合わせて自分自身の力と客観的条件を合理的に利用し、世界を成功裏に改造していくことができる。科学技術知識は、社会の生産力発展において日を追ってますます大きな役割を果たしている。だが、人間の活動の目的と方向を規定し、活動の過程を調整し統制するのは思想・意識である。人間が知識をどのように利用し、創造的能力をどれほど高く発揮するかは、どんな思想・意識をもつかにかかっている。人民大衆に奉仕しようという思想・意識をもつ人であってこそ、自分の知識と技術、知恵と才能を人民大衆のための事業にささげることができる。
世界の主人、世界の改造者としての人間本然の要求を反映した思想・意識は、自主的な思想・意識である。自主的な思想・意識は自己の運命の主人としての自覚であり、自己の運命をみずから開いていこうとする意志である。人間は自主的な思想・意識をもってこそ、世界を積極的に改造し、自己の運命を立派に開いていくことができる。
社会主義思想は、自主的な思想・意識発展の最も高い段階の思想である。社会主義思想は、人間の自主的要求と集団主義的要求を反映した思想であり、自然と社会の改造、人間の運命開拓の最も強力な思想的武器となり、社会を一つにかたく結束させる統一団結の思想的基礎となる。人民大衆を社会主義思想で武装させる思想活動は、社会主義の優越性を発揮させ、その威力を強化し、革命と建設を促すカギとなる。
社会主義思想の経済的・物質的基盤は社会主義的経済関係である。社会主義的所有を基本とする社会主義的経済関係は、人民大衆が社会主義思想を体得し強固にする物質的条件をもたらす。そのため、社会主義的経済関係を強化し発展させることは、人民大衆を社会主義思想で武装させるうえで重要な作用を及ぼす。社会主義制度が確立されれば古い思想を生む社会的・経済的基盤はなくなるが、一定の歴史的期間、旧社会から引き継がされた思想、技術、文化の後進性と、それと関連したさまざまな遺物が残り、これは非社会主義的思想要素が足がかりとし育ちうる温床となる。社会主義社会において社会の全構成員を社会主義思想で武装させるためには、社会主義的所有を固守し、社会主義的経済関係をたえず強化し発展させ、社会・経済関係と社会生活の各分野に残っている旧社会の遺物を徐々に取り除かなければならない。
社会主義社会で旧社会の遺物を助長したり、社会主義経済管理に資本主義的管理方法を導入し、さらには社会主義的所有を侵害し資本主義的所有を復活させるなら、社会主義思想の経済的・物質的基盤を崩壊させ、個人主義、利己主義とブルジョア思想をはびこらせる条件をつくりだすことになる。私的所有制度が個人主義を生み、資本主義的所有と資本主義的市場経済に基づいてブルジョア思想がはびこるのは必然的である。社会主義は、私的所有や資本主義的市場経済とは両立しえないのである。
社会主義制度がうち立てられ、社会主義の経済的・物質的基盤が強固に築かれたとしても、人々におのずと社会主義思想が身につくのではない。
人々を社会主義思想で武装させることは、思想分野における新しいものと古いものとのたたかいであり、人々の頭のなかにある古い思想をなくし、新しい社会主義思想で武装させる思想改造事業である。
ブルジョア思想をはじめ、古い反動的な思想はすべて個人主義に根ざしている。搾取社会はいずれも個人主義に基づく社会であったし、搾取社会で人々は数千年来、個人主義に毒されてきた。個人主義は人々の意識と慣習、生活のなかに深くしみこんだ極めて執拗かつ保守的な思想である。社会主義社会においても個人主義をはじめ、古い思想は容易になくならず、少しでもすきが生じ、条件がつくられれば復活し、広くはびこるようになる。
社会主義思想は、個人主義に根ざしたあらゆる古い思想と根本的に異なる新しい思想である。人々の頭のなかから古い思想を一掃し、かれらを新しい社会主義思想で武装させることは、人々の思想生活に根本的な変革をもたらす思想革命であり、それは地道で積極的な思想教育と思想闘争を通じてのみ実現されるのである。
社会主義社会において、内部に残っている古い思想と外部から浸透するブルジョア思想をはじめ、反動的な思想との闘争をぬきにしては、人々の頭のなかから古い思想を根絶することはできず、社会主義思想で武装させる教育活動を強力に展開せずには、人々の思想を改造することができない。社会主義の背信者は、人民を社会主義思想で武装させる活動を放棄する一方、「公開性」と「多元主義」のスローガンをかかげて人々のあいだに思想的混乱を引き起こし、反動的なブルジョア思想・文化の浸透に完全に門戸を開放した。社会主義社会で「公開性」と「多元主義」を主張するのは、結局、社会主義思想を抹殺し、ブルジョア反動思想を引き入れて社会主義社会を内部から瓦解させる反革命的策動である。
かつて少なからぬ党は、社会の物質的・経済的条件が社会的意識を規定し、物質的・経済的条件の変化にともなって社会的意識が変化するという唯物史観の命題を機械的に受けとめ、社会主義制度が樹立され社会主義建設が推進されて人々の物質・文化生活が向上すれば、思想・意識もそれに応じて変わるものと考え、思想活動にあまり関心を払わなかった。社会の物質的・経済的条件が社会主義的に改造されれば、人々の思想・意識もそれにともなっておのずと社会主義的に改造されるとみなすのは、社会主義思想と社会主義的思想改造過程の本質と特性に合わない誤った見解である。元々、人間の意識は客観的現実を反映するが、それをどのように受け入れるかは人間自体、すなわちその準備の程度にかかっている。人は知識に応じて見、聞き、感じ、受けとめるものである。人間がどのような思想・意識をもち、それがいかに変化し発展するかは、人間自体の準備の程度と、かれがどのような活動をし、どのような思想的影響を受けるかにかかっている。有産階級の出身であっても、思想的に目覚め、革命的影響を多く受ければ革命家になることができるのであり、労働者階級の出身だからといってすべてが革命思想をもつようになるわけでもない。社会主義社会においても、人々の頭のなかに古い思想が残っており、外部から反動的な思想の浸透と影響がたえず及ぶ状況のもとで、社会の全構成員を新しい社会主義思想で教育し改造する事業が、社会主義制度の樹立と物質的・経済的条件の造成によっておのずと順調に進められるものでないことは明白である。社会主義社会で人民に自主的で創造的な生活が営めるあらゆる条件をととのえ、恩恵をほどこしても、思想活動を正しく行わなければ、人々はそれを当然のこととし、社会主義制度の貴さとありがたさを深く感じなくなる。また、思想活動を行わなければ、社会主義社会で心配ごとがなくなり、安定した生活がつづくにつれ、人々のあいだで革命的熱意がしだいに冷め、安楽に暮らそうとする傾向があらわれるようになる。こうなれば、人々は社会主義のために献身できなくなり、ひいては帝国主義者と反動派のデマ宣伝に乗って資本主義に幻想をいだき、社会主義に対する背信の道に転げ落ちるようにまでなる。思想活動を放棄し、帝国主義の思想的・文化的浸透に門戸を開放した多くの国での社会主義崩壊の過程がこのことを示している。
思想教育と思想闘争は、人々を社会主義思想で教育し改造する最も効果的な方途である。我々の経験は、社会主義社会で人々を社会主義思想で武装させる思想活動を力強くくりひろげれば、各階層の人民をすべて社会主義的に教育し改造することができることを示している。
社会主義偉業は数世代にわたって進められる歴史的偉業であり、帝国主義とあらゆる反動派との熾烈な闘争のなかで進められる人民大衆の自主偉業である。社会主義偉業の前進にともなって思想活動をたえず深化、発展させなければならず、社会主義に対する敵の策動がはげしくなるほど思想活動をさらに強化しなければならない。
思想を基本にとらえ思想活動を優先させるところに、社会主義偉業を前進させ、成功裏に完成させていくカギがある。
２
社会主義社会における思想活動の基本的任務は、全社会を社会主義思想で一色化することである。
社会主義社会の発展、完成の過程は、ほかならぬ社会生活のすべての分野を社会主義思想の要求どおりに改造する過程であり、ここで何よりも重要なのは、社会の全構成員を社会主義思想で武装させ、全社会の思想的一色化を実現することである。社会主義社会での思想活動は、全社会の社会主義思想による一色化に奉仕しなければならない。
どの社会においても、支配階級は自己の思想の全一的支配を実現しようとする。社会が階級によって分裂し、人々の利害関係が対立している資本主義社会では、一つの思想による全一的な支配は不可能であり、不可避的にさまざまな思想が存在することになる。帝国主義者とその代弁者は、資本主義社会にさまざまな思想が存在するのを思想の「自由」とうそぶき、それがあたかも「自由世界」の誇りであるかのように宣伝している。しかし、独占資本家とその反動的支配層が出版物、通信、放送などの宣伝手段と教育手段を掌握している資本主義社会では、進歩的思想の自由な発展など考えられない。反動的ブルジョア支配階級は資本主義社会を民主主義社会に粉飾するため、進歩的思想をある程度許容しながらも、それがかれらの支配体制を少しでも脅かすものとみなすときには、容赦なく弾圧する。資本主義社会では外面上さまざまな思潮が許されているかのように見えるが、そこにはんらんしている各種各様の思潮はすべてブルジョア思想の異なる形態と表現にすぎない。帝国主義者のうそぶく思想の「自由」は、資本主義社会で進歩的な思想を抑圧し、ブルジョア反動思想を流布するために手段と方法を選ばないかれらの策動を「自由」の看板で粉飾し、他国に対する思想的・文化的浸透を正当化するための欺瞞的なスローガンである。
搾取と抑圧がなく、階級的対立が一掃された社会主義社会においてのみ、社会の全構成員が目的と志向、利害関係の共通性からして一つの思想で武装し、思想の一色化を実現することができる。社会主義思想は人間の自主的本性を反映し、人民大衆の自主性を実現する道を示す科学的な思想であり、人民大衆がそれを自己の思想として受け入れるのは当然である。人民大衆は社会主義思想で武装すれば、自己の運命を自主的に、創造的に切り開き、社会主義偉業を完成していくことができる。
帝国主義者と社会主義の背信者は、社会主義社会での思想教育を「画一主義」だの「思想注入」だのと非難している。これは社会主義を中傷するための途方もない捏造であり、ブルジョア宣伝の欺瞞性と反動性を合理化するための詭弁である。
社会主義思想は人民大衆を自主的な思想・意識と創造的能力を身につけた自主的な人間に育て、ブルジョア反動思想は人民大衆を資本の支配に従順に従う奴僕に、思想的・精神的いびつに転落させる。
ブルジョア反動支配層と資本の搾取と抑圧が支配する資本主義社会では、人民大衆の自主意識が抑圧され、かれらの志向と要求が無残に踏みにじられ、大衆の創造的知恵と才能は抑制され奇形化されている。帝国主義者と反動派は、あらゆる虚偽と欺瞞によって人民大衆の健全な思考力を麻痺させ、かれらのあいだにブルジョア反動思想と腐りきったブルジョア生活風潮を広めている。これこそ、人間の自主的な思想・意識の発展を妨げる思想弾圧であり、人民に反動思想を強要する犯罪的な思想注入策動である。
人民大衆は社会主義制度のもとで、社会主義思想で武装してこそ、あらゆる古い思想の影響と束縛から完全に抜けだして自己の自主的要求を実現し、個々人の個性と志向、知恵と才能を全面的に発展させることができる。社会主義思想は人民大衆の自主性を擁護し実現するための最も革命的な思想であるがゆえに、人々に無制限な思想的・精神的発展の道を開く、真の思想解放、人間解放の武器となるのである。社会主義思想は人民大衆の自主的要求に合致するすべての進歩的な思想を包摂し集大成した人類思想発展の総括であり、その最高峰をなす最も幅広く、最も先進的な思想である。人民大衆を社会主義思想で武装させる教育活動は、あらゆる古い思想の束縛から解放され、健全で豊かな思想・文化生活を営もうとする人民大衆の自主的要求と志向を実現するための活動である。労働者階級の党が人民を社会主義思想で教育するのは人民のためであり、人民に対する党の大いなる愛と配慮である。
人民大衆中心の社会主義制度のもとで朝鮮人民が享受している思想・文化生活とかれらの気高い思想的・精神的品格は、我が国の社会主義制度と社会主義思想、我が党が進めている思想教育の優越性と威力を明白に示している。我が国では困難かつ複雑な環境のもとでも、党と領袖を中心に全人民が一心団結し、全社会が一つのむつまじい大家庭をなしており、人々が骨肉のように助け合い、導き合いながら、自身と楽観にみちて働き、生活している。すべての人がそれぞれの志向と要求に従って思う存分学び、多様な文化・情操生活を楽しみ、知恵と才能を開花させている。これが党の指導のもとに思想活動を強化し一つの思想、社会主義思想で一色化されつつある我々の社会の真の姿である。
我々は、帝国主義者と社会主義の背信者の反動的思想攻勢を徹底的に粉砕し、社会主義思想教育をさらに強化して、人民が社会主義の科学性と真理性、不敗性を確固たる信念とするようにしなければならない。
朝鮮人民が体得すべき革命思想、社会主義思想はチュチェ思想であり、我が党の思想活動で基本をなすのはチュチェ思想教育である。
偉大な領袖金日成同志は、チュチェ思想を創始して人間中心の社会・歴史原理を明らかにし、社会主義思想を新たな科学的基礎のうえにおしあげた。チュチェ思想は、従来の社会主義学説の歴史的制約性と社会主義に対するあらゆる日和見主義的歪曲を克服し、人民大衆が自己の運命の主人として登場した歴史の新しい時代、自主時代の要求を正しく反映して、社会主義思想と理論を新たに発展させ、完成させた。チュチェ思想を指導指針とし、それを立派に具現してこそ、人民大衆の自主偉業、社会主義偉業を成功裏に遂行し、完成させていくことができる。我が党と人民があれほど困難な状況のもとで人民大衆中心の社会主義を立派に建設することができたのも、激変する国際情勢と厳しい環境のなかで我々の社会主義を固守し、成功裏に前進させているのも、チュチェ思想を指導指針とし、それを立派に具現してきたからである。実践は、チュチェ思想こそ現代の要求に適合する最も科学的な社会主義思想であることを実証している。
我々は今後も、チュチェ思想の旗を高くかかげて進み、革命と建設の各分野にチュチェ思想を立派に具現すべきである。我々は党員と勤労者のあいだでチュチェ思想教育を強化し、かれらがチュチェの革命的世界観を確立してチュチェ思想の要求どおり生活し働くようにすべきである。
集団主義は社会主義社会の基礎であり、社会主義思想は本質上、集団主義思想である。
社会的存在である人間の自主的要求は、集団主義を通じてのみ立派に実現され、社会主義社会は集団主義を具現した社会である。社会主義と資本主義とのだれがだれをというたたかいは、ほかならぬ集団主義と個人主義とのたたかいであり、資本主義に対する社会主義の優越性は個人主義に対する集団主義の優越性である。社会主義の勝敗は、集団主義をいかに具現するかにかかっていると言える。社会の全構成員を集団主義思想で武装させ、社会関係と社会管理、社会生活のすべての分野で集団主義の原則を立派に具現していくのは、社会主義を発展させ、完成させていく根本的保証である。
人間は自分一個人の利益より集団の利益を尊び、集団のために献身し、集団の信頼と愛のなかで生きがいと幸せを見出す集団主義的生命観を身につけてこそ、社会的人間の本性と社会主義社会の要求にかなった気高い思想的・精神的品格をそなえ、社会主義のための真の闘士になれる。社会主義社会で集団主義教育を弱め集団主義の原則を破るのは、とりもなおさず社会主義を放棄し、個人主義に基づく資本主義を復活させることになる。
我が党はこれまで、党員と勤労者のあいだで集団主義教育を地道に行い、社会主義建設の各分野で集団主義の原則を立派に具現してきた。こんにち、朝鮮人民のあいだでは、党と領袖、祖国と民族、社会と集団のためにすべてをささげてたたかう気高い集団主義精神が高く発揮されている。我々は集団主義教育をひきつづき強化し、全社会に一人はみんなのために、みんなは一人のために働き生活する気風がいっそう美しく開花するようにしなければならない。
党に対する忠実性は集団主義の最高表現であり、それは共産主義的革命家の最も大切な品性である。
労働者階級の党は人民の政治的生命の保護者であり、人民大衆の自主偉業を勝利に導く政治的導き手である。人民大衆は党の指導のもとでのみ、尊い政治的生命をもち、社会的存在としての真の生と幸せを享受することができる。人民は自分たちに政治的生命を与え、自分たちの運命を見守る党に忠誠をつくすことを革命的信念とし、信義とすべきである。
人民に対する党の愛と配慮は人民のあいだで忠誠心を生む。だからといって、すべての人がおのずと党の愛と配慮を深く感じ、それに忠誠をもって報いようとする高い自覚をもつようになるのではない。忠実性教育を着実に行わなければ、党の配慮のもとで育った人々のなかからも忘恩背徳の人間があらわれかねない。労働者階級の党は人民のための正しい政治を行うと同時に、人々のあいだで党に対する忠実性教育を力を入れなければならない。
金日成同志によって創立された我が党は、チュチェの革命偉業を立派に継承、発展させていく洗練された老練な党であり、社会の全構成員の政治的生命を守り、かれらの生活をあたたかく見守る真の母なる党である。我々は、党員と勤労者が我が党を限りなく信頼し、断固擁護し、党に自己の運命をゆだね、党の指導に忠実にしたがうよう地道に教育すべきである。
党に対する忠実性の基本的尺度は、党の路線と政策をいかに受けとめ、実行するかということである。党の路線と政策を最も正当なものとして受けとめ、限りない献身性を発揮してあくまで実行する人が真に党に忠実な人である。
我が党の路線と政策は、チュチェ思想を具現し、人民大衆の要求と利益を反映した朝鮮革命の正しい戦略戦術であり、人民の闘争と生活の指針である。我が党は、常に人民大衆のなかに入り、かれらの要求と利益を反映して政策を立て、人民大衆の力と知恵を引き出してそれを実行してきた。我が党のすべての政策は、人民大衆の意思を正確に反映したものであるため、大衆の絶対的な支持を受けており、大衆はそれを実行するため積極的に努力している。党員と勤労者が党の政策で武装し、それをあくまで実行するのは、我々の社会主義を固守し輝かしていく道であり、全人民にはりあいのある幸せな生活を営ませる道である。我々は党政策教育を強化して、すべての党員と勤労者が党政策の本質と正当性を明確に認識し、それを不動の信念とし、党の政策を絶対性、無条件性の原則であくまで実行するようにしなければならない。
社会主義偉業を最後まで完成するためには、社会の全構成員を革命伝統で武装させ、革命伝統を汚れなく継承、発展させなければならない。
革命伝統は社会主義の歴史的根源であり、革命の命脈をつなぐ思想的・精神的財宝である。社会主義の道を切り開いた領袖の思想と、領袖の指導のもとに革命の先達が血みどろのたたかいを通じて築きあげた革命偉業を固守し、継承、発展させていく過程が、すなわち社会主義偉業を完成させていく過程である。
革命伝統に対する態度と立場は、人民大衆の自主偉業、社会主義偉業に対する忠実性と裏切り、革命と反革命を判別する試金石である。真の革命家、共産主義者は革命伝統を擁護し、継承、発展させ、日和見主義者と革命の裏切り者は革命伝統を抹殺しようと悪らつに策動する。現代修正主義者と社会主義の背信者は領袖の指導的地位と権威をおとしめ、革命の先達が築いた業績を抹殺して社会主義を変質、崩壊させ、社会主義のイメージを甚だしく傷つけた。社会主義の大本を骨抜きにし、革命の道を切り開いた自己の領袖と革命の先達を冒涜し、社会主義の歴史的功績を抹殺するのは、最も卑劣で醜悪な背信行為であり、反革命的策動である。歴史的経験は、革命伝統を否定し抹殺すれば革命の代が絶え、血をもってかちとった社会主義の獲得物を台なしにすることを示している。
我が党と人民が継承すべき革命伝統は、金日成同志が比類なく困難な朝鮮革命を切り開き、成功裏に導いてくる過程で築きあげたチュチェの革命伝統である。チュチェの思想体系と共産主義的革命精神、貴い革命業績と深奥かつ豊富な闘争経験、革命的活動方法と人民的活動作風を基本内容とする我が党の革命伝統は、朝鮮革命の万年の礎である。我が党は敬愛する金日成同志によって築かれた栄えある革命伝統を断固擁護し、その純潔を守り、すべての党員と勤労者を革命伝統で教育することに常に深い関心を払ってきた。こんにち我が国では、革命伝統が社会主義建設と社会生活の各分野に立派に具現されている。我々は革命伝統教育をさらに強化して、すべての党員と勤労者が我が党の革命伝統で武装し、それを継承し発展させ、チュチェの社会主義偉業を最後まで完成させていくようにすべきである。
労働者階級の階級意識は社会主義思想の核をなし、それは人民大衆の自主的要求と根本的利益を反映した自主的な思想・意識である。
労働者階級は社会のどの階級よりも革命性と団結力が強く、自主性の強い階級である。自主的に生き、発展しようとする人民大衆の要求と志向を代表し、その実現をめざす闘争の先頭に立つのも、ほかならぬ労働者階級である。社会主義社会は労働者階級の階級的要求を具現した社会である。社会主義のための闘争においては常に、労働者階級の観点と立場を堅持しなければならない。労働者階級の観点と立場から逸脱すれば、それはただちに社会主義の変質をきたすことになる。社会主義の変質は階級的変質である。社会主義の背信者は、「新しい思考方式」だの「全人類的な価値」だのという欺瞞的なスローガンをもちだして人々の階級意識を麻痺させ、社会主義を階級的に変質させた。労働者階級の観点と立場を離れた「新しい思考方式」「全人類的な価値」とは、とりもなおさずブルジョア的思考方式、ブルジョア的価値観である。
労働者階級の観点と立場を守り、人々を労働者階級の階級意識で武装させることは、社会主義偉業遂行の全過程で常に重要な問題として提起される。もちろん、階級的教育の具体的内容は、革命と建設の前進にともなってある程度変わりうる。しかし、階級的教育はかたときもおろそかにしてはならない。社会主義制度を樹立するためにたたかう時期は言うまでもなく、社会主義制度が樹立された後にも、階級的教育はひきつづき強化しなければならない。社会主義を抹殺しようとする帝国主義者と、かれらと結託した敵対分子の蠢動がつづく状況のもとで、階級的教育をおろそかにすれば、敵に思想的に武装解除されるおそれがある。それゆえ、社会主義制度が樹立された後にも、人々を労働者階級の階級意識で武装させる活動を決してゆるめてはならない。
我が党は早くから、人々を労働者階級の階級意識で武装させることが共産主義教育の基本であることを明らかにし、階級的教育を地道に行ってきた。我々は現状に即応して階級的教育をいっそう強化して、党員と勤労者が労働者階級の階級意識で武装し、常に労働者階級の観点と立場を守り、搾取制度と帝国主義を憎悪し、それと断固たたかうようにしなければならない。特に、搾取され抑圧されたことがなく、厳しい革命の試練を体験していない新しい世代を労働者階級の階級意識で武装させることに深い関心を払わなければならない。
社会主義思想は階級解放の武器であるとともに、民族解放の武器であり、真の愛国主義思想である。
国と民族は歴史的に形成された人々の運命共同体であり、社会主義偉業は国と民族を単位にして遂行される。帝国主義者は他国、他民族の自主性を踏みにじり、民族間の反目と対立をあおり立てる。資本主義への道は搾取と抑圧、民族的不平等と従属の道である。これは帝国主義者に民族の独立を奪われ、植民地的奴隷生活を強いられてきた被抑圧民族のかつての歴史と、社会主義の背信者によって社会主義が崩壊し、資本主義が復活した国々の現実が如実に物語っている。社会主義は帝国主義のあらゆる侵略と干渉策動に反対し、国と民族の真の自主独立と繁栄を保障する。
自国の革命を立派に進めるのは、各国の労働者階級の党と人民が世界革命に対して担っている民族的任務である。自国の革命を立派に進めるためには、祖国と民族を愛し、国と民族の自主性を守らなければならない。国と民族の自主性を実現せずには、人民大衆の自主性も実現することができない。愛国愛族の精神を持してこそ、自国の革命に対し主人としての態度をとり、社会主義偉業のために献身的にたたかうことができる。祖国と民族を愛し、自国の革命に忠実な人は、他国と他民族の自主権を尊重し、それを侵害する行為とは断固たたかう。革命の民族的任務と国際的任務は統一されており、人民大衆の自主偉業に限りなく忠実な共産主義者は真の愛国者であると同時に、真の国際主義者である。
人民が社会主義偉業に忠実であるようにするためには、かれらに対する社会主義的愛国主義教育を強化しなければならない。我が党はこれまで、社会主義的愛国主義教育を思想教育の重要な課題として提起し、党員と勤労者のあいだでこれを強力におし進めてきた。こんにち朝鮮人民は、党の指導のもとに人民大衆中心の社会主義制度で生活し、革命を進める高い民族的誇りと自負にみちており、チュチェの社会主義祖国を熱烈に愛し、帝国主義者と反動派の反社会主義、反共和国策動を粉砕しながら社会主義の獲得物をかたく守っている。我々は社会主義的愛国主義教育を強化して、人民に社会主義の砦を守る革命的人民としての使命感を深く自覚させ、社会主義祖国の富強発展のために献身させなければならない。
社会の全構成員に気高い道徳品性を身につけさせるのは、社会主義を強化、発展させるための重要な要求である。
道徳は、良心によって自覚的に守られる社会的行動規範である。
階級社会において、道徳は階級的性格をおびる。搾取社会では搾取階級の道徳が支配的な道徳となり、それは搾取階級の利益を擁護し、勤労人民大衆を抑圧、搾取するのに奉仕する。道徳的腐朽性は搾取社会の不治の病であり、カネによってすべてが支配される資本主義社会において極に達する。
人々のあいだの同志的団結と協力が社会関係の基本となっている社会主義社会は、自己の本性にかなった新しい道徳の全面的な確立を求め、社会主義建設の進捗に伴って道徳の社会的機能と役割はいっそう高まる。ところが、かつて社会主義を建設していた一部の国では、社会主義社会の本性にかなった新しい道徳の確立に相応の関心を払わず、甚だしくは道徳について強調するのをあたかも革命性を弱めるかのようにみなす偏向まであらわれた。道徳は革命性と矛盾しないばかりか、革命性をいっそう強化する。社会主義が自己の本性にかなった道徳を確立し、その基礎のうえにしっかり立つとき、人民大衆の政治的・思想的統一と団結はいっそう強化され、全社会に健全かつ革命的な生活気風が確立され、社会主義建設が力強く推進されるようになる。
社会主義的道徳は、気高い同志愛と革命的信義に基づく集団主義的道徳である。社会主義的道徳は、勤労人民大衆のあいだに歴史的に伝わってきたすぐれた道徳的美風を継承し、社会主義社会本来の要求に従って新しく発展させた最もすぐれた道徳である。道徳の進歩性の基準は、人民大衆の自主的要求と利益である。人民大衆の自主的要求と利益は、進歩と反動を判別する政治的基準となるばかりでなく、善と悪を判別する道徳的基準となる。人民大衆の自主的要求と利益に合う行動は気高い道徳的行動であり、それに反する行動は不道徳な行動である。他人はどうなろうと一個人の安楽のみを求めて生きるよりも、革命的同志愛と信義に基づいて助け合い、導き合いながら、社会と集団のために生きることをこのうえなく誇らしい幸せな生き方とみなすのが、まさに社会主義的集団主義の道徳観である。
こんにち我が国では、社会主義的道徳が人々の心のなかに根ざして生活化されており、いたるところで気高い共産主義的美風が高く発揚されている。朝鮮人民は人間の尊厳と生を輝かす人民大衆中心の我が国の社会主義を命のように大切にし、それを守り輝かすことを気高い道徳的義務としており、自分たちに尊い政治的生命を与え、肉親の愛情をそそぐ党と領袖の信頼と配慮に忠誠をもって報いるのを革命的信義とみなしている。同志をこよなく愛し、同志のためとあれば、自分のすべてを惜しみなくささげる美挙は、こんにち我々の社会でありふれたこととなっている。我々の一心団結は、領袖、党、大衆が思想・意識と道徳・信義によってかたく結合した最も強固な団結であり、我々の社会主義は一つの思想と信念に基づき、愛と信頼の関係に基づいている不敗の社会主義である。経験は、全社会に社会主義的道徳を守る気風をうち立て、社会主義が人々の心と生活に深く根をおろすようにしてこそ、いかなる試練にあっても社会主義偉業を固守し、成功裏に前進させていくことができることを示している。我々は社会主義的道徳教育をひきつづき強化して、社会の全構成員が社会主義を守り、輝かしていくのを気高い道徳的義務とみなし、それを生活化、人生観化するようにしなければならない。
人々を社会主義思想で武装させることは、あらゆる非社会主義的思想要素とのたたかいのなかで進められる。
人々を社会主義思想で武装させ、かれらの頭のなかから古い思想を根こそぎ取り除く過程は、人々の思想・意識の領域から資本主義を最終的に払拭する深刻な思想闘争である。思想闘争の対象は人間そのものではなく、人々の頭のなかに残っている古い思想と、外部から浸透する反動的な思想である。
我々は、党員と勤労者のあいだで思想教育と思想闘争を強化して、個人主義、利己主義をはじめ、古い思想の残りかすを一掃しなければならない。
特に、幹部のあいだで権柄と官僚主義、不正腐敗行為との闘争を強化しなければならない。権柄と官僚主義、不正腐敗行為は搾取社会の産物であり、個人主義、利己主義に根ざしている。社会主義社会では権柄と官僚主義、不正腐敗行為が許されない。社会主義社会において、幹部は人民のうえに君臨する官僚ではなく、人民の忠僕である。幹部のあいだに権柄と官僚主義、不正腐敗行為が助長されれば、党と人民大衆の統一団結にひびが入り、社会主義がその生命力を発揮できなくなる。多くの国での社会主義の崩壊は、幹部のあいだに権柄と官僚主義、不正腐敗行為が助長されたこととも関連している。社会主義を固守し前進させるには、権柄と官僚主義、不正腐敗行為のささいなあらわれも黙過せず、妥協のないたたかいを展開して徹底的に克服しなければならない。
ブルジョア思想とブルジョア生活様式は、人間を精神的な障害者にする思想的毒素である。帝国主義者は、他国に対する思想的・文化的浸透を通じて人民を思想的に変質させ、それらの国を内部から瓦解させて自己の支配と統制下におこうとたえず策動している。帝国主義の思想的・文化的浸透は、「協力」と「交流」の看板のもとで強行される侵略と干渉の手段であり、反動的なブルジョア思想の毒素で人々の健全な思想・意識を麻痺させ、かれらを腐敗堕落させる悪らつな瓦解方法である。社会主義を固守し、国の自主的発展を保障するためには、帝国主義の思想的・文化的浸透を排撃しなければならない。こんにち、帝国主義者と反動派は我々の内部にブルジョア思想をはじめ、あらゆる反動的な思想とブルジョア生活様式が我々の内部に浸透できないようにしなければならない。
修正主義は、社会主義の革命的原則を骨抜きにする反革命的日和見主義思想潮流である。修正主義の最も大きな弊害は、革命と建設における党と領袖の地位と役割を否定し、社会主義政権の機能を弱化させ、資本主義に対する幻想をかもしだし、人民を思想的に武装解除するところにある。修正主義は結局、社会主義を放棄して資本主義に向かう道である。修正主義の反動的本質とその危険性を明確に認識し、あらゆる修正主義的思潮を徹底的に排撃しなければならない。
階級の敵の反社会主義的策動を粉砕して社会主義偉業を完成させる重要な保証は、人々を社会主義思想で武装させるところにある。 我々はこれまでと同様、今後とも党員と勤労者を社会主義思想で武装させる思想教育を強力におし進めなければならない。
３
社会主義社会での思想活動は、社会主義本来の要求にかなった原則と方法で行わなければならない。
思想活動の任務と内容が正しく定められれば、その後の成果は思想活動をどのような原則と方法で行うかにかかっている。思想活動を社会主義本来の要求にかなった原則と方法で行ってこそ、社会の全構成員を社会主義思想で教育し改造する活動を成功裏に進めることができる。
社会主義社会での思想活動は、労働者階級の党の指導のもとに全党的、全国家的、全社会的な活動として強力に展開しなければならない。
我々の思想活動は、人民大衆を社会主義思想で武装させ、革命と建設の各分野で社会主義の思想的陣地をかため、大衆の革命的熱意と創造的積極性を高く発揮させる活動である。したがって、党および国家機関と勤労者団体をはじめ、すべての機関と団体は、その使命と任務に即して人民大衆を社会主義思想で武装させる活動を行い、すべての部門、すべての単位の幹部は大衆のあいだで思想活動、政治活動を力強く展開しなければならない。
思想活動に対する労働者階級の党の指導を確固と保障することは、思想活動の最も重要な原則である。
労働者階級の党は革命と建設を指導する最高の政治組織であり、党の指導をぬきにしては思想活動を社会主義偉業遂行の要求に即して統一的に進めることはできない。思想活動に対する党の指導が確固と保障されてこそ、思想分野へのいかなる不純な思想の浸透も防ぎ、思想活動の革命的・社会主義的性格を固守することができ、全社会に対する一つの思想、社会主義思想の全一的な支配を可能にする。労働者階級の党は、思想活動をしっかり掌握すべきであり、それに対する指導を一歩も譲ってはならない。思想分野での妥協と譲歩は、変質と敗北を意味する。思想活動に対する労働者階級の党の指導を弱めたり否認したりするのは、社会主義の思想的陣地を切り崩し、ブルジョア反動思想を引き入れ、広める策動である。
労働者階級の党は、思想活動に対する党の指導を否認するあらゆる策動を徹底的に排撃し、すべての思想活動を統一的に掌握して唯一的に指導しなければならない。労働者階級の党は、各級党組織を通じて思想活動を直接行うと同時に、出版・報道、文学・芸術を始め思想・文化部門と国家機関、勤労者団体、教育機関がそれぞれの使命と任務にしたがって大衆に対する教育を正しく行うよう掌握し指導すべきである。
マス・メディアと文学・芸術は、大衆を教育し奮起させる強力な思想的武器である。
社会主義社会では、マス・メディアと文学・芸術をはじめ、思想・文化手段がすべて党の指導のもとに、人民大衆の自主的要求に即して社会主義偉業を固守し前進させるのにあくまで奉仕しなければならない。社会主義社会の思想・文化手段は労働者階級の党の指導と統制から外れれば、反革命の道具に利用されるようになる。かつて社会主義を建設していた多くの国で、社会主義の背信者と反動派が思想・文化手段を掌握して社会主義への攻撃に利用したのは、このことを実証している。労働者階級の党は、マス・メディアと文学・芸術をはじめ、思想・文化手段をしっかり掌握し、その役割をたえず高めて、すべての思想・文化手段が社会主義の思想戦線で各自の使命と任務を立派に遂行するようにしなければならない。
社会主義国家は、政治、経済、文化をはじめ社会生活の各分野を統一的に指導し管理する。思想・文化の教育者的機能は、社会主義国家の基本的機能の一つである。
社会主義国家は、国家管理と経済管理をはじめ、社会生活の各分野に対する指導、管理において社会主義的原則を固守し、社会主義の優越性を高く発揮させることにより、社会主義的要求に即して人民の物質生活を円滑に保障するとともに、かれらが健全で豊かな思想・文化生活を十分に享受できる条件をととのえるべきである。国家機関は社会主義的法規範と規定を正しく制定し、各分野に整然たる社会主義的管理秩序をうち立て、人民が法規範と管理秩序を自覚的に守るように指導、統制すべきである。社会主義国家が社会生活の各分野を社会主義的原則に基づき、社会主義的要求に即して指導、管理することは、人民に実践を通じて社会主義思想を体得させ、社会主義生活になじませるうえで大きな作用を及ぼし、それはまた、社会主義社会に古い思想が復活し外部から浸透するのを防ぐ重要な保証となる。
社会主義国家は、平等と互恵の原則で世界各国との経済・文化の交流と協力を積極的に発展させると同時に、その過程でブルジョア反動思想と腐り切ったブルジョア文化と生活風潮が浸透しないよう、相応の注意を払わなければならない。国家機関が外国との経済・文化交流において社会主義的原則を忘れ、経済・文化の交流と協力を無秩序に行うならば、帝国主義の思想・文化が浸透できる門戸を開放することになり、社会主義を危険に陥れる重大な結果をまねくことになる。社会主義国家は、帝国主義の思想・文化の浸透から社会主義制度と人民を守るための行政的・法的対策を立てなければならない。
社会主義社会における勤労者団体は、社会の構成員を階級別、階層別に結集する政治組織であり、同盟員に対する思想教育を基本任務とする思想教育団体である。搾取と抑圧が支配し各階級、階層の利害関係が対立している資本主義社会では、大衆団体が自己の階級、階層の利益を擁護してたたかうことを基本任務としているが、階級的対立関係が一掃された社会主義社会では勤労者団体の使命と任務が根本的に変わる。社会主義社会では人民が国家と社会の主人となり、各階層人民の利害関係が統一されているので、国家的、全人民的利益のなかに各階層人民の利益があり、社会共同の繁栄のなかに社会構成員各人の幸せがある。そのため社会主義社会の勤労者団体は、同盟員が国家と社会の主人として各自の責任と役割を果たすよう教育し、指導することを基本的使命とする。社会主義社会の勤労者団体が資本主義社会でのように自己の組織に結集した階級、階層の「利益」のみを主張するなら、それは個々の階級、階層の「利益」と、党と国家と人民の利益とを対立させることであり、そのような組織は反国家的、反社会主義的な組織に転落することになる。かつて社会主義を建設していた一部の国で、党が広範な大衆を自己のまわりに結集することができず、反革命との対決で敗れた主因の一つは、ほかでもなく勤労者団体に対する指導を正しく行わなかったところにある。労働者階級の党は、勤労者団体がその使命と特性に即して同盟員を立派に教育してかれらを党のまわりにかたく団結させ、社会主義建設に積極的に立ち上がらせるよう正しく指導しなければならない。
特に、青年組織にその役割を十分に果たせることに深い関心を払うべきである。革命の前途と社会主義の将来は、新しい世代がいかに準備されるかにかかっている。社会主義社会の青年組織は労働者階級の党の政治的後続隊であり、新しい世代を社会主義偉業の信頼すべき継承者としてしっかりそなえさせる栄誉ある任務をになっている。青年組織がその本務に力を入れず、種々の行政実務的活動に偏るならば、新しい世代を社会主義思想で教育し育成することはできない。青年組織が思想活動を弱めるなら、新しい世代は党と革命、祖国と人民のために献身的に働かず、一個人の安楽のみを追い求め、外部から浸透するブルジョア自由化の風潮に染まるようになる。労働者階級の党は青年組織に対する指導を強化し、青年組織がその本務と青年の特性に即して思想教育を積極的に行い、すべての青年を革命の継承者に立派に育てるようにすべきである。
社会主義社会の教育機関は、人々に対する思想教育、新しい世代に対する思想教育に大きな力を入れなければならない。社会主義社会で育つ新しい世代はすべて一定の教育体系に網羅されているので、新しい世代を教育し育成するうえで教育機関の任務は極めて重大である。社会主義教育は、純然たる知識や技術のみを教える実務的な活動ではなく、革命的人材を育てる重要な革命活動である。社会主義社会の教育機関は、社会主義教育学の原理に即して新しい世代に先進科学技術と知識を修得させると同時に、思想教育を強化してかれらを社会主義偉業に忠実な革命的人材にしっかり育てなければならない。
社会主義社会では、すべての部門、すべての単位の幹部が思想活動、政治活動を行わなければならない。
政治活動はすべての活動の第一工程である。人々を教育し発奮させる政治活動を正しく行ってこそ、大衆の革命的熱意と創造的積極性を奮い起こし、提起された革命課題を成功裏に遂行することができる。
政治活動は党活動家や思想部門の活動家だけの活動ではない。社会主義社会の幹部はどの部門、どの単位でどんな仕事にたずさわるにせよ、だれでも政治活動を行わなければならない。政治、経済、文化、軍事などすべての部門の幹部はだれであれ、政治活動、対人活動を自分に負わされた重要な革命任務、革命課題遂行の第一工程とし、それを活発に展開すべきである。
こんにち我が国では、すべての党組織と国家機関、思想、文化機関、勤労者団体、教育機関がいずれもそれぞれの使命と任務に即して党員と勤労者、青少年を社会主義思想で教育し改造する活動を行っており、すべての部門、すべての単位の幹部が政治活動を優先させて、提起された革命課題を立派に遂行している。我々はこれからも、党の指導のもとに思想活動を全党的、全国家的、全社会的な活動として力強くおし進め、社会主義の思想的陣地をうちかためなければならない。
社会主義社会では、人々を教育し改造する活動を大衆自身の活動にかえなければならない。
思想改造は人民大衆のための活動であり、人民大衆自身がすべきことである。人民大衆は自己の運命の主人であるため、当然、自己の思想を改造するうえでも主体となり、思想改造に主人らしく参加しなければならない。思想改造は、大衆自身の活動となり、広範な大衆が積極的に参加してこそ、成功裏に行われる。
思想改造を人民大衆自身の活動にかえるには、各種形態の大衆的思想改造運動を強力に展開することが極めて重要である。大衆的思想改造運動は、広範な大衆が互いに教育し、同時に教育される運動である。
我が党は革命発展の各段階に、革命の要求と大衆の政治的・思想的準備の程度に応じて大衆的思想改造運動を発起し、積極的に展開してきた。解放後には建国思想総動員運動をくりひろげて、日本帝国主義思想と封建思想の影響を一掃し、人々を建国思想で武装させ、戦後の社会主義建設期にはチョンリマ（千里馬）運動を力強く展開して、人々を社会主義的に教育し改造するうえで立派な成果を達成した。全社会のチュチェ思想化偉業が全面に提起されているこんにち、我が党は思想、技術、文化の三大革命を力強くおし進める三大革命赤旗獲得運動をくりひろげて、社会の全構成員をチュチェ型の共産主義的革命家に育てている。
我が国では広範な大衆が思想改造運動に積極的に参加しており、すべての人が互いに教育し教育されている。平凡な労働者、農民の共産主義的美挙から大衆とともに幹部も教育され、平凡な兵士の英雄的行為から指揮官まで教育されている。我々は今後も、革命発展の要求と大衆の準備の程度に応じて大衆的思想改造運動をひきつづき力強く展開しなければならない。
大衆的思想改造運動で重要なのは、模範的行為を大いに助長し、それを大衆のあいだに広く一般化することである。模範的行為は不正に対する無言の批判であり、人々の大きな共感を呼び起こす。模範が優位を占める社会主義社会では、大衆の教育、改造において模範的行為をもって感化する方法を基本とすべきである。朝鮮革命が前進してきた困難かつ栄えある闘争の過程で、党と領袖、祖国と人民のために自己のすべてをなげうってたたかった真の共産主義的革命家と英雄戦士が輩出した。抗日革命烈士と祖国解放戦争の英雄、社会主義建設の功労者と隠れた英雄は、共産主義的革命化の立派なかがみである。我が党はすべての党員と勤労者に、革命烈士と英雄戦士、功労者と労働革新者の気高い思想的・精神的品格を見習わせる活動を力強く展開してきた。
こんにち、朝鮮人民のあいだに共産主義的美風が高く発揚されている誇らしい現実は、模範的行為による感化教育と大衆的思想改造運動の生命力を明白に示している。我々は大衆のあいだで思想改造運動を力強くくりひろげて人々の思想をたえず改造し、共産主義的に働き、生活する美風が全社会にいっそう高く発揚されるようにすべきである。
思想教育は学習と組織生活を通じて、革命実践と密接に結びつけて行うべきである。学習と組織生活、革命実践は思想教育の重要なポイントであり、効果的な方途である。
人々は学習によって思想的修養を積み、革命の思想的・精神的糧を得る。学習を強化してこそ、革命的世界観を確立し、革命闘争と建設事業を立派につづけることができる。社会主義社会ではだれもが学習を生活化し、日常的に熱心に学習しなければならない。
こんにち我が国では、全党、全人民、全軍が学習する整然とした体系がうち立てられて定期的に運営されており、社会の全構成員が定期学習と講演会などの集団学習に欠かさず参加して誠実に学んでいる。我が国では学習が人民の日常生活となり、一つの社会的気風となっている。我々は全党と全社会に革命的学習気風をさらに強くうち立て、すべての人が熱心に学習するようにしなければならない。
革命的組織生活は思想鍛練の溶鉱炉であり、革命教育の学校である。人間は組織生活を通じて政治的、思想的に教育され、革命的に鍛えられる。党員の党組織生活と勤労者の勤労者団体組織生活は、かれらの政治的生命の要求を実現するための政治・思想生活であり、社会の全構成員が一定の政治組織に参加して組織生活をするのは社会主義社会の本性にかなった政治・思想生活方式である。我が国ではすべての勤労者と青少年学生が党および勤労者団体と青少年組織に加わって組織生活をしながら政治的、思想的に教育され、政治的生命を輝かしている。我が国で人々を社会主義思想で教育、改造する事業が成功裏に行われているのは、社会の全構成員が政治組織生活を通じて教育されていることと重要なかかわりがある。我々はすべての党員と勤労者、青少年学生が組織に対する正しい観点と立場に立って組織生活に自覚的に誠実に参加するようにしなければならない。
人間の思想は革命的実践のなかで鍛えられ、強固になり、実践を通じて検証される。人々の頭のなかに残っている古い思想も実践の過程であらわれる。思想教育と革命実践を密着させてこそ、人々の頭のなかに残っている古い思想を克服し、かれらを社会主義思想で武装させる活動で成果をあげることができる。我が党は革命課題の遂行課程が思想修養と思想鍛練の過程になるようにして、人々を実践を通じて教育、改造する問題を立派に解決している。我々は、党員と勤労者が祖国の富強発展のための実践闘争と誇らしい社会主義生活を通じて社会主義思想を学び強固にし、思想的に鍛えられるようにすべきである。
思想活動の行政化、形式主義を徹底的に克服し、それを清新かつ実質的に行うべきである。
行政化、形式主義は労働者階級の党の活動方法とは縁もゆかりもない極めて有害な活動方法であり、それは思想活動で許されないものである。労働者階級の党が政権を掌握したからといって、権力を利用して自己の思想を押しつけたり、思想活動を内容もなく格式化され型にはまったものにしては、人々を教育し改造することができない。思想活動を行政的方法で、形式主義的に行うのは、手間をかけず、たやすい方法をとろうとする誤った活動態度である。思想活動において行政化、形式主義を許せば、人々の思想を改造することができないばかりか、ついには社会主義の思想的陣地を切り崩す重大な結果をまねきかねない。
社会主義社会では、思想教育をあくまでも社会主義本来の要求と思想改造の特性に即して、解説と説得の方法で行うべきである。元々、思想は強要できるものではなく、行政的方法で押しつけることもできない。労働者階級の党は解説と説得の方法で、人々が社会主義思想を自分の思想として受け入れ、確固とした信念にするよう、たえず啓発し、忍耐強く教育しなければならない。
思想教育は対象の特性と準備の程度に応じて、さまざまな形式と方法で行うことが大切である。人々の思想・意識水準と知識程度、性格と趣味が異なり、生活経緯と活動条件が同じでないため、思想教育を一つの処方で行っては成果をおさめることができない。形式主義の古い枠をうちこわし、対象の特性と準備の程度に合う形式と方法で、現実に即して行うべきである。宣伝資料や扇動資料を一つつくるにしても、真実性、科学性、親切さが保障されるように作成し、講習や講演、解説対話をするにしても手間をかけて十分に準備してから行うべきである。
思想活動を着実に進めるためには、活動家が常に大衆のなかに深く入り、かれらとともに働き、呼吸をともにしながら、大衆を教育する気風を確立しなければならない。我が党は早くから、全党が大衆のなかに入ろうというスローガンを示し、活動家が大衆のなかに入って抗日遊撃隊式に思想教育を行うようにした。すべての活動家は、党の伝統的な活動方法の要求どおり大衆のなかに入るのを自己の本分、義務とみなし、日常的に大衆のなかに入ってかれらを社会主義思想で教育、改造する活動を活発に行わなければならない。
思想を基本にとらえ思想活動を確固と優先させるのは、革命と建設の指導において我が党が一貫して堅持している原則である。我が党は今後とも思想活動を強化し、すべての活動に思想活動を優先させる原則を貫いて、チュチェの社会主義偉業を固守し、立派に完成させていくであろう。
社会主義は人類の未来であり、社会主義運動は自主的な新しい世界を創造するための人民大衆の偉大な運動である。人民大衆の意識的な闘争によって、社会主義運動は発展し勝利する。世界における社会主義運動は、社会主義思想で覚醒し団結した人民大衆のたたかいによって必ず勝利するであろう。