金 正 日

党のまわりにかたく団結し、新たな勝利を
めざして力強くたたかおう
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部への談話 
−1995年1月1日− 


 今朝、わたしは人民軍の責任幹部とともに金日成同志の霊殿を訪ね、新年のあいさつをしました。わたしはこの30年間、毎日、電話で金日成同志と仕事の打ち合わせをしてきました。金日成同志から電話が毎日、かかってきたことを思うと、懐かしさが込みあげて、なんとなく寂しくなりました。それで、人民軍の軍部隊を訪ねる前に錦繍山議事堂へ行って金日成同志にあいさつをしたのです。それで少し気が軽くなったような気持ちになりました。

 我々は、血の涙のうちに1994年を送り1995年の新春を迎え、チュチェの革命偉業をあくまで達成する覚悟をかためなければなりません。わたしは新年を迎えて全人民に、「金日成同志の戦士、金日成同志の教え子らしく、わが国、わが祖国をより富強にするため、われらすべてが一心一体となって奮闘しましょう」という書簡を送りました。わが国は金日成同志が取り戻してくれたチュチェの朝鮮であり、わが祖国は金日成同志が建ててくれた人民大衆中心の社会主義祖国です。我々は、チュチェの朝鮮と人民大衆中心の社会主義のためにたたかわなければなりません。

 わたしの新年の書簡にたいし、多くの部門が決起集会を開いて決議文を送ってきましたが、その内容はみな立派なものです。わたしが新年の書簡で金日成同志の教え子だと言ったのは、わが国の幹部はみな金日成同志の教えを受けて育てられた戦士であるからです。わが国の幹部は、みな偉大な領袖金日成同志の指導のもとで育ちました。

 わが党には、自分の指導者に忠実な中核が大勢います。党に忠実な中核がわたしを積極的に支えてくれているので、この金正日将軍もありうるのです。一人では、将軍になれません。わたしは、中核の知恵を集め、彼らをよりどころとして政治をおこなっています。すべての幹部がわたしと一心一体となって、わが国、わが祖国をより富強にするため奮起しなければなりません。歌にもあるように、革命家は指導者と志をともにしなければなりません。一心一体になるということは、指導者と人民の血が通い合うということです。我々は一心一体となってかたく団結し、新たな勝利をめざして力強くたたかっていかなければなりません。

 金日成同志は解放直後、降仙製鋼所への現地指導から建国事業に取りかかり、戦後の復興建設の困難な時期にも、降仙製鋼所への現地指導によって突破口を開きました。わたしは新たな進軍の年を迎え、社会主義を固守しさらに輝かすため、まず、人民軍の軍部隊を現地指導しました。

 社会主義を固守し輝かすためには、何よりもまず人民軍を強化しなければなりません。

 我々は昨年、核問題をめぐりアメリカと会談をおこなって朝米基本合意文を取り交わし、アメリカ大統領の保証書簡を取りつける一方、年末には、わが国の領空を侵犯したアメリカ軍の偵察ヘリコプタ一を撃墜しました。これは昨年、我々がアメリカ帝国主義者との対決でおさめた大きな勝利です。人民軍の高射砲兵たちが、わが国の領空を侵犯したアメリカ軍のヘリコプターを一撃のもとに撃墜したことを人民は非常に痛快に感じています。

 人民軍が強いので、我々はこのようにアメリカ帝国主義者に堂々と対抗して、国の自主権と人民の幸福を守りとおしているのです。1920年代、わが国に来ていたアメリカの宣教師は、地面に落ちたリンゴを一つ拾って食べた朝鮮少年の額に塩酸で「泥棒」という文字を刻みつける蛮行をはたらきました。しかしいまは、アメリカ帝国主義者は朝鮮人民にむやみに手出しすることはできません。

 人民軍が強く、我々がアメリカ帝国主義者との対決で大きな勝利をおさめているからといって、これに満足してはなりません。狼の本性が変わらないように、アメリカ帝国主義の侵略的本性は絶対変わりません。我々が帝国主義の元凶であるアメリカ帝国主義者と直接対峙し、今なお国の統一をなし遂げていない状況のもとでは、人民軍の強化を片時もおろそかにしてはなりません。今年も人民軍の強化に引き続き大きな力を注ぐべきです。

 人民軍は、党風にもとづく軍紀を確立すべきです。人民軍は、党の軍隊、最高司令官の軍隊です。人民軍は、党風にもとづく軍紀を確立して、党の軍隊、最高司令官の軍隊としての使命と役割を果たさなければなりません。

 人民軍にたいする給養活動に力を入れることが大切です。我々は、人民軍軍人の生活や訓練、軍務遂行に不便をきたさないよう、給養活動に万全を期するべきです。

 軍需生産の強化に努めるべきです。そうしてこそ、人民軍に近代的な兵器と弾薬を十分に供給することができます。幹部は、軍需生産をおろそかにすればアメリカ帝国主義者の餌食になるということを肝に銘じ、軍需品の増産に力を注がなければなりません。

 朝鮮革命の内部基盤、社会主義の階級的基盤をさらにかためる必要があります。

 これは、金日成同志が打ち立てた人民大衆中心の朝鮮式社会主義を固守し、輝かすための重要な保証です。最近、敵が「宥和政策」を使って我々の内部を瓦解させ、人民大衆中心の朝鮮式社会主義を崩壊させようと狡猾に策動している状況のもとで、社会主義の階級的基盤をかためなければ重大な結果をまねくことになります。我々は、党員と勤労者が、社会主義を熱烈に信奉し、社会主義偉業をあくまで達成するため断固たたかうようにしなければなりません。

 党の革命的経済戦略を貫徹して国の経済を発展させ、人民の生活を一段と向上させるべきです。

 人民の生活を向上させるうえで重要なのは、食の問題を解決することです。今年はなんとしても農業を立派に営み、人民の食の問題を解決しなければなりません。農業問題に関しては、昨年2月の全国農業大会に送った金日成同志の書簡に具体的な課題が示されているので、それを確実に実行することです。

 一般消費財の生産、供給にも関心を払うべきです。みそ・しよう油は朝鮮人民の食生活において米に劣らず大切なものです。みそ・しよう油がうまければ、いろいろな副食物をおいしく加工して食生活を改善することができます。人民に美味なみそ・しよう油を供給するためには、近代的なみそ・しよう油工場を建設しなければなりません。そして、おいしいみそ・しよう油を大量に生産するのです。暖房問題も人民の生活にとって重要な問題の一つであるため、責任をもって解決しなければなりません。

 今年、我々に提起されている課題を成功裏に遂行するためには、幹部が各自の役割を立派に果たす必要があります。

 いま、朝鮮人民の思想・精神状態は良好です。金日成同志を亡くしたいま、朝鮮人民は実に団結力の強い立派な人民であることをいまさらのように感じました。わたしは、我々の前途を楽観しています。要は、幹部が自分の役割をどう果たすかにあります。幹部はみな、革命が困灘と厳しさを伴えばそれだけ、党と領袖への高い忠誠心と崇高な犠牲的精神を発揮して、各自の任務を確実に遂行しなければなりません。

 思想部門、文芸部門の活動に力を入れることが重要です。

 音楽は、人々を革命的に教育し、闘争へと奮い立たせる強力な武器です。わたしは、『同志愛の歌』が好きです。この歌には、党の意志がよく反映されています。わたしは1970年代に文学・芸術部門の指導にあたった際、活動家たちに志をともにしようと言いましたが、その思想を盛り込んで『同志愛の歌』がつくられました。かつて、金日成同志は、同志愛によって切り開かれた朝鮮革命を同志愛によって勝利に導くべきであると述べましたが、この教えは実に名言です。

 戦時歌謡『塹壕で歌う』の「愛する父母妻子を両のかいなに抱きしめたい」という一句はすばらしい歌詞です。この歌詞は、表現が非常に生き生きとしています。人は家庭への愛着がなければなりません。家庭への愛着があってこそ、社会主義祖国を愛する愛国主義も生まれるのです。我々は、人民に社会主義的愛国主義の精神と朝鮮民族第一主義の精神を植えつけるごとに深い関心を払わなければなりません。我々の社会主義祖国、わが民族は、金日成朝鮮、金日成民族です。

 以前につくられた歌を多く見つけ出して歌うようにすべきです。新人の歌手は1960年代や70年代の歌をよく知らないはずです。それらの歌は個別に歌うより、いくつかをメドレー形式にして歌う方がよいでしょう。

 いま、テレビやラジオで流されている音楽はほとんど、ポチョンボ・エレクトロニック・アンサンブルのものです。この楽団はわたしが80年代から育ててきたのですが、90年代に入って効果が見えてきました。歌手たちは、10代の若手アーチストを集めて10年ほど育てたのですが、いまでは、彼女らはわが国の音楽発展において重要な役割を果たしています。ポチョンボ・エレクトロニック・アンサンブルの音楽は、朝鮮音楽の源泉であり、あらゆる部門の歌がそろっています。この楽団では、人民が好む昔の曲も編曲して普及しています。

 わたしは、ポチョンボ・エレクトロニック・アンサンブルを最高司令部の軍楽団と同等にみなしています。そして、しばしば課題を与えて歌をつくらせ、すぐれた歌ができたら全国に普及させています。この楽団でつくる歌は、わたしが手を加えて完成させています。この楽団のアーチストは、いっそう発奮すべきです。

 わが国では、党の指導のもとで時代と人民の要求を反映したすばらしい歌が多くつくられ、広く歌われています。国が栄えれば歌声も高まるものです。金日成同志は生前、国が栄えて楽ができるようになったと語っていました。新年を迎えて、人民のほがらかな笑い声がいっそう高まるようにしなければなりません。

出典:『金正日選集』14巻


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