金 正 日

革命的党建設の根本問題について
朝鮮労働党創立47周年にさいして執筆した論文
-1992年10月10日-


目  次
1 社会主義政権党建設の歴史的教訓
2 チュチェの革命的党建設の基本原則
3 革命的党の国際主義的団結と連帯


 今日、革命的な党と人民に提起されている最も重要な課題は、社会主義偉業を固守し発展させていくことである。今、社会主義偉業は試練をなめているが、社会主義は依然として革命的党の闘争目標となっており、進歩的人類の志向となっている。これは、ことしの4月、平壌で採択された、社会主義偉業を擁護し前進させるという宣言に世界の多くの革命的党が署名した事実が明白に示している。

 社会主義偉業をいかに前進させるかということは、それを導く党をいかに建設し、その指導的役割をいかに高めるかにかかっている。社会主義をめざす闘争の歴史は、労働者階級の党の建設と活動の歴史だといえる。社会主義のために労働者階級と勤労人民大衆が血を流してたたかってきた全路程は、勝利のカギも党の建設と活動にあり、失敗の原因も党の建設と活動にあることを示している。

 革命的党が平壌宣言を共同の闘争綱領とし、社会主義をめざす新たなたたかいに立ちあがっているとき、党建設の歴史的経験と教訓を正しく総括することは、極めて重要な意義をもつ。これは、我が国の幹部と党員に、労働者階級の革命的党を破壊しようとするあらゆる階級敵の策動に警戒心を高め、党をたえず強化し、その指導的役割をさらに高め、社会主義偉業をひきつづき力強く推進させるためにも切実な問題である。


1 社会主義政権党建設の歴史的教訓

 多くの国での社会主義の挫折は、深刻な教訓を残している。ここで我々は、数十年間、困難なたたかいを展開し、社会主義偉業を導いてきた党が一朝にして崩壊した原因を明確に知ることが何よりも大切である。それは、党の指導がとりもなおさず社会主義偉業の生命線であるからである。

 社会主義は人民大衆の自主的要求を反映した先進的な社会であり、人類が社会主義に進むのは歴史発展の流れである。社会主義に進む人類史の流れは労働者階級の党によって導かれ、社会主義社会の前進は労働者階級の党をたえず強化発展させていくことを求める。近年、一部の国で社会主義政権党が崩壊し、社会主義が資本主義に逆戻りしたのは、人類史の全般的な流れからすれば、正常な軌道からはずれた一時的な現象だといえる。

 社会主義を建設していた党の崩壊は、党の建設と活動の環境と条件からしても、不正常な現象である。党の建設と活動の環境と条件からすれば、社会主義社会は資本主義社会に比べてはるかに有利である。社会主義社会では、労働者階級の党の建設と活動を制約する社会経済的および階級的条件が取り除かれ、党の社会的・階級的基盤がいっそう広くなり、党がその人民的施策によって人民大衆に支持され信頼される可能性が大きくなる。にもかかわらず、社会主義政権党が崩壊したのは、党の建設と活動を正しく行わなかったためである。

 労働者階級の党の建設と活動において最も重要なのは、党の組織的・思想的基礎を強固にすることである。

 労働者階級の党は労働者階級の思想に基づいて組織された政治組織であり、その組織的・思想的基礎をいかに築くかは、その存亡を決する根本的要因となる。労働者階級の党は、その創立を準備する時期から党建設の全過程において、組織的・思想的基礎を強固に築かなければならない。党の組織的・思想的基礎を強固に築くことは、党の指導の継承問題が提起されるとき、いっそう重要な問題となる。それは、この時期に内外の階級敵と権力欲にとりつかれた陰謀家、野心家の策動がいっそう露骨になるからである。

 党の組織的・思想的基礎が堅固であれば、社会主義政権党を破壊しようとする帝国主義者と階級敵のいかなる策動も十分破綻させることができる。党内にあらわれる背信行為は、外部からの破壊策動にもまして党の存亡を左右する大きな危険となるが、背信行為を防ぐか否かは、党の組織的・思想的基礎がどれほど堅固であるかにかかっている。党内で革命的原則が固守され、党が組織的、思想的にうちかためられれば、党の指導部が革命の裏切者の手に渡ることはないはずであり、例え、渡ったとしても、かれらは反革命的路線を党組織と党員にたやすく押しつけることはできないはずである。しかしながら少なからぬ党は、ブルジョア自由化風潮の侵入によって党の組織的・思想的基礎が弱まり、そのすきに乗じて革命の裏切者が反革命的路線を公然と押しつけるようになった。特に、党の組織的・思想的基礎において根幹をなす幹部陣容がしっかりとかためられず、かれらのあいだに思想的変質が生じて、少なからぬ幹部が革命と反革命を見分けられなくなり、裏切者の反革命的正体を知るようになってからも思想的に共感して盲従するか、保身をはかって追従した。もちろん、堅実な共産主義者は党員としての良心を捨てず、党と社会主義を守るためにたたかった。しかし、かれらのたたかいは、長い期間にわたる党の変質によって生じた反革命的逆流にうちかつことができなかった。

 労働者階級の党の建設と活動で提起される重要な問題はまた、党の大衆的基盤を強固にすることである。

 労働者階級の党は人民大衆の利益の代表者であり、大衆のなかに根を下ろすのは、その存在の必須の条件である。大衆の支持をぬきにしては、労働者階級の党はその存在を維持することができない。

 社会主義政権党が大衆的基盤を強固にするためには、社会主義建設を立派に進めて社会主義制度の優位性を高く発揮させると同時に、党が大衆との活動を正しく行って、かれらを社会主義思想で武装させなければならない。元々、労働者階級の党は人民大衆の利益を擁護してたたかう人民大衆自身の党であるため、勤労人民大衆が労働者階級の党に反対するのは、つまるところ自分自身に反対することになる。しかし、社会主義政権党が社会主義建設を正しく組織指導できないために社会主義制度の優位性を正しく発揮させることができず、党内において官僚主義などの古い活動方法と作風、贈収賄などの不正腐敗行為を克服することができなければ、党は大衆から浮き上がるようになる。官僚主義についていうなら、それは社会主義建設の初期にもあらわれた。幹部の頭に古い思想が残っており、社会主義社会の管理経験がない状況のもとで、古い活動方法と作風があらわれるのはある程度避けがたいことであった。しかし、当時は、搾取と抑圧からの解放をもたらしてくれた労働者階級の党と社会主義政権に対する労働者、農民の支持があつかったので、幹部の古い活動方法と作風が革命の獲得物を危うくするほどの悪影響は及ぼさなかった。だが、歳月の流れとともに人々の階級的自覚が鈍り、生活上の要求が高まった反面、革命的鍛練に欠けた新しい世代が幹部陣容に加わるにつれ、官僚主義はいっそう甚だしくなり、社会主義建設の初期にはわずかにすぎなかった不正腐敗行為まで少なからずあらわれるようになった。

 これは、労働者階級の党と社会主義社会の本性に根ざすものではなく、古い思想の残りかすとブルジョア思想によって生じるものであるため、党が組織・思想活動を強め、闘争を展開すれば十分克服できる問題である。しかし、少なからぬ党が、党の組織・思想活動に相応の関心を払わなかったため、官僚主義や不正腐敗行為のような不健全な要素を克服することができなかった。一方、人民大衆を社会主義思想で武装させる教育活動をおろそかにし、帝国主義の思想的・文化的浸透に門戸を開いたため、少なからぬ大衆が政治的自覚を失い、帝国主義者と反動派の反社会主義的策動にのせられるようになった。社会主義の裏切者と反動派は「民主主義」と「公開主義」の看板のもとに、社会主義政権党内にあらわれた欠陥を世論操作に利用したが、人民大衆が社会主義思想で武装していたなら、その少なからぬ人が反革命分子の策動に踊らされて党と政府に反対するまでにはいたらなかったであろう。

 社会主義の挫折をまねいた社会主義政権党の変質過程は、労働者階級の党建設の革命的原則を放棄しはじめたときからはじまった。労働者階級の党建設の革命的原則は、早くからマルクス・レーニン主義によって提示された。マルクス主義の創始者は、労働者階級の革命闘争を勝利に導くためにはその前衛部隊が必要であるということから、労働者階級の政治組織として共産主義者同盟を組織し、第1インターナショナルを創立し、党の指導のもとに国際共産主義運動の発展のために積極的に活動した。その過程で、マルクス主義の創始者によって一連の党建設原則が示された。レーニンはマルクス主義の党建設原則を固守しながら、資本主義が帝国主義の段階に移行し、プロレタリア革命の機が熟した新たな歴史的環境に即応して党建設理論を発展させ、労働者階級とともに貧農を革命の原動力として位置づけ、新しい階級的土台を踏まえて革命的党を建設した。レーニン党の指導のもとにロシアで10月社会主義革命が勝利した結果、マルクス・レーニン主義党建設原則は、共産党、労働者党の普遍的な党建設原則として公認されるようになった。

 人民大衆が自己の運命を自主的に、創造的に切り開いていく自主の新しい時代は、党建設理論も新しく発展させることを求めた。マルクス・レーニン主義党建設理論は、主として労働者階級の党が政権掌握をめざしてたたかっていた時期の理論であって、そこには政権を掌握した労働者階級の党が党の建設と活動をどう進めるべきかという問題は具体的に示されていなかった。党が政権を握り社会主義制度を樹立したあと、社会の指導的政治組織としての党の建設と活動においては、新たに解決を要する数多くの理論、実践上の問題が提起された。しかし、少なからぬ党は、マルクス・レーニン主義を指導指針にするということで、それに教条的にとらわれ、社会主義建設の現実的要求に即応して党建設理論を発展させることができなかった。そのため、党が政権党としての位置に即応して党の隊伍を組織的、思想的にうちかため、大衆的基盤を強化する問題をはじめ、党の建設と活動で新たに提起される問題を正しく解決することができなかった。マルクス・レーニン主義党建設理論の制約性が露呈するようになると、それを奇貨に現代修正主義者は労働者階級の党を変質の道に引きこんだ。現代修正主義者は、変化した環境と条件にふさわしくマルクス・レーニン主義党建設理論を発展させるという口実のもとに、その革命的真髄を除去し、党を系統的に弱体化させ、党の指導的機能を麻痺させた。

 社会主義社会は、労働者階級の党をたえず強化し、その指導的役割を高めることを求める。集団主義に基づく社会主義社会は、党の正しい政治的指導がなくては維持されず、社会主義・共産主義建設という前人未到の道を成功裏に切り開いていくことができない。社会主義社会では、安定した生活が長くつづくに伴って、搾取と抑圧を知らず、苦労もしたことのない新しい世代をはじめ、少なからぬ人々のあいだに、しだいに革命性がなくなり、安逸をむさぼる傾向があらわれかねない。これらのことは、党を強化し、その指導的役割を高め、党員と人民を革命的に教育する活動をいっそう積極化することを求める。ところが、少なからぬ社会主義政権党は、社会主義制度が樹立されたあとは経済建設さえすれば万事が解決するかのように考え、党を強化し、党員と人民を革命的に教育する活動をおろそかにした。社会主義制度の樹立後、社会主義政権党には経済建設が重要な課題として提起されるが、経済建設一面を強調するだけで、党を強化し、党員と人民を革命的に教育する活動をおろそかにするなら、経済建設そのものも円滑に進めることができず、社会主義の獲得物まで失いかねない。

 社会主義政権党と社会主義制度が1、2 の国にとどまらず、幾つもの国で連続的に崩壊したのは、党の建設と活動において主体性を確立しなかったためである。

 主体性の確立は、革命的党の建設と活動の根本的要求である。労働者階級の革命的党は、あらゆる支配と従属に反対し、勤労人民大衆の自主性を実現するためにたたかう自主的な政治組織である。したがって、革命的党は、党の建設と活動で提起されるすべての問題を自分の頭で考え、自分の力で解決していかなければならない。もちろん、国際共産主義運動の一時期、共産主義中核が準備されていなかった国の場合、党建設の偉業遂行において国際的中央の指導と援助も必要とされた。

 歴史の発展と革命の前進に伴い、世界各国では共産主義中核と革命力量が成長し、各国の党はそれぞれの国の具体的実情に即して革命を自主的に進めていけるようになった。こうした歴史的条件のもとで、1つの国際的中央が世界各国の党と革命運動を統一的に指導するのは現実に合わなくなり、そのためコミンテルンはその存在を終えるようになった。

 コミンテルンは解散したが、その後も共産党、労働者党間の関係では従前のならわしが持続し、それは社会主義の道を先に開拓した大国の党の路線と政策をそのまま受け入れるところにあらわれた。他国のすぐれた経験は取り入れることができるが、その場合にも自国の実情に合わせて創造的に適用すべきである。国によって具体的実情が異なる状況のもとで、他国の経験を教条的に取り入れては、社会主義を正しく建設することができない。にもかかわらず、少なからぬ党は他国の党の路線と政策をそのまま取り入れることになれていたため、他人が社会主義の原則を捨てて修正主義の道に走るときにも、それをそのまま取り入れ、しまいには社会主義の裏切者が反革命的路線を押しつけるのを受け入れるまでにいたった。こうして、ソ連と東欧諸国で社会主義政権党があいついで崩壊し、ほとんど同時に社会主義制度が崩れ去る事態が生じた。もし、社会主義政権党が自国の革命の責任を担っている主人としての態度で、党の建設と活動で提起されるすべての問題を主体的立場に立って自国人民の要求と自国の実情に合わせて解決していったなら、幾つもの国で社会主義政権党と社会主義制度があいついで崩壊するような事態は発生しなかったであろう。

 苦難にみちた革命闘争を通じて政権を握り、数十年のあいだ社会主義を建設してきた党が崩壊し、社会主義制度が崩れ去った過程は深刻な教訓を残している。

 多くの国で社会主義政権党と社会主義制度が崩壊した歴史的教訓は、社会主義偉業を最後までなし遂げるためには、社会主義思想の純潔を固守しなければならないということである。

 歴史的経験は、思想が変質すれば労働者階級の党と社会主義制度も変質し、自己の存在を終えるようになることを示している。党内に裏切者があらわれ、党が組織的、思想的に瓦解したのも、民心が変わったのも、思想の変質からはじまった。思想が変質すれば、強大な経済力や軍事力も無力な存在になり、数十年の発展過程をへてきた社会主義制度も崩壊するものである。

 社会主義をむしばむ最も危険な思潮は修正主義と教条主義、事大主義である。

 社会主義思想と直接対立する思想はブルジョア思想であるが、ブルジョア思想は社会主義思想の牽引力をおしとどめることはできない。搾取階級の貪欲な階級的要求を反映したブルジョア思想は、いくら偽善的な言葉で粉飾しても、その反動的本質を隠すことはできない。勤労人民大衆が、自己の自主性を蹂躙する搾取階級の要求を反映したブルジョア思想でなく、自己の自主的要求を反映した社会主義思想を受け入れるのは、当然なことである。それゆえ、帝国主義者と資本家は、社会主義思想をかれらの気に入るように直した修正主義を思想的道具として利用したのである。修正主義は、昔も今も社会主義偉業の遂行において主なる危険となっている。修正主義は共産主義運動内にあらわれたブルジョア思想の反映であり、資本主義国においては社会主義への革命的移行の道を阻み、社会主義国では資本主義復活の道を開くとともに、帝国主義者の「平和的移行」戦略の思想的道具として利用されてきた。我々は、現代修正主義がいかに巧妙に自分を偽装したとしても、その反動的本質を見ぬき、それに断固反対し、排撃しなければならない。

 社会主義偉業の遂行において、教条主義、事大主義がまた危険な思想的要素となる。教条主義、事大主義は、社会主義思想がその生命力を正しく発揮できないようにする。教条主義、事大主義にそまると、自分の信念に基づいて活動するのでなく、他人のいいなりになり、他人が修正主義に走れば自分も修正主義を引き入れ、しまいには発達した資本主義諸国に幻想をいだき、資本主義的方法もやたらに引き入れるようになる。我々は教条主義、事大主義のさ細なあらわれも許さず、常にチュチェの信念をもち、すべての問題を朝鮮人民の要求と我が国の実情に即して解決していかなければならない。

 多くの国で社会主義政権党と社会主義制度が崩壊した歴史的教訓はまた、社会主義偉業を最後までなし遂げるためには、指導の継承問題を正しく解決しなければならないということである。

 社会主義政権党が崩壊した責任は、決して一般党員大衆にあるとはいえない。どの国においても一般党員大衆は労働者階級の党の偉業に忠実であったし、党が崩壊したことに心を痛めた。問題は、革命的指導の継承性を正しく保障できなかったところにある。

 階級敵との熾烈な闘争のなかでその前途を切り開いていく社会主義偉業の運命は、それに対する指導をいかに保障するかにかかっている。社会主義をめざすたたかいは長い歴史的期間にわたって世界の多くの国で発展してきたが、常に正しい指導が保障されたわけではない。社会主義偉業に対する指導は、その中心に卓越した指導者をおしたてるときにのみ立派に保障される。人民にとって、すぐれた英知と卓越した指導力、高邁な徳性を身につけ、不滅の業績を積みあげることにより人民大衆の絶対的な信頼を得ている領袖の指導を受けることにまさる幸運はない。いうまでもなくこれは、領袖としてたたえられる偉大な指導者をおしたてることのできない人民は社会主義偉業を遂行することができないということを意味するものではない。社会主義偉業を導く指導者の品格で最も大切なものは、社会主義偉業と人民への忠実性である。指導者は知恵も、指導力も、徳性も、人民大衆のなかで体得するものである。人民は教師であり、人民をぬきにした卓越した指導者というものはありえない。常に人民大衆のなかに入って人民の意思を酌み取り、人民大衆の力に依拠してすべてのことを解決していくのが正しい指導を保障することであり、こうした人民的指導風格を身につけた指導者が人民の真の指導者である。人民の意思に背を向け、人民の力を信じないのは裏切者の本性である。このような裏切者が権力の座を占めるようになると、そのために人民がこうむる不幸ははかりしれない。人民にとって最大の不幸は指導者にめぐまれないことである。

 社会主義社会で指導の継承問題を正しく解決するためには、党が強大でなければならない。一般的に共産主義運動の指導者の品格と資質は、熾烈な階級闘争のなかで鍛えられ洗練される過程を通じて形成されるが、社会主義社会の新しい世代の指導者の品格と資質は、主に党生活と社会主義建設の実践のなかで鍛えられ洗練される過程を通じて形成される。社会主義社会で、党生活と革命実践を通じて鍛えられ洗練されたすぐれた指導者をおしたてるためには、党が強大でなければならない。歴史的経験は、党を組織的、思想的に強化し、党の原則を守る基礎のうえで指導の継承問題を先を見通して解決していくならば、十分に社会主義偉業と人民に忠実で有能なすぐれた指導者をおしたて、社会主義偉業を成功裏に遂行できるということを示している。

 多くの国で社会主義政権党が崩壊し、社会主義制度が崩れ去ったことは、人民大衆の自主偉業の遂行にとって大きな損失となる。しかし、失敗から教訓を酌み取り、自主的に、創造的に党建設の革命的道を切り開いていくならば、いっそう革命的で戦闘的な党を建設し、党の指導のもとに社会主義偉業をたえず前進させることができるであろう。


2 チュチェの革命的党建設の基本原則

 多くの国で社会主義政権党が崩壊し、社会主義制度が崩れ去った苦い教訓は、我々に我が党の主体的な党建設路線の正当性をより深く体得し、それを貫徹するためにさらに奮闘することを求めている。

 我が党は、党の建設と活動におけるすべての問題を常に主体的立場に立って我々の方式で解決してきた。我が党もこれまで党の建設と活動を他人のやり方をまねてしたなら、被害をまぬがれなかったであろう。我が党が歩んできた路程にも、ひところ他人のやり方に追従することを要求する外部の圧力と分派事大主義者の策動があった。しかし、我が党は主体的な路線から一歩も退かなかった。党の建設と活動を我々の方式で進めてきたがゆえに、今日の複雑な情勢のもとでも、我が党は一心団結した戦闘的部隊として革命と建設を力強く導いているのである。

 偉大な領袖金日成同志はチュチェ思想に基づいてチュチェの革命的党を創立し、指導する過程で、チュチェの党建設理論を創始して全面的に体系化し、党建設において不滅の業績ととうとい経験を積みあげた。これは、我が党をチュチェ型の革命的党にたえず強化発展させることのできるしっかりした元手、確固たる裏付けとなる。

 チュチェ思想は、我が党の唯一の指導思想である。

 党の指導思想は、党の闘争目的とそれを実現するための原則と方途を示す党の基本理念である。党の指導思想によって党の性格が規定され、党の建設と活動の基本方向が規制される。党は思想をともにする人々の政治組織であるので、科学的で革命的な指導思想をうちだすことは、党建設において第一義的に解決すべき重要な問題である。党は科学的で革命的な指導思想をもってこそ、党員と人民に党の偉業の正当性と勝利の信念をいだかせ、党隊列と革命隊伍の思想、意志の統一と団結を実現し、正しい戦略戦術に基づいて革命と建設を勝利に導くことができる。

 労働者階級の革命的党の指導思想は、革命の主体である人民大衆の自主的要求と利益を反映しているという点で共通性があるが、国ごとに実情が異なるのでそれぞれの特性をもたざるをえない。かつては、すべての国の党が公認された一つの指導思想をもたなければならないということだけが強調され、個々の国の党が自己の指導思想をもって自主的に活動し、指導思想を創造的に発展させるべきであるという問題は軽視された。これは、各国がそれぞれの実情に即して自主的に党を建設し、革命を進めるうえで障害となった。自主的立場と創造的立場に立って正しい指導思想をうちだし発展させてこそ、それを指導指針として党を自主的に建設し、革命と建設を成功裏に遂行することができる。

 党が発展する現実と自己の実情に即した指導思想をうちだすからといって、党の建設と活動において一貫して堅持すべき革命的原則を放棄してはならない。社会主義偉業を遂行する過程で党の活動条件と任務は変わるので、それに応じて党の建設と活動における理論的・実践的問題を創造的に解決すべきであるが、党の階級的性格と歴史的使命は変わりえないので、革命的原則は変わることなく堅持されなければならない。環境と条件が変わるからといって革命的原則を放棄するのは、とりもなおさず革命的党を破壊し、人民大衆の革命偉業を裏切ることになる。

 金日成同志はチュチェ思想を創始することによって、現代の要請と我が国の実情に即して党の指導思想をうちだす問題を立派に解決した。革命思想の正当性と生命力は、その思想が人民大衆の自主的要求と利益をどれほど正しく反映し、その実現の道をどれほど科学的に示しているかによって規定される。チュチェ思想は、労働者階級をはじめ、勤労人民大衆の根本的要求を最も正しく反映し、その実現の道を最も科学的に示している。労働者階級をはじめ、勤労人民大衆の根本的要求は、人間による人間の搾取と抑圧を一掃し、人民大衆が国家と社会の主人として自主的で創造的な生活を思う存分享受することにある。チュチェ思想は、人民大衆の自主的要求を正しく反映し、その実現の道を全面的に示しているがゆえに、人民大衆が自己の運命の主人として歴史の舞台に登場した新しい時代を代表する労働者階級の最も完成された革命思想となる。チュチェ思想を指導指針として党の建設と活動を進めるとき、党をたえず強化発展させ、革命と建設を成功裏に遂行することができるというのは、既に朝鮮革命の実践によって実証された真理である。

 党を勤労人民の大衆的党に建設することは、我が党建設の基本的方針である。

 かつては党を一定の階級の利益を代表し、擁護する階級的政治組織、階級闘争の武器とみなしてきた。党は一定の階級の要求と志向を実現するためにたたかう階級の前衛部隊であるが、党を一定の階級だけのための党に建設しては、革命的党としての本分を果たすことができず、広範な人民大衆の支持を受けることもできない。広範な人民大衆が自己の運命の主人として登場した現代の歴史的条件は、労働者階級の党を全人民の利益を代表し、勤労するすべての階級、階層の先進分子を結集する大衆的党に建設することを求めている。各階層の大衆がすべて社会主義的勤労者となり、社会的・階級的構成がますます単一化している社会主義社会においては、労働者階級の党を大衆的党に建設することがいっそう切実な要求として提起される。

 金日成同志は現代の要請と朝鮮革命の具体的な現実を科学的に洞察し、大衆的党建設の理論を示して、革命的党建設の新たな道を切り開いた。金日成同志が示した大衆的党建設の理論は、革命と建設の主人は人民大衆であり、革命と建設をおし進める力も人民大衆にあるというチュチェの革命原理に根ざしている。社会主義偉業は、人民大衆のために人民大衆自身が遂行する偉業である。社会主義が広範な人民大衆の志向となり、社会主義のための社会的・階級的基盤が著しく拡大された今日、社会主義偉業をめざしてたたかう党は当然、全人民大衆の利益を代表し、広範な勤労人民大衆のなかに根を下ろした大衆的な党に建設されなければならない。

 党を大衆的党に建設するからといって、党の革命的・労働者階級的性格を弱めたり、変えたりしてはならない。党の階級的性格は、それがうちだす指導思想と闘争目的によって決まり、党の革命性は労働者階級の革命思想と社会主義偉業に対する忠実性にあらわれる。労働者階級の偉業は全人民の利益と一致し、労働者階級は広範な人民大衆をそのまわりに結集してこそ、社会主義偉業を成功裏に遂行することができる。したがって、党を全人民の利益を擁護し、労働者階級だけでなく、農民、勤労インテリもその構成成分にする大衆的党に建設するのは革命的党建設の合法則的要求である。これまでの経験は、党を勤労人民の大衆的党に建設しなければ、革命の試練の時期に党が共産主義者の少数の政治集団の境遇に転落することを示している。党を人民大衆の自主的要求と利益をあくまで擁護し、広範な勤労人民大衆のなかに根を下ろした大衆的党に建設すれば、党と大衆の血縁的つながりを確固と実現し、党のまわりに団結した人民大衆の底知れない力に依拠して社会主義偉業を成功裏に実現することができる。

 金日成同志は大衆的党建設の路線に基づいて、人民大衆の利益を擁護し、労働者、農民、勤労インテリの先進分子を結集するチュチェの革命的党を建設することによって、大衆的党建設の立派な模範を示した。金日成同志は、大衆的党としての我が党の特性に即して党マークに労働者、農民を象徴するハンマーと鎌とともに、勤労インテリを象徴する筆を配するようにし、党が大衆と混然一体となり、全人民大衆に自主的で創造的な生活を保障するため忠実に奉仕するよう導いた。我が党が人民大衆の絶対的な支持と信頼を受ける不敗の革命的党に強化発展し、党と大衆が生死運命をともにする一つの社会的政治的生命体となり、革命の強力な主体をなしたのは、金日成同志の大衆的党建設路線の輝かしい結実であり、これは我々のあらゆる勝利の確固たる裏付けとなっている。

 党内において思想と指導の唯一性を確固と保障するのは、我が党建設の根本的原則である。

 革命的党の強固さと生命力は、思想と指導の唯一性によって保障される。思想と指導の唯一性が保障されてこそ、全党の思想、意志の統一を実現し、革命と建設に対する党の指導を正しく保障することができる。

 党内における思想と指導の唯一性は、卓越した領袖の指導を受けるときに最も立派に実現される。すぐれた英知と卓越した指導力、高邁な徳性を身につけた領袖は、人民大衆の自主的要求と利益を正しく反映して路線と政策を提示し、人民大衆の創造的活動を正しく組織指導する。領袖の思想と指導に従わず、領袖の偉業を継承しない党は革命的党といえない。

 党内における思想と指導の唯一性は、中央集権的な規律によって保障される。党の路線と政策をすべての党組織と党員が義務的に実行し、党中央の指示によってすべての党員がひとしく動く中央集権的な活動体系と秩序が確立されるとき、思想と指導の唯一性が確固と保障される。

 党内における思想と指導の唯一性を実現するのは、民主主義と矛盾しないばかりか、真の民主主義を保障する確固たる裏付けとなる。党内における思想と指導の唯一性が保障されず、無原則の民主主義が許されれば、党的鍛練が足りない幹部のあいだにあらわれる官僚主義と専横によって民主主義がおさえられ、党内に潜入した不純分子によって党の統一団結が破壊され、分裂が助長される。かつて一部の党において無規律と無秩序がつくりだされ、党内に分派が生じて党が四分五裂し、最後には自己の存在そのものを維持できなくなったのは、民主主義だけを強調し、党内における思想と指導の唯一性を保障しなかったことと少なからぬ関連がある。党内において思想と指導の唯一性と民主主義が正しく結びつくとき、党員間の真の同志的団結がなしとげられ、上下一心が十分に保障され、党の路線と政策が成功裏に貫徹される。我が党は党内における思想と指導の唯一性を保障することを党建設の根本的原則とし、全党に唯一思想体系、唯一的指導体系を確立することによって、我が党を領袖の指導のもとにひとしく思考し行動する必勝不敗の戦闘的隊伍に強化発展させることができた。我が党建設の経験は、党内における思想と指導の唯一性を確固と実現したうえで民主主義を保障すれば、全党が一つの思想、意志でかたく団結し、革命と建設を力強くおし進めることができるということを示している。

 党の統一団結を強化することは、我が党建設の中心的課題である。

 党の統一団結は党の生命であり、その威力の源である。党の統一団結が破壊されれば、党は自己の存在そのものを維持することができない。党の統一団結は、全社会の政治的・思想的統一をなし遂げるための先決条件である。広範な人民大衆が党と領袖のまわりに一つにかたく団結してたたかうところに、社会主義社会をすみやかに発展させる基本的推進力があり、その不敗の力の源がある。全社会の政治的・思想的統一は、党の統一団結をぬきにしては考えられない。党は人民大衆を領袖と組織的、思想的に結びつける中核力量である。人民大衆を領袖のまわりにかたく結集し、全社会の政治的・思想的統一をなし遂げるためには、その中核力量である党の隊列から統一団結しなければならない。

 党の最も強固な統一団結は、領袖を中心とする全党の思想、意志および道徳的・信義的統一団結である。義務感による結合や実務的な団結は長つづきせず、革命の厳しい試練を乗りこえることができない。一つの思想、意志と革命的信義に基づいて領袖のまわりにかたく結束した一心団結のみが、いかなる難関や試練にもうちかつ不敗の統一団結となりうる。

 党の統一団結を強化する活動は、たえず深化しなければならない。党の統一団結がなしとげられたといって自己満足し、それを強化するたたかいをつづけなければ、統一団結はしだいに弱まり、ついには破壊される。特に、革命の代がかわり、内外の情勢が複雑なときに、党の統一団結を守るたたかいを正しく展開することが重要である。歴史的経験は、革命の代がかわり、内外の情勢が複雑なときに野心家、裏切者があらわれ、党の統一団結を破壊するために策動するということを示している。

 党の統一団結を守るたたかいは、結局、党の統一団結をむしばむあらゆる異質的な思潮とのたたかいである。党の統一団結をむしばむ最も危険な思潮はセクト主義などの反革命思潮である。党内で反革命的思潮が許されれば、それをよりどころにして反党集団が形成され、党を破壊するようになる。党の統一団結を守るためには、地方主義、家族主義などの不健全な思想的要素もいましめなければならない。地方主義、家族主義は分派の温床であり、それを黙認するとしだいに助長されて分派となり、党の統一団結を破壊しかねない。我々は、党の統一団結をむしばむ異質的な思想的要素が古い思想の影響によっても生じ、外部から浸透することもありうるということを忘れず、常にそれに深い注意を払うべきである。

 歴史的経験は、社会主義社会では党の統一団結がもはや破壊されないだろうと考え、党の統一団結の強化に関心を払わなければ、党内に分派勢力があらわれ、それが党外の反革命勢力と結託して党に挑戦する重大な事態まで生じかねないことを示している。党の統一団結を強化する活動を党建設の中心的課題としてしっかりとらえ、たえず深化するとき、党の統一団結を代を継いで強化発展させることができる。

 我が党は、既に久しい前に党の統一団結を確固と実現したが、それに満足することなく、領袖を中心とする全党の一心団結を強化するたたかいをひきつづき力強く展開することによって、今日のような複雑な情勢のもとでも微動だにしない不敗の統一団結をなし遂げることができた。

 思想を基本にして党をかためるのは、我が党建設の一貫した方針である。

 党は思想の共通性によって団結した人々の政治組織であるので、党隊列は思想を基本にしてかためなければならない。党隊列を思想を基本にしてかためるというのは、党の思想をどれほど信念化しているかを基本とし、社会主義偉業に忠実な人たちで党隊列をかためることを意味する。思想・意識水準が高く、社会主義偉業に忠実な人たちで党隊列をかためてこそ、党の強固な思想、意志の統一と強い革命性を保障し、革命闘争と建設事業で党員の前衛的役割を高めることができる。それゆえ、党隊列をかためるうえで、あくまでも本人の思想・意識水準がどれほど高く、社会主義偉業にどれほど忠実であるかを基本とし、人々の社会的・階級的立場と土台は参考にしなければならない。敵対的階級が一掃され、社会の全構成員が社会主義的勤労者になった社会だからといって、党隊列をかためるうえで思想を基本にする原則に違反してはならない。社会主義社会においても、政治的、思想的に鍛えられていない人々のあいだに、私利や功名のために入党しようとする傾向があらわれかねない。私利や功名をはかる人は党員の資格がなく、そういう人が入党すれば、党の権威と威信がそこなわれ、党が弱体化するおそれがある。

 思想を基本にして党をかためるうえで、幹部陣容を党と領袖、革命に限りなく忠実な活動家でかためることは極めて重要である。幹部は党の根幹的力量であり、大衆の教育者であり、革命の指揮メンバーである。党の強固さは幹部陣容の質的構成に大きくかかっている。幹部は能力もなければならないが、何よりも思想が堅実でなければならない。党と領袖、革命に対する忠実性は幹部の第一の表徴である。幹部陣容を党と領袖、革命に対する忠実性を基本にしてかためるのは、党の運命にかかわる根本問題である。思想を基本にして幹部陣容をかためるうえで基本的障害は、幹部事業において情実、縁故関係など、党の原則に違反することである。幹部事業で党の原則に違反すると、幹部陣容に鍛練の足りない人が入り、不純分子までまぎれこむおそれがある。

 我が党は、幹部陣容の純潔を保つために、幹部の任免承認手続きを厳格にし、党委員会の集団的合議と一致可決の原則に基づいて幹部を選抜、配置するようにした。そのため、革命実践を通じて点検された忠実で有能な人のみを幹部に登用することができた。我が党の経験は、思想を基本にして党隊列と幹部陣容をかためてこそ、党を組織的、思想的に強化し、それに基づいて党の偉業を代を継いで完成していくことができるということを示している。

 思想の一色化を実現するのは、我が党の基本的任務である。

 社会主義・共産主義の建設過程は、労働者階級の革命思想で全社会を一色化する過程である。我が党は全社会のチュチェ思想化を朝鮮革命の総体的任務としてうちだし、思想も技術も文化もチュチェの要求どおりに改造して社会主義・共産主義の思想的要塞と物質的要塞を占領するたたかいを積極的にくりひろげてきた。

 思想の一色化で基本は、社会の全構成員を一つの思想で武装させることである。人間は社会の主人であり、人間の価値と品格を規定し、すべての行動を規制するのは思想・意識である。したがって、全社会を一つの思想に基づいて改造するためには、人間の思想から教育改造しなければならない。

 人間は自然と社会を改造する主体であるばかりでなく、自分自身を改造する主体である。社会の客観的条件の変化発展も人間の思想改造に影響を及ぼす。特に社会制度の変化発展は、思想・意識の変化発展に大きな影響を及ばす。しかし、客観的条件の変化がおのずと人間の思想・意識の変化をもたらすわけではない。思想・意識は人間の要求と利害関係を反映した意識であり、相対的な強固さを有する。客観的環境と条件が変わっても、人間が自分の思想・意識を改造する活動をくりひろげなければ、思想・意識は改造されない。社会主義制度が樹立されれば人々がおのずと社会主義思想をもつようになると考え、思想改造をおろそかにするなら、社会主義社会においても古い思想が息を吹きかえすおそれがある。人間の思想を改造するのは、社会関係を変革し、生産力を発展させることよりむずかしい。古い思想は非常に保守的であり、すきさえあれば息を吹きかえす。特に帝国主義と対峙している状況のもとで、思想改造は深刻な階級闘争を伴う。それゆえ、思想改造により大きな力を入れ、それをすべての活動に確固と優先させなければならない。

 社会の全構成員を一つの思想で一色化するためには、すぐれた思想がなければならない。人間の思想・意識には空白がありえない。古い思想をしりぞけることのできるすぐれた思想がなければ、思想改造を成功裏に実現することができない。

 金日成同志はチュチェ思想を創始し、ほぼ70年にわたり苦難にみちた革命闘争を指導する過程で、革命家がいかに生き、いかにたたかうべきかを全面的に明示し、その立派な模範を示すことによって、思想改造の立派な思想的・精神的財貨をもたらした。金日成同志の革命思想と革命活動史は、全社会の思想の一色化を実現するうえでこのうえなく貴重な教科書となり、かがみとなっている。抗日の革命烈士と祖国解放戦争の英雄戦士、社会主義革命と社会主義建設の英雄たちが発揮した党と領袖に対する忠実性、祖国と人民に対する献身性の模範も、思想改造の貴重な元手となっている。

 すぐれた思想があるからといって、古い思想がおのずとしりぞくものではない。もちろん、思想がすぐれていれば、それだけ牽引力も大きいものである。しかし、帝国主義者と反動派が社会主義思想を中傷し、ブルジョア反動思想を粉飾するためあらゆる卑劣な策動を弄している状況のもとで、人々が先進思想を受け入れる過程は決して簡単なものではない。反動的ブルジョア思想に反対し、先進的社会主義思想で武装させるたたかいを通じてのみ、人民は革命的に教育改造される。反動的ブルジョア思想の浸透を防ぎ、人々を社会主義思想で武装させる思想活動を強力に展開することは、社会主義を建設する党に提起される最も重要な課題である。革命的党はあらゆる反動的ブルジョア思想を克服し、人民を先進的な社会主義思想で武装させる思想活動を着実に行ってこそ、社会主義思想の確固とした勝利を保障し、全社会の思想の一色化を成功裏に実現していくことができる。

 全社会を思想的に改造するためには、党員に対する思想教育を先行させなければならない。いいかえれば、党員を先に教育し、かれらに中核大衆を教育させ、その中核大衆に広範な大衆を教育させなければならない。党員が中核大衆を教育し、中核大衆が広範な大衆を教育するのは、1人が10人、10人が100人、100人が1000人、1000人が1万人を教育して、社会の全構成員を教育改造する威力ある方法である。元々、党員は政治活動家であり、大衆を教育改造する政治活動を行うのは党員の本分である。党員に対する思想教育を先行させなければ、かれらは政治活動家としての本分を果たすことができないばかりか、思想的に変質しかねない。一部の社会主義政権党内で革命の裏切者があらわれたのも、かれらが最初から社会主義に反対する人であったとはいえない。幹部と党員を革命的に教育し、鍛える活動をおろそかにした結果、一部の人がしだいに変質して背信の道に落ちこむようになったのである。こうした教訓にてらしてみても、我々は常に幹部と党員を革命的に教育し鍛えることに第一義的な関心を払うべきである。

 党員の思想鍛練を着実に行うためには、かれらのあいだで党生活を強化しなければならない。党生活は思想鍛練の溶鉱炉である。党員が党生活から遊離し、党組織の統制からはずれて生活すれば、自由主義が生じ、思想的に変質しかねない。党員は自己の政治的生命の要求から、党生活に自発的に参加すべきである。我が党は、党員が党生活を通じて政治的生命を輝かし、各自の本分をまっとうできるよう、整然とした党生活体系を確立した。我が党は、すべての党組織が党員をして正しい党組織観念をもち、党規約上の規範にのっとって党生活に自発的に、誠実に参加するよう、組織と指導を正しく行うことにより、党員が党生活を通じて革命的にたえず鍛えられるようにした。

 思想改造は、思想教育と思想闘争を通じて実現される。思想教育は人々を革命思想で武装させる活動であり、それは一定の体系と形式と方法によって実現される。我が党は党内に整然とした思想教育体系を確立し、それを定期的に運営するようにし、思想教育の形式と方法を現実発展の要求に即応してたえず深化発展させるようにした。思想闘争は批判の方法で行う思想改造の重要な形式であり、批判は人々が思想的に変質しないようにする補薬である。我が党は、党内に健全な批判の雰囲気をつくり、批判を通じて思想闘争を展開し、思想闘争を通じて幹部と党員を革命的に鍛えるようにした。

 全社会を思想的に改造するためには、党が責任をもって大衆も教育しなければならない。人民への最大の愛情は、かれらを自主意識で武装させ、思想的に目覚めさせることであり、人民への最大の罪業は、かれらの自主意識を麻痺させ、思想的に堕落させることである。党が責任をもって人民大衆を教育することは、人民への党の限りない愛情のあらわれである。

 党組織は、すべての幹部と党員が大衆のあいだで政治活動を広く行うようにすると同時に、勤労者団体を動かして大衆教育活動を行うべきである。勤労者団体を動かして大衆との活動を行うのは、我が党の大衆指導原則である。勤労者団体を正しく指導するのは、社会主義政権党が社会の指導的政治組織として果たすべき重要な任務である。勤労者団体は自立的に活動すべきであるが、労働者階級の党の指導の外で活動してはいけない。社会主義社会において、人民大衆の利益の最も徹底した代表者は労働者階級の党であるため、勤労者団体はあくまでも党の路線と方針に基づいて活動すべきである。党の指導をぬきにして勤労者団体の「独自性」を高唱するのは、結局、勤労者団体が社会主義に反対する反革命勢力の道具に転落する道を開いてやることになる。社会主義政権党は、勤労者団体が思想教育団体としての自己の任務と特性に即応して、各階層の大衆を教育改造する活動を自立的に、創意的に、巧みに行うよう、それに対する党の指導を正しく行うべきである。党内における組織・思想生活規範は、勤労者団体組織の組織・思想生活の手本となる。しかし、勤労人民大衆の先進分子によって組織された党とは異なり、勤労者団体は広範な大衆を結集した大衆団体であり、勤労者団体ごとに特性をもっているので、組織・思想生活を、それに応じて行わなければならない。

 大衆教育の基本的方法は解説と説得である。人間の思想を行政的指示や強圧的なやり方で改造することはできない。思想はあくまでも解説と説得によって、自己の信念として受け入れるようにすべきである。幹部は常に大衆を地道に、根気よく解説し説得しなければならない。模範的事実による感化教育は、人々を教育する効果的な方法である。模範的事実は、人間の自主的要求にかなった進歩的で美しいものなので、大きな感化力をもつ。模範的事実をおしたてるのは、それ自体が否定的傾向に対する批判となり、人々に否定的傾向の克服方途を教えることになる。我が党の経験は、解説と説得、模範的事実による感化教育を正しく行うなら、教育改造できない人はいないことを示している。

 大衆教育においては、特に青少年教育に大きな力をそそがなければならない。革命の先代は次代に高い革命精神と創造的能力を引き継がせるべきである。もちろん次代には物質的財貨も譲り渡すべきであるが、いくら豊かな物質的財貨を譲り渡すとしても、かれらに革命精神がなく、創造的能力が欠けていれば、その財貨をすべて台無しにしてしまう。資本主義が復活した諸国を見れば、少なからぬ青年が社会主義に反対する先鋒に立った。青年が社会主義に反対するようになったのは、かれらを正しい道に導けなかった党に責任がある。青少年を革命的に教育し、かれらが社会主義制度を断固として守り、代を継いで革命を完成していくようにするのは、社会主義政権党の重要な任務である。青少年を革命的に教育できなければ、血をもってかちとった革命の獲得物も奪われるということは、歴史的教訓がよく示している。

 今日、我が国では、青年が党の指導に忠実に従い、社会主義をいっそう開花させるために献身しており、すべての青少年が革命の継承者として頼もしく育っている。これは、次代の教育に大きな力を入れてきた我が党の指導がいかに正しかったかを明白に示している。我々は次代の教育事業で達成した成果に自己満足することなく、かれらをチュチェ型の革命家にいっそうしっかり準備させていかなければならない。

 全社会に対する政治的指導を確固と実現するのは、我が党の基本的使命である。

 社会主義社会において、労働者階級の革命的党は人民の運命を責任をもって導き、かれらに自主的で創造的な生活を保障すべき使命を担っている。党が自己の使命をまっとうするためには、政治、経済、文化、国防をはじめ、国のすべての分野で政治的指導を確固と実現しなければならない。人民の運命に対する党の責任とその指導的地位は、決して分離させることができない。革命的党がその指導的地位と役割を放棄するのは、人民の運命に対する責任を回避する行為である。全社会に対する政治的指導を確固と実現できるように党の指導的地位と役割を高めていくのは、社会主義政権党建設の基本方向である。

 金日成同志は、我が党が社会の政治的指導者としての地位を強化し、役割を高めるよう賢明に導いた。朝鮮人民は朝鮮労働党のみを自己の政治的指導者とみなし、自己の運命のすべてを党に託しており、党に従ってチュチェの革命偉業を最後までなし遂げる確固たる決意に燃えている。

 革命と建設に対する革命的党の指導は、政策的指導、政治的指導とならなければならない。

 党は何よりもまず、政策を正しく立てなければならない。革命的党の路線と政策は、人民大衆の自主的要求と利益を正しく反映すべきであり、そのためには人民大衆の意思と要求をよく酌み取らなければならない。我が党は人民大衆を教師とし、常に大衆のなかに入ってかれらの声に耳を傾け、人民大衆の要求と利益を反映して政策を立てた。そのため、我が党は路線と政策の樹立において左右の偏向を犯すことがなく、我が党の政策は人民大衆の絶対的な支持を受けるようになった。党は政策を正しく立てるだけでなく、党組織に党の政策を立派に貫徹させなければならない。各級党組織の重要な任務は、党政策の実行を組織し、掌握、指導することである。党組織が党の政策を正しく実行してこそ、それが実生活に具現され、革命と建設が成功裏に推進される。

 党は、すべての活動に政治活動を優先させ、人民大衆の革命的熱意と創造的積極性を正しく酌みあげなければならない。すべての活動に政治活動を優先させるのは、社会主義社会本来の要求である。政治的方法によってのみ、国家と社会の主人となった勤労人民大衆の革命的熱意と創造的積極性を高く発揮させることができる。社会主義社会の本性に反してカネや強制によって人々を動かす資本主義的方法を適用するなら、人々の革命的熱意と創造的積極性を正しく発揮させることができないばかりか、社会主義制度そのものを変質させる結果をもたらすようになる。政治活動を優先させ、人民大衆の革命的熱意と創造的積極性を高める方法のみが、社会主義制度を強化し、その優位性を全面的に発揮させていく革命的な方法である。我が党はすべての活動に政治活動を優先させることによって、人民大衆の高い革命的熱意と創造的積極性に依拠して革命と建設を力強く前進させ、人民大衆中心の朝鮮式社会主義の優位性を高く発揮させることができたのである。

 革命的大衆路線を具現するのは、革命と建設に対する指導において我が党が堅持している一貫した方針である。

 革命的大衆路線は、革命と建設の主体が人民大衆であるという観点に基づいた活動原則である。革命的大衆路線の基本的要求は、革命と建設において人民大衆が主人の地位を占め、主人としての役割を果たすようにすることである。人民大衆の利益を代表し、人民大衆に奉仕する革命的党は、当然、革命的大衆路線をその活動の根本原則とし、社会主義をめざすたたかいの全過程で革命的大衆路線を貫徹しなければならない。

 党活動において革命的大衆路線を貫徹するためには、幹部の活動方法と作風をたえず改善しなければならない。党と大衆のつながりは幹部を通じて実現され、党に対する大衆の支持と信頼は幹部の活動方法と作風に大きくかかっている。社会主義社会でも、修養の足りない幹部のあいだに権勢をふるい、官僚主義的にふるまう傾向があらわれかねない。元々、権勢と官僚主義は、人民を抑圧し搾取する旧社会の支配方法である。これまでの経験が示しているように、幹部が権勢をふるい官僚主義的にふるまうなら、大衆を党から離脱させるようになり、しまいには党を破滅へと追いこむようになる。権勢と官僚主義に反対して妥協のないたたかいをくりひろげるのは、社会主義政権党が一時もゆるがせにしてはならない重要な活動である。

 我々は、幹部陣容に世代の交替が起こり、革命的鍛練に欠けた幹部の比重が高まっている状況のもとで、古い活動方法と作風を一掃することにひきつづき大きな関心を払ってきた。我が党は「人民に奉仕する!」というスローガンを高くかかげ、すべての幹部が人民に忠実に奉仕し、人民大衆との血縁的つながりを強めるようにした。こうして幹部のあいだに、人民大衆の利益を擁護し、大衆のなかに入りかれらに依拠して活動し、人民大衆と生死、苦楽をともにし、率先垂範の模範で大衆を導いていく革命的活動方法と人民的活動作風が確立されるようになった。党に対する人民の信頼と支持が高いのは、我が党がその活動において革命的大衆路線を貫徹し、幹部が革命的活動方法、人民的活動作風を確立するようたえずたたかった誇らしい結実である。

 我々は、実践によってその正当性と生命力が余すところなく証明されたチュチェの党建設理論をいっそう立派に具現して、我が党をたえず強化し、その指導のもとにチュチェの革命偉業を最後までなし遂げていかなければならない。


3 革命的党の国際主義的団結と連帯

 革命的党との国際主義的団結と連帯を強化するのは、我が党に課された民族的任務とともに国際主義的任務を成功裏に遂行するための重要な要求である。

 革命的党の基本的任務は、人民大衆の自主性を実現することである。人民大衆の自主偉業は民族的偉業であると同時に、人類共同の偉業であり、各国において人民大衆の自主性を実現するたたかいは、全世界を自主化するたたかいと密接に結びついている。自主化された世界は支配と従属、干渉と圧力のない世界であり、すべての国と民族が自己の運命の主人として自主権を完全に行使する世界である。世界の自主化が進捗するほど、すべての国と民族の自主的発展に有利な国際的環境がつくりだされる。他方、個々の国における人民大衆の自主性をめざす闘争の勝利は世界の自主勢力を強化し、全世界の自主化を促進させる。帝国主義者とあらゆる反動勢力は連合して人民大衆の自主偉業の遂行を妨げており、国際的に連合した反動勢力が人民大衆の自主偉業に挑戦している状況のもとで、自主性を志向するすべての革命的党と人民が団結してこれに立ち向かうのは必須の要求である。

 自主性をめざす闘争の目的と任務の共通性から、世界の人民は一つの戦線に合流している。「自主性を擁護する世界の人民は団結しよう!」これが現代の諸国人民がかかげるべき共通のスローガンである。

 自主性を擁護する諸国人民が団結してたたかうためには、その中核部隊である革命的党からまず国際主義的団結と連帯を強化しなければならない。

 人民大衆の自主偉業の遂行において国際主義的団結と連帯を強化するのは、その勝利の重要な要因である。人民大衆の自主偉業の勝利をめざす闘争は今、試練をなめているが、世界のすべての革命的党が相互連帯を強め、同志的に団結してたたかうなら、自主性に反対する帝国主義者と反動派の反革命的攻勢を阻止、破綻させ、勝利の道を切り開いていくことができる。

 革命的党の国際主義的団結と連帯は、社会主義理念に基づいてなされるべきである。社会主義理念をぬきにした革命的党などありえず、社会主義理念に基づかない党間の団結、連帯は真の革命的団結、連帯とはいえない。国際主義的な団結と連帯を強化する目的は、それ自体にあるのでなく、互いに力を合わせて社会主義の共同偉業を成功裏に遂行することにある。社会主義理念に基づいてかたく団結するのは、革命的党の当然の義務である。

 社会主義偉業を擁護し前進させる確固たる意志を反映した平壌宣言が発表されたことは、革命的党の国際主義的団結と連帯を強化し、社会主義偉業を前進させるうえで画期的な意義をもつ。

 平壌宣言は、社会主義が人類の理想であり、人類の未来を代表する社会、真の人民の社会であることを確言した。社会主義思想は労働者階級の階級的理念であるが、一階級の利益のみを代表する思想ではなく、人間の社会的本性を反映した人類の普遍的な思想であり、階級解放の思想であるばかりでなく、すべての民族と全人類の自主的志向を反映した民族解放、人類解放の思想である。人民大衆があらゆるものの主人となり、すべてが人民大衆に奉仕する社会主義の道を進んでこそ、すべての人民が人間の自主的本性にかなった自由で平等な尊厳ある生活を享受し、すべての国と民族があらゆる形の支配と従属から脱して自主的な発展を遂げ、人類の生存と発展を裏付ける世界の恒久平和と安全を保障することができる。

 平壌宣言は、社会主義偉業の真理性と正当性、その最終的勝利の必然性を確認することによって、自主性を志向する世界の革命的人民には勝利の信念と革命的闘志をいだかせており、社会主義の「終焉」について喧伝し、反社会主義的ヒステリーを起こしている帝国主義者と反動派には大きな打撃を与えている。

 平壌宣言に署名した党が百数十にのぼり、世界の革命的人民がこれに熱烈な共感を示している事実は、この宣言で宣明された社会主義思想が進歩的人類の志向と念願を反映した思想であることをはっきりと実証している。平壌宣言を共通の闘争綱領としてたたかうなら、革命的党は共通の思想的理念に基づいた国際主義的団結と連帯をさらに強固なものにし、社会主義偉業を力強く前進させることができるであろう。

 革命的党の国際主義的団結と連帯は自主性に基づいてなされるべきである。各国における革命の具体的環境と条件が異なり、各国の党が自主的に活動している状況のもとで、国際的な指導の中心をおく必要はない。革命的党は、地位の高い党と低い党、指示する党と指示される党の関係ではなく、自主性と平等に基づいた同志的関係を結んでこそ、真に強固な国際主義的団結をなし遂げることができる。革命的党の関係においては、自主性と国際主義に反して他の党の問題に干渉し、自己の意思を押しつけるようなことは許されない。

 現在、革命的党のさし迫った共通の課題は、帝国主義者と反動派の反革命的攻勢から社会主義を固守することである。

 今、帝国主義者と反動派は反社会主義的策動を悪らつにくりひろげているが、それは破綻をまぬがれない。世界の革命的党と人民は一時的な混乱を克服し、新たな闘争に立ちあがっている。人民大衆の自主性を弾圧する勢力があるかぎり、人民大衆がそれに抗してたたかうのは必然的であり、そのたたかいによって社会主義偉業が勝利するのは歴史の発展法則である。帝国主義者は虚勢をはって跳梁しているが、帝国主義は深刻な危機にさらされている。大独占が強化されるにつれ、現代帝国主義の反動性、反人民性はますます顕在化しており、腐りはてた資本主義社会に対する勤労人民大衆の不満は日ごとに高まっている。世界の進歩的な人民のあいだでは、自主、平和、親善の理念のもとに自主化された新しい世界を建設しようとする志向が日ましに高まっている。社会主義は試練をなめているが、勝利の信念をもって、帝国主義者と反動派の反革命的攻勢に革命的攻勢で立ち向かっていくなら、十分逆境を順境に、災いを福に変えることができる。

 今日、帝国主義者と反動派が革命的原則を堅持している社会主義諸国に攻撃の矛先を向けている状況のもとで、すべての革命的党と人民が団結し、社会主義諸国に対する国際主義的支持と連帯を強化することが非常に重要である。社会主義諸国を孤立、封鎖し、侵略しようとする帝国主義者と反動派のあらゆる犯罪的策動を粉砕するのは、社会主義を固守する闘争において革命的党と人民に課されているさし迫った共通の課題である。

 帝国主義者と反動派は、社会主義が挫折した国々での社会主義の復活を阻止しようとあらゆる策動を弄している。これは、これらの国の人民に永久に支配と従属のくびきをかける策動である。帝国主義者と反動派の犯罪的な策動によって、資本主義が復活した国々は破局的な危機に見舞われている。これらの国の危機は社会主義の危機ではなく、復活した資本主義の危機であり、それはブルジョア復活主義の破産を意味する。資本主義が復活した国々において日ましに深刻化している政治的・経済的・思想的・道徳的混乱と危機からの活路は、社会主義に立ち返る道以外にない。

 帝国主義者は、かつて民族的抑圧と搾取を受け、新しい社会の建設に踏みだした国の人民が社会主義の道へ進むのを妨害するため悪らつに策動している。これは、新しい社会建設の道に踏みだした国の人民が自主の道に進むのを妨げるための策動である。新しい社会の建設に乗り出した国の人民の自主的権利を踏みにじり、かれらに対する新植民地主義的搾取と略奪の強化をはかる帝国主義者の策動に反対してたたかうのは、社会主義をめざす共同闘争の重要な一環である。

 発達した資本主義諸国においても、大独占の強化によって「富益富、貧益貧」の両極分化と対立が深化し、あらゆる社会悪がはびこるにつれて、被抑圧勤労人民大衆は生存の権利と民主主義、自主性を求める声を高め、闘争に積極的に立ちあがっている。

 革命的党と人民が、それぞれ異なった環境と条件のもとで、社会主義をめざして不屈のたたかいをくりひろげている党と人民を積極的に支持声援するとき、社会主義共同偉業の勝利的前進はさらに速められるであろう。

 社会主義偉業の遂行をめざす闘争において民主的政党・団体との統一戦線を実現するのは、革命的党の重要な課題である。搾取と抑圧に反対し、人民大衆の自主性を実現するための社会主義偉業の遂行において、革命的党と民主的政党・団体の要求と利害関係は基本的に一致する。革命的党が搾取と抑圧に反対し、人民大衆の自主性を実現する共同闘争において、すべての民主的政党・団体との団結を強化し、相互尊重の原則で積極的に協力していくならば、社会主義の偉業は力強くおし進められるであろう。

 人民大衆の自主性を実現するためには、反帝闘争を強力にくりひろげなければならない。社会主義を固守し、全世界の自主化を実現するうえで主なる闘争対象は、アメリカをはじめとする帝国主義反動勢力である。現代帝国主義は国際舞台で力の均衡が崩れたのを奇貨に、力による世界制覇を実現しようといっそう悪らつに策動している。反帝闘争をぬきにしては、支配と従属、侵略と戦争に反対する世界の進歩的人民の自主的志向と要求は実現されない。帝国主義の支配と従属、侵略と戦争に反対してたたかうのは、人民大衆の自主偉業本来の要求であり、帝国主義の支配主義的政策と妥協するのは、人民大衆の自主偉業を裏切ることになる。帝国主義に反対する原則的立場を堅持するのは、革命的党の当然の義務である。すべての革命的党と進歩的勢力が帝国主義に反対することを共通の任務とみなして断固立ち向かってたたかうならば、帝国主義者の侵略と戦争策動を十分阻止、破綻させることができる。

 全世界を自主化するたたかいにおいて、主体はすべての反帝・自主勢力である。帝国主義者の支配と従属、干渉と圧力に終止符を打ち、自主性に基づく公正な国際秩序を確立し、侵略と戦争をなくして世界の平和と安全を保障するためには、すべての反帝・自主勢力が団結しなければならない。帝国主義者は反帝・自主勢力の分裂、離間をはかってあらゆる狡猾な策動を弄している。反帝・自主勢力が帝国主義者の分裂・離間策動を破綻させ、勝利をかちとる道は、団結の戦略で対抗することにある。すべての反帝・自主勢力は自主、平和、親善の共通の念願から、社会制度と政見、思想と信教、民族と人種の違いをこえて団結することができる。

 社会主義諸国と国際共産主義運動および労働運動、民族解放運動、非同盟運動、世界平和運動など、すべての反帝・自主勢力が団結してたたかうなら、帝国主義の支配と干渉を終わらせ、自主的な新しい世界を建設することができるであろう。

 人民大衆の自主偉業、社会主義偉業は人類の理想を実現する聖なる偉業であり、人民大衆の自主偉業、社会主義偉業の勝利をめざし団結してたたかうのは、革命的党が歴史と人民に対して担っている栄えある任務である。複雑多難な現情勢は、革命的な党がいつにもまして必勝の信念と不屈の革命精神をもってかたく団結し、断固としてたたかうことを求めている。

 我が党は今後とも人民大衆の自主偉業、社会主義偉業の勝利をめざして世界のすべての革命的党とかたく団結して積極的に協力し、朝鮮革命と世界革命に対して担っている聖なる使命と責任を果たすであろう。

出典:朝鮮・平壌 外国文出版社 1992

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