金 正 日

党活動を強化して朝鮮式社会主義をさらに輝かそう
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部への談話
−1992年1月1日−

 我々は、厳しい試練と難関のなかで社会主義偉業を固守した大きな誇りを抱き、確信と楽観をもって希望に満ちた1992年の新春を迎えています。

 昨年は、わが党と人民が四方八方からの帝国主義者と反動派の圧力をはねのけ、社会主義の赤旗を高くひるがえした勝利の1年でした。

 帝国主義者と反動派は、一部の国における社会主義の挫折を奇貨として攻撃のほこ先をわが国に集中し、干渉と破壊策動を絶えず繰り広げました。アメリカをはじめとする帝国主義者は、湾岸戦争以後最大の脅威は朝鮮半島であるとし、核査察問題をもって我々を国際的に孤立させ、「核開発阻止のための先制攻撃」をかけようと狂奔しました。アメリカ帝国主義の差し金のもとに南朝鮮の反動派は、「吸収統一」の野望を実現するため北南高位級会談に人為的な障害を設けて、北南合意書の採択を遅延させる一方、核戦争演習であるチーム・スピリット合同軍事演習をはじめ、北侵戦争演習を相次いで繰り広げ、わが国の情勢を戦争瀬戸際にまで追い込みました。日本の反動派は、アジアの「盟主」になろうとの妄想を捨てず、アメリカ帝国主義と南朝鮮かいらい一味の侵略策動に便乗してとてつもない問題を持ち出し、朝・日国交正常化会談を遅延させました。帝国主義者と反動派は、ソ連で共産党が解体し、69年間存在してきたソ連が一朝にして解体する事態が起きたことと時を同じくして、わが国に対する圧力をさらに強化しています。昨年、帝国主義者と反動派による反共和国騒ぎはその極に達し、わが党と人民は大きな挑戦に直面しました。世界の耳目は朝鮮に注がれ、多くの人が果たして朝鮮は帝国主義者と反動派の集中攻勢を退けて社会主義偉業を固守できるだろうかと憂慮しました。

 社会主義偉業の正当性を確信し、朝鮮式の社会主義をあくまで固守しようというわが党と人民の意志は、誰もくじくことはできませんでした。わが党は情勢が複雑であるほど、党のまわりに一心に団結した人民の力を信じ、巧みな戦略戦術で反革命的攻勢に革命的攻勢で立ち向かい、轍のあらゆる策動を阻止、破綻させました。我々は昨年、南朝鮮当局者をして「北南間の和解と不可侵および協力、交流に関する合意書」に調印させました。我々はまた、南朝鮮当局者をして「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」を採択することに合意せざるを得なくし、アメリカ帝国主義と南朝鮮かいらい一味から、毎年おこなってきたチーム・スピリット合同軍事演習を今年は取り止めるという保証を取り付けました。朝米会談を拒みつづけてきたアメリカはついにひざを屈し、我々との高位級会談開催に同意せざるを得なくなり、不当な口実を設けて朝・日国交正常化会談を遅延させようとしていた日本の反動派も、もはや口実を設けることができなくなりました。

 昨年、「北南間の和解と不可侵および協力、交流に関する合意書」を採択したばかりか、「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」の採択で合意し、敵からチーム・スピリット合同軍事演習の中止と朝米高位級会談開催の保証を取り付けたことは、わが党と人民の大きな勝利です。我々は昨年、帝国主義者と反動派の悪辣な攻撃を退け、逆境を順境に、危急の形勢を有利に転換させました。

 我々が昨年、危急の形勢を逆転させることができたのは、いかなる逆境のもとでも社会主義偉業をあくまで固守しようというわが党の確たる決心があったからです。

 金日成同志は、激変する情勢を鋭く洞察し、いかなる狂風が吹き荒れようとも、数十年にわたって築き上げた革命の貴い獲得物である朝鮮式社会主義をあくまで固守し輝かしていくべきであるとし、党と領袖のふところで育ったわが国の幹部はいささかも動ずることなく、党と領袖の指導に従って革命の旗を引き続き掲げるべきであると教えています。

 わたしは、金日成同志の革命戦士として、金日成同志の革命思想と路線を寸分の狂いもなく一貫して堅持することによって、チュチェの革命偉業をあくまでなし遂げようと決心しました。金日成同志が打ち立てた人民大衆中心の朝鮮式社会主義をあくまで守り輝かしていくというのが、わたしの確たる意志であり信念であります。わたしは、東欧社会主義諸国が崩壊したときも、社会主義は必ず勝利するという信念をもち、朝鮮式社会主義をあくまで守り通すという革命的なスローガンを示しました。

 わたしは愛らしい子供たちを見るたびに、子々孫々の幸福のために、金日成同志の高い志をたいして朝鮮式社会主義をあくまで固守し輝かしていく決意を強くしています。歌謡『同志愛の歌』には「雨雪つのれど 革命の道 誓いは変わらじ ハンビョル仰ぎみる」というくだりがありますが、金日成同志は永遠のハンビョル(一星)であり人類の太陽であります。我々は、『同志愛の歌』に込められている革命家の鉄の信念と汚れなき良心を真の生の基準とし、この歌を高らかに歌いながら社会主義の赤旗を高く掲げて前進していかなければなりません。歌謡『社会主義を守ろう』にもあるように、社会主義は守れば勝利、捨てれば死です。

 我々が帝国主義者とその手先の反共和国策動を粉砕して社会主義偉業を固守することができたのは、また、党が人民を信頼し、人民が党を信頼して、党と人民が一心同体となってたたかったからです。

 昨年、党中央には人民から多くの手紙が寄せられました。平凡な人たちが寄せた手紙には、国際情勢に対する正しい判断とともに、いかなる風が吹きつけようとも、ひたすら党中央を信頼し、党と運命をともにするという燃えるような決意が込められていました。人民の手紙には、わたしの万年長寿はとりもなおさず国の運命であり、党の生命であり、人民の幸せであるとし、前途に立ちはだかる難関を乗り越えてチュチェの革命偉業を達成するためには、わたしが健康でなければならない、と書かれています。昨年、帝国主義者と反動派が情勢を極度に緊張させたときにも、ある活動家はわたしに、あまり心配しないように、党がある限り我々は必ず勝利すると言ってくれました。わたしは彼らの手紙と言葉に大いに力づけられ、このような人民、このような党員、このような同行者がいる限り、我々には恐るべきものはなく、革命の旗を最後まで掲げて前進し、最終的に勝利をおさめることができると確信しました。

 北南高位級会談のため南朝鮮へ行った代表団のメンバーは、板門店のわが方の地域に足を踏み入れた瞬間、党のふところに抱かれたという思いに駆られ涙を流したとのことですが、このようにわが党と人民は一つの生命有機体のように一心に団結しています。我々は党と生死をともにする立派な人民をもっているがゆえに、帝国主義者の反社会主義的策動によって東欧社会義諸国が崩壊する動乱のなかでも微動だにせず、社会主義を固守することができたのです。

 わが党の積極的な対外活動によって、その間、朝鮮革命の支持者、共鳴者の隊伍も拡大しました。

 我々は、金日成同志がおり、洗練された党の指導がある限り、必ず勝利するという必勝の信念と革命的楽観をもち、一心に団結して社会主義建設を一段と促進することで、厳しい試練のなかで守りぬいた人民大衆中心の朝鮮式社会主義をいっそう輝かせていかなければなりません。「一心団結の威力によって朝鮮式社会主義をさらに輝かそう!」、これが現在わが党が示している戦闘的スローガンです。

 今年は、金日成同志の誕生80周年にあたる最も意義深い年です。我々は金日成同志の誕生80周年を迎える今年、党の戦闘的スローガンを高く掲げ、社会主義建設のすべての部門で新たな一大高揚を起こして、わが国の社会主義の優越性をさらに高く発揮させなければなりません。

 我々が奮励努力して朝鮮式の社会主義の優越性を高く発揮させれば、祖国統一をめざしてたたかっている南朝鮮人民を大いに励まし確信を抱かせ、新しい社会の建設と世界の自主化をめざしてたたかっている世界の革命的人民にも勝利の信念と勇気を与えることができるでしょう。

 我々は党活動をさらに強化して、全党、全人民、全軍を党の戦闘的スローガンの貫徹へと立ち上がらせ、社会主義建設のすべての部門で勝利の凱歌をあげ、政治、経済、文化など社会生活の各分野で人民大衆中心の朝鮮式社会主義の優越性を高く発揮させて、意義深い今年をわが党と人民の歴史において最も輝かしい年にしなければなりません。

 全社会の一心団結をさらに強化すべきです。

 全社会の一心団結を強化することがチュチェの革命偉業の運命にかかわる重要な問題であり、朝鮮式社会主義の優越性を高く発揮させる根本的保証となるものです。全社会の一心団結を強化してこそ、革命の主体をさらに強め、いかなる風波にも微動だにせず、チュチェの革命偉業をあくまで固守し達成することができるのです。

 我々の一心団結は、一つの中心、一つの思想にもとづいて思想的、意志的に、道徳的、信義的にかたく結束した、最も強固で革命的な団結であり、無限の力をもつ不敗の団結です。それはまた、全人民が領袖と党の偉大さを信念として体得し、ひたすらみずからの領袖、みずからの党のみを絶対的に信頼し、いかなる試練にさらされても、みずからの領袖、みずからの党と一心同体となって前進する偉大な団結です。我々は、この偉大な一心団結によって祖国を統一し、社会主義偉業の最終的勝利を達成し、国と民族の限りない繁栄をなし遂げなければなりません。帝国主義者と反動派のあらゆる挑戦を退け、人民大衆中心の朝鮮式社会主義を固守し輝かす最も強力な武器は、ほかならぬ一心団結です。一心団結は朝鮮革命の生命であり、我々があくまで掲げていくべき旗印です。

 朝鮮人民の一心団結の強固さに、世界中の人が驚嘆し、羨望しています。しかし、我々は決してこれに満足してはならず、一心団結をさらに強化しなければなりません。党組織は、全社会の一心団結をいっそう強化することに党活動の中心を置き、これを絶えず深化させるべきです。

 党員と勤労者のあいだで唯一思想教育をさらに強化し、彼らが金日成同志を永遠にわが党と人民の偉大な領袖として高くいただくようにさせなければなりません。

 党員と勤労者に金日成同志の偉大さを深く認識させ、彼らが金日成同志をいただいているという誇りと自負を胸に深く刻みつけるようにさせるべきです。党員と勤労者は、金日成同志の偉大さを深く体得してこそ、金日成同志のまわりに思想的、意志的にかたく団結し、この団結を妨げるあらゆる反革命的要素と妥協することなくたたかうことができるのです。

 党組織は、党員と勤労者のあいだでチュチェ思想の学習をさらに深化させ、彼らがチュチェ思想の要求どおりに働き生活するようにさせるべきです。

 金日成同志の不滅の業績を固守し、輝かすように党員と勤労者を導く活動にも力を入れる必要があります。金日成同志は、チュチェ思想の旗のもとに抗日革命闘争を勝利に導いて祖国解放の歴史的偉業をなし遂げ、わが党と革命の歴史的根源である革命伝統を築き、建党、建国、建軍の偉業を立派に実現し、2段階の社会革命と社会主義建設を賢明に導いて、この地に繁栄する人民大衆中心の朝鮮式社会主義を打ち立てました。党組織は、党員と勤労者に金日成同志の栄光に輝く革命活動史と不滅の革命業績を深く認識させ、彼らがその革命業績を固守し、万代に輝かすために積極的に努力するようにさせなければなりません。

 党員と勤労者の忠実性を培う教育をさらに深化させることが必要です。

 一心団結を強固なものにするためには、党員と勤労者が領袖への忠実性を革命的信念、道義とするようにさせなければなりません。我々の一心団結が強固であるのは、それが領袖を心から仰ぎ、領袖のために献身するチュチェ型の共産主義的革命家の革命的団結であるからです。我々は、党員と勤労者のあいだで抗日革命闘争の時期に青年共産主義者が発揮した領袖への忠実性を見習う教育活動を着実におこない、彼らが領袖への忠実性を革命的信念、道義とし、領袖を政治的、思想的に、命を賭して守り、いかなる風が吹き荒れようとも動ずることのない真の忠臣、こよなき孝子となるようにさせなければなりません。

 領袖への忠実性は、信念化、良心化、道徳化、生活化されていることが大切です。いま党組織は領袖への忠実性を信念とするよう盛んに強調していますが、信念化一つだけでは不十分です。領袖を高く仰ぐためには、領袖への忠実性を確固たる思想的覚悟、決意とするだけでなく、領袖を何の私心もなく心から仰ごうという清い心と、領袖をみずからの運命の恩人として、父として仰ぎ、領袖の施す恩恵に報いるべく気高い道義心をもち、それを日常生活において強固にし、実際の活動に具現しなければなりません。領袖への忠実性を信念化、良心化、道徳化、生活化してこそ、それは最も真実で一点の汚れもない、強固なものとなるのです。

 領袖、党、大衆の一心団結を強化するためには、各階層の大衆を党と領袖のまわりにかたく結集させなければなりません。

 これまで、わが党は各階層の大衆との活動に力を注ぎ、大きな成果をおさめました。現在、朝鮮人民の思想・精神状態はきわめて良好です。こんにち人民は、老若男女を問わずすべての人がひたすら党を信頼し、自分の運命を全面的にゆだねています。以前もそうでしたが、わたしが朝鮮人民軍最高司令官になった後、人民はより多くの手紙を寄せてきました。手紙にはひとしく、いかなる逆境のもとでもひたすら党を信頼し、党とともにチュチェの革命偉業をあくまでもなし遂げる、というかたい決意がしたためられていました。情勢が困難かつ複雑であるほど、ひたすら党を信頼し、ともに試練を乗り越えようというのが、朝鮮人民の確固たる意志です。

 朝鮮人民はこれまで厳しい試練に直面するたびに、ひたすら党と領袖のみを信頼し、領袖を命を賭して守り、革命の道を歩んできた立派な人民です。金日成同志は、祖国解放戦争(朝鮮戦争)の困難な戦略的後退の時期、人民軍部隊の移動状況を調べるため現地に向かっていた深夜に、ある峠道で牛車を引いていく老人に出会ったことがあります。金日成同志がこの夜更けにどこに行くのかと老人に聞くと、彼は金日成将軍を尋ねて北に行くのだと答え、「金日成将軍を尋ねていく道が戦争に勝つ道ですよ。この老いぼれは、ほかのことはわかりませんが、これだけはよくわかっています」と言ったそうです。金日成同志はそのときの平凡な老人のその言葉に大いに力づけられたとして、いまでもそのことをたびたび回想しています。戦後、内外の情勢が複雑をきわめ、分派分子が党を攻撃してきたとき、台城のハルモニ(おばあさん)は金日成同志に「首相さま! お顔がとてもやつれたようですが、あまり心配なさらないでください。分派分子どもは人民生活がどうのこうのと騒ぎ立てていますが、もうみんなの暮らしはよくなったのですから大丈夫です。どっちみち、わたしたちが勝つに決まっているのであって、分派分子どもが勝てるわけはありません。心配なさらないでください。わたしたちは、首相さまを支持します」と言っていました。金日成同志は、彼女の素朴な言葉に新たな確信を得て難局を切り抜け、わが党の社会主義建設路線を貫徹することができたと述懐しています。朝鮮人民は、この世にまたとない実に立派な人民です。こんな立派な人民がいる限り、どんな強敵も恐れることはありません。党組織と活動家は、いかなる試練にさらされても、ひたすら党のみを信頼する朝鮮人民の思想・感情と心理に合わせて、大衆との活動に引き続き力を入れ、領袖、党、大衆の一心団結をさらに強めていかなければなりません。

 基本大衆は、わが党が依拠している最も信頼すべき社会的・階級的基盤であり、朝鮮革命の中核力量です。大衆との活動においては、常に基本大衆との活動を正しくおこなうことに第一義的な注意を払う必要があります。ところが、いま一部の党組織と活動家は、経歴の複雑な大衆との活動に力を入れるといって、基本大衆との活動をおろそかにしています。一部の党組織は、国家的な祝日を機に講習や見学、参観などをおこなうことで基本大衆との活動にかえようとしています。かつて抑圧され、さげすまれた労働者や下男の家庭で生まれた人であっても、絶えず教育しなければ、みずからの階級的立場を忘れるおそれがあり、そうなれば基本大衆としての役割を果たすことはできません。党組織は、基本大衆がみずからの階級的立場と本分を忘れず、革命に対する任務と責任をまっとうするよう正しく教育し、彼らが革命の中核の力量として、党政策の積極的な支持者、擁護者、立派な貫徹者になるようにさせるべきです。

 革命闘争で勝利するためには、基本大衆とともに経歴の複雑な大衆をいずれも教育、改造して、党のまわりにかたく結集させることが必要です。わたしは党の組織活動に携わった当初から、経歴の複雑な大衆を冷たく扱うことのないよう革命的な措置を講じました。その後、経歴の複雑な大衆との活動で少なからぬ成果を得ましたが、いまなお一部の党活動家のあいだには問題を偏狭に扱う傾向が見られます。党活動家が経歴の複雑な大衆を冷たく扱って差別すれば、彼らは党に心を許しませんが、母親のように大きな度量をもって接すれば、わが党を心から信頼し、党のためにすべてをささげるようになります。党組織は、経歴の複雑な大衆との活動をより積極的におこない、彼らがいささかも動ずることなく、党と革命のためにあくまでたたかうようにさせなければなりません。

 南朝鮮出身者と日本からの帰国者、それに在日同胞をはじめ、海外同胞との活動にも力を入れるべきです。

 各階層の大衆を党のまわりにかたく結集させるためには、活動家がわが党の幅の広い政治について正しく認識する必要があります。

 わが党の政治は、基本大衆だけでなく経歴の複雑な大衆も革命の永遠の同行者とみなし、党のまわりにかたく結集させてチュチェの革命偉業を達成するまで導いていく政治です。わが党の政治はまた、一人でも多くの人を教育、改造して革命の主体を強化し、チュチェの革命偉業を力強く推し進めていく正しい政治です。

 わが党の政治は、チュチェ思想にもとづいています。チュチェ思想は、革命と建設の主人は人民大衆であり、革命と建設を推し進める力も人民大衆にあるという革命の根本的原理を明らかにしました。チュチェ思想によって解明された革命の根本的原理は、広範な大衆を教育、改造して党と領袖のまわりにかたく結集させることで、革命の主体を強化し、革命と建設を力強く推し進めていくための道を示しています。チュチェ思想は、革命闘争において決定的な役割を果たすのが人民大衆の思想・意識であることを明らかにしました。思想・意識は、人間のすべての活動を決定します。もちろん、社会的・階級的立場と家族関係も人間の活動に影響を及ぼします。しかし、それは人間の活動に直接にではなく、思想・意識を通じて作用を及ぼすのです。人間の活動を決定し、促すうえで最も積極的な作用を及ぼすのが思想・意識です。人間の思想は、どのような影響と教育を受けるかによって、よくもなれば悪くもなります。資本主義社会で長いあいだ暮らすうちにブルジョア思想に染まった人でも、社会主義社会で暮らして革命的教育を受けるなら、労働者階級の革命思想を身につけることができます。我々は、すべての人を教育、改造して、党のまわりにかたく結集させなければなりません。

 わが党の幅の広い政治を正しく具現するためには、経歴の複雑な大衆に対する見方を正す必要があります。経歴の複雑な大衆に対する見方を正すことは、彼らを革命の対象ではなく、原動力と見るということを意味します。革命の原動力は、人々の社会的・階級的立場によってのみ決定されるのではありません。革命の原動力を決定するにあたっては、革命に対するその人の立場と態度を重視しなければなりません。社会的・階級的立場から見ると、経歴の複雑な大衆の大部分は基本階級の出身であり、かつて階級意識が低かったために、敵に一時的に利用されたり、だまされた人とその家族です。彼らは、朝鮮革命に反対する敵対勢力ではありません。彼らは体験を通じて過去の過ちを悟っており、革命を支持し、党に従っています。経歴の複雑な大衆は、朝鮮革命の対象ではなく原動力であり、一時的な同伴者ではなく共産主義社会までともに進むべき革命の同志です。

 南朝鮮出身者と日本からの帰国者も朝鮮革命の原動力であり、革命の同志です。南朝鮮出身者のなかには、解放直後からアメリカ帝国主義と南朝鮮かいらい一味に反対してたたかった人もいれば、祖国解放戦争の時期、義勇軍に入隊して銃を取ってたたかった人もおり、屈辱的なかいらい軍への服務を見限って入北した人や、真の生き方を求めて共和国北半部に来た労働者、農民、知識人、青年学生もいます。彼らはいずれも、我々とともに革命に参加するためにすすんで党に従ってきたのですから、朝鮮革命の原動力と見るべきであり、革命の同志とみなして正しく導くべきです。日本から帰国した人たちは、我々が連れてきた人たちであり、民族的に見ても朝鮮民族であり、我々の同胞です。金日成同志は、日本帝国主義の植民地支配のため、日本に連行されて死の苦役を課せられた在日同胞に真の生活をもたらすため、彼らを社会主義祖国に連れてくるようにはからいました。日本からの帰国者は、わが党が連れてきた人ですから、当然、革命の原動力、革命の同志と見るべきです。

 人を評価するにあたっては、現在の営為を基本とすべきです。現在の営為を基本とするというのは、以前の階級的成分ではなく、本人の現在の階級的自覚の程度と思想、行動を基本とするということです。人を評価する基準は、階級的成分ではなく、党と領袖への忠実性です。経歴が複雑であっても、党と領袖に忠実で革命任務を誠実に遂行する人であれば、我々の永遠の同行者と言えます。活動家は、経歴の複雑な大衆に対する偏狭な見方と態度を捨て、彼らをためらうことなく信じて包容すべきです。

 わが党の幅の広い政治は、社会主義・共産主義建設の合法則性にかなっており、革命の主体を強化し祖国統一の偉業を早める正しい政治です。こんにち、わが党の幅の広い政治は、経歴の複雑な大衆と南朝鮮出身者、日本からの帰国者、海外同胞、南朝鮮人民に好ましい影響を与えています。1990年に汎民族統一音楽会に参加するため平壌を訪れた「ソウル伝統音楽演奏団」のメンバーは、南朝鮮で芸術活動に携わって共和国北半部に来た人たちに会った後、南朝鮮出身の芸術家はみな粛清されたという南朝鮮当局の宣伝は真っ赤なうそだったと語っています。

 党組織は、各階層の大衆との活動状況を総括し、部分的な偏向を是正する抜本的対策を講じて、各階層の大衆を党のまわりにかたく結集させるうえで新たな転換をもたらすべきです。

 党活動家の活動方法と作風を改善することは、全社会の一心団結を強化するために必ず解決しなければならない重要な問題の一つです。これについて、わたしは機会あるごとに強調してきましたが、現情勢と関連していっそう重要な問題として提起されています。かつて社会主義を建設していた少なからぬ国で社会主義が挫折したため、我々は資本主義の包囲のなかで革命を進めざるを得なくなりました。このような現実は、党活動家が大衆のなかに深く入り、彼らを党のまわりにさらにかたく結集させ、革命闘争と建設事業に力強く立ち上がらせることを求めています。党活動家は、朝鮮革命の運命にかかわる重要な問題の一つである活動方法と作風を抜本的に改善する必要があります。

 形式主義は、活動家のあいだに見られるきわめて有害な活動方法です。わたしがいつも言っていることですが、党活動家が形式主義に陥ると、行政・経済幹部も形式主義を犯し、しまいには大衆も形式主義に走るようになります。党活動家が形式主義に走るのは、みずから墓穴を掘るようなものです。

 いま党の組織活動における形式主義は、大衆のなかに深く入らず、人々を十分に理解していないことにあらわれています。少なからぬ党の組織担当活動家は、対人活動においてその人の本心を見極めず、スイカの皮をなめるようにうわべだけを見ているため、誰が真に忠実な人で、誰が欠点のある人であるかを判別できないありさまです。このような党活動家はなきにひとしき存在です。党活動家は、常に大衆のなかに深く入り、人の本心を知ることが大切です。

 形式主義は、特に、宣伝活動に濃厚に見られます。いま少なからぬ人はうわべを飾り、万歳を唱えることで満足しています。宣伝活動家の仕事ぶりを見ると、テキストや本をたくさんつくって下部に送り、講演会や学習会も盛んに催していますが、手間をかけるわりに実生活における効果は微少なものです。これは、宣伝活動を着実におこなわず、形式的にやっていることの証左です。経済幹部が形式主義を犯すと生産と建設に支障をきたしますが、宣伝活動家が形式主義に走ると人間を駄目にしてしまいます。我々は、宣伝活動において形式主義を一掃し、思想活動を着実におこない、実生活で大きな効果があらわれるようにしなければなりません。

 思想活動の効果があらわれるようにするためには、人々を思想的に準備させ発奮させて、それが実生活にあらわれるようにしなければなりません。

 何事であれ、思想的に準備して発奮すれば、実際の活動で威力を発揮するものです。現実は、同じことを目撃し体験したとしても、思想的な準備と発奮の程度によって、その結果は違ったものになることを示しています。わたしはある芸術団のメンバーとの活動の過程で、人々が思想的に準備し発奮すれば大きな力を発揮するものだということを痛感しました。同じ条件と環境のもとで活動し生活していながら、他の芸術団は立派な歌をつくれないのに、その芸術団では立派な歌を創作しています。これは、人々の思想的な準備と発奮の程度によって、実生活における思想のあらわれ方が異なることを示しています。こうした意味で、思想的準備、思想的発奮と思想の発現は、人々の思想を実生活で具現する3つの段階であると言えます。

 人々が思想的に準備するというのは、党と領袖の思想と方針を体得し、それを実現するかたい覚悟と決心をもつということであり、思想的に発奮するというのは、その覚悟と決心が実際の活動に移されるということであり、思想が発現するというのは、それが実生活に結果としてあらわれるということです。思想的に準備し発奮すれば、それは実生活で大きな物質的エネルギーとしてあらわれるのです。

 わたしは、思想論を主張します。折をみてチュチェの思想論について述べるつもりです。

 宣伝活動家は、わが党の思想論の要求どおり思想活動を斬新なものにする方法論を講じ、実質的におこなうべきです。

 形式主義を一掃して宣伝活動を着実におこなうためには、真実性、科学性、親切さがあることが必要です。

 宣伝で真実性を保障するというのは、人々が共感し信じるように、宣伝を真実味と実感のこもったものにするということです。共感と信用が得られない宣伝は、大衆の心を揺さぶることはできず、人々を革命闘争と建設事業に立ち上がらせることもできません。これまでわが党が革命と建設を立派に遂行することができたのは、大衆の心を揺さぶり、党員と勤労者から絶大な支持と信頼を得たからです。わが党は、革命闘争と建設事業を進める過程で難関に直面するたびに、それをありのままに人民に知らせ、人民とともに難関を切り抜けてきました。宣伝部門では、現実を誇張したり美化する傾向を一掃し、大衆の心を揺さぶる真実味のある宣伝をおこなうべきです。

 宣伝で科学性を保障するというのは、道理と事実にもとづいて宣伝をおこなうということです。大衆は党の政策の本質と正当性を正しく認識してこそ、それを実行するために積極的に立ち上がるようになります。党員と勤労者を党政策の実行に立ち上がらせる宣伝は、あくまでも原理的で、道理にかなったものでなければなりません。宣伝の科学性は、科学的な資料にもとづいてこそ保障されます。社会発展の合法則性と現実を無視して宣伝する傾向はなくすべきです。自然に限らず社会も客観的法則に従って変化、発展していきます。客観的法則は、人間が恣意につくり出したり、なくしたりすることはできません。宣伝活動家が客観的法則を無視すれば、主観主義に陥るようになります。

 宣伝で親切さが必要だというのは、大衆の知りたがっている問題をもって、誰もが理解できるように宣伝をおこなうということです。宣伝はつめこみ式ではなく啓発する方法で、対象のレベルと能力、性格、趣味に合わせて、わかりやすく興味をそそるようにおこなうべきです。

 活動家のあいだで権柄と官僚主義を根絶すべきです。

 活動家が権柄と官僚主義をふるうと、党は人民大衆の信頼を得ることができず、革命と建設で失敗を免れません。ソ連と東欧社会主義諸国が崩壊したのも、活動家が権柄と官僚主義をふるい、大衆との活動を正しくおこなわなかったからです。わたしは以前から、活動家が権柄をふるったり官僚主義的にふるまうのは、みずから毒をあおるようなものだと強調してきました。

 権柄と官僚主義をなくすためには、活動家が革命的大衆観点をもつことが大切です。革命的大衆観点をもつということは、人民大衆を歴史の創造者、社会主義・共産主義偉業を実現するためにともにたたかっていく革命の同志とみなし、常に人民大衆の底知れない力を信じ、それに依拠してすべての問題を解決し、大衆のなかに深く入って、彼らと生死、苦楽をともにし、大衆のために尽くす観点をもつということです。活動家は大衆を限りなく愛し、大衆のなかに深く入って彼らの声に耳を傾け、大衆の力に依拠してすべての問題を解決していかなければなりません。、

 活動家の権柄と官僚主義をなくすためには、思想教育と思想闘争を強力に展開していかなければなりません。党が昨年を党活動家の権柄と官僚主義をなくす闘争の年とし、この活動を全党的な運動として繰り広げた結果、少なからぬ改善が見られました。しかし、権柄と官僚主義は、古い思想の残りかすのあらわれであり、根深くしつこいものであるため、闘争を継続していかなければ息を吹き返すようになります。党組織と活動家は、権柄と官僚主義をなくす闘争をいささかもゆるがせにせず、引き続き力強く推し進めていくべきです。

 社会主義経済建設を立派に進めることが、朝鮮式社会主義を輝かすための重要な事業です。社会主義経済建設を立派に進めてこそ、人民の生活を一段と向上させ、朝鮮式社会主義が政治的、思想的な面だけでなく、物質的な面でも優れていることを示すことができるのです。ことに、こんにち帝国主義者が盛んに社会主義経済を誹謗中傷している状況のもとでは、社会主義経済建設を立派に進めることがきわめて重要な問題として提起されています。いま帝国主義者は、自国の「物質的繁栄」と「技術的優位」を喧伝する一方、社会主義社会は経済効率の低い社会であるため発展することはできないと強弁しており、南朝鮮の反動層は我々を経済的に圧倒すると広言しています。我々は経済建設を立派に進めて、社会主義が資本主義に比べて政治的・思想的面だけでなく、経済的・技術的面でも優れていることを示し、敵の誹謗と中傷を粉砕しなければなりません。

 わが国の社会主義制度は、完全無欠なものです。いま世界にわが国のように安定している国はありません。わが国では、全人民が国家と社会の主人として、衣食の心配、治療や教育の心配、将来に対する心配など、何の心配もなく自主的で創造的な生活を営んでいます。今朝、平壌市を一回りしてみると、街はきれいに装った人たちでにぎわい、金日成同志の銅像がある万寿台の丘は花束を手にした人たちで埋め尽くされていました。南朝鮮は言うまでもなく、少なからぬ国の人民が明日への何の希望も確信もなしに、貧困と不安、苦痛のなかで正月を過ごしていますが、わが国の人民はそうではありません。我々はまだ人民の生活上の問題を十分には解決していませんが、生産と建設に拍車をかけて、全人民が白米のご飯に肉汁を食し、絹の服を着て瓦ぶきの家に住めるようにすれば、この世にうらやむべきものはなく、社会主義の完全な勝利をもたらすことができます。

 金日成同志は、新年の辞で現段階における社会主義建設の総体的方向と、今年の社会主義経済建設の重要課題と遂行方法を明示しましたが、各部門、各職場が新年の辞の課題を確実に実行すれば、わが国の経済的威力をさらに強化し、人民の生活を画期的に向上させることができます。

 我々は、全党、全国、全人民が総決起して新年の辞で示された課題を確実に実行するよう、組織・政治活動を綿密におこなわなければなりません。特に、党組織と党活動家は「金日成同志の誕生80周年を高い政治的熱意と輝かしい勤労の成果で迎えよう」というスローガンを掲げ、党員と勤労者のあいだで政治活動を優先させ、率先垂範して彼らを立ち上がらせ、すべての部門と職場が沸き立ち、生産と建設で新たな高揚が起こるようにしなければなりません。

 党組織は今年、人民経済の先行部門に大きな力を入れて、電力と石炭の生産を大幅に増やし、鉄道運輸を発展させ、すべての工場、企業が生産を高い水準で正常化するよう綿密に指導すべきです。

 我々は今年、衣・食・住の問題の解決に引き続き大きな力を注ぎ、何としても人民の生活を一段と向上させなければなりません。人民の生活を向上させることは、帝国主義者の反社会主義策動を粉砕し、わが国の社会主義制度の優越性を示威するうえできわめて重要な意義をもちます。人民の生活を向上させずに社会主義制度が優れていると言うのは空文句に過ぎません。我々が衣・食・住の問題を十分に解決して人民の生活を高い水準に引き上げれば、帝国主義者の反社会主義策動をゆうに粉砕することができます。食糧と衣服と住居、それに銃さえあれば、いかに困難な状況のもとでも朝鮮式社会主義を固守し、輝かせることができます。

 党組織と党活動家は、今年を大農の年と定めた党の意図と軽工業革命の方針を心に受け止め、農業部門と軽工業部門の勤労者が国の米倉と一般消費物資の生産を受け持った主人としての責任と役割を果たすように導く一方、この部門に対する国家的な支援を強化するよう、しっかりと把握、指導して大豊作をもたらし、織物をはじめ、一般消費物資を量産して、すべての商店に商品があふれるようにしなければなりません。

 住宅問題の解決にも深い関心を払うべきです。この問題を解決せずには、人民に安定した文化的な生活を保障することはできません。社会主義建設の進捗にともなって、人民により立派な住宅を提供するため積極的に努力していくことが必要です。ゆくゆくはすべての人民に2〜3DK以上の住宅を提供するというのがわが党の構想です。党組織と活動家は、都市と農村における近代的な住宅の建設を引き続き強力に推進すべきです。特に、金日成同志の誕生80周年を迎えて、平壌市の5万所帯の住宅建設を無条件に完了するために奮闘努力すべきです。金日成同志の誕生80周年を迎えて、党が平壌市に5万所帯の住宅を建設して人民に贈ると約束した以上、どんなことがあっても期日内に建設を完了しなければなりません。

 社会主義建設で新たな高揚を起こすためには、各部門、各職場が、自力更生、刻苦奮闘の革命精神をさらに強く発揮することが大切です。自力更生、刻苦奮闘の革命精神は、朝鮮人民の伝統的な闘争精神であり、朝鮮革命の全過程でその威力が実証された不抜の革命精神です。わが党は革命闘争と建設事業を指導する過程で幾多の障害と難関に直面しましたが、自力更生、刻苦奮闘の革命精神を発揮してそれを克服しました。みずからの力を信じようとせず、他人の援助ばかり望んでいては、革命と建設を進めることはできません。いまはどの国も他国を援助しようとせず、援助したくてもそれができる状態ではありません。我々は、革命の主人らしく自力更生、刻苦奮闘の革命精神を強く発揮して、社会主義経済建設における障害と難関を自力で乗り越えていかなければなりません。党組織は、現実の要求に即して党員と勤労者に自力更生、刻苦奮闘の革命精神を体得させる教育活動をいろいろな形式と方法で着実におこない、彼らが常に革命の主人としての自覚をもち、立ちはだかる障害と難関を自力で克服するように導くべきです。

 幹部の責任感と役割を高めるのは、人民大衆中心の朝鮮式社会主義の優越性を高く発揮させ、社会主義経済建設で新たな高揚を起こすキーポイントの一つです。革命と建設の指揮メンバーである幹部がどのように仕事をし努力するかによって、社会主義建設の成果が左右されます。党組織は幹部との活動に力を入れ、彼らが金日成同志の活動方法とテアン(大安)の事業体系の要求どおり生産者大衆のなかに深く入って懸案を探し出し、それをそのつど責任をもって解決し、経済組織活動を綿密におこなって、すべての部門、すべての職場で新たな革新が起こるようにすべきです。同時に、すべての活動家が「人民に奉仕する!」という党のスローガンを掲げ、人民のために献身的に尽くすようにしなければなりません。このスローガンには、人民の運命に全面的に責任をもち、人民と一心同体となってチュチェの革命偉業をあくまでなし遂げるというわが党の確固たる意志が込められています。活動家はいずれも人民に奉仕する人民の忠僕、人民の生活に責任をもつ戸主であることを忘れてはならず、鄭春実さんを見習って金日成同志の心配事を解決し、人民の生活を向上させるためにすべてをささげる真の忠臣、このうえない孝子となり、そのことに幸せと誇りを感じるようでなければなりません。鄭春美さんの模範を見習ううえで基本となるのは、党と領袖への忠誠と孝心です。すべての活動家は鄭春美さんの模範を大いに見習い、我々に大きな恩恵を施してくれた金日成同志を慈父として仰ぎ、常にどうすれば子としての道義を尽くすことができるかを考え、金日成同志に喜んでもらえることであれば、いかなる状況のもとでも無条件にやり遂げるような真の活動家にならなければなりません。

 祖国の統一を一日も早く実現するのは、朝鮮民族の最大の願いであり、我々に提起されている差し迫った課題です。

 金日成同志は、みずからが人民に与えうる最高の贈り物は祖国の統一であるとし、高齢にもかかわらず祖国の統一をめざして不眠不休の活動を続けています。我々は、絶対に分断された祖国を次の世代に引き継がせてはなりません。我々は、祖国統一の気運が日ましに高まっている情勢の推移を踏まえて、主体的な統一綱領を実現するための大攻勢をかけ、祖国の統一を一日も早く実現しなければなりません。

 党組織は祖国統一を実現するために、すべての党員と勤労者を政治的、思想的にしっかりと準備させることに第一の関心を払うべきです。

 南朝鮮の反動層が「北南間の和解と不可侵および協力・交流に関する合意書」に調印し、今年のチーム・スピリット合同軍事演習を中止すると発表したからといって、わが国の情勢が緩和したとは言えません。歴史的に見ても、帝国主義者は、前面では「平和」について喧伝しながら、裏では戦争の準備を推し進めて他国を侵略してきました。いま南朝鮮の反動層も、我々に不誠実な態度をとり、戦争の準備に拍車をかけて「勝共統一」を実現しようという野望を捨てていません。我々はいつにもまして革命的警戒心を高め、祖国統一を主動的に迎えることができるように政治的・思想的準備に力を入れるべきです。党員と勤労者を政治的、思想的にしっかりと準備させてこそ、祖国統一のためのたたかいを主動的に推し進めることができるのです。

 金日成同志は、新年の辞で祖国統一を一日も早く実現するために、北と南が確固たる自主的立場に立って平和統一の前提をつくり、朝鮮民族がすべて民族共通の利益を第一として民族大団結をなし遂げるという画期的な案を示しました。祖国統一のためのたたかいにおいてわが党が堅持している一貫した立場は、他国に依存するのでなく、朝鮮民族自身が責任をもち、民族の力を合わせて祖国の統一を実現するというものです。

 わが国の分断が外部勢力によって強いられ、いまなお外部勢力が朝鮮の統一を妨げている状況のもとで、民族分裂の張本人である外部勢力に依存しようとしては祖国を統一することはできません。朝鮮民族は5千年の悠久の歴史を有する単一民族であり、才知に富んだ勇敢な民族です。わが国が統一されれば、7千万の人口をもつ強国になるでしょう。そのため一部の国は、朝鮮が統一されることを望んでいません。我々は、他国の助けを借りて祖国の統一を実現しようとしてはならず、朝鮮民族自身の力で、我々の方式でなし遂げなければなりません。北と南、海外の全同胞が愛国心と民族自主精神にもとづいて力を合わせるならば、他国に助けてもらわなくとも、朝鮮民族自身の力で十分祖国を統一することができます。いま海外同胞はもとより、南朝鮮の進歩的政治家もわが党の祖国統一案を支持しています。これは、彼らが金日成同志の示した民族大団結の原則を受け入れたことを意味します。金日成同志は、北と南、海外の各階層の同胞は朝鮮民族の一員として、みずからが置かれている環境と状況に応じて、力のある人は力で、知識のある人は知識で、金のある人は金で、祖国統一の偉業に特色のある寄与をすべきであると述べています。これは、金日成同志が解放直後の凱旋演説で、国と民族を愛する人民がかたく団結し、力のある人は力で、知識のある人は知識で、金のある人は金で、新しい祖国の建設に積極的に貢献しようと言った呼びかけをこんにちの歴史的環境に即して具現したものです。北と南、海外のすべての同胞が、金日成同志の示した統一綱領を支持してこぞって立ち上がるならば、分断された祖国を統一し、高麗民族の偉大さを全世界にいま一度、示威することができます。党組織は、金日成同志が示した自主的統一路線を党員と勤労者に詳しく説明して、朝鮮民族自身の力で祖国を統一しなければならないということを深く認識させるべきです。

 党員と勤労者のあいだに自由化の風が吹き込まないようにすることが必要です。いま、アメリカ帝国主義者と南朝鮮の反動層は、自由化の風を吹き込み、我々の革命隊伍を内部から瓦解させようとしています。もちろん、我々には不滅のチュチェ思想があり、革命隊伍が強固であるため、いかなる敵も我々の革命隊伍を切り崩すことはできませんが、だからといって万歳ばかり唱えていてはなりません。党員と勤労者に対する教育をおろそかにすれば、敵の自由化の風が我々の内部に吹き込んできます。

 金日成同志が述べているように、我々は資本主義の包囲のなかにあるため、社会主義制度を守るためには蚊帳をしっかりと張る必要があります。党組織と活動家は、党員と勤労者のあいだで政治・思想教育を強化して、彼らが絶対に敵の自由化の風になびくことのないようにすべきです。とりわけ、青年学生に対する教育に力を入れ、彼らが敵の自由化の風になびかないようにしなければなりません。青年学生の教育をおろそかにすれば、彼らはすぐに自由化の風に侵されてしまいます。外国の経験からしても、自由化の風はまず青年学生のあいだに吹き込みました。

 党員と勤労者が敵の自由化の風になびかないようにするためには、彼らに朝鮮式社会主義の優越性を明確に認識させることが大切です。朝鮮式社会主義の優越性を深く認識させることは、北と南に相異なる二つの体制が存在し、敵の悪辣で狡猾な反社会主義策動が続けられている状況のもとで、きわめて重要な問題として提起されています。朝鮮式社会主義の優越性を認識させる教育は、人民大衆中心の朝鮮式社会主義の本質的特性と優越性を原理的に認識させることに基本を置くべきです。そうしてこそ、党員と勤労者が朝鮮式社会主義の真の優越性を正しく認識することができるのです。

 党員と勤労者にわが国の社会主義制度の優越性を資本主義制度の反動性、腐朽性と対比して認識させる必要があります。資本主義社会は、うわべは街は賑わい、商店には商品があふれているため、あたかも暮らしよい社会のように見えますが、その内幕は資本家をはじめ、一握りの金持ちのための社会であって、勤労人民大衆のための社会ではありません。資本主義社会で社会的富を創造するのは人民大衆ですが、それを享受するのは一握りの搾取階級です。

 資本主義制度の反動性と腐朽性を認識させる教育は、実際の資料をもっておこなうべきです。わが国が解放されてかれこれ50年になり、人々のなかに搾取され抑圧されたことのある人は少なく、資本主義社会が実際にどんな社会であるかを体験した人も少なくなりました。こうした状況のもとで、党員と勤労者に資本主義社会の腐敗相を示す記録映画なども見せて、資本主義制度の反動性と腐朽性をはっきりと認識させるべきです。

 南朝鮮人民のたたかいを積極的に支持、声援する活動にも力を入れるべきです。いま南朝鮮の青年学生をはじめ、各階層の愛国的人民は、反動層の弾圧が極限に達した困難な状況のもとでも、屈することなく祖国統一をめざして力強くたたかっています。昨年、死線を越えて共和国北半部を訪れた「全大協」の代表たちは、全民族が団結して祖国を統一しなければならない、南半部の青年学生も祖国の統一をめざして積極的にたたかうつもりだ、と語りました。彼らが共和国北半部を希望の灯台として仰ぎ見ながら、祖国の統一をめざしてたたかっているのですから、我々も腕をこまぬいているわけにはいきません。党組織は、党員と勤労者が南朝鮮の青年学生をはじめ、各階層の人民のたたかいをみずからのたたかいとみなし、それを積極的に支持、声援するようにしなければなりません。

 都市や村をはじめ、生活環境の整備にも力を注ぐことが必要です。

 生活環境は、国の文化レベルを示す尺度の一つです。都市や村をはじめ、生活環境を整備してこそ、南朝鮮人民と海外同胞は朝鮮式社会主義の優越性をみずからの目で見て、はっきりと認識することができます。

 これまで生活環境を整備する運動を積極的に繰り広げた結果、都市と村の様相は一変しましたが、まだ満足のゆく状態とは言えません。とりわけ、農村の生活環境は党の要求レベルからは程遠いものです。農村を社会主義制度の本性に即して立派に整備してこそ、南朝鮮や海外から訪れる同胞にもよい印象を与えることができます。

 工場、企業では、自分の工場や職場、仕事場を立派に整え、都市と農村ではみずからの町や村、家をきれいにする運動を繰り広げて、工場と仕事場、都市と農村の様相を一新させるべきです。公園や遊園地など勤労者の憩いの場も随所により多く、より立派に設けるべきです。

 党組織は、党員と勤労者が高い愛国心をもって、都市と村、山に各種の樹木をたくさん植えるようにさせる一方で、この運動に社労青組織と少年団組織をはじめ、勤労者団体組織を積極的に参加させて、全党、全国、全人民が立ち上がるようにすべきです。

 さしあたり、金日成同志の誕生80周年を盛大に記念する準備に万全を期するべきです。

 我々は、遠からず金日成同志の誕生80周年を迎えます。金日成同志の誕生は、朝鮮民族の歴史にかつてなかった大開運であり大慶事でした。金日成同志の誕生によって朝鮮民族の新しい歴史が始まり、チュチェの新時代が開かれました。革命と建設で達成されたすべての勝利と、朝鮮人民が享受しているこんにちの幸せは、この慶賀すべき日と結びついています。金日成同志の誕生70周年の際、わたしは幹部たちに、金日成同志の誕生80周年は70周年よりも盛大に記念すべきであると言いましたが、その理由はまさにここにあります。顧みれば、金日成同志の誕生60周年以前は金日成同志の誕生日を満足に記念することができませんでした。わたしは、祖国解放戦争の時期に金日成同志の誕生40周年をあまりにも平凡に過ごしたことを思うと、いまでも胸が痛んでなりません。古今東西の歴史を見ても、金日成同志のように人間のなめうる苦労と苦しみをすべて体験し、革命の道であらゆる試練と苦難に耐え、しばしの休息もとらず一生涯を祖国と人民のための聖なる偉業にささげてきた人はいません。それゆえ、人民は金日成同志が少しでも休めることを切に願っており、金日成同志をより丁重にいただくことをひとしく望んでいるのです。わが党は、金日成同志を高くいただこうという人民の一致した念願をかなえるため、金日成同志の誕生日を民族最大の祝日とし、盛大に記念することを恒例化しました。

 金日成同志の誕生80周年を意義深く迎えるのは、朝鮮人民ばかりでなく、世界の革命的人民の一致した願いでもあります。金日成同志は、反帝・自主の偉業を遂行する過程で積み上げた偉大な業績によって、世界の革命的人民のあいだで高い権威を保持し、絶大な信頼とこのうえない尊敬を受けています。金日成同志を高くいただくことは、朝鮮人民と世界の革命的人民の一致した願望です。我々は、金日成同志の誕生80周年を最も盛大に、かつ意義深く迎えなければなりません。

 我々は、金日成同志の誕生80周年に際し、金日成同志が創始したチュチェ思想の偉大さをいろいろな形式と方法で内外に広く宣伝すべきです。現在、多くの国で社会主義が崩壊し、少なからぬ人が信念を失い、真理を暗中模索している状況のもとで、チュチェ思想の真理性と生命力を深く論証し、朝鮮人民と世界各国の人民に希望と信念を抱かせることが大切です。全国チュチェ思想討論会をはじめ、各種の研究討論会と学習、講演、それに出版報道活動を高い政治的・思想的および科学的・理論的レベルでおこなうべきです。

 金日成同志の誕生80周年を契機に、金日成同志の栄光に輝く革命活動史と不滅の業績を広く宣伝して、朝鮮人民の民族的誇りと自負を高める一方、世界各国の人民に金日成同志の偉大さをよく知らせるべきです。

 金日成同志の誕生80周年を祝う各種の行事は、高い政治的・思想的レベルでおこなわなければなりません。我々は、金日成同志の誕生80周年を最も意義深く迎えようという朝鮮人民と世界の進歩的人民の願望をかなえるために、すべての祝賀行事が盛大におこなわれるように、その準備に万全を期するべきです。

 朝鮮人民軍創建60周年を記念する準備も綿密におこなわなければなりません。

 我々は今年、金日成同志の誕生80周年とともに、わが党の革命的武力である朝鮮人民軍創建60周年を迎えることになります。我々の革命的武力の創建者である偉大な領袖金日成同志をいただいて朝鮮人民軍創建60周年を迎えることは、わが党と人民、人民軍将兵にとってこのうえない光栄であり誇りでもあります。金日成同志は、主体的な軍建設思想を示し、それを立派に実現して、人民軍を党の偉業、社会主義偉業を守る必勝不敗の革命的武装隊伍に発展させた、我々の革命的武力の創建者であり、百戦百勝の鋼鉄の総帥です。

 金日成同志直々の提議により、党中央委員会第6期第19回総会では、わたしに朝鮮人民軍最高司令官の重責を担わせることを決定しました。わたしは、金日成同志の主体的な軍事思想と路線にもとづき、金日成同志が切り開いた軍建設の偉業をあくまで継承し、立派に達成するつもりです。我々は、朝鮮人民軍中隊政治指導員大会における金日成同志の綱領的な教えを守り、人民軍が名実ともに領袖の軍隊、党の軍隊、人民の軍隊としての使命と任務を立派に果たせるようにしなければなりません。

 創建60周年を迎えるにあたり、人民軍では、すべての軍人を党と領袖に限りなく忠実な真の革命家として準備させることに第一の関心を払うべきです。人民軍は銃を手にしている隊伍であるため、どの隊伍よりも党と領袖への忠誠心が高くなければなりません。革命軍は、党と領袖への忠実性を第一の生命とするときにのみ、その使命と任務を立派に果たすことができるのです。革命軍は、領袖によって創建され、党と領袖の指導のもとに発展していきます。人民軍は、党と領袖の指導のもとでのみ存在し、活動することができます。党と領袖への忠実性を抜きにしては、革命軍の存在とその運命について考えることはできません。人民軍の存在とすべての活動を決定する基本的要因は党と領袖への忠実性です。我々は、人民軍将兵に党と領袖への忠実性が第一の生命であることをはっきりと認識させ、彼らが革命的領袖観を確立し、党と領袖を心から仰ぎ、いかなる逆境にあっても政治的、思想的に、命を賭して守るようにしなければなりません。

 人民軍では、最高司令官の命令、指示を無条件に実行する革命的軍紀を確立することが大切です。最高司令官の命令、指示は、誰にも背く権利はなく、実行する義務があるのみです。

 人民軍は、戦闘準備を完了し、常に緊張した動員態勢を保持していなければなりません。南朝鮮の反動層は「北南間の和解と不可侵および協力・交流に関する合意書」に調印したとはいうものの、7・4共同声明を採択するや否や北侵騒ぎを起こしたように、いつ何時、それを破棄し武力侵略に出るかわかりません。人民軍は、寸時たりとも平和ムードにひたってはならず、常に革命的警戒心を高め、戦闘態勢を維持していなければなりません。わたしは朝鮮人民軍最高司令官として、人民軍は瞬時も緊張を緩めず、万端の戦闘準備を整えるよう強調するものです。祖国の南半部にアメリカ帝国主義とその手先がいる限り、人民軍は革命の銃剣をしっかりと握りしめていなければなりません。寝ても覚めても戦闘準備を整えることを考え、戦闘準備の完了にすべてを尽くす軍人こそが真に党と領袖に忠実な軍人であり、こんにちわが党が求めている忠臣であり孝子であります。人民軍では、1にも2にも3にも緊張を緩めてはならず、戦闘準備の完了に力を集中し、戦闘・政治訓練をさらに強化して、すべての軍人を一当百のつわものとして準備させなければなりません。

 鉄の規律は、人民軍の生命であり戦闘力の裏付けです。人民軍は、かげひなたなく、生活条件と環境のいかんを問わず、常に軍事規律と規定を自覚的に守り、指揮官の命令、指示に絶対服従する強い規律を打ち立てるべきです。

 人民軍では、基本戦闘単位であり全軍強化の要である中隊を政治的、思想的に打ちかため、現代戦の要求に即して中隊の戦闘準備を完了することに引き続き力を傾注することが必要です。

 将兵一致、軍民一致、党員と社労青員の一致という美風は、人民軍が備えるべき重要な風格です。

 金日成同志は、朝鮮人民軍中隊政治指導員大会で人民軍を精神的、道徳的に準備させるためには、将兵一致、軍民一致、党員と社労青員の一致を保障しなければならないと述べました。

 将兵一致と軍民一致は、抗日革命闘争の時期、抗日遊撃隊と人民のあいだで高く発揮されたもので、人民軍が引き続き堅持すべき伝統的な美風です。

 将兵一致は、文字どおり、指揮官と兵士が革命の同志として一枚岩の団結をなし、互いに愛しいたわり、生死、苦楽をともにする気風です。人民軍の指揮官は、いつも兵士と起居をともにし、彼らを肉親のように愛しいたわり、兵士は指揮官を尊敬し慕うべきです。

 軍民一致は、軍隊と人民が一つになり、互いに尊重し、いたわり、助け合う気風です。人民軍の指揮官と兵士は、いずれも人民を愛し、人民の生命、財産を守り、人民の利益のためにすべてをささげなければなりません。社会的に軍事を重視する気風を打ち立て、人民軍を積極的に援護すべきです。人民軍なくしては祖国の安全と繁栄について考えることはできず、人民の幸せな生活を守ることもできません。人民は人民軍を肉親のように愛し、物心両面から支援し、人民軍の強化に大いに寄与しなければなりません。

 党員と社労青員の一致を保障する問題は、金日成同志がこのたび新たに示した独創的な思想です。党員と社労青員の一致は、党員が軍務生活で模範を示して社労青員をしっかりと助け導き、社労青員は党員を見習って、すべての青年軍人が、党と領袖、祖国と人民のための革命の道で生死、苦楽をともにする人民軍の美風です。人民軍では党員と社労青員の一致の美風を高く発揮させて、党員は社労青員を積極的に助け導き、軍務生活で社労青員の鏡となり、社労青員は青年前衛として党員の模範を見習って、祖国防衛の任務を立派に果たせるようにしなければなりません。

 人民軍における将兵一致、軍民一致、党員と社労青員の一致の3つの一致性が、軍人の軍務生活で確実に保障されるようにすることが大切です。

 朝鮮式社会主義は、生々発展しており、朝鮮革命の前途は明るく輝いています。党組織と党活動家は党活動を深化させて、党と人民大衆の一心団結を強化し、社会主義建設を促進することによって、人民大衆中心の朝鮮式社会主義をさらに輝かしていくべきです。

出典:『金正日選集』12巻


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