金 正 日

科学技術の発展に新たな転換を起こそう
 全国科学者大会参加者に送った書簡
−1991年10月28日− 


 偉大な領袖金日成同志が、歴史的な最初の科学者、技術者大会を開催し、わが国の科学技術発展の方向と方途を明らかにしたときから45周年になる時期に、全国科学者大会を開いたことは、極めて意義深いことであります。

 全国のすべての人民が偉大な領袖の誕生80周年をいっそう輝かせるため高い革命的熱情で沸き立っている環境のなかで開かれた今回の全国科学者大会は、社会主義建設の新たなより高い段階の要求にそくして国の科学技術を発展させるうえで画期的な転換を起こす重要な契機となるでしょう。

 党と領袖の賢明な指導のもと、過ぐる期間、国の科学技術発展では、大きな成果がなし遂げられました。解放後ゼロから出発した我々の科学技術はこんにち、有能な科学者、技術者の大部隊と強固な物質技術的土台を備え、社会主義経済建設と技術革命遂行で提起きれる膨大な科学技術的問題を成功裏に解決できるようになりました。

 偉大な領袖は、新社会建設の当初から科学技術の発展を国の興亡と民族の盛衰を左右する重大な問題とみなし、科学技術発展に深い関心と惜しみない配慮をはらいました。領袖は、偉大なチュチェ思想の原理から出発して、インテリを労働者、農民とともにわが革命の基本動力としておしたて、科学者、技術者をこのうえなく貴重な国の宝とし、彼らみなを一つの懐に抱いて科学探求の一路へと手を取って導きました。領袖は、祖国の運命を分かつ厳しい祖国解放戦争の困難な環境のなかでもみずから科学院を創立して、わが国の科学技術発展の強固な拠点をつくり、革命発展の各時期ごとに国の科学技術を主体的に発展させるためのたたかいへと科学者、技術者を力強く呼び起こしました。

 過ぐる期間、我々の科学者、技術者は、党と領袖の指導を高くかかげ、党の科学政策を貫徹するため献身的にたたかい、社会主義建設と国の科学技術発展に大きく貢献しました。わが人民が戦後の廃墟のうえに現代的な都市と農村を新たに建設し、技術革命を力強く推し進めて歴史的に短期間に自立的民族経済の強固な土台を整え、千里馬に速度戦を加えた勢いで社会主義大建設を力強く促進できたことは、我々の科学者、技術者の創造的知恵と献身的努力をぬきにして考えることはできません。こんにち、我々の科学者、技術者は、複雑な情勢の渦中でも寸豪の動揺もなくわが党を信じて従っており、陰ひなたなく、ひたすら党と革命のために、人民経済の主体化、現代化、科学化を実現し、国の科学技術を短期間に世界の先進水準にひきあげるためにあらゆる知恵と精力をすべてささげ、粘り強くたたかっています。

 偉大なチュチェ思想を確固たる信念として、党がゆだねた革命の持ち場をかたく守り、科学と技術で党を奉じ、社会主義を輝かせるために身命をささげてたたかう革命的な科学者、技術者の大部隊をもっていることは、わが党と人民の大きな誇りであります。

 私は、過ぐる期間、我々の科学者、技術者が、党の指導を高くかかげ、祖国と人民の前に負ったみずからの栄誉ある使命と任務を忠実に遂行してきたことを高く評価し、大会参加者とすべての科学者、技術者に熱い感謝を送ります。

 こんにち、我々の前には、科学研究事業で革命的転換を起こし、国の科学技術を新たな高い段階へ発展させるべき重い課題が提起されています。

 科学技術を速やかに発展させることは、わが革命と社会主義、共産主義建設の差し迫った要求であります。

 社会主義、共産主義社会は、高い科学文化の発展にもとづいてのみ建設することができます。科学技術を発展させることは、技術革命を推し進めて、生産力を速やかに発展させ、人民に自主的で創造的な物質文化生活を保障するための重要な保証であります。技術革命は、現代科学技術の成果を生産に導入し、普及する過程であります。科学と技術を速やかに発展させ技術革命を力強く推進してこそ、社会主義、共産主義の物質技術的土台を強固に整えることができ、勤労者を困難で骨のおれる労働から解放し、彼らに豊かな物質文化生活を保障することができます。

 科学技術を発展させることは現在、社会主義偉業を固守し、人民大衆中心の我々式社会主義をいっそう輝かせるために提起される切実な問題であります。こんにち、帝国主義者が「経済技術的優勢」を誇り、社会主義を抹殺するための策動をかつてなく強化している状況で、資本主義に比した社会主義の優位性を誇示し、敵との経済技術的対決で勝利するためには、科学技術を速やかに発展させなければなりません。

 我々が、既に、整えた経済土台の潜在力を余すところなく発揚させ、第3次7カ年計画を成功裏に遂行し、社会主義の完全勝利をなし遂げるためには、科学技術発展で一大転換をもたらさなければなりません。

 現代は科学と技術の時代であり、科学と技術がかつてなく早い速度で発展するのは現代科学技術発展の重要な特徴であります。小さな国であるほど早く発展するためには、科学技術発展に大きな力を入れなければなりません。我々は、他人が一歩進むときは十歩、百歩を走って、科学技術発展で一日も早く世界の先進水準に到達しなければなりません。

 わが国の科学技術を近い将来に世界の先進水準にひきあげることは、わが党の確固たる決心であります。わが党は、革命発展の切実な要求と現代科学技術発展の趨勢にそくして、2000年までの科学技術発展展望目標を提示しました。2000年までの科学技術発展展望目標を実現すれば、わが国は、主要技術経済指標において世界の先進水準に到達し、科学技術発展で進んだ国の隊列に入るでしょう。

 我々には、科学技術発展の雄大な展望目標を実現できる条件と可能性があります。すべての科学者、技術者と指導活動家は、高い革命的熱情と固い決心を抱いて、科学技術発展の目標を実現するためのたたかいに立ち上がらなければなりません。

 当面して、ことしから始まる新しい科学技術発展3カ年計画を遂行するためのたたかいを力強くくりひろげなければなりません。

 新しい科学技術発展3カ年計画の中心課題は、重要科学技術部門を新たな高い段階へと発展させ、最新科学技術による人民経済の現代化を積極的に推進することであります。我々は、科学技術発展3カ年計画期間に電子工学、熱工学、生物工学、機械工学、化学、新素材の部門に力を集中して、その水準を新たな高い段階へと引き上げ、最新科学技術による新しい工場の建設と技術革新を力強くくりひろげなければなりません。

 何よりも、電子工学を発展させることにひきつづき大きな力を入れなければなりません。

 電子工学は、現代科学技術の精髄をなす最も重要な科学分野であります。電子工学を発展させなくては、人民経済のあらゆる部門を現代的技術で整備し、生産工程と経営活動全般を新しい科学技術的土台のうえに引き上げることはできません。

 電子工学部門の科学者、技術者は、既になし遂げた成果と経験にもとづいて、電子工学と電子工業を新たな高い段階へと発展させ、人民経済重要部門のコンピューター化、ロボット化を実現するためのたたかいを力強くくりひろげなければなりません。新たに開発された超小型コンピューターに使われる電子要素と電子素材の特性を改善し、自給率を高め、プログラムを積極的に開発し、コンピューターの利用分野を広げなければなりません。これとともに、大規模集積回路と特殊半導体素子の生産を増やし、高級家電品生産と光ファイバー通信を実現するうえで提起される科学技術的諸問題を解決しなければなりません。

 機械工学を発展させることに大きな関心をはらわなければなりません。現在の機械工業の発展趨勢は、機械設備を数値制御化し、生産工程をロボット化することであります。機械工学部門では、工作機械を精密化、高速度化、知能化し、高性能の油圧器具をはじめ、機械要素と自動化器具を研究開発して、機械製品の質を高い水準に引き上げなければなりません。当面して「亀城104号」旋盤生産を正常化し、新しい数値制御工作機械と現代的な万能工作機械、さまざまな精密機械を積極的に開発しなければなりません。

 科学技術と機械設備の発展は、素材の発展によって保証されます。新素材部門を発展させなくては、電子工業を主体的に発展させることはできないし、機械工業の現代化を実現することもできないし、最新科学技術を全般的に発展させることもできません。新素材部門の科学者、技術者は、電子工業で切実に必要な化合物半導体とセラミック素材を開発し、その生産を工業化するための研究を推し進め、超伝導素材と金属樹脂複合素材をはじめ新素材と、わが国にはないものを代替できる素材を開発するための研究事業も展望をもって進めなければなりません。

 熱工学を発展させることは、国の緊張した熱動力問題を解決し、日増しに増大する人民経済のエネルギー需要をみたすために提起される切実な要求であります。熱動力問題を解決するためには、何よりも、わが国に多く埋蔵されている低熱量炭と超無煙炭を効果的に利用するための科学的な方途をたてなければなりません。熱工学部門の科学者、技術者は、低熱量炭を燃料とする新しい動力用大型ボイラーにたいする研究に力を入れ、既存の大型ボイラーの熱効率と燃焼の安全性を高めなければなりません。これとともに、エネルギーを効果的に利用し節約するための科学技術的問題を解決し、太陽エネルギー、風力エネルギーをはじめ、新しいエネルギーを開発するための研究に力を注ぎ、その利用展望を確固として開かなければなりません。

 生物工学、化学を発展させることは、人民の食と衣の問題をはじめ、人民生活を高めるうえで極めて重要な意義をもちます。

 生物工学部門では、細胞工学と遺伝子工学、微生物工学をはじめ、現代生物学の発展に大きな力を注ぎ、現代生物学の成果を農業と畜産業、医学と食糧工業に広く受け入れて、生産性の高い農作物と家畜の新種をつくりだし、質のよいさまざまな医薬品と食料品を多く生産できるようにしなければなりません。

 化学工業部門の科学者、技術者は、チュチェの繊維であるビナロンにたいする研究をいっそう深化させ、ビナロンの質を高め、品種を拡大し、ビナロン生産技術を最も高い水準でできるようにしなければなりません。農業と軽工業をはじめ、人民経済の各部門で切実に必要な質のよい化学製品をわが国の原料で生産できるようにしなければなりません。

 我々は、重要科学技術部門に力を集中し、レーザーをはじめ、新しい科学技術分野を発展させ、新たに建設する工場と技術革新対象に最新科学技術を積極的に導入しなければなりません。これとともに、数学、物理学、生物学をはじめ基礎科学にたいする研究を強化して、それが人民経済と科学技術の発展に積極的に貢献するようにしなければなりません。

 科学者、技術者は、新しい科学技術分野を発展させ最新科学技術にたいする研究を強化する一方、採取工業、金属工業、電力工業、鉄道運輸をはじめ、人民経済の各部門で既存の経済土台を効果的に利用し、生産を正常化し、製品の質を改善するために提起される問題を解決することに力を注ぎ、マグネシアクリンカー生産とわが国で伝統的に有名な朝鮮人参の栽培と加工、まゆの生産と加工、東方医学部門の技術を革新することにも深い関心をはらわなければなりません。

 科学部門の前に提起された課題を成功裏に遂行し、国の科学技術を全般的に速やかに発展させるためには、科学研究事業で主体を確立し、集団主義を徹底的に具現し、科学研究事業と生産実践を密接に結合させなければなりません。科学研究事業で主体を確立し、集団主義を具現し、理論と生産実践を結合させることは、わが党が一貫して堅持している原則であります。

 科学研究事業で基本は、主体的立場にしっかりと立って、わが党と革命が要求する方向にそって科学技術を発展させることであります。科学を研究し発展させる目的は、革命と建設で提起される科学技術的問題を解決して、国の富強発展と人民の豊かな物質文化生活を保障することにあります。わが国の革命に服務せず、わが人民の利益に貢献しない科学技術は、それがいかに発展し現代的なものであるとしても不要であります。したがって、科学研究事業では、常に、わが国の革命と人民の利益を中心において思考し行動する主体的な観点と立場を確固として堅持しなければなりません。

 科学研究事業は、世界の発展法則を明らかにし、自然を人間の自主的要求にそくして改造し変革するための方途を見いだす活動であり、高い創造性を要求します。国ごとに自然地理的条件が異なり、同じ自然法則でも自然条件と環境が変わればその表現形態と作用方式が異なる以上、科学研究事業で提起されるあらゆる問題を必ず自国の具体的現実にもとづいて創造的に解決しなければなりません。

 科学研究事業で主体を確立するためには、科学者、技術者がチュチェ思想とその具現であるわが党の路線と政策でしっかりと武装し、わが国の現実をよく知るべきであり、自力更生の革命精神をもって科学技術的問題をみずからの力で解決する革命的気風を高度に発揚しなければなりません。党の路線と政策には、わが革命の要求と人民大衆の利益が集中的に反映されており、科学技術発展の方向と方途が全面的に明らかにされています。科学者、技術者は、党の路線と政策で確固として武装し、それにもとづいて、すべての思考と実践活動をおこなわなければなりません。

 科学研究事業で、事大主義、教条主義に徹底的に反対しなければなりません。科学研究事業で事大主義と教条主義は死と同じであります。事大主義的で教条主義的な観点と思考方式をもてば、創造性が麻痺して絶え間なく変化する多様な現実を正しく認識することができませんし、科学技術発展と社会主義建設の科学的な方途を見いだすことはできません。科学者、技術者のあいだでみずからの力を信じず、外国の発展した科学と技術について幻想をもつ現象をなくさなければなりません。科学と技術を発展させるうえで、あたかも社会主義が資本主義より劣るかのように考え、資本主義国の発展した科学技術に幻想をもつことは誤りであります。どのような社会であれ、科学と技術を発展させる推進力は人民大衆の創造力であります。主体的立場にしっかりと立ち、科学者、技術者と生産者大衆の革命的熱意と創造的知恵を高度に発揚させて、国の経済的潜在力を最大限動員利用するならば、社会主義が科学技術分野でも資本主義を十分に圧倒することができます。

 科学研究事業で集団主義を具現することは、社会主義社会の本性的要求であり、科学技術を速やかに発展させる基本方途の一つであります。社会主義社会は、社会のすべの構成員が同じ目的と利害関係をもち、互いに同志的に団結し協力する集団主義社会であります。人は、社会的に結合して互いに協力するとき、はじめて世界を改造し変革する力ある存在となります。社会のすべての構成員が同志的に団結して協同で革命闘争と建設事業をくりひろげるところに、社会主義の優位性と力の源泉があります。科学技術を発展させる力の源泉も集団主義にあります。個人がいかに聡明であるとしても、人類がなし遂げた科学技術的成果の極めて限られた部分しか体現できません。個別的人間がもっている力と知恵では、複雑で多様な世界を全面的に認識し、改造することはできません。人は、力と知恵をあわせ、人類が歴史的に蓄積した科学技術の成果を総合的に利用するとき、はじめて世界をみずからの要求にそくして能動的に変革する世界の改造者としての役割を果たすことができます。

 科学研究事業で集団主義を具現するためには、科学者、技術者のなかで「一人は全体のために、全体は一人のために!」というスローガンのもと同志的協力を強化し、科学研究の成果と経験を謙虚に交換し、広く一般化する気風を立てなければなりません。また、合同研究と協同研究を強化しなければなりません。合同研究と協同研究を強化してこそ、現在の科学技術力量を効果的に動員利用することができ、困難な科学技術的問題を適時に成功裏に解決することができます。科学研究部門では、研究対象の規模と解決すべき問題の内容と性格の別に従って、合同研究と協同研究を広く組織し、科学者、技術者の集団的力に依拠して提起された研究課題を解決しなければなりません。

 集団主義を具現するうえで最大の障害物は本位主義であります。本位主義は、自分だけを考え集団の利益より個人の利益を優先させる個人利己主義の表現であり、わが社会では絶対に容認できません。本位主義が許容されれば、社会と集団の利益よりもみずからが属する単位と部門の利益を優先させて、革命と建設に大きな支障をもたらします。

 本位主義は、科学研究事業で禁物であります。科学のすべての分野と研究分野が有機的に緊密に連関している状況で本位主義をなくせなくては、科学技術を発展させることはできません。世界的範囲で科学技術的協力と交流が活発に進められているこんにち、同じ国内で科学研究事業を行いながら、本位主義の壁をつくるのは時代錯誤であります。

 科学研究部門では、本位主義の壁を壊し、科学者、技術者相互間、科学研究機関相互間、そして、科学研究機関と大学間の連携と創造的協力を強化しなければなりません。

 科学理論と生産実践を密接に結合させることは、科学研究事業の成果を保障し、技術革命遂行を促進するための基本的要求であります。

 科学研究事業と生産実践は、社会的生産過程で不可分につながっており、相互に作用する環であります。科学研究事業と生産実践を密接に結合させてこそ、科学技術も速やかに発展させ、科学研究事業でなしとげた成果に基づいて経済建設も積極的に推し進められます。

 生産実践は、科学技術の源泉であり、推進力であり、科学研究の結果を検証する最高の基準であります。生産実践と離れた科学技術は、発展することができませんし、何の価値ももちえません。科学研究事業は、生産実践と有機的に結合されたとき、革命と建設で切実に解決を要求する問題を解決するのに実質的に貢献でき、研究成果が技術革命と人民生活を高めるうえで大きく力を発揮することができます。科学者、技術者は、現実にしっかりと足をつけ、社会主義建設の実践が提起する問題を研究対象として科学研究事業を進めるべきであり、研究成果を生産実践に導入するうえで提起される科学技術的問題を責任をもって解決しなければなりません。

 科学研究事業を生産実践と結合するためには、科学者、技術者が社会主義建設の現実のなかに深く入らなければなりません。現実のなかに入ってこそ、国の経済実態と生産と建設で切実に解決を待っている問題を知ることができ、生産者大衆がもっている豊富で貴重な経験を体得することができます。

 科学者、技術者突撃隊活動は、科学研究事業と生産実践を結合させる優れた形態であります。科学者、技術者突撃隊は、科学者、技術者で組織された力量が、工場、企業所と建設場に出ていき、生産者大衆と一体となって創造的活動をおこなうことによって、人民経済発展で大きな意義をもつ重要な科学技術的問題を機動的に解決し、新しい科学研究成果と先進技術を生産に容易に導入できるようにします。科学者、技術者突撃隊を、有能な科学者、技術者でしっかりと組織し、その活動を強化して、科学者、技術者突撃隊が名実ともに経済建設で提起される重要な科学技術的問題を解決するうえで突破口を開く先駆者となるようにしなければなりません。

 科学研究事業と生産実践を密接に結合するためには、科学研究機関を生産と建設がおこなわれている現地に接近させる原則で合理的に組織し、配置しなければなりません。特に、重要な工場、企業所に工業技術研究所などをしっかりと組織し、生産を正常化し、技術革新を推し進めるうえで提起される科学技術的問題を自力で解決するようにしなければなりません。

 科学と生産を結合させるうえで重要な問題は、実験室的研究結果を中間工場試験と生産導入試験をつうじて検証する事業を強化することであります。実験室でえた研究成果は、それがいかに立派なものであっても完成されたものではなく、そのまま生産に導入することはできません。新しい科学研究成果は、生産実践をつうじてその正当性と普遍性が確証されたときにはじめて完成された理論となります。科学研究部門では、実験室的研究結果を中間工場試験と生産導入試験をつうじて検証し、それにもとづいて研究事業をいっそう深化させ、生産過程で提起されうる科学技術的問題まで総合的に解決された確証のある研究成果だけを生産に導入することを原則としなければなりません。

 党の科学政策を徹底的に貫徹し、国の科学技術発展で新たな革命的転換を起こすためには、科学者、技術者の役割を高めなければなりません。

 科学と技術を速やかに発展させられるか否かは、全的に科学技術発展の直接的担当者であり主人である科学者、技術者がいかに努力し、たたかうかにかかっています。科学者、技術者が党と革命の前で負っている栄誉ある使命と任務にたいする高い自覚をもち、みずからの責任と役割を果たすとき、科学技術革命遂行で新たな転換を起こすことができます。

 科学者、技術者が国の科学技術発展でみずからの責任と役割を果たすためには、党と領袖にたいし永遠に忠誠を尽くす真の忠臣となり、チュチェの革命偉業にたいする確固たる信念と強靭な意志をもつ堅実な革命家となるべきであり、専門知識に精通した有能な科学技術の所有者とならなければなりません。党と領袖にたいする限りない忠実性、不屈の信念と意志、高い創造的能力、これが、我々の科学者、技術者が備えるべき基本的な風貌と資質であります。

 科学者、技術者は、革命的領袖観でしっかりと武装し、党の思想と意図どおりに思考し行動し、いつ、どこででもわが党を信じて従う高い忠誠心をもたなければなりません。党と領袖に忠誠を尽くすことは、党の永遠の同行者、忠実な幇助者、立派な助言者としての信頼と栄誉をもつ我々のインテリの革命的本分であり、信義であります。科学者、技術者は、党と領袖を心から欽慕して奉じ、党の構想を開花させ実現するために、すべてささげてたたかわなければなりません。科学者、技術者は、党と領袖の指導を奉じていく道にわが革命の勝利があり、人民の幸福があり、民族のつきることのない繁栄があるということを深く確信し、一つの科学技術的問題を解決するにしても領袖が望み党が要求するとおりに解決し、1件の新しい研究成果を出すにしても領袖に満足を与えられるよう最上の水準で出さなければなりません。

 科学者、技術者は、社会主義にたいする確固たる信念と愛国主義精神でしっかりと武装しなければなりません。科学技術を発展させることは、単純な実務的課題ではなく、社会主義偉業の勝利を保障し国の自主的発展と民族の繁栄をなし遂げるための重要な政治的課題であります。社会主義、共産主義の偉業の正当性と勝利にたいする確信のない人は、社会主義経済建設を推し進め人民の物質文化生活を高めるためのたたかいで革命的熱意と創造性を発揮することができませんし、祖国と人民にたいする熱烈な愛と民族的自負心のない人は、我々の科学技術を一日も早く世界の先進水準に引き上げるために身命をささげてたたかうことはできません。科学者、技術者は、我々の前途にいかなる難関が横たわり試練に直面するとしても、いささかの動揺もなくひたすら党の指導に従ってチュチェ革命の一路をしっかりと進むべきであり、主体的立場にしっかりと立って国の科学技術を発展させ、国を富強にし、我々式社会主義をいっそう輝かせるためにすべてをささげてたたかわなければなりません。

 自力更生、刻苦奮闘の革命精神と強靭な意志は、科学者、技術者が必ず備えるべき気質であります。自力更生、刻苦奮闘の革命精神と強靭な意志をもち、屈することなく精力的に探求する人だけが科学の高いいただきにのぼることができます。科学者、技術者は、科学探求の困難な道で直面する隘路路と難関をみずからの力で突破すべきであり、一時的な失敗の前でも動揺することなく、まかされた課題を最後まで完成させる革命的気風を高度に発揮しなければなりません。

 科学者、技術者の資質を決定的に高めなければなりません。

 科学者、技術者は、科学と技術で党と革命に服務する以上、忠実性と革命的熱情だけではみずからの本分を果たすことができません。こんにち、科学技術が非常に早い速度で発展し、我々の前に新しい科学技術的問題が数多く提起されている現実は、科学者、技術者の実務的資質を高めることをいっそう切実に要求しています。党の科学戦線を担当している科学者、技術者として、実力が低く、みずからの任務を遂行できなければ、それよりも恥ずべきことはありません。

 科学者、技術者は、時代と革命の前に負った重大な責任を果たす実力ある働き手となるため、精力的に探求し、努力しなければなりません。知ることは力です。科学者、技術者は、革命的学習気風を立て、皆がみずからの専攻分野に精通し、現代科学技術発展趨勢に明るく、各部門の知識を幅広く所有する博識家として、いかに困難な科学技術的課題も十分に解決できる有能な科学者とならなければなりません。

 科学理論水準を高めることを自覚にだけゆだねてはいけません。科学者であるからといって、皆が学習熱意が高いわけではありません。科学者、技術者のなかで自覚的学習気風を確立すると同時に、学習にたいする統制を強化すべきであり、再教育をはじめ、彼らの水準を高めるためのさまざまな対策をとらなければなりません。

 科学技術行政事業を強化しなければなりません。

 科学研究事業も、国家の統一的指導によってのみ成功裏に進めることができます。人民経済が国家の統一的指導のもとで管理運営され、社会主義経済法則に従って計画的、均衡的に発展するわが社会で、科学研究事業を国家が統一的に指導しなければ、経済発展の要求にそくして科学技術を発展させることはできません。科学研究事業にたいする指導問題は、科学研究機関が増え、新しい科学分野が多く生まれ、科学技術部門間の連携が日増しに複雑化している状況で、いっそう重要な問題として提起されます。

 科学技術行政事業で何よりも重要なことは、計画化事業を立派におこない、科学研究課題を正しく設定し、研究事業の優先順位を正しく規定することであります。

 社会主義経済建設を推し進め、科学技術を一日も早く世界の先進水準に引き上げなければならないわが国の現実は、科学部門の前に研究解決すべき数多くの科学技術的問題を提起しています。だからといって、現実的条件を考慮せず欲求だけを先立たせて、多くの問題を一度にすべて解決しようとしてはなりません。科学技術行政機関では、科学研究事業を広げるだけでなく、社会主義建設で緊急に解決すべき問題と国の科学技術を世界の先進水準に発展させるうえで優先的に解決すべき中心環を正しく設定し、そこに力量を集中するようにしなければなりません。また、せん滅戦の方法で、既に着手した研究課題に力を注ぎ、完成した後に新しい課題に着手するようにしなければなりません。

 科学研究事業で成果を上げるためには、科学者、技術者と科学研究機関に研究課題を明確に与え、科学力量と物質技術的手段を効果的に利用できるよう組織しなければなりません。対象の特性と準備程度にあわせて研究目標と段階別研究課題を明確に与え、科学者、技術者と研究機関が、高い責任性を発揮してみずからに課された課題を遂行するようにしなければなりません。それとともに、科学院と高等教育機関、部門別科学研究機関の間の連携と分担をうまく組織して、全国の科学技術力量を積極的に動員利用し、科学者、技術者が同じ問題で別に研究事業をおこなう現象がないようにしなければなりません。

 科学研究事業進行過程を日常的に掌握指導することは、科学研究事業を力強く推進するための積極的な方法です。科学技術行政機関では、研究課題遂行状況を常に了解掌握し日常的に総括して、提起される問題を適時に解決する秩序を徹底的に立てて、科学研究課題をたがえることなく遂行するようにしなければなりません。

 新しく研究した科学技術的問題にたいする審議事業を強化し、科学研究成果を遅滞なく生産と建設に導入するための対策を立てなければなりません。

 科学研究成果を生産に導入するためには、それにたいする審議事業を正しくおこなわなければなりません。十分に検証されていない研究結果を生産に導入すれば、多くの資金と資材、労力を浪費し、生産に支障を与え、ひいては人民経済発展に大きな影響を及ぼしかねません。部門別科学技術審議委員会と新技術導入委員会の責任性と役割を高めて、検証がなされ経済技術的効率が高い研究成果だけを生産に導入する規律を立て、研究成果を評価し、それを生産に導入するうえで、いかなる功名心も私心も作用できないようにしなければなりません。

 科学研究計画と生産導入計画を義務的に執行する規律を立てなければなりません。科学技術行政機関では、科学研究計画と生産導入計画を当該の委員会、部、工場、企業所と合意して立て、それを国家計画に組みこんで科学研究機関と生産導入を受け持った工場、企業所が義務的に執行するようにしなければなりません。そうして、科学者、技術者が価値のある研究成果を出すようにする一方、彼らの苦心のこもった探求と努力によってなし遂げられた科学研究成果が遅滞なく生産に導入されて国の経済発展と人民生活の向上で役立つようにしなければなりません。

 科学研究結果にたいする評価事業を正しくおこなうことが重要です。科学者、技術者の創造的熱意を高め、彼らがもっている知識と技術が生産と建設に積極的に貢献するようにするためには、科学研究結果にたいする政治的評価と物質的評価、学術的評価を正しくおこなわなければなりません。科学研究成果にたいする評価は、それが人民経済と科学技術発展にどれほど貢献したかによっておこなわなければなりません。科学者、技術者が、現実で提起される価値ある科学技術的問題を解決し生産に導入して効果を発揮したり、現代的な科学実験の装置と器具、新しい高級設備を開発したときには、その成果によって国家表彰と学位を与え、級数も上げるようにしなければなりません。これと関連して現在適用している科学研究成果と学位にたいする評価規定を全般的に検討し、現実発展の要求にそくして改正することが必要です。

 科学技術者の隊列を強固に整えることに大きな関心をはらわなければなりません。我々の人民経済が、多面的に発展し、日増しに規模が拡大し、新しい科学部門が絶え間なく開拓されている現実は、科学者隊列を増やし、その質的水準を高めることを要求します。科学研究部門では、日増しに増大する需要にあわせて科学技術者の隊列を新世代のインテリで絶えず補充し、特に、若くて展望のある優秀な働き手で最新科学部門の研究者隊列をしっかり整えなければなりません。科学研究事業の成果は、決して人の数で決まるものではありません。科学研究者隊列を実力を基本にして整え、固着させ、水準を高めるためのたたかいを力強くくりひろげて、科学研究部門の働き手のあいだで準博士、博士の比率を決定的に高めなければなりません。

 先進科学技術を受け入れるための事業を積極的にくりひろげなければなりません。

 先進科学を受け入れることは、国の科学技術を速やかに発展させるための重要な方途の一つとなります。科学技術は、人類の創造的な知恵と才能を集大成した貴重な創造物であり、人類共同の財富であります。世界先進科学技術の成果を広く受け入れなくては、国の科学技術を最短期間に全般的に世界的水準に引き上げることはできません。

 外国の発展した技術を受け入れることは、科学技術分野で主体を確立する事業と矛盾しません。科学技術を主体的に発展させることは、科学技術分野で事大主義と教条主義に反対するということであり、外国の発展した科学技術を受け入れてはならないということではありません。世界先進科学技術を受け入れて、我々の科学技術を高い水準に発展させてこそ、わが国の革命と建設で提起される科学技術的問題を成功裏に解決していくことができ、自力更生の原則もいっそうしっかり貫徹することができます。

 科学技術分野で外国との交流と協力を強化しなければなりません。外国との交流と協力を強化してこそ、現代科学技術の発展趨勢と最新科学技術の成果を適時に知ることができ、科学研究事業で多くの時間と労力、資金を節約することができます。科学技術部門では、外国との科学技術図書交流と科学者、技術者交流をはじめ、さまざまな形式と方法で科学技術交流事業を活発にくりひろげ、電子工業をはじめ、先進科学技術分野で進んだ国との合弁、合作も広く組織しなければなりません。外国で高度に現代化された工場を工場ごと導入することも必要です。現代的な工場を導入すれば、それを稼働する過程で最新科学技術を早く習得することができ、その工場を見本にして他の工場を現代化するうえでも良いでしょう。

 外国との科学技術交流と協力は、徹底的にわが国の科学技術を速やかに発展させ、人民経済の主体化、現代化、科学化を実現するうえで必要なものを受け入れる原則でおこなわなければなりません。

 科学技術情報事業を強化しなければなりません。科学技術情報事業をしっかりおこなってこそ、少ない元手と手間で科学技術発展で切実に要求される貴重な資料を得ることができます。科学技術情報分野の働き手の隊列を能力ある働き手でしっかり整え、情報手段を現代化し、現代的通信手段とコンピューターによる情報検索システムを確立し、科学技術情報資料を全面的に、体系的に収集分析するようにしなければなりません。これとともに、新しい科学技術資料を総合して科学者、技術者に適時に知らせる科学通報事業を強化しなければなりません。

 海外同胞科学者との研究協力、共同研究を広く組織しなければなりません。偉大な領袖は、つとに資金のある者は資金を出し、知識のある者は知識を出し、力のある者は力を出して、国と民族を愛するすべての人々が新祖国建設に貢献しなければならないと教えました。国の科学技術を発展させる事業は、祖国の富強発展と民族の繁栄をなし遂げ、祖国の自主的平和統一を早める神聖な愛国事業であります。在日朝鮮人科学者をはじめ、海外同胞科学者の創造的協力を広く組織して彼らが祖国の科学技術を発展させるための愛国事業に積極的に参加するようにしなければなりません。

 科学研究事業にたいする指導を強化するためには、科学技術行政機関の役割を高めなければなりません。科学研究事業にたいする指導で科学審議委員会の役割をさらに高め、科学院と部門科学院、部門別科学指導機関の指導機能を強化して科学研究事業にたいする科学技術的指導で個別活動家の主観と独断をなくし、科学者、技術者大衆の創意創造性と積極性を高く発揚させなければなりません。国の科学技術を発展させるうえで国家科学技術委員会の役割が重要です。国家科学技術委員会は、科学技術行政事業にたいする統一的な指導体系をたて、科学研究機関だけでなく、高等教育機関と生産機関のすべての科学技術力量を人民経済発展で大きな意義をもつ重要な科学技術的問題を解決することに集中するようにしなければなりません。

 科学研究事業の物質技術的土台をしっかり整え、研究条件を円満に保障することは、科学技術を速やかに発展させるための基本条件のひとつであります。科学者、技術者の隊列がしっかり整えられ、彼らの思想的覚悟と能力がいかに高くても、必要な研究条件を十分に保障できなければ科学研究事業で成果をおさめることはできません。

 現代科学技術発展の要求にそくして科学研究基地を物質技術的にしっかり整えなければなりません。科学研究基地は、科学研究事業を進め、科学技術を発展させる重要な拠点であります。科学研究基地を現代的にしっかり整えなくては、科学研究活動を保障することができず、わが国の科学技術を自立的に展望性をもって発展させることはできません。科学研究事業に必要な研究室と実験室、中間試験工場をはじめ、施設を科学研究部門の当面の要求と展望的要求を正確に見越したうえで実質内容のあるものを整えなければなりません。

 現代科学技術の発展は、精巧で性能の高い実験器具と各種さまざまな多様な試薬と材料を要求します。日増しに高まる実験器材の需要を保障できるように実験器材生産基地をしっかり整え、科学研究事業に支障をきたさないようにしなければなりません。科学研究部門では、大安システムの要求どおり科学研究事業に必要な設備と実験器具、試薬を、計画化し、上部が下部に供給するシステムを徹底的にたて、科学者、技術者が実験設備と資材を探し回ることがないようにしなければなりません。

 政務院の委員会、部では、科学研究基地をしっかり整え、科学研究条件を保障するうえで要求される設備と資材を最優先的に保障するべきであり、科学研究事業に必要な実験設備と資材、試薬のうちわが国でまだ生産されていないものは外国から購入して適時に供給しなければなりません。

 科学研究部門にたいする投資を絶え間なく増やさなければなりません。科学研究事業を人民経済発展に確固として優先させることは、社会主義経済発展の合法則的要求であります。科学研究事業に投資して科学技術を発展させなくては、生産を高い速度で成長させることはできません。当面の生産だけを重視し科学研究事業と科学技術発展をおろそかにするのは、近視眼的であります。科学技術を人民経済に確固として優先させて発展させられるよう科学研究事業にたいする投資を増やし、毎年、科学研究部門に供給することになっている資金を無条件で保障するようにしなければなりません。

 科学研究事業にたいする党の指導を強化しなければなりません。

 党の指導は、すべての事業で成果を左右する決定的要因であります。科学研究事業にたいする党の指導を強化しなくては、国の科学技術を党の政策的要求にそくして発展させることはできません。

 科学研究事業にたいする党の指導を強化するうえで何よりも重要なことは、科学者、技術者との活動をしっかりおこなうことであります。党組織は、科学者、技術者を党と領袖のまわりにかたく団結させ、彼らを科学技術革命遂行に力強く呼び起こさなければなりません。党組織は、思想教育事業を対象の特性にそくしてさまざまな形式と方法で組織し、組織生活を強化して科学者、技術者を政治的に絶え間なく鍛錬しなければなりません。そうして、すべての科学者、技術者が、チュチェ思想でしっかり武装し、党と永遠に運命をともにし、党を科学技術的に忠実に奉じていく革命的インテリになるようにしなければなりません。

 党組織は、科学者、技術者が科学研究事業にみずからのすべての知恵と才能をささげることができるように暖かく配慮し、導くべきであり、彼らの悩みを適時に解決しなければなりません。科学研究事業で功労のある科学者、技術者を高く評価し、押し立て、彼らが高い政治的熱意をもって働き、科学研究事業で新しい革新が起こるようにしなければなりません。

 科学技術事業にたいする党の指導で重要なことは、党の科学技術政策が正確に執行されるよう掌握し、指導することであります。党組織は、党の科学技術政策を貫徹するための事業を常に党委員会的な事業としてしっかり堅持し、力強く推し進めなければなりません。党の科学技術政策執行状況を日常的に了解掌握し、発生した偏向を適時に正して、党の科学技術政策が正確に貫徹されるようにしなければなりません。

 党組織は、すべての活動家が、科学技術にたいする正しい観点と立場をもつようにしなければなりません。現在、一部の活動家が、科学技術発展に当然の関心をはらわず、科学者、技術者に研究条件をしっかり保障しないのも、主に科学技術が国の経済発展と技術革命遂行において生命線であるという確固たる観点が足りないことと関連しています。現在、科学技術を発展させなくては、国の経済を一歩も前進させることはできませんし、政治で自主、経済で自立、国防で自衛をしっかり保障することができません。科学技術にたいする観点と態度は、すなわち革命にたいする観点と態度であり、科学技術を軽視することは革命をおこなわないということと同じであります。

 党組織は、すべての指導活動家が科学技術にたいする観点と立場を正しくもち、科学研究事業を客観的な立場からではなく、全的に責任をもつ立場から積極的に支援するようにしなければなりません。科学研究機関は、精神文化的財富を創造する生産機関であり、科学者、技術者は、精神労働をおこなう労働者階級であるということができます。科学研究機関を非生産機関であるかのようにみなし、科学者、技術者を科学研究事業以外の他の仕事にむやみに動員することがないようにし、彼らに科学研究時間をはじめ、研究条件と生活条件を円満に保障するようにしなければなりません。党組織は、指導活動家のあいだで科学技術にたいする正しい観点をもつように教育事業を強化する一方、科学技術を無視し、軽視する現象に反対する思想闘争を強くくりひろげなければなりません。

 科学技術にたいする社会的関心を高めるようにしなければなりません。科学技術を発展させることは人民大衆自身のための事業であり、広範な大衆が動員されてこそ成功裏に遂行できる全人民的事業であります。党組織は、党員と勤労者に科学技術発展の重要性と意義を正しく認識させ、彼らが大衆的技術革新運動を力強くくりひろげるようにしなければなりません。それとともに、科学者、技術者を社会的に積極的に押し立て、優遇することで、科学技術にたいする社会的関心をいっそう高めるようにしなければなりません。

 こんにち、我々の科学者、技術者の前には、最短期間内に国の科学技術を世界的水準に引き上げるべき重くも栄誉ある任務が提起されており、科学者、技術者にたいする党の信頼と期待は極めて大きいものです。

 私は、すべての科学者、技術者が党と領袖に限りない忠誠心を抱いて科学技術革命を力強くくりひろげ、必ず科学技術の新しい高い頂にのぼるものとかたく信じます。



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