金正日「軽工業革命を立派に遂行するために」

3 軽工業革命の遂行における党組織の任務


 軽工業革命を成功裏に遂行するうえで党組織に提起される任務は極めて重大です。

 党組織は、党の軽工業革命の方針を堅持し、党員と勤労者をその貫徹に立ち上がらせる政治活動を力強く展開しなければなりません。

 いま党は「戦後のチョンリマ(千里馬)大高揚期のあの精神、あの気迫で生き、働こう!」というスローガンをうちだし、すべての党員と勤労者を生産と建設に奮起させることを求めています。このスローガンには、チョンリマ大高揚期の闘争伝続を受け継いで、社会主義建設にいま一度新たな革命的大高揚をもたらすことによって、領袖、党、大衆が一つにかたく結束した我々の一心団結の威力を示威し、チュチェ思想が具現された朝鮮式の社会主義を限りなく輝かせていこうという、我が党と人民の志向と意志が反映されています。戦後のチョンリマ大高揚期に労働者階級と人民が発揮した革命精神は、党と領袖だけを信頼し、党と領袖の意図であるなら水火もいとわず無条件に実行する限りない忠実性の精神であり、革命の途上に立ちはだかるいかなる困難や試練も自力で勇敢に乗り越えていく自力更生、刻苦奮闘の精神であり、継続革新、継続前進して一日も早く富強な社会主義祖国を建設し、真っ先に共産主義社会を建設しようという愛国の精神であります。戦後のチョンリマ大高揚期のあの精神、あの気迫こそ、こんにち党員と勤労者が党の軽工業革命の方針を貫く闘争で発揮すべき革命精神であり、戦闘的気迫であります。

 チョンリマ大高揚の時期に労働者階級と人民が身につけていた革命精神の基本は、党と領袖にたいする忠実性です。あのころ、労働者階級と人民は自己の運命のすべてを金日成同志に託し、金日成同志だけを頼みとしました。かれらは、金日成同志の構想を実現し、心労を軽減することを至上の任務、革命的本分とみなし、いかなる逆境にあっても金日成同志が示した路線と方針を断固として擁護し実行しました。そして、革命の前に提起された重大な任務を遂行し、革命的大高揚を起こすことによって、党と領袖を守り、忠実に従いました。チョンリマ大高揚期に労働者階級と人民が身につけていた党と領袖にたいする忠実性は、言葉のうえではなく、困難な実践闘争のなかで培われ高く発揮された、真実で信念化された忠実性でした。軽工業革命を力強く展開して人民により豊かな暮らしをさせようというのは、金日成同志の構想であり、党の意図であります。こんにち軽工業部門の党員と勤労者の党と領袖にたいする忠実性は、党の軽工業革命の方針を貫徹して一般消費物資の生産に新たな転換をもたらすことにあらわれなければなりません。党組織は忠実性教育を着実におこない、すべての党員と勤労者が党の軽工業革命の方針を支持し、それを無条件に貫徹することによって、党と領袖に忠孝をつくすようにすべきです。

 チョンリマ大高揚の時期に労働者階級と人民が身につけていた革命精神は、自力更生、刻苦奮闘の革命精神です。

 戦後、社会主義建設に着手した我々には、戦争によってすべてが破壊されたため、全くなかったり不足するものがあまりにも多すぎました。だからといって、それを外国に頼るわけにもいきませんでした。戦後の社会主義経済建設におけるすべての問題は、一から十まで我々が自力で解決していかなければなりませんでした。当時、我々は無から有を創造するという極めて困難な状況下で、社会主義建設を進めなければなりませんでした。それは戦争に劣らぬ困難なたたかいでした。しかし、党と領袖に限りなく忠実な労働者階級と人民は、決心しさえすればできないことはないという確固たる信念をもって、革命と建設におけるあらゆる障害と難関を自力で乗り越えていきました。かれらは、何がないと泣き言をいったり、何を提供してくれないと不平を言ったりせず、外国のものを欲しがるようなこともありませんでした。かれらはただ自分の力だけを信じ、上部から提供してもらえればそれにこしたことはなく、提供してもらえなくてもやり遂げるという確固たる信念をもって、革命と建設で提起されるすべての問題を自力で解決しました。

 戦後とは比べようもなくあらゆる条件がそろっており、自立的民族経済の威力が強化されたこんにち、自力更生、刻苦奮闘の革命精神を高く発揮するなら、我々になしえないことはありません。党組織は、党員と勤労者を自力更生、刻苦奮闘の革命精神で武装させ、かれらが党の軽工業革命方針を貫徹するうえで提起されるすべての問題を自力で解決していくようにしなければなりません。

 自力更生、刻苦奮闘の革命精神を発揮するうえで重要なのは、ほかへの依存心を捨て、すべてのことを自分が主人であるという確固たる立場に立って責任をもっておこなうことです。

 自力更生、刻苦奮闘の革命精神が、自分の力を信じ、自力ですべての問題を解決していく自主的な革命精神であるなら、ほかへの依存心は、他人の力をあてにし、他人に頼って提起される問題を解決しようとする事大主義的な思想観点です。なにごとであれ自力更生すれば難関を突破することができますが、他人に頼れば自分の力でできることもできなくなります。革命家は、常にほかへの依存心を捨て、自力更生、刻苦奮闘の革命精神をもって、提起された革命課題を自分の力でなし遂げなければなりません。党組織は、党員と勤労者がほかへの依存心、特に自国のものを見下げてよく使おうとせず、外国のものだけを買い入れて利用しようとする輸入病を徹底的に克服し、自力ですべての問題を解決していくようにすべきです。党員と勤労者は党の軽工業革命の方針を貫くうえで、あらゆる潜在力と可能性を動員して、ないものは探し出し、不足するものは効果的に利用しなければなりません。党員と勤労者のあいだで、提起された問題を自力で解決しようとせず、もろもろの条件にかこつけてぐずつく敗北主義的傾向と強い闘争をくりひろげて、そのような傾向があらわれないようにすべきです。

 チョンリマ大高揚の時期に労働者階級と人民が身につけていた革命精神は、チョンリマの勢いで継続革新、継続前進する精神です。戦後、労働者階級と人民は「チョンリマを駆る勢いで前進しよう!」というスローガンを高くかかげ、社会主義建設で一時も停滞したり沈滞することなく、たえず奇跡と革新を創造しました。継続革新、継続前進の革命精神をもってたたかったので、戦後あのように困難かつ複雑な状況のもとでも戦争の被害を短期間にすっかりいやし、社会主義建設でチョンリマの大高揚を起こすことができたのです。まさにあの闘争精神があったがゆえに、世人を驚嘆させるチョンリマの速度が創造され、全国にチョンリマの気概がみなぎるチョンリマの時代が開かれたと言えます。難関に屈せず、勝利におごることなく、継続革新、継続前進するのは、革命と闘争を好む朝鮮人民の固有な革命精神であり、闘争気風です。党組織は、党員と勤労者が継続革新、継続前進の革命精神をもって、チョンリマに速度戦をプラスした勢いで力強く前進し、軽工業革命の方針を一日も早く貫徹するようにしなければなりません。また、すべての党員と勤労者が前進を阻む消極性、保守主義、神秘主義を一掃し、たえまなく前進し革新するようにしなければなりません。

 党組織は軽工業部門の幹部陣容をかため、かれらの責任感と役割を高めるべきです。

 軽工業部門の幹部は、軽工業発展の直接の担当者であり、人民の物質・文化生活を責任をもって保障する人民の忠僕です。人民にどんな食品や衣服、生活必需品があてがわれるかは、軽工業部門の幹部に大きくかかっています。党組織は軽工業部門の幹部陣容をしっかりかため、かれらの責任感と役割を高めることに常に深い関心を払うべきです。

 党と領袖にたいする忠実性は、幹部の基本的表徴です。我が党の革命思想で武装し、いかなる逆境にあっても党と領袖に心から従い、断固と擁護し、党と領袖の偉業にあくまで忠誠をつくす覚悟ができている人だけが、我が党の幹部になれるのです。党組織は、党と領袖への忠実性を革命的信念とし、党の路線と政策、特に軽工業革命の方針を貫徹するためにすべてをささげる覚悟ができている人で軽工業部門の幹部陣容をかためるべきです。

 幹部は、党と領袖にたいする限りない忠実性とともに、高い実務能力をそなえていなければなりません。主観的な欲求だけでは、党の路線と政策を立派に実行することができません。いま食品工場をはじめ、一部の軽工業部門の工場で設備が近代的に改造されず、依然として古い技術に固執し、製品の質を高めることができないのは、幹部に科学技術知識と展開力が欠けていることに少なからず起因しています。党組織は、軽工業部門の幹部を専門知識がある有能な人でかためるべきです。軽工業部門の大学を卒業して専攻部門以外のところで働いている人をみな調べて個別に検討し、専攻部門に送るべきです。

 軽工業部門の幹部の責任感と役割を高めなければなりません。

 経済管理を手際よくおこなうのは軽工業部門の幹部の基本的任務です。軽工業部門の幹部は一にも二にも経済管理を掌握し、それに力をそそぐべきです。党組織はかれらが、最もすぐれた朝鮮式の経済管理体系であるテアン(大安)の事業体系の要求どおりに、経済管理を責任をもっておこなうようにしなければなりません。また、工場の管理運営を、軽工業製品生産の特性に即して、染め粉商人のようにきちょうめんにおこなうように導くべきです。こうして、すべての軽工業部門の工場が少ない労働力と原料、資材でより多くの製品を生産してコストを引き下げ、収益性を高め、人民に良質で安価な消費財を十分に生産、供給するとともに、国家の収入をたえず増やすようにすべきです。

 軽工業部門の幹部が責任と役割を果たすには、軽工業革命の遂行において強い革命性と党性、労働者階級性、人民性を発揮しなければなりません。革命性、党性、労働者階級性、人民性は党と革命、労働者階級と人民にたいする忠実性です。革命性と党性、労働者階級性、人民性が欠けている人は、党と革命、労働者階級と人民のために献身することができません。党組織は軽工業部門の幹部にたいする思想教育を強化し、かれらが高い革命性、党性、労働者階級性、人民性を身につけ、党の軽工業革命の方針を貫徹するようにしなければなりません。これとともに、かれらのあいだで革命性、党性、労働者階級性、人民性に欠けた傾向と強い思想闘争を展開し、それをただちに克服しなければなりません。軽工業部門の一部の幹部のあいだに見られる敗北主義、形式主義、要領主義と責任回避の傾向を克服する闘争を強く展開して、そのさ細な要素もあらわれないようにすべきです。

 党組織は、重工業部門をはじめ、軽工業部門と関連のあるほかの部門の幹部が軽工業革命にたいする正しい観点をもって、軽工業を積極的に支援するよう、指導と統制を強化しなければなりません。いま一部の幹部は、軽工業革命を軽工業部門の課題とみなしたり、二次的な事柄と考えて、軽工業を誠心誠意援助していません。党組織は、自分の単位の特殊性を口実にして軽工業部門に提供すべき設備と原料、資材を適時に提供しないなわばり主義的な傾向、軽工業革命は軽工業部門の人たちがなすべきことだとして、それに背を向ける傾向などにたいして強くたたかうべきです。

 軽工業革命の遂行にたいする党の指導を強化するためには、党活動家の指導方法と作風を改善しなければなりません。党活動家は指導方法と作風を改善するために努力し、正しい活動方法と活動作風を身につけて大衆のなかに深く入り、かれらを党の軽工業革命方針の貫徹へと力強く立ち上がらせるべきです。党活動家は、常に謙虚で素朴にふるまい、大衆と生死、苦楽をともにし、抗日遊撃隊の指揮官のように骨のおれる仕事の先頭に立ち、実際の行動をもって模範を示し、大衆を党政策の実行へと導く革命の旗手にならなければなりません。

 軽工業革命の遂行において、道・市・郡党委員会の責任と役割は極めて大きいものがあります。

 道・市・郡党委員会は、当該地域内の政治、経済、文化などすべての部門の活動を指導する最高指導機関です。それゆえ、道・市・郡党委員会は、当該地域の経済活動について当然責任を負わなければなりません。地方産業工場はもとより、中央直轄軽工業部門の工場もみな道・市・郡に位置しており、当該地域の党委員会の指導を受けています。道・市・郡党委員会は、軽工業革命の遂行のための活動を党の立場から正しく指導しなければなりません。

 道・市・郡党委員会は、軽工業革命の遂行を党委員会的な活動としてとらえ、常にそれに力こぶを入れるべきです。軽工業革命の遂行にかんする党の方針が提示されたら、ただちに党委員会で集団的に討議して正しい対策を立て、組織・政治活動を力強くくりひろげて、すべての党員と勤労者を軽工業革命の遂行に立ち上がらせるべきです。また、軽工業革命の遂行にかんする党の方針の貫徹状況を常時掌握し・懸案を適時に解決して、それが成功裏に貫徹されるようにしなければなりません。

 道・市・郡党委員会の活動家は、軽工業部門の工場にたびたび出向いて、軽工業革命の遂行で提起される問題を調べて難問を解決し、成果と経験を広く一般化し、欠陥と不備な点をそのつど是正しなければなりません。特に、道・市・郡党委員会の責任幹部が科学者・技術者のなかに深く入って、かれらを軽工業革命の遂行に積極的に立ち上がらせ、研究の条件を保障し、研究の成果が適時に生産に取り入れられるように後押しすべきです。

 こんにち、朝鮮人民はチュチェ思想の革命の旗を高くかかげ、1990年代の社会主義建設の新たな進軍路を力強く歩んでいます。革命が力強く前進する過程で、党と領袖のまわりに一心団結した我々の主体的革命力量は不敗のものとなり、党が望むことなら何でもなし遂げるという人民の意志と信念はさらに強くなっています。「党が決心すれば我々は実行する」 これがこんにちの朝鮮人民のゆるぎない意志であり信念であります。

 軽工業革命を進めて最短期間内に一般消費物資の生産に画期的な転換をもたらそうというのは、我が党の確固たる意志であり決意であります。

 私は、軽工業部門をはじめ、各部門の幹部と党員と勤労者が、党の意図と決意を体して軽工業革命を力強く展開し、一般消費物資の生産に画期的な転換をもたらすものと確信します。


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