金 正 日

朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚しよう
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部におこなった演説
-1998年12月28日-


 こんにち朝鮮人民は、繁栄する社会主義祖国に生き働く限りない誇りと自負にあふれています。朝鮮人民は実生活を通じて朝鮮民族の偉大さを深く感じており、朝鮮民族として生まれたことをこのうえない誇りとしています。外国の友人たちも我が国の現実を見て、朝鮮民族がいちばんだといって羨望しています。朝鮮人民が朝鮮民族第一主義の精神をもつのは当然のことです。

 しかし一部の人は、朝鮮民族第一主義について正しい認識をもっていません。かれらは技術が発達してこそ民族の誇りにでもなるかのように考えていますが、それは民族の誇りとなる一分野にすぎません。個々の分野での誇りは、どの民族にもありえます。山河の美しさを誇る民族もあり、古代文化をもって自負する民族もあります。しかし、個々の分野の自慢の種をもって、民族第一主義の栄誉をになえるとはいえません。民族第一主義の栄誉をになうには、社会生活の基本的分野をはじめ、各分野にわたって誇りとする持出した成果がなくてはなりません。我が党は、世界の人々がひとしく認めている朝鮮人民の気高い思想的・精神的品格と社会主義建設の偉大な成果に基づき、党員と勤労者のあいだで朝鮮民族第一主義の教育を強化する問題を提起しました。

 朝鮮民族第主義の精神は一言でいって、朝鮮民族の偉大さについての誇りと自負、朝鮮民族の偉大さをさらに輝かすという高い自覚と意志によって発現される崇高な思想・感情です。

 我々が主張する民族第一主義は、人種主義や民族排外主義とは緑もゆかりもありません。

 我々は、朝鮮民族が生物学的構造においてひときわぬきんでていると主張するのではありません。民族の優劣を生物学的な人種的特徴によって規定するのは、反動的なブルジョア人種論です。ブルジョア人種論者は、民族的特性が人種的特徴によって規定されるかのように主張し、皮膚の色によって白人を「高等人種」に、有色人を「劣等人種」に区別し、発達した文化は「高等人種」によってのみ創造されると言っています。反動的な人種論は、帝国主義者によって人種差別政策と民族抹殺政策の思想的道具として利用されてきました。帝国主義者は、現在もブルジョア人種論を他民族にたいする支配を正当化する道具とし、植民地従属諸国と第三世界諸国人民のあいだで民族虚無主義と事大屈従思想、外部勢力依存思想を伝播し、かれらの民族的独立と自主的発展の道を阻む策動に利用しています。元来、「高等人種」と「劣等人種」の区別があるはずがありません。各民族は、すべて底知れない創造的知恵と能力をもっています。かつて植民地従属下にあった民族の文化水準が立ち後れたのは先天的なものではなく、帝国主義者の略奪政策と植民地愚民政策の結果です。帝国主義者が「劣等人種」と蔑視していた第三世界諸国人民が、こんにちでは自己の運命の主人となって新しい生活の創造で立派な成果を達成し、文化水準をたえず向上させています。反面、最も発達した人種と自称する白人が人口の絶対多数を占めているアメリカでは非識字者が日増しに増大し、人々の知能水準がしだいに低下しています。現実は、ブルジョア人種論のでたらめさを如実に証明しています。

 我が国は人口が多いとか国土の広い国でもなく、経済大国でもありません。我々には、他国を見下して排斥するなんの理由もありません。他民族を見下し排斥する民族排外主義は、搾取階級と帝国主義者に固有な反動的思想です。

 帝国主義者が侵略と支配の思想的道具として利用してきた反動的な人種主義と民族排外主義は、世界の進歩的人民によってことごとく排撃されました。「大和民族」の「優越性」をかかげて他民族を「指導」する「使命」を云々していた日本帝国主義者と、「アーリアン族」の「優越性」をかかげて世界を支配しようとしたドイツのファシストも歴史の審判を受けました。にもかかわらず、アメリカをはじめ帝国主義者は依然として、人種主義と民族排外主義を他民族にたいする支配と略奪を正当化するのに利用しています。

 こんにちアメリカ帝国主義者は、反動的なブルジョア人種論と民族排外主義を侵略的なコスモポリタニズムと結びつけ、かれらの世界制覇の野望を遂げる思想的道具として利用しています。民族国家と自立的民族経済と民族文化を否定し、「世界国家」と「世界的な経済」「国籍をもたない文化」を提唱するコスモポリタニズムは、帝国主義者の侵略と支配、多国籍企業の搾取を正当化するのに奉仕しています。アメリカ帝国主義者は人種主義と民族排外主義、コスモポリタニズムを鼓吹し、白人種の「優越性」と世界におけるアメリカの「リーダーシップ」をでっちあげ、世界を制覇して諸民族を奴隷化しようと悪らつに策動しています。

 反動的な人種主義と民族排外主義、コスモポリタニズムに断固反対する我々の民族第一主義は、個々の民族のすぐれた民族性を無視しないばかりか、民族の自主性を尊重します。我々が反対するのは、個々の民族のすぐれた民族性についての誇りではなく、それを無視し踏みにじる支配主義です。朝鮮人民の民族第一主義の精神は、他民族にたいする尊重と信頼の崇高な思想・感情と結びついています。

 朝鮮民族は昔から正義感が強く、真理を愛し、信義を重んじ、同情心が厚く、礼儀正しく謙虚な品性をもっています。こうした民族性をもった朝鮮人民は、歴史的に他国を侵略したことがなく、どの民族にも害を及ぼしたことがありません。朝鮮民族は自主権を侵害する敵とは妥協することなくたたかいましたが、朝鮮民族の自主権を尊重する国の人民とは友好をはかり、仲よくすごしました。特に、帝国主義に反対し社会主義を建設する共同闘争で、朝鮮の共産主義者と人民は他国の革命的人民と生死、苦楽をともにし、肩を組んでたたかいました。朝鮮民族第一主義の精神は、朝鮮人民のこうしたすぐれた民族性に根ざしているため、いかなる排外主義的要素も排除する公明正大な思想・感情といえます。

 朝鮮人民のすぐれた民族性は、こんにちチュチェ思想に基づいてさらに立派に開花しています。チュチェ思想は人間をあらゆるものの主人、世界で最も貴い存在とし、人民大衆の自主性をあくまで擁護する人間中心の思想です。したがってチュチェ思想は、人間憎悪思想、排外主義、支配主義と根本的に対立しています。人間を最も貴い存在とし、人民大衆の自主性をあくまで擁護するチュチェ思想に基づいているがゆえに、朝鮮民族第一主義の精神は各民族と各国人民の自主的要求と利益も尊重する崇高な思想・感情となります。

 朝鮮人民の民族第一主義の精神が民族利己主義や民族的倣慢さとは無縁の崇高な思想・感情であることは、こんにちの実生活によって実証されています。朝鮮人民は、アメリカ帝国主義者と対峙している困難な状況下で革命を進めながらも、自主性を志向する第三世界諸国人民に物心両面の支持と声援を惜しみなく与えており、我が国を訪問する外国人を歓待しています。外国の友人たちは、我が国の人民の真実さと親切さに感嘆してやまず、朝鮮人民に大きな尊敬と信頼を示しています。これらの事実は、朝鮮人民の民族第一主義の精神が、自主性を志向する世界各国人民との国際主義的連帯と友好の感情と一つにつながる崇高な思想・感情であることを明らかに示しています。

 朝鮮人民が際立った民族的誇りと自負をいだく基礎は、既に久しい前から形成されてきました。朝鮮民族は、人類史発展の黎明期からすぐれた民族文化を創造してきました。朝鮮人民は昔から同じ血筋を引き、同じ言語と文化をもって一つの国土で暮らしてきた単一民族であり、五千年の悠久な歴史とすぐれた文化と伝統をもった英知ある民族です。朝鮮人民は、自己の勤勉な創造的活動によって立派な物質的・文化的財貨を創造しながら自己の運命を開拓してきた、英知と才能に富んだ民族です。

 朝鮮人民は長きにわたって独自の発展の道を歩む過程で、すぐれた民族性をもつようになりました。朝鮮民族の歴史には、我々の民族的自主権と民族性を抹殺しようとした外国侵略者の侵攻がたびたびありました。しかし、朝鮮人民はそのたびに外国侵略者の侵攻を勇敢に撃退し、民族性を固守しました。特に日本帝国主義は、我が国を占領し、朝鮮民族の同化を企んで民族的なものをすべて抹殺しようと悪らつに策動しましたが、朝鮮人民の民族性を抹殺することはできませんでした。

 我々の民族性を継承し発展させ輝かすうえで金日成同志が切り開いたチュチェの革命偉業は画期的な転換をもたらしました。金日成同志の指導のもとに展開された抗日革命闘争と祖国解放戦争は、朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚しよう人民の民族的英知を誇示した英雄的なたたかいでした。世界人民の反侵略闘争史には自分より強大な敵とたたかって勝利した事実が少なくありませんが、日本帝国主義とアメリカ帝国主義に抗する朝鮮人民のたたかいのように、力関係において及びもつかない強敵を打ち倒した例はありません。そのため世界の人々は、強大な日・米帝国主義を打ち倒した朝鮮人民を英雄的人民と呼んでいるのです。この一例をとってみても、我々は朝鮮民族がいちばんだと堂々と誇ることができます。民族性は敵との決戦においてばかりでなく、創造と建設においてもあらわれます。朝鮮人民のぬきんでた民族性は、すべてが灰じんと化した廃墟のなかから短期間に自主、自立、自衛の社会主義強国をうち立てた偉大な創造の歴史によっても十分に誇示されました。

 実に朝鮮人民は、自己の創造的知恵と英雄的闘争による偉大な勝利と成果に基づき、民族第一主義の思想・感情を堂々ともつことができるようになりました。朝鮮人民が世界に自民族をいちばんだと誇れるのは、まさに偉大な領袖、偉大な党の指導があり、偉大なチュチェ思想があり、最もすぐれた社会主義制度があるからです。人民大衆が自己の運命の主人として登場したこんにち、民族の運命を決定する決定的要因は、民族を導いていく党と領袖の指導であり、民族が指針とする指導思想であり、民族が生き活動する社会制度です。

 朝鮮人民の民族第一主義の精神は、偉大な領袖を戴いた誇りと自負です。自主の道を進む民族の運命は、労働者階級の卓越した領袖によって切り開かれます。偉大な領袖を戴いてはじめて、民族の進路を正確に示す指導思想をもち、民族の主体的革命勢力をうちかため、革命と建設を成功裏に遂行していくことができます。民族にあって最大の幸せは、偉大な領袖の指導を受けることです。かつて朝鮮人民は卓越した指導者を戴くことができなかったため、外国帝国主義者に民族の自主権まで奪われ、亡国の民の苦しい生活をせざるをえませんでした。卓越した領袖を戴き、その指導を受けてこそ、人民大衆は歴史の自主的な主体となり、自己の運命を自主的に、創造的に開拓する偉大な民族となりえます。朝鮮人民は数千年の歴史で初めて偉大な領袖である敬愛する金日成同志の指導を受けることによって、長い受難の歴史に終止符を打って革命の新しい時代を迎え、自己の運命を自分の力で開拓する自主的な人民に、米・日両帝国主義強敵を打ち倒して社会主義の模範を創造した栄えある人民となることができました。民族第一主義の栄誉をになう朝鮮人民の大きな誇りと自負はとりもなおさず、金日成同志を民族解放の救いの星、創造と建設の英才として高く戴いた誇りと自負です。朝鮮人民は偉大な領袖を戴いた民族的誇りと自負を胸深く刻み、金日成同志に永久に忠実に従う一念に燃えています。

 朝鮮人民の民族第一主義の精神は、偉大な党の指導を受ける誇りと自負です。人民大衆の自主性の実現をめざす革命闘争、人民大衆が主人となっている社会主義社会は、その本性からして労働者階級の革命的党の指導を求めます。労働者階級の革命的党は、革命の参謀部、社会の指導的力量であり、労働者階級の領袖の指導は労働者階級の党を通じて実現します。したがって領袖の指導とともに、党の指導は民族の運命開拓において決定的な意義をもちます。金日成同志によって創立された我が党は、チュチェ思想を指導指針とし、チュチェの革命偉業の完成をめざしてたたかうチュチェ型の革命的党です。我が党は、チュチェの革命偉業の遂行において不滅の功績をつみ、人民大衆から絶対的に信頼され、鉄の隊伍に統一団結し、豊かな経験と老練かつ洗練された指導力をもつ不敗の革命的党です。我が党があるがゆえに、朝鮮人民はあらゆる試練を乗り越えて常に勝利の道を前進し、厳しい風波のなかでも微動だにせず、民族の尊厳と国の自主権をゆるぎなく守りとおすことができました。こんにち党員と勤労者は、偉大な党の指導を受けることをこのうえない光栄、誇りとし、永遠に党の指導に従うかたい決意に燃えています。

 朝鮮人民の民族第一主義の精神は、偉大なチュチェ思想をもっている誇りと自負です。国の発展と民族の将来は、どのような思想によって指導されるかにかかっています。偉大な指導思想によって導かれる人民であってこそ、偉大な革命歴史を創造する誉れ高い人民となりえます。金日成同志の創始したチュチェ思想は、人民大衆が自己の運命の主人として登場した新しい歴史的時代の要請を反映して生まれた思想であり、労働者階級の革命思想発展の最も高い段階をなす偉大な思想です。朝鮮人民はチュチェ思想を指導指針としてたたかうことによって、事大主義、教条主義をはじめ、いっさいの古い思想の影響を克服して民族自主精神を高く発揮し、革命と建設を独自の信念に基づき自力で成功裏に遂行することができました。朝鮮人民がいかに複雑な情勢のもとでも動揺せず、社会主義を立派に建設することができたのは、まさにチュチェ思想を指針としたからです。朝鮮人民は歴史発展の新しい時代を開いたチュチェ思想をもっていることを大きな栄誉とし、それをさらに輝かす意志と信念にあふれています。

 朝鮮人民の民族第一主義の精神は、世界で最もすぐれた社会主義制度で暮らす誇りと自負です。朝鮮人民は党と領袖の指導のもとに、チュチェ思想を具現して最もすぐれた社会主義社会を建設し、社会主義の模範を創造しました。我が祖国を「社会主義模範の国」に変えたのは、朝鮮人民のこのうえない誇りです。人類が長いあいだ理想として描き、数多くの革命家がそのために貴い生命をささげた社会主義を最上のレベルで建設したことは、実に朝鮮民族の大きな誇りといえます。朝鮮人民は社会主義を、自分の選んだ道にそって自分の力で、朝鮮式に建設したため、より大きな誇りと自負をいだき、それにたいしいっそう愛着を感じています。

 我々の民族第一主義はこのように、偉大な領袖を戴き、偉大な党の指導を受け、偉大なチュチェ思想を指導指針とし、最もすぐれた社会主義制度で暮らす誇りと自負なのです。党と領袖の正しい指導と正確な指導思想があり、すぐれた社会主義制度があれば、すべての分野で民族的栄誉を高くとどろかすことができます。もちろん、我が国のように植民地半封建社会の立ち後れた遺産を受け継ぎ、戦争によってすべてが破壊され、帝国主義強敵と対峙して革命と建設を進める状況下で、すべての分野で民族的栄誉をとどろかすのは容易なことではありません。しかし、短い歴史的期間に自主、自立、自衛の強力で文化的な社会主義強国をうち立てた朝鮮人民の闘争経験は、偉大な領袖、偉大な党の指導のもとに、正しい指導思想をもって社会主義制度の優越性を高く発揚していくならば、すべての分野で民族の威力と栄誉を高くとどろかすことができることを実証しています。

 自民族が他民族にひけをとらないという自尊心をもつことも重要ですが、自己の運命を他人に劣らず開拓していく自覚と意志をもつことがなお重要です。我々が朝鮮民族第一主義を強調する目的は、たんに朝鮮民族としての誇りと自負をいだかせることだけにあるのでなく、自分の力で社会主義建設をより立派に進めて民族の尊厳と栄誉をより高くとどろかすところにあるのです。こんにちの誇らしい成果に酔うならば、やがて他国に後れをとることになります。民族の尊厳と栄誉をになうのも容易ならぬことですが、それを固守し輝かしていくのはなおむずかしいことです。歴史は、栄えていた民族が勝利と成果に酔って我が世の太平をうたい、ついには滅亡した事実を数多く記録していきす。

 立ち後れたからといって悲観せず、先んじたからといって自己満足しないのが、朝鮮人民の楽観的で勤勉な気質です。日本帝国主義植民地支配の暗たんたる時期や祖国解放戦争(朝鮮戦争)の厳しい時期、朝鮮人民は気を落とし腕をこまぬいていたのでなく、帝国主義侵略者と勇敢にたたかって勝利しました。戦争のためすべてが廃墟と化した戦後の困難な時期にも、朝鮮人民は失望したのでなく、他人が一歩進めば十歩、百歩を駆けて追いつこうという意志をもって奮闘し、こんにちのような民族的繁栄を遂げることができました。民族の栄誉をいっそう輝かす朝鮮人民の意志は、これまでの勝利と成果に慢心することなく、より高い目標をかかげてたたかっていることにあらわれています。こんにちの我々の状況は過去とは比べようもなく有利ですが、朝鮮人民は依然として白頭の革命精神、チョンリマ(千里馬)の革命精神で力強くたたかっています。

 勝利におごることなく継続革新、継続前進する朝鮮人民の闘争は、人民大衆の自主偉業、社会主義・共産主義偉業をあくまで遂行する高い革命的自覚のあらわれです。朝鮮人民は革命と建設を遂行しながらこんにちの幸福のみを考えるのでなく、祖国を統一し、子孫万代の繁栄を遂げるべき歴史的使命と、人類の自主偉業の最終的勝利を早めるべき国際主義的任務も考えています。

 革命を最後まで遂行する継続革命の意志をもつのは、自主勢力と反動勢力間、社会主義と帝国主義間に激しい対決戦がくりひろげられているこんにち、いっそう重要な問題となっています。帝国主義者は社会主義を誹謗中傷し、人民の心にあるその信念を切り崩すことによって、反社会主義戦略をなんとしても実現しようと企んでいます。朝鮮人民は、帝国主義者の反社会主義的策動に、チュチェ思想の具現された朝鮮式の社会主義がいちばんだという確固たる信念で、社会主義をより立派に建設するというゆるぎない意志をもって対抗しています。朝鮮人民のこうした信念と意志はまさに、我が党のうちだした朝鮮民族第一主義の精神に反映されています。我々の社会主義祖国がいちばんだという誇りと自負にあふれて社会主義をたえず強化、発展させ、いっそう輝かしていく朝鮮人民の闘争は、帝国主義者の反社会主義的策動にとって大きな打撃となります。世界の人々は我が国に来てみて、「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」資本主義がよいのでなく、すべての人がなんの心配もなくひとしくよい暮らしをする、安定し繁栄する朝鮮式社会主義がいちばんだとたたえ、社会主義偉業にたいする確信をいだいています。これは、我々が朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚して、我が国に社会主義をより立派に建設することが、帝国主義者の反社会主義的策動を破綻させ、人類の自主偉業を推進するうえで大きな寄与となることを示しています。

 各級党組織と活動家は、こんにち我が党が朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚しようとする目的と意図を明確に認識し、党員と勤労者のあいだで朝鮮民族第一主義教育を強化することによって、民族の栄誉をより高くとどろかし、人民大衆の自主偉業、社会主義・共産主義偉業をさらに力強くおし進めなければなりません。

 朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚するうえで最も重要なのは、すべての党員と勤労者が党と領袖の偉大さを深く体得し、党と領袖の指導に忠実にしたがうことです。

 朝鮮民族の偉大さはすなわち、我々の領袖、我が党の偉大さです。党員と勤労者が党と領袖の偉大さを深く体得してこそ、偉大な領袖、偉大な党の指導のもとに革命を進める大きな民族的誇りと自負をいだき、民族の栄誉をいっそう輝かしていくことができます。

 昨今は党と領袖についての文章がかなり書かれていますが、まだ金日成同志と我が党の偉大さを全面的に深く展開していません。朝鮮人民が朝鮮式の最もすぐれた社会主義を建設し、民族の大繁栄を遂げてきた歴史は、金日成同志の革命活動史であり、我が党の闘争史です。この栄えある歴史の各章節に記された党と領袖の功績は、古今東西にその比をみない偉大な功績です。これについては書物も少なからず出ていますが、書かれたものよりまだ書かれていないことがもっと多いのです。我々は、党と領袖の不滅の功績と偉大さについての書物もより多く出版し、文学・芸術作品もより多く創作すべきです。

 党組織と宣伝活動家は、党と領袖の偉大さについての宣伝を多様な形式と方法で、深くおこなうべきです。ここで重要なのは、一つを宣伝しても人々の胸をうつように内容豊かにすることです。そのためには、党と領袖の偉大さについての宣伝資料を一つつくるにしても努力して説得力のあるものにし、対象の特性に合わせて十分に解説すべきです。宣伝活動家をはじめ、すべての活動家は宣伝員となり、さまざまの形式と方法で金日成同志と我が党の偉大さを広く解説、宣伝すべきです。

 党員と勤労者は、学習を通じてのみでなく、実生活を通じて党と領袖の偉大さを体得します。社会主義建設場のいたる所で奇跡と革新が起こる誇らしい成果と、人々が日ごろ体験する幸せな生活を通じて、朝鮮人民は党と領袖の指導の賢明さと大いなる愛と配慮を胸熱く感じとります。すべての活動家は、党と領袖の指導のもとに革命と建設でたえず革新を起こし、人民生活をいちだんと向上させることがとりもなおさず、党と領袖の偉大さを輝かす道であることを肝に銘じ、党と領袖の構想をあくまで実現していかなければなりません。

 党と領袖の偉大さを輝かすことは、党と領袖の権威を傷つけるいっさいの不健全な要素との闘争を抜きにしては考えることができません。階級の敵が社会主義を抹殺しようと悪らつに策動しながら、党と領袖の権威を傷つけることに攻撃のほこ先を向けている現状下にあって、党と領袖の権威を断固擁護するのはなお重要な問題となっています。すべての活動家はいつどこにあっても党と領袖の権威を傷つけようとする敵の策動をするどく注視し、そのささいな要素をもそのつど徹底的に粉砕すべきです。

 党と領袖の権威を傷つける行為は、活動家の無責任さのためにまねかれる場合も少なくありません。我々は金日成同志の教示と党の路線と方針をゆがめて実行する行為をはじめ、党と領袖の権威を傷つけるさまざまの不健全な要素を一掃し、党と領袖の高い権威をあらゆる面から擁護しなければなりません。

 朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚するうえで重要なのは、党員と勤労者がチュチェ思想とその具現である党の政策で武装し、それを活動と生活に立派に具現できるようにすることです。

 我が党の思想と理論、路線と政策には、社会主義・共産主義建設を促進し、民族の栄誉を輝かすうえで提起されるすべての問題を我が国の実情に即して自力で解決する戦略と戦術、原則と方途が全面的に明示されています。チュチェ思想と党の政策で武装し、それをあくまで擁護し貫いてこそ、朝鮮革命を我々の方式で成功裏に遂行していくことができます。

 すべての党員と勤労者が金日成同志の著作と党の文献を深く学習し、その本質と内容、正当性を明確に認識するようにしなければなりません。学習はそれ自体に目的があるのでなく、党の思想・理論と政策を実生活に具現することに目的があります。したがって学習を実践活動と密接に結びつけて進め、それが人々の思想的修養と革命課題の遂行に大いに寄与するようにしなければなりません。

 活動家は党の政策を実行するため常に頭を働かし、懸命に努力すべきです。党の政策を実行するには、人民大衆を奮い立たせる組織・政治活動に力を入れなければなりません。いくら党の路線と政策が正しく、遂行方途が明白であっても、人民大衆が奮起しなくては実生活に具現されません。党組織と幹部は大胆な作戦と力強い政治活動、老練な指揮によって、党員と勤労者を党政策の実行へと奮起させるべきです。

 党の路線と政策を指針にして革命と建設を力強く推進するためには、我が党の思想に反するあらゆる不健全な思想要素との闘争を強化しなければなりません。我々は、我々の前進を妨げる個人主義、なわばり主義、形式主義、要領主義、無責任さをはじめ、あらゆる古い思想の残りかすとの闘争をねばり強く展開し、それを徹底的に克服すべきです。

 我が党の思想と政策を唯一の信念とし、その要求どおり働き生活するには、帝国主義の思想的・文化的浸透と修正主義の侵入を断固排撃しなければなりません。帝国主義者の反社会主義的策動が激化し、内外の情勢が複雑な状況下で、我々の内部にもブルジョア思想と修正主義が浸透する危険は常に存在します。我々はブルジョア的思想・文化や修正主義との闘争を強化し、それが我々の内部に絶対に浸透できないようにすべきです。

 革命と建設を我々の方式で進めるうえでの障害の一つは、事大主義、教条主義です。事大主義、教条主義は民族の尊厳を踏みにじる有害な思想であり、日和見主義思想をはじめ、さまざまの反動的思想を引き入れる案内役です。事大主義と教条主義を一掃しなくては、民族第一主義の精神を発揚することができません。我が国では事大主義と教条主義が思想潮流としてはなくなりましたが、その影響はいまなお残っています。朝鮮革命に大きな弊害を及ぼした事大主義と教条主義は非常に根深いものであるため、それとの闘争をつづけなければ一部の人のあいだに再びあらわれかねません。我々は活動家にたいするチュチェ思想教育を強化する一方、事大主義、教条主義との闘争をひきつづき力強くくりひろげて、「我々の方式で生きよう」というスローガンを高くかかげ、革命と建設をもっぱら党政策の要求どおり、我が国の実情に即して進めなければなりません。

 朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚するうえで重要なのは、最もすぐれた朝鮮式の社会主義制度をたえず強化、発展させることです。

 朝鮮式の社会主義は、朝鮮人民に民族第一主義の精神を定着させる社会的基礎であり、それをさらに輝かすのがまさに民族第一主義の精神を発揚する目的です。民族第一主義の栄誉をとどろかす道はとりもなおさず、朝鮮式の社会主義をいっそう強化、発展させる道です。

 いま少なからぬ人たちは、長いあいだ社会主義社会で暮らしてきたので幸せな生活を当然のことと思い、社会主義制度の優越性を深く感じていません。こうした状況下で、党員と勤労者のあいだで社会主義制度の優越性についての教育を強化することが重要です。

 社会主義についての教育は一般的にではなく、我が国の社会主義の具体的な現実をもって深く掘りさげておこなわなければなりません。しかし、いま宣伝活動家は、我が国の社会主義の特性と優越性を深く解説していません。社会主義といえば、どの国の社会主義も人類史に存在したすべての搾取社会とは本質的に異なる進んだ社会です。しかし、社会主義を建設する個々の国の環境と条件が異なり、民族性も異なり、革命と建設においてよりどころとする指導思想、指導理論、指導方法も異なるので、社会主義建設の方式のみでなく、社会主義制度の具体的な形態においても違いが生じざるをえません。

 我々の社会主義は、我が国の具体的実情に即してうち立て、朝鮮人民の志向と利益に合わせて発展させていく朝鮮式の社会主義です。朝鮮式の社会主義は一言でいって、朝鮮革命の指導思想であるチュチェ思想に基づいて立てられ、チュチェ思想によって発展し完成されていく社会主義です。我々の社会主義は、人間の自主的で創造的で集団主義的な要求を立派に具現している、最もすぐれたチュチェの社会主義です。我々の社会主義の優越性は、政治、経済、思想・文化生活の各分野で高く発揮されています。我々の社会主義はその大きな優越性のため、不敗の生命力を発揮しています。

 党員と勤労者が我々の社会主義の優越性を正しく認識するとき、いかなる環境のもとでも動揺せず、社会主義の旗を高くかかげて前進することができます。したがって党員と勤労者に、社会主義についての一般論ではなく、我々が朝鮮式の社会主義をいかに建設し強化、発展させ、その特性と優越性はなんであり、朝鮮式の社会主義がいかに明るい展望をもっているかを十分に解説すべきです。これとともに、朝鮮式の社会主義を強化、発展させる原則と方途を明確に認識させ、それを立派に具現するようにして、朝鮮式の社会主義をいっそう輝かしていかなければなりません。特に「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という集団主義の原則を堅持し、助け導きあいながら社会と集団のために献身的にたたかう気高い気風を高く発揮するようにしなければなりません。

 朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚するうえで重要なのは、領袖、党、大衆の一心団結をさらに強化することです。

 こんにち、朝鮮民族がいちばんだという誇りのなかで最も大きな誇りは、領袖、党、大衆の一心団結を確固と実現したことです。団結は民族が栄える道であり、四分五裂は民族が滅びる道です。長い歴史をもつ朝鮮人民がかつて亡国の民の悲しみを味わったのも、民族が団結せず、四分五裂していたためです。封建支配層は党派争いに明け暮れて国を滅ぼし、過去の民族解放闘争と初期共産主義運動も事大主義者と分派分子の派閥争いのため失敗をまぬがれませんでした。

 苦い歴史の教訓を通じて民族の団結を渇望していた朝鮮人民は、偉大な金日成同志を革命の陣頭に迎えることによってはじめて団結の中心を得、そのときから朝鮮民族が団結して勝利の道を開く新しい歴史がはじまりました。朝鮮革命が幾多の厳しい試練を経ながらも、偉大な勝利をかちとることができたのは、金日成同志のまわりに全人民がかたく団結してたたかってきたからです。我が党はセクト主義をはじめ、あらゆる異質的な要素を徹底的に克服し、全党に唯一思想体系を確立することによって、共産主義運動史にかつてなかった最も強固な統一団結、偉大な一心団結を実現しました。領袖、党、大衆の一心団結を代を継いで固守し、強化、発展させることは、社会主義偉業の最終的完成のための確固たる保障です。党組織と活動家は、領袖、党、大衆の一心団結を代を継いで固守することが民族の明日の運命にかかわる死活の問題であることをしっかり認識し、党と領袖を中心とし革命的信義と同志愛に基づく全社会の一心団結をたえず強化していかなければなりません。

 いま我が党内に分派は存在しませんが、活動家のあいだに地方主義、家族主義、敗北主義のような古い思想が残っているだけに、党の統一団結を破壊する反党的な行為があらわれないとは言い切れません。かつて、内外の情勢が複雑になるたびに分派分子が頭をもたげて党に挑戦した教訓にてらし、内外の情勢が複雑をきわめるこんにち、我々は党の統一団結を強化する問題に大きな関心を向けなければなりません。我々は、我が党の反分派闘争の経験と教訓をもって活動家を教育するとともに、かれらのあいだに党組織を重んじ、党組織の指導と統制のもとで活動し生活する気風を確立すべきです。

 領袖、党、大衆の一心団結を強化するうえで、各階層の大衆を党のまわりにかたく結集することか大切です。敵との対決における勝敗は、だれがより多くの大衆を獲得するかにかかっています。領袖、党、大衆が一つの社会的・政治的生命体をなしている我々の社会で、党は大衆と離れては自己の生命を維持することができず、そうなれば民族の運命を開拓することもできません。我々は、労働者、農民、勤労インテリ、青年学生をはじめ、各階層大衆との活動を正しくおこなって、かれらを党のまわりにさらに強く結集すべきです。

 すべての党員と勤労者、青年学生がみな、社会・政治組織に加わって高い組織観念をもち、組織生活に自覚的に誠実に参加して、みずからをたえず革命的に鍛えるようにしなければなりません。

 大衆を党のまわりに結集するうえで基本的障害となっているのは、活動家のあいだに残っている官僚主義、権柄をはじめ古い活動方法と活動作風です。活動家が官僚主義をふるい権柄ずくにふるまうならば、党と大衆を遊離させて党そのものの生命をむしばみ、領袖、党、大衆の一心団結を破壊し、結局は革命偉業を危機に陥れます。それゆえすべての活動家は、官僚主義や権柄をはじめ、古い活動方法と活動作風を一掃することが党と民族の運命にかかわる重大な問題であることを明確に認識し、それを徹底的に克服しなければなりません。各級党組織は、活動家のあいだに革命的大衆観を確立して、かれらが人民に忠実に奉仕することを最も大きな栄誉とし、生きがいとして人民の利益をあくまで擁護し、大衆のなかに入って大衆から学び、大衆と生死、苦楽をともにし、常に困難な仕事の先頭に立ち率先垂範して大衆を導いていくようにすべきです。

 朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚するうえで重要なのは、革命伝統を立派に継承し、民族的伝統を十分に生かすことです。

 民族性は民族が受け継ぐ伝統に体現され、それに基づいて高く発揚されます。したがって、伝統を無視することは結局、民族性を無視することになります。

 伝統を継承するうえで最も重要なのは、栄えある抗日の革命伝統を継承し具現することです。金日成同志によって築かれた抗日の革命伝統は、朝鮮革命の歴史的根源であり万代の礎です。抗日の革命伝統は、金日成同志の指導のもとに最も困難な状況のもとで、最も崇高な革命精神が発揮されたこのうえなく貴い伝統であり、多方面にわたる業績と経験が築かれた最も深奥で豊富な伝統です。抗日革命烈士の領袖への限りない忠実性と人民への献身的な奉仕精神、自力更生の革命精神と不撓不屈の闘争精神は、共産主義的革命家が身につけるべき思想的・精神的品格の立派なかがみです。抗日の革命伝統のような栄えある革命伝統をもっていることは、朝鮮人民にとってこのうえない誇りです。我々はすべての勤労者、特に育ちゆく新しい世代にたいする革命伝統教育を強化し、革命が前進し生活が豊かになるほど、かれらが常に白頭の革命精神で生きたたかうようにすべきです。

 抗日の輝かしい革命伝統を受け継いでアメリカ帝国主義侵略者を打ち倒し、朝鮮式の社会主義を建設する過程で築かれた豊かな闘争経験と業績を継承し発展させることが、また大切です。戦後の廃墟のなかからチョンリマの大高揚を起こした英雄的な闘争気風は、社会主義建設において常に朝鮮人民のかがみとなっています。こんにち我が党は、「戦後のチョンリマ大高揚期のあの精神、あの気迫で生き働こう!」というスローガンをかかげています。すべての党員と勤労者がチョンリマ大高揚期の精神と気迫でたたかうようにして、社会主義の模範の栄誉をさらに輝かしていくべきです。

 朝鮮人民は五千年の長い歴史を通じて、すぐれた民族的伝統を築きあげました。民族的伝統を正しく継承することは、朝鮮人民に固有な民族性を生かすうえで重要な意義をもちます。我々は民族虚無主義に断固反対し、民族文化遺産と良風美俗をはじめ、民族的伝統を十分に生かさなければなりません。民族的伝統を継承するからといって、古いものをそのまま復活させる復古主義に陥ってはなりません。民族的伝統を生かすうえで古いもの、社会主義的要求に合わないものは捨て、進歩的なもの、人民的なものを現代の美感と社会主義勤労者の生活感情に合わせて継承し発展させるべきです。我々は朝鮮民族の創造した民族文化遺産と伝統を、こんにちの社会主義の現実に合わせて継承し発展させることによって、民族的形式に社会主義的内容を盛りこんだ民族文化をより立派に建設し、朝鮮人民に固有な民族性を十分に生かしていかなければなりません。

 他のすべての活動と同じく、民族第一主義の精神を発揚する活動も形式的にではなく実質的におこなわなければなりません。

 なによりも、民族第一主義の精神を高く発揚する思想活動をより着実に進めなければなりません。

 民族第一主義の教育は、他の教育活動とかけ離れた別個のものではありません。現在おこなっているすべての思想教育活動を、民族第一主義の精神を高く発揚することに主眼をおいておこなうならば、それがとりもなおさず民族第一主義の教育となります。党組織と宣伝活動家は、民族第一主義の教育を一・二回の講演や学習ですませようとせず、思想教育のすべての内容と形式、機会を利用して根気よく進めなければなりません。また、朝鮮民族がいちばんだとスローガンばかり唱えるやり方ではなく、生き生きとした事実をもって原理的に教えて、党員と勤労者が朝鮮民族がいちばんだということを深く感じ、民族の栄誉をより高くとどろかすため積極的に努力するようにすべきです。我々は社会生活の基本的分野では世界に誇れる大きな成果を達成していますが、個々の分野ではいまなお立ち後れている点が少なくありません。にもかかわらず、あたまからすべていちばんだとすれば、人々がそれを信じないばかりか、宣伝の真実性を疑うことになります。こうなれば、宣伝がかえって逆効果をまねくようになります。我々の現実をとってみれば、名実ともにいちばんだと誇れるものが多くあるのに、あえて立ち後れたものまでいちばんだと誇張して宣伝する必要はありません。まだ世界的レベルに達していないものは、以前の立ち後れた状態に比べてどれほど急テンポで発展しているかというように説明することができます。しかしより重要なのは、世界の先進レベルに到達するための目標と実現方途を示して自信を与え、奮発させることによって、一日も早くいちばんになるようにすることです。宣伝活動家は現実を誇張したり度外視したりせず、民族第一主義の教育を真実かつ実質的におこなって、党員と勤労者が高い民族的誇りと自負をいだいて民族をさらに輝かしていくようにすべきです。

 社会主義建設の各部門で朝鮮民族第一主義の精神を実生活に立派に具現すべきです。

 こんにち、社会生活の各分野を速やかに発展させることは、民族の栄誉を守り、さらに高くとどろかすための切実な要求です。我々にまだ残っている立ち後れた部門を早急にもりたてて世界の先進レベルに引き上げなければ、民族の栄誉を輝かすことができません。特に、こんにち帝国主義者が一部の科学技術と経済部門での優勢を頼んで社会主義を誹謗している状況のもとで、科学技術と経済建設分野に転換をもたらすことが極めて重要です。社会主義制度がすぐれており、人民大衆の思想・意識水準が高くても、科学技術と経済の発展水準で後れをとるならば、資本主義との対決で確固とした勝利を保障することができず、民族の栄誉を高くとどろかすこともできません。党と領袖の賢明な指導のもとに、我が国には自立的民族経済の強固な土台とインテリ大集団がととのっています。我々は、あらゆる経済的潜在力と科学技術陣を正しく活用して、国の経済的威力と科学技術水準を短時日のうちに世界的レベルに引き上げなければなりません。

 すべての党員と勤労者は科学技術と経済発展の目標を高くかかげ、エネルギーと知恵を尽くしてそれを実現することにより、各自の革命の持ち場で民族の栄誉をいっそうとどろかすのに大いに寄与すべきです。各部門で製品の質を世界的レベルに引き上げるために奮闘しなければなりません。我々は製品を一つつくり、建物を一つ建てても、外国のものに比べてより上質に生産し、より立派に建設すべきです。生産と建設をおざなりにして、その質が低いといわれることを民族の恥と思い、質を高めるために発奮すべきです。

 祖国のすべての財貨を愛護し、国の経済管理をきちょうめんにすべきです。すべての党員と勤労者が都市と農村、町と村、山河と施設、職場と機械をはじめ、国のすべてのものを自分のもののように大切にしていねいに扱い、丹念に手入れすべきです。

 我々は自力更生、刻苦奮闘の革命精神を高く発揮し、民族経済の主体性、自立性をいちだんと強化すべきです。いま一部の活動家にあらわれている「輸入病」は、経済の主体性、自立性を強化するうえで大きな障害となっています。すべての活動家は「輸入病」を一掃することがたんなる経済実務上の問題でなく、政策的問題であることを明確に認識し、それとの闘争を積極的にくりひろげなければなりません。我が国の製品がまだ外国のものより多少劣るとしても、自分のものを愛し、外国製よりもっと立派につくる決心をもって取り組み、一日も早く世界の先進レベルに引き上げるべきです。

 自力更生とは、外国のものを一つも受け入れないことを意味するのではありません。外国のものでも進んだものは我が国の実情に即して積極的に取り入れるべきです。

 科学技術を発展させ、民族の威力をとどろかすうえで、すぐれた人材を多数養成することが重要です。人材さえあれば、どんなことでもできます。世界に名をとどろかすことのできる科学者、発明者をはじめ、各部門ですぐれた人材を多数養成すべきです。教育の質を決定的に高め、新しい世代のなかから二十代、三十代の名立たる科学者、技術者をはじめ、すぐれた人材が輩出するようにすべきです。

 我々は朝鮮民族第一主義の精神を高く発揚し力強くたたかうことによって、1990年代に科学と技術、経済と文化、スポーツなどすべての部門を世界的レベルに引き上げなければなりません。

 各級党組織と活動家は、進んだ部門はさらに発展させ、立ち後れた部門は一日も早く世界的レベルに引き上げる目標を正しく立て、党の組織・政治活動と行政・経済活動を綿密に手配すべきです。個々の部門で世界に誇るモデルケースを多くととのえて広く一般化し、朝鮮民族の栄誉をとどろかす功労者を社会的に大いに顕彰すべきです。

 各級党組織は民族第一主義の精神を発揚する活動を、三大革命赤旗獲得運動と隠れた英雄の模範を見習う運動をはじめ、各種大衆運動と密接に結びつけて力強くくりひろげて、民族の栄誉をとどろかすことが、人民大衆自身の活動になるようにすべきです。

 朝鮮人民は共和国北半部に朝鮮式の最もすぐれた強力な社会主義を建設して民族第一の栄誉をとどろかしていますが、国土の分断による民族の悲劇は依然としてつづいています。これは、アメリカ帝国主義者の植民地従属化政策と南朝鮮かいらいの反民族的売国政策の所産です。全民族の心は統一に向けられており、朝鮮民族は内外の分裂主義者の策動を粉砕し、五千年も綿々と受け継がれてきた民族の単一性と自主権を必ず取りもどすでしょう。我々は、統一を願う人であれば南に住もうと海外に住もうと、過去の経歴がどうであろうと関係なく、だれとでも手を取り合って民族統一の大業を成就していくでしょう。

 我々は、全国的版図で朝鮮民族の栄誉を高くとどろかすべき民族的使命感を深く自覚し、祖国統一のために身も心もささげてたたかわなければなりません。我々は党と革命隊伍をうちかため、社会主義建設を力強く推進して主体的革命力量を強化するとともに、各分野で民族の栄誉をさらに輝かすことによって、南朝鮮人民のたたかいを力強く励まし、1990年代に祖国統一の歴史的偉業を必ず成就しなければなりません。

 我々は党員と勤労者のあいだで朝鮮民族第一主義の教育をいっそう強化し、かれらが我々の領袖、我が党がいちばんであり、我が祖国、我々の社会主義制度がいちばんだという高い誇りと自負をいだき、チュチェの革命偉業を立派に完成するため力強くたたかっていけるようにすべきです。

金正日選集 第9巻

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