金 正 日

労働行政をさらに改善するために
全国労働行政部門活動家講習会の参加者に送った書簡
-1989年11月27日-


  目   次  

1 労働行政は対人活動、政治活動
2 革命的な労働生活気風を確立するために
3 労働資源を効果的に利用するために
4 社会主義的労働報酬性を正しく実施するために
5 労働生活条件を十分に保障するために

 偉大な領袖金日成同志の参加のもとに、社会主義労働法執行のための全国労働行政部門活動家大会が開かれてから10年が過ぎました。この期間、党と領袖の賢明な指導のもとに、社会主義労働法を執行するために奮闘した結果、労働行政は対人活動、政治活動に転換され、全社会に革命的な労働生活気風がうち立てられ、社会的労働が合理的に組織され、労力資源が効果的に利用されています。こんにち、我が国ではすべての勤労者が就職の心配もなく、自分の希望と才能に応じて社会主義建設に主人らしく参加して勤勉に、誠実に働いており、労働と学習と休息を組み合わせて潤いのある生活を営んでいます。かつて世紀的に立ち後れていた我が国は労働党時代に至り、すべての勤労者が労働によって自己の運命を開き、真の生きがいを覚え、幸せな生活を存分に享受する国、働くにも住むにもよい国となりました。

 労働行政においてこんにちのような成果が達成されたことは、社会主義労働法と我が党の労働政策の正当性と生命力を実証しています。

 私は、これまで党の労働政策に従い、その実行のために奮闘してきたすべての労働行政部門活動家に、党中央委員会の名で感謝を送ります。

 このたびの全国労働行政部門活動家講習会は、労働行政部門活動家の政治・実務水準を高め、労働行政をさらに改善するうえで重要な契機となるでしょう。

 すべての労働行政部門活動家は発展する現実の要請に即応して労働行政をさらに改善し、社会主義建設の促進に積極的に寄与すべきです。


1 労働行政は対人活動、政治活動

 労働行政は、社会主義経済管理において提起される極めて重要な問題です。労働行政のあり方によって、社会主義経済建設の成果が大きく左右されます。したがって労働者階級の党と国家は、常に労働行政をしっかりと掌握していかなければなりません。

 偉大な領袖金日成同志は、労働行政はたんなる行政実務的な活動ではなく、対人活動、政治活動であると教えています。

 労働行政は本質において対人活動、政治活動です。労働行政は、社会的労働に参加する人々の思想を啓発する活動であり、彼らの創造力を養い奮い起こす活動です。

 労働はすべての物質的文化的財貨の源であり、自然と社会と人間を改造する強力な手段です。人類史とともに、労働は長い歳月にわたって大きな物質的文化的財貨を創造し、その過程で自然だけでなく社会と人間も大きく変えました。人類の理想社会である共産主義も人民大衆の創造的労働によって建設されます。

 労働は、人間が生活上の要求を実現するために行う自然改造活動です。人間は社会的属性である自主性と創造性、意識性をもっているがゆえに、自然を支配する自主的要求を提起し、それを実現する創造的活動を目的意識的に繰り広げます。労働は自然を征服し支配し、自然の主人となるための人間の自主的で創造的で意識的な活動です。したがって、人々の労働活動を組織し管理する労働行政は当然、対人活動、政治活動とならなければなりません。

 労働活動で決定的役割をするのは、人々の自主的な思想・意識です。人間は意識性をもった社会的存在であり、思想・意識は人間のすべての活動を規制します。人間はまさにこうした思想・意識をもっているがゆえに、自然を改造する自主的要求を提起し、それを実現する労働活動を行うのです。自主的な思想・意識が高まるほど、人々は自然改造の闘争でより高い要求を提起し、社会的労働に自覚的に参加してより大きな熱意と創意を発揮して働き、結局、より多くの物質的文化的財貨を創造することになります。したがって、労働行政はあくまでも人々の思想を啓発する対人活動、政治活動とならなければなりません。

 労働活動で重要な役割を果たすのは、人々の創造的能力です。人間は創造性をもった社会的存在であり、人間の創造的能力は底知れないものがあります。人間は創造的能力をもっているがゆえに、自然を改造する労働活動を行います。人々の創造的能力が高まるほど、自然を改造し、物質的文化的財貨を創造する労働活動はより幅広く、深度あるものになります。自然を改造する人間の創造的能力は自然に高まるものではありません。自然を改造する人間の創造的能力は、物質的文化的財貨の創造に必要な科学技術知識を高め、肉体的力を養ってこそ高まります。労働行政における労働の計画化と労働力の配置、労働力の組織と管理、労働による分配と労働生活条件の保障といった活動は、自然の改造に必要な創造的能力を発揮させる活動です。この行政実務的活動はそれ自体に目的があるのでなく、あくまでも人々の創造的能力を高めて、彼らが一層熱心に働けるようにするところにあります。労働行政における行政実務的活動が正しく行われれば、人々の創造的能力が向上し、労働生産性がさらに高まります。これは、労働行政が労働力を配置し管理するたんなる行政実務的な活動ではなく、労働の主人である人々の創造的能力を高める対人活動、政治活動であることを示しています。

 労働行政を対人活動、政治活動とみなすのは、労働行政に関する最も科学的かつ革命的な見解です。労働行政を対人活動、政治活動とみなしてこそ、労働行政で提起されるすべての問題を人間を中心にすえて解決し、社会主義・共産主義建設で労働行政の役割をさらに高めることができます。労働行政を対人活動、政治活動とみなさず、行政実務的活動とみなすだけでは、人々のあいだで労働に対する主人としての態度、共産主義的態度を培うことも、労働行政で提起される問題を成功裏に解決することもできません。社会主義社会における労働行政は、資本主義社会での労働力管理とは根本的に異なります。労働力が商品として売買される資本主義社会では、労働力管理そのものが純然たる個人的な物質的利害関係に基づく労働力の管理です。資本主義社会では労働力の管理が対人活動とはなりえず、一種の商品管理にすぎません。しかし社会主義社会の労働行政は、たんなる労働力の管理ではなく、労働の主人、生産の主人となった勤労者の自主的で創造的な労働活動を組織し指導する対人活動、政治活動となります。社会主義社会では対人活動を第一義とし、労働行政で提起されるすべての問題を、労働の主人である勤労者の思想・意識に働きかけ、彼らが自己の創造的能力を最大限に発揮して働くようにする政治的方法で解決しなければなりません。

 労働行政を改善することは、人々に自主的で創造的な生活を保障するための必須の要求です。

 人々が自然と社会のあらゆる束縛から抜けだして自主的で創造的な生活を営むには、物質的文化的条件と社会的政治的条件が保障されなければなりません。

 人間が生きていくには、物質的文化的生活財が必要です。物質的文化的生活財の源は自然です。しかし、自然が人間にじかに恵むものはごくわずかなものであり、ほとんどすべてが人間によって改造されはじめて役立つものになります。社会的労働に参加する人々の思想を啓発し、創造力を培う労働行政を強化してこそ、彼らが労働に対する主人としての態度で、自分の能力をフルに発揮して働くようになり、人々が自主的で創造的な生活を営む物質的文化的条件をより十分に保障できるようになります。

 労働は、人々が社会の束縛から抜けだし、自主的で創造的な生活を営む社会的政治的条件を保障するうえでも重要な働きをします。社会関係の主体は人間であり、人間の主動的な作用によって労働活動が行われるため、労働を通じて社会の富が増し、社会関係も発展します。人々は労働の過程で思想を鍛え新しい知識を身につけ、気高い精神的道徳的品格を培います。したがって、人々が自然と社会の主人としての地位と役割を高め、より自主的で創造的な生活を営むようにするためには、労働行政を改善しなければなりません。

 労働行政を改善することは、現段階において社会主義経済建設を速やかに推進するための切実な要求です。

 社会主義経済建設は主権を掌握した労働者階級の党に提起される最も重要な革命課題の一つです。社会主義経済建設を立派に行ってこそ、国を富強にし、人民により豊かな暮らしをさせ、経済をチュチェ思想の要求どおり改造していくことができます。社会主義経済建設の高い成果は、労働行政をいかに行うかに大きくかかっています。労働行政は、生産と建設で最も能動的で決定的な要因である労働力を管理する創造的な活動であるため、労働行政を正しく行ってこそ、人民経済の急速な発展に伴って増大する労働力の需要を量的にも質的にもより円滑に満たし、勤労者の革命的熱意と創造的積極性を高めて社会主義経済建設を力強く推進することができます。

 第3次7か年人民経済計画を早期完遂し、社会主義経済建設の十大展望目標を成功裏に実現するためには、労働行政を決定的に改善しなければなりません。膨大な規模の基本建設と生産成長の高いテンポを見込んでいる展望計画遂行のための闘争は、国のすべての生産潜在力を総動員し、労働能力を有するすべての勤労者が社会主義建設に参加して最大限の能力を発揮して働くことを求めています。

 当面の情勢と関連しても、労働行政をさらに改善すべきです。

 こんにち、帝国主義者は、連合した勢力をなして世界の反帝・自主勢力と社会主義を崩壊させようと狡猾かつ悪らつに策動しています。特に帝国主義者は、腐り切ったブルジョア文化と生活様式を伝播して社会主義諸国の人民を思想的、精神的に麻痺させようとたくらんでいます。帝国主義者の策動に対処して、勤労者が健全な思想をもって社会と集団のための共同労働に誠実に参加し、党と領袖、祖国と人民のため献身的に働くようにしなければなりません。

 我々は、侵略と新たな戦争挑発策動をますますむきだしにしているアメリカ帝国主義と対峙して社会主義経済建設も進め、国防力も強化している状況下で、大量の人的および物的資源を動員しなければなりません。不足する労働力の問題を解決するには、労働行政を決定的に改善しなければなりません。

 我々は労働行政を対人活動、政治活動に確固と転換し、社会主義労働法と党の労働政策をさらに確実に実行しなければなりません。


2 革命的な労働生活気風を確立するために

 全社会に革命的な労働生活気風を確立することは、労働行政に提起される基本的課題の一つです。

 革命的な労働生活気風は、社会と集団のために献身的に働き、生産と建設に対する主人としての自覚をもって社会主義的労働規範と秩序を守る誠実な労働気風です。一言でいって、革命的な労働生活気風は集団主義的で自覚的な労働生活気風です。

 革命的な労働生活気風は、社会主義社会に固有な労働生活気風です。生産手段が社会的所有となっている社会主義社会では、労働が集団的で自覚的な性格をおびているので、すべての勤労者が「一人はみんなのために、みんなは一人のために!」というスローガンのもとに、互いに助け導きあいながら、社会と集団のための創造的労働に参加して誠実に働くことになります。社会主義社会において革命的な労働生活気風は、労働の真の主人となった勤労者が当然身につけるべき労働生活気風です。全社会に革命的な労働生活気風を確立してこそ、党の革命的で人民的な労働政策の生命力を高く発揮させ、勤労者を革命化、労働者階級化し、経済建設を力強く推進して社会主義・共産主義を成功裏に建設することができます。

 過渡的な社会である社会主義社会では、勤労者の頭のなかに労働に対する個人主義的な思想が残っているので、革命的な労働生活気風が自然に高く発揮されるのではありません。全社会に革命的な労働生活気風を確立するためには、勤労者の古い思想の残りかすを一掃し、労働の主人としての責任と役割をまっとうさせる活動を力強く展開しなければなりません。

 全社会に革命的な労働生活気風を確立するうえで最も重要なのは、勤労者のあいだにチュチェの労働観を確立することです。

 チュチェの労働観は、労働の主人として社会と集団の要求と利益を基本にして労働にのぞむ観点と態度です。チュチェの労働観を確立するということは、労働を最も神聖で誇らしいものとし、社会と集団のための共同労働に誠実に参加することを生きがいとし、幸福とするということを意味します。

 チュチェの労働観は、チュチェ型の共産主義的人間が身につけるべき重要な品性の一つです。もともと、共産主義的人間の真の生きがいと誇りは、人民大衆の自主的で創造的な生活のための労働にあります。労働は自主的に生き発展しようとする社会的人間本来の要求です。人間は労働を通じて、自主的な人間として絶えず発展し完成されます。真の人生は労働にはじまり、労働のなかで輝きます。労働観は人生観と密接なつながりをもっています。

 人間の高貴な生と切り離せない労働は必ず、社会と集団のためにささげられるときにのみ、自主的で創造的な生活と限りない幸福を保障する張り合いのあるものとなります。社会的人間の生命は社会的政治的集団によって維持されるため、人々の自主的で創造的な生活は常に社会的政治的集団と血縁的につながっています。社会と集団が発展し、国と民族が繁栄してこそ、人々の自主的で創造的な生活が絶えず高い水準で保障され、そうでないときには、自主的な人間がその本来の要求に合致する生活を営むことができません。国と民族が富強でなければ民族の尊厳と自主性を守ることができず、他人の蔑視とさげすみを免れることができません。国と民族の富強、発展は、社会と集団のための労働によって保障されるので、社会と集団のための労働生活ほど誇り高く張り合いのある生はありません。

 個人の利益のみを追求する労働は、自分自身の一時的な享楽をもたらすことはできても、子孫万代の永遠な幸福を保障することはできません。社会と集団はどうなろうと、自分一個人の享楽のみをむさぼるのは社会的人間の自主的な生活となりえず、それは本質において動物的な生活と変わりありません。社会も集団も眼中にない、自分一個人の安楽な生活のための労働は個人主義的生命観に基づいています。自分一個人のための労働が個人主義的生命観に基づいているなら、社会と集団のための労働は集団主義的生命観に基づいています。

 チュチェの労働観を確立するには、労働についての教育を正しく行わなければなりません。

 労働についての教育で基本となるのは、社会主義的労働の目的と意義を深く認識させることです。

 労働に対する観点と態度は、労働の性格と目的についての理解によって根本的に異なってきます。労働を社会と自分のためのものとみなすときには、集団の利益を基本とする観点と主人としての態度をとるようになり、特定の階級や個人のためのものとみなすときには、個人の利益を基本とする観点と使用人的な態度をとるようになります。

 社会主義社会における労働は、社会と集団の強化、発展のための創造的活動であり、人民大衆の自主的な生活を保障する源です。どの社会を問わず、労働なくしてはその社会が維持され、発展することができず、人々が生きていくこともできません。ところが搾取社会では、労働によって創造されるすべての物質的文化的財貨が社会共同の財貨となるのでなく、少数の搾取階級の手中に掌握され、個人の享楽と人民大衆に対する搾取の手段として利用されます。労働が真に人民大衆の自主的な生活を保障する源となるには、それが社会と集団の共同の利益のために奉仕しなければなりません。労働が社会と集団の共同の利益のために奉仕してこそ、人民大衆の物質文化生活が均等に保障されます。社会主義社会では、労働によって創造されるすべてのものが社会と集団の共同の財貨となり、国の富強、発展と人民大衆の自主的な生活に向けられます。社会主義社会の過渡的性格のため、社会主義社会に個人副業のような労働が存在しはしますが、それは社会主義社会の典型的な労働形態とはなりえず、生産力が発展し社会主義的労働が強化される過程でなくなります。

 社会主義社会における労働活動は、物質的富を創造するたんなる経済活動ではなく、人民大衆の自主性を擁護する革命闘争であり、党の路線と政策を実行する革命実践活動です。労働活動を通じて、人民大衆の自主性のための物質的経済的条件とともに、社会的政治的条件がしっかり整い、社会的政治的生命も輝かしていくことができます。社会主義社会における労働は、たんに食衣住に必要な物質的富を創造する活動ではなく、人々の社会的政治的自主性を擁護するたたかい、社会的政治的生命を輝かしていく活動になるというところに、その本質的特性と意義があります。

 労働についての教育で重要なのは、職業に対する正しい認識をもたせることです。

 社会主義社会において職業は、報酬や名誉のためのものでなく、権勢と権柄のための手段でもありません。今、一部の人のあいだには職業上の特殊性を云々して権柄ずくにふるまう傾向や、自分の職業に愛着を感じない傾向もあらわれていますが、これはいずれも労働の貴賤を分ける資本主義的な観点と態度です。資本主義社会では職業が営利の手段であり、どんな仕事でもみな生産手段を所有した資本家の権勢と蓄財のためのものとなります。しかし、社会主義社会における職業は、社会と共同の要求と利益のための社会的任務分担であり、どんな仕事であれみな国と人民のための活動、自分自身のための活動です。社会主義社会ではよい職業、悪い職業の区別がありえず、どんな職業でもすべて貴いものです。社会主義社会の勤労者はどこでどんな仕事をするにしても、自分の職業に愛着を感じ、社会と集団のための労働を熱烈に愛さなければなりません。労働に対する誇りと張り合いは、どんな職種にたずさわるかにあるのでなく、社会と集団のためにどのように働き、自分の労働が祖国と民族の富強と繁栄にどれほど寄与するかということにあります。我々は、すべての勤労者が自分の職務に対する栄誉感と責任感を深く胸に刻み、国と人民のための聖なる労働に精力と知恵を尽くすようにすべきです。

 労働についての教育を忠実性教育、集団主義教育、社会主義的愛国主義教育と結合して深めなければなりません。

 社会主義的労働は革命と建設のための創造的活動であり、党の政策を実行する革命実践活動であるため、労働に対する誠実さは党と革命への忠実性を特徴づける重要な尺度となり、党と領袖への忠実性に基づくとき、最も崇高な高さで発揚されます。したがって、労働についての教育を実質的に行うには、党と領袖への忠実性教育と結合しなければなりません。

 社会主義的労働は、社会と集団の利益のための闘争と、社会主義制度の強化発展のための闘争のなかで、真の生と幸福を開花させる集団的で愛国的な労働です。集団主義精神と社会主義的愛国主義精神が高くてこそ、社会と集団、祖国と人民のための労働で献身性と誠実さが発揚されます。集団主義と社会主義的愛国主義は社会主義的労働本来の要求であり、労働に対する献身性と誠実さに表現されます。したがって、労働についての教育を実質的に行うには、集団主義教育、社会主義的愛国主義教育と密接に結びつけなければなりません。

 労働についての教育を集団主義教育、社会主義的愛国主義教育と結びつけて行うことは、社会主義制度の本質的優越性を発揚させ、社会主義共産主義の旗を守り続けるためにも重要な問題となります。社会主義社会は集団主義に基づく社会であり、社会主義経済は集団的労働によって発展します。もちろん、集団主義によって特徴づけられる社会主義社会の経済的基礎は生産手段に対する社会的所有にありますが、だからといって、生産手段が社会的所有になりさえすれば集団主義が自然に発揚されるのではありません。生産手段が社会的所有になっても、労働が社会と集団の共同の利益に即して社会的に組織されず、個人主義的原則に基づいて組織されるならば、社会主義社会の経済的基礎が揺らぎ、集団主義が満足に発揚されず、結局は社会主義制度を強固にし発展させることができなくなります。社会主義社会の本性である集団主義は元来、全社会的集団の利益を第一義としながらも、小集団と個人の利益も重んじます。社会主義社会では社会的政治的集団をなす個人の利益と集団の利益が根本的に統一されています。社会と集団、祖国と民族のための共同労働によって創造される社会の財貨のなかに個々人の所得があり、社会と国の財貨が増大するにつれて個人に当てられる所得は大きくなり、社会の全構成員がひとしく豊かな暮らしができるということに、集団主義に基づく社会主義制度の重要な特性と真の優越性があります。我々は、勤労者のあいだで労働についての教育を集団主義教育、社会主義的愛国主義教育と結びつけて着実に行って、社会主義制度を一層強固にし発展させ、その優越性を遺憾なく発揚すべきです。

 青年のあいだで労働についての教育を強化することに特別の関心を払うべきです。青年は社会主義建設で最も活力のある部隊であり、祖国の明日をになって立つ我々の革命偉業遂行の交代者です。青年が労働に対する正しい認識をもち、祖国と人民の求める持ち場で誠実に働くようにすることは、国と民族の興亡、盛衰にかかわる重要な問題です。革命の厳しい試練を経たことがなく、幸せに育った青年に労働に対する正しい認識をもたせることは、資本主義的で修正主義的な生活風潮の浸透を防ぐためにも切実な問題として提起されます。

 労働についての教育を正しく行うとともに、労働を嫌ってのらりくらりし、自分一人だけ安楽に暮らそうとする個人主義的な労働観点と態度を根絶する思想闘争を強化すべきです。すべての部門、すべての単位では、労働生活にあらわれる資本主義的で修正主義的ないっさいの誤った傾向とその都度強い思想闘争を展開すべきです。

 労働宣伝をさまざまの形式と方法で着実に行うべきです。労働宣伝は解説を基本としながら、当該単位の実情に即してさまざまの形式と方法で行うべきです。労働宣伝は格式ばることなく、労働現場で活発に展開すべきです。職場長、作業班長をはじめ労働宣伝員は、労働宣伝の直接の担当者であるだけに、党の積極的な労働宣伝者とならなければなりません。労働行政部門の活動家も労働宣伝に積極的に参加すべきです。労働行政機関はその使命と任務からして当然、労働宣伝機関となり、労働行政部門の活動家は労働宣伝員の役割も果たさなければなりません。

 労働宣伝員のための講習と経験交流会、方式講習を計画的に催し、労働宣伝教育資料の編集・出版も発展する現実の要請に即応して改善しなければなりません。

 隠れた英雄の模範を積極的に見習うことは、チュチェの労働観を確立するうえで重要な問題となります。

 模範的事実は、それ自体が陳腐で立ち後れたものに対する批判であり、革新的で先進的なものへと力強く志向させる推進力です。隠れた英雄は社会と集団、祖国と人民のために陰ひなたなく、自分の精力と知恵をつくし、生命までもためらうことなくささげて働く社会主義的勤労者の典型です。隠れた英雄が発揮した革命的な労働生活風格は、安逸と弛緩、保守と停滞など個人主義的で利己主義的な労働気風をすて、人々を集団主義的で共産主義的な勤労闘争へと呼び起こす感化教育の生きた手本です。こんにち、我が国で絶えず高く発揚されている隠れた英雄の気高い労働生活風格は、大きな感化力をもって勤労者を勤労の偉勲へと鼓舞激励しています。隠れた英雄の模範を見習う活動が大衆的運動として力強く展開されるほど、勤労者のあいだで労働に対する主体的な観点と態度がさらに強固になり、革命的な労働生活気風が高く発揚されます。すべての部門、すべての単位では隠れた英雄による勤労の成果と、彼らの労働生活風格を広く紹介、宣伝すべきです。これとともに、社会と集団のための共同労働に積極的に参加して誠実に働いている勤労者をその都度探し出して評価し、社会的に推奨する活動に力を入れるべきです。

 全社会に革命的な労働生活気風を確立するうえで重要なのは、労働生活を正規化、規範化することです。社会主義社会における労働は、全社会的範囲で組織される集団労働であるため、一定の規範と規定に従って行われなければなりません。労働生活を正規化、規範化してこそ、勤労者の創造的な労働生活を高度に組織化、制度化し、労働生活での古い習慣をなくして革命的な労働生活気風を確立することができます。我々は労働生活を正規化、規範化するという党の方針を高く掲げ、社会主義労働法と労働規律・規定を厳守させる活動を力強く繰り広げなければなりません。

 480分間の労働時間を厳守するように労働生活秩序を確立すべきです。8時間労働制は国家の法であり、480分間の労働時間を守るのは、なんぴともたがえることのできない公民の神聖な義務です。すべての勤労者が所定の出退勤秩序を順守するようにする一方、当該部門と季節的特性に合わせて出退勤秩序を立てるべきです。作業交替規律、労働時間利用規律、作業総括規律をはじめ労働規律・規定の要求をしっかり守り、480 分間の労働時間を侵すことのないようにすべきです。

 労働生活の正規化、規範化において模範的な単位を創造し、その経験を大いに一般化すべきです。一点に模範を創造し、それを一般化して革命と建設に転換をもたらすのは、我が党の伝統的な活動方法です。すべての部門、すべての単位では、人民経済の部門別の特性に合わせて労働生活のモデルケースをつくり、その経験を一般化する運動を力強く繰り広げて、勤労者の労働生活の正規化、規範化に画期的な転換をもたらすべきです。

 労働生活では幹部が大衆の模範となるべきです。率先垂範は数百言の言葉よりも大きな感化力をもって大衆の心をとらえ、彼らを革命的な実践へと奮い起こします。幹部は労働規範と秩序を守るうえで常に模範となり、社会的労働に積極的に参加して人よりもっと多く、もっと熱心に働く気風を発揮しなければなりません。

 幹部は金曜労働にも欠かさず参加し、一生懸命に働かなければなりません。金曜労働は社会と集団の発展と、国と民族の繁栄に寄与する忠誠の愛国労働であり、幹部を革命化、労働者階級化する誇らしい労働です。すべての幹部は、作業着姿でスコップやつるはしをかついで金曜労働に参加し、模範的に働いて、全国に金曜労働の雰囲気をもりあげるべきです。

 労働と学習と休息を適切に組み合わせるべきです。

 労働と学習と休息はどれ一つもおろそかにしてはならない人間生活の構成要素であり、それは労働活動において密接につながり合っています。労働は学習と休息の物質的保障をつくりだし、学習と休息は労働力の再生産を保障し、自主的思想・意識と創造力を培って勤労者の労働をより自主的で創造的なものにします。労働と学習と休息をどう組み合わせるかは、社会制度と生産力の発展水準、革命発展の要請にかかわる労働生活組織の原則的な問題です。

 我々は労働と学習と休息を適切に組み合わせるという党の方針を立派に実行し、すべての勤労者が480分間の労働時間を完全に利用し、学習を日常化し、休息と文化・情緒生活を十分に営むようにすべきです。

 革命的に働き、学び、生活するのは、我が党と人民の伝統的な活動気風、生活気風です。抗日遊撃隊員はあれほど困難なたたかいの日々にも、いつも規律正しく学習し生活しました。我々は「生産も学習も生活も抗日遊撃隊式に!」という党のスローガンを高く掲げ、すべての勤労者が抗日遊撃隊員のように革命的に働き、学習し、生活する気風を確立するようにしなければなりません。


3 労力資源を効果的に利用するために

 労力資源の効果的な利用は、労働行政の改善で提起される中心的課題の一つです。

 労力資源を効果的に利用するということは、労働能力を有する人をすべて社会的労働に参加させ、労働力を合理的に配置して、すべての人にその創造的能力と知恵を最大限に発揮させることを意味します。

 労力資源を効果的に利用してこそ、経済の急速な発展に伴って提起される労働力の問題を円滑に解決し、社会的富を絶えず増大させることができます。

 すべての部門、すべての単位では、労力資源の効果的な利用に綿密に取り組み、労働能力を有する人をすべて社会主義建設に動員し、その能力と才能を最大限に発揮させなければなりません。

 労力資源を効果的に利用するためには、労働の計画化を正しく行わなければなりません。労働の計画化は、労働力の需要を科学的に見積もり、それを労力源と具体的にかみあわせる仕事です。労働の計画化は、労力資源を効果的に利用するための基礎です。労力資源は、資本主義社会では労働市場を通して自然発生的に社会的生産に引き入れられますが、社会主義社会では国家が統一的に掌握し、計画的に動員、利用します。経済が計画的に発展する社会主義社会では、生産の他の要素の計画化とともに、労働の計画化を正しく行うことが極めて重要な問題となります。

 労働計画の作成では、計画の一元化、細部化方針と党性、科学性、大衆路線の原則を貫かなければなりません。活動家は生産者大衆のなかに深く入り、労力源と機関、企業所の労働力の実態を具体的に把握したうえで、労力源と需要を細部にわたって正確にかみあわせ、現実的で動員的な計画を立てなければなりません。国家労働計画と工場、企業所の労働力の実態に基づいて労働力の補充・調整計画も正しく立てるべきです。

 労力資源を効果的に利用するためには、労働力を合理的に配置しなければなりません。労働力を合理的に配置するというのは、労働力の部門別均衡を正しく保ち、勤労者を能力と体質に応じて適材適所に配置することを意味します。労働力を合理的に配置してこそ、国の不足する労働力の問題をスムーズに解決し、すべての勤労者が自己の能力をフルに発揮して働けるようにすることができます。

 労働力を均衡的に配置すべきです。

 労働力を均衡的に配置するうえで、生産部門と非生産部門の労働力の均衡を正しく保つことが重要です。生産部門の従業員数を優先的に増やしながら、経済の発展水準にてらして非生産部門の従業員数を定め、生産部門内でも基本生産部門、特に直接部門の労働力の比率を高め、補助部門と間接部門の労働力の比率を低めるのは我が党が一貫して堅持している方針です。

 行政・経済機関の活動家は、党の政策的要求どおり生産部門の労働力を優先的に増やし、生産部門のなかでも採掘工業と金属工業をはじめ基幹工業部門に必要な労働力を先に提供すべきです。生産部門内でも基本生産部門、特に直接部門に労働力を先に配置し、補助および間接部門の労働力は極力減らす原則で労働力の配置基準を正しく定め、それを正確に適用すべきです。人民経済の各部門で新たに操業を始める対象に必要な労働力も前もって準備し、その都度提供すべきです。

 国の経済発展水準にてらして非生産部門の労働力配置基準を正しく定め、そこにも必要な労働力を配置すべきです。しかし、非生産部門の労働力はできるだけ縮小すべきです。非生産部門の労働力を縮小しなくては、生産部門の増大する労働力需要を円滑にみたすことも、生産を急速に増大させることもできません。非生産部門の労働力を縮小するからといって、科学技術関係の労働力までみだりに減らしてはなりません。人民経済の主体化、現代化、科学化の深化、発展に伴って、科学技術事業は絶えず強化しなければなりません。人民経済の各部門で、より少ない労働力でより多くの仕事をさせる原則のもとに、現在の非生産部門の労働力配置基準を全般的に検討し、それを国の経済発展水準にてらして改定すべきです。機関、企業所の管理機構も極力縮小すべきです。技術革命が力強く推進され、経営活動がますます科学化、現代化される状況下にあって、現在の管理機構を検討し、統合すべきものは統合し、廃止すべきものは思いきって廃止すべきです。機関、企業所の標準機構と管理機構の定員基準は、テアン(大安)の事業体系の要求どおり人民経済の部門別に生産の規模に応じて正しく定め、それを絶えず改善しなければなりません。

 労働力を均衡的に配置するうえでまた重要なのは、地域別の労働力の均衡を正しく保つことです。地域別の労働力の均衡を保つうえで基本となるのは、道の労働力需要を道内の労力源で満たすことです。道の労働力需要を道内の労力源でみたす原則を堅持してこそ、労力源を最大限に効果的に動員、利用することができます。道の労働力需要を道内の労力源でみたすには、労働力の需要と源泉、生産条件などを正確に見積もり、生産力を正しく配置しなければなりません。工場、企業所をむやみに新設して労働力と資金を浪費する傾向をなくし、生産条件と労力源を具体的に検討したうえで工場、企業所を新設する厳格な秩序と規律を立てるべきです。

 労働力を適材適所に配置すべきです。

 労働の差異と労働条件の違いがまだ残っており、勤労者の労働能力が性別、年齢、体質、技術・技能水準によって異なるだけに、彼らを体質と能力に応じて配置しなければなりません。

 青壮年は勤労戦線の主役を担う最も有力な力量です。青壮年をどのように配置するかによって、人民経済部門別の労働力の均衡と質的構成が変わり、経済建設全般に影響を及ぼすことになります。労働行政機関では、炭鉱、鉱山をはじめ困難で緊要な部門に青壮年を系統的に配置して、この部門の労働力構成における青壮年の比率をしだいに高める対策を立てるべきです。非生産部門と軽労働部門をはじめ、女性と高年齢層の人々が働ける所に配置されている青壮年を骨がおれ緊要な部門に配置替えする革命的な対策も立てるべきです。

 女性を社会主義建設に極力参加させるのは、彼女らを革命的に鍛え、国の不足する労働力の問題を解決するうえで重要な意義を有します。現在、技術革命が力強く推進されて工場、企業所が現代化され、しだいに骨のおれる労働が楽な労働に、有害労働が無害労働に変わり、女性の働ける作業対象がさらに増えています。女性の働ける職種と作業対象を正しく定めてそこに女性を計画的に配置し、女性の働ける所に男子労働力を配置することのないようにすべきです。

 専門分野の技術・技能所有者を彼らの専攻に応じて配置し、適所に配置されていない人々を専攻部門に配置替えすべきです。

 労力資源を効果的に利用するためには、労働力の組織と管理を改善しなければなりません。労働の計画化を正しく行い、労働力を適材適所に配置しても、労働力の組織と管理に不手際があれば、労働生産性の円滑な向上をはかることができません。

 生産工程の特性と技術装備水準、作業条件を具体的に調べ、それに合わせて労働力の組織を綿密にしなければなりません。生産技術工程の特性に合わせて作業班の形態と規模を正しく定め、作業交替を合理的に組み、複数の機械受持ちと兼職作業をはじめ、さまざまの合理的な労働力組織方法を広く取り入れるべきです。

 労働力の管理秩序を確立し、すべての勤労者が労働規律・規定の要求を厳守するようにしなければなりません。労働行政機関では労働力をみだりに転用、浪費したり、生産労働力を恣意的に他の仕事に回すことがないよう厳しく統制すべきです。

 農村の労働力問題の解決に引き続き深い関心を払うべきです。農村の労働力問題を円滑に解決することは、工業と農業の均衡的発展を保障し、農業生産を早急に増大させ、人民生活を向上させるうえで重要な意義を有します。

 農村技術革命を力強く推進するのは、不足する農村労働力の問題を解決する重要なカギです。農村で技術革命を力強く推進してこそ、農民を骨のおれる労働から解放し、農業を自力で営むことができます。農業部門で農村技術革命を力強く展開して農村労働力の不足を解消し、支援労働力を受けることなく自力で農業が営めるようにすべきです。これとともに、農村の青壮年を他の部門に送らず農村に定着させ、青壮年を計画的に配置して青壮年労働力の比率を高め、農村の中核基盤を強固に築くべきです。

 農村労働力の問題を解決するうえで、農村に対する社会的な労働支援を合理的にすることが大切です。農業は時期を逸してはならない季節的特性をもっているので、農村に対する労働支援を合理的に手配し、農村を積極的に援助すべきです。

 勤労者の技術・技能水準を高めることは、彼らを強力な創造的存在に育て、労働力を効果的に利用させる重要な活動です。現代は科学と技術の時代です。科学と技術にうとければ、現代科学技術に基づいて急速に発展する経済を正しく管理、運営することができません。勤労者の技術・技能水準を高めてこそ、労働生産性の絶え間ない成長を保障し、不足する労働力の問題を円滑に解決し、労力資源も効果的に利用することができます。我々は、科学と技術が急速に発展する現実の要請に即応して、勤労者の技術・技能水準を絶えず向上させなければなりません。

 労働者が生産現場で働きながら技術・技能水準を高められるようにする活動に力を入れるべきです。労働者が生産現場で働きながら技術・技能水準を高めるならば、生産から遊離しなくても技術・技能水準を早急に高め、労働力の不足を解消することもできます。

 生産現場の勤労者の技術・技能水準を高める活動は、彼らの技能等級を生産技術工程の求める平均作業等級より高める方向で進めるべきです。

 生産現場の勤労者の技術・技能水準を速やかに高めるためには、技術・技能学習システムを確立し、その運営を正常化しなければなりません。勤労者の技術知識と活動能力、生産経験と熟練は、系統的な技術・技能学習を通じて体得され高まります。工場、企業所では当該単位の実情に即して技術・技能学習班を合理的に組織し、その運営を正規化すべきです。技能伝習システムも確立して合理的に運営し、勤労者の技術・技能水準を高めるようにすべきです。

 技能労働力の後続養成に力を入れるべきです。工場、企業所が現代化され、新しい工業部門と生産技術工程が増大するに伴い、人民経済各部門ではより多くの技能工を求めており、国の経済発展に伴って技能工の需要はさらに高まります。新しい世代を技能労働力の後続として系統的に養成することは、増大する技能工の需要を満たし、労働隊列の質的構成を改善し、工場、企業所の経営活動を改善するうえで非常に重要な意義を有します。

 技能工学校は当該単位が責任をもって必要な技能工を自力で養成する職業技術教育の形態です。技能工学校では社会主義教育学の目的と原理に即して教授要綱を正しく作成し、そのとおり実行する強い教育規律を立て、技術・技能教育の特性に即して教育と生産労働を密接に結びつけ、有用な技能工を多く養成すべきです。

 技能工学校には必要な教育設備と実習条件、数具・校具を責任をもって提供すべきです。これとともに、新しく労働隊列に加わる労働者が技術・技能教育を受けられるように、技能工学校を年次別に増設することにも深い関心を払うべきです。特に、特殊技能工と高級技能工を将来を見通して養成し、最新科学技術分野と新しく操業する対象に必要な技能工を養成する対策をしっかり立てるべきです。

 技術・技能等級の査定を正しく行うべきです。技術・技能等級は、勤労者の技術・技能水準を評価する尺度です。技術・技能等級の査定を正しく行ってこそ、勤労者が技術・技能水準を高めるため積極的に努力するようになります。勤労者の技術・技能等級は国家的立場に立って厳格に査定し、理論と実技を正しく結合して評価しなければなりません。

 勤労者を同じ職種に長期間定着させ、彼らが受け持った仕事に精通し熟練するようにしなければなりません。生産工程は技術工程であるため、労働者が機械・設備を使いこなせるよう技術・技能水準を高めるには、一定の時日を要します。労働行政部門の活動家と機関、企業所では、労働力をある職種から他の職種にやたらに移してはならず、特殊技能工と高級技能工を同じ職種に長期間定着させることに特に留意しなければなりません。


4 社会主義的労働報酬制を正しく実施するために

 社会主義的労働報酬制は、勤労者が社会と集団のために行った労働の量と質によって報酬を与える制度です。社会主義的労働報酬制は、勤労者の自主的で創造的な生活を物質的に保障する手段です。社会主義的労働報酬制を正しく実施することは、勤労者が労働の過程で消耗した労働力を補い、彼らに豊かで文化的な生活を保障して革命闘争と建設事業に奮起させるうえで重要な意義をもちます。

 勤労者に労働の量と質によって報酬を与えるのは、社会主義社会の過渡的性格に基づく必須の要求です。社会主義社会ではまだ生産力が需要に応じて分配を実現できるほど発達しておらず、肉体労働と精神労働、農業労働と工業労働、重労働と軽労働など労働における差異が残っており、人々の頭に仕事を少なくし多くの報酬を受けようとする古い思想が残っているため、彼らに働いた分だけ、稼いだ分だけ公正に報酬を与えなければなりません。社会主義社会の過渡的性格を無視し、労働に対する報酬制の実施において平均主義に陥るならば、人々の革命的熱意を低下させ、社会に遊んで暮らすなまけ者があらわれて革命と建設に大きな支障をきたす恐れがあります。反対に、社会主義社会の過渡的性格を絶対視し、労働に対する報酬制の実施において大きな格差をつけるならば、人々が自分に与えられる物質的報酬、個人的収入にのみ関心をもつようになるので、勤労者の集団主義精神を弱め、生活水準での格差を大きくして全社会の政治的思想的統一の強化に支障をきたしかねません。社会主義的労働報酬制は、勤労者の革命的熱意と創造的積極性を高め、全社会の政治的思想的統一と団結を強め、革命と建設を力強く推進するうえで重要な働きをします。こうした意味から、社会主義的労働報酬制を正確に実施することは、社会主義国家の重要な政治だといえます。

 社会主義的労働報酬制の実施が勤労者の革命的熱意と創造的積極性を高め、彼らを革命と建設へ積極的に参加させるうえで重要な働きをするからといって、それだけを強調してはなりません。社会主義的労働報酬制はあくまでも勤労者に物質的刺激を与える経済的テコであるので、それを前面におし立てるならば、勤労者の物質的関心を高める方法ですべての問題を解決しようとする誤った道に走る恐れがあります。社会主義社会では勤労者を金のみで動かそうとしてはなりません。金で人々を動かすのは資本主義的方法です。社会主義社会本来の要求を無視して過渡的性格を絶対視し、勤労者の物質的関心のみを高めるならば、彼らのあいだで社会と集団の利益はおろそかにし、個人の利益のみを追求する古い思想を助長し、ひいては社会主義制度そのものを変質させる結果をまねきかねません。

 我々は勤労者のあいだで個人の貪欲と利益のみを追求する資本主義的な物質的関心ではなく、社会と集団の利益をなお重んじ、社会と集団の利益のなかに個人の利益を求める社会主義的な物質的関心を高めなければなりません。社会主義社会での物質的刺激は、政治的道徳的刺激を強化する基礎のうえでのみ正しく実現することができます。我々は政治的道徳的刺激を基本としながら、それに物質的刺激を適切に結合する原則で社会主義的労働報酬制を正しく実施しなければなりません。

 社会主義的労働報酬制を正しく実施するためには、ノルマの制定を正しく行わなければなりません。

 社会主義社会においてノルマは、労働計画化と労働組織の基礎であり、労働の結果を評価する尺度です。ノルマを正しく定めてこそ、労働計画化と労働組織を正しく行うことができ、労働の結果を正しく評価し、それに従って労働に対する報酬も正確に与えることができます。

 ノルマは科学的に制定すべきです。

 ノルマを科学的に制定するためには、生産者大衆の意思と要求をよく知らなければなりません。ノルマを制定するうえでの問題点とその解決方途、ノルマを絶えず更新する余力を誰よりもよく知っているのは生産者大衆です。労働行政部門の活動家は生産者のなかに入り、彼らの知恵と創意を引き出して、先進的で現実的なノルマを制定すべきです。ノルマを科学的に制定するためには、生産工程の技術装備水準と勤労者の労働能力も正確に見積もらなければなりません。ノルマを生産工程の技術装備水準と勤労者の労働能力を正確に見積もって制定するというのは、当該生産工程の設備能力に合わせて原料、資材などの生産条件を十分に保障し、勤労者が480 分間の労働時間を完全に利用して誠実に働いたときに到達した労働実績を基準にして制定するということです。客観的で現実的な条件である生産工程の技術装備水準と勤労者の労働能力を科学的に見積もらなくては、ノルマを正しく制定することができません。ノルマは、労働者の作業過程を細かく測定し、労働実績を具体的に分析したうえで、設備の技術状態と勤労者の労働能力によって到達した労働実績を基準にして制定すべきです。

 国家的な標準ノルマを正確に制定し、それに基づいて企業所別のノルマを定める体系を確立すべきです。標準ノルマは工場、企業所がノルマを定めるときに依拠すべき基準です。標準の物差しがあってこそ、他の物差しの正確度が測れるように、国家的な標準ノルマがあってこそ、それを基準にして工場、企業所のノルマを正しく定めることができます。テアンの事業体系の要求どおり企業管理が正規化、規範化され、生産が正常化された標準工場をつくり、そこで測定したデータに基づいて国家的な標準ノルマを制定した後、工場、企業所でそれを尺度にしてノルマを実情に即して正確に制定すべきです。特に工場、企業所では、総合ノルマと細部ノルマを正しく定め、総合ノルマは労働計画化の基礎、生産計画の実行を評価する尺度とし、細部ノルマは能率給を計算する基準とすべきです。

 ノルマを国家の統一的な指導のもとに制定、適用する厳格な制度と秩序を確立すべきです。労働行政機関では国家的にノルマを登録、承認する活動体系を確立し、工場、企業所が恣意的にノルマを低く定めて適用する無規律な傾向があらわれないようにすべきです。

 ノルマを発展する現実の要請に即応して絶えず更新する運動を力強く繰り広げるべきです。ノルマは固定不変のものではありません。ノルマは人々の思想・意識水準と技術・技能水準の向上、新しい科学技術の生産導入に伴って絶えず更新されなければなりません。すべての工場、企業所では、勤労者の思想・意識水準が高まり、技術革命が強力に推進されて生産工程の機械化、オートメ化、ロボット化、コンピュータ化が広く実現されるのに合わせてノルマを絶えず更新しなければなりません。

 ノルマの更新も他のすべての活動と同じく、それを妨げる古い思想との闘争を通じてのみ成功裏に行われるものです。ノルマの更新を妨げる機関本位主義と利己主義、消極性と保守主義、功名主義をはじめ古い思想との闘争を力強く繰り広げてそれを一掃すべきです。

 新しい基準、新しい記録を創造する運動を活発に繰り広げることは、発展する現実の要請に即応してノルマを絶えず更新するための重要な方途です。新しい基準、新しい記録を創造する運動は、生産と建設において大衆の革命的熱意と創造的積極性を最大限に引き出し、少ない労働力と資材、現在の設備でより多く、より早く、より立派に生産し建設するための大衆的革新運動です。すべての部門、すべての単位では新しい基準、新しい記録を創造する運動をより幅広く、着実におし進めて、他の技術的経済的基準とともにノルマを絶えず更新していくべきです。新しい基準、新しい記録を創造する運動は、他の社会的運動と密接に結びつけて力強く展開しなければなりません。特に模範機械創造運動を力強く展開して、設備を愛護、管理する運動と、公称能力を更新し設備の稼働率と利用度を高める運動で革新的な模範を創造すべきです。

 ノルマ制定員の責任感と役割を高めるべきです。ノルマの制定が正しく行われるか否かは、ノルマ制定員の責任感と役割に大きくかかっています。ノルマ制定員の陣容を政治的、実務的に鍛えられた活動家で固め、その水準を系統的に高め、活動条件を十分に保障すべきです。ノルマ制定員を定着させて他の仕事にやたらに動員しないようにし、彼らが仕事に対する自負をいだき責任感をもって活動できるようにすべきです。

 社会主義的労働報酬制を正確に実施するうえで、給料の等級と作業日の評価基準を正しく定め、各種の労働報酬支払い形態を正しく適用することが重要です。

 勤労者の作業量を評価する基準はノルマであり、彼らの労働の量と質による分配基準は給料の等級と作業日の評価基準です。現在、勤労者の労働に対する基本報酬は、工業部門では給料の等級制によって与えられ、農業部門では作業日の評価制によって与えられています。したがって、給料の等級と作業日の評価基準を正しく定めなければ、勤労者に労働に対する報酬を正確に与えることができません。

 工業部門で実施されている給料の等級制は、勤労者の技術・技能水準と労働強度、労働条件をはじめ労働の過程に影響を及ぼすさまざまな要因を考慮して彼らに支払う給料を等級化し、それを基準にしてそれぞれ格差をつけて給料を計算するものです。骨のおれる労働と楽な労働、技能労働と無技能労働の違いによって給料の等級を正しく定め、それに基づいて働いた分だけ報酬を与えてこそ、勤労者が労働過程で消耗した労働力を十分に補って引き続き精一杯働き、技術・技能水準を高めるため積極的に努力するようになります。人民経済の部門間はもちろん、部門内の職種間の給料のつりあいが正しく保てるように給料の等級を正しく定め、人民経済の主体化、現代化、科学化が積極的に推進され、生産工程の技術装備水準が絶えず高まるにつれて新しく生まれる部門と職種の給料の等級をその都度正しく定めるべきです。現在適用されている給料の等級も全般的に検討し、発展する現実の要請に即応して改善すべきです。

 給料の等級を正しく定めるとともに、労働報酬の支払い形態を適切に規定すべきです。

 社会主義社会において労働者、事務員に対する労働報酬支払いの基本的形態は給料です。能率給は我が国で最も基本的な給料形態であり、出来高払い制は最も合理的な労働報酬支払い形態です。すべての工場、企業所では、出来高支払い制を積極的に取り入れるべきです。現在、定額支給制を実施している単位でもできるだけ作業量課題を定め、その遂行程度によって給料を支払う原則を立てるべきです。

 追加的な労働報酬支払い形態である報奨金制と奨励金制、加算金制を正しく適用すべきです。報奨金制と奨励金制、加算金制を正しく適用することは、勤労者の生産意欲と創意を高めるうえで重要な意義をもちます。工場、企業所では報奨金制と奨励金制、加算金制を各部門の特性と現実的要求に即して正しく実施して、勤労者の生産意欲と創意を高め、経営活動の改善をはかるべきです。

 奨励金制は、金日成同志によって新しく制定された労働報酬支払い形態です。すべての工場、企業所では自己の実情と現実的条件に即した奨励金施行細則を作って正しく適用し、その優越性と生命力を発揮させるべきです。

 作業日評価制は、農業部門で社会主義的労働報酬制を正確に実施するための基本的手段です。農業部門で作業日評価基準を正しく定め、農場員が働いた分だけ作業日を正確に評価してこそ、社会主義的分配を正しく実施することができます。農業部門では作業日評価基準を正しく作り、それに基づいて作業日をその都度評価するのを制度化すべきです。これと同時に、実生活を通じてその優越性が実証された分組管理制と作業班優遇制を正しく適用すべきです。分組管理制と作業班優遇制は、協同農場で集団の利益と個人の利益を正しく結合するすぐれた管理制度であり、分配制度です。分組管理制と作業班優遇制を正しく実施してこそ、農場員のあいだで集団主義的生活気風をさらに高く発揚させ、社会主義的分配の原則を貫くことができます。

 労働報酬の支払い方法を正しく適用すべきです。労働報酬支払い形態は、各種の労働報酬支払い方法によって適用されます。同じ労働報酬支払い形態を適用するにしても、その支払い方法によって大きな効果があらわれる場合もあり、そうならない場合もあります。労働行政部門では、工場、企業所で最も効果的な労働報酬支払い方法を適用することに深い関心を払うべきです。特に採掘工業、金属工業、機械工業などの基幹工業部門の工場、企業所で労働報酬支払い方法を正しく適用すべきです。

 社会主義的労働報酬制をさらに完成させるべきです。我が国の社会主義的労働報酬制は、集団の利益と個人の利益を正しく結合している朝鮮式の労働報酬制度です。我々は社会主義的労働報酬制を、集団の利益を一層強化する方向で発展させなければなりません。生産手段が社会的所有となっている社会主義社会では、労働による分配も社会と集団の利益に基づいて個人の利益が保障されるように実施すべきです。言いかえれば、社会と集団のためにより多くの仕事をし、社会と集団により多く寄与した人により多くの分配がなされるようにし、彼らが社会的にもより高い評価を受けられるようにする原則で社会主義的労働報酬制を改善すべきです。工場、企業所の場合も、少ない労働力で生産と建設を多くした単位をさらにおし立て、その単位の勤労者により多くの報酬が与えられるようにすべきです。これとともに、生産の増大にともなって労働による報酬を系統的に高め、低額の給料を受ける労働者、事務員の給料を早急に高めて給料の格差が大きくならないようにし、異なる地域の農民の収入を均等に高める方向で社会主義的労働報酬制を引き続き完成させていくべきです。


5 労働生活条件を十分に保障するために

 勤労者の労働生活条件を十分に保障することは、勤労人民大衆があらゆるものの主人となり、社会のあらゆるものが彼らに奉仕する我が国の社会主義制度本来の要求であり、我が党の一貫した方針です。

 勤労者の労働生活条件を十分に保障してこそ、安全かつより文化的な労働生活を営み、彼らが情熱と知恵、創意をつくして働くようになります。すべての部門、すべての単位では、国家が人民の生命と健康を責任をもって保護、増進するという党の政策的要求に即して、勤労者の労働生活条件を改善すべきです。

 労働保護は勤労者に安全かつより文化的、衛生的な労働生活条件を保障し、彼らの生命と健康の保護、増進をはかる重要な活動です。すべての活動家は革命的大衆観点を確立し、労働保護を生産に優先させる党の方針をあくまで貫かなければなりません。

 労働安全教育を強化すべきです。労働安全教育は、勤労者に我が党の労働保護政策を解説、浸透させる政治思想教育であり、生産活動に必要な労働安全技術知識と労働衛生知識を与える技術教育です。労働行政機関は労働安全教育体系を確立し、勤労者に我が党の労働保護政策と労働安全技術知識を幅広く認識させ、労働保護活動を彼ら自身の活動にならしめて、生産過程でささいな事故や労働災害も起こらないようにすべきです。

 労働保護のための物質的・技術的条件を円滑に保障すべきです。工場、企業所では技術革新運動を力強く展開して、現在の施設と機械・設備を改善、完備し、それを現代化する活動を計画的に進めて、勤労者がより安全で文化的、衛生的な条件のもとで働けるようにすべきです。これと同時に、勤労者に労働保護用具と作業必需品、栄養剤をはじめ労働保護物資をその都度供給すべきです。特に重労働部門に労働保護物資を優先的に提供し、栄養剤を基準どおり供給すべきです。労働行政機関は、人民経済が発展し、新しい生産部門が絶えず創設される状況に合わせて、労働保護物資の適用対象と供給基準を正しく定め、供給体系を確立してその供給を円滑にしなければなりません。

 勤労者に労働保護物資を円滑に供給するためには、それを生産する専門工場を充実させ、生産に対する技術指導を強化して、部門別、地域別、職種別、性別の特性に適した各種の労働保護物資を便利に、そして丈夫につくり、その品種を増やすべきです。

 労働安全規律と秩序を確立し、その遵守についての統制を強化すべきです。近代的生産は、高度の科学技術に基づく各種の機械・設備と原料、資材が導入され、相異なる技能をもつ生産者によってなされるので、労働安全規律と秩序を確立しなくては、労働災害や事故を未然に防ぐことができません。人民経済のすべての部門、すべての単位では、労働安全規定や標準操作法などの規範と内部秩序を発展する現実の要請に即応して適時に改め、勤労者がそれを厳守するよう大衆的法的統制を強化すべきです。

 勤労者に対する給養生活条件を十分に保障すべきです。給養活動はたんなる経済実務上の活動でなく、重要な政治活動です。勤労者が豊かな物質生活と立派な文化生活を営んでこそ、党と領袖の恩恵と我が国の社会主義制度のありがたさを肌で感じ、より高い熱意と創意を発揮して働くようになります。工場、企業所では勤労者が生活上のささいな不便も感じないように住宅問題を円滑に解決し、寮の生活条件をより十分に整えて彼らの生活に細かく気を配り、副食物も十分に供給すべきです。また託児所、幼稚園と炊飯工場、理髪店、浴場、クリーニング店、修理店などの公共サービス施設を充実させ、サービスの向上をはかるべきです。

 国家社会保険制と社会保障制を正確に実施すべきです。国家社会保険と社会保障制度は、国家が責任をもって勤労者の健康を保護、増進させ、労働能力を喪失した人や身寄りのない老人、子供に安定した生活を保障する制度です。我が国での社会保険制と社会保障制による恩恵は、国家的社会的負担によってほどこされ、法的に確固と保障されています。国家社会保険制と社会保障制が正しく実施されてこそ、勤労者が社会主義制度の真の優越性と我が党の人民的で共産主義的な施策について実生活を通じてさらに深く感じ、社会主義制度の強化、発展のために献身的に働くようになります。

 すべての部門、すべての単位では、国家社会保険制と社会保障制を正確に実施し、労働能力を喪失した人と身寄りのない老人、子供に何の心配もなく生活できる条件を責任をもって保障すべきです。社会保険制と社会保障制を正しく実施するためには、静・休養所と戦傷栄誉軍人保養所、養老院、養生院を立派に整え、その運営を改善しなければなりません。特に、勤労者の文化的休息への要求が高まっている実情に合わせて近代的な休養所をより多く建設し、休養生活に必要な諸条件を国家が責任をもって十分に保障し、彼らが休養期間に文化・情緒生活と休息を存分に楽しめるようにすべきです。

 労働行政部門に提起される課題を成功裏に遂行するためには、労働行政に対する党の指導を強化しなければなりません。

 党組織は発展する現実の要請に即応して労働行政に対する指導を強化し、党の労働政策が立派に実行されるようにすべきです。

 党組織は労働行政部門の活動家のあいだに革命的領袖観を確立し、労働行政部門活動家の陣容を党と領袖に限りなく忠実で、実務的に準備された有能な人で固めるべきです。

 工場、企業所をはじめ経済部門の党組織は、党の労働政策を実行する組織・政治活動を強力に展開し、その実行状況を日常的に把握し、あらわれた偏向をその都度是正させるべきです。

 党組織は、労働行政機関と各単位の労働行政部署がその役割をまっとうするよう指導を強化すべきです。労働行政が円滑にいくか否かは、労働行政機関と各単位の労働行政部署がその役割をいかに果たすかにかかっています。党組織は、労働行政部門の活動家が社会主義労働行政の本質的要求に即して労働行政をあくまで対人活動、政治活動に転換させ、常に下部に出向いて生産者大衆とともに働き生活しながら彼らをよく援助し、生産者大衆に依拠して活動するようにしなければなりません。

 労働行政に対する監督と統制を強化するのは、労働行政機関と各単位の労働行政部署の重要な機能であり任務です。労働行政機関と各単位の労働行政部署は、党の労働政策と社会主義労働法、労働規律・規定をはじめ労働法規を厳守し、労働行政において厳格な秩序と規律を確立すべきです。

 労働行政は責任重大かつ栄誉ある活動であり、労働行政部門活動家に対する党の期待は大なるものがあります。

 すべての活動家は党への高い忠誠心をいだいて労働行政を改善するために奮闘し、労働行政に新たな転換をもたらすべきです。

出典:「金正日選集」9巻

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