金 正 日

現代と青年の任務
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部との談話
-1988年10月12日-


 来年、第13回世界青年学生祭典が平壌で開催されることは、極めて大きな意義をもちます。世界五大陸の進歩的青年学生の代表がチュチェの祖国である朝鮮にきて国際的友好と団結を強化し、共同の偉業のためにともにたたかう決意をかためることは、世界の青年運動の発展において意義深い出来事となるばかりか、朝鮮革命にたいする国際的連帯の力強い示威となるでしょう。

 今回の祭典は、我が党によって育成された朝鮮青年学生の高い革命的気概と気高い精神的・道徳的品格を誇示しうるよい機会です。第13回世界青年学生祭典の準備においては物質的準備を十分にととのえることも重要ですが、より重要なのは政治的・思想的準備を立派におこなうことです。

 我々は今回の平壌祭典を契機に、青年学生との活動をさらに強化し、現代の要請にこたえて青年運動の発展に深い関心を払わなければなりません。

 青年は国と民族の大切な花であり、社会の最も活力に富む部隊であり、未来の主人公です。青年をいかに準備させ、かれらの役割をいかに高めるかによって、民族の興亡と人類の未来が左右されるといえます。

 歴史は、時代の前途を切り開くうえで常に青年が先頭に立ち、重要な役割を果たしたことを示しています。

 我が国でチュチェの革命偉業を切り開くうえで前衛的役割を果たしたのは、ほかならぬ青年でした。偉大な領袖金日成同志は、十代の若年で民族の運命を救う大志をいだいて革命の途につき、外部勢力依存の古い思潮と決然としてたもとを分かち、朝鮮革命の新しい進路を切り開きました。

 金日成同志は青年時代に不滅のチュチェ思想を創始し、抗日武装闘争を成功裏に組織、指導することによって、民族解放の救いの星、伝説的英雄として名をとどろかせました。金日成同志とともに祖国解放をめざして英雄的にたたかった抗日闘士も大部分が十代、二十代の青年でした。朝鮮革命が青年将軍である金日成同志の指導のもとに、青年闘士の血みどろのたたかいによって切り開かれたという点で、朝鮮革命は青年運動にその源を発しているということができます。

 新しいものを創造し、社会の進歩を遂げるうえで青年が大きな役割を果たすことができるということは、世界の他の国の歴史にもいくらでも見いだすことができます。要は、青年が時代と歴史にたいする使命を正しく自覚し、たたかいに積極的に立ち上がるようにすることです。

 こんにちの青年は、人類史の発展で極めて重大な転換期に生きています。

 数千年にわたって歴史の対象にしかなりえなかった人民大衆が、こんにちでは時代の中心に確固と立ち、歴史の発展を主導しています。こんにち人類には、支配と従属、搾取と略奪の古い秩序を最終的に一掃し、すべての民族が自由で平和に暮らす自主化された新しい世界を建設すべき課題が、機の熟した時代の要請として提起されています。これは、人類が自主性のためのたたかいにおいて新たな歴史的段階に入っていることを示しています。

 しかしこんにち、人類の自主化偉業は、我々の時代の基本的潮流を逆行させようとする帝国主義者の重大な挑戦に直面しています。帝国主義者は互いに結託し、連合した勢力で世界の自主勢力に対抗しており、反帝・自主の中核力量である社会主義を崩壊させ、発展途上諸国にたいする支配と略奪を強化するため、いっそう狡猾で悪らつな策動をしています。

 帝国主義者は、「平和」や「軍縮」を喧伝しながらも、かえって軍備を拡張し、核戦争準備に拍車を加える一方、「緩和」と「対話」の幕裏で他国にたいする干渉策動と転覆陰謀をためらうことなく強行しています。帝国主義者が喧伝している「援助」や「協力」というものも、弱肉強食の古い秩序に依拠して発展途上諸国にたいする支配と略奪を強化するための体裁のよい看板にすぎません。

 現代帝国主義の狡猾さと悪らつさは、腐りきったブルジョア文化と生活様式をまき散らし、新しい世代の青年を精神的いびつにしようと策動しているところに集中的にあらわれています。人間にとって精神的いびつは肉体的障害よりも大きな不幸であり、自主意識の麻痺した精神的いびつは社会的人間としては屍と変わりありません。青年の美しく気高い気質と生命力を奪いさり、数億万の前途洋々たる青年を精神的いびつにしている帝国主義者の蛮行は、かつて青年を侵略戦争の生けにえにしたファシスト集団の罪業に輪をかけた呪われるべき犯罪行為です。

 現代帝国主義者こそは自主、平和、社会進歩をめざしてたたかう世界の進歩的人民の共通の敵であり、自主時代の青年が思想と信教、民族と人種を超越し、団結した力で対抗すべき主な闘争対象です。我々の時代の青年は、老いぼれた狼のような現代帝国主義の狡猾で醜悪な正体を見極めるとともに、帝国主義の触手から人類の運命を救い、自己の貴い青春を守るため反帝闘争に勇敢に立ち上がるべきです。

 青年はあらゆる形態の植民地主義と人種主義に反対し、公正な政治的・経済的国際秩序を確立するためにたたかわなければなりません。青年は、帝国主義者の侵略と戦争策動を粉砕して世界の平和と安全を守り、退廃的な思想と文化を排撃して、人民の自主的志向にかなった健全な思想と文化を発展させるため積極的にたたかわなければなりません。

 我々の時代の青年は、反帝・自主化の偉業に献身することによって、歴史と人類にたいする栄誉ある責任をまっとうし、まさにここに真の生きがいを感じて自己の一生を輝かさなければなりません。

 人間の一生において青年時代をいかに生きるかということは極めて重要です。一生を正しく生きるためには、青年時代に正しい世界観をもつべきであり、人生の立派な結実を得るためには、青春の力と情熱を社会と集団のための共同偉業にささげなければなりません。

 社会的存在である人間は、社会的集団のなかでのみ生き、発展することができます。個人の生命は人民大衆の生命の一部分であり、それは全人類の大きな生命と結びついています。社会と集団の運命をかえりみず、一個人の享楽のみを追求するなら、社会と集団から見捨てられ、そういう人間は根と枝から離れた葉のような存在となるでしょう。

 人生の価値は社会と集団への貢献度によって決まります。自分一個人の欲望をいくらみたしたとしても、社会と集団の発展に寄与したものがなければ、そういう人間の一生はなんの価値もないむなしいものとなるでしょう。世の中には多くの財産をなしてぜいたく三昧にふけり、安楽な暮らしをした人が少なくありませんが、社会のためになんの寄与もしていないこういう人間の一生は、歴史に残すものがありません。これとは反対に、集団の運命を大切にし、集団と苦楽をともにしながら民族の発展と人類の進歩のために一生涯をささげた人間は、代を継いで人々に尊敬され愛され、その名は長く後世に伝えられます。

 社会と集団のために献身しなければならないということは、決して個人の要求と利益を無視することではありません。真の幸福と誇らしい生き方は、個人の要求と利益が社会共通の要求、社会共通の利益と結合するときはじめて実現するものです。社会と集団に忠実であれば、それだけ自分自身にも忠実であることになります。青年がほんとうに自分自身を大切に思い、青春の希望を達成しようとするなら、精神的、肉体的にみずからをより強力な存在にし、社会共同の偉業のために献身しなければなりません。

 チュチェの祖国に生まれた朝鮮の青年が現代にたいして担っている責任は極めて大なるものがあります。

 こんにち朝鮮人民は、世界帝国主義の頭目であるアメリカとまっこうから対決して平和と社会主義の東方の砦を守っており、完全な民族の自主権を実現し、人類の未来である社会主義・共産主義の前途を切り開くためにたたかっています。我が国は政治、経済、文化の各面で進歩と反動とのするどい対決の場となっており、朝鮮人民のたたかいは、自主時代の潮流の基本的特徴を最も集中的に反映しています。したがって、我が国の革命と建設を立派に進めることは、世界の進歩的人民のたたかいに大きな影響を及ぼすことになります。朝鮮人民と青年が革命的原則を堅持して革命と建設を成功裏に前進させていくならば、世界の進歩的人民と青年に反帝闘争と新しい社会建設の立派な手本を示すことになり、いかに困難な状況のもとでもゆうに自力で自己の運命を切り開いていけるという自信をいだかせることになるでしょう。

 こんにち朝鮮の青年には、金日成同志が切り開き導いてきたチュチェの革命偉業を、我が党の指導のもとに代を継いで発展させるべき聖なる課題が提起されています。青年は、共和国北半部における社会主義建設と祖国統一の偉業を担っていくべき我が党の頼もしい戦闘部隊です。

 社会主義の偉業は、あらゆる支配と従属、搾取と抑圧から脱して自主的に、幸せに暮らしたいという人民大衆の念願を実現する最も崇高な歴史的偉業です。金日成同志の指導のもとに、これまで朝鮮人民は社会主義をめざす困難かつ複雑なたたかいの道を成功裏に歩みつづけ、いまでは社会主義の完全な勝利をはっきりと見通す高い段階に到達しています。

 我が国の青年が社会主義の偉業を継承して最後までなし遂げるには、資本主義社会にたいする社会主義社会の根本的優越性をはっきりと認識しなければなりません。

 いま帝国主義者は資本主義を美化し、社会主義を誹謗中傷することに熱をあげていますが、資本主義社会はあくまでも資本家階級が支配する搾取階級の社会であり、社会主義社会こそ人民大衆が国家と社会の主人となり、ともに誇らしい生活をする真の人民の社会です。これは、なにをもってしても否定することのできない厳然たる事実です。資本主義にたいする社会主義の根本的優越性は、社会主義社会が、ともに自主的で創造的な生活をし、発展しようとする社会的人間の本質的要求を全面的に具現した社会であるというところにあります。

 資本主義社会は、決して帝国主義者が宣伝しているような裕福な社会ではなく、「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」社会なのです。資本主義社会では、物質的富がたくさん生産されても、物質生活における不平等はますます深化し、富める者はなんの価値もなくかいもない、ぜいたくで腐敗堕落した生活に莫大な財貨を湯水のように使っていますが、貧しい人々は貧窮の底をついたみじめな生活をしています。資本主義社会では、多くの人が生きるがために人間の尊厳と良心さえ売らなければならない非人間的な生活を強いられています。結局、資本主義社会では富める者も貧しい者も、健全な物質生活の真の主人になることはできません。

 資本主義社会は、思想・文化生活の面においても極めて貧困な社会です。資本主義社会では、反動的なブルジョア思想・文化の侵食によって、人々は自主意識が麻痺し、思想的、文化的に腐敗堕落しています。資本主義が最も発達しているという国々にしても、非識字者と精神的いびつが日に日に増大し、多くの人がなんの理想や抱負をもつこともなく、刹那的な安逸と快楽のみを追い求める低俗な人間に変質しています。

 帝国主義者は、資本主義社会は人々にあらゆる自由を保障する「自由の王国」と宣伝していますが、それは恥知らずな欺瞞です。資本家階級があらゆるものを支配し、人民大衆が自主的な政治生活から除外されている資本主義社会では、真の自由などありえません。資本主義社会における自由とは、社会共通の利益を無視し、個人の利益のみを追求する自由であり、金持ちのみが享受できる自由です。

 こんにち、資本主義社会では失業者、破産者、アルコール中毒者、麻薬常習者がふえ、殺人、強盗などの社会悪がはびこり、人々は日を追ってますます不安と絶望の淵に落ちこんでいます。資本主義社会は一言でいって、腐りはてた社会であり、前途に希望のない、滅亡に瀕している社会です。

 これとは反対に、社会主義社会は、人々の創造的生活が躍動する健全で生気はつらつとした社会であり、輝かしい未来に向かって前進しつづける希望にみちた社会です。人民大衆が主人となっている社会主義社会では、すべての人が健全な物質生活と豊かな思想・文化生活、自主的な政治生活を営むことができます。

 我が国では、だれもが食・衣・住の心配をせず、貧富の差がなく、ひとしく裕福な暮らしをしています。我が国では、無料教育と無料治療の恩恵によって、全人民が一生を通じて思う存分学び、ともに発展し、無病長寿を保っています。人民は、開花発展する社会主義文学・芸術を心ゆくまで享受しており、最も先進的な思想をもち、未来を見通して誇り高く生きています。我が国には衣食に事欠く人や失業者、アルコール中毒者、麻薬常習者もおらず、人民の生活に不安や苦痛を与えるいかなる社会悪も存在しません。人民の創造した財貨がすべて人民自身の福祉増進に振り向けられる我々の社会では、人民の創造力の向上に伴って、その物質・文化生活も日ましに向上するようになります。

 社会主義の優越性は、人民の政治生活に最も顕著にあらわれます。人民大衆自身が政治の主人となっている我々の社会では、だれもが平等な政治的権利と自由を享受し、国家活動に主人として参加しています。我々の社会では、すべての人がそれぞれの政治組織に加わって生活しており、人民の生活において政治生活は最も重要な部分、日常的な生活の要求となっています。我々の社会では、全人民が革命的信義と同志愛に基づいて一つにかたく団結しており、一人はみんなのために、みんなは一人のためにという原則に基づいて、助け導きあいながらともにたたかっています。これは、資本主義社会では想像だにできない我々の社会の最も大きな誇りであり、まさにここに、朝鮮人民の限りない幸福と不抜の力の源があるのです。

 我が国の青年がこんにち享受している幸福な社会主義の新生活は、先代の青年の血と汗の代価によってもたらされたものであり、かれらが自分の世代に課された歴史的任務を立派に遂行したたまものです。青年はこのことを忘れてはならず、先代の青年がそうしたように、自分の世代に課された歴史的任務を責任をもって遂行しなければなりません。青年は社会主義にたいする大きな誇りと自負をいだいてたたかうことによって、帝国主義者の策動とあらゆる挑戦から社会主義の旗をしっかりと守り、社会主義の決定的優越性をさらに誇示しなければなりません。

 朝鮮の青年が革命の継承者としての責任をまっとうするためには、我が党のチュチェ思想で武装し、革命課題の遂行において高い忠実性と革命性を発揮しなければなりません。

 チュチェ思想は歴史上はじめて、人間を世界の主人の位置に立たせ、歴史の主体である人民大衆の自主性を実現する正しい方途を示した科学的な革命思想です。チュチェ思想は、自主性をめざすたたかいにおける最も正しい行動の指針であり、自主時代の人間として当然身につけるべき我々の時代の指導思想です。青年はチュチェ思想で武装してこそ、革命の主人としての高い自覚と革命勝利への確信をもって、難関と試練にたえて革命をあくまでつづけることができます。

 朝鮮の青年は、チュチェ思想を確固たる信念として体得し、チュチェ思想の要求どおりに思考し行動しなければなりません。

 人民大衆が自己の運命を自主的に、創造的に切り開くためには、党と領袖を中心とする一つの社会的・政治的生命体として結合し、党と領袖の指導に忠実でなければなりません。朝鮮革命の歴史的経験は、全人民が党と領袖のまわりに一心団結してたたかうところに、すべての勝利の秘訣があることを示しています。

 日本帝国主義支配の暗たんたる時期、正しい闘争の道を求めてさまよっていた朝鮮の愛国青年は、金日成同志を中心として団結し、その指導を受けるようになってはじめて、真の革命家に育ち、朝鮮革命の進路を切り開くうえで前衛的役割を果たすことができました。金日成同志とともにたたかった青年共産主義者にとって、金日成同志は革命の領袖であったばかりでなく、かれらに革命家としての貴い生命を与え、それを輝かせていけるよう手をとって導いてくれた親しい同志であり恩人でした。それゆえ、金日成同志への青年共産主義者の絶対的な忠実性は、革命的信念と信義に基づいた、最も純潔かつ確固たるものでした。

 こんにちの青年は、社会主義祖国のふところで生まれ、幸せな生活を思う存分享受して育った新しい世代です。我が党は青年を革命の継承者としてかたく信頼し、このうえなく大切にしており、青年のためであればなにひとつ惜しんでいません。

 朝鮮の青年は、革命烈士の模範に見習って党と領袖の指導に忠実に従い、革命戦士としての信義と本分をまっとうしなければなりません。青年は我が党と生死をともにするかたい覚悟をもって党を断固として擁護し、いついかなる場合にも党の近衛隊、決死隊となるべきです。

 党と領袖への忠実性は、党の路線と政策を実行する実践闘争にあらわれなければなりません。

 我が党の路線と政策は、チュチェの革命偉業を遂行する戦略と戦術であり、人民と青年自身が遂行すべき革命課題です。我が党のすべての路線と政策には、人民へのあつい愛情と配慮がこめられており、人民がそれを自分自身のものとして受けとめ、必ず実行するであろうという大きな期待と信頼がこめられています。青年は、党の政策をたんなる義務としてではなく、大きな喜びと光栄として受けとめ、その実行において高い忠実性と献身性を発揮することによって、党の期待と信頼にこたえるべきです。

 青年は思想、技術、文化の三大革命の遂行において前衛的役割を果たすべきです。青年は、社会主義建設で困難な仕事の先頭に立ち、各自の持ち場で革命任務を責任をもって遂行しなければなりません。青年は、社会主義建設でわき立つ戦闘場に勇敢に飛びこみ、だれもが偉勲の創造者となり、英雄になるべきです。

 社会主義の勝利は、自然に達成されるものではなく、人民大衆の苦難にみちた闘争によってのみ実現できるのです。新しい機械を一つ製作するにしても、いくたびもの失敗にもめげず、苦心を重ねてはじめて成功するものです。まして数千年にわたって持続してきた搾取制度と旧社会の残りかすを一掃し、人民の新しい社会を建設する歴史的偉業が、なんの難関や紆余曲折もなく容易に実現するものではありません。

 難関と試練を恐れては革命家になれません。不撓不屈の強靭な闘志をもった革命家になるには、若いときから困難な闘争のなかで鍛えられなければなりません。ことわざにも、若いときの苦労は黄金でも買えないというのがあります。

 青年は、我が党の指導のもとにかたく団結してたたかうならばなし遂げられないことがなく、必ず勝利するという揺るぎない信念をもって、立ちはだかる難関と試練を勇敢に乗り越えていくべきです。革命闘争において敗北主義と悲観主義は、投降と変節につながる道です。青年は、難関と試練に直面するほど勇気を奮い起こしてたたかい、自力更生、刻苦奮闘の革命精神を発揮してたえず革新し、前進すべきです。

 青年が朝鮮革命の継承者としての使命をまっとうするには、高い創造的能力と豊かな文化的素養を身につけなければなりません。

 社会主義・共産主義を建設するたたかいは、人間と自然と社会を全面的に改造し変革していく壮大な創造的事業です。社会主義・共産主義建設の担い手であり、未来の社会の主人公である青年は、当然、社会主義建設を強力に推進できる高い科学技術知識と壮健な体力をもち、共産主義的人間の品格をそなえなければなりません。

 人間の自主性を規定づける決定的要因が思想・意識であるなら、人間の創造性を規定づける基本的要因は科学技術知識です。こんにち科学と技術は驚くべき速さで発展しており、国々のあいだでは科学技術分野で先端を行こうとするはげしい競争がくりひろげられています。帝国主義者は人類共同の財貨である科学技術を独占し、社会主義諸国の科学技術の発展をおさえようと執拗に策動しています。青年は現代科学技術知識を身につけることなしには、社会主義建設で創造的偉勲を立てることも、帝国主義との対決で社会主義の優越性を十分に発揮させることもできません。

 青年は、だれもが現代科学と技術を身につけるため、強い革命精神と責任感をもって学びに学ばなければなりません。ほかならぬ新しい世代の青年のなかから、国の科学技術の発展に大きく貢献する有能な科学者技術者がたくさん出なければなりません。青年は技術神秘主義と保守主義に反対し、科学者、技術者と生産者、三大革命グループ間の創造的協力を強めて、科学発明運動と集団的技術革新運動を力強くくりひろげるべきです。

 壮健な体力は青春の気迫と活力の源であり、創造的労働と英雄的闘争の裏付けとなります。青年は思想的、精神的に健全であるばかりでなく、肉体的にも壮健で均整のとれた発達を遂げた力強い人間にならなくてはなりません。青年のあいだでスポーツを大いに奨励し大衆化して、かれらを労働と国防にしつかりとそなえさせるべきです。

 共産主義的人間はよく働き、勇敢にたたかうだけでなく、気高い道徳的品性と豊かな情緒をもって文化的な生活をする新しいタイプの人間です。共産主義的革命精神は、気高い道徳的品性、豊かな情緒と結びついたとき、真実で豊かな生活的下地をもった、最も強固で力強いものとなります。我々は、すべての青年が同志と集団を重んじ、愛し、社会主義的な生活規範と秩序を自発的に守ることによって、我々の社会にむつまじく秩序だった生活気風を確立するのに大いに寄与できるようにすべきです。これと同時に、青年のあいだで情操教育を強め、文学・芸術サークル活動を活発にくりひろげて、青年のいるところにはいつも歌と踊りがあり、青春の喜びと楽天的情緒がみちあふれるようにすべきです。

 青年のあいだで社労青の組織生活を強化すべきです。

 人間は組織を通じてのみ社会的・政治的集団の一員として貴い政治的生命をもち、社会と集団のための誇らしいたたかいのなかで有益な生き方をすることができます。強い組織性は革命家にとって最も重要な品性の一つです。人間は青少年時代から組織に加わって組織生活に積極的に参加してこそ、組織生活に慣れ、強い組織性をそなえた革命家になることができます。

 社会主義労働青年同盟は、我が国のすべての青年を革命の継承者、我が党の青年前衛に育てあげる革命の学校です。青年は社労青員としての高い誇りと栄誉をいだいて、社労青の組織生活に積極的に参加しなければなりません。社労青員はその組織を重んじ、常に組織に依拠して生活し、組織から分担された任務と託された革命任務を立派に遂行して、党の青年前衛としての栄誉を輝かすべきです。

 青年は、朝鮮民族の最大の悲願である祖国の統一をめざして積極的にたたかうべきです。

 数千年のあいだ輝かしい民族文化をもって単一民族として暮らしてきた朝鮮人民は、日本帝国主義の敗亡とともに当然、統一された自主独立国家の主人となるべきでした。しかし、解放後アメリカ帝国主義の南朝鮮占領によって、朝鮮人民は、こんにちに至るまで40有余年、民族分裂の苦痛をなめています。朝鮮民族の分裂が持続してきたこの40有余年の歴史は、同じ血を分けた同胞が外部勢力によって人為的に引き裂かれた不幸と苦痛がいかほどのものであり、自己の侵略的野望から他民族の運命を平然と踏みにじる帝国主義者の蛮行がどれほど大きな罪悪であるかを世界の面前にはっきりと示しています。

 こんにち朝鮮人民にとって、アメリカ帝国主義によって強いられた民族分裂の悲劇を終わらせ、祖国を統一すること以上に重要でさし迫った課題はありません。北と南の人民と青年は力を合わせ、我々の世代に必ずや祖国を統一すべきであり、育ちゆく新しい世代は統一された祖国で心ゆくまで幸せを享受できるようにしなければなりません。

 こんにち南朝鮮の青年学生は、敵の弾圧と狡猾な欺瞞策にも屈することなく、アメリカ帝国主義とその手先に反対し、祖国を統一するたたかいで朝鮮青年の英雄的気概を遺憾なく発揮しています。南朝鮮の青年学生は、反米・自主化、反ファッショ・民主化、祖国統一をめざす南朝鮮人民の正義のたたかいで前衛的、主導的役割を果たしており、かれらの英雄的闘争は朝鮮民族の誇りとなっています。

 共和国北半部の青年は、たたかう南朝鮮の人民と青年学生をかたときも忘れてはならず、かれらのたたかいを積極的に支持声援すべきです。青年は高い愛国的献身性を発揮し、社会主義建設をいっそう立派に進めることによって、共和国北半部を希望の灯台と仰ぐ南朝鮮青年学生のたたかいを力強く励ますべきです。

 北と南の青年は、アメリカ帝国主義に反対し、祖国を統一するたたかいにおいて、全民族の先頭に立つべきであり、朝鮮民族の自主精神に基づいて民族分裂の障壁をうちこわし、祖国統一の突破口を開く共同闘争を果敢にくりひろげるべきです。

 我々は第13回世界青年学生祭典を反帝、平和、親善の理念にのっとって立派に開催し、朝鮮青年と世界の進歩的青年との連帯をさらに強化すべきです。

 今回の祭典には、帝国主義に反対し、平和と社会進歩のためにたたかう世界各国の進歩的青年学生が多数参加します。祭典に参加する青年は、人類の希望と未来を代表する時代の若い旗手であり、自主的で平和な新世界の創造をめざすたたかいの先頭に立つ若い闘士たちです。まさにかれらのなかから時代のすぐれた闘士と英雄が輩出し、かれらがいかにたたかうかは、これからの世界の発展に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。

 我々は、人類の未来を愛し、同志と友人を尊ぶあつい心でかれらとの活動を正しくおこなうべきです。我々は、祭典に参加したすべての代表が祭典の崇高な理念を深く体得し、朝鮮人民と青年へのあつい友好の情をいだいて帰るようにすべきです。そうしてかれらが今後、熱烈な反帝闘士、新しい社会建設の立派な先駆者となり、朝鮮革命の頼もしい支持者、共鳴者となるようにすべきです。こうなってこそ、今回の祭典が朝鮮人民と世界の進歩的人民の期待どおり満足におこなわれたといえるでしょう。

出典:「金正日選集」 9巻

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