金 正 日

サービス部門従事者のサービス精神の向上のために
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部との談話 
−1988年4月20日− 


 サービス部門従事者のサービス精神の向上をはかるのは、わが党のサービス革命方針を実行するうえで重要な問題として提起されます。サービス革命は、人民により豊かで文化的で便利な生活条件を提供する活動です。人民により豊かで文化的で便利な生活条件を提供するには、サービス革命の直接的担当者であるサービス部門従事者が、人民への献身的奉仕精神をもってサービス精神の向上に努めなければなりません。

 サービス精神は、サービス部門従事者の基本的品性です。わが国においてサービス部門従事者は人民に奉仕する人なので、サービス精神の足りない人は、この部門の従事者の資格がありません。ところがいま、販売係や接待係などのサービス部門従事者のなかには、サービス精神の足りない人がままいます。数日前、平壌市のある食堂に行ってきた人の話によれば、そこの接待係のサービスがよくないとのことでした。サービスのよくない傾向は、他の食堂や商店の従業員のあいだにもあらわれています。一部の販売係は、客の質問に満足に答えもせず、甚だしくは売場で品物を売らず、別の仕事をしているそうです。

 一部のサービス部門従事者は、国家の商品をもってもったいぶったり、自分の顔を立てたりしています。これは、たいへん間違っています。わが国で商品は人民のためのものであって、サービス部門従事者の顔を立てるためのものではありません。我々は久しい前から、社会主義商業は人民への供給活動であるとしました。社会主義商業が人民への供給活動であるということは、それが、あくまでも人民に奉仕する活動であることを意味します。商業従事者にはただ、社会主義商業の本質的要求に即して人民に商品を均等に供給する義務があるのみです。商業従事者が自分勝手に商品を処理するのは、国の法と秩序に反する間違った行為です。

 サービス部門従事者にサービス精神の足りない行為があらわれる基本原因は、かれらが人民の忠僕であるという観念に欠けているところにあります。一部の活動家は、サービス部門従事者にサービス精神の足りない行為があらわれる原因を商品の不足に求めていますが、それは正しい考え方であるとは言えません。現在、模範的な商業従事者は、職場に出ていない主婦で家内作業班をつくり、自力で商品を一つでも多く生産して人民に供給しようと懸命に努力しています。まさに、このような人が、人民の忠僕なのです。我々の社会では、人民生活をさらに向上させるために努力する人が人民の忠僕であり、愛国者なのです。国家から商品を供給してもらおうとばかり期待して腕をこまぬいているサービス部門従事者は、人民の忠僕、人民の奉仕者であるとは言えません。

 サービス部門従事者は、人民の忠僕であるという観点に立ってさらにサービス精神の向上に努めなければなりません。

 サービス部門従事者は、常に客に親切に、礼儀正しく接するべきです。サービス精神は、客にたいする物腰と言動に直接あらわれます。金日成同志は、販売係は、客が百回聞けば、百回笑顔で答えるべきだと教えています。商業従事者は、客が百回聞けば百回、千回聞けば千回笑顔で答えるべきです。サービス部門従事者は、誰よりも親切で、礼儀正しくなければなりません。客との応対はいつも親しみ深くやさしくしなければなりません。

 サービス部門従事者は、人民の要求を充足させるために懸命に努力するサービス気風を高く発揮すべきです。

 わたしは以前から、客に親切で礼儀正しく接するのがサービス精神のすべてでないと言ってきました。サービス精神はあくまでも、人民の要求を充足させるため努力することにあらわれなければなりません。商店の販売係であるなら、客の求める商品を一つでも多く解決するために努力し、食堂の接待係であるなら、客の口にあう料理を出すために努力しなければなりません。便益サービス部門の従事者の場合も同じです。サービス精神にかんする問題は、たんに商品を売るかどうかという問題ではなく、サービス部門従事者の誠意とサービス気風にかかわる問題です。

 衛生文化的な環境と便利なサービス条件をととのえることも、サービス精神の重要な内容をなします。いま、平壌市内の商店と食堂、便益施設をはじめ、多くのサービス施設が現代的美感に合わせてきれいにととのえられていますが、いまなお欠点が少なくありません。サービス部門では、販売道具と備品を近代化し、サービス網を時代の美感に合わせて衛生文化的に、きれいにととのえなければなりません。商品の陳列も客に便利なようにしながらも、よりはなやかにすべきです。

 サービス部門従事者の衛生文化水準をさらに高めて客へのサービスで衛生文化性を保たなければなりません。特に、食堂での衛生を厳守すべきです。食堂は食事をするところなので、衛生観念を高めることに格別な注意を払わなければなりません。

 移動サービスをはじめ、各種のサービス活動を広くおこない進んだサービス方法も積極的に取り入れなければならず、営業時間も勤労者の出退勤制度に合わせて合理的に定めて、人民の生活上の便宜を最大限にはかるべきです。。そうしてこそ、社会主義サービス活動を人民のためのサービス活動にすることができます。

 サービス部門従事者にたいする教育を強化するのは、サービス精神の向上をはかる重要な方途です。

 サービス部門従事者のあいだにサービス精神の足りない行為があらわれるのは、かれらにたいする教育を怠っていることに大きな原因があります。資本主義社会では、商店の販売係や食堂の接待係は、社会と人民のためにではなく、カネのためカネの奴隷になって働きます。かれらの「サービス」は、首にされないための「サービス」であって、決して真実のものではありません。しかし、社会主義社会におけるサービス精神は、これとは根本的に異なります。わが国の社会主義制度では、サービス問題をカネで解決することはできません。解雇される心配や食・衣・住の心配のないわが国で商店の販売係や食堂の接待係の給料を上げるからといってサービスがよくなるわけではありません。我々の社会においてサービス問題はただ、教育を通じてのみ解決されるのです。

 サービス精神を高める教育では、サービス部門従事者に党への忠誠心をつちかい、人民への献身的奉仕精神を高めることに中心をおくべきです。サービス精神を高めることは、サービス部門従事者のあいだで党への忠誠心をつちかい、人民への献身的奉仕精神を高めることであると言えます。サービス精神は、サービス部門従事者が、客を迎えて応対し、かれらの要求を充足させるために懸命に努力することにあらわれるので、それは、人民にたいする献身的奉仕精神にもとづいてのみ、強く発揮されます。サービス部門従事者の教育に力を入れ、かれらが党への忠誠心をもって、人民への献身的奉仕精神を強く発揮するようにしなければなりません。

 サービス部門従事者にたいする教育は、実情に即していろいろな形式と方法でするのがよいでしょう。サービス部門従事者は、だいたい集団的にではなく、個別的に働き、国家の大切な物資と財産を扱い、客を直接相手にしてサービス活動をします。かれらにたいする教育は、サービス活動のこのような特性に合わせていろいろな形式と方法でおこなわなければなりません。

 サービス部門従事者にたいする教育は、すべての活動家がおこなわなければなりません。一部の活動家は、思想教育は党組織や党活動家だけの仕事のように思い、サービス部門従事者にたいする教育に関心を向けていませんが、それではいけません。サービス部門従事者にたいする教育は、党活動家も、行政・経済活動家もしなければなりません。特に、サービス部門の幹部が、サービス部門従事者にたいする教育を正しくおこなって、かれらが人民の奉仕者としての品性を身につけるようにすべきです。

 党組織とサービス部門の幹部をはじめ、すべての活動家は、サービス部門従事者のサービス精神を高める教育活動を強力にくりひろげて、かれらが、常に人民に親切に礼儀正しく接し、人民の奉仕者としての誉れある任務をまっとうするようにしなければなりません。

 出典:『金正日選集』9巻


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