金 正 日

党と革命隊伍の強化発展と社会主義経済
建設の新たな高揚のために
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部におこなった演説 
−1986年1月3日− 


 偉大な領袖金日成同志は、今年の新年の辞で党を強化し革命隊伍をいっそうしっかりとかため、社会主義経済建設を力強く促進する課題を示しました。金日成同志が新年の辞で示した課題は、新たな高い発展段階にいたったわが党と革命の要求を最も正確に反映している戦闘的な綱領であり、すべての党組織と活動家がしっかりととらえていくべき指導指針であります。我々は、この戦闘的課題の貫徹へ全党と全人民を奮起させることによって、党と革命隊伍を強化し、党の指導的役割をいっそう高め、社会主義建設で新たな高揚を起こさなければなりません。

 何よりもまず、党と革命隊伍の強化に大きな力を入れるべきです。

 党と革命隊伍を強化することは、革命と建設を成功裏に遂行するための根本的な裏付けです。革命と建設の成果的な前進は、党と革命隊伍の威力によって保障されます。党は、革命の嚮導者であり、革命隊伍は革命の担い手であります。党と革命隊伍を強化してこそ、党の指導的役割を高め、人民大衆の底知れない力をくみ上げて革命と建設を力強く推し進めることができます。

 党と革命隊伍を強化することは、新たな高い発展段階にはいった朝鮮革命の不可欠の要求です。こんにち朝鮮革命は、全社会をチュチェ思想化するきわめて高い段階にいたっています。全社会をチュチェ思想化するためには、思想、技術、文化の3大革命を力強くくりひろげて人々を共産主義的人間に育てあげ、社会生活のすべての分野をチュチェ思想の要求どおり改造しなければなりません。これは、社会の心臓部としての党と、革命の原動力である革命隊伍をたえず強化してのみ、成功裏に実現することができます。

 幹部陣容をしっかりとかためるべきです。

 幹部は、わが党の中核力量であり、大衆の教育者であり、革命の指揮メンバーであります。党と革命隊伍の威力は、幹部陣容をいかにかためるかに大きくかかっています。幹部が、すべてを決定づけます。歴史的経験が示しているように、幹部陣容をしっかりとかためなければ、党の強化発展に重大な弊害をまねき、革命と建設が紆余曲折をへるようになります。

 幹部陣容を党にかぎりなく忠実な人々でかためるべきです。党へのかぎりない忠実性をいだいて党とともに最後まで革命の道を歩む人であってのみ、わが党の真の幹部になることができます。党組織は、チュチェ思想で武装し、いかなる逆境にあっても党の路線と方針を断固として擁護貫徹する覚悟のできている人で幹部陣容をしっかりとかためるべきです。

 幹部陣容を実力のある人でかためるべきです。幹部は、もって生まれた官職ではありません。課された任務を、うまく処理できずもたつく人は、いくら家族関係が立派で熱意があるとしても、幹部としての資格はありません。党組織は、幹部の選抜配置において履歴書だけにこだわる傾向を一掃し、当人の実際の活動状況がどうであるかを具体的に調べ、政治的・実務的資質が高く、組織的手腕のある人を幹部に登用すべきです。

 若い人を幹部に多く登用すべきです。党の指導のもとに、チュチェの革命偉業を代をついで完成していくには、党の根幹をなしている幹部陣容を前途洋々たる若い人でしっかりとかためるべきです。わが党を心から支え、党の指導に従って最後までたたかう若い人を幹部に登用することは、朝鮮革命の代をつぐ問題にかかわるきわめて重要なことです。党組織は、幹部事業において経歴本位の傾向をなくし、生産現場と人民軍で鍛えられ、チュチェ教育をうけた若い人をためらうことなく幹部に登用して系統的に育てあげるべきです。

 幹部陣容を実践のなかで鍛えられた労働者階級出身でかためることは、わが党の階級的性格を固守するうえで重要な意義をもっています。労働者階級出身の幹部は、組織性と原則性が強く、革命的展開力があり、難関を前にしてためらったり動揺したりしません。党組織は、党にかぎりなく忠実で水準の高い労働者階級出身で幹部陣容をかためることに第一義的な力を入れるべきです。

 幹部事業において、地方主義、家族主義などのあらゆる不健全な傾向を徹底的に克服すべきです。幹部事業においてこのような不健全な傾向が許されれば、重大な結果をまねくようになります。党組織は、親戚、親友、同郷、同窓、師弟関係などの情実、縁故関係によって幹部問題を処理したり、特定の人が勝手に幹部を罷免または、登用するといった非組織的な行為があらわれないようにすべきです。

 党勢拡大活動を正しくおこない、党の隊伍をしっかりとかためるべきです。

 党勢拡大活動を正しくおこなうことは、党の隊伍を強化するための第一工程です。党勢拡大活動を正しくおこなってこそ、党の隊伍の純潔を保ち、その構成成分を改善し、党の戦闘力をたえず強化していくことができます。

 こんにち党勢拡大活動で重要なのは、資格をそなえた人を選抜して入党させることです。朝鮮労働党員は、わが党の革命偉業を先頭に立って実現していく労働者階級をはじめ、勤労人民大衆の前衛的闘士であり、人民大衆の利益のために、社会主義・共産主義偉業の勝利のため献身的にたたかう政治活動家であります。党の隊伍には、党と領袖のために、祖国と人民のためにすべてをささげてたたかう覚悟と決心ができており、実践活動において前衛的役割を果たしている人々が加わることができます。党組織は、家族関係と社会・政治生活の経歴だけをみて入党させようとしないで、組織生活と実践闘争をつうじて当人が党と領袖に従って最後まで革命をおこなう覚悟をいだき誠実に働いているかどうかを十分に調べ、確実な人を入党させるべきです。党と領袖に忠実で、常に、大衆の先頭に立って誠実に働く人は、家族関係や社会・政治生活の経歴が複雑であっても入党させるべきです。

 情実、縁故関係によって入党問題を取り扱うことのないようにすべきです。情実、縁故関係によって入党問題を取り扱うようになれば、党の隊伍に不純分子、異分子がまぎれこむようになり、党員の資格をそなえていない人が入党して、党の権威を傷つけるようになります。党組織は、党勢拡大活動において党の原則を厳守し、情実、縁故関係によって入党させるようなことがあれば、直ちに問題視して正すべきです。

 個別的な入党手順をふまなかったり、成立しない会議で入党問題を審議することのないようにすべきです。個別的な入党手順をふまなかったり、成立しない会議で入党問題を審議、決定するということは、党規約に違反する無法な行為です。党組織は、党規約に定められている手順に従い、入党希望者が実際に党員の資格をそなえているかどうかを個別的に慎重に検討して、入党資格のそなわっている人を入党させるべきです。これとともに、成立しない会議で入党問題を審議、決定することのないようきびしく統制し、そのようなことがあったときには、すでに決定した入党問題を取り消し、改めて審議、決定するようにさせるべきです。

 入党問題を審議する党会議の政治的・思想的水準を高めるべきです。特に、入党問題を審議する党細胞総会の政治的・思想的水準を高めることに深い注意を払うべきです。党員は誰でも、自分の入党問題が審議された党細胞総会を一生忘れないものですが、それは入党問題を審議する党細胞総会が人々の政治生活において一つの転機となるからです。人々は、自分の入党問題を審議する党細胞総会に参加して、尊厳と権威のある党の一員となる栄誉と誇りを胸いっぱいに感じ、生涯を政治活動家として輝かせていくかたい決心をいだくものです。党組織は、準備を実質的におこない、入党問題を審議する党細胞総会の政治的・思想的水準を決定的に高めるべきです。

 党員候補との活動を正しくおこなうべきです。党員候補としての生活期間は、党員になる資格があるかどうかを点検する期間であり、党員としての資質と品格をそなえる期間です。党員候補との活動を正しくおこない、かれらを十分に点検して政治的、思想的に鍛えたのちに入党させるべきです。いま一部の党員が党員としての役割を満足に果たしていないのは、かれらを党員候補としての生活期間に、党員の資格をそなえるよう正しく教育できなかったためです。党組織は、党員候補の組織・思想生活状況を日ごろから理解掌握して系統的に教育し、かれらが党員候補としての生活期間に党員の資質と品格を十分にそなえるようにしなければなりません。

 党の統一団結を強化発展させるべきです。

 統一団結は、党の生命であり力の源泉であります。党の威力は、とりもなおさず統一団結にあり、統一団結した力にまさる力はありません。我々は、党と革命隊伍を強化するうえで、常に、党の統一団結を第一とし、団結の旗を高くかかげて、それをあくまで守りぬかなければなりません。

 党の統一団結は、必ず一つの中心にもとづいてなされなければなりません。この世の万物が核を中心にして形成され運動発展しているように、統一団結をなし遂げるうえでも核にひとしい中心が必要です。中心のない統一団結はありえません。統一団結の中心は、まさに革命の指導者、領袖です。領袖を中心にしてなされていない統一団結は、強固なものにはなりえません。わが党における統一団結の中心は、偉大な領袖金日成同志です。金日成同志は、朝鮮革命の最高頭脳であり、最高指導者であります。全党と全人民が、金日成同志を中心にかたく団結するとき、それをうちまかす力はこの世になく、朝鮮革命は上昇一路をたどるでしょう。幹部と党員は、今後ともかわることなく金日成同志のまわりに一心団結して、チュチェの革命偉業の完成のために最後までたたかわなければなりません。

 党の統一団結は、一つの思想にもとづいて思想、意志のうえでなし遂げられなければなりません。労働者階級の党は、同じ思想をもった社会の先進分子で組織された階級の前衛部隊です。労働者階級の革命的党における真の統一団結は、必ず一つの思想にもとづいた思想、意志の統一団結となるべきです。思想、意志のうえでの団結でなく、実務的になされた統一団結は強固なものとはなりえず、また、長続きしません。党の統一団緒の思想的基礎は、領袖の革命思想であり、領袖の革命思想にもとづく統一団結のみが、最も強固で生命力のある統一団結となります。わが党における統一団結の思想的基礎は、金日成同志の革命思想、チュチェ思想です。チュチェ思想は、労働者階級の革命的世界観であり、わが党と革命の唯一の指導思想です。幹部と党員は、チュチェ思想でしっかりと武装し、あらゆる反動的な思想潮流の浸透からチュチェ思想を断固として擁護、固守し、それにもとづいて思想、意志のうえでかたく団結しなければなりません。

 党の統一団結は、革命的同志愛にもとづいてなされなければなりません。革命的同志愛は、一つの目的と理想を実現するため同じ隊伍でたたかう革命同志のあいだに結ばれる気高い思想感情です。党の統一団結は、革命的同志愛にもとづいてなされるとき、威力あるものになります。革命的同志愛は、党と領袖に対する忠実性にもとづかなければなりません。幹部と党員は、革命的同志愛を高く発揮し、それにもとづいてかたく団結すべきです。

 党の統一団結を強化発展させるためには、わが党の統一団結の伝統を継承し、それをあくまで固守しなければなりません。

 朝鮮革命の黎明期に青年共産主義者は、金日成同志を革命の指導者、領袖として高く仰ぎ、金日成同志を中心とする思想、意志および行動の完全かつ無条件的な統一団結をなし遂げることによって、わが党の統一団結の輝かしい伝統をきずきあげました。当時、車光洙、金赫をはじめとする青年共産主義者は、ほとんどみな金日成同志より年長でしたが、かれらは実際のたたかいをつうじて朝鮮革命は、ただ金日成同志の指導をうけてこそ勝利するということを確信し、一心同体となってかたく団結し、金日成同志をしっかりと守りぬいたのです。

 党組織は、金日成同志の賢明な指導のもとに抗日革命闘争の時期にきずかれた統一団結の伝統が、わが党の統一団結を代をついで強固なものにできる万年の礎であることを肝に銘じ、それをそのまま継承していっそう発展させていくべきです。幹部と党員は、革命勝利の時期を予言することのできなかった多難な朝鮮革命の黎明期に、金日成同志を統一団結の中心に高く仰ぎ、金日成同志を政治的、思想的に、生命を賭して断固と擁護、防衛した抗日革命烈士の崇高な模範を大いに見習い、党の統一団結の純潔を瞳のように守りとおすべきです。

 党の統一団結を代をついで強化発展させるためには、党内に党中央の唯一的指導のもとに全党が一丸となって行動する厳格な規律を確立しなければなりません。

 党中央の唯一的指導のもとに全党が一丸となって行動するのは、党の組織規律の最も大切な要求の一つです。党の組織規律は、本質において、党の指導者の唯一的指導を実現するための規律です。

 党組織は、党の決定と指示を無条件に受け入れて実行し、党事業と党活動で提起される重要な原則的問題をそのつどとらえて党中央に報告し、結論に従って処理しなければなりません。これとともに、幹部と党員が党内の秩序と規範を厳守し、正しい組織観念をもって党生活を強化するようにしなければなりません。

 党の統一団緒を強化発展させるためには、団結を破壊し、むしばむいっさいの反党的な思想要素と否定的な傾向に反対して断固たたかわなければなりません。

 党の統一団結は、それを破壊し、むしばむいっさいの反党的な思想要素と否定的な傾向とのたたかいをつうじて、たえず強化されます。党の統一団結を破壊し、むしばむ反党的な思想要素と否定的な傾向とのたたかいは、革命の深化発展にともなって、たえず継続されなければなりません。

 わが党がかつてなく強化され、整然とした党活動体系が確立された状況のもとで、党内に以前のように組織的に結託した分派が発生するとは考えられません。しかし、いまだに地方主義、家族主義、敗北主義などの古い思想の残りかすがくすぶっている状況のもとでは、党内に個別的な反党分子があらわれないと断言することはできません。

 党組織は、幹部と党員にセクト主義、地方主義、家族主義、敗北主義の本質と害悪をはっきりと認識させ、かれらが統一団結の妨げとなるさ細な現象も見逃すことなく、それと強力なたたかいをくりひろげるようにすべきです。これとともに、幹部と党員のあいだに、特定の幹部に対する幻想をいだいてへつらう傾向があらわれないようにすべきです。

 幹部と党員をわが党の反分派闘争の経験で武装させることにも、深い関心を払わなければなりません。

 わが党の歴史は、分派との闘争の歴史だといえます。わが党は、種々さまざまな分派分子との長期にわたるたたかいをつうじて不抜の統一団結をなし遂げ、その過程で貴重な経験を得ました。これは、わが党の統一団結を新たな高い段階に強化発展させるうえで、またとない貴重な元手となっています。党組織は、幹部と党員をわが党の反分派闘争の経験で武装させ、かれらがいかなる逆境にあっても党の統一団結をしっかりと擁護、固守し、それを代をついでたえず強化発展させていくようにすべきです。

 大衆との活動を活発におこない、広範な大衆を党のまわりにかたく結集すべきです。

 大衆との活動を活発におこなって、労働者、農民、勤労インテリをはじめ、広範な大衆を党のまわりにかたく結集してこそ、党の大衆的基盤を強め、革命隊伍を一枚岩のようにかためることができます。

 わが党は、創立当初から広範な大衆を自己のまわりにかたく結集することを党と革命隊伍の強化のための根本的問題とし、革命の各時期、各段階で大衆との活動に大きな力をそそいできました。党の賢明な指導のもとに、これまで大衆との活動では大きな成果がおさめられました。特に、昨年の11月5日、大衆路線を貫徹して広範な大衆を党のまわりにかたく結集するという方針が示されて以来、それを貫徹するたたかいをつうじて大衆との活動では一大転換がもたらされました。

 周知のように、昨年ある出版社において創立40周年にさいし金日成同志と記念写真の撮影をしたことがありますが、そのとき当出版社では、ある論説員を階級的土台がよくないとして記念写真の撮影に参加させませんでした。この論説員についていうならば、金日成同志の配慮で外国留学までしており、すでに数回、金日成同志と記念写真をとったことのある人であり、これまでの40年間、党に従って忠実に勤めてきた博士であり副教授であります。こういう人を、いまになって金日成同志との記念撮影に参加させなかったことは、結局、かれを革命隊伍から除外するのにひとしい行為です。それでわたしは、この問題を党の大衆路線に反する重大事件とみなし、昨年の11月5日に当該部門の活動家を招集してきびしく問題をとりあげ、同時に大衆路線を貫徹して広範な大衆を党のまわりにかたく結集するための画期的な措置をとりました。その後、大衆との活動、特に、経歴の複雑な大衆との活動を強力に展開した結果、基本大衆はもとより、家族関係や社会・政治生活の経歴が複雑な大衆までが、党を心の底から信頼し、従うようになりました。実際上これまで、党は経歴の複雑な大衆を結集するため多くの努力をしてきましたが、一部の活動家が党の路線と方針に反していい加減に活動したため、経歴の複雑な大衆のうち少なからぬ人は、前面では万歳を唱えながらも、うしろではわが党の政策を半信半疑し、不平を鳴らしました。だが、昨年の11月5日に党が措置を講じて以来、かれらは前だけでなく、うしろでも万歳を唱えています。経歴の複雑な大衆を白眼視し、かれらのなかには問題のある者が少なくないといっていた活動家も、いまではかれらのほとんどが党を信頼し従っていると述べています。これは、なにものにも代えがたい非常に貴重な成果です。我々は、家族関係や社会・政治生活の経歴が複雑な大衆との活動において、この15年間解決できなかった問題を昨年の11月5日以降に解決したということができます。そういう意味で、昨年の11月5日の党の措置は、抗日武装闘争の時期「民生団」の書類包みを焼きすてたのと同様の歴史的な出来事であり、解放後の土地改革にひとしい一つの革命であるといえます。

 各党組織は、これまでの成果を強固なものにする一方、革命発展の新たな要求に即応して大衆との活動をひきつづき深め、広範な大衆を党のまわりにしっかりと結集すべきです。

 大衆との活動を正しくおこなうためには、党の大衆活動方針、特に、昨年の11月5日に示した党の方針で活動家をしっかりと武装させなければなりません。

 昨年の11月5日に示した党の大衆活動方針は、大衆との活動においてすべての党組織と活動家が堅持すべき指針です。そこには、現段階において大衆との活動で提起される原則的な問題だけでなく、その遂行方途にいたるまで、すべて明示されています。活動家が昨年の11月5日の党の大衆活動方針でしっかりと武装すれば、大衆との活動においていかに複雑な問題が提起されようともスムーズに解決することができ、大衆との活動を党の意図どおりに手ぎわよく進めることができます。

 各党組織は、活動家に昨年の11月5日に示した党の大衆活動方針を一度学習させることにとどめず、ひきつづき学習させ、かれらをして党の方針に精通するようにさせるべきです。特に、機関、企業所と協同農場で大衆を直接対象にして活動する末端幹部のあいだで、昨年の11月5日に示した党の大衆活動方針の学習を強化し、かれらがそれを深く体得して大衆との活動に具現していくようにすべきです。

 大衆との活動を円滑におこなうには、党の大衆活動方針が貫徹されるように実際的な措置を講じる必要があります。

 党の大衆活動方針がいかに正しいものであっても、それを実行する実際的な措置が講じられなければ、まともに貫徹されず、大衆との活動で成果をおさめることができません。これまで党が、大衆との活動をしっかりおこなうようひきつづき強調してきたにもかかわらず、それが満足に実行されなかったのは、実際的な措置が講じられなかったことが大きな原因です。各党組織は、党の大衆活動方針を貫徹するうえで解決を要する問題はなんであるかを具体的に調べ、一つひとつ解決していくべきです。

 何よりも大衆との活動と関連した党中央委員会の指導書を全般的に検討して、改めるべきものは改めなければなりません。現在、下部党組織に下達されている大衆との活動と関連した各種の指導書を検討して改めるべきものは改めるべきであって、文書は従前どおりにしておきながら大衆との活動を円滑にするようにと口でだけ強調しても役に立ちません。

 大衆との活動と関連した指導書を改めるためには、党中央委員会の組織指導部の活動家が、まず責任感をもって仕事にあたるべきです。組織指導部の活動家は、人間の政治的生命を扱う党の基本部署の活動家なのですから、大衆との活動と関連した指導書を改める仕事において主人とならなければなりません。組織指導部の活動家は、大衆との活動と関連した指導書を全般的に検討して、党の方針にあわない事項はすべて改めるべきです。

 経歴の複雑な人々の胸にわだかまっている問題も、円滑に解決してやるべきです。

 経歴の複雑な人々の胸にわだかまっている問題を解決してやるのは、かれらに党の信頼を実際に示すことであり、わが党の政策を心の底から受け入れさせるうえでは、数百言を弄するよりも大きな働きをします。

 経歴の複雑な人々の胸にわだかまっている問題を解決してやる活動は、すべての部門、すべての単位でおこなうべきです。この活動は、個別的ないくつかの部門か単位でのみおこなっては成果をあげることができません。これまで、党組織では、経歴の複雑な人々の胸にわだかまっている問題を解決してやり、かれらを党のまわりに結集するため努力しているのに、一都の機関の幹部は、特権をふりかざして足をひっぱるようなことをしました。

 大衆との活動で偏向をおかさないようにすべきです。

 大衆との活動は、家族関係や社会・政治生活の経歴、年齢やレベルが異なる人々を対象にしておこなう活動であるため、準備不足の一部の活動家のあいだに大衆との活動で偏向をおかすことがあります。昨年の11月5日に、党が経歴の複雑な大衆との活動を根本的に改善する措置を講じたのち、党員協議会や道党委員会書記処拡大会議など諸種の会談において、党の大衆路線に反して経歴の複雑な大衆との活動をでたらめにおこなって過ちをおかした活動家がかなり批判されました。そうした活動家のうちのほとんどは、自分の過ちを反省し、大衆との活動に新たな転換をもたらそうと努めるでしょうが、一都の活動家は、自分を批判に立たせたとか、自分に対する苦情申し立てをした人をこしゃくにさわって、かれらに圧力を加えたり仕返しをしようとするかもしれません。また、一部の活動家のあいだには、大衆との活動で階級的原則を守るという口実で、経歴の複雑な大衆を白眼視する極左的偏向や、経歴の複雑な大衆との活動を思いきっておこなうのだといって、階級の敵も見きわめない右傾的な偏向があらわれかねません。また、一部の活動家のあいだには、複雑な大衆との活動に力を入れよといわれたからといって、そのことばかりに気をとられ、基本大衆との活動をおろそかにする偏向もあらわれかねません。大衆との活動においてこうした偏向をそのつど是正しなければ、革命力量を弱め、党と革命に重大な悪結果をもたらすようになります。

 各党組織は、活動家に苦情申し立てが提起されたとき、その人が申し立てた人に圧力を加えたり、仕返しをしたりするようなことがないようにすべきです。これとともに、活動家が基本大衆との活動に第一義的な力を入れながら、経歴の複雑な大衆との活動を正しくおこない、大衆との活動で左右の偏向をおかさないようにすべきです。

 大衆との活動を正しくおこなうためには、整然とした大衆活動体系を確立しなければなりません。

 党員と大衆のなかの中核分子をつうじて、大衆との活動をおこなう整然とした活動体系を確立すべきです。党員と大衆のなかの中核分子をつうじて大衆との活動をおこなうのは、1人が10人、10人が100人、100人が1000人、1000人が1万人を教育して動かすわが党の伝統的な活動方法を大衆との活動に具現したものです。党組織は、党員の前衛的役割を高め、かれらが大衆のなかの中核分子を教育してその中核分子が広範な大衆を教育するようにさせるべきです。特に、経歴の複雑な大衆を教育改造するうえで、大衆のなかの中核分子の役割を高めるべきです。中核分子の隊伍をしっかりとかため、かれらに大衆教育方法を教えて、経歴の複雑な大衆に対する教育を円滑におこなうようにすべきです。

 勤労者団体をつうじて大衆との活動をおこなう体系も確立すべきです。勤労者団体は、広範な大衆を結集している大衆的な政治組織であり、その組織をつうじて大衆との活動をおこなうのは、わが党の大衆指導原則であります。党組織は、勤労者団体に対する指導を強化して、すべての勤労者団体がその性格と特性に即して大衆との活動を自立的に、創意的に、上手におこなうようにすべきです。

 党員と勤労者に対する思想教育を活発にくりひろげるべきです。

 何よりもまず、党員と勤労者のあいだで党についての教育をいっそう強化すべきです。

 党員と勤労者のあいだで党についての教育を強化することは、かれらを党にかぎりなく忠実な真の共産主義的革命家に育てあげ、わが党の革命偉業を代をついで最後まで完成していくようにするうえできわめて重要な意義をもっています。党についての教育を強化してこそ、党員と勤労者が自己の運命をすべて党にゆだね、いちずに忠誠をつくすことができます。

 党についての教育を強化するうえで重要なのは、わが党が革命と建設でつみあげた業績を広範に宣伝することです。

 わが党が、金日成同志の賢明な指導のもとに革命と建設を導いてきた過程でつみあげた業績は非常に大きいものです。

 わが党を、チュチェの革命偉業を代をついで継承完成させていける強力な革命的党に強化発展させたことは、党のつみあげた最も大きな業績です。わが党のエネルギッシュな活動によって、党の隊伍がしっかりとかためられ、党の思想、意志の統一と団結が強化され、党内に革命的な活動体系と鉄の規律が確立されました。わが党の歴史において、こんにちのように党の活動が着実におこなわれ、すべての党員と勤労者が党中央のまわりに一つの思想、意志でかたく団結したことはいまだかつてありませんでした。

 党の指導のもとに、経済・文化建設でも立派な成果が達成されました。国の経済が現代技術で装備され、社会主義の物質的・技術的土台がいっそう強化され、いたるところに大記念碑的建造物がうち立てられました。文学・芸術部門では、従来の歌劇や演劇の古いわくがうちこわされ、新しい『血の海』式革命歌劇と『城隍堂』式革命演劇がつくりだされ、革命映画や革命小説をはじめ、思想性・芸術性の高い文学・芸術作品が数多く創作されました。特に、革命歌劇の創作においてなし遂げられた成果は、世界に大いに誇るにたるものです。外国では、歌劇一つの創作に5年、10年費やしていますが、わが国では、1年あまりの期間に従来の歌劇とは根本的に区別される新しい形式の革命歌劇を5つも創作しました。

 党の指導があるがゆえに、こんにち朝鮮は、『チュチェの祖国』『20世紀の奇跡の国』として光を放っています。

 党組織は、党員と勤労者のあいだで党の業績についての宣伝を広範に深くおこなうべきです。

 党の業績についての宣伝は、生き生きとした実例をもって多様な形式と方法でおこなうべきです。党の業績についての宣伝は、新聞をはじめ、出版物をとおしておこなうこともでき、テレビ放送やラジオ放送をとおしてもおこなうことができます。最近のテレビ放送で、音楽舞踊叙事詩『栄光の歌』や革命歌劇『血の海』などの名作を創作する過程でつみあげた党の業績を、創作スタッフの話と場面実況をとりあわせた座談会の形式で放映していますが、そうするのも悪くないでしょう。今後ともひきつづき新しい形式と方法を研究して、実感のある党の業績についての宣伝をおこなうべきです。党の業績についての宣伝は、なんらかの記念日を契機にしたキャンペーンとしてではなく、日常的に地道におこなうべきです。

 党の恩恵についての宣伝も十分におこなうべきです。

 わが党は、人民にあらゆる配慮をめぐらしており、それは時の流れにつれていっそう深まっています。党員と勤労者のあいだで、党の恩恵についての宣伝を強めてこそ、かれらが党の恩恵を常に、忘れることなく、それに報いるためすべてをささげて働くことができます。党組織は、祝日や記念日などの重要な契機に、党の恩恵についての宣伝を多様な形式と方法で実質的におこなうべきです。

 党員と勤労者のあいだで祖国についての教育を強化すべきです。

 祖国は、すべての人の真の母であり生と幸せの揺らんです。真の生と幸せは、祖国のふところではじまり花と咲きます。祖国は、なにものにも代えがたく、この世に祖国より貴いものはありません。祖国は、生命よりも貴いものです。かつて、有名無名の数多くの英雄戦士が、祖国のために青春も生命もためらうことなくささげてたたかったのは、祖国がそれほど貴いものであったからです。

 金日成同志は、抗日革命闘争の全期間、青年共産主義者と抗日遊撃隊員が、日本帝国主義の植民地支配下で呻吟する祖国を一瞬たりとも忘れないようにしました。金日成同志は、抗日革命闘争の時期に、祖国を党より上位におきました。党は祖国のために必要なものです。党のために祖国があるのではなく、祖国のために党があるのです。党は、祖国建設の武器であります。金日成同志は、党を武器として、わが祖国の大地に搾取と抑圧がなく、すべての人が幸福に暮らせる社会主義楽園をきずきあげました。我々の社会主義祖国は、人民大衆の自主的で創造的な生が開花し、子孫万代の永遠の幸福が裏付けられている真の祖国であります。

 祖国についての教育を強めることは、世代の交替がなされている現状においていっそう切実な問題として提起されています。祖国が日本帝国主義の植民地支配のきずなから解放されてから40年の歳月が流れました。いまでは、解放後に生まれ育った新しい世代が、躍動する祖国を背負って立つ主人として登場しています。かつて、亡国の悲しみを骨身にしみて体験した人は、金日成同志が取り戻してくれた祖国の貴さをよく知っていますが、新しい世代は自分たちの享有している幸福を当然のことと考え、祖国がどれほど貴くありがたいものであるかを十分に知っていません。

 祖国についての教育で基本となるのは、祖国をかぎりなく愛し、代をついで光り輝かせるようにすることです。党員と勤労者のあいだで祖国についての教育を強める目的も、まさに、かれらが祖国を熱烈に愛し、その富強発展のためにつくしていくようにするためです。党員と勤労者が、祖国を愛さず、祖国への献身的奉仕精神がなければ、敵の侵害から祖国を防衛することもできず、祖国の隆盛繁栄のために身を挺してたたかうこともできません。祖国を愛さず、祖国のためにたたかわず、祖国に寄与したもののない人は、祖国について語ることができず、母なる祖国の真の息子、娘とはいません。

 我々は、党員と勤労者が金日成同志が取り戻しうち立ててくれた社会主義祖国をこのうえなく貴び熱烈に愛し、その隆盛繁栄のため青春も生命もすべてささげてたたかうようにすべきです。

 祖国を愛し、祖国の富強発展のためにすべてをささげてたたかうためには、祖国についてよく知らなければなりません。祖国を十分に知ってこそ、人民の力と国の天然資源にもとづいて祖国にかぎりなく繁栄する新しい社会を建設することができます。朝鮮人は朝鮮に生きて革命にたずさわる人なのであるから、朝鮮をよく知らなければなりません。

 何よりも朝鮮の歴史と地理、文化を十分に知るべきです。わが国は5千年の悠久な歴史をもっており、わが国には朝鮮民族の英知を示す貴重な文化財がたくさんあります。わが国は、風景も美しく、地下資源にも恵まれて、昔から三千里錦の山河と世界に広くその名を知られています。党と領袖の賢明な指導のもとに、こんにちわが国の歴史と文化はいっそう燦然と輝いており、祖国はいたるところに労働党時代の大記念碑的建造物がそびえ立ち、いっそう住みよく美しい地上の楽園となっています。すべての党員と勤労者にわが国のさん然たる歴史と文化、うるわしい山河についてよく教え、かれらが祖国をよく知って熱烈に愛し、かぎりなく光り輝かせるようにすべきです。

 祖国を愛し、祖国の富強発展のためにすべてをささげてたたかうためには、自国のものを大切にし愛し、誇れるようでなくではなりません。祖国への愛と献身的な奉仕精神は、自国のものをよく知るだけでなく、それを大切にし愛し、誇りとする自覚から生まれるものです。自国のものを大切にし愛し、誇りとすることもなく、それをいっそう発展させようと努力しない人は、真の愛国者になりえません。いま一部の人は、国産品は使おうともせず、舶来品ならばあたまから褒めていますが、そういう人には祖国を愛する精神があるとはいえません。党組織は、すべての党員と勤労者が、国産品を大切にし愛し、誇りとし、国産品が外国のものより見劣りするときは、それを発展させて外国のものを圧倒しようとする覚悟をもって献身的に努力するようにしむけるべきです。

 祖国についての教育は、革命伝統教育と密接に結びつけておこなうべきです。わが党の輝かしい革命伝統は、わが党と革命の歴史的根元であり、祖国をかぎりなく輝かせていく貴重な元手であります。抗日革命闘争の時期、抗日遊撃隊員は、祖国をかぎりなく愛し、手に銃をとって祖国を取り戻すため血みどろの闘争をくりひろげました。抗日遊撃隊員の祖国への愛とかぎりない献身性は、党員と勤労者の見習うべき手本です。祖国についての教育を革命伝統教育と密接に結びつけて進めることによって、党員と勤労者が抗日遊撃隊員のように祖国をかぎりなく愛し、祖国の富強発展のためにすべてをささげてたたかうようにすべきです。

 祖国についての教育は、隠れた功労者の模範を宣伝する方法でおこなうのがよいでしょう。隠れた功労者は、地位や名誉を望まず、党と領袖の遠大な構想を祖国の大地に開花させるためにもくもくと一生をささげている我々の時代の真の愛国者です。党と領袖のために、祖国と人民のためにかげひなたなく生涯をささげて働いている隠れた功労者の気高い思想的・精神的品格と実践的模範は、党員と勤労者に大きな感銘を与えており、祖国を愛し輝かせるためには、どう生きなければならないかを立派に示しています。党組織は、隠れた功労者をそのつど捜し出して評価し、かれらを広く宣伝することによって、すべての党員と勤労者が隠れた功労者の模範を積極的に見習い、祖国の富強発展のため一生をささげて働く隠れた功労者、真の愛国者になるようにすべきです。

 祖国についての教育は、文学・芸術作品を大いに利用しておこなうべきです。祖国についての文学・芸術作品は、人々をして祖国を愛し、その富強発展のためにたたかうようにする強力な手段です。近ごろ、文学・芸術部門で歌謡『わたしはとわに祖国の息子』と『とわに祖国の海とともに』、詩『わたしの祖国』など、祖国をたたえる文学・芸術作品が創作されましたが、これらの作品は、祖国についての教育に大いに役に立つものです。これからも祖国についての詩や歌謡、小説、映画を数多く創作して普及すべきです。

 党員と勤労者のあいだで民族的誇りを高める教育を強化すべきです。

 民族的誇りは、民族の団結をなし遂げ、力を養い、自民族のためにすべてをささげてたたかうようにする基本的要因の一つです。民族的誇りの高い人民は、あらゆる従属と支配を排して、独立と繁栄の新しい社会を建設していくことができます。民族的誇りはどの民族にも必要ですが、特に、小民族であるほど、なお強くなければなりません。小民族が民族的誇りをもたなければ、自己の固有な民族性を維持することができず、他民族に従属させられるようになります。

 祖国が統一されていない状況において、党員と勤労者の民族的誇りを高めなければなりません。いま南朝鮮かいらいは、米・日帝国主義者を後ろだてにして「勝共統一」するといっていますが、これは全朝鮮民族を米・日帝国主義者の奴隷にしようとする反民族的売国行為です。朝鮮の統一問題は民族内部の問題であり、これにはいかなる外部勢力の干渉も許されません。民族内部の問題に外部勢力が干渉するのは、民族的誇りからしても許しがたいことです。祖国の統一は、朝鮮民族の団結した力によって朝鮮人民自身が達成すべきです。そのためには、党員と勤労者のあいだで民族的誇りを高める教育活動を強化し、かれらに朝鮮民族は他民族に劣らず、自分の問題を自力で解決できる力強く尊厳ある民族であることをはっきり認識させなければなりません。

 一部の人のあいだに民族虚無主義や事大主義が残っている状況のもとで、民族的誇りを高める教育を強化することは、なおのこと大切です。民族虚無主義や事大主義は、いずれも民族を滅ぼす危険な思想毒薬であり、民族的誇りとは根本的に相容れないものです。党員と勤労者の民族虚無主義と事大主義を一掃するためには、民族的誇りを高める教育活動を強化して、かれらに朝鮮民族第一主義の精神を植えつけなければなりません。

 党員と勤労者に、民族的誇りと自負をいだかせるべきです。民族的誇りと自負なくしては、民族的誇りをもつことができません。党組織は、党員と勤労者に朝鮮民族の優秀性について詳しく解説、宣伝し、かれらをして朝鮮民族としての誇りと自負をいだくようにすべきです、ここで最も大切なのは、朝鮮人民が、偉大な領袖金日成同志を仰いで暮らし革命を進めるかぎりない誇りと自負をいだくようにすることです。金日成同志を仰いで暮らし革命を進める朝鮮人民の民族的誇りと自負、これは世界のどの民族でももつことができるものではなく、ただ朝鮮人民のみがいだくことのできる誇りと自負であります。党組織は、党員と勤労者のあいだで金日成同志の偉大さと指導の賢明さ、高邁な共産主義的徳性についての宣伝をいっそう強化することによって、かれらが金日成同志を仰いで革命を進める大きな民族的誇りと自負をいだくようにすべきです。

 事大主義とのたたかいを力強くくりひろげるべきです。事大主義は、民族的尊厳と栄誉を考えず、むやみに大国を崇拝するきわめて有害な思想です。民族が事大主義に陥れば民族の主体性を固守することができず、民族的従属を免れることができません。これは、かつてのわが国の歴史が示している深刻な教訓です。わが党は、歴史的教訓からして、党員と勤労者のあいだで事大主義を一掃するための思想教育と思想闘争を強力に展開し、その過程で事大主義をかなり克服しました。しかし、いまなお一部の人のあいだには事大主義が残っており、それが活動と生活の各側面にあらわれ、人々の民族自主意識をむしばんでいます。党組織は、党員と勤労者に事大主義の本質と弊害を深く認識させ、かれらが事大主義に反対して積極的にたたかうようにすべきです。

 党の宣伝活動では、朝鮮人民の民族性を尊重し、十分に生かしていくことに深い注意を払うべきです。先ごろテレビ放送が、時代の要求にそった結婚式を奨励する意味で、結婚式当日の新郎新婦が洋服姿で大城山革命烈士陵をたずねて献花する場面を放映したことがありますが、それは朝鮮人固有の民族性を無視したものです。朝鮮では、昔から結婚式の日に花嫁に朝鮮のチマ、チョゴリを着用させるのが一つの習わしとなっています。社会主義的生活様式を確立するからといって、結婚式当日に花嫁に洋服を着せては、人々に与える影響がよくありません。今後、宣伝活動で民族性を無視することがないようにすべきです。

 党員と勤労者のあいだで、新しいものを志向する教育を強化すべきです。

 新しいものを志向するのは、革命家が身につけるべき大切な品格です。革命は、あらゆる立ち後れたものをなくし、新しいものを創造するたたかいです。革命は、古くて沈滞したものをうちこわし、新しいものを創造するたたかいのなかで前進し、発展します。革命家は、常に、新しいものを愛し、新しいものの勝利のためにすべてをなげうってたたかわなければなりません。

 社会生活のすべての分野をさらに一新するためにも、党員と勤労者が新しいものを志向していくようにすべきです。党の指導のもとに、こんにち、わが国では、思想、技術、文化の3大革命が強力にくりひろげられ、経済と文化、思想と道徳をはじめ、社会生活のすべての分野が一新されました。しかし、我々はこれに満足することはできません。自主的で創造的な生活を心ゆくまで享受しようとする人民の要求と志向には果てがなく、それは日ごとにいっそう高まっています。人民により自主的で創造的な生活を十分に保障するためには、社会生活のすべての分野において古いものをなくし、たえず新しいものを創造していかなければなりません。これは、社会建設の主人であり担い手である党員と勤労者がたえず新しいものを志向していくとき、立派に解決されるのです。

 新しいものを志向するためには、それに対する正しい認識をもたなければなりません。

 新しいものに対する正しい認識をもってこそ、革命闘争と建設事業において、古いものと新しいものとを明確に見きわめ、新しいものを正しく押し立てることができます。はじめて生まれでたものだからといって新しいものになるのではなく、誰かが新しいものだと主張するからといって新しいものになるわけでもありません。新しいものになるには、社会発展と人民の要求と志向にかなったものでなければなりません。こんにち、我々にとって新しいものとは、党の路線と方針、人民の要求と志向にかなったものです。党組織は、党員と勤労者を党の路線と方針で武装させ、かれらが新しいものがいかなるものであるかをはっきり認識し、たえずそれを志向していくようにすべきです。

 党員と勤労者が、新しいものを大切にし、それを大いに助長していくようにすべきです。

 新しいものは、はじめは小さくて目につかないものであるため、古いものとのたたかいにおいて紆余曲折があるので、それを適時に発見して大切にし、育てなければなりません。新しいものは、人々が大切にし大いに助長してこそ古いものをうちこわして勝利することができます。人々のあいだで新しい革新的な案が提起されれば、それを無視したりしりぞけたりしないで積極的に支持し実現できるように援助し、それが実現されたときには相応の評価をしてやり、推賞すべきです。これとともに、社会生活のすべての分野において新しいものの発展を妨げるあらゆる古いものとのたたかいを積極的にくりひろげ、古いものを徹底的に克服すべきです。

 新しいものを取り入れる活動も積極的におこなうべきです。わが国がより急速な発展を遂げるためには、外国から新しいものを摂取しなければなりません。

 外国から新しいものを取り入れるからといって、見境なく摂取してはなりません。新しいものを摂取するにあたっては、必ず、主体的立場と労働者階級的原則を守らなければなりません。そうしてこそ、外国のものを正しく取り入れることができ、それを我々の革命と建設に実質的に役立てることができます。

 我々は、外国の工場設備を取り寄せたり、発達した科学技術を導入する場合も、朝鮮革命の利益とわが国の具体的実状にかなったものを取り入れるべきです。文学・芸術部門でも、外国のすぐれたものを正しく摂取すべきです。外国の音楽を採取するからといってむやみやたらに取り入れてはいけません。我々は、外国の音楽を摂取する場合にもやたらに摂取しようとせず、それを朝鮮人民の要求と感情にふさわしく取り入れるべきです。

 次に、社会主義経済建設で新たな高揚を起こすべきです。

 社会主義経済建設を立派におこなうことは、こんにち、わが党に提起されている最も重要な革命課題です。社会主義経済建設を立派におこなってこそ、社会主義の物質的・技術的土台を強固にきずき、人民により幸せな生活をもたらすことができ、社会主義制度を強固にし、その優位性を高く発揮することができます。

 反米反ファッショ民主化闘争を力強くくりひろげ、生存の自由と権利のためにたたかっている南朝鮮人民を励まし、祖国統一偉業を早めるためにも、社会主義経済建設を積極的に促進しなければなりません。現在、北と南のあいだにはするどい軍事的・政治的対決状態がつづいているだけでなく、深刻な経済戦がくりひろげられています。我々は、経済的威力をもって敵を決定的に圧倒することによって、資本主義的植民地従属経済に対する社会主義的自立経済の優位性と不抜の生命力を余すところなく示し、敵があえて経済的に我々と張り合おうとする考えをもてないようにすべきです。

 社会主義経済建設を立派におこなうことは、チュチェ朝鮮の国際的地位と権威をさらに高め、世界各国との協力と交流を発展させ、朝鮮革命の国際的連帯を強めるための重要な裏付けとなります。

 こんにち我々には、社会主義経済建設を力強く促進し、新たな高い段階に発展させるあらゆる条件と可能性がそなわっています。国の経済的土台と生産潜在力は大きく、革命と建設の長期にわたる実践のなかで鍛えられ、豊富な経験をつんだ幾百万勤労者の革命的熱意も高まっています。

 我々は、全党、全国、全人民を奮起させ、社会主義経済建設で新たな高揚を起こすべきです。

 何よりも、基幹工業と鉄道運輸の発展に第一義的な力をそそぐべきです。

 石炭・電力・金属工業をはじめ、基幹工業と鉄道運輸を他の部門に先行させるのは、社会主義経済建設の基本原則です。国の経済規模がかつてなく拡大し、機械工業をはじめ、加工工業部門が全般的に急速な拡大発展を遂げるにともない、電力と石炭、銅材をはじめ、各種の原材料と輸送の需要は著しく増大しました。いま、石炭と電力、鋼材が不足し、輸送が円滑に保障されないため、人民経済の各部門で生産が正常化されず、多くの工場、企業所が能力を十分に発揮できすにいます。社会主義経済建設における我々の前進速度は、石炭、電力、銅材の生産と鉄道輸送をいかに早急にもりたてるかに大きくかかっています。我々は、この問題の解決に全党的・全国家的力量を集中し、短期間内に必ず解決しなければなりません。人民経済のすべての部門で、石炭工業、電力工業、金属工業、鉄道運輸の各部門を積極的に支援し、この部門に設備と資材、労働力を優先的に提供し、国家投資も集中させて優先的に保障すべきです。

 党が提示した対外貿易を発展させる方針と、軽工業第一主義、農業第一主義、水産業第一主義の方針を貫徹すべきです。

 金日成同志は、国家政務委員会第1回会議で、対外貿易を発展させる方針と軽工業第一主義、農業第一主義、水産業第一主義の方針を示しました。金日成同志の示したこれらの方針は、こんにち経済活動において堅持していくべき綱領的指針です。これらの方針を堅持してこそ、経済活動と人民生活の問題をともに解決していくことができます。我々は、これらの方針をともに堅持して、それを貫徹しなければなりません。

 貿易を発展させる方針を第一として積極的に推し進めるべきです。貿易をおこなって原油とコークス用炭、生ゴムなどの原材料を輸入してこそ、鉄鋼材や自動車、トラクターを生産することができ、軽工業部門の工場を操業して各種の一般消費物資も生産でき、農業も営み、魚類も大量に捕獲することができます。対外貿易を発展させることは、経済的自立とは矛盾せず、かえって国の経済的自立性とその威力を強固にし、人民経済の主体化、現代化、科学化を促すための重要な裏付けとなります。経済がいくら発達した国でも、貿易をおこなって各国と有無相通ずることなしには裕福な暮らしができません。実際上、経済が多面的に発展して強力になるほど貿易は盛んになり、対外経済関係がいっそう拡大発展するものです。特に、わが国のように大きくない国では、すべてを国内で生産することは不可能であり、またそうする必要もありません。それに資源は、豊富なものもあれば全然ないものもあるという状況のもとで、貿易をおこない、有無相通ずることなしには、国を富強にし、人民の暮らしを裕福にすることができません。各機関、企業所では、貿易計画を正確に立てて確実に遂行する厳格な規律を立て、外国と契約済の輸出物資はそのつど生産保障し、我々に必要な物資をそのつど輸入しなければなりません。

 軽工業第一主義の方針貫徹に力を入れ、各種の一般消費物資と食料加工品の生産に転換をもたらすべきです。また、農業第一主義と水産業第一主義の方針を貫徹して穀物生産を決定的に高め、魚類を大豊に捕獲して人民の食生活をいっそう豊かにすべきです。

 社会主義経済建設で新たな高揚を起こすためには、技術革命を強力に展開しなければなりません。

 技術革命を強力に展開することは、こんにち、我々に提起されている最も重要な課題の一つです。社会主義・共産主義は、高度の科学技術にもとづいてのみ成功裏に建設することができます。科学技術が飛躍的に発展しているこんにち、科学技術の面で立ち後れれば経済的に立ち後れ、近代的で文化的な生活を享受することができません。我々が、早く前進するために切実に求められるのは技術です。こんにち、わが国で天然資源を効果的に開発利用する問題、膨大な生産潜在力を余すところなく動員する問題、社会主義経済建設で新たな飛躍をなし遂げて人民の物質・文化生活水準を高める問題なども科学技術の発展にかかわっています。

 すべての活動家は、現代科学と技術に対する正しい観点をもち、その発展に真剣に取り組むべきです。我々は、現代科学技術を生産と建設に積極的に導入することによって、人民経済の主体化、現代化、科学化を実現して国の生産力をいっそう発展させ、勤労者を骨のおれる労働から解放する歴史的偉業を成功裏になし遂げなければなりません。

 技術革命の遂行では、国の資源を効果的に開発利用して燃料と動力、原料の問題を円滑に解決し、人民経済の技術装備を現代化するうえで提起される切実な科学技術上の問題の解決に力量を集中すべきです。機械工業と電子・自動化工業を早急に発展させて、人民経済の各部門で機械化、オートメ化、ロボット化を促進し、古い機械設備と生産工程をたえず更新すべきです。

 科学技術を発展させて人民経済を現代技術で装備させるうえで、科学者、技術者の責任感と役割を高めることが、特に重要です。我々は、125万名の科学者、技術者、専門家の大集団を擁しています。この強力な科学技術陣を効果的に動員利用するなら、いかに困難な科学技術の要塞も成功裏に占領することができます。

 科学者、技術者は、科学技術発展の直接の担い手です。科学者、技術者の責任感と役割を高めてこそ、技術革命の遂行で提起される困難な科学技術上の問題を成功裏に解決することができます。

 科学者、技術者に研究課題を明確に与え、それを確実に遂行するように正しく指導、統制すべきです。現在、科学研究機関と工場、企業所に科学者や技術者が大勢いますが、かれらが生産で難点となっている科学技術上の問題を一つずつだけ担当して研究しても、多くの問題を解決することができます。科学者、技術者に党政策の要求に即応して現実的意義のある研究課題を与え、それを責任をもって遂行するようにさせるべきです。

 科学者、技術者の活動条件と生活条件の保障にも深い関心を払うべきです。科学技術を発展させて技術革命をおこなわなくてはならないとは誰もが言っていますが、それに必要な物質的条件を保障するため努力している人はそれほどいません。科学者、技術者に研究活動に必要な物質的条件を保障せずには、科学技術の発展は期待できません。科学者、技術者に研究室と実験室、実験設備と実験器具、資材を円滑に提供し、住宅やいろいろな文化的な休息条件を優先的に保障すべきです。これと同時に、科学研究活動と技術発展のために功労を立てた科学者、技術者を社会的に押し立て優遇し、かれらが、科学者、技術者としての栄誉と誇りを深く心にいだき、科学研究活動にすべてをつくしていくようにすべきです。

 科学者、技術者の実務的資質を高める活動も十分におこなうべきです。かれらが学習をたゆまずおこない、それぞれの専攻科学技術部門に完全に精通し、世界の科学技術発展の趨勢に通じているようにしなければなりません。

 集団的技術革新運動を積極的にくりひろげるのは、技術革命を強力に展開するための重要な方途の一つです。大衆は、技術の主人であり創造者です。人民経済のすべての部門で集団的技術革新運動を積極的にくりひろげ、誰もが新しい技術の創造者、革新者となるようにすべきです。広範な大衆を技術革新運動に積極的に動員するための組織・政治活動を強化し、かれらのなかから創意考案の名手と発明家が多く輩出するようにすべきです。

 集団的技術革新運動の効力を発揮させるには、科学者、技術者と生産者との創造的な協力と連係を強めなければなりません。生産者のなかから提起される価値のある技術革新案を積極的に支持し、完成させるように後押しし、科学者、技術者が生産者のなかにはいってゆき、かれらと力を合わせて生産で難点となっている科学技術上の問題を積極的に解決していくようにすべきです。

 技術革新突撃隊運動も強力に展開すべきです。いま、4・15技術革新突撃隊と2月17日科学者突撃隊、2月17日科学者・技術者突撃隊、大学生技術革命グループが労働者と協力し、生産と建設で難点となっている科学技術上の問題をはじめ、国の経済発展に役立つ価値のある科学技術上の問題を少なからず解決しています。我々は、技術革新突撃隊の活動をさらに強化し、技術革新突撃隊員が技術革命遂行の先駆者になるようにすべきです。

 社会主義経済建設で新たな高揚を起こすためには、企業管理の体系と方法をたえず改善し完成していかなければなりません。

 企業管理の体系と方法は、党の政策的要求と社会主義経済法則の要求に即応してたえず改善し完成していくべきです。企業管理の体系と方法をたえず改善し完成していってこそ、社会主義経済制度の優位性を全面的に発揮させることができ、生産者大衆の革命的熱意と創造的積極性を高め、経済建設をいっそう力強く促進することができます。我々は、発展する現実の要求に即応して企業管理の体系と方法の改善と完成に深い注意を払うべきです。

 工場、企業所で独立採算制を正しく実施すべきです。

 独立採算制は、国家の中央集権的な指導と統制のもとに、企業所が相対的独自性をもって経営活動をおこない、生産に支出された費用を自力で補償し、国家に利益を与える合理的な経済管理運営方法です。独立採算制は、過渡的社会である社会主義社会の性格と要求を正確に反映しています。独立採算制を正しく実施すれば、国家の利益と生産者大衆の利益を正しく結びつけ、かれらの革命的熱意を最大限に発揮させて生産のたえまない増大をはかることができます。

 経済幹部と生産者大衆は、経済管理の改善における独立採算制実施の重要性を明白に認識し、独立採算制を正しく実施するため積極的に努力すべきです。

 独立採算制の規定と細則をしっかりと作成して科学的な計算システムを確立し、計画実行の評価を正しくおこなって物質的刺激のテコを正しく利用し、独立採算制実施の手本をつくりあげ、それを普及する活動を積極的にくりひろげるべきです。

 新たに組織した連合企業所の効力があらわれるようにすべきです。

 金日成同志は、昨年末に開かれた党中央委員会政治局会議で、生産の正常化と独立採算制の正しい実施のため、連合企業所を新たに組織する措置を講じました。金日成同志の教えに従って、わが国には多くの連合企業所が新たに組織されました。

 連合企業所は、社会主義社会の特性とわが国経済発展の合法則性を最も正確に反映している我々の方式の新しい企業新組織形態です。この連合企業所は、計画単位、生産単位、実行単位として独自の経営活動が可能ないろいろな条件を具備しているので、それを合理的に管理運営すれば、生産を正常化し、国の経済全般をすみやかにもりたてることができます。

 連合企業所の効力を発揮させるには、連合企業所での計画作成と資材保障活動を党の政策的要求に即応しておこなわなければなりません。連合企業所が、原料と資材、設備状況を具体的に見積もって動員的で現実的な計画を立て、契約によって確実に資材をかみあわせるようにすべきです。

 連合企業所の効力を発揮させるには、企業所の責任幹部の役割を高めるべきです。連合企業所の党書記、支配人、技師長は、連合企業所の活動について党、行政、技術の面で党に対し責任を負う企業所の主人たちです。連合企業所がまともに管理運営されるかどうかは、党書記、支配人、技師長の役割に大きくかかっています。連合企業所の党書記、支配人、技師長は、党と革命に対する自己の任務を深く自覚し、三位一体となって企業管理を円滑におこなっていくべきです。連合企業所の党書記、支配人、技師長が三位一体となるには、党書記を当該部門の科学技術知識と経済管理運営知識を身につけている活動家でかため、かれが支配人、技師長と力を合わせて働くようにすべきです。

 連合企業所の効力を発揮させるには、連合企業所の党委員会が生産に対する指導と統制を正しくおこなうべきです。連合企業所の党委員会は、企業所に提起される課題を党委員会で集団的に討議して正しい実行対策を立て、その実行状況を日常的に掌握し、あらわれる偏向をそのつど是正すべきです。これとともに行政・経済活動家が、党の方針と社会主義経済管理の原則に即して企業管理をおこない、生産を科学技術的に組織し指導するようにさせるべきです。

 社会主義経済建設で新たな高揚を起こすためには、すべての部門、すべての単位で節約体制を強化し、製品の質を決定的に高めなければなりません。

 生産向上の重要な余力は、節約体制を強めることにあります。節約は、人民の汗水によってきずかれた物質的富と労働の浪費をふせぎ、それを国家の富強発展と人民の福祉増進のため効果的に利用できるようにする重要な方途です。我々が生産する製品や国の財貨を極力節約して効果的に利用するなら、生産と建設をいっそう大々的に進め、人民に現在よりいちだんと裕福な暮らしをさせることができます。いくら生産しても、浪費が多くては、底の抜けたかめに水をそそぐようなものです。大衆的に節約運動の一大旋風をまきおこすべきです。

 労働力を節約する運動を強力に展開すべきです。生産でいちばん重要なのは労働力です。新設される工場、企業所を円滑に操業させるにしても労働力がなければなりません。人民経済のすべての部門、すべての単位が、労働の組織、労働力の管理を手ぎわよくおこなって、一人の怠けものもいないようにし、1分1秒の労働時間も無駄にしないようにすべきです。

 労働の組織を合理的におこない、労働生産性を高めるうえで受取り制を正しく実施することが重要です。受取り制は、合理的な労働組織および労賃支払い形態です。工業と農業をはじめ、人民経済のすべての部門で各種形態の受取り制を広く実施して労働を合理的に組織し、労働の評価を正確にすることによって、勤労者の生産意欲と責任感を最大限に高めるべきです。また、工場、企業所、協同農場のいずれにおいても社会的支援を無償と考える偏向をなくし、それに対する経済的計算と統制を強めるべきです。

 燃料と動力、各種の原料と資材を節約し、機械設備を愛読する運動を強化すべきです。現在、わが国の工場、企業所における重工業および軽工業製品の単位当たり石炭、電力、原材料の消費基準は、世界の先進水準にくらべて立ち後れています。すべての部門、すべての単位で原単位消費基準を切り下げる運動を強力にくりひろげ、1グラムの石炭、1ワットの電力、1滴の油、一片の鋼板でも節約し、現有の資材と設備、労働力でより多く生産し、建設すべきです。

 良質で実用的な製品をつくるべきです。質の劣る製品は人民に歓迎されず、主体化、現代化、科学化へと急速に発展する人民経済の質的要求を満足にみたすことができません。製品の質が劣れば、国家の威信をそこない、経済協力や交流も満足に発展させることができません。

 製品の質は、技術水準や生産条件などいろいろな要因とも関連していますが、主としては、生産者が祖国と人民のためにいかに主人らしく誠実に働くかにかかわっています。勤労者のあいだで、一つの製品をつくるにしても、党と革命、祖国と人民のためだという気持ちで誠心誠意いっそう立派につくるよう実質的な政治活動をおこなうべきです。また、勤労者の技術・技能水準をたえず高め、先進的な技術と作業方法を積極的に取り入れ、品質検査を強めるべきです。

 行政規律をしっかりうち立てるべきです。

 行政規律を確立してこそ、行政的指示が下部に正確に下達され、経済活動と関連する党の方針が適時に貫徹されるようになります。

 行政規律を立てるうえでは、何よりも掌握・報告体系を確立することが大切です。

 経済活動において提起される問題は、即時、上級機関に報告されなければなりません。ところが現在は、経済活動において提起される少なからぬ問題が上級機関に適時に報告されていません。一部の行政・経済機関の活動家は、対外関係で提起される問題さえも適時に報告していません。こうしたことからみても、行政・経済活動において掌握・報告体系が確立されていないことがわかります。行政・経済幹部は、経済活動や対外関係で提起される問題を伏せておかないで、そのつど上級機関に報告すべきです。

 行政的指示を確実に実行する厳格な規律を確立すべきです。行政的指示は、すべて党の路線と政策を貫徹するためのものです。党の経済政策は、行政的指示をつうじて手配され、実行されます。行政・経済活動家は、行政的指示を適時に実行せず怠ったり違反したりすることが、党の路線と政策の貫徹を妨害する行為であることを明確に認識し、行政的指示を確実に実行すべきです。これとともに、行政的指示を軽視し、意のままにたがえたり変更したりする無規律な行為とは、強力な闘争をくりひろげてそのつど克服すべきです。

 行政規律をうち立てるには、行政・経済活動家を押し立て、かれらの活動上の権威を高めてやるべきです。党組織は、党活動寮のあいだに行政代行の傾向があらわれないようにし、思いきって行政・経済活動家に仕事をまかせ、かれらが職責を十分に果たせるように党の立場で十分に助力すべきです。

 社会主義経済建設で新たな高揚を起こすためには、活動家の指導方法と作風を改善しなければなりません。

 活動家の指導方法と作風を改善するうえで大切なのは、チョンサンリ(青山里)精神・チョンサンリ方法を具現することです。

 金日成同志が創造したチョンサンリ精神、チョンサンリ方法は、わが党の革命的大衆路線を具現している共産主義的大衆指導思想であり、指導方法であります。チョンサンリ精神、チョンサンリ方法には、わが党の伝統的な活動方法と大衆指導原則が全面的に具現されています。活動家は、チョンサンリ精神、チョンサンリ方法の本質と要求をしっかりと認識し、そのとおり活動すべきです。

 活動家は、すべての活動において政治活動、対人活動を先行させ、大衆の革命的熱意と創意をくみ上げて提起される革命課題を遂行し、常に、下部に出むいて実情を具体的に調べ、正しい解決方途を立て、難問をそのつど解決すべきです。これとともに、一つの単位でモデルをつくってそれを一般化し、活動において順序を見きわめ、中心の環に力量を集中して、負わされた革命課題を重点的に一つひとつ遂行すべきです。

 活動家が、人民的活動作風を身につけることが大切です。

 活動家は、尊大ぶったり権力を乱用したりしてはなりません。活動家が尊大ぶったり権力を乱用したりすれば、党から大衆を離脱させ、革命と建設を成功裏に遂行することができません。いま一部の活動家は、仕事のために努力するよりも、威厳をつくろうことに神経をつかっています。活動家は、尊大ぶることで活動上の権威を立てようとするのでなく、謙虚に学びながら仕事を着実におこなうことによって権威を立てるべきです。

 特に、党活動家は、尊大ぶったり権力を乱用したりしてはなりません。このたび連合企業所を組織するさい、党書記のクラスを支配人より半等級低くしましたが、それは党書記が尊大ぶって権力を乱用したり独断専行できないようにするために講じた措置です。連合企業新党書記の等級が支配人より少し低くでも、党活動家らしく任務に忠実であれば、活動上の権威を高めるのに難はないはずです。人民軍で任務に忠実を政治活動家は、たとえ階級章が軍事指揮官より低くても、軍事指揮官から尊敬されています。党活動家が自己の本分を忘れず、わきまえのあるふるまいをすれば、行政・経済活動家から尊敬され、活動上の権威もおのずから保たれるようになるものです。党活動家は、尊大ぶったり気取ったりすることなく、常に、謙虚、素朴にしておおらかでなければなりません。また、権威をふりかざしたり特典にあずかろうとせず、他の人とかわりのない平凡な暮らし方をすべきです。

 活動家が正しい指導方法と作風を身につけるためには、政治・実務水準を高めなければなりません。政治・実務水準が高くてこそ大衆を革命闘争と建設事業に力強く立ち上がらせる正しい方法と妙策を探しだすことができ、対人活動を大衆の準備程度と心理に合わせて上手におこなうことができます。

 すべての活動家は、金日成同志の教えと党の方針でしっかりと武装し、それを自分の血と肉にすべきです。特に、当該部門、当該単位の活動にかんする金日成同志の教えと党の方針を深く学習して、それに精通すべきです。これとともに科学技術知識と経済管理知識をはじめ、各分野の知識を体得し、文化的素養を高めるため積極的に努力すべきです。

 こんにち、我々には、革命と建設のすべての分野で新たな高揚を起こすべき重大かつ栄誉ある課題が提起されています。すべての党組織と活動家は、我々の革命発展の新たな要求に即応して党と革命隊伍をいっそう強化し、社会主義経済建設で新たな高揚を起こすため積極的にたたかわなければなりません。

出典:冊子「党の指導的役割を高めるために」 1992 外国文出版社 平壌


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