金 正 日

勤労者団体の活動に対する党の指導を強化するために
全国党勤労者団体事業部の活動家講習会参加者に送った書 
−1985年4月30日−

 このたび、全国党勤労者団体事業部の活動家講習会が、数日にわたって成功裏におこなわれました。この講習会は、現実発展の要請に即応して勤労者団体の活動に対する党の指導をさらに深め、勤労者団体事業部の活動家の政治・実務水準を向上させる重要な契機となるでしょう。

 わたしは、全国の党勤労者団体事業部の活動家が一堂に会した機会に、現在、勤労者団体の活動に対する党の指導を強化するうえで提起される若干の問題について強調しようと思います。

 勤労者団体の活動に対する党の指導は、革命と建設に対する党の指導において重要な位置をしめています。革命と建設が、深化発展し、党に困難かつ膨大な課題が提起されるにつれ、勤労者団体の活動に対する党の指導はさらに重要な問題として提起されます。

 勤労者団体の活動に対する党の指導の強化は、党を強化し、革命隊伍をしっかりととのえるための重要な要求です。勤労者団体は、党と大衆を結びつけるベルトです。勤労者団体は、大衆を教育改造して党のまわりにかたく結集し、党は勤労者団体をつうじて大衆との結びつきを保ち、大衆のなかから中核を育成して、その隊列をたえず補充していきます。勤労者団体の活動に対する党の指導を強化してこそ、党の大衆的基盤をかためて党の隊列をたえず拡大することも、広範な大衆を党のまわりに結集して革命隊列をしっかりととのえることもできるのです。

 こんにち、わが党に提起されている革命課題は、勤労者団体の活動に対する党の指導を強化することをいっそう切実に求めています。わが党には、思想、技術、文化の3大革命を力強く展開し、社会主義の完全な勝利を早めるべき重大かつ栄誉ある課題が提起されています。この課題は、広範な大衆が党の路線と政策を貫くたたかいに積極的に参加するとき、成功裏に遂行されます。そのため、党の革命課題を成功裏に遂行するためには、党の外郭団体である勤労者団体に対する党の指導を強化しなければなりません。

 各級党組織は、現実発展の要請に即応して勤労者団体の活動に対する指導をさらに強化し、勤労者団体がその使命と役割を果たせるようにしなければなりません。

 勤労者団体の活動に対する党の指導を強化するうえで重要なのは、勤労者団体を党の指導にかぎりなく忠実な戦闘的組織にすることです。

 勤労者団体は、党によって組織され、党の指導のもとに活動する大衆的政治組織です。党の指導は、勤労者団体の建設と活動の根本的要求であり、党の指導にかぎりなく忠実であることは、勤労者団体の第一の義務です。勤労者団体が党の指導にかぎりなく忠実な戦闘的組織とならなければ、党のベルト、外郭団体としての本分を果たすことができません。党組織は、勤労者団体を党の指導にかぎりなく忠実な戦闘的組織にすることを、勤労者団体の活動に対する指導の基本的課題とし、これに大きな力をそそがなければなりません。

 勤労者団体を党の指導にかぎりなく忠実な戦闘的組織にするためには、同盟隊列をしっかりかためなければなりません。同盟隊列をしっかりかためることなくしては、勤労者団体が、党を政治的、思想的に擁護し、党の路線と政策を立派に貫徹する戦闘的組織になることはできません。

 同盟隊列をととのえるうえで最も重要なのは、幹部隊列をしっかりかためることです。勤労者団体の幹部は、大衆との活動を直接受け持っているわが党の中核力量であり、党の路線と政策を貫く活動を組織、指導する指揮メンバーです。党は、勤労者団体の幹部をとおして大衆のあいだで党の影響力を強め、中核力量を育成し、党の路線と政策の貫徹を指導します。党組織は、勤労者団体の幹部隊列をしっかりかためてこそ、各階層の広範な大衆を教育改造して党のまわりにかたく結集し、かれらを党の路線と政策の貫徹へ成功裏に組織、動員することができます。

 党組織は、党にかぎりなく忠実で、労働のなかで鍛えられ、大衆の信望があつく実務水準の高い有能な活動家で勤労者団体の幹部隊列をしっかりかためなければなりません。

 勤労者団体の幹部隊列を政治的、実務的に準備された人でしっかりかためると同時に、かれらに対する教育を強化すべきです。勤労者団体の幹部をいかに立派な活動家でかためたとしても、たえず教育しなければ、かれらは現実の発展についていけず立ち後れ、古い思想に毒されて変質するおそれがあります。党組織は、勤労者団体幹部の選抜配置だけでなく、かれらに対する教育にも、常に深い関心を払わなければなりません。

 勤労者団体の幹部を教育する最もよい方法は、個別的な教育です。党組織は、勤労者団体の幹部に対する個別的な教育体系を確立して個別的な対話を定期的におこない、かれらの活動と生活における欠陥をそのつど是正させるべきです。

 勤労者団体の幹部に対する集団的教育も強化すべきです。集団的教育は、活動家に革命闘争と建設事業における理論的・実践的問題を原理的に深く認識させ、かれらを革命的に教育する立派な方法です。党組織は、勤労者団体の幹部に対し、集中学習、講習など、各種の形式と方法で集団的教育を強化し、かれらが革命闘争と建設事業における理論的・実践的問題を原理的に深く把握し、それに即して活動と生活を革命的におこなうようにすべきです。

 批判と自己批判は、幹部を組織的、思想的に鍛える有力な教育方法です。党組織は、勤労者団体の幹部のあいだで批判と自己批判を強め、かれらが思想闘争の溶鉱炉のなかでたえず鍛えられるようにすべきです。

 後続幹部養成事業の強化は、勤労者団体の幹部隊列をしっかりかためる重要な方途の一つです。

 後続幹部の育成は、勤労者団体の前途にかかわる重大な問題です。後続幹部をたくさん育成しなければ、勤労者団体の幹部隊列を生新で有能な活動家でたえず補うことも、勤労者団体を活発に動く戦闘的な組織に強化発展させることもできません。革命と建設における勤労者団体の機能と役割がかつてなく高まり、その活動がたえず深化発展している現状は、勤労者団体の幹部をさらに多く養成することを求めています。

 党組織は、勤労者団体の後続幹部養成体系をたて直し、年若く将来性のある活動家を幹部養成機関に送って、系統的に養成すべきです。勤労者団体組織は、実際の活動をとおしても勤労者団体の幹部をたくさん育てあげるべきです。

 同盟隊列をかためるうえで重要なのは、また、中核隊列をしっかりととのえることです。中核隊列は、勤労者団体が依拠すべき基本的力量です。中核隊列を強化しなければ、同盟隊列を質的にかためることも、勤労者団体組織の戦闘力を高めることもできません。

 党組織は、勤労者団体組織が組織生活と革命課題の遂行で模範的な同盟員をもれなく掌握し、教育活動と実践闘争をとおして中核に育てるようにすべきです。また、中核同盟員があらゆる活動で大衆の模範となり、かれらをとおして1人が10人、10人が100人、100人が1000人を教育する方法で、中核隊列をたえず拡大していくべきです。

 同盟隊列をかためるうえで重要なのは、勤労者団体組織が家族関係や社会・政治生活の経歴の複雑な同盟員との活動を正しくおこなうことです。

 党組織は、勤労者団体組織が家族関係や社会・政治生活の経歴の複雑な同盟員を本人の現在の思想的動向と実践活動を基本にして公正に評価し、かれらにいろいろな仕事を大胆にまかせるようにすべきです。また、複雑な階層の同盟員に対する接触教育と細部教育を積極的に展開し、かれらの悩みごとを、そのつど解決してやり、かれらが党の恩恵をあつく感じ、自信と情熱にあふれ、党に従ってあくまでたたかいぬくようにさせるべきです。

 党の指導のもとに一体となって動く革命的規律を確立するのは、勤労者団体を党の指導にかぎりなく忠実な戦闘的組織にする重要な保障の一つです。党の指導のもとに一体となって動く革命的規律を確立してこそ、勤労者団体組織がすべての活動を党の思想と意図どおりおこない、党の決定、指示を最後まで貫徹することができます。党組織は、勤労者団体組織が同盟活動で提起される原則的な問題を党にもれなく報告し、党の結論に従って処理する厳格な規律をうち立てるようにすべきです。これと同時に、勤労者団体組織が、党から指示されたり手配された問題にたいしてさ細な理由や口実、泣きごとをいわず無条件受け入れ、そのとおり実行するようにさせるべきです。

 勤労者団体の活動に対する党の指導を強化するうえで重要なのはまた、勤労者団体が、本来の任務を正しく遂行するようにさせることです。

 勤労者団体の本来の任務は、広範な大衆を教育改造して党のまわりにかたく結集し、かれらを革命闘争と建設事業に力強くふるいたたせることです。党組織は、勤労者団体組織が本来の任務を正しく遂行するようにさせることを勤労者団体の活動に対する指導で常に基本としていくべきです。

 何よりも、勤労者団体組織は、同盟員に対する思想教育を実質的におこなうべきです。

 勤労者団体は、思想教育団体であり、思想教育活動の強化は勤労者団体組織の最も重要な任務の一つです。勤労者団体組織が、同盟員に対する思想教育を実質的におこなってこそ、革命隊列を政治的・思想的にしっかりうちかため、広範な大衆を社会主義建設へ積極的に立ち上がらせることができます。

 勤労者団体組織は、同盟員に対する思想教育活動を必ず党の思想活動方針に従っておこなうべきです。そうしてこそ、さ細な偏向もおかさず正しく進めることができます。党組織は、勤労者団体組織が各時期の党の思想活動方針に従って、同盟員に対する思想教育活動を実質的におこなうようにさせるべきです。特に、同盟員のあいだで唯一思想教育と忠実性教育を基本にし、革命伝統教育、階級的教育、社会主義的愛国主義教育、共産主義道徳教育を強化して、かれらを熱烈な革命家に育てあげるべきです。

 同盟員に対する思想教育活動において、形式主義を一掃すべきです。同盟員に対する思想教育活動は、相異なる準備程度と特性をもった各階層の大衆を相手におこなうため、千編一律のやり方をしては成果がありません。党組織は、勤労者団体組織が同盟員に対する思想教育活動を相手の準備程度と特性に即応して、各種の形式と方法で趣向をこらしておこなうようにすべきです。同盟員に対する思想教育活動は、回数をみたし、出席を保障したり学習を頭から丸暗記させるふうにせず、提起された問題を原理的によく解説してそれが同盟員の思想的・精神的糧となるようにすべきです。また、同盟員に対する思想教育活動を革命実践と密接に結びつけて有効におこなうようにすべきです。

 勤労者団体組織は、同盟員に対する思想教育活動を実質的におこなうと同時に、同盟組織生活に対する指導を強化しなければなりません。

 同盟組織生活は、同盟員の政治的生命を輝かせていく重要な政治生活です。勤労者団体組織が同盟員の組織生活に対する指導を強めてこそ、かれらを真の革命家に育て、革命課題の遂行へ積極的に立ち上がらせることができます。

 勤労者団体組織が同盟組織生活に対する指導を強化するうえで重要なのは、同盟員の自発的で革命的な組織生活気風を確立することです。

 党組織は、勤労者団体組織が同盟員の組織観念を高め、かれらが常に組織を重んじ、同盟組織生活に自覚をもって誠実に参加するようにすべきです。また、勤労者団体組織が同盟組織生活を正規化し、同盟生活総括を革命課題の遂行と密接に結びつけて、高い政治的・思想的水準でおこなうようにすべきです。

 同盟組織生活に対する指導を強化するためには、初級団体の機能と役割を高めなければなりません。初級団体は、勤労者団体の基礎組織であり、同盟員の組織生活の拠点です。党組織は、初級団体の機能と役割の向上に大きな力を入れて、すべての初級団体が同盟員の組織生活を正しく導き、具体的に掌握、指導していくようにすべきです。

 同盟組織生活に対する指導を強化するためには、同盟組織生活指導体系を確立しなければなりません。党組織は、勤労者団体組織が自己の特性に即して同盟組織生活指導体系をうち立てて同盟員の組織生活状況を日常的に掌握し、組織生活を強化する対策を講じるようにさせなければなりません。

 勤労者団体組織は、同盟員を社会主義建設へ力強く呼び起こすべきです。

 社会主義建設は、国を富強にし、人民に裕福で文化的な生活条件を保障する壮大で誇らしい事業です。社会主義建設を成功裏に進めるためには、広範な大衆を積極的に組織、動員しなければなりません。党組織は、勤労者団体組織が同盟員を社会主義建設に力強く呼び起こすための組織・政治活動を強化するようにしなければなりません。

 同盟員を社会主義建設に奮起させるためには、党政策貫徹のための宣伝・扇動攻勢を強化しなければなりません。

 党政策を貫徹するか否かは、そこに動員される勤労者の思想的な準備程度に大きくかかっています。勤労者が党の意図を正しく把握してその貫徹のため思想的に動員されるなら、不可能なことはありません。党組織は、勤労者団体組織が同盟員に対する党政策の宣伝活動を強化し、かれらが党の意図を正しく知り、党政策の貫徹に積極的にふるいたつようにしなければなりません。それとともに、勤労者団体組織が生産扇動体系を正しく立て、生産現場の状況に応じて、さまざまな形式と方法で生産扇動を力強くくりひろげ、同盟員が生産と建設でたえまない飛躍と革新を起こすようにしなければなりません。

 同盟員を社会主義建設に力強く奮起させるためには、さまざまな大衆運動を着実にくりひろげなければなりません。

 社会主義競争運動は、広範な勤労者を社会主義経済建設に力強くふるいたたせる重要な手段です。勤労者のあいだで社会主義競争運動を着実にくりひろげてこそ、かれらの革命的熱意と創造的積極性を高く発揮させ、生産と建設でたえまない大衆的革新を起こすことができます。

 党組織は、勤労者団体組織が社会主義競争運動を重要な経済問題の解決に力点をおいておこなうようにしなければなりません。また、設備と資材を効果的に利用し、生産を高い水準で正常化し、人民経済計画を超過遂行する社会主義競争を広範に展開するようにしなければなりません。

 集団的な技術革新運動は、人民経済の主体化、現代化、科学化の実現において大きな役割を果たします。党組織は、勤労者団体組織が技術革新の目標と段階を正しく定め、技術革新運動に生産者大衆を広範に参加させ、労働者と科学者、技術者の創造的な協力を強化するようにしなければなりません。勤労者団体組織は、技術革新討論会と経験発表会、品評会、製品展示会などを広範におこない、勤労者を技術革新運動に積極的に奮起させなければなりません。

 模範機械創造運動と3・16模範家庭創造運動、8・3模範家内作業班(廃品利用生産斑)創造運動は、勤労者団体の特性にかなった大衆運動です。党組織は、勤労者団体組織が模範機械創造運動と3・16模範家庭創造運動、8・3模範家内作業班創造運動など、さまざまな大衆運動を力強く展開し、それが立派な実を結ぶようにしなければなりません。

 勤労者団体組織は、電気と石炭、燃料油の節約運動など各種のよいことをする運動をひろく展開して、国の経済管理に利益を与え、社会主義建設に積極的に貢献しなければなりません。

 勤労者団体の活動に対する党の指導を強化するうえで重要なのはまた、勤労者団体の自立性を高めることです。

 勤労者団体の自立性を高めるということは、勤労者団体組織が党の路線と政策を貫徹する活動を自己の実情に即応して創造的に、能動的におこなうことを意味します。勤労者団体は党の指導と統制のもとで活動しますが、自己の独自の組織体系をもって大衆との活動をおこなう政治組織です。勤労者団体に政治組織としての役割を円滑に果たさせるためには、その独自性と自立性を高めなければなりません。

 勤労者団体が自立的に活動できるようにするためには、勤労者団体の幹部に各時期に示される偉大な領袖金日成同志の教えと党の政策をそのつど伝達しなければなりません。勤労者団体のすべての活動は、金日成同志の教えと党の政策に従っておこなわれるので、勤労者団体の幹部が金日成同志の教えと党政策を知ることなしには、創意を発揮して活動できないばかりか、一歩も前進することができません。党組織は、金日成同志の教えと党の政策を伝達する体系を確立し、各時期に示される金日成同志の教えと党の政策を勤労者団体の幹部にそのつど伝達すべきです。

 勤労者団体の自立性を高めるためには、党組織が勤労者団体の幹部に対する観点を正し、かれらに思いきって仕事をまかせ、積極的に援助すべきです。党組織が勤労者団体の幹部に仕事をまかせず、かれらの仕事まで受け持っては、勤労者団体組織が自立的に活動できなくなります。党組織は、党活動家のあいだで勤労者団体の幹部の役割を過小評価し、すべての仕事を受け持つ傾向をなくし、勤労者団体の幹部に思いきって仕事をまかせるべきです。勤労者団体の幹部が同盟規約上の要求と職能に従って、すべての活動を円滑におこなうよう、かれらを積極的に援助すべきです。

 活動条件を十分に保障することは、勤労者団体の自立性を高めるための重要な要求の一つです。党組織は、自分の単位の勤労者団体組織が上級同盟から受けた課題をたしかめ、それを適時に実行できるよう活動条件を十分に保障すべきです。これとともに、勤労者団体組織に統計資料をはじめ、各種の文書を無秩序に要求したり、勤労者団体の幹部を他の仕事にみだりに動員させたりすることのないようにすべきです。党組織は、勤労者団体の幹部の生活にも深い関心を払うべきです。特に、党の責任幹部は、勤労者団体の事務室にしばしば出向いてかれらの活動と生活を調べ、難問をそのつど解決してやらなければなりません。

 勤労者団体の自立性を高めるためにはまた、党組織が勤労者団体に対する指導を組織別の特性にあわせて具体的な方法論をもっておこなわなければなりません。

 勤労者団体組織は、任務と活動対象がそれぞれ異なり、各階層によって構成されており、同盟員の準備程度と生活環境、革命課題も違います。勤労者団体組織のこうした特性を考慮に入れず、一つの処方で指導をおこなうなら、形式主義に陥り、成果を期待することができません。

 党組織は、不必要な格式や枠をなくし、勤労者団体に対する指導を組織別の特性にあわせておこなうべきです。会議や講習なども大衆の心理と準備程度を考慮して、自己の実情にあうように、創意的におこなうべきです。党組織は、勤労者団体の活動に対する指導を、提起された課題を受け売りするやり方ではなく、具体的な方途と妙策を練って着実におこなうべきです。

 勤労者団体の活動に対する党の指導を強化するためには、各級党委員会が勤労者団体との活動を党委員会全体の活動にかえなければなりません。

 党委員会は、当該単位の最高指導機関であり政治的参謀部です。当該単位のすべての活動は、党委員会の指導のもとに計画され、手配され、実行されます。勤労者団体との活動を党委員会全体の活動にかえてこそ、勤労者団体の活動を党の政策的要求に即応しておこない、党の立場で積極的に援助することができます。各級党委員会は、勤労者団体との活動を勤労者団体事業部にのみまかせようとせず、党委員会全体の活動として掌握していかなければなりません。

 勤労者団体との活動を党委員会全体の活動にかえるうえで第一義的に提起される問題は、党委員会が勤労者団体組織に活動の方向と方途を正しく示すことです。

 各時期に示される党の政策に従って勤労者団体組織に活動の方向と方途を示すのは、党委員会の重要な任務の一つです。党委員会が勤労者団体組織に活動の方向と方途を正しく示してこそ、勤労者団体組織が党の意図を正確に知り、大衆との活動を目的指向性をもっておこない、いつも活気にみちた戦闘的な組織として活動することができます。党委員会は、勤労者団体の活動と関連して新しい課題が示されれば、それを適時に集団討議にかけて正しい実行対策を立て、それにもとづいて勤労者団体組織に活動の方向と方途を明確に示すべきです。勤労者団体の責任幹部と日常的に会い、かれらに大衆との活動で提起される党の政策的要求と、党に提起された革命課題の遂行において勤労者団体組織の役割を高める方途について具体的に教えなければなりません。

 勤労者団体との活動を党委員会全体の活動にかえるうえで重要なのはまた、党委員会が勤労者団体組織の活動を日常的に掌握し、統制することです。

 掌握と統制は、党の指導を実現する基本的形式であり、党委員会の重要な機能の一つです。党委員会が、勤労者団体組織の活動を日常的に掌握し統制してこそ、勤労者団体組織の活動状況と大衆の思想的動向を手に取るように知ることができ、あらわれる偏向をそのつど正すことができます。

 党委員会は、掌握・報告体系を確立し、勤労者団体組織の活動を具体的に掌握し、あらわれる偏向をそのつど正し、難問を責任をもって解決しなければなりません。また、党委員会で党政策の実行状況を総括し、手配しなおす方法で勤労者団体との活動をたえず深めていくべきです。

 党委員会のすべての部署に働きかけて勤労者団体の活動を積極的に援助することは、勤労者団体との活動を党委員会全体の活動にかえるうえで重要な意義をもちます。

 党委員会の各部署は互いに活動対象が異なり、それぞれの職能に応じて活動しますが、いずれも党員と勤労者を教育改造して党のまわりに団結させ、かれらを党政策の貫徹へ組織動員する共同の課題を遂行しています。党委員会のすべての部署は、当然、勤労者団体の活動に関心を払い、党委員会はすべての部署に働きかけて勤労者団体の活動を積極的に援助すべきです。党委員会がすべての部署に働きかけて勤労者団体の活動を積極的に援助してこそ、勤労者団体の活動に対する指導をダイナミックに進め、活動上の難問も円滑に解決することができます。各級党委員会は、党活動家のあいだで勤労者団体との活動は勤労者団体事業部の仕事だといってこれに関心を払わなかったり、活動上の範囲ばかり問題にして縄張り主義に走る傾向をなくし、すべての部署の活動家が勤労者団体の活動に深い関心を払うようにしなければなりません。

 各級党委員会は、すべての部署が下部の単位に対する指導の過程で勤労者団体の活動と関連して提起される問題を党委員会に報告したり、勤労者団体事業部に知らせたりしてそのつど必要な対策を講じるようにしなければなりません。勤労者団体の活動と関連して党委員会全体で解決しなければならない問題が提起される場合は、すべての部署が共同で計画を立て、力を合わせて解決する気風を確立すべきです。

 勤労者団体との活動を党委員会全体の活動にかえるためには、党の責任幹部の責任感と役割を高めなければ去りません。

 党の責任幹部は、党委員会の活動を組織、指導する指揮官です。かれらの責任感と役割を高めなくては、勤労者団体との活動を党委員会全体の活動にかえることができません。党の責任幹部は、勤労者団体との活動を当該部署や下部の活動家にのみまかせようとせず、この活動を直接、掌握し、計画を立て、難問を責任をもって解決してやらなければなりません。また、勤労者団体の活動に対する指導において、党委員会の各部署が共同歩調をとり、すべての部署の力量を動員して提起された課題をせん滅戦の方法でやってのける活動を正しく組織し、その実行状況について、そのつど掌握しなければなりません。

 勤労者団体の活動に対する党の指導を強化するためには、勤労者団体事業部の役割を高めなければなりません。

 各級党委員会の勤労者団体事業部は、勤労者団体との活動を直接担当している党委員会の主管部署です。党組織が勤労者団体の活動に対する指導を正しくできるか否かは、勤労者団体事業部の役割にかかっています。

 各級党委員会の勤労者団体事業部は、新しい課題が提起されれば、それを実行する対策案を勤労者団体組織の特性にあわせて立派に設計して党委員会に提出し、党委員会で討議、決定された問題を実行する組織・政治活動を力強く展開すべきです。党政策の貫徹において、他の部署との共同作戦も力強く展開すべきです。大衆との活動で提起される問題は、関係部署と緊密に協議して解決し、勤労者団体の活動と関連した党政策の貫徹で他の部署と協力して解決すべき問題が提起される場合は、主動的に当該部署と共同作戦を展開しなければなりません。

 勤労者団体事業部がその任務を正しく遂行するためには、部署の活動家の政治・実務水準を高め、活動方法と作風をたえず改善しなければなりません。

 勤労者団体事業部の活動家は、各階層の大衆を結集している勤労者団体組織を活動対象としているため、誰よりも政治・実務水準が高く、活動方法と作風が老練でなければなりません。勤労者団体事業部の活動家の政治・実務水準が低く、活動方法と作風が老練でなければ、大衆のあいだで党の権威をそこない、党と大衆を離脱させる重大な結果をまねきかねません。勤労者団体事業部の活動家は、各自の位置と任務の重要さをはっきり知り、政治・実務水準を高め、活動方法と作風を改善するため積極的に努力しなければなりません。

 何よりも、政治・実務水準の向上に力を入れるべきです。勤労者団体事業部の活動家は、政治・実務水準を高めてこそ、するどい政策的眼識と洗練された組織的手腕をもって勤労者団体組織に対する指導を正しくおこなうことができます。勤労者団体事業部の活動家は、偉大な領袖金日成同志の著作と党の文献を系統的に学習して党活動理論と党活動方法、わが党の伝統的な大衆活動方法を深く体得しなければなりません。これと同時に、経済理論と科学技術の学習を強化し、文化的素養も高めて多方面にわたる知識と才能を身につけた活動家になるべきです。

 勤労者団体事業部の活動家は、革命的活動方法と人民的活動作風を身につけるため積極的に努力すべきです。

 勤労者団体活動家との活動、大衆との活動は、その内容からしても、対象の範囲と構成からしても、非常にむずかしく複雑な活動です。勤労者団体事業部の活動家は、革命的活動方法と人民的活動作風を身につけなければ、勤労者団体活動家との活動、大衆との活動を対象の特性と準備程度に応じて正しくおこなうことができません。勤労者団体事業部の活動家は、偉大な領袖金日成同志が示したわが党の大衆指導理論でしっかり武装し、金日成的活動方法を立派に具現して、勤労者団体活動家との活動、大衆との活動をいっそう上手におこなうべきです。

 大衆のなかに深くはいり、すべての活動を覇気にあふれて展開するのは、金日成的活動方法の重要な要求です。勤労者団体事業部の活動家は、事務室での会議や文書づくりをもって活動にかえる古い活動方法をすて、勤労者団体の幹部と大衆のなかにはいり、かれらとともに生活しながら党政策を解説宣伝し、その実行状況も調べ、率先垂範して下部の活動家を教え、援助する革命的気風を確立すべきです。また、老化現象をなくし、すべての活動を旺盛な闘志と青春の気迫をもって創意的に、戦闘的におこなうべきです。

 母らしい品性と謙虚さ、素朴さは、党活動家が身につけるべき重要な品性です。勤労者団体事業部の活動家は、人をこせこせと偏狭にではなく、党の原則を守りながらもおおらかで寛容に接するべきです。大衆のなかにはいってもったいぶったり高慢にふるまったりすることなく、謙虚で気取らず、礼儀正しく行動すべきです。また、特典と特恵、無料を望まず、経済・道徳生活を清廉潔白にしなければなりません。

 わたしは、党勤労者団体事業部の活動家が、党と領袖への高い忠誠心をもち、現実発展の要請に即応して勤労者団体の活動に対する指導をいっそう強化して、広範な大衆を党のまわりにしっかり結集させ、党政策の貫徹へと呼び起こす活動に新たな転換をもたらすものと確信します。

出典:冊子「党の指導的役割を高めるために」 1992 外国文出版社 平壌


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