金 正 日

国土管理事業を改善するために
全国国土管理部門活動家大会参加者への書簡 
−1984年11月19日− 

 このたび、共和国が創建されて以来はじめての全国国土管理部門活動家大会が開かれました。大会では、これまで国土管理事業でおさめた誇らしい成果と経験を総括し、党の国土管理政策を貫徹する対策を討議しました。全国国土管理部門活動家大会は、革命発展の要請に即応して国土管理事業を改善し、社会主義建設を促進するうえできわめて重要な意義をもっています。

 解放直後、偉大な領袖金日成同志がみずから普通江改修工事場に出むき、くわ入れをおこなったときからはじまったわが国の国土管理事業は、内外の階級敵との血みどろの闘争と深刻な社会的変革をともなう困難かつ複雑な闘争の過程でたえず強化発展してきました。

 わが党の正しい政策と賢明な指導のもとに、かつて日本帝国主義の植民地的略奪とアメリカ帝国主義の引き起こした戦争によってことごとく荒廃し、ひどく破壊されたわが国は、短期間に旧社会ときびしい戦争の痕跡を一掃し、都市と農村、平坦部と山間部をとわず、その面目を一新しました。全国いたるところで自然改造事業が活発に進められて数多くの万年大計の創造物がうち立てられ、耕地と山林、有益な動植物と水産資源が増え、河川と道路、沿岸が整然と美しくととのえられ、わが国は文字どおり住みよい人民の楽園にかわりました。これまで国土管理事業にもたらされた世紀的な変革は、わが党の独創的な国土管理政策の正しさと不抜の生命力をみごとに実証しています。

 わが党と人民が国土管理事業でおさめた誇らしい成果には、国の繁栄と子孫万代の幸福のため、献身的にたたかった国土管理部門の党員と勤労者のかくれた努力がこもっています。

 わたしは、これまで国土管理部門でおさめた成果を高く評価し、党と革命にたいする高い忠実性と祖国と人民にたいする献身的な奉仕精神をもって国土管理事業にすべてをささげてきた大会参加者と全国の国土管理部門活動家に、党中央委員会の名であつい感謝を送ります。

 こんにち国土管理部門には、全社会をチュチェ思想化する歴史的偉業の要求に即応して国土管理事業をさらに改善すべき重大かつ栄えある課題が提起されています。

 国土管理は、国家主権が行使される全領土にたいする管理事業です。言いかえれば、国土管理は、国の経済発展の物質的基礎である土地と資源にたいする保護・管理事業であり、人間の周囲をとりまいている自然と生活環境にたいする保護・管理事業であります。

 国土管理事業は、国土の面貌をチュチェ思想の要求どおりにかえる自然改造事業です。国土管理事業は、人民により自主的で創造的な生活条件を保障するための崇高な事業です。人びとを自然の束縛から解放し、かれらに自主的で創造的な生活条件を保障するためには、自然を征服して豊かな物質的富をつくりだすとともに、美しく文化的な生活環境をつくりあげなければなりません。国土管理事業は、まさに、国土と資源、自然環境を人民の志向と要求にそって積極的に保護し、合理的に開発利用できるようにすることによって、かれらにより自主的で創造的な生活条件をもたらします。

 国土管理事業は、祖国のかぎりない繁栄と子孫万代の幸福のためのはりあいのある事業です。我々は自分自身のみでなく、次代のためにたたかう共産主義者であるため、次代に美しい国土と豊かな資源を譲り渡さなければなりません。国土管理事業は、国の物質的財貨を増やし、祖国の大地を美しく住みよい人民の楽園につくりかえることによって、次代に万年大計の創造物と幸福な生活条件を保障できるようにします。

 国土管理事業は、社会主義・共産主義建設において恒久的にとらえていくべき重要な事業です。我々はこれまで困難な闘争をつうじて国土管理事業に大きな変革をもたらしましたが、それは、いま第一歩を踏みだしたにすぎません。我々はまだ分断された祖国を統一していないため、国土管理事業を全国的範囲でおこなっていません。我々は祖国が統一されたのち、国土の半分である南半部も共和国北半部のように美しく住みよい人民の楽園にかえなければなりません。国土管理事業は、自然改造事業であるため、社会主義・共産主義建設の全期間にわたってつづけなければなりません。

 国土管理事業を立派におこなうことは、社会主義国家の重要な任務の一つです。国土は、国家政権を樹立するための物質的基礎であり、国家主権が行使される領域であります。国の自主権は、国土を単位にして行使され、国土によって確固と保障されます。社会主義国家がその自主権を守り行使するためには、国土管理事業を立派におこなわなければなりません。また、社会主義社会では国のすべての財貨が、人民の所有、国家的所有となっているので、国家が責任をもって国土管理にあたらなければなりません。社会主義国家は、国土管理事業を自己の重要な任務としてとらえ、それに大きな力をそそがなければなりません。

 国土管理事業を改善することは、現段階におけるわが国革命発展のさし迫った要求です。こんにち朝鮮革命は、全社会をチュチェ思想化するという目標をかかげ、社会主義の完全な勝利をめざしてたたかうきわめて高い段階にいたっています。完全に勝利した社会主義社会は、それにふさわしく国土の面貌をととのえることを求めます。ところが現在、国土管理事業は、急速に発展する現実の要求に後れをとっています。経済建設をおし進めて1980年代の社会主義経済建設の10大展望目標を成功裏に達成し、社会主義の完全な勝利を早めるためには、国土管理事業を決定的に改善しなければなりません。

 国土管理部門の活動家は、国土管理事業の重要性を正しく認識し、党の国土管理政策を貫徹して国土管理事業に新たな転換をもたらさなければなりません。

 何よりもまず、国土建設総計画を綿密に立て、それにもとづいて国土建設を計画的に進めなければなりません。

 国土建設総計画は、人民経済の発展と人民の福祉増進にふさわしく、国土と資源を合理的に開発利用し、国土を美しくととのえるための国土建設の統一的かつ総合的な展望計画です。国土建設総計画を正しく立ててこそ、国の経済発展と人民の生活上の要求に即応して国土と資源を合理的に開発利用するとともに、労働力と資材、資金の浪費をなくし、国の経済管理を立派におこなうことができます。国土建設総計画を正しく立てなければ、鉄鉱石が埋蔵されているところに建物を立て、貯水池の敷地に鉄道や道路を建設するなどして、国家に莫大な損失を与えるようになります。

 国土建設を統一的な見通しのもとに進めるためには、必ず国土建設総計画を正しく立てなければなりません。

 国土建設総計画には、土地と山林、河川と沿岸、領海の利用、鉄道と道路の建設、都市と村落、工場、企業所の配置、資源開発にかんする総体的な方向を正しく規定してもりこまなければなりません。

 国土建設総計画は、耕地をおかすことなく、都市の規模をあまり大きくせず、地域別の気候風土の特性と発展展望、国防上の要求を考慮し、公害を予防する対策を講じる原則で立てなければなりません。

 国土建設総計画は、全国的な国土建設総計画と地域別の国土建設総計画とに分けて立て、地域別の国土建設総計画は必ず全国的な国土建設総計画にもとづきながらも、地方の特性と現実的条件に応じて合理的に立てるべきです。

 国土建設総計画を正しく立てるためには、国土と資源の実態を総合的に調査、研究する活動に力を入れなければなりません。

 国土と資源の実態を総合的に調査、研究することは、国土建設総計画を正しく立てる第一工程となります。国土と資源の実態を総合的に調査、研究する活動を綿密におこなってこそ、わが国の実情にかなった主体的で現実的な国土建設総計画を立てることができ、それが社会主義経済建設をおし進め、見通しのある国の経済運営の推進に積極的に寄与するようになります。

 国土管理部門では、地方国土計画機関が国土と資源の実態を総合的に調査し、その変動状況を定期的に中央に報告する体系を確立し、調査、掌握した資料を科学的に研究、分析し、党および国家的な立場で国土建設の総体的方向を正しく定めなければなりません。

 計画作成の一元化は、国土建設総計画を正しく立てるための重要な方途の一つです。計画作成を一元化してこそ、計画作成において党の政策的要求と地方の創意、国家の中央集権的規律と民主主義を正しく結合するとともに、主観主義と地方本位主義をなくして科学的で動員力のある計画を立てることができます。

 国土管理部門では、国土建設総計画の作成において一元化の原則を厳守すべきです。

 国土建設総計画の作成を一元化するためには、中央国土計画機関が国家的な発展方向を地方国土計画機関に下達し、地方国土計画機関が地域別国土建設総計画を国家的要求と地元の具体的実情に即して合理的に立てるようにしなければなりません。地方国土計画機関は、自己本位主義をなくし、地方の潜在力と可能性を最大限に動員する原則で見積もられた地域別国土建設総計画の指標を中央国土計画機関に提出すべきです。人民経済各部門で、それぞれの建設展望計画を立てるさい、計画作成と関連した資料を当該の国土計画機関に提供し、国土計画機関と合議する体系を確立すべきです。

 国土建設総計画を正しく作成するためには、また、計画作成にあたって個々の幹部の主観と独断を排し、集団の知恵を最大限に引き出さなければなりません。国土建設総計画を正しく作成するとともに、それにもとづいてすべての建設を進める厳格な規律を確立すべきです。

 国土建設総計画を作成するのは、それ自体に目的があるのではなく、それを確実に実行しようとするところに目的があります。もし、人民経済各部門が、建設を国土建設総計画によってではなく自分勝手に進めるなら、展望的な国土建設を進めることができず、国土建設総計画を作成する必要がありません。国土建設総計画は、国家の法であるので、誰にも違反する権利がありません。国土管理部門は、国土建設総計画の作成にとどまらず、すべての建設が国土建設総計画にもとづいて進められるよう、厳格な規律を確立すべきです。工場、企業所、協同団体から建設許可の申請と関連する問題が提起されれば、それが国土建設総計画にあうかどうかを具体的に検討して合意、承認するシステムを確立すべきです。工場と住宅街の建設と関連する技術上の課題についても、それが国土建設総計画にもとづいて、公害を防止し、環境保護施設の建設を優先させる原則でなされているかどうかを検討したうえで合意しなければなりません。

 次に、土地管理を正しくおこなわなければなりません。

 土地は、重要な生産手段であり、経済発展と人民生活の大きな元手です。土地管理を正しくおこなってこそ、農業生産を増大させ、人民生活をたえず向上させることができます。土地は、我々の世代にかぎらず、子孫万代の繁栄をもたらす大切な財貨です。土地管理で重要なのは、土地の保護を立派におこなうことです。土地を立派に保護してこそ、土地を失うことなく、代をついで効果的に利用することができます。段々畑をたくさん建設し、必要な個所に堤防と石をつみ、田畑のへりに柳を植え、防風林を造成し、水路もきれいに整理して、ひとうねの土地でもだめにしたり、流失したりすることのないようにすべきです。

 土地管理で重要なのは、また、土地改良を大々的におこなうことです。そうしてこそ、すべての田畑を肥沃な土地にかえ、農業生産を絶え間なく増大させることができます。筆地別の土壌の成分と土地の来歴にもとづいて土入れをおこない、消石灰なども散布して、系統的に土地を改良すべきです。やせ地には、つみごえをたくさんほどこし、緑肥作物を栽培して地力を高めなければなりません。

 耕地をたえず増やすことは、土地管理における重要な課題の一つです。ヘクタール当たりの穀物収量が高い水準に達しているわが国の状況で穀物増産の潜在力は耕地面積を拡張することにあります。全党、全国、全人民を総動員して海面干拓と新しい土地開墾運動を力強くくりひろげ、第6回党大会が示した30万ヘクタールの海面干拓と20万ヘクタールの新しい土地を開拓しなければなりません。耕地整理を大々的におこない、無用なあぜや畑のくろ、くぼ地や石ずかをなくし、耕地面積を拡張すべきです。

 土地の利用秩序を確立することは、土地を立派に保護管理し、効果的に利用するための重要な要求です。土地の利用秩序を確立してこそ、土地を台無しにしたり、乱用したりする傾向をなくし、国の経済管理を几帳面におこなうことができます。土地の利用秩序を確立して、土地を遊ばせたり、乱用したりするささいな傾向もあらわれないようにすべきです。すべての耕地は、必ず登録して利用し、新しく手に入れた土地も登録して利用しなければなりません。耕地を建設敷地にしようとする場合は、許可をうけて利用し、建設敷地として許可された土地であっても、その利用目的がかわったときには許可を受け直すようにすべきです。また、耕地の地味がうすいからといってそれを勝手にすてたり、休耕させる傾向があらわれないようにすることです。

 次に、山林の造成と保護管理に力を入れなければなりません。

 山林は、国の大切な資源であり、土地保護の重要な手段です。山林を立派に造成して保護管理すれば、森林資源をたえず増やして経済の発展と、人民生活の向上をはかることができ、土地を保護し国土を美しくすることができます。山の多いわが国において、山林の造成と保護管理に力を入れることは、特に重要な問題として提起されます。

 何よりも、造林事業に深い関心を払い、用材林、経済林、保護林、風致林など、すべての山林を将来を見通して立派に造成しなければなりません。

 山林を立派に造成するためには、造林計画を立て、それにもとづいて造林事業をおこなわなければなりません。国土建設総計画の要求に従って、山林経営の目的と樹種にともなう造林の展望計画と現行計画を正しく立て、それにもとづいて山林を造成しなければなりません。

 苗木の生産を優先させるのは、将来を見通して造林をおこなうための重要な要求です。採種体系と育種体系を正しく立て、林間苗木生育法と先進的な苗木生育技術を積極的に導入して苗木の生産をたえず増大させ、自生の苗木も大いに利用すべきです。

 造林事業において適地適樹の原則をしっかり守ることが大切です。樹木がよく生育するには、樹木の生物学的特性にあう気候と土壌が保障されなければなりません。造林事業を、当該地域の気候と土壌を具体的に調査分析し、それにもとづいて地帯別、筆地別の特質と樹木の生物学的特性に即しておこなわなければなりません。

 植樹を大衆的運動として力強くおこなうことは、造林事業でわが党の堅持している一貫した方針です。植樹は広い地域で短期間に集中的におこなわなければならないので、山林部門の力だけでは不可能です。山林をたくさん造成するためには、全人民が動員されなければなりません。機関、企業所と協同団体に造林区域を分担し、責任をもって植樹をおこなうようにすべきです。特に、社労青組織と学校では、社労青林、少年団林を造成する運動を積極的にくりひろげて、より多くの樹木を植えるべきです。また、植樹デーと植樹月間に仕事の手配を綿密におこなって広範な大衆が植樹に積極的に参加するようにさせるべきです。こうして、ここ数年のあいだに200万ヘクタールの山林を造成すべきです。

 植樹を大々的におこなうとともに、その管理を入念にしなければなりません。樹木をたくさん植えても、管理をおこたって枯れ死にさせては何の役にもたちません。植えた樹木の管理に力を入れ、決定的に活着率を高め、樹木のあいだに山豆をたくさん植えて雑草をなくし、樹木がよく生育するようにしなければなりません。

 山林を立派に保護するのは、造林事業に劣らず重要なことです。山林保護に深い注意を払い、一株の樹木でも被害をこうむらないようにすべきです。

 山林を立派に保護するためには、徹底した山火事防止対策を講じなければなりません。一度山火事が起きると、数十年ものあいだ育てた貴重な森林資源を一瞬にして無にしてしまいます。入山時と協同農場で畑のくろに野火を放つときには、定められた秩序をしっかり守らせるべきです。整然とした山火事監視体系を立てて山火事をよく監視し、防火線を設けて延焼をくいとめるようにすべきです。

 山林を立派に保護するためには、許可なしに伐採したり、畑を起こしたりすることがないようにしなければなりません。機関、企業所と協同団体が伐採したり畑を起こす場合は、当該機関の許可をうけるようにしなければなりません。

 山林保護でまた重要なのは、害虫とのたたかいを強化することです。検疫体系を確立して害虫が山林にひろがらないようにし、監視を強化して害虫をそのつど発見し、徹底的に駆除しなければなりません。

 山林の造成、保護とともに、森林資源の総合的な利用対策を立てなければなりません。木材資源の実態と展望を十分に検討し、それを計画的に利用するとともに、チョウセンゴヨウマツ、ヒメグルミ、ドングリと薬草など油脂原料、飼料原料、製薬原料も効果的に利用すべきです。山林を利用して有益な動物を大々的に繁殖させて、山にシカ、ノロ、キジ、キタタキなどが群がるようにすべきです。森林資源を総合的に利用するためには、その利用秩序を確立しなければなりません。国土管理部門では、木材資源だけでなく、すべての森林資源を調査掌握し、その利用状況と変動状況を定期的に登録し、森林資源の利用を統一的に組織、統制しなければなりません。

 次に、道路建設とその管理に力を入れなければなりません。

 道路は、国の経済発展と人民の生活上の便宜をはかるうえで重要な位置をしめています。道路を立派に建設し整備してこそ、増大する輸送需要を円滑に保障して経済建設を促進し、人民の生活上の便宜をより立派にはかることができます。道路は、国の顔であり、文化の発展水準を示す重要な基準の一つです。道路のぐあいによってその国の発展程度があらわれ、文化水準が評価されます。

 道路を大々的に建設し、道路網を合理的に形成しなければなりません。

 国の経済発展と人民の生活上の要求に応じて高速道路を計画的により多く建設し、必要な産業用道路、農道、林道も建設して、国の全般的な道路網を完成すべきです。

 道路の技術状態をたえず改善することに深い関心を払うべきです。道路の技術状態をたえず改善してこそ、自動車輸送能力を高め、交通の安全性と迅速さを保障することができます。道路の技術改造を力強く進めて、幅員の狭いところは広げ、曲線部は直線にし、急勾配部はなだらかにして、すべての道路が完成した面貌をそなえるようにすべきです。また、道路を立派に舗装し、重量車の走行ができるよう橋梁を改築しなければなりません。さしあたり新安州──新義州間、元山──金剛山間の道路をはじめ、主要幹線道路と自動車の走行が頻繁な道路をすべて舗装すべきです。

 道路の技術状態の改善を成功裏に進めるためには、道路建設部門に道路舗装用機械をはじめ、近代的な道路建設設備を供給する国家的な対策を講じなければなりません。

 道路の補修・整備を定期的におこなうべきです。道路を建設するだけで、定期的に補修・整備しなければ、道路の堅固性と文化性を保つことができません。機関、企業所、協同農場に道路補修区間を分担して日常的に道路を管理させ、春と秋の道路整備期間には人手と運輸手段を集中的に動員して砂利、砂を運搬して道路に敷くようにさせるべきです。路面と側溝を技術規定の要求どおりによく整備管理し、道路の両側に果樹や有用できれいな丈の低い樹木を植え、芝生も植えるべきです。

 河川管理を立派におこなうことは、国土管理を改善するための重要な課題の一つです。河川管理を立派におこなってこそ、水害を防ぎ、土地と都市、村落、工場など国家の貴重な財貨を守ることができます。特に、異常気象のため集中豪雨がたびたび襲う状況のもとで、河川管理に力を入れることはきわめて重要です。

 国土管理部門では、河川管理を立派におこない、いかに大雨が降っても氾濫しないようにすべきです。

 河川管理で第一義的な問題は、河川整理を立派におこなうことです。川床さらい、水路の矯正、堤防構築、カワヤナギの植樹、石築と芝生の植えつけなどを広くおこなって、すべての河川を立派に整理すべきです。特に、南浦閘門(現在の西海閘門)の建設にともなって大同江と載寧江を十分に整理し、周辺の田畑が冠水することのないようにすべきです。中小河川の整理を計画的におこなう事業体系と国家的保障対策も十分に立てるべきです。

 砂防渓流工事も広くおこなうべきです。川床がだんだん高くなって氾濫するのは、土砂崩れが起こり、土や砂が水に流されてくるからです。水害を防ぐためには、砂防渓流工事を十分におこなわなければなりません。河川の上流と急斜面の川岸に土砂崩れをくいとめるための階段をつくり、擁壁を築き、植樹などもおこなって、土砂が押し流されてこないようにすべきです。

 河川にダムや閘門をはじめ、各種の構造物を建設して立派に管理すべきです。こうすれば、水害を防止できるだけでなく、国土の風致もいっそう美しくすることができます。河川の水を効果的に治め、利用するための大小のダムと閘門など各種の構造物をさらに多く建設すべきです。さしあたり、大同江の各閘門建設に力を集中してすみやかに完成すべきです。

 沿岸、領海の管理に力を入れなければなりません。

 わが国の沿岸と領海には、水産資源と地下資源など各種の資源が豊富にあります。沿岸、領海の資源を立派に管理し、合理的に開発利用するだけでも、国の経済をすみやかに発展させ、人民生活をいちだんと向上させることができます。沿岸、領海の管理に力を入れ、祖国の沿岸をいっそう美しくきれいにととのえ、海には魚が群がるようにすべきです。

 まず、海岸を立派にととのえるべきです。海岸は、工場と都市の汚水や津波による被害の防止、海岸資源の開発利用、国防などにより有利にととのえるべきです。海岸防潮堤をはじめ、各種の保護施設を万年大計のものとして建設し、将来を見通して海岸に防風林を造成しなければなりません。

 海岸をしっかりととのえるとともに、水産資源と海底資源を立派に保護管理すべきです。国家的に特別に保護することになっている魚族と定着魚、幼魚の保護対策を立て、禁じられている漁具や爆薬などを利用して漁獲することのないようにすべきです。

 将来を見通して海底資源を開発利用する対策も立てる必要があります。国土管理事業を改善するためには、それにたいする監督、統制を強めなければなりません。

 社会主義社会ではまだ、人びとの頭のなかに古い思想の残りかすがくすぶっており、すべての人が国土と資源を自分のもののように愛護する共産主義的人間に改造されていない状況のもとで、思想教育一本やりでは国土管理事業を立派におこなうことができません。国土管理事業を立派におこなうためには、勤労者のあいだで思想教育とともに監督、統制を強化しなければなりません。そうしてこそ、国土管理であらわれうる偏向を未然に防ぎ、違法行為をそのつど摘発して対策を講じることができます。

 国土管理の監督、統制を強化するためには、この部門の法規範と規定を検討し、改善、完成しなければなりません。

 国土管理の法規範と規定は、国土管理にたいする監督、統制の基本的手段です。国土管理の法規範と規定を、発展する現実の要求に即応して改善、完成しなくては、監督、統制の正しい基準を設けることができず、国土管理で厳格な規律と秩序を確立することもできません。国土管理の法規範と規定を全般的に再検討し、廃止すべきものは廃止し、改定すべきものは改定し、新しくつくるべきものは新規に作成して、それをさらに完成すべきです。

 国土管理にたいする監督、統制はいろいろな形式と方法でおこなわなければなりません。検閲・取締り機関の役割を高めて、国土管理の法規範と規定の遵守、実行状況を定期的に検閲し取締り、許可、登録、決裁制度を強化して、違法行為を未然に防ぐべきです。国土管理の法規範と規定にそむく行為にたいしてはきびしく統制すべきです。

 国土管理部門の科学技術を発展させることは、国土管理事業の改善をはかる重要な方途の一つです。科学技術を発展させずには、人民経済の主体化、現代化、科学化の要求に即応して国土管理事業をたえず改善することができません。国土管理部門の活動家は、国土管理事業の改善における科学技術発展の意義を正しく認識し、それに大きな力を入れなければなりません。

 国土・資源管理にたいする科学研究活動を強化すべきです。

 国土・資源管理にたいする科学研究活動において山林科学の研究を強化することが重要です。山林科学研究機関では、樹木の育種と山林の造成および保護管理で提起される科学技術上の問題を深く研究すべきです。コンピューターと航空および宇宙写真技術など最新科学技術の成果を森林資源の調査・設計と山林経営に導入するための研究にも力を入れなければなりません。こうして、山林科学と山林経営技術を短期間内に世界的水準に引き上げるべきです。

 道路、橋梁、河川の建設についての研究も強化しなければなりません。道路、橋梁、河川の建設は、子孫万代の繁栄をもたらす事業なので、遠い将来にも遜色がないように科学技術的に立派に建設しなければなりません。道路、橋梁、河川の建設にたいする研究部門では、わが国の自然地理的条件と人民の生活感情にふさわしい施工形式と方法、建材の研究に力を入れるべきです。

 大気と水などの環境を保護するための研究活動も強化すべきです。この研究に力を入れてこそ、人民の健康を守り、かれらにより衛生的、文化的な生活条件をもたらすことができます。主要都市と産業地区で大気と水を汚染する物質を取り除き、尾鉱と汚染した水を処理する科学技術上の対策をしっかり立てるべきです。

 科学研究活動に力を入れるとともに、集団的技術革新運動を力強くくりひろげなければなりません。国土管理部門では、部門別の特性に即して技術革新の目標と段階を正しく定め、技術革新運動に科学者、技術者と労働者を積極的に参加させ、技術伝習会、技術革新討論会、経験発表会などをたびたび催し、かれらのあいだからすぐれた経験や創意考案、発明が多く出るようにすべきです。

 設計を綿密におこなうことは、国土管理事業を改善するための重要な要求です。国土管理部門では、設計に力を入れ、それを抜本的に改善しなければなりません。設計を一元化、専門化し、設計士の資質を向上させ、すすんだ設計方法を積極的に導入して、設計の科学性と現実性を確実に保障すべきです。

 国土管理事業を改善するためには、また、この部門の企業管理運営を正しくおこなわなければなりません。

 国土管理事業は、莫大な設備と資材、資金、労働力を必要とし、自然の影響を多くうける困難かつ複雑な事業です。国土管理部門の企業管理運営を着実におこなわなくては経営活動を合理化することができず、党の国土管理政策を正しく貫くことができません。

 企業管理運営の改善で重要なのは、テアン(大安)の事業体系の要求どおり経済組織を綿密におこなうことです。国土管理部門では、計画の作成を正しくし、技術指導を強めて社会主義的経済法則と経済技術的要求に即応して経済指導と企業管理をおこなわなければなりません。また、設備、資材、財政、労働力の管理を正しくおこなって設備利用率を最大限に高め、原料と資材、資金の浪費をなくし、労働力を効果的に利用すべきです。

 国土管理部門で独立採算制を正しく実施することは、企業管理運営の改善で提起される重要な問題の一つです。独立採算制は、社会主義社会の過渡的性格と特性にかなったすぐれた経済管理方法です。独立採算制を正しく実施してこそ、国家の利益と生産者大衆の利益を正しく結びつけ、勤労者の革命的熱意と創造的積極性を最大限に発揮させ、経済管理を合理化することができます。

 独立採算制を正しく実施するためには、その規定と細則を立派に作成しなければなりません。部門別の特性にかなった規定と細則もなしに独立採算制をむやみに実施するなら、勤労者の生産的熱意を低下させ、経済管理においてさまざまな偏向をまねくようになります。国土管理部門では、現在の独立採算制の規定と細則を全般的に再検討し、改めるべきものは改め、新規に作成すべきものは作成すべきです。

 国土管理事業を改善するためには、政権機関の役割をさらに高めなければなりません。

 国土管理は、政権機関に提起されている重要な課題の一つです。政権機関は、当該地域内のすべての経済管理に責任を負う主人として、国土管理事業を統一的に掌握し、人民委員会全体の活動としておし進めるべきです。

 国土管理事業を大衆的運動としてくりひろげるべきです。国土管理事業は、対象と規模が膨大で時機性と長期性を要する事業なので、広範な大衆を動員することなしには円滑に進めることができません。各級政権機関は、住民のあいだで国土管理事業の重要性と意義を深く認識させ、かれらがこの事業に自発的に参加するようにさせるべきです。機関、企業所をはじめ、すべての単位に国土と資源管理の社会的分担をおこない、責任をもってその管理にあたるようにさせるべきです。

 法的統制を強化することは、政権機関の重要な機能の一つです。

 政権機関は、住民のあいだで国土管理の法規範と規定を広く解説宣伝し、かれらを遵法意識で武装させ、社会主義遵法生活指導委員会の役割を高め、違法行為にたいする法的統制を強めなければなりません。

 政権機関は、国土管理機関に必要な条件も十分に保障しなければなりません。国土管理部門の労働力の実態を具体的に調べ、不足する労働力を適時に補充し、労働者の生活にも大きな関心を払うべきです。

 国土管理事業にたいする党の指導を強化しなければなりません。

 党の指導を強化することは、国土管理事業を改善するための基本的な裏付けです。党の指導を正しくおこなってこそ、国土管理事業を党の方針と意図どおりに進め、それを発展する現実の要請に即応してたえず改善することができます。

 国土管理事業にたいする党の指導で重要なのは、国土管理部門の陣容をしっかりかためることです。この部門の活動家は、国土と資源を保護管理する重責を担っているだけに、他の人よりも党に忠実で愛国心が強く、党的原則に徹していなくてはなりません。党組織は、党の唯一思想体系が確立し、党と革命にかぎりなく忠実で、党的原則に徹しており、技術的、実務的に有能な人で国土管理部門の陣容をかためるべきです。

 国土管理事業にたいする党の指導で重要なのは、また、党員と勤労者にたいする思想教育を強化することです。党組織は、国土管理部門の党員と勤労者のあいだで忠実性をつちかう教育、社会主義的愛国主義教育、かくれた英雄の模範と映画の主人公に見習う教育を実質的におこない、かれらが党と領袖へのかぎりない忠誠心と、祖国と人民にたいする献身的な奉仕精神、自力更生、刻苦奮闘の革命精神をもって、各自の仕事を責任をもっておこなうようにさせるべきです。

 党政策実行のための掌握統制を強化することは、党の指導で提起される重要な課題の一つです。党組織は、党の国土管理政策の実行状況を日ごろから検分掌握してあらわれた偏向を正し、問題点をそのつど解決して、それがあくまで実行されるようにすべきです。

 こんにち、国土管理部門の活動家にたいする党の期待は大なるものがあります。党は、国土と資源の管理を国土管理部門の活動家にまかせ、かれらをとおして国土管理事業にたいする指導をおこなっています。国土管理事業の成否は、この部門の活動家の仕事ぶりに大きくかかっています。

 わたしは、国土管理部門のすべての党員と勤労者が、党への高い忠誠心をいだき、党の国土管理政策をあくまで貫くことによって、国土管理事業に新たな転換をもたらすものと確信します。

出典:朝鮮民主主義人民共和国サイト「朝鮮の出版物」


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