金 正 日

中央機関の党組織の役割をさらに高めるために
中央機関の党活動家講習会参加者への書簡 
−1984年7月15日− 

 党が政務院と各委員会、省の党組織の活動を改善する措置を講じてから10年がすぎました。

 この10年間、政務院と各委員会、省をはじめ、中央機関の党組織と党活動家が、党活動を改善するという党の方針をつらぬくため力強くたたかった結果、党活動には根本的な転換がもたらされました。

 中央機関内の幹部と党員のあいだに党の唯一思想体系が確立され、チュチェ思想にもとづく思想、意志の統一と革命的団結がさらに強化されました。党生活体系と党生活指導体系が整然と確立され、幹部と党員の組織観念がいっそう高まり、自覚的な党生活気風が確立されるようになりました。

 行政・経済活動に対する党の指導も成功轟に保障されています。こんにち、中央機関の党組織は、当該単位の政治的参謀部として、党政策の要求に即応して行政・経済活動を後押しする活動を正しくおこなっています。

 活動家の活動方法の改善をはかるうえでも大きな前進がありました。党活動家のあいだで古い在来式の活動方法がなくなり、金日成的活動方法が具現されており、すべての党活動家が党中央の唯一的指導のもとに一つになって動いています。

 わたしはこれまで、党の方針をつらぬくたたかいを力強く展開し、党の基礎をしっかりきずき社会主義建設の促進に大いに寄与した政務院と各委員会、省をはじめ、中央機関のすべての党活動家に、党中央委員会の名であつい感謝を送ります。

 こんにち、我々には、革命隊伍をざらにかため、社会主義建設の各部門で新たな革命的高揚を起こすべき重大な課題が提起されています。我々のこの困難かつ膨大な課題を成功裏に遂行するうえで、中央機関の党組織に負わされた責任と任務はきわめで大きいものがあります。

 政務院と各委員会、省などの中央機関は、党の路線と政策の実行を全国的範囲で直接組織し指導する国家行政指導機関です。政務院と各委員会、省などの中央機関によって各時期の党の路線と政策を実行するための作戦、手配、指導がなされます。中央機関の党組織は、国の経済管理を全国的範囲で直接組織し指導する中央機関の活動を党の立場で指導すべき任務を担っています。国家の全般的活動がスムーズにいくかどうかは、中央機関の党組織と党活動家がいかに活動するかに大きくかかっています。

 政務院と各委員会、省など中央機関の党組織と党活動家は、党と革命に対する責任と任務を深く自覚し、発展する現実の要求に即して党活動をさらに実質的におこなうべきです。

 何よりもまず、党員の党生活指導をさらに強化すべきです。

 党員の党生活指導を強化するのは、党活動のキーポイントです。党員の党生活指導を強化してこそ、党の隊伍をしっかりかため、党組織の機能と役割を高める問題など党活動におけるすべての問題を成功裏に解決することができます。中央機関の党組織は、党員の党生活指導の強化を党活動の本筋としてとらえ、これに大きな力を領注すべきです。

 中央機関の党組織が党生活指導において力を入れるべき重要な問題は、活動家の革命性、党性、労働者階級性、人民性をさらに高めることです。

 革命性、党性、労働者階級性、人民性は、共産主義的革命家に固有の思想的・精神的特質であり、活動家が必ず身につけるべき重要な品性です。活動家は、革命性、党性、労働者階級性、人民性を身につけてこそ、あくまでも党と革命に忠実でありえ、革命の指揮メンバー、人民の忠僕としての責任と本分を全うすることができます。

 中央機関の活動家の革命性、党性、労働者階級性、人民性を高めることは、現段階において生産と建設を力強く推し進めるための重要な要求です。現在、国の経済が早く発展せず、人民生活が画期的に向上しないのは、幹部に革命性、党性、労働者階級性、人民性が欠けているためです。革命の指揮メンバーが党と革命に対するかぎりない忠実性と、労働者階級と人民への献身的な奉仕精神をもち、隊伍の先頭に立って大衆を正しく立ち上がらせてこそ、経済活動を軌道にのせ、1980年代の社会主義経済建設の10大展望目標を成功裏に実現することができます。

 幹部と党員の革命性、党性、労働者階級性、人民性を高めるためには、かれらに革命的世界観を確立させなければなりません。

 党と革命に対する忠実性と労働者階級と人民への献身的な奉仕精神は、革命的世界観にもとづく革命精神です。現在、中央機関の活動家のあいだで、党の路線と政策をつらぬくため懸命に努力せず、独断専行して国家の法秩序に違反したり、人民が生活上不便な思いをしているのを見ても心を痛めない傾向があらわれているのは、かれらに革命的世界観が確立していないためです。革命的世界観の確立していない人は、党と革命のために、労働者階級と人民のために忠実に働くことができません。

 中央機関の党組織は、幹部と党員をチュチェの革命的世界観でしっかり武装させ、かれらが党と革命のために、労働者階級と人民のために献身的に奉仕する、気高い革命精神を身につけるようにすべきです。

 中央機関の党組織が党生活の指導において力を入れるべき重要な問題は、また、党の政治的・思想的統一と団結の純潔を強く守ることです。

 党の政治的・思想的統一と団結の純潔を守ることは、朝鮮革命の勝利の決定的な裏付けです。党の威力は、団結にあります。団結は、力であり、革命勝利の要因であります。革命闘争は、団結すれば勝利し、でなければ失敗を免れません。わが党が一つの有機体のように動く鋼鉄の隊伍となり、チュチェの革命偉業を完成する途上での障害と困難にうちかって百戦百勝するためには、党の政治的・思想的統一と団結の純潔を確固と守らなければなりません。

 党の政治的・思想的統一と団結の純潔を守るたたかいを力強く展開するのは、中央機関の活動家にとって、なおのこと重要な問題となります。中央機関の活動家は、金日成同志を身近にあおぎ補佐する党の中核力量であり、金日成同志の革命思想と党の意図を具現するたたかいの前哨線に立っている朝鮮革命の指揮メンバーであります。わが党の政治的・思想的統一と団結の強固さと不敗性は、中央機関の活動家の思想状態と準備の程度に大きくかかっています。

 わが党の統一と団結は、偉大な領袖金日成同志の革命思想にもとづく思想、意志の団結であり、金日成同志を中心とする組織的団結であります。わが党の統一と団結は、党と領袖に対するかぎりない忠実性と革命的同志愛にもとづいた意識的かつ自覚的な団結とならねばならず、チュチェの革命偉業を完成していく不抜の統一、団結とならねばなりません。確固たる信念もなく、ある種の強要や義務感によって盲目的に、実務的になされた団結は長続きしません。大勢や趨勢に応じて変化する団結は、革命的団結とはいえません。革命が前進し、世代かかわっても変化せず、代をついで継承され守られていく団結であってこそ、真の団結といえます。中央機関の党組織は、幹部と党員に対する思想教育を強化し、かれらが革命的信念を身につけ、党の政治的・思想的統一と団結の純潔を確固と守りとおすようにすべきです。

 幹部と党員に党の政治的・思想的統一と団結の純潔を守りぬかせるためには、かれらのあいだで革命的領袖観を確立しなければなりません。

 幹部と党員のあいだで革命的領袖観を確立するのは、党の政治的・思想的統一と団結の純潔を強く守りぬくための根本的要求です。幹部と党員は、革命的領袖観を確立してこそ、革命的信念と道義をもって領袖を高くあおぎ、党と領袖のためにすべてをささげてたたかうことができます。革命的領袖観の確立している人は、いかなる逆境にあっても革命的信念と信条をまげず、あくまで革命家としての本分を果たしますが、革命的領袖観の確立していない人は、革命のきびしい時期に勝利の信念を失って変節漢に陥るようになります。

 中央機関の党組織は、幹部と党員のあいだで、歴史発展と労働者階級の革命闘争における領袖の地位と役割を原理的に深く認識させる一方、敬愛する金日成同志の偉大さとわが党がきずきあげた革命業績を幅広く宣伝し、かれらが、いつどこにあっても金日成同志以外は誰もうけつけないという確固たる信念をもって、金日成同志を政治的、思想的に、生命をとして擁護、防衛し、党と領袖のまわりに一つの思想、意志でかたく団結するようにさせるべきです。

 抗日革命烈士のなし遂げた革命的団結は、革命隊伍の統一、団結の典型であり、すべての幹部と党員が見習うべき鑑です。抗日革命烈士のきずきあげた革命的団結の伝統は、類例のない困難な抗日革命闘争の時期に形成されたがゆえに、その感化力と生命力はきわめて大なるものがあります。朝鮮革命の黎明期に、金赫、車光洙をはじめ、青年共産主義者は、革命の勝利は見通せなかったが金日成同志を朝鮮革命の指導者に、統一団結の中心に高くあおぎ、革命隊伍の統一団結をなし遂げるためすべてをつくしてたたかいました。かれらは、金日成同志のまわりにかたく結集してこそ革命の勝利を達成することができるという確固たる信念をいだいて金日成同志を心から高くあおぎ、政治的、思想的に、生命をとして断固擁護、防衛しました。青年共産主義者をはじめ、抗日革命闘士は、金日成同志に忠誠をつくす過程で、その革命思想にもとづいて、思想、意志でかたく団結しました。

 中央機関の党組織は、すべての幹部と党員がかつて抗日革命烈士の発揮した革命的団結の伝統的美風を積極的に見習い、金日成同志を心から高くいただき、永遠に党と運命をともにし、党の政治的・思想的統一と団結の純潔をかたく守っていくようにすべきです。

 党の政治的・思想的統一と団結の純潔を守るためには、幹部と党員のあいだで革命的団結を妨げるあらゆる不健全な傾向とのたたかいを力強くくりひろげなければなりません。

 党の統一と団結は、たたかいをつうじてのみかち取られ、強化されます。たたかいの過程で団結を破壊し、むしばむあらゆる不健全な傾向と要素が克服、一掃され、革命隊伍が一つにかたく団結します。

 いま、党内に分派は存在しませんが、それを生みだす思想的要素は残っています。いまなお一部の活動家のあいだには、地方主義、家族主義に走って互いに無原則にすごそうとし、党に心の底を打ち明けず裏表があり、自分を押し立てて人びとをそのまわりに引き寄せようとする傾向があらわれています。また、特定の幹部に幻想をいださ、かれに頼って一身上の問題を解決しようとしたり、職位に押されて言うべきことも言えずにこびへつらう傾向もあらわれています。党の統一と団結をむしばむ不健全な思想的要素が残っている状況のもとで、それとのたたかいをたえず展開しなければ、党の政治的・思想的統一と団結の純潔を守ることができません。

 中央機関の党組織は、幹部と党員に階級的眼識を高め、かれらが、常に周辺でくりひろげられるあらゆる問題を政治的にするどく注視し、実質的で分派的なあらゆる要素と断固たたかうようにすべきです。特に、表では党を支持するふりをし、裏では腹黒い企みをする者と、特定の幹部にへつらい、その手を借りて一身上の問題を解決しようとする者、党の信頼を悪用して悪巧みを働こうとする者とは、妥協することなく断固たたかうようにすべきです。

 幹部と党員のあいだで、負わされた革命課題を間違いなく実行する革命的気風を確立することは、中央機関の党組織が党生活の指導においてゆるがせにしてはならない重要な問題の一つです。

 幹部と党員が負わされた革命課題を忠実に遂行することは、金日成同志の教えと党の方針を貫徹し、チュチェの革命偉業を完成していく栄誉ある活動であり、党員としての本分を全うするための気高い活動です。幹部と党員が負わされた革命課題を遂行することは、すなわち、党から与えられた任務を実行する組織的活動であり、党の革命任務を実現する革命活動です。中央機関の党組織は、幹部と党員に負わされた革命課題を間違いなく実行させることに力点をおいてかれらの党生活を指導すべきです。

 幹部と党員に負わされた革命課題を間違いなく実行させるには、党生活を革命課題の遂行と密接に結びつけておこなわせるべきです。

 党生活を革命課題の遂行と密接に結びつけておこなうことは、党生活そのものの本質からくる不可欠の要求です。党生活と革命課題の遂行は、別個の活動ではありません。党生活は、党員が党から与えられた革命課題を遂行する過程です。党員の党生活を強化するのも、それ自体に目的があるのではなく、かれらを組織的、思想的に鍛え、与えられた革命課題を円滑に遂行させるところにあります。党員の党生活を革命課題の遂行と密接に結びつけておこなうようにするのは、かれらの革命化の過程を促すうえでも重要です。

 幹部と党員の党生活を革命課題の遂行と密接に結びつけておこなわせるためには、党生活を指導するすべての環が革命課題の遂行と正しく結びつけられなければなりません。

 幹部と党員の組織・思想生活を指導する形式と方法はさまざまです。党組織は、個別的な対話と党内学習、党の任務分担、党生活総括など、党生活指導のすべての環にわたって、党員の組織・思想生活が革命課題の遂行と密接につながるようにすべきです。特に、党生活総括が革命課題の遂行と密接に結びついた思想生活総括となるようにすべきです。全党員が党生活総括において革命課題の遂行状況をもって、その組織・思想生活を総括し、相互批判も革命課題の遂行過程であらわれた欠陥をもっておこなうべきです。

 党生活を革命課題の遂行と密接に結びつけておこなうようにするためには、革命課題の遂行状況を基準にして党生活を評価する原則を立てなければなりません。党と領袖への忠実性は、言葉のうえではなく、革命課題を遂行する実践活動にあらわれます。いかに組織・思想生活にまじめに参加する党員であっても、革命課題を円滑に遂行できない人は忠実な党員とはいえません。党組織は、党員が与えられた革命課題をいかに遂行しているかを基準にしてその組織・思想生活状況を評価すべきです。

 党生活を革命課題の遂行と密接に結びつけておこなううえで重要なのは、革命課題をより立派に実行することに正規生活を服従させることです。

 党員を政治的、思想的に自覚させ、革命的に鍛えるためには、正規生活を正しくおこなわなければなりません。組織・思想生活が重要であるからといって、正規生活一面のみを強調し、革命課題の遂行をおろそかにしてはなりません。党員の組織・思想生活を強化する重要な目的は、かれらをして革命課題を円滑に遂行させるところにあるのですから、正規生活は、あくまでも革命課題をより立派に遂行することに服従させておこなうべきです。党組織は、幹部と党員が組織・思想生活に対する正しい認識をもって正規生活に誠実に参加し、それを革命課題をより立派に遂行することに服従させておこなうようにすべきです。

 幹部と党員の党生活に対する指導を強化するうえで重要なのは、また、かれらが正しい組織観念をもって党生活に誠実に参加するようにさせることです。

 党員が正しい組織観念をもつことは、党生活を実質的におこなうための先決条件です。党組織は、党員が政治的生命を輝かせていけるように見守り導く政治的生命の保護者です。党員は、正しい組織観念をもってこそ、党生活に誠実に参加し、党内に革命的規律を確立することができます。

 中央機関の党組織は、すべての幹部と党員が、党組織を母のふところのように思い、党組織の決定と指示を重んじ、党組織にしっかり依拠して活動し生活し、党組織の指導と統制をうけるため意識的に努力するように仕向けるべきです。特に、責任幹部のあいだで党組織にしっかり依拠して活動する気風を確立すべきです。中央機関の責任幹部は、行政・経済機関の指導的位置で活動しているのですから、正しい組織観念をもち、党組織にしっかり依拠して活動してこそ、すべての問題を党の意図どおり正確に処理することができます。中央機関の党組織は、責任幹部の組織観念を高め、かれらが活動と生活で提起される問題をいっさい党組織に報告し、党組織の意見に従って処理するようにさせるべきです。党中央委員会の指導機関のメンバーである中央機関の責任幹部は、活動と生活で提起される問題を自分の属している党組織に報告するだけでなく、重要な問題は党中央に直接報告すべきです。

 幹部と党員の組織観念を高めると同時に、かれらが党生活に誠実に参加するようにさせるべきです。幹部が党生活に誠実に参加するようにさせるうえで特に重要なのは、二重規律を許さないことです。党生活においては、地位の高低がなく、幹部であれ一般党員であれ、誰もが党の規約と党生活規範の要求どおり生活しなければなりません。党組織は、すべての幹部と党員が職責と功労に関係なく、誰もが党生活規範の要求と党内の一つの規律に従って生活し、学習会や党生活総括などの正規生活に誠実に参加するようにさせるべきです。

 幹部と党員を思想闘争の溶鉱炉で革命的に鍛えるのは、党生活の指導における重要な要求の一つです。

 わが党は、革命の党、たたかう党です。わが党を老化と停滞を知らず、生気はつらつと活動する革命的党に強化発展させるためには、幹部と党員を思想闘争の溶鉱炉で革命的に鍛えなければなりません。

 批判の方法で思想闘争をおこない、思想闘争の溶鉱炉で鍛えるのは、幹部と党員を革命的に教育する有力な方法です。幹部と党員のあいだで思想闘争を力強くくりひろげてこそ、活動と生活上の欠陥をそのつど是正し、党内に健全な党生活気風を確立することができます。中央機関の党組織は、幹部と党員のあいだに欠陥があらわれれば、それをふせておかず、そのつど思想闘争をくりひろげ、すべての幹部と党員がそこから深刻な教訓をくみ取り、活動と生活を改善していくようにすべきです。

 幹部を革命的に鍛えるうえで重要なのは、月間党生活総括を高い政治的・思想的水準でおこなうことです。幹部の月間党生活総括制度は、かれらの組織・思想生活状況を思想闘争の雰囲気のなかで全面的に総括する党生活総括の重要な形式の一つです。党組織は、幹部の月間党生活総括を十分な準備のもとに定期的におこない、かれらが組織的、思想的に鍛えられ、与えられた革命課題をより立派に遂行できるようにすべきです。

 党生活指導体系を確立し、党生活状況に対する掌握と統制を正しくおこなうことは、幹部と党員の党生活を高い政治的・思想的水準で組織し指導するための重要な条件となります。幹部と党員のあいだに、自覚的な党生活気風を確立し、党生活を正規化、習性化するだけでは党生活を強化することができません。幹部と党員のあいだで党生活を強化するためには、必ず党生活指導体系を確立し、党生活状況を正しく掌握し統制しなければなりません。

 中央機関の党組織は、いかなる活動を手配し総括するときも、党生活の指導を改善する問題を基本としてとらえ、党活動家が党員の党生活の指導に力を傾注できるよう、活動体系を確立する必要があります。また、党員の党生活状況と党細胞の活動状況を日ごろから理解、掌握し、党生活の指導を改善する対策をそのつど講じるべきです。

 幹部と党員の党生活を強化するためには、党細胞書記の役割を高めなければなりません。

 党細胞書記は、わが党の基礎組織である細胞の活動に責任をもっている党の末端政治活動家として、党員の組織・思想生活を直接手配し指導します。党細胞書記の役割を高めてこそ、党員の組織・思想生活に対する指導と統制を正しくおこない、細胞内に健全な党生活気風を確立することができます。中央機関の党組織は、党細胞書記との活動を強化し、かれらが党員の党生活状況を理解、掌握し、党員が組織・思想生活を健全におこない、与えられた革命課題を円滑に実行するよう正しく導くようにすべきです。これと同時に、党細胞書記のための講習会や方式講習などをしばしば催し、かれらの水準を高めるべきです。

 次に、行政・経済活動に対する党の指導を強化すべきです。

 行政・経済活動に対する党の指導を強化することは、党組織に提起される重要な課題の一つです。行政・経済活動は、党の路線と政策をつらぬく活動であり、行政・経済活動の成果はそれに対する党の指導をいかにおこなうかによって大きく左右されます。

 政務院と各委員会、省などの中央機関は、全国的範囲で党の経済政策を貫徹するための作戦を練り、行政実務的な活動を具体的に手配し、経済的・技術的指導と設備、資材の供給活動と生産の指揮をおこないます。それゆえ、中央機関の党組織は、行政・経済活動の指導において、どの党組織よりも重要な任務を負っています。

 行政・経済活動の指導において、中央機関の党組織は、市・郡党組織や工場党組織とは異なる特性をもっています。党の経済政策を実行する活動を、市・郡党委員会や工場党委員会は直接責任をもっておこないますが、中央機関の党組織は党の経済政策の実行を手配し指導する行政責任幹部の活動を指導し援助する方法でおこないます。言いかえれば、中央機関の党組織は、党の経済政策を実行する対策と方途を討議、決定し、それを実行する幹部と党員の活動を党の立場で指導し援助する方法で行政・経済活動に対する指導をおこないます。

 中央機関の党組織が行政・経済活動の指導を強化するうえで重要な問題は、何よりも金日成同志の教えと党の方針を実行する組織・政治活動を力強くくりひろげることです。

 中央機関の行政・経済活動は、金日成同志の教えと党の方針を実行する活動です。金日成同志の教えと党の方針を実行する組織・政治活動を力強く展開してこそ、中央機関が行政・経済活動を金日成同志の思想と意図どおり正確におこない、党の経済政策を成功裏に実行することができます。

 中央機関の党組織は、金日成同志の教えと党の方針を実行する対策を正しく立てるべきです。そうしてこそ、明確な目標と正しい方法論をもって金日成同志の教えと党の方針を実行する活動を力強くくりひろげでいくことができます。中央機関の党組織は、金日成同志の教えと党の方針が新たに示されれば、その実行対策を党委員会で集団的に討議し、正しい実行方向と方途を立て、具体的な任務分担をしなければなりません。

 中央機関の党組織は、金日成同志の教えと党の方針をあくまで実行するための政治活動も実質的にくりひろげるべきです。幹部と党員に金日成同志の教えと党の方針をそのつど伝達し、その実行方向と方途についても具体的に解説すべきです。活動家を下部へ出向かせるときにも、かれらに金日成同志の教えと党の方針を具体的に理解させるべきです。特に、委員長、相などの責任幹部は、下部の指導に派遣される活動家を政策的にも、技術実務的にも十分に準備させるべきです。そうしてこそ、活動家が下部に出向いても、常に正しい政策的眼識をもって、行政指導と生産指導を正しくおこなうことができます。

 中央機関の党組織が行政・経済活動に対する指導を強化するうえで重要な問題は、また、党政策の実行状況に対する掌握と、生産における難問を解決する活動を正しくおこなうことです。

 党政策の実行状況をしっかりと掌握することは、行政・経済活動に対する党の指導においてわが党が堅持している一貫した方針です。党政策の実行状況を正しく掌握してこそ、下部の実情をはっきりつかんで実質的な指導をおこない、党政策の実行過程であらわれる偏向をそのつど正し、難問を解決することができます。

 中央機関の党組織は、党政策の実行状況に対する掌握を基本的任務の一つとし、どの一部門や環も逃さず具体的に掌握すべきです。党政策の実行状況に対する掌握においてはまず、責任幹部の経済組織活動状況と生産指揮状況を日常的に掌握することに注意を払うべきです。これと同時に、下部単位の指導にあたっている活動家をとおして工場、企業所の実態も具体的に調査掌握すべきです。

 中央機関の党組織は、党政策の実行状況を調査掌握することにとどまらず、党政策の実行における難問を適時に解決する活動にも深い関心を払うべきです。党政策の実行状況を掌握するのは、党政策を適時にあくまで貫徹することに重要な目的があります。中央機関の党組織は、党政策の実行において難問が提起されれば、それを解決する活動を戦闘的に、機動的に手配し、時を移さず解決すべきです。

 行政・経済活動に対する党の指導において提起される重要な問題は、また、党政策をまともに実行しない傾向との強い思想闘争を展開することです。

 現在、中央機関の活動家のあいだに、ことなかれ主義と小心のとりこになり、活動を大胆に展開せず、口先だけで仕事をしている無責任を傾向が少なからずあらわれています。中央機関の一部の活動家は、生産と建設における難問を、自力更生の革命精神を高く発揮して自力で解決しようとはせず、あれが問題だ、これが問題だと、もろもろの条件にかこつけ、自分の担当した経済部門の活動がスムーズにいかないことさえも他人に責任をなすりつけようとしています。

 中央機関の一部の活動家のあいだには、国家の決定、指示に違反し、国家計画をあげつらう傾向さえあらわれています。国家の決定、指示と国家計画は、金日成同志の教えと党の方針を実現するためのものであり、国家のおきてです。国家の決定、指示と国家計画には、誰も違反してはならず、ただ実行すべき義務があるのみです。しかし現在、中央機関の一部の活動家は、国家の決定、指示も適時に実行せず、国家計画の遂行過程でさ細な難関に出合っても、それを調整してほしいと提起しています。国家の決定、指示にむやみに違反し、国家計画をあげつらうのは自由主義と敗北主義の表現であり、違法行為であります。中央機関の活動家のあいだで国家の決定、指示と国家計画に違反するといった無規律な傾向が許され助長されるなら、国の全般的行政・経済活動を正しくおこなうことができず、しまいには国家社会制度と法秩序を弱める重大な結果をまねくようになります。

 中央機関の党組織は、活動家のあいだでさまざまな形式と方法で思想闘争をくりひろげ、党政策の実行において絶対性、無条件性の原則を守り、国家の決定、指示を適時に実行し、国家計画を狂いなく実行する革命的気風を確立するようにしなければなりません。

 中央機関の党組織が行政・経済活動に対する指導を立派におこなうためには、党指導委員会を正しく運営し、その生命力を高く発揚させなければなりません。

 各委員会、省に党指導委員会を設けたのは、金日成同志の教えと党の方針を実行する正しい対策を立て、上部と下部が協力して党の経済政策を貫徹しようというところに目的があります。

 いま、一部の委員会、省の党組織では、党指導委員会を定期的に運営しておらず、党指導委員会を開く場合にも、行政責任幹部が下部の活動家を呼び寄せ生産計画の遂行状況を調べるといった、ごく実務的な方法でおこなっています。

 各委員会、省の党組織は、党指導委員会を実務的に運営する偏向を正し、金日成同志の教えと党の方針を実行する対策を討議決定する政治的な会議になるよう正しく運営すべきです。

 中央機関の党活動家の活動方法と作風を改善すべきです。

 中央機関の党活動家の活動方法と作風を改善するのは、中央機関の幹部と党員の党生活指導と行政・経済活動に対する党の指導を強化するための重要な要求です。中央機関の党活動家が正しい活動方法と作風を身につけてこそ、中央機関の幹部と党員の水準と特性に即して党生活の指導を正しくおこなうことができ、行政・経済活動を正しく指導することができます。

 中央機関の党活動家の活動方法と作風を改善するのは、中央機関の行政活動家の活動方法と作風を正すためにも重要です。中央機関の党活動家の活動方法と作風は、行政・経済活動家の活動方法と作風に大きな影響を及ぼします。中央機関の党活動家が活動方法と作風を正してこそ、行政・経済活動家に実践的模範を示し、要求度も高め、かれらの活動方法と作風をすみやかに改善することができます。

 中央機関の党活動家の活動方法と作風を改善するうえで重要なのは、金日成的活動方法の要求どおり、党活動家が幹部と党員のなかに深くはいることです。党活動家が格式ばり、事務室にのみ居座っていては現実を知ることができず、党生活や経済活動を正しく指導することもできません。中央機関の党活動家は、常に幹部と党員のなかに深くはいり、かれらと話し合い、相談しながら党政策の実行状況と党生活状況を理解し、難問を解決する方途も模索すべきです。

 工場、企業所にもしばしば出向き、行政・経済活動家の指導活動状況や工場、企業所の生産実態も具体的に理解すべきです。

 中央機関の党活動家の活動方法と作風を改善するうえで重要なのは、また、党活動家が党の経済政策を実行するため行政・経済活動家とともに努力し、かれらの活動を積極的に援助することです。

 行政・経済活動家が経済課題を成功裏に実行するか否かは、党活動家がかれらをいかに援助し導くかに大きくかかっています。党活動家は、経済課題の実行にあたる行政・経済活動家の活動を客観的な立場で掌握しようとばかりせず、全面的に責任をもつ立場で十分に援助すべきです。

 中央機関の党書記は、行政責任幹部としばしばひざを交え、党の経済政策の実行で提起される問題を虚心に相談し、常に呼吸を合わせて活動すべきです。中央機関では、行政責任幹部と党書記の言うことが食い違って活動に混乱をもたらしたり、党書記と行政責任幹部のあいだに意見が合わなくていざこざを起こすようなことが絶対にあってはなりません。

 党活動家は経済活動がスムーズにいかないときには、行政・経済活動家よりもっと気をもみ、緊急を経済課題が提起された場合は行政・経済活動家といっしょになって、その実行に積極的にのりだし、仕事を戦闘的にやり遂げるべきです。

 中央機関の党活動家の活動方法と作風を改善するうえで重要なのは、また、行政・経済活動家を尊重し、前面に押し立て、かれらとの活動を手ぎわよくおこなうことです。中央機関の活動家は、国の経済の一部門を担当して指導する指揮メンバーです。中央機関の党活動家は、常に行政・経済活動家に同志としてあたたかく接し、悩み事は誠意をもって解決してやり、かれらとの活動を巧みに、手ぎわよくおこなうべきです。行政・経済活動家が過ちをおかしたときは、原則的な批判をしながらも、かれらが自分の過ちを心から反省するよう十分にさとすべきです。特に、中央機関の党書記は、委員長、相をはじめ、行政責任幹部との活動を手ぎわよくおこなうべきです。中央機関の責任幹部の大部分は、党中央委員会の指導機関のメンバーとして、金日成同志の活動を直接補佐する重責を担っています。中央機関の党書記は、行政責任幹部の意見を尊重し、活動上の権威を保障し、かれらが党政策の貫徹のため大胆で創意的な案を提起したときは、積極的に支持し、力強く後押しすべきです。行政・経済活動にかんする問題を討議する党会議をおこなうときは、行政責任幹部に会議を指導させ、しめくくらせるべきです。中央機関の党書記は、行政・経済活動にみだりに干渉したり行政・経済活動家の活動を代行してはならず、機関内に整然とした行政活動体系を確立し、活動を正規化、規範化し、行政的指示が下部に滞りなく伝達され、正しく実行されるようにすべきです。

 中央機関の党活動家は、常に謙虚でおおらかな品性を身につけ、物欲に陥ることなく質素に生活しなければなりません。

 中央機関の党活動家の政治・実務水準も高めるべきです。

 中央機関の党活動家の政治・実務水準を高めることなしには、発展する現実の要求に即応して党活動を正しくおこなうことができません。

 中央機関の党活動家は、革命的学習気風を確立し、金日成同志の著作と党の文献を幅広く、掘りさげて学習し、チュチェの党活動理論と党活動方法を深く研究し体得すべきです。経済・技術学習も地道におこない、専門科学技術知識と経済管理知識を身につけるべきです。

 わたしは、中央機関の党組織と党活動家が、党の方針を体して幹部と党員の党生活指導と行政・経済活動の指導を決定的に改善して、党活動に新たな転換をもたらすものと確信します。

出典:冊子「党の指導的役割を高めるために」 1992 外国文出版社 平壌


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