金 正 日

革命の隊伍をしっかりかため、社会主義建設を
いっそう力強く促進するために
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部におこなった演説
−1984年3月10日−


 いま、我が国には、アメリカ帝国主義と南朝鮮かいらい一味の新たな戦争挑発策動によって、いつ戦争が勃発するかわからない危険な情勢が生じています。アメリカ帝国主義者は、南朝鮮で毎年、侵略的な軍事演習騒ぎをくりひろげ、その規模をますます拡大しています。これは、アメリカ帝国主義侵略者が、朝鮮であくまで戦争を引き起こそうとしていることを示しています。かれらは、我々がかれらより弱いと判断されたり、警戒心を緩めている気配さえ見えればただちに侵略してくるでしょう。

 我々は現情勢に対処して、革命の隊伍をしっかりかため、社会主義建設の各分野で新たな高揚を起こすべきです。

 なによりもまず、革命の隊伍を政治的、思想的にいっそうしっかりかためるべきです。

 革命の隊伍を政治的、思想的にしっかりかためることは、現情勢の要求に即応して革命と建設をいっそう力強くおし進めるための重要な裏付けです。

 革命の隊伍をかためるうえで重要なのは、党の隊列を強化することです。

 党は、革命の参謀部であり、社会の中核的力量です。党の隊列を強化してこそ、社会の全構成員を一つの革命隊伍にかたく結束することができます。

 党の隊列を強化するためには、党勢拡大に力をそそがなければなりません。

 いま、党員の比率は事務機関は高いのですが、工場と農村はそうでありません。党組織は、人民軍と工場、農村で鍛えられた人のうちから資格をととのえた人を多く入党させるべきです。経歴の複雑な人のうちからも、党に忠実でまじめに働く人は入党させるべきです。我々は、実践をつうじて点検され、政治的、思想的に鍛えられた人を入党させ、我が党を戦闘的で革命的な党、人民大衆のなかに深く根をおろした強力な党にたえず強化発展させるべきです。

 党隊列の拡大とともに、党を質的に強固にする活動を強化しなければなりません。

 女性のなかには、娘のときに熱意を出して入党しながら、嫁いでからは家庭にとじこもり、これといったこともせず無為に過ごしている人が少なくありません。男性のなかにも、入党するときの決意を忘れ、党員としての役割を満足に果たしていない人がなきにしもあらずです。このことは、これまで党組織が党の隊列を質的に強固にする活動をおろそかにしたことに起因しています。

 党組織は、党勢拡大において、一時的な熱意をみて入党させる傾向をなくさなければなりません。党組織は、党員にたいする教育活動にも大きな力を入れ、かれらがいつどこにあっても党員の本分を果たすようにすべきです。特に、新入党員を最初から厳格にしつけ、かれらが死の最後の瞬間まで、入党のとき党に誓った誓いを守りとおすようにしなければなりません。

 党を強固にするうえで重要なのはまた、党の統一団結を強める活動をひきつづき力強くくりひろげていくことです。

 労働者階級の党の統一団結を強める闘争は、革命の世代の交替と並行してねばり強くつづけなければなりません。共産主義運動の経験は、革命の世代が入れかわるとき党の統一団結を固守することができなければ、背信者、偶然分子があらわれて党を翻弄し、革命に重大な禍をまねくことを示しています。

 労働者階級の党の統一団結は、領袖を中心とする統一団結です。我が党の統一団結が強固で威力があるのは、まさに全党が金日成同志を中心にかたく結集しているからです。朝鮮革命の黎明期に青年共産主義者は、ひとり敬愛する金日成同志を高くあおぎ従ってこそ、革命で勝利をおさめることができるという確固とした信念をいだいて、金日成同志を中心にかたく団結し、金日成同志に従って革命のいばらの道をつき抜けてきました。かつて、多くの紆余曲折と失敗を重ねてきた朝鮮革命は、そのときから勝利の一路を歩みだしました。

 我々は今後も、領袖を中心とする党の統一団結を確固と守らなければなりません。国際共産主義運動史には、労働者階級の党が統一団結の中心をおしたてることができず、苦い陣痛を体験した実例が少なくありません。

 我が党では、代をついで団結の中心を保障する問題が、既に解決されました。いま、世界の革命的人民は、我が国でチュチェの革命偉業をあくまで遂行できる裏付けができたことを高く評価しています。我々は、これにたいし大きな誇りをいだき、金日成同志と党中央を中心とする全党の政治的・思想的統一と革命的団結をいっそう強化していかなければなりません。

 党と人民の不抜の統一団結は、党の偉大さにたいする信頼にもとづいています。党の偉大さを深く信じるとき、党にみずからの運命を託して党を断固と擁護防衛し、党のまわりにかたく団結してあくまでたたかっていくことができます。

 党組織は、党員と勤労者のあいだで、党の偉大さについての教育を幅広く、深くおこなうべきです。特に、我が党の創造的思想理論活動と我が党の思想理論の正しさ、党の指導の賢明さと輝かしい業績について深く認識させなければなりません。党員と勤労者に、我が党の高い国際的権威と威信についても明確に認識させて、かれらが我が党のふところで革命をおこなう大きな民族的誇りと自負をいだくようにしなければなりません。

 党の統一団結を固守するためには、統一団結の障害となる些細な要素にたいしても警戒心を高め、それをそのつど徹底的に克服しなければなりません。地方主義、家族主義の傾向と情実、縁故関係によって幹部問題を処理するといった傾向にたいしては妥協することなく強い闘争をくりひろげるべきです。

 党組織は、常に党の唯一思想体系確立の十大原則を尺度にしてすべてを測り、それに反する傾向があらわれれば、そのつど問題視してたたかわなければなりません。

 党の統一団結のための我が党の歴史的な闘争経験ですべての幹部と党員を武装させ、かれらが常にするどい党的・階級的眼識をもって、あらゆる不健全な要素を克服し、党の統一団結を固守していくようにすべきです。

 我が党の統一団結は、思想的、意志的な統一団結であり、党の統一団結を強化するためには、思想的、意志的な団結をなし遂げなければなりません。

 全党を一つの思想、意志でかたく結束するためには、幹部と党員のあいだでチュチェの革命的世界観を確立しなければなりません。

 チュチェの革命的世界観を確立してこそ、自分の党と領袖を高くあおぎ、党の路線と政策を断固と擁護、貫徹して、革命と建設を成功裏に遂行することができます。チュチェの革命的世界観がいかに確立されているかは、革命性、党性、労働者階級性、人民性をどれほど身につけているかにあらわれます。いま一部の幹部は、自分自身を党の戦士、労働者階級と人民の忠僕だといいながらも、党を忠誠心をもってあおがず、党の路線と方針を貫くため懸命に努力せず、革命の利益、労働者階級の利益のために献身せず、人民が不便を感じていることを見ても心を痛めていません。これはいずれも、チュチェの革命的世界観が確立していないことを示しています。

 チュチェの革命的世界観は、チュチェ思想を信念として体得する意識的な努力をつうじてのみ確立することができます。革命闘争をつうじて鍛えられていない新しい世代はいうまでもなく、長い革命闘争の経歴の持主でも、チュチェ思想を自分の骨とし肉とする意識的な努力をそそいでこそ、共産主義的革命家として死の最後の瞬間まで誇らしく生きることができます。

 党組織は、幹部と党員のあいだでチュチェの革命的世界観を確立し、革命性、党性、労働者階級性、人民性を高める闘争を力強くくりひろげ、すべての幹部と党員が1920年代の青年共産主義者のように党と領袖にかぎりなく忠実な真の共産主義的革命家になるようにすべきです。

 革命の隊伍をかためるうえで重要なのはまた、広範な人民大衆を党のまわりにかたく結集することです。

 いま、朝鮮人民は党をかぎりなく信頼し、党のまわりにかたく団結しており、我が党は人民大衆と血縁的に結びつき、渾然一体となっています。我々は、これまでの成果に自己満足することなく、大衆との活動を着実におこなって、かれらを党のまわりにいっそうかたく結集しなければなりません。

 なによりもまず、中核大衆との活動を着実におこなうべきです。

 いま大衆のなかには、党と革命のために長いあいだ献身的にたたかってきた英雄と功労者がたくさんいます。かれらのうちには、年をとり健康を害して骨のおれる部門で働けない人が少なくありません。党組織は、英雄と功労者の生活をよく見守り、かれらがそれぞれの要求に従って党と革命のためにひきつづき花を咲かせることができるよう、条件を十分に保障しなければなりません。

 長いあいだ人民軍に服務した人との活動も正しくおこなわなければなりません。人民軍で手に銃をとり、党と領袖のために、祖国と人民のために長いあいだたたかってきた人は、我が党の中核です。

 党組織は、長いあいだ人民軍に服務した功労者を尊敬し、かれらが軍隊に服務したときのように社会に出ても中核としての役割を果たすよう、積極的に援助し、かれらを幹部に育てあげる活動も着実におこなうべきです。

 日本から帰国した人との活動を正しくおこなうべきです。

 日本から帰国した人との活動を正しくおこなうのは、祖国の統一のために重要な意義をもつばかりでなく、在日70万同胞を党のまわりに結集するためにも極めて切実な問題として提起されます。

 金日成同志は、日本から帰国した人との活動に深い関心を払っています。どの年だったか、茂山(ムサン)鉱山を現地で指導した金日成同志は、日本から帰国した親子3人の運転手の所業についての報告をうけ、かれらはみな英雄だと高く評価しました。

 ところがいま、幹部は、日本から帰国した人との活動を正しくおこなっていません。一部の幹部は、かれらのあいだで提起される問題を軽々しく狭い了見で処理しています。

 党組織は、日本からの帰国者をためらうことなく信頼して正しく教育し、かれらとの活動をいっそう積極的におこなわなければなりません。まじめに働く人は新聞にもだし、資格をととのえた人は党活動家に育てるべきです。こうして、我が党を信じて日本から帰ってきたかれらが党のまわりにかたく結集し、革命闘争と建設事業に献身できるようにしなければなりません。

 大衆との活動を正しくおこなうためには、党活動家が革命的大衆観点をうち立て、かれらの活動と生活を責任をもって見守らなければなりません。

 我が党は文字どおり母なる党であり、我が党の活動家は当然、大衆の真の母親とならなければなりません。父母は肉体的生命の保護者でありますが、党活動家は政治的生命の保護者です。

 党活動家は、父母が子供を愛するように、人びとを心からいたわり愛し、人民大衆のために誠実に働かなければなりません。党活動家は、常に勤労者を真の革命同志として度量をもって接し、その声に耳を傾け、かれらの要求する問題をそのつど責任をもって解決しなければなりません。党活動家は人民の生活に深い関心を払い、かれらへの党と領袖の配慮がそのとおり行き届くようにしなければなりません。

 党活動家は、大衆が悩んでいる問題をそのつど解決しなければなりません。いま、一部の活動家は、右傾的誤りをおかすより極左的誤りをおかすほうがましだといって、経歴の複雑な大衆のあいだで提起される問題から目をそむけています。党活動家が大衆のあいだで提起される問題を避けようとするならば、大衆は党組織を信じなくなり、党の方針に疑惑をいだくようになります。

 大衆との活動を正しくおこなうためには、党活動家が方法において老練で、作風においておだやかでなければなりません。党活動家は、いつも党の原則を守りながらも謙虚かつ柔軟でなければならず、大衆に度量をもって接しなければなりません。党活動家は、特恵や特典を望むことなく、大衆が生活するとおり素朴で質素に生活しなければなりません。

 次に、社会主義経済建設を力強く促進すべきです。

 党は最近、現情勢の要求に即応して社会主義経済建設の各分野で一大高揚を起こすため、全党員に手紙を送りました。

 党組織は、すべての党員と勤労者が、党中央委員会の手紙を支持し、アメリカ帝国主義者と南朝鮮かいらい一味の戦争挑発策動に対処して、70日間戦闘と100日間戦闘のときのように、社会主義経済建設で新たな高揚を起こすようにしなければなりません。

 今年は、第2次7か年計画の最後の年です。今年度の人民経済計画を遂行することは、第2次7か年計画の遂行において決定的な意義をもちます。

 党組織は、今年度の人民経済計画を完遂するたたかいを力強くくりひろげるべきです。

 今年度の人民経済計画を遂行するためには、人民経済各部門の潜在力を最大限に動員、利用しなければなりません。

 今年度の人民経済計画は膨大なものではありますが、既にきずきあげた経済的土台にくらべれば、けっして高いものではありません。我が党は、これまでいたるところに近代的な工場、企業所を建設しました。既に、ととのえた生産潜在力は極めて大きいものであり、それを効果的に利用するなら、現在にくらべ生産をいちだんと増大させることができます。

 工場、企業所では浪費をなくし、設備と原料、資材の予備を動員する闘争を力強くくりひろげるべきです。

 浪費をなくし節約することは、生産に劣らず重要です。増産の大きな予備は、ほかならぬ浪費をなくすことにあります。いま、大事な国家財産をきちょうめんにに管理せず浪費しているので、非常に大きな経済的損失をまねいています。まだ国の経済事情が豊かでないうえに、敵と直接対峙して人一倍大きな負担をせおっている状況のもとで、浪費をなくし節約運動を強めるのは極めて重要なことです。いま、設備と原料、資材をいい加減に管理し、無計画に使うため、国家に大きな損失を与えています。設備管理が無責任なため設備事故がひんぱんに起こっており、貴重な機械設備を使えなくしています。不足ぎみの電力と石炭、鋼材など原料、資材、燃料の浪費も少なくありません。

 党組織は、あらゆる浪費行為をなくし、節約し増産する闘争を力強くくりひろげるようにすべきです。すべての幹部は、生産者大衆のなかに深くはいって政治活動を力強くくりひろげ、浪費をなくし内部の潜在力を積極的に探しだし、それを利用する仕事の手配を綿密におこなわなければなりません。党員と勤労者のあいだで、革命と建設の主人としての自覚と責任感をもち、なにごともきちょうめんにする気風をうち立てなければなりません。こうして、すべての党員と勤労者が、国家と社会の共同財産を自分のもののように大切にし、節約につとめ、内部の潜在力を最大限に動員して現有の設備と資材でより多く、より立派に生産するようにしなければなりません。

 節約運動を強化し、浪費をなくすためには、規律と秩序を立て、統制を強めなければなりません。人民経済の各部門、各単位で財産管理規定を厳格に守り、国家・社会財産を着服、浪費する行為にたいしてはその軽重に従って制裁も加えるようにすべきです。

 労働力資源を有効に利用するたたかいを力強くくりひろげるべきです。

 労働は人間社会の富を生みだし、すべての幸福をもたらす源泉です。社会主義・共産主義をより早く、より立派に建設するか否かは、社会的労働をいかに組織し利用し、労働生産性をどれほど早く高めるかにかかっています。我が党は、働くことのできるすべての人が社会主義建設に参加して能力のかぎり働くことを求めています。

 すべての人が、国家と社会のための共同労働に参加することを栄誉とし、エネルギーと知恵をつくして働く気風を確立しなければなりません。

 すべての勤労者が、社会主義建設の重要な持場で勤労の偉勲を立てるようにすべきです。勤労者のなかには、2代、3代にわたって同じ勤労戦線で党と革命のために献身的に働く人が少なくありません。しかし、一部の青年のあいだには、できるだけらくなところで働こうとする傾向があらわれています。いま、農村には青壮年労働力も不足し、教員も不足しています。党組織は、党のふところでチュチェ教育をうけて育った青年が、農村に進出して父母の代をつぎ、社会主義農村建設の誇らしい勤労戦線をゆるぎなく守りとおすようにしなければなりません。協同農場の管理幹部と農場員の子弟は、農業大学や医科大学、師範大学にいって勉強し、卒業後は帰郷して技師、医師、教員として働くようにしなければなりません。

 青年と勤労者が、職業にたいする観点を正し、党と革命が要求し、人民に必要なものであればなにごとでも貴賤の別なく忠実に担当遂行するようにしなければなりません。いま、少なからぬ人が、党活動家、政治活動家にばかりなりたがり、調理師、理髪師、靴の修理工といったサービスマンになるのを卑しく思って嫌い、食堂、理髪店、靴の修繕所などには就職しようとしません。

 社会主義社会では職業に貴賤の区別というものがありえません。すべてが革命のための事業であり、人民のための活動であるため、よい仕事とそうでない仕事があるわけではなく、どの職業も貴いものです。問題は、どういう仕事につくのかということではなく、国家と人民のためにいかに働くかにあります。すべての人が自分のなすことを最も栄誉あることとし、ひたすら国家と人民のため知恵と精力をつくして忠実に働くようにすべきです。

 炭鉱、鉱山など、骨のおれる部門で働く勤労者を社会的に優遇し尊敬する雰囲気をつくらなければなりません。骨のおれる部門で働く勤労者に表彰も多く与え、かれらをためらうことなく幹部に選抜し、高等中学校を卒業した新しい世代が、骨のおれる部門に進出することを奨励する必要があります。幹部が率先して自分の子弟を骨のおれる部門に進出させ、勤労者によい影響を与えるようにすべきです。

 血気旺盛で創造的情熱に燃える青年を生産部門に進出させる活動を積極的におし進めるべきです。いま非生産部門で働く青年が少なくありませんが、かれらを生産部門に進出させれば、労働力の不足を解消し、国家に多くの利得を与えることができます。このたび、事績館、研究室につとめていた青壮年労働力を生産部門に進出させたように、ほかの非生産部門でもそのようにすれば多くの青壮年労働力の予備が出るはずです。

 非生産部門では、家庭婦人を多く採用するようにすべきです。いま家庭であそんでいる婦人を非生産部門に進出させ、そこの青壮年労働力を引き抜けば、多くの青壮年労働力が得られるでしょう。

 労働力の浪費をなくすためには、生産的労働力をいい加減にほかの部門に動員する傾向をなくさなければなりません。生産的労働力は、国家の承認なしには誰もほかへまわしてはなりません。すべての幹部が、所定の労働行政秩序をしっかり守り、生産的労働力を流用することのないよう、強い闘争をくりひろげるべきです。

 8時間労働制は、なんぴとも違反することのできない国家のおきてです。すべての工場、企業所で、勤務時間内に会議を開くとか、自分勝手に人を作業現場からはずすようなことをなくし、労働規律を強めるようにすべきです。

 人民経済各部門で、節約し増産する闘争をくりひろげるとともに、製品と建築物の質を高める闘争を力強くくりひろげなければなりません。いくらたくさん生産し建設しても、その質を高めないならば、有効に利用されません。

 製品と建築物の質は、国家の経済・技術の発展水準と文明度を示す重要な尺度の一つです。現在、我が国の経済の規模は極めて大きく、生産される製品の量も多いのですが、その質がまだ先進レベルに達していないため、人民の需要を十分にみたせないありさまであり、我が国社会主義制度の優位性もより十分に発揮することができずにいます。製品の質を高めることは、外国との経済交流を発展させるためにも切実な問題となっています。製品の質が高くてこそ、対外市場により多く進出することができ、対外貿易を発展させることができます。人民経済各部門で品質を高める闘争を力強くくりひろげて、ここ数年のうちに製品の質を世界的水準に到達させなければなりません。

 勤労者にたいする政治活動を強化し、かれらが一つの製品をつくっても丹念にスマートにつくるようにすべきです。生産において技術規定と標準操作法の要求に違反する行為と強くたたかい、技術規定の要求どおりととのっていない工程を整備補強する活動も積極的にくりひろげるべきです。製品の質にたいする監督・統制活動も強めるようにすべきです。

 今年度の人民経済計画を間違いなく遂行するためには、経済幹部が経済組織活動と生産の指揮を正しくおこなわなければなりません。経済幹部は、実態を具体的に調べたうえで計画的に、先を見通して必要な保障対策を立て、すべての生産の連鎖が円滑に動くようにすべきです。

 社会主義経済建設を促進するためには、人民経済の各部門、各単位で計画規律を厳守しなければなりません。

 人民経済計画は国家の法であり、なんぴとも勝手に変更させたり違反したりすることはできません。個々の単位が、計画規律に違反し計画を遂行できなければ、人民経済全般に大きな影響を及ぼすようになります。人民経済計画にたいしては誰もかけひきする権利がなく、無条件実行する義務があるのみです。採択された計画にたいし追加だの、調整だのといってかけひきをするとか、計画外の工事をおこなうようなことがあってはいけません。

 人民経済の各部門、各単位で、その日の計画は必ずその日のうちに遂行する気風をうち立てるべきです。工場、企業所で月の初めはのらりくらりしていて、月末になって突貫作業をして生産をするなら、設備を酷使し、原料と資材を浪費するばかりでなく、製品の質も保障することができず、労働生活を正規化することもできません。工場、企業所で「月初め病」をなくし、計画を日別、句別、月別、指標別に間違いなく遂行するようにすべきです。

 資材の供給を正しくおこなうことは、社会主義経済建設を促進する重要な方途の一つです。資材供給システムを正しくうち立て、資材供給を円滑におこなうべきです。すべての資材は、資材商社をつうじて上部から下部に供給しなければなりません。「特殊性」を云々して資材商社をへずに個別的に資材を受け取ろうとしたり、企業所間で物物交換をすることは、資材供給システムを混乱させる有害な行為です。資材供給事業で無規律な行為をなくし、テアン(大安)の事業体系の要求を具現するようにすべきです。工場、企業所では、原料、資材の予備を、少なくとも1か月分以上造成するために努力し、連帯生産品を優先的に生産保障する規律をしっかり守るようにすべきです。

 社会主義経済建設を促進するためには、経済管理において社会主義的分配の原則を厳守しなければなりません。

 社会主義的分配の原則をしっかり守るのは、過渡的社会である社会主義社会の特性から提起される合法則的要求です。人民経済の各部門、各単位で労働の結実を正しく評価し、労働の質と量に従って分配する原則をしっかり守り、誰もが高い意欲をもって生産に参加できるようにすべきです。

 社会主義経済建設を促進するためには、経済管理で独立採算制を正しく実施し、経済的テコを正しく利用しなければなりません。独立採算制にかんする規定を現実の要求に即応していっそう完成させ、工場、企業所が独立採算制の原則を十分に具現するようにすべきです。これとともに、価格、原価などの経済的テコを正しく利用して、生産者が製品の品種を増やし、その品質を高めることに強い意欲をもつようにし、一つの品物をつくっても安く丹念につくるようにすべきです。

 経済管理を正しくおこなうためには、経済幹部の水準を高めなければなりません。経済幹部のあいだで、経済管理運営方法の学習を強め、幹部の1か月講習でも経済知識を多く教えるようにすべきです。経済管理のモデル単位をつくり、方式講習などもおこなって、幹部が経済指導管理を改善するのに役立つようにすべきです。

 次に、戦争に対処する準備をしっかりとおこなうべきです。

 戦争に対処する準備でなによりも重要なのは、党員と勤労者のあいだで戦争にたいする観点を正すことです。

 党員と勤労者のあいだで戦争恐怖症と厭戦気分、平和的気分などいっさいの不健全な要素をなくし、戦争に対処する政治的・思想的準備をしっかりととのえ、かれらが常に緊張した動員態勢をもって生活し、働くようにすべきです。

 青年のあいだで祖国防衛に積極的に立ち上がるよう、教育活動を強化しなければなりません。祖国防衛は、公民の神聖な義務であり、青年にとってこのうえない光栄であり誇らしいことです。党組織と社労青組織は、すべての青年が人民軍に服務することをこのうえない光栄とし、敵の侵害から祖国の安全と革命の獲得物を守るため、青春も生命もささげてたたかうよう、かれらにたいする教育活動をさらに強化すべきです。

 全人民が人民軍を愛し、積極的に援護し、一朝有事のさいは、人民軍とともに侵略者に抗してたたかえる万端の準備をととのえるようにすべきです。

 人民経済各部門で、全軍現代化と全国土の要塞化に必要な設備、資材を責任をもって生産供給し、全国土を難攻不落の要塞にかえなければなりません。

 次に、三大革命グループ運動を力強くくりひろげるべきです。

 いま、「80年代の速度」をつくりだす運動が力強くくりひろげられている我が国の社会主義建設の現実は、三大革命グループ運動をいっそう深化発展させることを求めています。

 我々は、革命発展の要求に即応して三大革命グループ運動をいっそう深化発展させるため、近いうちに三大革命グループ大会を開くことを予定しています。この大会は、我が党の三大革命路線と三大革命グループ運動方針の正しさと生命力を示威し、三大革命グループ運動をさらに強化する画期的な契機となるでしょう。

 三大革命グループの基本的任務は、当該単位の党組織を助けて、思想・技術・文化革命を力強くおし進めることです。

 三大革命グループはなによりもまず、思想革命を力強くくりひろげなければなりません。

 思想革命を力強くくりひろげるためには、大衆のあいだでいろいろな形式と方法で思想教育活動を活発におこなわなければなりません。三大革命グループは、常に大衆のなかにはいってかれらとともに働き、生活しながら、党の政策を広く解説、宣伝し、かれらを教育して党のまわりにかたく結集しなければなりません。特に、立ち後れた人を個別的に受け持って教育改造する活動をねばり強くくりひろげるべきです。

 思想教育とともに、思想闘争を強めなければなりません。すぐる10余年間の経験は、三大革命グループが思想闘争の武器をしっかり握ってはじめて、思想革命の課題を成功裏に遂行することができることを示しています。三大革命グループは、勤労者のあいだであらゆる古い思想の残りかすを根絶するたたかいをひきつづき強めなければなりません。

 技術革命を力強くおし進めなければなりません。

 三大革命グループは、科学と技術を発展させ、その成果を生産に導入する闘争を広範にくりひろげ、当該単位の幹部が、党の技術革命方針を貫徹するため積極的にたたかうよう、十分に援助しなければなりません。技術革新運動において、生産者と科学者、技術者をおしたて、かれらの発起を積極的に支持し、大衆がおさめた成果を一般化することにも相応の関心を払うようにすべきです。大衆的技術革新運動にブレーキをかけるあらゆる要素との闘争を強めて、人民経済の各部門、各単位で技術革新の火の手がいきおいよく燃え上がるようにすべきです。

 文化革命も力強くおし進めなければなりません。

 三大革命グループは、働きながら学ぶ教育体系をつうじて勤労者の文化知識水準を高める活動を十分に援助する一方、みずから大衆のあいだで先進的な科学技術知識を積極的に普及しなければなりません。勤労者のあいだで生産文化、生活文化をうち立てるという党の方針を広く解説し、それを貫徹するたたかいを力強くくりひろげて、工場と村、職場と家庭をきれいにととのえるようにすべきです。

 思想・技術・文化革命の遂行において三大革命グループに提起されている最も重要な任務は、党の路線と政策をしっかり掌握し、それが確実に貫かれるようにすることです。三大革命グループは、党の路線と政策が正しく貫徹されるようにするのが自己の本務であることを深く自覚し、党の路線と政策がそのつど正しく貫かれるよう、積極的にたたかわなければなりません。

 三大革命グループが、党の路線と政策を貫徹するたたかいでその本務をまっとうするためには、当該単位の活動とかかわりのある党政策を深く研究し、それに精通しなければなりません。

 党政策の実行状況を正しく掌握し報告することは、三大革命グループのなすべき重要な活動の一つです。党政策の実行状況にたいする掌握、報告を責任をもっておこなってこそ、党政策の貫徹過程であらわれる偏向をそのつど正し、党の路線と方針が確実に貫かれるようにすることができます。三大革命グループは、いつも党の路線と方針にもとづいてすべてのことをはかり、党政策の実行過程で提起される重要な問題をのこらず掌握して報告しなければなりません。

 三大革命グループは、党政策を貫徹する当該単位の活動を積極的に援助し、後押ししなければなりません。三大革命グループは、党政策の徹底した擁護者、貫徹者となり、その単位で党の路線と政策が正しく貫かれるよう、心から援助しなければなりません。

 三大革命グループは、党政策の貫徹において常に確固たる党の原則に立ってあらゆる否定的傾向と断固たたかわなければなりません。三大革命グループは、党政策を絶対性、無条件性の原則で貫徹しない傾向と、革命性、党性、労働者階級性、人民性がなく、人民生活に無関心な傾向と強い思想闘争をくりひろげ、すべての部門で党の路線と政策をあくまで擁護、貫徹する革命的気風を確立しなければなりません。これと同時に、幹部のあいだにあらわれる官僚主義、主観主義、形式主義、要領主義などあらゆる古い活動方法と作風を正す思想闘争を力強くくりひろげなければなりません。このようにして、すべての幹部がチョンサンリ(青山里)精神、チョンサンリ方法の要求どおり大衆のなかに深くはいって政治活動を先行させ、大衆をふるいたたせて提起される問題を解決し、すべての活動を着実におこなうようにすべきです。

 三大革命グループは、党政策を貫徹する闘争においてみずから模範を示し、率先垂範しなければなりません。党政策をあくまで貫徹するためには、党の与える革命任務の遂行に献身し、いかなる難関をも乗り越えていく不屈の革命精神がなければなりません。三大革命グループは、革命の前衛らしく党政策の貫徹過程で提起される困難な仕事の先頭に立ち、みずからの実践的模範によって大衆を党政策の貫徹へと力強く立ち上がらせなければなりません。

 党組織と協力してすべての問題を解決していくのは、三大革命グループの活動において一貫して堅持すべき重要な原則です。党組織は、その単位で三大革命のための闘争を責任をもって組織し実行し、三大革命グループは、三大革命の遂行を指導、援助し、推進させる任務を遂行します。三大革命グループは党組織と力をあわせてこそ、三大革命の遂行において党の意図を正しく具現し、その単位のすべての活動家を奮起させて思想・技術・文化革命を力強く促進することができます。三大革命グループは、その単位の党組織と常に緊密に協議し、活動計画も作成し、その単位の活動家の活動を、心から助ける立場でかれらと協力し、提起される諸問題を解決していかなければなりません。

 党の指導に忠実であることは、三大革命グループの活動で守るべき最も重要な原則です。三大革命グループは、党中央の指導のもとにひとしく動く革命的な活動体系を確立し、提起される重要な問題をそのつど党中央に集中させ、党中央の結論と指示に従って処理し、党の方針を無条件うけとめ、あくまで貫く革命的気風を確立しなければなりません。

 三大革命グループは、我が党の革命的活動方法と人民的活動作風を具現しなければなりません。三大革命グループは、すべての活動に政治活動を確固と優先させ、解説と説得の方法で大衆をふるいたたせて、提起された革命課題を遂行し、常に謙虚でおおらかに、礼儀正しく行動しなければなりません。人に接するさい、もったいぶり権力を乱用したりやかましくふるまうことなく、活動家を心からいたわり、援助する同志愛の精神を高く発揮しなければなりません。三大革命グループは、安逸と気のゆるみを排撃し、いつも気を引きしめて働き生活し、活動と生活で大衆の鑑となり手本とならなければなりません。

 三大革命グループは、党の親衛隊、突撃隊であり、党と領袖にたいする忠実性は三大革命グループの第一の生命であります。三大革命グループが党と領袖にたいする忠実性を革命的信念とし道義とし、いかなる逆境にあっても党と領袖を政治的、思想的に、生命をとして断固擁護防衛し、忠実にあおいでいくべきです。

 グループ活動の期間は、三大革命グループが生産者大衆のなかで学び、現実を体験し、みずからを革命的に鍛える大切な期間です。三大革命グループは、学習と組織生活を強化して、自己修養と鍛錬につとめるばかりでなく、実践をつうじて労働者階級の燃えるような忠誠心と高い階級意識、強い組織性と規律性、不屈の革命精神を学び、自分自身の思想的・精神的風格をたえず完成していくようにしなければなりません。

 三大革命グループ運動の強化発展をはかるためには、全党的、全社会的に三大革命グループ活動を助け、強く後押ししなければなりません。

 党組織は、三大革命グループの陣容をしっかりかためることに深い関心を払わなければなりません。三大革命グループ運動が党の意図どおり力強く展開されるか否かは、グループの陣容がいかにかためられるかに大きくかかっています。三大革命グループの陣容は、チュチェの革命的世界観が確立し、党と領袖にかぎりなく忠実であり、政治的、理論的に、技術的、実務的に準備され、闘争力の強い活動家と清新な新しい世代の青年インテリでひきつづき補充しなければなりません。

 三大革命グループがたえず入れ替わり、グループの陣容に革命的修養と鍛練の足りない多くの新しい世代がはいってきている状況のもとで、三大革命グループを革命的に教育し、鍛えることが極めて重要です。党組織は、三大革命グループに各時期に示される党の政策をそのつど浸透させ、かれらを正しく教育して政治的、思想的にしっかり準備させ、かれらがグループ活動をつうじて現実のなかで学び、革命的修養をつむよう積極的に援助すべきです。

 三大革命グループの活動を十分に援助するためには、グループにたいする観点を正さなければなりません。すべての活動家は、三大革命グループが思想、技術、文化の三大革命をより立派に遂行するため、我が党によって派遣された指導力量であることを正しく認識し、グループの提出する意見をすなおに受け入れ、かれらの事業と活動条件を十分に保障すべきです。幹部のあいだで、三大革命グループの活動に無関心であったり、思想・技術・文化革命の遂行を三大革命グループにのみまかせようとする誤った傾向があらわれないようにすべきです。

 道・市・郡党委員会の責任幹部と三大革命グループ事業部が、三大革命グループの活動を正確に掌握、指導して、グループが三大革命の遂行にたいする指導統制を党の意図どおり着実におこなっていくようにすべきです。

 私は、みなさんが現情勢の要求に即応して、我々の革命隊伍をいっそうしっかりかため、社会主義建設に新たな転換をもたらすものと確信します。

出典:冊子「社会主義建設をさらに促進するために」


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