金 正 日

人民生活をさらに向上させるために
朝鮮労働党中央委員会責任幹部協議会でおこなった演説
−1984年2月16日−


 人民生活をたえず向上させることは、我が党の活動の最高原則です。

 我が党は、人民の運命にたいして全面的に責任をもち、かれらにより裕福で文化的な生活をもたらすためにたたかう党です。我が党が全社会のチュチェ思想化の綱領をうちだし、社会主義・共産主義の建設をめざしてたたかっている目的も結局は、人民にもっと豊かな暮らしをさせることにあります。闘争する我が党にとって、経済建設を立派におこなって人民生活を向上させることより重要な課題はありません。

 人民生活を不断に向上させることは、我が国の社会主義制度の優位性をあますところなく発揮させるためにも切実に必要です。

 我が国の社会主義制度は、人民大衆が社会のあらゆるものの主人となっており、社会のあらゆるものが人民大衆に奉仕する、この世で最もすぐれた社会制度です。社会主義制度の真の優位性は社会生活の各分野にあらわれますが、国家が人民の物質・文化生活を全面的に責任をもって保障することに集中的にあらわれます。人民大衆が社会のあらゆるものの主人となっており、社会のあらゆるものが人民大衆に奉仕する、我が国の社会主義制度の真の優位性をあますところなく発揮させるためには、人民生活を画期的に向上させ、かれらが政治的にばかりでなく、物質的、文化的にも自主的で創造的な生活を心ゆくまで享受できるようにしなければなりません。

 祖国統一の偉業を一日も早く実現し、国の対外的権威と威信をさらに高めるためにも、人民生活を画期的に向上させなければなりません。

 我々は人民生活を画期的に向上させ、人民の物質・文化生活分野において北と南の差を雲泥の差にしなければなりません。そうすれば、南朝鮮人民は、共和国北半部を希望の灯台として仰ぎ、社会の民主化と祖国統一のたたかいにいっそう力強く立ち上がるでしょう。

 いま世界の人びとは、我が国を「チュチェの祖国」「社会主義の模範の国」といっています。我が国の対外的権威と威信は目ましに高まっており、世界の人民は我が国に学ぼうとしています。人民生活を画期的に向上させ、全人民が裕福で文化的な生活を思う存分享受できるようになれば、我が国の対外的権威と威信はいっそう高まることでしょう。

 人民生活を画期的に向上させて人民に裕福で文化的な生活を保障してこそ、かれらは我が国の社会主義制度の真の優位性を実生活の体験をつうじて深く認識し、このありがたい制度を命をかけて守りぬこうという政治的・思想的覚悟をもつようになります。これは、祖国解放戦争の歴史的経験がよく示しています。

 祖国解放戦争の時期、解放後5年しかたっていなかったので朝鮮人民にはなにもありませんでしたが、世界「最強」を誇るアメリカ帝国主義と戦い、偉大な勝利をおさめました。祖国解放戦争の時期、人民と人民軍軍人がアメリカ帝国主義者とその手先に反対して犠牲的精神を発揮して戦ったのは、けっして党の思想活動がうまくおこなわれたからではありません。実際上、解放後の平和的建設の時期と祖国解放戦争の時期には、反党反革命分派分子が党の思想活動部門に居座り、党員と勤労者を主席の革命思想と、我が党の輝かしい革命伝統で武装させる教育はおこなわず、外国の党史をはじめ、不要なものを押しつけ、事大主義と教条主義、民族虚無主義の思想を流布させました。率直にいって、当時の党思想活動はゼロにひとしいものでした。

 祖国解放戦争の時期、人民と人民軍軍人が党と領袖のため、祖国と人民のために英雄的に戦うことができたのは、解放後の5年間、金日成主席のふところに抱かれ生まれてはじめて幸福な生活を営み、祖国のふところ、主席のふところが、いかに大切なものであるかを切実に体験したからです。解放後、主席が真の人民の政権を樹立し、土地改革、産業国有化などの民主諸改革を実施してくれたおかげで、朝鮮人民は土地と工場の主人、国のれっきとした主人となり、真の生きがいを見いだし、幸福な生活を思う存分享受できるようになりました。それゆえ、労働者、農民をはじめ、勤労人民の息子と娘は、戦争が起こるや、主席の恩徳にむくい、主席の取りもどしてくれた祖国を守るため勇躍前線におもむき、党と領袖のため、祖国と人民のためにすべてをささげて英雄的に戦ったのです。敵の銃眼を胸でふさいで部隊の突撃路を開いた李寿福(リスボク)英雄にしても、5万余の敵の大兵力と最後まで戦って月尾(ウォルミ)島を守りぬいた李大勲(リテフン)英雄にしても、解放後、主席のふところのなかではじめて真の生活と幸福を見いだした労働者、農民の息子でした。解放後、系統的な革命的教育はうけなかったものの、人民は実生活の体験をつうじて主席の恩徳と人民民主主義制度の真の優位性を深く認識していたので、かれらの世界観には根本的な変化がもたらされたのです。

 停戦後もはや30年がすぎ、人民の物質・文化生活にたいする要求も非常に高まりました。人民の生活がかつて麻の粗衣を着ていたときにくらべればよしだといっていた時期は既に過ぎ去りました。人民に空の食器をさしだして社会主義制度はすばらしいと教育したのでは、かれらは社会主義制度の真の優位性を深く認識することができず、社会主義的愛国主義思想を身につけることができません。一朝有事の際に全人民がこぞって立ち上がり、党と領袖のため、祖国と人民のために命をかけてたたかうようにするためには、党員と勤労者のあいだで思想教育を強めるとともに、人民の物質・文化生活をいちだんと向上させなければなりません。

 我が党は、人民生活向上の問題が革命と建設で極めて重要な位置を占めているので、革命発展の各時期、各段階をつうじて、常に人民生活の向上に深い関心を払ってきました。

 主席は第6回党大会で、全社会をチュチェ思想化する歴史的偉業の要求に即して社会主義経済建設を促進し、人民の物質・文化生活水準を画期的に高めるという方針をうちだし、その遂行方途まで具体的に示しました。最近も主席は、党中央委員会政治局会議をはじめ諸会議で、人民生活をいちだんと向上させてから第7回党大会を開くべきであると述べました。人民生活をいちだんと向上させてから第7回党大会を開こうというのは、我が党の確固たる決意であります。

 みなさんは党の意図を明確に認識し、革命性、党性、労働者階級性、人民性を高く発揮し、人民の物質・文化生活水準をいちだんと高めるために奮闘すべきです。

 人民生活を向上させるためには、なによりもまず農業を立派に営まなければなりません。

 農業を立派に営んでこそ、穀物をはじめ、各種の農産物を量産し、人民の食の問題を解決することができます。

 人民生活で食の問題を解決することは極めて重要です。衣服や住宅などはなくてもなんとかがまんできますが、空腹とは妥協できません。

 さきごろの党中央委員会政治局会議で主席は、人民生活において食の問題が極めて重要であるので、衣食住という言葉を食・衣・住とするのがより正確であると述べました。人民の食の問題を解決するには、農業を立派に営んで農業生産を増大させなければなりません。

 我が党はこれまで、農業生産を増大させるため農業第一主義の方針をうちだし、終始一貫これに深い関心を払ってきました。その結果、我が国では農業の水利化と電化が完成されて久しく、農業の総合的機械化と化学化が力強く推進され、農業の物質的・技術的土台がしっかりときずかれました。

 しかし、昨年、幹部がチュチェ農法の要求どおりに農業を正しく指導せず、農業部門にたいする投資を増やさなかったため、農業生産は頭打ちの状態にあります。昨年のように農業を営んだのでは、農業生産をすみやかに増大させることができず、人民の食の問題を円滑に解決することもできません。我々はどうあっても農業を立派に営み、1980年代の社会主義経済建設の十大展望目標に予定されている1500万トンの穀物生産目標を達成しなければなりません。

 農業で成果をおさめるには、農業部門にたいする投資を大幅に増やさなければなりません。そうしてこそ、農業の物質的・技術的土台を強化し、農業生産をひきつづき高めることができます。農業部門にたいする投資を増やして、一日も早く農業の総合的機械化と化学化を実現すべきです。

 なによりも、肥料を量産して農村に送らなければなりません。肥料は、すなわち米であります。肥料工場を適時に整備、補強し、設備をフルに稼働させ、我が国の土壌条件と農作物の生物学的特性にかなった効能の高い各種肥料を量産して農村に送るべきです。

 能率的な各種の農業機械もたくさん生産して農村に送らなければなりません。そうしてこそ、農業の総合的機械化を実現して農業労働と工業労働の差を縮め、農民を骨のおれる労働から解放し、農業生産を不断に高めることができます。

 トラクターは、農業生産で最も重要な労働手段であり、その保有台数は農業の機械化水準を評価する基準となります。トラクターは耕転、播種、除草、収穫、運搬など、各種の農作業を受け持っています。農村にトラクターさえ供給すれば、農作業の機械化比率をいちだんと高めることができます。トラクター工場をフルに操業させ、トラクターを増産して農村に送るべきです。

 トラクターとともに苗取り機、田植機、稲刈機、脱穀機など、能率的な各種の中小農業機械とトラクター用農機具もたくさん生産して農村に送らなければなりません。

 農業機械の修理基地の建設にも国家投資をおこない、農業機械の修理能力を高めるべきです。

 農村に燃料油、農薬、フィルムなどの営農物資と資材も十分に供給すべきです。燃料油、農薬、フィルムなどの営農物資と資材のうち、国内生産の可能なものは自力で生産し、国内生産が困難なものは外国から買い入れてでも適時に供給しなければなりません。

 海面干拓と新しい土地開墾運動を力強くくりひろげるのは、穀物生産の増大における重要な課題の一つです。

 我が国では農村技術革命が力強くおし進められ、チュチェ農法が貫徹されて農業生産が高度に集約化され、ヘクタール当たりの穀物収穫高は極めて高い水準に達しています。いまとなっては、ヘクタール当たりの収穫高を高める方法だけでは、穀物生産をひきつづき増やすのはむずかしくなりました。穀物生産を増やすには、ヘクタール当たりの穀物収穫高を高めるとともに、海面干拓をおこない、新しい土地を大々的に開墾して耕地面積を増やさなければなりません。

 全党、全国、全人民が立ち上がって海面干拓と新しい土地開墾運動を力強くくりひろげ、耕地面積をさらに拡張すべきです。

 30万ヘクタールの海面干拓をおこなうのは、1980年代社会主義経済建設の十大展望目標の一つであり、短期間のうちに多くの耕地面積を拡張する最も積極的な方途です。30万ヘクタールの海面干拓が完成すれば、国土の面貌もかわり、我が国はいっそう美しく住みよい人民の楽園となるでしょう。

 海面干拓を力強く展開するには、準備建設を先行させなければなりません。採石場とコンクリート部材の生産基地をしっかりととのえ、海面干拓に必要な石とコンクリート部材をたくさん生産し、修理基地を充実させ、設備を適時に補修してフルに稼働させるべきです。鉄道敷設工事と変電所の建設など、ほかの重要建設にも拍車をかけて早期完工すべきです。

 海面干拓を力強くくりひろげるためには、必要な条件を十分に保障しなければなりません。海面干拓は広い海をせきとめて土地を獲得する大自然改造事業であるので、これには多くの労働力と設備、資材を要します。労働力と設備、資材を十分に提供しなければ、海面干拓を促進することができません。掘削機とブルドーザー、引船とトウボート、鋼材とセメントなど、海面干拓に必要な設備と資材を適時に生産供給すべきです。

 技術革新運動を力強くくりひろげて海面干拓作業の機械化比率を不断に高め、我が国の実情にかなった新しい施工方法と技術を研究し、それを大胆に取り入れ、海面干拓の速度をさらにはやめるべきです。

 新たに造成された干拓地ですぐ農業が営めるよう、地区内工事を立派におこなうのは、海面干拓に劣らず重要です。海面干拓を大々的におこなっても、すぐ農業を営むことができなければ、それは空閑地にすぎません。海面干拓を大々的におこなうとともに、そこに水路を設けて用水および排水システムを確立し、土地整理をして道路をつくるといった地区内工事を追いつかせ、干拓地ができあがりしだい農業が営めるようにすべきです。

 新しい土地開墾運動も力強くくりひろげなければなりません。我が国には、耕地として利用できる未開拓の土地がたくさんあります。それは山間部、平坦部をとわず、どの地帯にもあります。開墾対象地を正確に調査、掌握し、開墾目標を明確に立て、労働力と機械手段を集中してより多くの土地を獲得すべきです。

 農業生産を増大させるためには、チュチェ農法を貫徹しなければなりません。

 チュチェ農法は、主席が長いあいだ農業部門の活動を指導する過程でみずから創造した、最も先進的で科学的な農法です。チュチェ農法の要求どおり農業を営めば、いかに不順な自然・気候条件のもとでも、安全な多収穫をおさめ、農業生産をひきつづき増大させることができます。

 適地適作、適期適作の原則を厳守するのは、チュチェ農法の重要な要求の一つです。

 農業部門では地帯別、筆地別の特性と農作物の生物学的特性に即して品種を配置するとともに、適期に種まきをしなければなりません。特に、我が国の主要農作物である稲とトウモロコシの品種を地帯別、筆地別の特性に即して配置し、田植えとトウモロコシ栄養ポット苗の移植を適期におこなうべきです。

 チュチェ農法を貫徹するうえで重要なのはまた、科学的施肥方式を確立し、それにもとづいて肥料をほどこすことです。チュチェ農法の要求どおり、地帯別の土壌条件と農作物の生物学的特性に応じて施肥量を正しく定め、肥料を科学的・技術的原理に即してほどこし、その効率を最大限に高めるべきです。

 育種体系を確立し、品種改良に力をそそぐべきです。これまで農業科学部門の活動家は、一線の革命をおこなうという党の方針に従って品種改良を力強くくりひろげた結果、多くの成果をおさめました。しかし、我々はけっしてこれに満足するわけにはいきません。耕地面積がかぎられ、農業生産が高度に集約化されている我が国で、穀物生産をひきつづき増大させるには、育種事業を強化して新たな多収穫品種をたくさんつくりださなければなりません。農業部門の科学者、技術者の役割を高め、我が国の気候風土に適し、いかに不順な自然・気候条件のもとでも安全な多収穫が得られる新品種をたくさんつくりだすべきです。

 チュチェ農法の要求どおり田畑に緑肥作物を植え、良質の堆肥と鉱物質肥料を多量にほどこして地力を高めるべきです。

 チュチェ農法を貫徹するためには、農業部門の幹部と農場員にチュチェ農法を深く認識させなければなりません。チュチェ農法は科学的、技術的な農法であるので、チュチェ農法の要求を原理的に深く認識しないことには、それを貫徹することができません。農業部門の幹部と農場員のあいだでチュチェ農法にかんする講習と方式講習、技術伝習会などを実質的におこない、かれらがチュチェ農法の原理と要求をはっきりと認識し、農業を科学的、技術的に営むようにすべきです。チュチェ農法を貫徹するための技術指導書と参考書もたくさん出版し、農業部門の幹部と農場員に深く学習させるべきです。

 チュチェ農法を貫徹するためにはまた、それに反する行為と強い思想闘争をくりひろげなければなりません。チュチェ農法を貫徹する活動も、古いものを克服し新しいものを創造する一つの革命である以上、闘争なくしてはうまくいきません。党組織は、経験主義、保守主義、消極性のとりこになってチュチェ農法に疑問をいだいたり、チュチェ農法の要求に反する行為にたいしては、たとえ、それが些細なことであってもそのつど問題視し、強い思想闘争をくりひろげるべきです。

 今年は、主席が『我が国における社会主義農村問題にかんするテーゼ』を発表して20年になる意義深い年です。我々は今年、農業を立派に営んで1000万トンの穀物生産目標を達成し、主席に喜びを与え、社会主義農村テーゼの正当さと生命力を全世界に示さなければなりません。

 今年度の農業を立派に営むためには、昨年度の営農総括を正しくおこなわなければなりません。

 農業部門の党組織と幹部は、農村テーゼ総括指導グループと力をあわせて、昨年度の営農における本質的欠陥とその原因をつきとめ、今年度の営農で成果をおさめるための革命的な対策を立てるべきです。

 さしあたっては、今年度の営農準備に万全を期するべきです。堆肥の生産と苗床の準備、農業機械と小農具の準備など営農準備を着実におこない、今年度の営農になんらの支障もないようにすべきです。

 今年度の農作で成果をおさめるためには、農業部門にたいする支援を強化しなければなりません。各種の営農物資と資材、堆肥をたくさん生産して農村に送り、冷床稲の種おろしと田植えの時期には支援労働力を責任をもって農村に派遣すべきです。

 人民生活を向上させるためには、水産業をさらに発展させなければなりません。

 三面が海にかこまれている我が国で水産業を発展させるのは、人民の副食物問題を解決するよい方途の一つです。

 漁船を現代化、万能化し、科学的な漁労法を広く導入して漁獲量を増やすべきです。

 漁獲量を増やすとともに、それを上手に加工しなければなりません。いくら多くの魚を捕っても、それを上手に加工しなければなんにもなりません。冷凍設備をはじめ、水産物加工設備を十分に整備、補強し、設備をフルに稼働させて、捕った魚を一匹も腐らせることのないよういちはやく加工すべきです。

 人民生活を向上させるためには軽工業革命を起こさなければなりません。軽工業革命を起こし良質の各種一般消費物資を量産してこそ、人民の生活をより豊かで文化的なものにすることができます。

 軽工業革命を起こす党の方針を貫いて、一般消費物資の生産に新たな転換をもたらすべきです。

 紡織工業を発展させて織物生産を増やすことは、人民の衣料問題を解決するうえで極めて重要な意義をもちます。人間にとって、衣料問題は食糧問題に劣らず重要だといえます。衣料問題をぬきにしては、人民の幸せな生活について語ることはできません。人民の衣料問題を解決するためには、紡織工業を発展させて織物生産を増やさなければなりません。

 織物生産を増やすうえで重要なのは、国産繊維にもとづいて紡織工業を発展させをことです。国産繊維で織物を生産してこそ、紡織工業の自立性と主体性を保障し、人民の衣料問題を自力で解決することができます。

 紡織工業部門では、ビナロン、スフなど国産の化学繊維をもって、丈夫で紋様の美しい、人民の好みにあった各種の織物を量産すべきです。

 織物生産でニットの生産比率を高めることが重要です。ニットは、ほかの織物にくらべて糸も少なくてすみ、ニット・ウェアは見栄えがするし、着るにも便利です。ニットを多く生産するのは世界的な趨勢です。紡織工業部門では、人民の好みにあった各種のニットを量産すべきです。

 人民の衣料問題をより円滑に解決するためには、縫製品工業部門で子供服、学生服、大人服など各種の既製服をスマートなものにつくらなければなりません。

 衣服の生産を専門化し、加工技術をたえず発展させ、社会主義的生活様式と朝鮮人の体つきにマッチした衣服様式を確立するための被服研究に力をそそぐべきです。

 食品加工工業を発展させるのは、人民の食生活水準を高め、女性を炊事の重い負担から解放する重要な裏付けです。食品加工工業を発展させてこそ、人民においしくて栄養価の高い各種の加工食品を供給して、食生活をいっそう豊かで多様なものにし、生活を文化的なものにすることができます。

 食品加工において我が党が一貫して堅持している原則は、人民が切実に求める食品をおいしく、廉価に、そして食べやすく加工することです。食品加工工業部門で主体性を確立し、人民の好みにあった各種の食品を廉価に、食べやすくつくるべきです。

 加工食品の品目と量も増やさなければなりません。食品加工工業部門では、主食物加工品と副食物加工品、幼児食品、各種の清涼飲料などを量産すべきです。

 加工食品の生産を増やすには、食品加工を工業化、迅速化しなければなりません。食品加工工業部門では、現代科学技術の成果を広く導入して、食品を工業的方法で適時に加工し、食品加工で衛生性と文化性を保障すべきです。

 靴は一般消費物資の重要な構成部分であり、靴の生産を増やすのは人民生活の向上で極めて重要な意義をもちます。我が党は、製靴革命を起こし良質で格好のよい各種の靴を量産するという方針を示しました。党のこの方針を貫徹して、良質の靴をたくさん生産すべきです。

 靴の生産で重要なのは、種類と量を増やし、質を改善することです。性別、年齢別、季節別、職種別に応じたいろいろな種類と形態の靴を量産するとともに、革靴をはじめ、冬靴の比率をさらに高めるべきです。

 靴の生産でサイズ別の需要をみたすことが極めて重要です。生産を増やすにしても、サイズ別の需要を考慮せずに同サイズのものばかり生産したのでは用をなしません。製靴工業部門では、安易な方法で同サイズの靴を量産する傾向をなくし、勤労者の需要に応じて各サイズの靴を生産すべきです。

 靴の質もさらに高めなければなりません。我が国で住民一人当たりにゆきわたる靴は少なくありませんが、質がよくないので勤労者の需要をみたせないありさまです。製靴工業部門に良質の原料と資材を供給するとともに、労働者の技術・技能水準をさらに高め、現代的美感と人民の好みにあった丈夫な靴を生産すべきです。特に、ハイヒールと運動靴を格好よくつくるべきです。

 日用品は、生活になくてはならない重要な消費物資です。

 現在、一般消費物資の生産においていちばん沈滞気味なのが日用品です。我が国で生産される日用品は品目が少なく、質もよくありません。日用品工業に力を入れ、勤労者の生活に必要な各種の日用品を量産すべきです。

 家庭用品と台所用品は、勤労者の生活に切実に必要な生活必需品です。洋服だんす、寝具だんす、ミシン、洗濯機、食器、冷蔵庫など、各種の家庭用品と台所用品を大量に生産すべきです。

 学用品と文化用品もたくさん生産しなければなりません。ノートと鉛筆、テレビ、時計、カメラ、自動カミソリ、おもちゃなど、各種の学用品と文化用品を量産すべきです。

 日用雑貨の生産も増やさなければなりません。日用雑貨は、こまごました品物ではありますが、それがなければ日常生活に不便をきたすものです。日用雑貨の生産に力をそそいで、その品目と量を増やすとともに、質を決定的に高めなければなりません。

 日用雑貨の生産を大衆あげての運動としてくりひろげるべきです。

 日用雑貨は、品目が多種多様で、需要が非常に多いので、いくつかの専門工場の生産だけでは人民の需要をみたすことができません。日用雑貨にたいする人民の需要をみたすには、専門工場だけでなく、人民経済の各部門で日用雑貨を生産しなければなりません。

 金属工場、機械工場をはじめ、人民経済各部門の工場、企業所では、生活必需品を生産する職場や作業班をよくととのえ、工場の副産物や廃物を利用して各種の日用雑貨を量産すべきです。居住人民班にも、家内作業班を設け、日用雑貨をたくさん生産すべきです。

 軽工業革命を起こすためには、軽工業部門の工場をフルに操業させ、高い水準で生産を正常化しなければなりません。

 主席の賢明な指導のもとに、各地に近代的な軽工業部門の工場が建設され、その生産潜在力は極めて大きいものがあります。現存の軽工業部門の工場をフルに操業させて生産を正常化するだけでも、一般消費物資の生産に大きな転換をもたらし、人民生活をいちだんと向上させることができます。

 軽工業部門の工場をフルに操業させて生産を正常化するためには、工場、企業所が設備の管理に万全を期さなければなりません。

 工場、企業所では、設備の状態を定期的に調べて適時に補修、整備し、スペアの部品を十分に確保しておく必要があります。設備の利用において技術規定と標準操作法を厳守し、技術工学上の要求に即して設備を正しく扱い、設備の管理で厳格な規律と秩序を確立しなければなりません。特に、機械工のあいだで模範機械創造運動を力強くくりひろげ、かれらが機械設備を自分の瞳のように愛護し管理するようにすべきです。

 軽工業部門の工場をフルに操業させて生産を正常化するにはまた、原料と資材を十分に供給しなければなりません。いま、原料と資材が十分に供給されないため、生産に支障をきたしている工場が少なくありません。

 軽工業部門の工場に原料と資材を十分に供給するためには、化学工業を発展させて各種の化学製品を大量に生産しなければなりません。

 化学工業に力を入れて化学繊維と合成樹脂、苛性ソーダと炭酸ソーダなど、各種の化学製品を量産し軽工業部門に供給すべきです。

 軽工業部門で不足している原料と資材を解決するためには、自己の強固な原料基地をきずかなければなりません。

 地方産業工場では、原料と資材を中央からの供給に頼ってばかりいないで、地元の具体的実情に即して、自力で強固な栽培原料基地と天然原料基地をきずき、立派に管理して、栽培原料と天然原料を効果的に利用すべきです。各地方では中小規模の工場をよくととのえ、軽工業に必要な各種の原料と資材を大量に生産すべきです。

 軽工業に必要な原料と資材の全量を自力で解決できない状況のもとで、国内生産が不可能であったり、不足する一部の原料と資材は外国から買い入れるべきです。軽工業部門では多額の外貨を獲得し、国内生産が不可能であったり不足する原料と資材を輸入し、軽工業部門の工場をフルに操業させるべきです。

 軽工業部門の工場を現代化するのは、軽工業革命を起こす重要な方途の一つです。軽工業部門の工場を現代化してこそ、生産を最大限に増やし、大きな元手をかけなくても一般消費物資を増産することができます。

 軽工業部門では、技術革命を力強くくりひろげて生産施設を近代的に改造し、設備を現代化、高速化し、生産工程の総合的機械化とオートメ化を実現しなければなりません。生産工程が不合理なものは合理的で能率的なものに改編し、前後の処理工程など欠けている工程を完備して、基本生産工程と補助生産工程間のバランスを保つべきです。

 製品の包装をきれいにするのは、軽工業革命を起こすうえで極めて重要な意義をもちます。いくら立派な一般消費物資を生産しても、包装をきちんとしなければ品質を保証することができません。包装革命を起こし、製品の包装をきちんと体裁よくするようにしなければなりません。

 製品の包装は、包装設備を完備して規格別にすることにし、堅固さと文化性・衛生性を保障し、運搬、保管、利用の便宜をはかるようにすべきです。

 包装材の生産基地を強固にきずいて各種の包装材を量産するとともに、包装方法をたえず改善しなければなりません。

 軽工業革命を起こすためには、人民経済の各部門が軽工業を積極的に援助しなければなりません。

 軽工業革命は、人民に裕福で文化的な生活をもたらす誇りある事業であり、すべての幹部が受け持って遂行すべき栄誉ある事業です。一般消費物資の生産については、軽工業部門の活動家だけでなく、人民経済各部門のすべての活動家が責任を負わなければなりません。人民経済の各部門が軽工業を積極的に援助しなければ、一般消費物資の生産を増やすことができません。人民経済のすべての部門が、人民生活に責任を負う主人としての立場に立って軽工業を積極的に援助すべきです。

 軽工業を援助するうえで重要なのは、設備と原料、資材を適時に生産、供給することです。一般消費物資の生産は、ほかの部門との密接なつながりのもとになりたっているので、関連部門が設備と原料、資材を適時に生産、供給しなければ、軽工業部門工場の生産を正常化することができません。

 機械工業と金属工業をはじめ、人民経済の各部門が設備と原料、資材を適時に生産して軽工業部門に送らなければなりません。

 軽工業部門に設備と原料、資材を適時に運搬するのは、生産に劣らず重要です。交通運輸部門では輸送組織を綿密におこない、軽工業部門に必要な設備と原料、資材を適時に運搬すべきです。

 軽工業を現代化、科学化するうえで提起される科学技術上の問題も責任をもって解決しなければなりません。軽工業部門に国家的規模の科学技術陣を動員し、実験室と中間実験工場、設備、資材など、科学研究に必要な物質的・技術的手段を計画的に保障するとともに、科学研究の成果を広く生産に導入しなければなりません。

 サービス革命も力強くくりひろげなければなりません。そうしてこそ、人民にいっそう便利な生活条件を保障することができます。

 サービス革命で重要なのは、人民への商品供給を円滑におこなうことです。

 良質の一般消費物資がいくら多く生産されても、商品の供給が円滑になされなければ、人民生活は向上しません。人民へのサービスを業とする部門では商品の供給活動を改善し、人民に商品を円滑に、便利に供給すべきです。

 人民への商品供給を円滑におこなうためには、注文制を実施しなければなりません。

 注文制は、すべての勤労者に消費物資を計画的に、均等に供給する最も人民的な商品供給制度です。

 注文制による商品供給システムを確立し、商品需要の研究、商品の確保と割当て、供給を責任をもっておこなわなければなりません。特に、機関独自の加工を広くおこなってより多くの商品を確保し、確保した商品を地域別、季節別、階層別の特性と需要に応じて正しく割り当て、責任をもって供給すべきです。

 農村への商品供給活動に力を入れなければなりません。農村に商品を十分に供給しなければ、農民の生活をすみやかに向上させることも、かれらの生産意欲を高めることもできません。農村供給用の商品フォンドを別個に定め、農民の生活に切実に必要な工業製品や食品など各種の商品を大量に供給すべきです。

 炭鉱、鉱山をはじめ、重要工業地区と前線地帯への商品供給活動にも深い関心を払うべきです。

 車内商業を改善するための商品供給活動にも力を入れなければなりません。車内商業を改善するための商品供給システムを確立し、旅客に加工食品と地方特産物を販売すべきです。

 商店網を合理的に配置し、その物質的・技術的土台をしっかりきずくのは、商品供給活動を改善するための重要な要求です。商店網を合理的に配置し、その物質的・技術的土台をしっかりきずいてこそ、商品の確保と保管・管理、供給を円滑におこない、商業が人民生活の向上によりよく寄与することができます。工業製品店と食料品店、総合商店と専門店、職場商店などを人民の生活に便利なように配置し、必要なところには小規模の売店と移動売場も設けるべきです。商店を現代的美感にかなうようこぎれいにととのえ、自動販売機とレジスター、商品の保管場と陳列場、計量・計測設備など、近代的な商業設備と備品をそなえ、食料品店の冷凍化を実現すべきです。

 サービス革命で重要なのはまた、公共給食事業を改善することです。

 公共給食事業は、勤労者の食生活を改善し、女性の家庭的負担を軽減する重要なサービス事業です。

 こんにち我が国では、勤労者の収入の増大にともなって、公共給食にたいする人民の需要が日ましに高まっています。公共給食部門では、増大する人民の需要に応じて公共給食事業を改善して勤労者の生活上の便宜をはかり、町と村がにぎわうようにすべきです。

 食堂や清涼飲料店などの公共給食施設を大々的に増やすべきです。

 住民の生活上の要求と特性に即して、都市に大規模の近代的な総合食堂と専門食堂を建設するとともに、いたるところに小規模の食堂を設け、勤労者の生活上の便宜をはかるべきです。清涼飲料店も、都市の中心区域をはじめ、人が集まるところにはすべて設け、各種の清涼飲料を十分に供給し、勤労者がいつでも買って飲めるようにすべきです。

 都市と労働者区に炊飯工場とパン工場をたくさん設け、住民がいつでも飯、そば、パンなどを交換していけるようにすべきです。

 公共給食事業を改善するうえで重要なのは、飲食物の種類を増やし、その質を高めることです。定食と料理を多く供給することを基本とし、朝鮮人民の民族的特性と地方の特性をよく生かす原則で飲食物の種類を増やすべきです。公共給食部門の従事者の技術・技能水準を一日も早く高め、飲食物の加工を専門化、科学化、現代化して、その質をいちだんと高めなければなりません。

 公共給食網に必要な原材料を十分に供給すべきです。そうしてこそ、飲食物の加工を正常化してその質を高め、人民に切らすことなく供給することができます。

 公共給食の原材料の需要を正確に見積って原材料供給計画を立て、公共給食網に各種の原材料をバランスよく正常に供給すべきです。

 公共給食綱では、上部からの供給に頼ってばかりいないで、必要な原材料を自力で生産、利用するため積極的に努力しなければなりません。

 公共サービス事業は、人民へのサービス活動の重要な構成部門の一つです。公共サービス事業を円滑に運営してこそ、人民の物質・文化生活を大きく助け、かれらの健康をよりよく保護し増進させることができます。

 公共サービス部門では、自力更生の革命精神を高度に発揮してサービス施設を立派にととのえ、従事者の技術・技能水準を高め、公共サービスの質を決定的に高めるべきです。衣服の加工と生活必需品の修理・修繕をていねいにし、衛生・便益サービス事業の改善をはかるべきです。

 増大する人民の需要に応じて、公共サービスの業種も増やさなければなりません。公共サービス部門では業種を多様化し、人民へのサービスをゆきとどいたものにすべきです。

 サービスの手配りと方法を改善しサービスを向上させるのは、サービス革命における重要な課題の一つです。

 人民の生活上の便宜を最大限に保障する原則で、サービスの手配りと方法をたえず改善すべきです。人民の生活上の要求に応じて、朝夕のサービス、巡回サービス、注文・配達サービス、移動販売、細分販売など、サービスのいろいろな形式と方法を広く取り入れ、営業時間を、生産に支障をきたさず、しかも人民の生活に便利なように定めるべきです。

 サービス精神は、サービス部門の従事者が必ず身につけるべき重要な品性です。サービス精神が欠けている人は、サービス活動を立派におこなうことができず、この部門で働く資格がありません。サービス部門の従事者にたいする教育活動を強化し、かれらが人民の生活を責任をもって見守る人民の忠僕としての高い自覚と誇りをもち、人民の生活上の便宜をよりよく保障するためすべてをささげて働き、いつも親切に、礼儀正しく客に接するようにすべきです。

 住宅をたくさん建設するのは、人民に文化的で安定した生活条件を十分に保障するための極めて重要な事業です。食糧と一般消費物資をいくらたくさん生産しても、住宅がなければ、人民は安定した生活を営むことができません。

 住宅建設に深い関心を払い、都市と農村に住宅を大々的に建設すべきです。

 新築する住宅は、現代的美感にマッチし、しかも人民の生活に便利なように建設し、各種の家具と近代的な台所用品をとりそろえるべきです。

 住宅問題を解決するためには、住宅建設を大衆あげての運動としてくりひろげなければなりません。機関、企業所は、地方の建材と遊休資材、潜在労働力を積極的に利用し、自力で多くの住宅を建てるべきです。

 我々は第7回党大会を前にして、人民の物質・文化生活水準をいちだんと高めるために奮闘し、人民がより豊かで文化的な生活を存分に享受できるようにしなければなりません。

出典:冊子「人民生活をさらに向上させるために」


ページのトップ


inserted by FC2 system