金 正 日

マルクス・レーニン主義とチュチェ思想の旗を高くかかげて進もう
カール・マルクス誕生165周年および死去100周年に際して発表した論文
-1983年5月3日-


 国際労働者階級の偉大な指導者であり、科学的共産主義学説の創始者であるカール・マルクスが生存し、活動したときから1世紀の歳月が流れた。カール・マルクスは人類解放偉業に偉大な貢献をなし、その不滅の業績によってマルクスの名は、こんにちなお万国の労働者階級と人民の胸に貴く宿されている。

 マルクスの生涯は傑出した思想家・理論家、偉大な革命家の生涯であった。マルクスは国際共産主義運動の起源を開き、労働者階級と人民大衆の自由と解放をめざす闘争に根本的な転換をもたらした。進歩的人民は、労働者階級と勤労人民の神聖な革命偉業にささげられたマルクスの輝かしい生涯と大いなる貢献を永久に追憶するであろう。

 マルクスの人類に対する最も大きな貢献は、マルクス主義を創始して労働者階級に解放闘争の強力な思想的・理論的武器を与えたことである。

 労働者階級の革命思想は時代の要請と人民大衆の志向を反映して生まれる。

 19世紀の前半期、ヨーロッパ諸国では資本主義が急速な発展を遂げたが、それは労働者階級に対する過酷な搾取と抑圧をともなった。こうして労働者階級は、資本家の搾取と抑圧に反対する闘争に立ち上がった。

 資本家に対する労働者階級の闘争は、その前途をさし示す革命思想と理論を求めた。これはマルクスがエンゲルスとともに労働者階級の階級的志向と利害関係を反映したマルクス主義を提示することによって解決された。

 マルクスはドイツの古典哲学、イギリスの古典経済学、フランスの空想的社会主義学説など、当代における先進的思想・理論の批判的な検討と資本主義社会の矛盾の分析に基づいて、弁証法的および歴史的唯物論の原理を明らかにし、剰余価値学説を提示し、資本主義滅亡の不可避性と共産主義勝利の必然性を論証して社会主義を空想から科学に変えた。

 マルクスの卓抜な功績によって労働者階級ははじめて、科学的世界観をもって社会発展の法則を把握し、階級的解放の実現と明るい新社会建設の前途を見通すようになった。

 マルクスは資本主義社会の階級関係の分析に基づき、資本家の支配を一掃し、人間による人間の搾取を最終的に廃絶し、新しい共産主義社会を創造する使命を担った最も先進的かつ革命的階級はほかならぬ労働者階級であることを明らかにし、ブルジョアジーに対する労働者階級の階級闘争は必然的にプロレタリアートの独裁をもたらすことを宣明した。階級闘争とプロレタリアート独裁に関するマルクス主義思想は、階級的解放と共産主義の実現をめざす労働者階級の闘争の強力な武器となった。

 マルクス主義の創始は、労働者階級の革命闘争発展において画期的意義をもつ出来事であった。マルクス主義の創始によって、労働者階級と勤労人民大衆は科学的な革命理論と戦略・戦術をもって自由と解放、社会主義・共産主義をめざしてたたかう新しい時代に入った。

 マルクスは、プロレタリア革命の黎明期に労働者階級と被搾取勤労人民大衆に解放闘争の武器を与えただけでなく、みずから革命闘争に参加してその前途を切り開いた。

 マルクスは、科学的社会主義を労働運動と結合させるため精力的に活動し、資本主義に反対し、労働者階級の解放偉業の達成をめざして積極的にたたかった。

 マルクスは、労働者階級の革命闘争においてその前衛部隊を組織する必要性を明らかにし、党建設に大きな力を注いだ。マルクスは共産主義者同盟を結成し、エンゲルスとともに『共産党宣言』を作成して世に発表することにより、労働者階級が科学的な綱領をもって革命的党の指導のもとにたたかう共産主義運動の端緒を開いた。マルクスの第一インターナショナル創立によって、労働者階級は国際的連帯を強めながら革命闘争をさらに積極的に進められるようになった。

 労働者階級の革命偉業は、あらゆる階級敵との激しい闘争を通じて勝利してきた。ブルジョアジーとその手先らは最初からマルクス主義を極度に憎悪し、これを抹殺しようと悪らつに策動した。マルクスは革命活動の全期間、ブルジョア反動派および各種各様の日和見主義者と妥協することなくたたかって、労働者階級の革命偉業を守り、その勝利の道を切り開いた。

 マルクスの活動時期以来、歴史は大きく前進し、世界の様相は根本的に変化した。マルクスの学説は世界の共産主義者と革命的人民によって継承、具現され、マルクス主義はたえまなく発展してきた。

 マルクスの偉業を継承したレーニンは、帝国主義とプロレタリア革命期の新たな歴史的条件に即応してマルクス主義を創造的に発展させ、レーニン主義を提示した。レーニン主義のもとに十月社会主義革命が勝利し、初のプロレタリア独裁国家が誕生した。マルクスが創始し、レーニンが発展させた労働者階級の革命思想、マルクス・レーニン主義は、国際労働者階級の革命闘争と人民大衆の解放偉業を力強く励ました。

 こんにち、世界の多くの国で社会主義が勝利をおさめ、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国の数億の人民が帝国主義、植民地主義の従属と抑圧から脱して新しい生活を創造している。これは労働者階級の革命偉業、共産主義偉業の遂行における偉大な転換であり、各国の共産主義者と革命家、革命的人民が血をもってたたかいとった歴史的勝利である。

 労働者階級の革命運動において、指導者は決定的な役割を果たす。国際共産主義運動の歴史は、既にその開拓期にマルクスの活動を通じてこの貴い真理を実証した。もし、労働者階級の最初の指導者であるマルクスが国際労働者階級にマルクス主義を与えていなかったならば、かれらは自己の歴史的使命に目覚めず、暗黒のふちをさまよい、革命闘争を勝利のうちに進めることができなかったであろう。また、レーニンが帝国主義時代のプロレタリア革命の理論と戦略・戦術であるレーニン主義を示してロシアの労働者階級を闘争に決起させなかったならば、世界最初の社会主義国家も出現しなかったであろう。

 共産主義運動の過去と現在にとどまらず、将来もまた労働者階級の革命偉業は指導者の導きのもとに成功裏に前進するであろう。

 マルクス・レーニン主義は、日本帝国主義植民地支配当時、民族的および社会的解放をめざす朝鮮の共産主義者と人民の闘争に曙光を照らした。

 偉大な指導者金日成同志はつとに朝鮮革命の陣頭に立った初期に、マルクス・レーニン主義の旗のもとに共産主義運動と民族解放運動の勝利の道を立派に切り開いた。

 革命運動は、それぞれ異なる時代的条件とさまざまな具体的現実のなかで進められるため、各国の共産主義者は、マルクス・レーニン主義の一般的原理を時代的条件と自国の具体的実情に即して適用し、革命発展の新たな要請に応じて革命理論を発展させていかなければならない。

 金日成同志は、マルクス・レーニン主義を我が国の現実に創造的に適用し、革命の進路を開拓する過程でチュチェ思想を創始して、朝鮮革命の自主的発展の道を開いた。

 チュチェ思想とは一言でいって、革命と建設の主人は人民大衆であり、革命と建設をおし進める力も人民大衆にあるという思想である。

 革命と建設の主人は人民大衆であるため、人民大衆は革命と建設において主人としての地位を守り、主人としての役割を果たさなければならない。

 人民大衆が革命と建設において主人としての地位を守るためには自主的立場を堅持しなければならない。

 革命運動は人民大衆の自主性を擁護するための闘争であり、したがって革命運動は自主的立場を堅持することを求める。自主的立場を堅持してこそ、革命と建設で提起されるすべての問題を人民大衆の利益に即して解決し、人民大衆が革命と建設の主人としての権利を擁護し、その責任をまっとうすることができる。自主的立場を堅持するためには、思想におけるチュチェ、政治における自主、経済における自立、国防における自衛の原則を具現しなければならない。

 人民大衆が革命と建設で主人としての役割をまっとうするためには創造的立場を堅持しなければならない。

 革命運動は人民大衆の創造的運動であり、したがって革命運動は創造的立場を堅持することを求める。創造的立場を堅持してこそ、人民大衆が創造力を高度に発揮し、現実にかなった方法を見出し、革命と建設を力強くおし進めることができる。創造的立場を堅持するためにはすべての問題を人民大衆の創造力に依拠し、自己の実情に即して解決する原則を具現しなければならない。

 人民大衆が革命と建設において主人としての地位を守り、主人としての役割をまっとうするためには、思想を基本としてとらえなければならない。

 革命運動で決定的役割を果たすのは、人民大衆の自主的な思想・意識であり、したがって革命運動は思想を基本としてとらえていくことを求める。革命と建設の主人である勤労人民大衆を思想的に自覚させて奮起させるならば、革命の機を速やかに成熟させ、積極的に遂行することができる。革命と建設で思想・意識の役割を高めるためには、すべての活動に思想改造・政治活動を優先させる原則を具現しなければならない。

 金日成同志によって明らかにされた主体的な立場と原則は、共産主義運動の原理とマルクス・レーニン主義の原則に合致する。

 共産主義運動は、あらゆる従属と束縛から脱して自主性を実現するための闘争であり、共産主義者と人民が自己の信念に基づいて自主的に展開する運動である。革命と建設で主体的立場を固守するのは、こうした共産主義運動の本性に全的にかなったものである。こんにち、共産主義をめざす闘争が民族国家単位で進められている状況において、主体的立場を固守すべき要求はさらに切実に提起される。共産主義者が自国の革命を主体的立場に立って立派に進めるならば、国際革命勢力の強化と世界革命の勝利の促進にも大きく寄与することができる。

 労働者階級の革命闘争の理論と戦略・戦術を明らかにしたマルクス・レーニン主義はドグマではなく、行動の指針である。革命と建設で主体的立場を固守するのは、創造的学説としてのマルクス・レーニン主義の本性とも合致する。共産主義者は、マルクス・レーニン主義を主体的立場に立って正しく適用してこそ、その威力を高度に発揮し、新たな革命理論を創造してマルクス・レーニン主義の宝庫をさらに豊富なものにすることができる。

 金日成同志は朝鮮革命を導く過程で、チュチェ思想に基づき、革命と建設で提起されるすべての問題に科学的な解答を与え、チュチェの思想、理論、方法を全面的に体系化した。金日成同志によって明らかにされた思想、理論、方法はいずれもチュチェの原理から発してそれを具現したものである。こうした意味から、我々は金日成同志の思想、理論、方法をチュチェ思想というのである。

 チュチェ思想は、五十有余年にわたる金日成同志の思想・理論活動の輝かしい結実であり、朝鮮革命の思想的・理論的総括である。チュチェ思想には、マルクス・レーニン主義の旗のもとに革命闘争を展開する過程を通じて発展し豊富になり、新たに示された思想と理論が集大成されており、現時代の革命と建設が提起する新たな問題に対する科学的な解答が与えられている。チュチェ思想が示す道を進んでこそ、あらゆる日和見主義を克服してマルクス・レーニン主義の革命的原則を固守し、発展する時代と革命が新たに提起するすべての問題を正しく解決し、共産主義偉業を立派に完成することができる。

 朝鮮革命の歴史は偉大なチュチェ思想が具現され、全面的な勝利をおさめてきた歴史である。

 我々はチュチェ思想を確固不動の指導指針としてきたがゆえに、いかなる偏向も犯すことなく革命と建設を成功裏に遂行することができた。

 朝鮮人民は、金日成同志が示した主体的な武力闘争路線に従って英雄的な抗日武装闘争を展開し、日本帝国主義を打倒して祖国解放の歴史的偉業をなし遂げた。朝鮮人民は解放後、金日成同志の賢明な指導のもとに主体的な革命路線を貫いて、共和国北半部で反帝反封建民主主義革命を徹底的に遂行し、北半部を朝鮮革命の強力な基地に変え、これに依拠してアメリカ帝国主義の武力侵攻に反対する苛烈な祖国解放戦争で偉大な勝利をおさめた。我々はチュチェ思想を具現して、戦後、社会主義革命と社会主義建設で提起されるすべての問題を最も正しく解決し、立ち後れた我が国を短期間に自主、自立、自衛の社会主義強国に発展させた。

 こんにち、朝鮮革命は新たな高い段階に発展しており、共産主義をめざして進む朝鮮人民の前途にはさらに明るい展望が開かれている。

 マルクスによって科学的共産主義理論が創始されて以来、人類は共産主義理想社会の実現をめざして間断なき闘争を展開し、こんにちにいたって共産主義は遠い未来の願望ではなく、現実的な課題として歴史の日程にのぼった。

 我が党はマルクス・レーニン主義とチュチェ思想に基づき、共産主義建設で提起される理論的・実践的問題を正しく解決し、科学的な戦略と闘争方針に依拠して革命と建設を力強くおし進めている。

 我が党は、共産主義の思想的要塞と物質的要塞の占領に関する理論、思想・技術・文化の三大革命に関する理論を示して、共産主義建設の基本的な戦略的目標とその実現方途を明示した。

 共産主義社会を建設するためには必ず共産主義の物質的要塞を占領しなければならない。すなわち生産力を高度に発展させ、共産主義の物質的・技術的土台を構築し、全一的な共産主義的所有を確立しなければならない。こうしてこそ、つとにマルクスが示した「各自は能力に応じて、各自は必要に応じて」という共産主義的原則が実現される。

 共産主義社会を建設するためにはまた、思想的要塞を占領しなければならない。すなわち社会の全構成員を革命化、労働者階級化、インテリ化して、全面的に発達した共産主義的人間につくりあげなければならない。人間は社会の主人であるため、人間を全面的に発達した共産主義的人間に教育してこそ、社会主義・共産主義が成功裏に建設され、共産主義社会が正しく運営される。

 人間の思想・精神生活と物質生活は社会生活の二大分野をなし、勤労人民大衆の自主性は、思想・精神生活と物質生活の二つの分野においてともに実現されなければならない。したがって人民大衆の自主性を完全に実現するためには、必ず共産主義の思想的要塞と物質的要塞をともに占領しなければならない。

 我が党が示した全社会チュチェ思想化の綱領は、人間と社会と自然をチュチェ思想の要求に沿って改造し、共産主義の思想的要塞と物質的要塞を成功裏に占領し、勤労人民大衆の自主性を完全に実現させる偉大な共産主義建設の綱領である。

 思想・技術・文化の三大革命は、全社会をチュチェ思想化し、共産主義を建設するうえで我が党が一貫して堅持している戦略的路線である。

 思想・技術・文化の三大革命路線には、社会主義・共産主義偉業を最後まで完成するための我が党の確固たる立場が具現されている。

 社会主義革命の勝利と社会主義制度の樹立は、労働者階級の革命闘争、社会主義・共産主義偉業の遂行において歴史的転換となる。しかし、これは決して革命の完成を意味するものではない。

 社会主義制度が樹立されれば階級的対立は除去されるが、階級的差は残るようになる。社会主義社会に残る階級的差は、友好的な二つの基本階級である労働者階級と農民との差であり、これは社会主義的所有の二つの形態である全人民的所有と協同的所有との差に基づいている。

 また、社会主義制度の樹立によって、労働の性格が根本的に変わり、労働は栄誉あるものとなるが、まだ労働が生活上の第一義的欲求とはならず、労働の差が残るようになる。社会主義社会における労働の差は、主に肉体労働と精神労働、重労働と軽労働、工業労働と農業労働の差にあらわれる。

 社会主義制度が樹立されれば搾取と貧困の根源は最終的に一掃されるが、社会構成員間の物質・文化生活水準での差は残るようになる。

 社会主義社会に階級的差をはじめ、各種の差が残る原因は、旧社会の遺物である思想、技術、文化の立ち後れにある。社会主義社会は、こうした思想、技術、文化の立ち後れと階級的差など各種の差によって、共産主義の高い段階とは区別され、過渡的性格をおびる。

 もちろん、社会主義社会の過渡的性格はその本質的特徴をなすものではない。社会主義社会の本質的特徴は、あくまでもその共産主義的性格にある。それは社会主義社会が集団主義に基づき、同志的協力と団結が社会関係の基本をなしている社会であるからである。

 社会主義社会を建設し完成させていく過程は、社会主義社会の共産主義的性格が強化され、その過渡的性格が克服されていく過程である。このことは、社会主義の建設において社会主義社会の共産主義的性格とその過渡的性格をともに考慮に入れ、それに即応してすべての政策を実施することを求める。

 社会主義社会の本質的優位性と特性からして、社会主義建設において勤労者に対する政治的・道徳的刺激の強化と物質的刺激の適切な取り合わせ、共産主義的施策の積極的な実施と労働の質と量による社会主義的分配原則の具現、勤労者の自覚の高度の発揮と統制の正しい結合など、ある一面に偏重しない正しい政策を実施することが重要な問題として提起される。

 もし、社会主義社会の過渡的性格をないがしろにし、共産主義的性格のみを見たり、反対に共産主義的性格をないがしろにし、過渡的性格のみを見て政策を立てるならば、左右の誤りを犯す恐れがある。

 社会主義社会の過渡的性格を克服して共産主義社会を建設するためには、思想、技術、文化の立ち後れを一掃するための革命をつづけなければならない。

 思想・技術・文化の三大革命は社会主義下での革命の連続であり、新たな高い段階への発展である。古い搾取制度をくつがえす闘争から始まった労働者階級と勤労人民大衆の自主性をめざす革命は、社会主義社会において旧社会の遺物である思想、技術、文化の立ち後れをなくす闘争につながり、それを通じて完成される。三大革命を徹底的に遂行してこそ、旧社会から受け継いだ思想、技術、文化の立ち後れと、それにともなう労働者階級と農民の階級的差、労働の差、物質・文化生活水準の差をなくし、共産主義社会の本質的要求を全面的に実施しうるのである。

 我が党は三大革命の遂行において、思想革命を確固と優先させながら、同時に技術革命と文化革命を力強くおし進める原則を堅持している。

 思想革命を優先させてこそ、人間の思想・意識を改造してかれらを共産主義的人間につくり、勤労者の革命的熱意を大いに発揮させて経済・文化建設を立派に遂行することもできる。思想革命をひきつづき強化しなければ、人々の頭に古い思想がよみがえり、外部からブルジョア思想が浸透し、生活が向上して衣食住の心配がなくなるにつれて、人々のあいだで革命に対する熱意がしだいにさめる恐れがある。思想革命をおろそかにすれば結局、革命と建設に甚大な悪影響を及ばすようになる。

 したがって社会主義・共産主義建設過程において、思想革命を一時もおろそかにせず、たえず強化すべきである。

 我が党は革命と建設において思想革命を確固と優先させ、力強く進めることによって、人々の思想的・精神的風格と生活気風に根本的な転換をもたらした。全社会にチュチェ思想がみなぎり、革命的に働き生活する気風が満ちあふれるようになり、全勤労者が党と指導者に対する限りない忠誠心をもって、ひとえに党と革命のため、祖国と人民、社会と集団のため献身的にたたかっている。

 しかし、社会の全構成員を共産主義的人間に教育改造し、かれらの革命的熱意をたえず高めるためには、思想革命をひきつづき深化させなければならない。

 こんにち、思想革命の遂行における我々の基本的課題は、全社会のチュチェ思想化の要請に即して、社会の全構成員をチュチェ型の共産主義的革命家に徹底的に教育改造し、勤労者の革命的熱意を高めてかれらを革命闘争と建設事業に力強く奮起させることである。我々は、党員と勤労者のあいだでチュチェ思想教育と党政策教育を強化し、革命伝統教育と共産主義教育を力強く進めて、かれらがいつどこにあっても我が党の思想に基づいて思考し行動し、搾取階級と搾取制度を憎悪し、社会主義制度と社会主義祖国を熱愛し、社会主義・共産主義偉業の完成をめざしてあくまでたたかうようにすべきである。

 我々は、思想教育を革命実践と密接に結びつけて行うことによって、すべての党員と勤労者が革命的熱意と創造的積極性を大いに発揮して、生産と建設を促進するようにすべきである。

 思想革命を優先させるとともに、技術革命と文化革命を力強くおし進めなければならない。

 現時代は科学と技術の時代である。科学と技術を速やかに発展させてこそ、社会主義建設を促進し、人民経済を新たな高い段階に発展させることができ、人民生活を向上させる問題も、国の威力を強化する問題も成功裏に解決することができる。

 我が党は技術革命を力強く進めることによって、技術的、経済的に立ち後れた我が国を短時日のあいだに発展した社会主義工業国に変え、人民経済各部門を近代的科学・技術の基盤のうえにすえ、勤労者を困難で骨の折れる労働から解放するうえで大きな前進を遂げた。

 しかし、人民を骨の折れる労働から完全に解放し、かれらに豊かで文化的な生活条件を保障するためには、技術革命をひきつづき力強く進めなければならない。

 こんにち、技術革命の遂行において提起される重要な課題は、人民経済の主体化、現代化、科学化を力強く進めることである。人民経済を主体化、現代化、科学化すれば民族経済の自立性を強化し、社会主義・共産主義の物質的・技術的土台を強固にきずくことができる。

 人民経済を主体化するうえで提起される科学・技術上の問題と生産問題の解決に力を注いで、原料・燃料・動力問題を国内資源によってより円滑に解決するとともに、人民経済の部門構造をひきつづき完備すべきである。

 人民経済各部門では技術を改造し、生産の総合的機械化とオートメ化、リモート・コントロール化を実現し、農業を工業化するたたかいを力強く展開して、人民経済を現代化し、勤労者を困難で骨の折れる労働から解放すべきである。

 さらに科学・技術を速やかに発展させ、各部門の生産と経営活動を新たな科学的土台のうえに引き上げて、人民経済を高度に科学化された経済に変えるべきである。

 こんにち、技術革命の遂行において重要なのは、科学者、技術者の責任感と役割を高めることである。

 党の正しい民族幹部育成方針により、我々はチュチェ思想を身につけ先進的な科学・技術を所有した120万の科学者、技術者、専門家の大集団を持つようになった。国の科学・技術と経済の発展をおし進めるこの威力ある陣容を正しく奮い立たせるならば、技術革命と経済建設におけるいかなる問題も立派に解決することができる。

 科学者、技術者は、科学研究活動において主体性を確立し、労働者との創造的協力を強化して、人民経済の主体化、現代化、科学化の実現で提起される科学・技術上の諸問題を積極的に解決すべきである。同時に人民経済各部門で科学者、技術者が達成した科学的・技術的成果を遅滞なく取り入れ、生産と建設で実効をあらわすようにすべきである。

 こんにち、我が国の全般的経済状態はきわめて良好であり、我々のまえには党の示した社会主義経済建設の壮大な綱領を立派に実現しうる確固とした展望が開かれている。第6回党大会決定貫徹のための闘争を通じて、工業の主体性がさらに強化され、社会主義経済建設の十大展望目標を達成しうる強固な基盤がきずかれた。

 問題は、活動家と党員の決心と闘争いかんにかかっている。

 すべての活動家と党員と勤労者は、党の示した速度戦の方針に従って生産と建設をさらに促進し、第2次7か年計画と社会主義経済建設の十大展望目標を繰り上げて遂行すべきである。

 技術革命を遂行し、社会主義経済建設を促進する主な目的は、国を富強にし人民に豊かで文化的な生活を保障することにある。

 人民の物質・文化生活水準をたえず高めるのは、我が党の活動の最高原則である。

 国の経済基盤を強化しながら、一般消費物資の生産と人民に対するサービス事業において一大転換をもたらすことによって、人民の生活水準をさらに引き上げるべきである。

 文化革命は勤労者を全面的に発達した人間に育て、日に日に高まるかれらの文化的需要を円滑にみたす重要な革命課題である。

 我が党は文化革命を積極的におし進め、社会主義文化建設において輝かしい成果を達成した。こんにち我が国では、全般的11年制義務教育が実施されてすべての新しい世代が完全な中等教育を受けており、民族幹部養成事業が発展してインテリ大集団が育成された。勤労者の全般的文化・技術水準は高まり、科学・技術と文学・芸術、保健医療など各分野で画期的な発展が遂げられた。

 現在、文化革命の中心的課題は、全社会のインテリ化を実現することである。全社会のインテリ化は、我が党の独創的な社会主義・共産主義文化建設方針である。現存の民族幹部養成基地を強化するとともに、働きながら学ぶ教育体系を発展させる方向で高等教育機関をふやし、教育事業を強化しなければならない。同時に、社会の全構成員を全面的に発達した共産主義的人間に育て、社会の全般的文化・知識水準をたえず高めるべきである。革命的文学・芸術をさらに発展させ、社会主義的文化生活様式を確立すべきである。

 社会主義・共産主義を成功裏に建設するためには、その指導を正しく行わなければならない。

 マルクス・レーニン主義は、プロレタリアート独裁体系に関する理論を提示することによって、政権を握った労働者階級が新社会建設の指導において依拠すべき指針をもたらした。

 我が党は、マルクス・レーニン主義とチュチェ思想に基づいて革命と建設に対する指導体系と指導方法の問題を我が国の実情に即して解決し、社会主義・共産主義建設を成功裏に導いている。

 労働者階級の党は、革命と建設に対する指導体系において嚮導的力量である。

 マルクス・レーニン主義が教えているように、労働者階級の党は労働者階級の組織のうちで最高形態の組織である。

 金日成同志は革命と建設を指導する全過程で、常に党を強化することにすべての勝利のカギを求め、我が国で労働者階級の革命的党を建設する事業を賢明に導いてきた。

 労働者階級の革命的党を建設する事業は、各国の共産主義者が自主的に行うべきである。金日成同志の指導のもとに、朝鮮共産主義者は抗日革命闘争期に自主性の原則に基づいて党組織をつくり、それに依拠して朝鮮革命を勝利に導き、解放後、政権党建設上の問題も自主的に解決した。

 我が党は、国の具体的実情と革命の要請に即応して大衆的党建設方針をうち出し、労働者、農民、勤労インテリの先進分子を広く受け入れて党の隊列を急速に拡大し、内外の敵との厳しい闘争のなかでその隊伍を組織的、思想的にたえず強化した。

 我々は特に、唯一思想体系の確立を党建設の基本路線としてとらえることによって、党の統一と団結を不敗のものとし、全党が同じように思考し、行動する強力な組織性と規律性をもつ戦闘的で革命的な党に我が党を強化発展させた。

 我が党は常に、人民に奉仕することを崇高な使命とみなし、人民の利益を徹底的に擁護し、人民に強く依拠して大衆との血のつながりを強化した。こんにち、我が党は人民の絶対的な支持と信頼を受けており、朝鮮人民は党に自己の運命を全的に任せ、党に従って力強くたたかっている。

 金日成同志を首班とする党中央委員会のまわりに一つの思想、意志でかたく団結した鉄のような革命的党、人民大衆のなかに深く根を下ろし、大衆と混然一体となって革命と建設を力強くおし進める戦闘的な党を建設したことに対し、我々は当然、自負心をもつことができる。

 党を強化し、その指導的機能と役割を高めることは、社会主義・共産主義建設の全期間にわたって常に重要な問題として提起される。社会主義・共産主義社会は高度に組織化された社会であり、社会主義・共産主義社会を正しく運営するためには、党のような強い組織力をもった嚮導的力量が必要である。

 我々は、社会主義・共産主義偉業の実現における党の地位と役割に照らして、将来を見通して党建設を進めるべきである。

 我が党を永久に、その創立者、指導者である金日成同志の党として発展させるのは、党建設において我が党が堅持している確固たる立場である。我が党は、金日成同志を変わることなく党の首位にいただき、チュチェ思想を指導思想とし、党の革命伝統を断固として守り、党の路線と政策を堅持することによって、自己の歴史的使命を立派に果たすであろう。

 我々は、全党に唯一思想体系をさらに強く確立し、党の組織的・思想的基礎をたえず強化し、党の隊列をひきつづきうち固めなければならない。すべての党組織は、対人活動を党活動の基本としてとらえ、幹部との活動、党員との活動を強め、党生活を正規化、規範化してかれらの党性を鍛え、大衆との活動を立派に行って、各階層の大衆を党のまわりにかたく結集すべきである。

 革命と建設に対する党の指導を正しく具現するのは、党の重要な任務である。

 労働者階級の党は政治的指導機関であるため、革命と建設に対する党の指導は政治的指導、政策的指導となるべきである。我が党は、革命と建設に対する党の指導を具現する過程全般を通じて、すべての党組織がその部門、その単位の活動を統一的に掌握して政治的指導、政策的指導を強化するよう深い関心を払ってきた。

 社会主義建設に対する党の指導において重要なのは、思想・技術・文化の三大革命に対する指導を正しく行うことである。

 我が党は革命と建設の各段階の要求に即して、三大革命に対する党の指導を強化してきた。我が党は思想・技術・文化革命の深化、発展にともない、党組織の戦闘的機能と役割をさらに高めると同時に、党の中核分子と青年インテリからなる三大革命グループを組織して工場、企業所、協同農場に派遣することによって、党組織と三大革命グループが協力して思想・技術・文化革命を力強くおし進めるようにした。我々は、三大革命に対する党の指導をたえず強化して思想・技術・文化革命をさらに組織化、積極化し、その遂行において新たな転換をもたらすべきである。

 社会主義経済建設は、権力を握った労働者階級の党の重要な革命課題である。政権党にとって、党活動は社会主義経済建設を立派に進めることに向けられるべきであり、党活動の成果も社会主義経済建設の成果としてあらわれなければならない。

 こんにち、我が国の人民経済は高い発展水準に到達し、その潜在力は極めて大きい。これは、社会主義経済建設に対する党の指導をいっそう強化することを求めている。党組織は経済活動をしっかりとらえて力強く後押しし、経済部門の幹部が革命の主人としての態度を堅持し、経済組織活動と生産指導を責任をもって行えるように援助すべきである。

 社会主義・共産主義を成功裏に建設するためには、その武器である人民政権を強化し、国家経済機関の役割を高めるべきである。

 我が党は、プロレタリアート独裁に関するマルクス・レーニン主義理論を指針とし、国家権力の問題を新たな時代的条件に即して独創的に解決し人民政権を創設することによって、プロレタリアート独裁の歴史的経験を豊かにすることに貢献した。

 人民政権は、労働者階級の革命運動発展の合法則的要求を反映して生まれたプロレタリアート独裁政権の新しい形態である。

 社会主義・共産主義革命は、1世紀以上の長期間にわたってたえず発展しながら、その旗のもとに労働者階級だけでなく、さらに広範な勤労人民大衆を結集し、こんにちにおいては、労働者、農民をはじめ、各階層人民が労働者階級の導く革命運動に参加するようになった。ことに、我が国のように帝国主義の植民地であったか、または半植民地であった国々においては、労働者階級の指導のもとに、農民、勤労インテリおよび小ブルジョアジーなどの広範な各階層人民が反帝民族解放革命に参加しているだけでなく、社会主義を支持して社会主義の道を進んでいる。プロレタリアート独裁の社会的・政治的碁盤が比べようもなく拡大された新しい歴史的条件は人民政権の形態を求めた。

 我が党は、金日成同志が抗日革命闘争期に示し、遊撃根拠地で具現した主体的な人民政権建設路線に従って、解放後直ちに日本帝国主義の植民地支配機構を一掃して人民政権を樹立し、それに依拠して反帝反封建民主主義革命と社会主義革命を遂行し、今、社会主義を成功裏に建設している。

 労働者階級の革命偉業、社会主義・共産主義偉業を最後まで完遂するためには、人民政権をたえず強化しなければならない。

 我が党は革命発展の各時期に、新しい環境と要求にふさわしく人民政権を強化し、その機能と役割を高めるための措置をとることによって、人民政権が各階層人民大衆のなかに深く根をはり、自己の任務を円滑に遂行できるようにした。こんにち、我々の人民政権は、革命と建設の武器、人民の自由と権利の擁護者、祖国と革命の守り手として、その機能と役割を立派に遂行しており、全人民から深く信頼され、愛されている。

 我々はこれからも、ひきつづき人民政権を強化すべきである。

 我々は、各級人民委員会と国家経済機関を党に忠実で人民の信望の厚いすぐれた活動家で固め、かれらに人民の忠僕として自己の任務を立派に遂行させなければならない。

 すべての国家経済機関の活動家は、高度の党性、労働者階級性、人民性を身につけ、人民により豊かで文化的な生活を保障するため、あらゆる知恵と精力を尽くして働かなければならない。

 人民経済に対する指導管理を正しく行うことは、国家経済機関の重要な任務である。

 社会主義経済は、国家の中央集権的指導によってのみ、成功裏に管理運営され、急速な発展を遂げることができる。

 国家経済機関は、社会主義経済発展の現実的要求に即応して、経済に対する中央集権的指導をたえず強めなければならない。特に、テアン(大安)の事業体系を基本とする主体的な社会主義経済管理体系の優位性を高度に発揮させなければならない。

 テアンの事業体系は、社会主義制度の本性に合致する最もすぐれた経済管理体系である。テアンの事業体系は、党委員会の集団的指導のもとに大衆路線を貫き、経済を科学的に、合理的に管理運営するチュチェの経済管理形態である。国家経済機関は、テアンの事業体系に立脚して経済管理をたえず改善し、人民経済の計画的な、つりあいのとれた発展と生産の急速な成長を保障しなければならない。

 人民政権は、マルクス・レーニン主義とチュチェ思想の旗のもとに展開されてきた朝鮮革命の偉大な創造物であり、現時代の要請と朝鮮の実情に即した最も民主的で人民的な革命政権である。我が党と人民は、革命と建設のための長期にわたるたたかいを通じてその優位性と不敗の生命力が立証された人民政権をしつかりと掌握して敵の侵害から革命の獲得物を守り、社会主義・共産主義を立派に建設するであろう。

 勤労者団体は、社会主義・共産主義偉業の遂行における党の頼もしい援助者である。

 社会主義のもとにおける勤労者団体は、広範な大衆に対する思想教育団体であり、党の外郭団体である。労働者階級をはじめ、勤労人民が国の主人となっている社会主義社会では、勤労者団体が大衆を教育して党のまわりに結集し、党の提示する革命課題の遂行に奮起させる任務を果たす。社会主義社会では、勤労者団体の役割を高めてはじめて、党と各階層の大衆との血のつながりを強め、かれらを革命と建設に力強く動員することができ、すべての勤労者を組織に結集し、組織生活を通じて教育し鍛練して、社会主義社会の威力を高度に発揮させることができる。

 我が党は、革命の各段階において勤労者団体の使命と任務を正しく規定し、その機能と役割を高めるようにし、社会主義革命が勝利し社会主義制度が確立された新しい環境と条件に即して勤労者団体を改組し、その活動体系と活動方法を改善して勤労者団体に思想教育団体としての役割を正しく遂行させた。

 我が党は特に、社会主義労働青年同盟の活動を強化して青年問題の解決に大きな力を入れた。

 青年問題は、革命と建設の成果と民族の明日の運命を左右する極めて重要な問題である。青年は新しい社会建設の強力な勢力であり、革命の継承者であるため、かれらを政治的、思想的に、道徳的にしっかりと備えさせてこそ、革命と建設を力強くおし進め、民族の永久の繁栄と革命の最終的勝利を確固と保障することができる。したがって社労青活動を強化して広範な青年を組織的に鍛え、革命的に教育し、革命と建設において突撃隊の役割を果たすように導かなければならない。

 我が党が青年活動、社労青活動に大きな力を注いだ結果、我が国の青年は、革命発展の各段階において困難かつ骨の折れる仕事の先頭に立ち、突撃隊としての栄えある任務を輝かしく遂行してきた。こんにち、かれらは、社会主義建設の各部門で集団的英雄主義を発揮しており、祖国防衛の哨所を頼もしく守っている。革命的で組織的かつ英雄的な青年をもっているのは、我が党と人民の大きな誇りである。

 我々は社会主義労働青年同盟をはじめ、すべての勤労者団体の役割を高めることによって、各階層の大衆を党のまわりにさらにかたく結集させ、かれらを党の路線と政策を貫く闘争に奮起させるべきである。勤労者団体はその特性に即して同盟員との活動を立派に行い、かれらのあいだで組織生活と思想教育活動を強化して、すべての同盟員をたえず革命化、労働者階級化し、かれらが社会主義経済建設に積極的に参加し、各分野で集団的革新を起こすようにすべきである。

 革命と建設に対する指導において重要なのはまた、すべての活動家が革命的指導方法を体得し、それを具現することである。

 革命的指導方法の基本的要求は革命的大衆路線を貫徹することである。革命と建設の主人であり直接の担当者である大衆を正しく組織し奮起させるのは、すべての問題解決のカギである。活動家は当然、あくまでも人民の利益を擁護し、人民に献身的に奉仕し、勤労者を教育し、かれらから学び、大衆を奮い起こしてすべての問題を解決していく原則を堅持すべきである。

 活動家が大衆にしっかりと依拠して活動するためには、かれらのあいだで活動方法と作風を改善する闘争を強化しなければならない。活動家の活動方法と作風を改善することは、政権党建設において、特に重要な問題として提起される。労働者階級の党が政権を握れば、一部の活動家のあいだに権力ですべての問題を解決しようとする官僚化、行政化の傾向があらわれる恐れがあり、これは党政策の貫徹を妨げ、大衆から党を切り離す重大な結果を招きかねない。

 我が党は、権力を握った当初から活動家の活動方法と活動作風の改善を重視し、常にそれに深い関心を払ってきた。特に我が党は、党活動家と人民政権機関の活動家をはじめ、すべての活動家のあいだで官僚主義に反対し、革命的活動方法と人民的活動作風を確立する闘争をねばりづよく展開してきた。

 活動家の活動方法と作風の改善において我が党が堅持している基本的方針は、金日成同志によって創造された抗日遊撃隊式活動方法、チョンサンリ(青山里)精神、チョンサンリ方法を貫くことである。すべての活動家は金日成同志の栄えある指導の歴史を深く体得し、金日成同志が創造し輝かしい模範を示した革命的活動方法、金日成的活動方法を身につけなければならない。そうして、人民のために献身する立派な活動家に、大衆に依拠し大衆を奮起させて、提起される革命課題を成功裏に遂行する有能な革命の指揮メンバーとして準備しなければならない。

 こんにち、我々には、共和国北半部で社会主義建設をおし進める一方、分断された祖国を統一し、全国的範囲において民族の自主権を確立すべき重大な課題が提起されている。

 およそ40年にわたるアメリカ帝国主義の占領と従属化政策によって、現在南朝鮮は自主権がことごとく踏みにじられ抹殺された完全な植民地と化し、南朝鮮人民はあらゆる災難と惨禍をこうむっている。アメリカ帝国主義者とその手先は、自己の植民地的ファシスト支配を維持するため、南朝鮮で崇米事大主義と恐米屈従思想を広く植えつけた。こうした状況にあって、事大主義に反対し主体性を確立しなければ、南朝鮮人民の民族自主意識を高め、かれらを反米自主化と反ファッショ民主化闘争に力強く決起させることができない。

 我が党は、チュチェ思想の旗を高くかかげて社会主義建設をおし進め、祖国の自主的統一をめざす闘争を強化することによって、全国的範囲で民族の自主権を確立し、我が国におけるチュチェ革命偉業の完成を早めるであろう。

 マルクスによって切り開かれた労働者階級の革命偉業の完成において当面の重要な課題は、帝国主義に反対し世界の自主化を促進することである。

 国際舞台での長期にわたる資本主義、帝国主義との闘争は今もつづけられており、さらに激しくなっている。資本主義、帝国主義は、自主性に対する人民大衆の志向と要求を踏みにじる人類史上最後の搾取制度であり、階級的支配と民族的圧迫を結合させた最も横暴な抑圧制度である。

 帝国主義は、こんにちでは国家独占資本主義に基づいた現代帝国主義に変わり、その侵略的本性と野獣性がかつてなく顕著になり、被抑圧人民大衆の民族的解放と独立、社会主義偉業に悪らつに挑戦している。帝国主義者は新植民地主義によって、より陰険かつ狡猾な手口で他国人民に対する略奪・従属化政策を執拗に追求している。アメリカ帝国主義をかしらとする現代帝国主義は下り坂を歩んではいるが、滅亡しつつあるその境遇から逃れようと必死になっている。特に、資本主義の全般的危機の深化にともない、帝国主義者は自国の労働者階級と勤労人民大衆の革命的進出に過酷な弾圧を加えているばかりか、「反共」 の名のもとに社会主義諸国と国際共産主義運動に反対する侵略と破壊行為をさらに強めている。

 帝国主義が存在する限り、支配と略奪はなくならず、帝国主義の支配と略奪が存在する限り、それに反対する労働者階級と人民大衆の革命闘争は避けられない。

 帝国主義を最終的に滅亡させ、世界革命の勝利を達成するためには、反帝・反米闘争を強化しなければならない。反帝・反米闘争なしには民族独立を達成し強固にする問題も、社会主義・共産主義偉業の勝利を早める問題も、戦争を防止し世界平和と安全を保障する問題も考えられない。

 反帝・反米闘争の強化において何よりも重要なのは、社会主義諸国と共産党、労働者党が反帝の立場を堅持し、国際帝国主義との闘争を強力に展開することである。

 社会主義勢力と国際共産主義運動は、帝国主義をはじめ、すべての反動勢力と対峙している現時代の最も強力な革命勢力であり、帝国主義者の侵略と戦争政策を破綻させ、世界各国人民の革命闘争をおし進める決定的要因である。

 社会主義勢力と国際共産主義連動がその気高い使命を果たすためには、隊伍の統一団結を実現しなければならない。

 団結は労働者階級の最も強力な武者である。労働者階級は歴史舞台に登場した当初から、国際資本に反対する闘争で常に団結を最も貴重な武器とし、団結の力に依拠して勝利の道を切り開いてきた。こんにちも反帝闘争をはじめ共同の諸課題は、社会主義諸国と共産党、労働者党が階級的戦友として、相互尊重と自主性に基づき、力を合わせ緊密に協力し合ってこそ、立派に解決できる。

 このたび、カール・マルクス誕生165周年と死去100周年に際し、世界各国の共産党、労働者党は、マルクス・レーニン主義の旗のもとに帝国主義、植民地主義を一掃するため、労働者階級の政権を獲得し、搾取と抑圧のない新しい社会を建設するため、そして社会主義・共産主義偉業の完成をめざしてたたかうことを宣明した。これは、社会主義諸国と共産党、労働者党を一つの階級的きずなで結びつける根本的条件となる。

 兄弟党、兄弟諸国間に意見の相違はありうるが、それは共同の目的と理想を実現するための路線と方途における見解の差によってもたらされるものであって、決してあい異なる国家社会制度間の矛盾や敵対階級間の利害関係の反映ではない。社会主義諸国と共産党、労働者党間には、相違点よりも共通点が多く、共通点が主であって相違点は第二義的なものである。社会主義諸国と共産党、労働者党は、団結を最も重んじて、これにすべてを服従させ、共通点を重視し、意見の相違を相互理解と同志的協力の精神に基づいて解決しなければならない。社会主義諸国と共産党、労働者党が真剣に忍耐強く努力するならば、統一は守られ、団結は強化されるであろう。

 社会主義勢力と国際共産主義運動の威力を不抜のものにするためには、統一団結を保障するとともに、個々の民族部隊を強化しなければならない。社会主義勢力と国際共産主義運針は、その構成部分である各民族部隊を強化し、協力してこそ全般的な力を強化することができる。

 共産党、労働者党は何よりも自国の革命を立派に行うべきであり、そのためには自主性を堅持しなければならない。

 共産主義者は自国の具体的な現実から出発し、独自に路線と政策を定め、革命と建設で提起されるすべての問題を責任もって解決してこそ、革命闘争と建設事業を発展させることができる。

 労働者階級の革命闘争があい異なる社会的・歴史的条件をもつ民族国家単位に行われており、国ごとに革命任務があい異なるこんにちの現実は、各国の共産主義者が自主性を堅持し、自国の革命を責任をもって遂行することを切実に求めている。

 自主性はプロレタリア国際主義を強化する基礎である。国際主義的団結は自主性を志向する人民間の団結であり、その目的はあらゆる支配と従属を一掃し、自主性を実現することにある。自主性に基づかないことには、真の強固な団結は遂げられず、民族的任務も立派に遂行できないばかりか、国際的任務にも忠実でありえない。

 特に、労働者階級が権力を掌握した国々で自主性を堅持し、社会主義・共産主義建設を成功裏に進めることは極めて重要な問題である。社会主義諸国の党は、自国の実情に即して路線と政策を樹立し、自国人民の力と国内資源を活用して経済と文化を発展させ、自衛的な国防力を強化すべきである。こうしてこそ、自国人民と国際労働者階級に対して負っている責任をまっとうすることができる。

 かつて植民地、半植民地であった国々で反帝民族解放民主主義革命を徹底的に遂行し、新社会の建設を促進することは、帝国主義を最終的に滅亡させ、世界の自主化の実現において極めて重要な意義を有する。

 こんにち、アメリカ帝国主義者は、新興独立諸国を再び従属させるため、「利権保護」「安全保障」の口実のもとに主要資源地帯と軍事戦略的要衝に侵略兵力を大々的に配置し、「協力」と「保護」の名のもとに第三世界諸国を政治的、経済的、軍事的に掌握しようと狂奔している。

 アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民は、反帝反植民地主義の旗を高くかかげ、帝国主義に反対し、自主性擁護の闘争を勇敢に展開し、反帝民族解放革命の課題を徹底的に遂行すべきである。今なお帝国主義と植民地主義、人種主義の従属下にある各地域人民は、帝国主義者を駆逐し、国の非植民地化と独立を達成するため武力闘争を含むあらゆる形態の革命闘争を強力に展開し、世界の進歩的人民はかれらの闘争を物心両面から極力支援すべきである。

 帝国主義のくびきから脱した新興独立諸国人民は、外国帝国主義と国内反動勢力の政治的・経済的地盤を一掃して革命勢力を強化し、先進的な社会制度を樹立し、自立的民族経済と民族文化を建設すべきである。こうしてこそ、革命の獲得物を守り、国と民族の繁栄を遂げ、帝国主義をほうむるための世界人民の共同偉業に寄与することができるのである。

 こんにち、帝国主義に反対し自主的な新しい世界を建設するうえで重要な問題は、非同盟運動を発展させることである。

 非同盟運動は、あらゆる支配と従属に反対し自主性を志向する進歩的運動であり、帝国主義と対峙している現時代の強力な革命勢力である。非同盟運動を発展させるためには、すべての非同盟国がこの運動の根本的原則に徹し、政治的団結と経済的協力を実現すべきである。非同盟諸国は完全な平等と内政不干渉の原則を守り、ともに団結して帝国主義の侵略と干渉策動に共同で対処し、新たな国際経済秩序を樹立するために断固たたかうべきである。

 現在、世界の進歩的人民の最も重要な課題は、帝国主義者の侵略と戦争策動を阻止破綻させ、世界の平和と安全を守ることである。

 こんにち、国際情勢は極めて錯綜し、緊張しており、世界各地で戦争の危機が増大し、平和と安全は重大な脅威をうけている。

 アメリカ帝国主義者は、世界制覇の野望を実現するため核戦争を引き起こし、人類を恐ろしい戦禍にまき込もうと策動している。かれらは中近東地域で兵力を増強して情勢を緊張させ、アラブ諸国人民に反対する新たな侵略戦争を準備しており、アフリカにおいても民族の解放と新社会建設をめざしてたたかう人民に反対し、平和と安全をかき乱している。また、中央アメリカ地域で自由と独立のためにたたかう人民に対して武力干渉を行い、進歩的諸国に反対する軍事的脅威と転覆・破壊策動を強めている。アメリカ帝国主義は、ヨーロッパ地域に核兵器を大々的に増強しようと策しつつ、この地域の情勢を非常に激化させている。

 アメリカ帝国主義者は特に、朝鮮で新たな戦争を引き起こすための策動をいっそう露骨に強行している。かれらは南朝鮮をアジアにおける植民地の拠点に、大陸侵略の橋頭堡として確保し、侵略の野望を実現するため核兵器をはじめ、大量殺りく兵器を大々的に持ち込んで南朝鮮を文字通りの巨大な戦争火薬庫に、核戦争基地に変えた。

 世界の至るところでで強行しているアメリカ帝国主義の新たな戦争挑発策動によって、現在、人類には新たな世界戦争か、平和かという深刻な問題が出されている。

 現情勢は、人類の安全と平和を願う人であれば、政見や信教、社会制度の相違を問わず一致団結してアメリカ帝国主義の戦争挑発策動を破綻させ、世界平和を守るための闘争に奮起することを求めている。

 反帝・自主勢力の団結を実現することは、帝国主義の侵略と戦争策動を阻止、破綻させて世界の恒久平和をもたらし、自主化された新しい世界を建設する決定的な裏付けとなる。

 社会主義勢力と国際共産主義運動、民族解放運動と民主運動、非同盟運動など、世界のすべての進歩的勢力と平和愛好勢力は、反米統一戦線を形成し、アメリカ帝国主義に集団的攻撃を加えてその専横を阻止すべきである。すべての反帝・自主勢力は、帝国主義者の狂気じみた軍備拡張と戦争準備策動を阻止、破綻させ、他国にあるアメリカ帝国主義の軍事基地を撤廃し、アメリカ軍と核兵器を含む大量殺りく兵器を取り払い、軍事ブロックを解体して世界各地域に非核・平和地帯を創設、拡大し、全般的かつ完全な軍備撤廃を実現するために断固たたかうべきである。

 朝鮮労働党と朝鮮人民は、反帝・自主の旗のもとに社会主義諸国と国際労働者階級、非同盟諸国人民と世界のすべての進歩的人民と固く団結し、朝鮮革命と世界革命の勝利をめざして積極的にたたかい、自己の民族的任務と国際的任務を立派に遂行するであろう。

 マルクスによって切り開かれた社会主義・共産主義偉業は必ず勝利し、すべての人民の自主性が完全に実現する人類の理想社会は必ずや到来するであろう。

 朝鮮労働党と朝鮮人民は、これまでと同じく今後ともマルクス・レーニン主義とチュチェ思想の革命の旗を高くかかげ、共産主義の明るい未来を早めるために力強く前進するであろう。

 金日成同志を首班とする党中央委員会のまわりに固く団結して力強くたたかう朝鮮人民の正義の革命偉業は必勝不敗である。

出典:朝鮮・平壌 外国文出版社 1993

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