金 正 日

司法・検察活動の改善強化のために
全国司法・検察部門活動者会議の参加者に送った書簡
−1982年11月21日−


 このたび、全国司法・検察部門活動者会議で歴史的な党中央委員会咸興(ハムフン)総会の決定を支持して国家の法秩序を強化する問題を討議したことは、全社会に革命的遵法生活気風を確立するうえで重要な意義があると考えます。

 私は、全国の司法・検察部門の活動者が一堂に会したこの機会に、現在この部門に提起されているいくつかの問題について強調したいと思います。

 司法・検察機関の機能と役割を高めることは、政権を握った労働者階級の党に提起される重要な課題の一つです。

 政権を握った労働者階級の党が社会主義・共産主義社会を成功裏に建設するためには、プロレタリアート独裁を強化しなければなりません。社会主義・共産主義建設の歴史的全過程には熾烈な階級闘争がともないます。社会主義革命の時期はいうにおよばず、社会主義制度の樹立後も、転覆された搾取階級の残存分子をはじめ、あらゆる階級の敵の策動を鎮圧し、搾取社会の名残である古い思想と道徳、因習を克服するたたかいはつづきます。あらゆる敵対勢力の反抗と古い思想の腐食作用を克服し、社会主義・共産主義偉業を完成するためには、司法・検察機関をはじめ、プロレタリアート独裁機関をしっかりとかため、その機能と役割をたえず高めていかなければなりません。

 特に、全社会のチュチェ思想化を実現すべき課題が前面に提起されているこんにち、司法・検察機関の機能と役割を高めることは極めて重要な問題として提起されています。

 司法・検察機関は、党と領袖を政治的、思想的に、生命を賭して擁護し防衛する我が党の信頼すべき政治的防衛隊であり、あらゆる犯罪的侵害から社会主義の獲得物と人民の生命、財産をしっかりと守る朝鮮革命の強力な武器です。

 司法・検察機関の機能と役割を高めてこそ、全社会のチュチェ思想化の要求に即応して革命と建設を力強くおし進めることができ、人民大衆の自主的で創造的な生活をしっかりと守ることができます。

 司法・検察機関は、革命発展の新たな要求に即応して、党と革命にたいする自己の崇高な使命と任務を立派に遂行していかなければなりません。

 なによりもまず、党政策の貫徹を法的にしっかりと保障すべきです。

 こんにち、我が党に提起されている最も重要な課題の一つは、社会主義経済建設を力強くおし進めることです。社会主義経済建設をおし進めてこそ、国の経済的威力を強め、人民生活を向上させると同時に、祖国の自主的統一を早めることができます。

 我が党は社会主義経済建設に大きな力をそそいでおり、党活動も社会主義経済建設をより立派におこなう目的で進めています。

 司法・検察機関は、すべての部門、すべての単位で党の経済政策が無条件、確実に擁護、貫徹されるよう法的に保障することに大きな力を入れるべきです。

 党の経済政策の貫徹を法的に保障するうえで重要なのは、社会主義経済管理秩序を乱す行為とのたたかいを強化することです。

 現在、経済活動をすみやかにもりたてるキーポイントは経済管理運営の改善にあります。経済幹部がテアン(大安)の事業体系の要求に従って経済管理運営を改善しなければ、いかによい設備と原料、資材を十分に供給しても、生産の正常化と経済のすみやかな発展をはかることは不可能です。

 司法・検察機関は、社会主義経済管理秩序を乱す行為と強い闘争をくりひろげ、すべての経済幹部がテアンの事業体系と計画の一元化、細部化の方針を貫徹し、企業管理を正規化、規範化するようにしなければなりません。

 特に、工場、企業所での設備、資材、財政の管理を改善すべきです。

 人民の血と汗のたまものである貴重な設備や原料、資材、資金をむやみに流用したり浪費、死蔵するのは、党と革命、祖国と人民にたいする重大な犯罪行為です。設備と原料、資材、資金を流用し浪費し、死蔵する行為と厳しい闘争をくりひろげ、経済管理において厳格な規律と秩序をうち立てる必要があります。

 党の経済政策の貫徹を法的に保障するうえで重要なのはまた、国家財産と社会共同団体財産の着服・窃取行為と強い闘争をくりひろげることです。

 国家と社会共同団体の財産は、国の富強発展と勤労者の幸福な生活のための貴重な財貨であり、共和国法の重要な保護対象です。

 司法・検察機関は、国家と社会共同団体の財産を着服、窃取するような犯罪行為との闘争を強化し、国家と社会共同団体の財産をしっかりと保護しなければなりません。

 党の経済政策の貫徹を法的に保障するうえで、検察機関と仲裁機関の役割を高めることが重要です。

 検察機関では、担当監視と集中監視を適切に組み合わせて監視活動を積極的にくりひろげ、人民経済各部門で党政策が貫徹されるようにし、国家財産を横領したり、経済管理秩序を勝手に破って国家に大きな損失を与えるような犯罪行為があらわれないようにすべきです。

 仲裁機関では、機関、企業所にたいする点検と仲裁活動を手落ちなくおこなって、人民経済各部門で計画規律と契約規律が厳守されるようにすべきです。

 次に、公民の権利と人民の生命、財産を積極的に保護しなければなりません。

 公民の権利と人民の生命、財産を保護するのは、司法・検察機関の神聖な義務です。公民の権利と人民の生命、財産を法的にしっかりと守ってこそ、かれらが自主的で創造的な生活を思う存分享受し、国家と社会の主人としての責任と役割を果たすことができます。

 公民の権利は、朝鮮人民が享受している自主的権利の法的表現です。こんにち朝鮮人民は、政治、経済、文化など社会生活のすべての分野において民主的権利と自由を十分に保障されており、それは法的に確固と裏打ちされています。

 司法・検察機関は、勤労者の権利を侵害するあらゆる行為と強い闘争をくりひろげ、かれらが法によって保障されている権利と自由を思う存分享受できるようにすべきです。

 国家機関の幹部のあいだに人権を蹂躙する行為があらわれないようにすべきです。勤労人民大衆が国家と社会の主人となっている我が国において、人権はなんぴとも侵すことのできない神聖な権利です。

 司法・検察機関は、国家機関の活動家が官僚主義、専横をふるって人権を蹂躙するような行為と強い闘争をくりひろげ、人民の権利を徹底的に保護すべきです。特に、社会安全機関にたいする遵法監視を強化し、社会安全要員のあいだに些細な人権蹂躙行為もあらわれないようにすべきです。

 苦情申し立ては人民大衆の声であり、公民は誰でも苦情を申し立てる権利があります。人民は、国家機関や個々の人によって自己の利益が侵されたとき、それにたいし法機関に訴えることができます。

 司法・検察部門の活動家は、人民のあいだから苦情申し立てが提起されれば、その内容を明確に調べて公明正大に処理しなければなりません。

 人民の生命、財産を侵す行為とは、厳しくたたかうべきです。

 人間の生命に危害を加える行為は、人間を最も貴ぶ我が国の社会主義制度下では許されない犯罪行為です。もともと人間の生命に危害を加える犯罪は、黄金万能と弱肉強食の支配する資本主義社会にのみありうることです。司法・検察機関は、殺人行為のような犯罪が発生すれば、犯罪者を適時に摘発して法的に厳格に処罰すべきです。

 人民の財産を侵害する犯罪も、人民が主人となっている社会主義社会では許されません。人民の財産を侵害する犯罪は人びとのあいだに不信をかもしだし、社会主義的生活気風の確立に少なからぬ害をおよぼします。司法・検察機関は、人民の財産を侵害する犯罪事件も軽視することなく、それを適時に正しく処理すべきです。

 交通事故、火災事故、溺死事故、爆発事故など各種の事故をなくすべきです。

 我々の社会で事故のために財産や人命の被害を出すというのは、非常に胸の痛むことです。司法・検察機関は、機関、企業所で事故を未然に防ぐ対策を徹底的に講じるよう監督、統制するとともに、事故が発生すれば、その原因を調査して関係者を法的に厳しく追及すべきです。そうして、事故による人命と財産の被害を出すことのないようにすべきです。

 次に、犯罪と違法行為を未然に防ぐ党の方針を貫徹すべきです。

 我が国においては犯罪を生む社会経済的条件は、既に久しい前になくなっており、人びとのあいだには、一人はみんなのために、みんなは一人のために生き、働く共産主義的生活気風が確立されつつあります。活動家がしっかりと取り組みさえすれば、犯罪的行為を十分に予防することができます。

 犯罪と違法行為を未然に防ぐためには、勤労者のあいだで遵法教育を強化しなければなりません。

 犯罪は、人びとの頭に残っている古い思想のあらわれであるため、それを一掃するためには思想教育を強め、人びとの思想・意識を改造しなければなりません。人びとの思想・意識を改造せず統制するだけでは、犯罪と違法行為の根源を取り除くことはできません。司法・検察機関は提起された事件の実務的な処理にとどまらず、すべての勤労者を社会主義的遵法意識で武装させる教育活動に大きな力を入れるべきです。

 勤労者にたいする遵法教育で重要なのは、法規範と規定についての解説を十分におこなうことです。

 国法は誰もがわきまえて遵守すべき行動規範であり、準則です。法規範と規定にうとくては、それをしっかりと守れず、違法行為があらわれても適時に見きわめることができません。

 共和国法の革命的で人民的な性格とその内容を勤労者に十分解説し、かれらが法規にたいして正しい観点をもって法規範と規定を自覚的に遵守し、犯罪と違法行為を防ぐたたかいに積極的に参加するようにさせるべきです。

 法規範と規定についての解説は、あらわれた犯罪と違法行為の資料と結びつけて実質的におこなうべきです。そうして、すべての活動家と勤労者が法規範と規定にかぎらず、犯罪の形態と手口をよく知り、犯罪と違法行為を未然に防ぐたたかいに積極的に参加するようにさせるべきです。

 現地公開裁判は、一人を懲戒して数百数千の大衆を教育し、覚醒させる適切な遵法教育形式の一つです。現地公開裁判を正しくおこなえば、裁判に参加した大勢の人に深刻な教訓を与えることができます。

 司法・検察機関は、現地公開裁判を教育的意義のあるものにして、人びとが法規範と規定を自覚的に守り、違法行為とのたたかいに積極的に参加するようにさせるべきです。

 犯罪と違法行為を未然に防ぐためにはまた、国家・社会生活のすべての分野に厳格な規律と秩序を確立しなければなりません。

 金日成同志が教えているように、うす暗いところには化け物があらわれ、規律と秩序のないところには犯罪と違法行為があらわれるものです。国家・社会生活のすべての分野に規律と秩序を厳格に立ててこそ、犯罪者が足場をつくって活動するすきをなくし、いったん発生した犯罪も適時に摘発、暴露することができます。

 司法・検察機関は、すべての部門、すべての単位に厳格な規律と秩序をうち立て、犯罪と違法行為が発生するすきを徹底的になくさなければなりません。これとともに、事件の処理過程で規律と秩序が乱れている現象を発見すれば、それを適時に当該単位に知らせて是正させるべきです。

 犯罪を未然に防ぐためには、発生した犯罪をことごとく摘発して厳格に処理しなければなりません。

 発生した犯罪をことごとく摘発することは、犯罪者の犯罪企図をくじき、犯罪と違法行為を防ぐうえで極めて大きな働きをします。司法・検察機関は反犯罪闘争の戦術を正しく練り、仕事の手配を綿密におこなって、発生した犯罪を一件たりとも見逃すことなく適時にことごとくあばきだすべきです。

 犯罪者を法的に厳格に扱うべきです。

 法に背いた人は、誰であれ法的な責任追及をうけなければなりません。我々の社会では、法の外で生活するような人はありえません。公民は誰もが法規を守るべきであり、違法行為をはたらいた場合は法的制裁をうけなければなりません。違法行為をはたらいた人を厳格に扱い、責任追及を厳しくおこなうのが法的規制です。司法・検察機関は法規に違反した人にたいし、裁判にかける件は裁判にかけ、罰金を払わせる件は罰金を払わせ、社会の全構成員が法規を厳守するようにさせるべきです。

 次に、事件の取り扱いと処理において党政策の要求を厳守すべきです。

 党の政策的要求に即して事件を取り扱い、処理するうえで重要なのは、なによりもまず階級的原則をしっかり守ることです。

 事件の取り扱いと処理において階級的原則を守るというのは、発生した事件を労働者階級的立場、革命の利益を守る立場に立って審議し、処理することを意味します。

 事件の取り扱いと処理において階級的原則を守るのは、司法・検察機関の活動の根本原則です。事件の取り扱いと処理において階級的原則をしっかりと守ってこそ、法執行において左右の偏向を克服し、敵味方を正しく見分け、革命力量を全面的に強化することができます。

 事件の取り扱いと処理において階級的原則を守るうえで重要なのは、反革命的行為をはたらいた者を階級的に正しく識別し処理することです。

 反革命的行為をはたらいた人のなかには、敵対的階級出身で社会主義制度にたいして悪意をいだき、意識的に犯罪を犯した者もおり、基本階級出身で古い思想に毒されて悪事をはたらいた人もありえるし、反革命分子に利用されて不本意に、犯罪的行為をおこなった人もありえます。前者にたいしては、反革命分子と規定し、厳格な懲罰を加えるべきです。社会主義制度に悪意をいだいて意識的な敵対行為をはたらいた者にたいしては、すこしも慈悲心をほどこす必要がありません。しかし、基本階級出身で古い思想に毒されて悪事をはたらいた人にたいしては、一律に反革命分子として処理せず、できるだけ救いだして教育改造すべきです。

 一般犯罪事件は、社会的教育を基本にし、法的制裁をとりあわせる原則で処理すべきです。

 一般犯罪との闘争は、勤労者内部の問題であるため、あくまでも社会的教育を基本とすべきです。

 法的統制を厳正にするからといって、違法者をいちがいに裁判にかけて刑罰を与えては革命の利益にはなりません。常習犯と極端な利己主義に陥って罪を犯した者など、社会的に危険な行為をした者にたいしては裁判にかけて刑罰をくだすべきですが、一時的な物欲や過失によって法規に背いた者は、社会的教育をとおして改造すべきです。

 違法者を一律に裁判にかけて処理するのでなく、社会的教育をつうじて改造せよといわれたからといって、かれらになんの法的追及もせず放置しておいてはなりません。違法者になんの法的追及もせず放置しておいては、かれらを正しく教育改造することができず、違法行為をさらに助長して法秩序を弱める結果をまねくようになります。

 司法・検察機関は、違法者のうち裁判にかけるべき者は裁判にかけ、社会的教育をとおして改造すべき者は遵法生活指導委員会に引き渡して処理させるか、当該機関と勤労者団体組織が取り組んで教育改造するようにさせるべきです。

 事件の取り扱いと処理においては、科学性、客観性、慎重さを十分に保障すべきです。

 司法・検察機関が提起された事件を慎重に処理せず、無責任に取り扱って処理し、いわれのない人を罪人にしてしまうなら、本人はもちろん、その家族、親戚とかれと関係のある多くの人に悪影響をおよぼし、ひいては党と大衆との結びつきを弱める結果をまねくようになります。司法・検察機関は、犯罪事件の取り扱いと処理の全過程で、科学性、客観性、慎重さの保障を鉄則としなければなりません。

 事件の取り扱いと処理において科学性、客観性、慎重さを保障するためには、なによりも科学的な証拠にもとづいて事実を正確にあかさなければなりません。

 司法・検察部門の活動家が、先入観と推測によって事件を取り扱ったり、事件の取り扱いで強圧的な方法を用いては、犯罪者と犯罪事実をあばきだすことができません。犯罪者と犯罪事実を明確にあばきだすためには、科学的な証拠を握ってすべての事実を立証しなければなりません。司法・検察部門の活動家は、事件の取り扱いと処理において証拠をつかむことに第一義的な注目を払い、収集した証拠にたいしてもあたまから信じようとせず、それが正確であるかを十分に検討し確認すべきです。証拠は、その正確さが十分に検討、確認されるまでは、事実をあかし立証する証拠としての価値がありません。犯罪者の自白内容についても、その正確さを客観的に検討し確認すべきです。

 事件の取り扱いと処理において科学性、客観性、慎重さを保障するためにはまた、集団的合議を強めなければなりません。

 事件の取り扱いと処理において集団的合議は、個人責任制を弱めるものではありません。犯罪事件の取り扱いと処理では、かならず個人責任制を強化し、事件担当者の責任感と役割を高めなければなりません。事件を直接担当して取り扱う人がその事件について責任を負うのは当然なことです。しかし、個々の知恵や力だけでは、提起された事件をスムーズに処理することはできません。司法・検察機関では、事件についての集団的合議システムをうち立て、集団的合議を着実におこなって、人にかんする問題が個別的な人の主観と独断によって処理されることのないようにすべきです。

 事件の取り扱いと処理において科学性、客観性、慎重さを保障するためには、法的手続も厳守しなければなりません。

 事件の取り扱いと処理において法的手続を厳守することは、単純な形式上の問題でなく、証拠を正確に集めて検討、確認し、犯罪事実を正しく解明するための原則的な要求です。

 司法・検察部門の活動家は、事件の取り扱いと処理において法的手続を踏むことをうるさがらず、所定の手続を厳守しなければなりません。

 事件の取り扱いと処理における科学性、客観性、慎重さを保障するうえで重要なのは、裁判機関の役割を高めることです。

 裁判機関は、事件の取り扱いと処理で最後の工程を担当しています。裁判所が判決をどうくだすかによって、事件が党の政策的要求に即応して正しく処理されたり、されなかったりします。裁判機関は、犯罪事実に疑問の余地がないよういっさいを明らかにしたうえで事件を処理すべきであり、事件の取り扱いと処理において科学性、客観性を十分保障するよう捜査・予審機関に要求の度を強めるべきです。

 事件の取り扱いと処理において科学性、客観性、慎重さを保障するためには、検察機関の捜査・予審活動と裁判活動にたいする監視も強めなければなりません。

 検察機関では捜査・予審活動と裁判活動にたいする監視を強化し、提起されたすべての事件が党の政策と法の要求どおり正しく処理されるようにすべきです。

 司法・検察部門に提起される課題を成功裏に遂行するためには、活動体系を確立し、活動方法を改善することが重要です。

 司法・検察機関の活動体系を確立し、活動方法を改善してこそ、党の司法政策を貫徹し、国家の法秩序を強化することができます。司法・検察部門の活動家は、古い枠、古い方法からぬけだして革命的な活動体系と活動方法を確立しなければなりません。

 なによりも、司法・検察部門の統一的な指揮系統を確立すべきです。

 国法は国内のどこであれ同じように執行されるべきであり、法執行における唯一性を保障するためには、司法・検察部門がかならず統一的な指揮系統を確立しなければなりません。

 司法・検察部門の統一的な指揮系統を確立するためには、中央司法・検察機関が掌握・統制活動をしっかりとおこなわなければなりません。

 中央司法・検察機関は、各時期に提示される金日成同志の教えと党の方針を貫徹する対策と方法論を明確に立て、下部機関に手配し、それが確実に実行されるよう不断に掌握し統制すべきです。これとともに、中央司法・検察機関の活動家はたびたび下部に出むいて実態を具体的に調べ、下部の活動家が金日成同志の教えと党の方針に従って法規を正しく執行するよう掌握し指導すべきです。

 司法・検察部門の統一的な指揮系統を確立するためにはまた、下級機関が上級機関に服従する厳格な規律をうち立てなければなりません。

 司法・検察部門において下級機関が上級機関に服従するのは、法執行上の重要な原則の一つです。司法・検察機関が上級機関の指示に服従する規律をしっかりとうち立てなければ、統一的な指揮系統を整然とうち立てることができず、法執行において唯一性を保障することができません。すべての司法・検察機関は、特殊性にかこつけて自分勝手に行動せず、上級機関の指示に従って動く規律を確立すべきです。

 法機関相互が緊密に協力する体系をうち立てるべきです。

 裁判機関と検察機関、社会安全機関は、ともに党と国家の安全を守り、国家の法秩序を強化するためにたたかうプロレタリアート独裁機関です。裁判機関と検察機関、社会安全機関は、緊密に協力しあってこそ、犯罪と違法行為とのたたかいを成功裏におこない、国家の法秩序を確立することができます。

 法機関相互間の協力を強めるには、互いに垣をつくって、なわばり主義に走る傾向をなくさなければなりません。なわばり主義に走る傾向にたいしてはすべての機関が警戒すべきですが、特に法機関が警戒しなければなりません。権力をもって人の問題を取り扱う法機関が互いに垣をつくってなわばり主義に走るなら、人権蹂躙行為をはじめ、さまざまな偏向があらわれるようになります。

 裁判機関、検察機関、社会安全機関は、互いに垣をつくりなわばり主義に走る傾向をなくし、法執行において、常に三位一体となって統制しあい、緊密に協力しあって統一的な歩調をとらなければなりません。

 司法・検察部門の活動家の活動方法と作風を改善することは、党の司法政策と国法の執行において極めて重要な意義をもっています。党の司法政策と国法がいかに正しくすぐれているとしても、司法・検察部門の活動家が古い活動方法と作風にしばられて活動したのでは、それを正しく執行することができません。司法・検察部門の活動家は、古い活動方法と作風を一掃し、我が党の革命的な活動方法と人民的な活動作風を身につけなければなりません。

 官僚主義と権力の乱用、専横は、司法・検察部門の活動家が特に警戒すべき極めて有害な活動態度、活動作風です。

 司法・検察部門の活動家は権力機関に従事するだけに、みずからをたえず革命的に修養しなければ、肩をいからせて官僚主義と権力乱用に走り、専横なふるまいをしかねません。そうなれば、党の階級路線と大衆路線を正しく貫徹することができず、党と大衆を遊離させ、革命と建設に大きな損失をおよぼすようになります。司法・検察部門の活動家は、革命的大衆観点を確立し、常に人民のなかにはいってかれらと苦楽をともにし、提起されるすべての問題を人民の力と知恵に依拠して解決していくべきです。司法・検察部門の活動家は、権力を乱用して人民をおどかしたりせず、かれらに寛容かつ謙虚な態度で接し、常に人民の利益を守るため積極的に努力しなければなりません。

 形式主義、要領主義は、うわべばかりで内容がなく、その場をつくろう誤った活動態度です。司法・検察部門の活動家が形式主義的で要領主義的な仕事の仕方をしては、とりかえしのつかない重大な結果をまねくようになります。司法・検察部門の活動家は、形式主義、要領主義に反対し、革命の主人としての態度ですべての活動を責任をもって着実におこなわなければなりません。

 司法・検察部門の活動家は、経済・道徳生活が潔白でなければなりません。

 司法・検察部門の活動家が物欲に目がくらんだり、道徳的に不健全で酒浸りの生活に陥ったりすると、犯罪者とのたたかいを正しくおこなうことができず、党の司法政策を貫徹することができません。

 司法・検察部門の活動家の政治・実務水準を高めるべきです。

 司法・検察機関では、国家の法執行を監視し、統制し、さまざまな複雑な事件を取り扱っています。国法を正確に執行し、違法行為との闘争を積極的にくりひろげ、提起された問題を党政策の要求に即応して正しく分析し処理するためには、この部門の活動家の政治・実務水準が高くなければなりません。

 司法・検察部門の活動家は、金日成同志の著作と党の文献を不断に学習し、そこにもられている思想と内容を深く体得し、それをすべての活動と生活の確固不動の指針とすべきです。特に、司法・検察部門にたいする金日成同志の教えと党の方針を深く学習し、それをあくまで貫徹すべきです。

 法規についての学習を強め、それに精通すべきです。そうしてこそ、違法行為との闘争を正しくおこない、法的権限を正しく行使でき、人民にたいする遵法教育も立派におこなうことができます。

 司法・検察部門の活動家は、法規にたいする学習を強化し、我が党の主体的な法思想で武装し、社会主義憲法と刑法、刑事訴訟法、社会主義労働法、土地法など各種の法規とそれを解説した規定と細則に精通していなければなりません。

 司法・検察部門の活動家は、法規だけでなく、経済や文化をはじめ、各分野の知識が豊かでなければなりません。司法・検察部門の活動家は、熱心に学習し、法規に明るく経済や科学技術にも明るい多方面な知識の持ち主に、博識な人にならなければなりません。

 司法・検察機関では、各自の実情に応じて講習と模範講習などを定期的におこなって、すべての司法・検察部門の活動家を政治・理論水準も高く、法実務にも明るい活動家にしなければなりません。これとともに、教育資料の編集を立派におこない、それが活動家の政治・実務水準の向上に大いに利用されるようにすべきです。

 司法・検察部門の活動家にたいする再教育を強化すべきです。

 現在、司法・検察部門の活動家の隊列は大学卒の人でかためられておらず、そのなかには水準の低い人が少なくありません。こうした実情のもとでかれらの政治・実務水準を高めるには、大学を出ていないか、実務水準の低い活動家を当該幹部養成機関に送って養成すべきです。

 司法・検察部門の活動家を育てる養成機関では、教授活動を改善し、学生に実際に役立つ生きた知識を与えるべきです。

 司法・検察機関に提起された重大かつ栄誉ある任務を成功裏に遂行するためには、この部門の活動家が党の指導に忠実でなければなりません。

 党の指導に忠実であることは、我が党を防衛し、党の司法政策を実行する司法・検察部門の活動家の神聖な義務です。かれらが党の指導に忠実であってこそ、党の信頼すべき政治的防衛者としての本分をまっとうすることができ、チュチェの革命偉業の完成をめざしてあくまでたたかうことができます。

 司法・検察部門の活動家は、党と領袖にたいする忠誠心を革命的信念と道義とし、党の指導を体していくうえで不屈の闘士にならなければなりません。

 司法・検察部門の活動家は、いかなる逆境にあっても党とともに呼吸し、行動し、党にすべてを託し、党と運命をともにする確固とした信念をもつべきです。

 司法・検察部門の活動家は、党の方針を絶対性、無条件性の原則で受け入れ、断固擁護し、それを無条件あくまで貫徹すべきです。

 司法・検察活動で提起される重要で原則的な問題は、すべて党に報告し、結論に従って処理し、いったん結論のおりた問題にたいしてはいっさいかけ引きしようとせず、無条件そのとおり実行する革命的規律をうち立てるべきです。

 党生活を強化することは、党の指導を具現する重要な方途です。

 司法・検察部門の活動家が、我が党の指導を体していく栄えある道で自己の使命をまっとうするためには、正しい党組織観念をもって党生活にまじめに参加し、自分自身をたえず革命的に鍛えなければなりません。司法・検察部門の活動家は、党組織を尊び、党組織の決定と任務分担を誠実に実行し、党の規律を自発的に守るべきです。

 司法・検察部門の活動家は、党の信頼によって階級闘争の重要な位置をまかされている人であるだけに、党組織にしっかり依拠して活動し、党組織の指導と統制を意識的にうけるため積極的に努力しなければなりません。司法・検察活動の実態を日常的に党委員会に報告し、司法・検察活動で提起されるすべての問題を党組織の指導のもとに実行すべきです。こうして、司法・検察活動が常に党の政策的要求に即して進められるようにすべきです。

 司法・検察部門の活動家にたいする党の信頼と期待は大なるものがあります。司法・検察部門の活動家は、階級闘争の前哨で党と革命を防衛する革命戦士であるという高い自覚をもって、党の司法政策を貫くたたかいにすべてをささげなければなりません。

 私は、みなさんが党と領袖にたいする高い忠誠心をもって党の司法政策を貫徹し、党の信頼と期待にかならずこたえるものと確信します。

出典:冊子「司法・検察活動の改善強化のために」


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