金 正 日

3大革命を力強く展開して生産で新たな高揚を起こそう
咸鏡南道および剣徳鉱山の幹部との談話 
−1975年7月1日− 

 いま、わが国のすべての労働者階級と勤労者は、党創立30周年記念日までに今年度の計画と6か年計画をくりあげて遂行するための総突撃戦を力強くくりひろげて大きな勝利をおさめています。

 金日成同志から与えられた課題をいつも立派になし遂げてきた、ここ剣徳の労働者は、今年、速度戦を力強く展開し、昨年に比べてはるかに高く立てた計画を月別、4半期別に超過遂行し、まもなく6か年計画を完遂できる誇らしい成果を達成しました。わたしは、これを満足に思っています。

 わが国の大非鉄金属鉱物生産基地である剣徳鉱山は、人民経済の全般的発展、特に外貨獲得においてきわめて重要な位置をしめています。剣徳鉱山での生産が早急に増大すれば、日ましに増大する人民経済の鉛、亜鉛の需要をみたし、外貨も多く獲得して、国の経済をもっと余裕あるものにすることができます。

 そのため、党中央は剣徳の労働者に新たな革命的高揚を起こすことを呼びかけており、全党、全国が剣徳を支援することを提起しています。

 みなさんは、党の大きな期待を肝に銘じ、いっそう奮闘することによって生産を画期的に増やすべきです。

 みなさんも承知のとおり、金日成同志は、すでに久しい前に鉱物埋蔵量の多い剣徳をはじめとする端川地区を大非鉄金属鉱物生産基地にする展望を示し、今後この地区からだけでも年に数億ポンドの外貨を獲得しなければならないと教えています。

 しかし、これまで政務院の各委員会、省の幹部は、金日成同志の教えを実行するための明確な対策を立てませんでした。かれらは、投資をしなくても生産を増やせるのか鉱山であるかのように考え、坑の建設と掘進を将来を見通して進めるよう援助せず、設備や資材も満足に供給しませんでした。

 我々は、剣徳鉱山に投資を集中して、この鉱山を近代化し、生産を大幅に増やす対策を早急に立てなければなりません。

 剣徳鉱山では、今年の末までに国家計画以外に6万トンの鉛、亜鉛を生産できる鉱石をさらに採掘するといっていますが、それはよいことです。鉛、亜鉛が6万トンなら、2千万ポンドの外貨を獲得することができます。

 実際上、我々が外貨問題を円滑に解決するためには、剣徳鉱山のようなところに力を入れて生産の増大をはからなければなりません。このような大口を見逃して、靴下、セーターなどの軽工業製品や水産物などを輸出して外貨を獲得しようと考えてはいけません。軽工業製品や水産物のようなものはいくら輸出してもそれほどの外貨は獲得できません。

 軽工業製品や水産物は、人民の生活向上にふりむけ、剣徳鉱山のようなところに力を入れて外貨を獲得すべきです。これは、金日成同志がすでに久しい前から強調していることです。

 剣徳鉱山などに集中的に投資し、十分に援助すれば巨額の外貨を得ることができます。投資はしないで自然に生産が伸長することを望むのは投機的な態度です。

 我々は剣徳鉱山に力を入れて、今後この鉱山を年に数億ポンドの外貨が獲得できる強固な非鉄金属鉱物生産基地にしなければなりません。

 生産で一大高揚を起こすためには、思想、技術、文化の3大革命をゆるがせにすることなく、力強く展開しなければなりません。

 思想、技術、文化の3大革命は、金日成同志が独創的に示した社会主義・共産主義建設のためのわが党の基本的戦略路線です。

 3大革命路線をつらぬくたたかいは、わが国の様相をすべての領域ですみやかに一変させ、まっさきに共産主義に到達するための偉大な歴史的闘争です。これは、わが国の社会主義制度をいっそう強固にし、社会主義建設を力強くおし進め、祖国の自主的統一を早めるための聖なる革命闘争です。

 党のこの戦略的路線を正しく貫徹するためには、剣徳鉱山のような革命的労働者の大集団が働き生活している生産単位、生活単位からそれを立派に実行していかなければなりません。

 何よりもまず、技術革命をさらに促進すべきです。

 剣徳鉱山での技術革命の第1の課題は、大型長距離ベルトコンベヤー輸送ラインを設置することです。

 金日成同志は、殷栗鉱山の大型長距離ベルトコンベヤー輸送ラインを見て、すばらしいことをしたと高く評価し、剣徳鉱山にも大型長距離ベルトコンベヤー輸送ラインを設置すべきだと教えました。

 みなさんは、金日成同志のこの教えを体して、どうあってもベルトコンベヤー化をすみやかに実現すべきです。

 剣徳鉱山のベルトコンベヤー化を実現すれば、多くの労働力と設備、資材を節約しながらも、運搬能力を決定的に高めることができます。これは、何とすばらしいことではありませんか。

 金日成同志は輸送問題を解決する基本的方途の一つとして、運搬作業のベルトコンベヤー化、空中ケーブル化、パイプライン化という3化輸送方針を示しました。この方針は、いま、わが国で緊張している輸送問題を解決し、生産を画期的に発展させるための賢明な方針です。

 しかし、幹部は、3化輸送にたいしてむずかしく考え、それを実現するため大胆に取り組みませんでした。

 我々は、3化輸送にたいする神秘性を打ち破り、運搬の多様化を決定的に早めるため、まず、殷栗鉱山に大型長距離ベルトコンベヤー輸送ラインを設置し、実物によって幹部に3化輸送方針の正当性を示す措置を講じました。

 実際にやってみれば、神秘といったものは何もありません。要は、幹部に党政策にたいする絶対性、無条件性の精神、すべてのことを自力で解決しようという自力更生の革命精神があるかないかということです。

 剣徳鉱山は、鉱石の埋蔵量が豊富で、その品位も高い、非常に有望な鉱山です。しかし、現在のような方法では、鉱山を大きく発展させることができません。いま、この鉱山は、採鉱も多くでき、選鉱能力もありますが、運搬に難があって生産を早く増やせない状態にあります。決定的に運搬問題を解決すべきです。

 運搬問題を解決するためには、大型長距離ベルトコンベヤー輸送ラインを設置しなければなりません。

 ベルトコンベヤー輸送ラインの設置を要する区間は14キロあまりに及ぶそうですが、これを一挙に完成するのはむずかしいでしょう。それゆえ、まずは、第1段階として5キロの区間に設置し、次の段階であとの区間を完成することにすべきです。

 剣徳鉱山にはベルトコンベヤー輸送ラインが坑内に設置されるので、海にまで伸びている殷栗鉱山よりは工事がらくであり、完工を早めることができるでしょう。さっそく取り組んで、第1段階の工事を来年度の第1・4半期内に完成すべきです。

 殷栗鉱山で使う予定だったベルトコンベヤー設備を剣徳鉱山にふりむけようと思いましたが、それは殷栗鉱山でそのまま利用することにし、剣徳鉱山には別途に解決する考えです。設備は、いま手配すれば年末までには解決されるでしょう。

 いま幹部は、ベルトコンベヤー輸送についてとやかくいっていますが、いまなお、それをよく知っていません。必要な幹部を殷栗鉱山にやって、ベルトコンベヤー輸送ラインを実物で見て学ぶようにさせるべきです。

 まずは、ベルトコンベヤー化を剣徳鉱山で実現したあと、龍陽鉱山でも徐々に導入すべきです。

 剣徳鉱山では、対設備活動の強化にも大きな関心を払うべきです。

 我々は、剣徳鉱山のように有望な鉱山に力を入れて設備の大型化、現代化をおし進め、生産技術的土台を強固にきずきあげるべきです。

 いまなお、削岩機が不足しているそうですが、すべての削岩工に削岩機を一台ずつゆきわたらせる問題も早く解決しなくてはなりません。こんにちのわが国の経済力からすれば、削岩工に削岩機を1台ずつもたせるのはむずかしいことではありません。

 設備を適時に点検補修し、正しく管理すべきです。設備管理を正しくすれば、事故を未然に防ぎ、生産も正常化することができます。

 鉱山で粉砕機さえ適時に補修できなくて生産に支障を与えているそうですが、そういうことではいけません。設備の点検と技術管理を規定どおりきちんとすべきです。戦闘期間だからといって設備の補修もせずに酷使するようなことがあってはいけません。

 いま、労働者の熱意と気勢はたいへんなものです。生産が向上するか否かは、主に幹部の仕事の手配の仕方にかかっています。みなさんは、労働者の高揚した気勢に仕事の手配を裏打ちして、生産を飛躍的に高めるべきです。

 生産の組織においては、単位時間の生産性向上に基本をおくべきです。

 戦闘期間だからといって、労働者が1、2か月間も切羽に入りきりで働くようなことを許してはいけません。いちばん苦労しているのが切羽で働く鉱夫なのに、かれらを坑内で生活させるようなことをしてはいけません。地下の宝物がいくら大切であっても、けっして、それを党と革命の最も貴重な宝である労働者の健康と引きかえるわけにはいきません。鉱夫を大切にしなければなりません。切羽で戦闘をするのも、結局は労働者階級のためです。労働者を空気の悪い切羽で寝かせないで、必ず坑外に出てきて自宅で休むようにさせるべきです。

 いま一部の幹部は、労働者が切羽に入りきりで働いているのを褒め、宣伝までしているとのことです。これは、労働者が切羽に入って何か月も出てこないで働くのを奨励するようなものです。絶対にこういうことをしてはいけません。

 単位時間内に最大の能率をあげるようにするのが、こんにちの技術革命時代の生産組織方法です。我々は生産を綿密に組織して、労働者が単位時間内に能率をあげて生産を高め、休息と文化生活も十分にできるようにすべきです。

 鉱山の基本的生産単位である抗を強化し、その役割を高めるよう抗の指揮系統を確立すべきです。

 抗の生産指揮場ごとに指揮手段をより十分に提供すべきです。

 坑長が一人で500人の労働者と19の作業場を管理するというのは容易なことではありません。ところが、現在、坑長が1台の指令電話で生産を指揮しているそうですが、電話機1台では多くの人員と作業場を正しく指揮するのは無理であり、生産指揮を迅速かつ正確にすることができません。抗の指令通信指揮系統を円滑に確立できるよう、年内に指揮手段を解決すべきです。

 生産で一大高揚を起こすためには、特に、思想革命、思想戦を力強く展開しなければなりません。

 いつも話していることですが、すべてのことが人間の思想によって決まるのです。人間が思想的に奮起すれば革命的熱意と戦闘的気迫にあふれ、集団的革新と奇跡が起こるようになります。

 思想革命での基本は、すべての勤労者を金日成同志の偉大な革命思想で武装させ、金日成同志にかぎりなく忠実であるように正しく教育することです。党組織は、金日成同志の偉大な革命思想と指導の賢明さ、高邁な徳性を党員と勤労者に深く体得させる唯一思想教育を常に第一の任務としなければなりません。

 党の唯一思想教育で大切なのは、金日成同志の現地指導にこめられた事績の内容をもって正しく教育することです。鉱山党委員会は、金日成同志の現地指導と関連した事績資料をよく整理し、記念物を丁寧に保護、管理し、それをつうじて党員と勤労者を教育する活動を正しくおこなうべきです。

 いま中央と道から派遣されてきた芸術家の生産扇動隊も、生産向上のための生産扇動を進める一方、鉱山での思想革命の遂行に第一義的な関心を払うようにすべきです。

 党は、思想革命を力強く展開して生産を高めるため、工場、企業所に生産扇動隊を派遣しているのです。ですから、生産扇動隊は、労働支援にのみかたよることなく、思想革命に基本をおいて鉱山を援助すべきです。芸術家の生産扇動隊が思想革命を立派におこなって人びとを教育改造したというなら自慢もできるでしょうが、労働支援によって生産を高めたというのでは大した自慢になりません。

 芸術家が、生産扇動隊として派遣され、2か月程度ここで労働者を励まし、かれらといっしょに仕事をしてみるのも悪くありません。生産扇動隊として派遣された芸術家は、労働者のなかにはいって骨のおれる仕事をするかれらを励ます一方、かれらとともに働きながらみずからを労働者階級化する必要があります。

 いま剣徳鉱山の労働者は、あらゆる難関と障害を勇敢に克服して増産運動を力強くくりひろげています。中央のすべての芸術家は、交替制で1回ずつ剣徳鉱山に来て、生産扇動隊の活動をしていくようにすべきです。そうすれば、かれらは労働者階級の英雄的な闘争ぶりを見て学び、わき立つ労働のなかでいっそう鍛えられるでしょう。

 ここに来ている俳優は、身なりを見たかぎりでは、みな鉱夫と同じように見えます。しかし、見かけばかり労働者階級のようではいけません。中身まで労働者階級のようになってこそ、労働者階級化されたということができます。

 芸術家は、労働者階級のなかにはいってかれらの革命性、組織性を学びながらみずからを鍛える一方、労働者を積極的に励ましながら思想革命を力強くおし進めるようにしなければなりません。

 これから年末までひきつづき、剣徳鉱山に芸術家の生産扇動隊を交替制で派遣することにすべきです。

 文学・芸術部門の責任幹部も労働者階級の英雄的な闘争ぶりを現地に来てみて、学ぶようにするのがよいでしょう。中央の行政・経済幹部も机に座って官僚主義的にふるまおうとせず、労働者のなかにはいってかれらといっしょに働き、生活しながら難問を解決し、よく援助するようにしなければなりません。

 3大革命グループと指導グループも生産一面にかたよることなく、思想戦を強く展開すべきです。

 何よりも、企業所内に金日成同志の教えと党の政策を無条件うけとめ、確実に実行する革命的気風を確立するため積極的に努力すべきです。そして、設備の管理をおこたる傾向、労働力の管理をいい加減にする傾向をなくし、テアン(大安)の事業体系が正しく貫かれるようにすることに力を入れるべきです。

 剣徳鉱山で設備の補修作業を正常にしなかったのは、もちろん、鉱山の幹部の欠陥ですが、ここに派遣されている3大革命グループにも責任があります。

 いま一部の3大革命グループは、無気力であり、古い日給心をもった工場、企業所の幹部に同化してしまいました。そのため、否定的傾向との闘争を強くおこなえないありさまです。

 金日成同志は、3大革命グループを強く信頼して派遣したというのに、かれらが革命の前衛としての役割を果たせないようではどうなるでしょうか。3大革命グループは、幹部が企業管理を正しくせず、主観主義、官僚主義に走り、形式主義的、要領主義的な働き方をするといった、いっさいの否定的傾向と強い思想闘争をおこなうことによって、金日成同志の高い政治的信頼に忠実にこたえなければなりません。

 文化革命の遂行にも大きな関心を払うべきです。

 鉱山で文化革命を力強くおし進めてこそ、労働者が文化的に働き生活することができ、生産を高めることもできます。

 ところがいま、鉱山の党組織と責任幹部は、これにあまり関心を払っていません。我々は、へんぴな山里で骨のおれる労働をしている鉱夫に優先的に文化的な生活条件を保障すべきです。

 かつて搾取社会では、都市の一部の富裕な階層が現代文化を享受するだけで、労働者階級をはじめ、被搾取勤労者大衆は現代文明から除外され、文化的な生活を営むことができませんでした。これとは反対に、労働者階級が権力を握り、労働者階級の党が革命と建設を指導している我々の社会では、特定の階層だけでなく、すべての労働者と人民が文化的な生活を営むことができます。

 事実、いまは労働者階級の時代なのですから、当然、労働者階級が生活し働いているこのような鉱山で労働者階級の新しい文化が創造され、まさに、かれらのあいだで革命的楽観にみちた社会主義的文化生活が開花するようにしなければなりません。

 一部の人は、あたかもこのような鉱山村は文化的な面で都市より立ち後れるのか当然のことであるかのように考えていますが、これは古い思想観点によるものです。

 社会主義文化は、ほかならぬ労働者階級の文化です。それは、労働者階級によって創造され、労働者階級に奉仕する文化です。我々の社会では、剣徳鉱山のような労働者の大集団のなかから当然、革命的文化が創造されなければなりません。そうして、工場や鉱山の労働者のなかから創造された新しい文化を都市と農村に普及しなければなりません。これは、労働者階級が主人となった社会主義社会における文化発展の合法則的過程だといえます。

 我々共産主義者は、あらゆる階級的差異をなくすためにたたかっています。階級的差異は全社会を労働者階級化することによってのみ、最終的になくすことができます。そのため、我々はいま、全社会の労働者階級化を実現するためにたたかっているのです。

 全社会を労働者階級化するというのは、社会の全構成員を労働者階級の姿に改造するということです。

 労働者階級は、最も革命的で文化的な階級です。人類の理想である共産主義の建設を自己の歴史的使命としている労働者階級より革命的で文化的な階級はありません。

 全社会の労働者階級化のためには、労働者階級の思想性、組織性をいっそう高めると同時に、かれらの文化性も高めて、労働者階級がすべての面で真に全社会の手本となるようにしなければなりません。そうしてこそ、労働者階級が全社会の労働者階級化において指導的役割を正しく果たすことができます。

 我々は労働者階級にたいする正しい観点をもって、かれらが革命の指導階級らしくすべての面で先頭に立つよう、あらゆる条件を保障すべきです。

 ところがいま、幹部は、労働者階級にたいする正しい観点をもっていないため、労働者階級の文化生活などには関心を向けていません。

 文化生活なのだからといって、すこしでもおろそかにしてはならず、労働者階級が新しい社会の主人らしく新しい文化を創造していけるよう、あらゆる条件をととのえるべきです。特に、剣徳鉱山のように社会主義建設の最も重要な部門に立っている労働者階級の中核部隊の文化生活に大きな関心を払わなければなりません。

 金日成同志の配慮によってクムコル労働者文化会館が大きく建てられたのですから、これを効果的に運営して映画もたびたび上映し、労働者の芸術サークル活動も活発におこなうよう深い関心を払わなければなりません。

 いま剣徳地区の労働者は、テレビジョンの中継がなされないためテレビも満足に見られないそうですが、早急にテレビジョン中継塔を建てるべきです。

 新しい映画も労働者に先に見せ、特に剣徳鉱山のようなところに新しい映画を優先的に送らなければなりません。金日成同志の今回のヨーロッパとアフリカ訪問を収録した記録映画も、剣徳鉱山の労働者に優先的に送らなくてはなりません。

 中央芸術団の生産扇動隊は、剣徳鉱山には大勢来ているのに、龍陽鉱山にはあまり派遣されていないそうですが、今回の外国訪問公演から帰ってきた俳優を龍陽鉱山にも送るべきです。龍陽鉱山は、以前から成果をあげている企業所として広く知られています。

 鉱山に楽器も送り、すべての労働者が1つ以上の楽器をたしなめるようにすべきです。坑ごとに吹奏楽器もなくてはなりません。今度わたしが剣徳鉱山に贈った吹奏楽器2組は、まず2つの抗に分けてやるべきです。他の抗にもすぐまた楽器を贈ることにします。

 生産文化にも大きな関心を払うべきです。

 いま工場、企業所の幹部は、生産文化にほとんど関心を払っていません。

 剣徳鉱山も文化的にととのっておらず、内部も外部も清潔ではありません。いまだに職場をきれいにせず、非文化的な生活をする古い習性がなくなっていないようです。

 鉱山の構内とその周辺をきちんとととのえ、生産文化をいっそう高めるため積極的に努力すべきです。

 わたしがはいってみた4・5坑内の空気がにごっています。こういう抗の中で作業するのはらくでないはずです。

 みなさんは鉱夫の働いている切羽に入ろうとするわたしを引き止めましたが、鉱夫が切羽で働いているのを見ずにそのまま帰るわけにはいかないではありませんか。

 坑内に吹込み通風をするから大丈夫だといっていますが、それでも坑内の空気がにごっています。切羽でも新鮮な空気を吸って働けるよう、万全の対策を講じなければなりません。

 技術革命と思想革命、文化革命をともに立派におこなって、剣徳鉱山がすべての面で全国の模範にならなくてはなりません。剣徳鉱山は、生産向上の面でのみ全国の模範になるのでなく、人びとの思想改造と技術革新、生産文化と生活文化の確立の面でも先頭に立たなくてはなりません。

 鉱山の党委員会と責任幹部は、金日成同志の鉱夫への配慮が正確にゆきとどくよう給養活動を円滑におこなうべきです。

 鉱山の責任幹部は、生産だけでなく、労働者の暮らし向きも常に知りつくし、かれらの生活に不便な点がないよう難問をそのつど解決しなければなりません。労働者は生活上の心配がなければ仕事に精をだし、課された革命課題を立派に遂行するようになるものです。

 いま責任幹部が給養活動を円滑におこなっていないため、労働者に住宅や副食物などを満足に保障できないありさまです。これは、鉱夫においしくて栄養価の高い副食物をすこしでも余計に送り、1戸の住宅でももっと住みよいものを与えようと心を砕いている金日成同志に忠実でないあらわれです。

 幹部は、いまなお労働者階級を軽視する誤った観点から完全にぬけきっていません。みなさんは、そうした古い思想を根こそぎにし、労働者階級に奉仕する思想観点をうち立て、労働者への給養活動を決定的に改善しなければなりません。

 金徳労働者区に住宅をたくさん建てるべきです。

 いま、この労働者区の人口は数万におよびますが、今後、鉱山の拡張にともなってさらに増加するでしょう。ですから、住宅を建てなければ、労働者の生活にたいへんな不便をきたすおそれがあります。そのうえ、剣徳鉱山には外国人もたくさん来るので、住宅をきれいに建てなければなりません。来年からはもうすこし投資を増やして、金徳労働者区に年に200〜300個の住宅を建てなければなりません。そのためには、住宅建設にあたる建設事業所を一つ設ける必要があります。建設事業所は、ベルトコンベヤー化を実現して調整される労働力で組織することができるでしょう。運搬のベルトコンベヤー化が実現すれば、いま坑ごとにある運搬小隊の労働力は不必要になるでしょう。ベルトコンベヤー化を実現して節約される労働力のうち、400〜500人は建設労働力にふりむけることができるでしょう。

 後方供給基地をしっかりかためなければなりません。

 剣徳鉱山には、いまだにしっかりした後方供給基地がありません。この鉱山だけでなく、端川地区鉱業連合企業所管下の各企業所がほぼ同じようを状態にあります。また、郡でも給養活動を十分におこなっていません。

 金日成同志が松林市と鏡城郡を黄海製鉄所と清津市への後方供給基地として指定したのも、給養活動をいっそう円滑にするための措置です。

 端川地区鉱業連合企業所には、これといった後方供給基地がありません。端川地区に連合企業所が設けられた以上、後方供給基地をつくってやらなければなりません。

 もちろん、いま端川郡が連合企業所の給養活動を援助することになっており、アヒル牧場と六坮水産事業所をはじめ、連合企業所に奉仕する後方供給基地がないわけではありませんが、それだけでは足りません。後方供給基地がしっかりかためられていないうえに連合企業所の指揮部が鉱山から遠く離れているので、剣徳鉱山や龍陽鉱山への給養活動にはそれほど関心を払っていません。

 これからは、端川部が連合企業所に徹底的に奉仕するようシステムを確立すべきです。こうして、端川郡で生産される食肉とタマゴは他にまわさないで端川地区鉱業連合企業所に全部供給するようにしなければなりません。

 いま剣徳鉱山の労働者は野菜の供給も満足にうけていないそうですが、それはたいへんな誤りです。

 剣徳鉱山の労働者に野菜を円滑に供給するためには、野菜専門の農場を設け、混合糞尿土も大量に運搬してやるべきです。鉄道輸送部門では、剣徳地区で生産された混合糞尿土を野菜農場に運搬するよう直ちに対策を講じなければなりません。

 冷凍施設を十分にととのえなければなりません。いまは冷凍施設が不十分なので、魚が運搬されてくると労働者にいっぺんに供給するそうですが、そういうやり方をしてはいけません。魚を十分に冷凍しておいて、切らさず供給するようにすべきです。

 剣徳鉱山では冷凍庫を建てておきながら、200KVAの変圧器がなくて操業できないそうですが、早急に解決してやらなくてはなりません。龍陽鉱山でも400トン級の冷凍庫を建設しておきながら冷凍機がなくて利用できないそうですが、そこに10万キロカロリー級の冷凍機2台を早急に提供しなければなりません。

 剣徳鉱山への給養活動は、端川郡党委員会が責任をもって保障すべきです。

 剣徳鉱山の支配人は、労働者区の事務長を兼ねているので、住民の生活に関心を向けようとして生産指導がおろそかになるとのことですが、そういうことではいけません。もちろん、鉱山の支配人は、労働者区の事務長として住民の生活に関心を払うべきです。しかし、支配人の基本的任務は、あくまでも生産指導を正しくすることです。

 いま、剣徳鉱山の労働者への給養活動が円滑になされていないため、支配人は生産指導を正しくすることができません。

 金徳労働者区の数万人の住民の生活を保障するというのは、けっして容易なことではありません。住民が数万ともなれば一つの郡に相当しますが、鉱山の支配人が企業を管理し、住民の生活も保障しなければならないので、結局はどれ一つとして満足にできないありさまです。
 要は、郡党委員会が、郡内の労働者への給養活動が円滑におこなわれるよう正しく指導することです。端川郡と虚川郡党委員会は、その地域内の鉱山の労働者への給養活動を党の立場で責任をもって十分に保障しなければなりません。

 わが国の有力な非鉄金属鉱物生産基地である剣徳鉱山をいっそう発展させ、より多くの外貨を獲得するためには、全国が剣徳を積極的に支援しなければなりません。

 いま、少なからぬ幹部は、口先では鉱山の重要性を強調し、鉱山を支援しなくてはならないといっていますが、実際には積極的に支援していません。

 政務院の委員会、省の幹部は、山間部の工場、企業所の労働者にたいする観点を正し、かれらの生産条件と生活条件を十分に保障しなければなりません。

 いまなお、剣徳鉱山のように国家的に大きな意義をもつ工場、企業所に相応の関心が向けられていません。これまで、この鉱山には救急車の一台も解決してやりませんでした。今後、非生産部門には提供できないとしても、このような重要な生産単位にすべてのものを優先的に供給しなければなりません。

 今度、わたしがもってきた宣伝カーを効果的に利用すべきです。剣徳鉱山と龍陽鉱山に生産扇動用メガホン、携帯用録音機、それに乗用車とバスなどもいっさい解決してやる考えです。

 剣徳鉱山のような基幹生産部門で鍛えられた労働者階級のなかから幹部を多く選抜すべきです。

 労働者階級のなかに入ればいつも力がわき、階級性も高まります。労働者階級のなかから幹部がたくさん出なければなりません。

 金日成同志は、幹部陣容を学生化、事務員化してはいけないと重ねて強調しています。

 党組織は、幹部の源泉がどこにあるのかを知りません。幹部の源泉は、現実に出向いてこそ見つけることができるのです。戦闘的気迫にあふれた社会主義建設の壮大を闘争のなかで人びとは鍛えられ、労働者階級化され、金日成同志にかぎりなく忠実を革命家が育つのです。まさに、剣徳鉱山のように困難な生産闘争のなかで鍛えられた労働者階級の大集団がある大規模の工場、企業所に行ってこそ、本物の労働者階級らしい労働者階級出身の幹部を選抜することができます。

 党組織と幹部は、幹部事業の観点を正し、方法も改めるべきです。そうして、現実のなかにはいり、長いあいだ労働のなかで鍛えられた堅実な人を探しだして幹部に登用するという党の方針を正しく実行しなければなりません。剣徳鉱山のようなところで鍛えられ、点検された堅実な人を人民経済大学などにやって勉強させれば、立派な幹部になるでしょう。

 鉱山党組織の役割をさらに高めなければなりません。

 党組織は、何よりも鉱山の全集団を金日成同志の革命思想で武装させ、金日成同志にかぎりなく忠実な真のチュチェ型の共産主義的革命家の集団に育てていかなければなりません。この活動を立派におこなえば、万事がうまくいくようになるでしょう。

 党員と勤労者をチュチェ型の共産主義的革命家に育てるためには、思想教育と思想闘争をつうじてかれらをたえず鍛えなければなりません。

 今度、党中央の方針に従って鉱山党委員会でおこなった党の唯一思想体系確立10大原則の再討議過程をつうじて、鉱山の幹部と党員がかなり自覚したそうですが、それはたいへんよいことです。

 党組織は、10大原則の再討議で達成された成果を強固にし、特に金日成同志への党員と勤労者の強い忠誠心と高揚した革命的熱意が経済課題の遂行において立派な結実をもたらすよう組織・政治活動を裏打ちすべきです。

 そして、行政幹部は、行政・経済活動を綿密にし、鉱山のすべての生産単位でフル稼働を保障し、覇気をもって仕事を進めるようにすべきです。

 党組織は、いつも覇気をもって積極的に活動を展開し、行政をはじめ、すべての機構と生産単位が生気はつらつと動くように正しく導くべきです。

 特に、鉱山の党書記と支配人は、誰よりもみずからを徹底的に革命化し、強い責任感と主人としての自覚をもち、闘志と情熱にあふれて仕事にあたるべきです。党書記と支配人は、思想的に老化してはならず、常にチュチェ型の清らかな血潮が胸にたぎり、革命的気迫のある指揮メンバーらしく働き、大衆の先頭で率先垂範の模範によって大衆を力強く導くべきです。

 みなさんは3大革命の旗を高くかかげ、党員と勤労者の創造的熱意と積極性を高く発揮させて、党から与えられた栄誉ある課題を立派に遂行し、より高い目標をかかけてひきつづき力強く前進すべきです。

 わたしは、剣徳の労働者が、党中央の意図を肝に銘じ、生産に新たな転換をもたらすことによって、10月10日以前に今年度の増産計画を完遂し、年末までに鉛、亜鉛6万トンを増産するという決意を必ず実行するものと確信します。

出典:「談話」と同名の冊子 平壌 外国文出版社 1991


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