金 正 日

女性幹部をより多く養成するために
 朝鮮労働党中央委員会組織指導部、宣伝扇動部副部長協議会でおこなった演説
−1975年4月30日− 

 わたしは、今日みなさんに女性幹部をより多く養成し、その役割を高めることについて述べたいと思います。

 わが党は、女性幹部の陣容を系統的に拡大することを一貫した方針としています。しかし、これまで党のこの方針は満足に実行されていません。現在、中央であれ地方であれ、幹部はほとんど男子であり、女性幹部はわずかにすぎません。そのため、幹部構成における女性の比率は非常に低い状況にあります。

 最近、金日成同志は、これまで女性幹部を育てる活動にあらわれた欠陥をきびしく指摘し、女性幹部陣容を画期的に拡大する革命的措置を講じるよう改めて強調しました。

 女性を革命的に教育し、社会活動に広く参加させることは、革命と建設の重要な要求です。

 社会を順調に動かしていくためには、人口の半数をしめる女性がその役割を十分に果たさなければなりません。片方の車輪が動くだけでは車がまともに進めないように、男子の役割だけでは社会が速やかに発展するものではありません。女性を社会の片方の車輪を動かす頼もしい担い手に育てあげてこそ、我々の社会の発展をさらに促進し、社会主義・共産主義建設を推し進めることができます。

 現在、わが国の労働力構成をみると、女性がほぼ半数をしめています。しかし、女性幹部はわずかにすぎません。

 わが党は、すでに解放直後、女性も男子と同じ権利をもって社会生活に参加できるように男女平等権法令を発布しました。女性は、男子と同じく社会に進出して働く権利をもっているだけでなく、幹部として活動できる権利ももっています。女性幹部をたくさん育て、その役割を高めてこそ、女性に男子とひとしい社会的地位と平等権をいっそう十分に保障することができます。

 女性幹部を増やすことは、わが党の幹部陣容をしっかりかためるうえできわめて重要な意義をもっています。

 女性には、よい気質がたくさんあります。女性、特に、わが党のチュチェ教育をうけた若い女性は、指示されれば、そのとおり働く誠実な品性をもっており、課された任務を忠実に実行する高い責任感ももっています。また、女性はおしなべて性格がやさしいので、幹部に多く登用すれば、官僚主義的活動作風を一掃し、対人活動を強化するうえでも好都合です。わが国の女性には、一生懸命に働き、きちょうめんに生活する立派な品性もそなわっています。したがって、社会主義経済管理などをまかせても立派にできるでしょう。実際にいま、女性幹部のなかには、男子よりも経済管理を手ぎわよくおこなっている人がたくさんいます。農村で管理委員長が女性の協同農場をみても、いずれも党の農業政策を立派に貫徹し、経済管理をきちょうめんにおこなっています。女性のもっているよい気質を十分に生かし、彼女たちを正しく教育するならば、社会主義建設の重要な持ち場を着実に守っていく女性幹部をより多く育てることができます。

 女性は、体質上の特性からしても、管理部門や事務部門などで大いに働かせるべきです。我々の社会には、まだ技術革命が完成されていないため、骨のおれる仕事が少なからず残っています。このような状況のもとで、骨のおれる部門は男子が担当し、骨のおれない管理や事務などの部門は大いに女性にまかせるべきです。ところが、農村に出むいてみると、いまなおカバンをかかえて歩いているのはほとんどが男子であり、工場、企業所でもらくな事務部門に男子が大勢います。これは、人びとを能力や体質に応じて適材適所に配置するという党の方針にも反しています。

 女性幹部を多く養成することは、祖国統一の大事変を迎える準備をととのえるうえでも重要な意義をもちます。

 我々は、南北の扉が開かれれば南半部に行って活動できる女性活動家をたくさん育てなければなりません。我々は、南半部の女性運動をさらに発展させ、女性の社会的解放を実現するとともに、すべての女性を教育改造して金日成同志のまわりに結集させなければなりません。南半部の女性運動を発展させ、女性を革命的に教育するためには、現在の少数の女性同盟の活動家だけでは足りません。将来、南半部で党および政権機関、勤労者団体、経済・文化機関を復旧し、強化する活動を円滑におこなうためにも、有能な女性幹部をたくさん育てなければなりません。

 女性を熱烈な革命家、有能な指揮メンバーに育てあげ、すべての部門で女性幹部を速やかに増やすことは、金日成同志によって抗日革命闘争の時期にきずきあげられた、わが党の貴い幹部事業の伝統を社会主義建設の新たな現実に即して継承発展させる栄えある事業です。

 金日成同志は、革命を導いてきた全期間、常に革命闘争と建設事業における女性の位置と役割を深く洞察し、女性を熱烈な革命家、有能な幹部に育てることに心をくだいてきました。

 金日成同志は、苦難にみちた抗日武装闘争の時期、朝鮮人民革命軍の隊伍をかため、将来新しい祖国建設のための幹部陣容を準備する活動の重要な一環として、数多くの女性を革命隊伍に受け入れ、みずから彼女たちを教育し、武装闘争と地下革命闘争の実践の過程で系統的に鍛えあげました。

 朝鮮人民革命軍の女子隊員は、金日成同志の細心の指導と配慮のもとで、祖国と人民にかぎりなく忠実な女性革命家、女性指揮官に育ち、いつどこにあっても、金日成同志を政治的、思想的に擁護、防衛し、革命の司令部を生命を賭して守りとおしました。

 金日成同志は、解放後、民主主義革命と祖国解放戦争、社会主義革命と社会主義建設の過程においても、労働者、農民出身の多くの平凡な女性をみずから理解し選抜して、立派な女性活動家に育てあげました。

 いま活動している女性幹部は、いずれも、金日成同志の高い政治的信頼と系統的な教育をうけて育った活動家です。我々には、農村のすき手や工場の機械工から有能な政治活動家に育った女性幹部もおり、正規の教育体系と養成体系をつうじて国家・経済・文化機関の中堅幹部に育った女性もたくさんいます。彼女たちは、みな、金日成同志のあたたかいふところのなかで学び、さまざまな職責を担って活動する過程で幹部に育ちました。

 金日成同志は、女性幹部陣容を拡大するためこのように心をくだいてきましたが、活動家が正しくその意を体して仕事をしなかったため、さらに多くの女性幹部を育てることができませんでした。

 我々は、金日成同志の意図と期待どおり女性幹部を多く養成し、革命闘争と建設事業で彼女たちの役割を高めるため積極的に努力しなければなりません。

 女性幹部を多く育てるためには、女性にたいする誤った観点から正さなければなりません。

 いまなお活動家には、女性をないがしろにし、差別する誤った思想観点が少なからず残っています。このような観点を改めないことには、女性幹部の養成を正しくおこなうことができません。もちろん、女性を党および国家機関の幹部として働かせるためには、必要な活動条件を保障し、国家がある程度の負担をおわなければなりません。これをわずらわしがって女性の幹部登用に消極的になってはなりません。

 こんにちわが国には、党の革命的施策によって、女性の社会的進出を保障できる有利な条件が立派にととのっています。わが党は、すべての子どもを国家的に、社会的に養育する共産主義的施策を実施しており、女性を家事の重い負担から解放する問題を3大技術革命課題の一つとして強力におし進めています。そうして、昼間託児所、昼間幼稚園だけでなく、週間託児所、週間幼稚園も数多く設けられ、各種のサービス施設も立派にととのえられつつあります。

 党と国家は、大きな力をそそいで女性に心おきなく働ける条件をととのえていますが、活動家の女性にたいする正しい観点が確立されていないため、女性幹部がはやく増えていません。

 一部の活動家は、女性は女性同盟の仕事ぐらいが精一杯で、他の部門の幹部として働くには適していないと考えています。これは非常に誤った見解です。女性も党機関で働けば党活動家になり、行政・経済機関で働けば行政・経済活動家になれるのであって、女性だからといって必ずしも女性同盟の活動家にしかなれないという法はありません。

 少なからぬ機関では、女性を部員として配置している程度であり、幹部に登用する場合でも信頼し、思いきって仕事をまかせるのでなく、事務室の留守番をさせるくらいで、予備人員扱いにしています。そうして、彼女たちが結婚して子持ちになると、仕事がさばけないという口実で、男子と入れ替える傾向が少なくありません。

 活動家がこのように女性活動家を軽視するので、国家が多額の資金を費やして大学まで卒業させた少なからぬ女性も、相応の役割を果たせずにいます。女性活動家をないがしろにし、差別するのは、ブルジョア思想、封建的儒教思想のあらわれです。

 わが党は、ブルジョア思想、封建的儒教思想に反対し、久しい前からたたかってきました。特に、党中央委員会第4期第15回総会を契機に、ブルジョア思想、封建的儒教思想に反対する闘争を力強く展開しました。しかし、活動家のなかには、いまなお古いブルジョア思想、封建的儒教思想の残りかすがくすぶっており、それは、女性にたいする観点にもあらわれています。

 党組織は、女性幹部陣容を拡大し、その役割を高めるため、女性活動家にたいする正しい観点を確立し、すべての部門、すべての単位で女性を思いきって幹部に登用しなければなりません。

 何よりも、各級党機関が女性を多く受け入れて系統的に養成すべきです。まず党機関から女性の比率を高めなくては、全般的な女性幹部陣容を速やかに拡大することはできません。女性党活動家を多く養成すれば、党活動をさらに改善することができるだけでなく、他の部門に有能な女性幹部をたくさん送ることができます。したがって、初級党委員会から党中央委員会にいたるまで、各級党機関における女性活動家の比率をさらに高め、彼女たちを有能な幹部に育てる積極的な対策を講じるべきです。

 党機関にかぎらず勤労者団体機関や行政・経済機関でも、女性幹部の比率を決定的に高めるべきです。現在、社労青の隊列には男子よりも女性が多いのですが、女性の社労青幹部はわずかにすぎません。職業同盟、農業勤労者同盟も同じありさまです。女性活動家を勤労者団体の幹部として大いに登用すべきです。

 行政・経済機関にも女性幹部を多く登用すべきです。

 もちろん、行政・経済活動においては実務能力もなければならないので、若い女性を最初から高い職責につけるのはむずかしいと思います。しかし、行政・経済機関でも、次席幹部の地位に女性を配置し、一定の期間実務を学ばせたのち、系統的に登用すれば、高い地位につけることができ、女性幹部の比率を高めることができます。

 地方機関や工場、企業所、協同農場には、もちろん、中央機関にも女性活動家を多く登用すべきです。現在、中央機関はほとんど男子で構成されています。中央機関だからといって、女性が勤められないわけはありません。中央機関にも若い女性を思いきって登用し、女性幹部の比率を高めなければなりません。女性を思いきって登用し、立派に育てれば、そのなかから委員長、相も出てくるであろうし、副総理も生まれるでしょう。

 女性幹部は、生産現場で鍛えられた中核女性のなかから選抜するのを基本とすべきです。

 特に、労働者階級のなかから女性幹部を大いに抜てきすべきです。わが党は、労働者階級の党です。わが党の幹部陣容を労働者階級出身でかためるのは、党の労働者階級的性格を強めるための原則的要求です。社会主義建設の深化につれ、幹部陣容に高等教育をうけた知識のある活動家がより多く網羅されなければならないのはいうまでもありません。だからといって、大学にのみたよって幹部陣容を拡大しようとしてはなりません。そういうことでは、幹部陣容を学生化する結果をまねきかねません。我々は、女性幹部の選抜においても、労働者階級の大集団がいる工場、企業所から、細胞書記やその他の初級幹部として仕事に熱心な女性を積極的に抜てきすることに第一義的な注意を払わなければなりません。

 女性幹部は、農村の中核女性のなかからも選抜すべきです。農業部門で鍛えられ点検された女性活動家を立派に育てれば、そのなかからも多くの幹部が出てくるはずです。

 現在、女性幹部を速やかに増やす重要な源泉は、3大革命グループとして派遣された女子大学生です。

 3大革命グループ運動は、革命闘争のなかで大学生を有能な革命幹部に鍛える溶鉱炉です。もちろん、大学はわが党の民族幹部養成基地であり、大学生はみな将来の民族幹部です。したがって、大学における教育の質を高め、すべての大学生を将来の有能な民族幹部に育てあげなければなりません。しかし、大学を卒業したばかりの人は、社会的経験も浅く政治的鍛練も足りないので、かれらを革命実践をつうじて鍛えることが必要です。

 革命実践をつうじて大学生を鍛えるうえで、3大革命グループ運動は重要な役割を果たしています。大学生は3大革命グループに参加して思想闘争をおこない、政治活動もおこなう過程で活動経験をつみ、活動方法も学び、思想的にさらに鍛えられ点検されます。

 現在、3大革命グループとして派遣された女子大学生のなかには、党に忠実な人がたくさんいます。彼女たちを幹部に抜てきすれば、女性幹部陣容を速やかに拡大することができます。3大革命グループとして派遣された女子大学生は、何年かのあいだ生産労働に参加し、思想闘争もくりひろげる過程で革命化、労働者階級化されるので、幹部に選抜するときには労働者出身とみなして抜てきすることができます。

 3大革命グループとして派遣された女子大学生を幹部として多く選抜すれば、グループ運動をいっそう活発にするうえでもよい影響を与えることができます。

 3大革命グループから幹部を多く選抜すれば、3大革命グループにたいする正しい認識を与えることができ、グループのメンバーに自己の任務にたいする誇りと活動意欲をさらに高めさせることもできるでしょう。最近、3大革命グループとして派遣された男子大学生のなかから幹部を多く選抜しましたが、女子大学生も幹部に多く選抜すれば彼女たちに与える影響がさらに大きくなるでしょう。

 3大革命グループとして派遣された大学生を幹部に登用することは、かれらにたいする金日成同志の高い政治的信頼のあらわれです。我々は、かれらが大学を卒業して間もなく、年も若いが、金日成同志の意を体して現実のなかにはいり、思想・技術・文化革命の遂行のために忠実に働き、今後も金日成同志にかぎりなく忠実であることを信じて幹部に登用するのです。それゆえ、3大革命グループとして派遣されたすべての大学生は、金日成同志の高い政治的信頼を肝に銘じ、いつどこでいかなる任務を果たすにしても、金日成同志にかぎりなく忠実な革命戦士らしく立派に仕事しなければなりません。

 女性幹部を増やす最も確実な源泉は、金日成同志がみずから理解し育てた女性たちです。

 金日成同志は、全国各地の工場、企業所や協同農場を現地指導する過程で多くの女性に会い、彼女たちの活動と生活についてこまかく気をくばり、仕事の方法を教え、すべての活動で先頭に立つようあたたかく導いています。また、会議を指導する過程でも多くの女性に会って理解し、仕事をいっそう立派にするよう肉親の情であたたかく見守っています。金日成同志がみずから育てあげたこれらの女性は、すべてわが党の中核であり、最も確実な幹部源泉です。したがって、このような女性をみな掌握し、金日成同志の意図どおりひきつづき発展するよう十分に援助し、そのなかから幹部を多く選抜すべきです。

 女性幹部を速やかに増やすためには、幹部の理解と選抜を正しくおこなわなければなりません。

 幹部を理解するうえではいまなお多くの欠陥があります。少なからぬ活動家が幹部を理解する方法をみると、大衆のなかにはいって理解するのではなく、依然として事務室で文書を見、人を呼び寄せて1、2回対話することですませています。活動家はこのように形式主義の枠にしばられ、事務室にかまえて仕事を手工業的にするので、幹部の源泉がないと泣き言ばかりいっています。

 幹部にたいする理解は、工場、企業所、協同農場などの生産単位と下部におりてゆき、直接大衆のなかでおこなうべきです。多くの人に会って話をかわし、党組織の意見や大衆の世論も聞き、党、勤労者団体の会議にも参加して政治・思想生活を具体的に調べるべきです。こうしてこそ、金日成同志に忠実で、不正とたたかうことができ、大衆の信望があつい、有能な人を探し出すことができます。現在のように文書にのみかかずらっていたのでは、幹部を正確に理解、選抜することはできません。

 女性幹部の選抜にあたっては、活動経歴をそれほど問題にすることはありません。もともと、女性活動家が少ない実情にあって、活動経歴を問題にし、経験のある活動家ばかり探そうとしては、女性幹部陣容を速やかに拡大するという党の意図を貫徹することができません。やれ経歴がどうの経験がどうのといって、いくらもいない既成活動家のなかから女性幹部を選抜しようとばかりせず、育ちゆく新しい世代のなかから思いきって選抜し養成すべきです。

 我々がいつもいっていることですが、幹部の表徴としての基本は金日成同志にたいする忠誠心です。

 活動経歴と経験のある活動家だけが党に忠実で立派に仕事するものではありません。かえって古参の活動家のなかには、古い経験にとらわれて要領主義的にふるまい、仕事のさばけない人が少なくありません。したがって、経歴、年齢、履歴のうち、履歴は多少見るとしても、経歴などは無視してもかまいません。特に、党活動の年数や経験を問題にする必要はありません。これまでの党活動経験というのは、すべて古い環境のなかで学んだものです。我々はいま、古い環境のなかで活動したかつての経験を全部白紙にもどし、再出発しようとしているのに、古い経験に執着して何になるというのでしょうか。問題は経歴や経験にあるのではなく、忠実性にあるのです。忠実性さえあれば仕事を革命的に進めることができ、その過程で新しい活動経験も得られるものです。

 女性幹部の登用においては、年齢にこだわる必要もありません。思想が堅実で党に忠実でさえあれば、年若い娘でも思いきって幹部に登用すべきです。若い世代は、最初のうちは実務水準が多少低いでしょうが、革命性が強く、党の呼びかけであれば水火をいとわず取り組む立派な気質をもっています。我々は、古い枠にしばられ、活動にブレーキをかける人よりも、若くて覇気のある活動家がずっとましだと思います。

 わが党は、革命の党、たたかう党であるため、幹部革命を起こさなければなりません。

 幹部革命をおこなうためには、幹部陣容の新陳代謝を促進しなければなりません。幹部陣容の新陳代謝は、現在の幹部が古い思想観点と活動態度を捨てさり、再出発することによってもできますが、年が若く、思想が堅実で、党にかぎりなく忠実な活動家で幹部陣容をたえず拡大してこそ、いっそう促進されます。我々は、古い思想、古い活動気風に染まっていない若くて清新な活動家で幹部陣容をしっかりかため、わが党を常に覇気にみちた革命的党、闘争力の強い戦闘的な党にたえず強化発展させていかなければなりません。

 女性幹部の登用にあたっては、何らかの段階をふむという方法をとる必要もありません。最初は、市、郡クラスの機関に配置し、次に道クラスの機関に登用し、その次は中央クラスの機関に登用するというふうにしたのでは、中央クラスの機関、特に党中央委員会に若くて覇気のある女性幹部を登用することがむずかしくなります。本人さえ鍛えられていて将来性があるなら、工場、企業所で働いていようと、大学出の若い娘であろうと、思いきって道クラスの機関や中央クラスの機関に直接配置し、党中央委員会に配置することもできます。

 幹部の選抜、配置では、専門知識によって適材適所に配置するのが原則ですが、機械的にそうする必要もありません。

 金日成同志は、久しい前に、女性が多数をしめている軽工業部門で女性幹部の比率を高めることについて教えています。しかし、活動家は、当該部門についての専門知識がないの、経歴がどうのといって、新しい世代を思いきって幹部に登用しませんでした。これはたいへんな誤りです。わが党のチュチェ教育をうけた新しい世代は、革命観が確立しており、進取の気性と闘争力が強いので、どの部門に配置してもすぐに仕事をおぼえ、立派にやっていくことができます。実際上、軽工業部門のようなところは、これといって神秘なものはありません。軽工業大学を卒業しなくても、十分学んで軽工業部門で立派に働けます。

 女性幹部陣容を娘や独身女性だけでかためようとする偏向も正すべきです。女性は、年ごろになれば結婚し、家庭をもつのは人間生活で避けられないことなのですから、我々が娘や独身女性にだけ仕事をさせるわけにはいきません。もっとも、年のいった家庭婦人をいまから幹部にしたのでは将来性がありません。しかし、家庭婦人であっても、党に忠実で仕事を着実にすれば、ひきつづき幹部として発展させるべきです。

 我々は、各級党組織が党の意図を正しく認識し、女性幹部陣容を拡大する事業に革命的に取り組むようにすべきです。

 もちろん、まだ女性活動家にたいする理解が足りない状況のもとで、この事業を1日や2日で終えることはできません。女性幹部陣容を拡大する事業は、いくつかの段階を設定して着実に進めなければなりません。

 現在、全党的に党の唯一思想体系確立の10大原則の再討議をおこなっていますが、この過程をつうじて女性幹部候補にたいする理解を深めることができます。10大原則再討議の過程で女性の組織・思想生活状況を深く理解し、点検された女性を大いに幹部に選抜すべきです。

 各級機関で女性幹部の比率を高める事業は、欠員の幹部をなるべく女性で補充することから始めるべきです。いまなお少なからぬ単位では、男子のなかにだけ幹部候補を求めようとして欠員幹部をおぎなっていませんが、女性のなかから鍛えられた活動家を選抜して登用すれば、欠員幹部をよりはやくおぎなうことができるでしょう。

 女性幹部陣容を短期間に速やかに拡大するためには、組織部の力だけでは困難です。各級党委員会と党内のすべての部署が女性幹部陣容の拡大に大きな関心を払う必要があります。各級党委員会は、女性幹部の養成と選抜、登用を党委員会全体の事業とすべきであり、すべての部署は所管機関の幹部陣容における女性の比率を高めるため積極的に活動しなければなりません。

 女性幹部の選抜、登用においては、党中央委員会が模範を示すべきです。党中央委員会と上部の重要機関から女性幹部を多く登用してこそ、下部でも女性幹部の比率を高める事業をしっかりと受けとめ、実行することができます。

 党組織は、女性幹部陣容をしっかりとかためるため、女性活動家にたいする教育をさらに強化しなければなりません。

 何よりも女性に、社会の片方の車輪を動かす革命の主人としての自覚を高めさせ、彼女たちが党と革命のため献身的に働くように教育すべきです。

 現在、女性幹部陣容が速やかに拡大されず、女性幹部の役割が不十分なのは、少なからぬ女性が自己の革命の持ち場と革命任務にたいする愛着をもって党と革命のため献身的に働こうとするのではなく、個人の安楽を先に考え、はやく結婚でもしてらくにすごそうとするところにも少なからぬ原因があります。

 もちろん、女性のなかには、ひたすら党と革命のためにすべてをささげてたたかう忠実な人がたくさんいます。ヘクタール当たり稲の収量を10トンに引き上げるまでは結婚しないと決心して頑張っている女性管理委員長、作業班の総合的機械化を完成してから結婚するという女性作業班長のように、立派な人がたくさんいます。まさに、このような人こそ我々の時代の模範的な女性であり、女性革命家です。このような女性は、社会と集団、党と革命のために服務することを最も大きな幸せと思い、いつも希望と楽観にみちて生活し、たたかっているのです。党組織は、すべての女性がこのように高度の革命精神をもつようたゆまず教育すべきです。

 我々は、また、結婚してからも変わることなく、自分の革命任務に愛着をもって忠実に働くよう、女性を教育する必要があります。

 女性のなかには、娘のころは相応の働きをしても、いったん結婚すると、革命任務の遂行にたいする熱意がしだいにさめ、ついには家庭にとじこもってしまう人が少なくありません。女性が、革命活動も党の任務も全部投げだして家庭にとじこもり、夫と子どもの世話をしながら安閑と時間をすごすようになれば、落後者となり、衣服などのことで愚痴をこぼすような利己主義者になってしまいます。そうして、しまいにはわが身をあやまるばかりか、子どもや夫にまで影響を及ぼすようになります。

 女性が家庭にとじこもろうとするのは、古い思想の名残です。人間が、社会も政治も知らず、衣食にのみ気をつかって暮らすようではなんの生きがいもありません。女性が家庭の狭い枠から脱して社会活動を大いにおこなうのは、社会のためだけでなく、自分自身のためにもよいことです。

 我々の制度下では、家庭は一つの細胞であり、家庭生活はすなわち社会生活の延長です。全社会を革命化し、チュチェ思想化するためには、家庭から革命化し、チュチェ思想化しなければならず、ここで女性の果たす責任は重大です。

 我々は、女性を革命的に教育し、彼女たちが社会活動に積極的に参加し、家庭と社会を革命化するうえでの責任と役割を全うするようにさせるべきです。

 党組織は、女性活動家が組織生活や学習を立派におこなうよう正しく指導し、活動条件も十分に保障し、彼女たちが課された革命任務を忠実に遂行し、その過程をつうじてさらにはやく発展するようにすべきです。

 女性幹部をかためる問題と関連して、男子にたいする教育も正しくおこなうようにすべきです。

 家庭婦人に社会活動を積極的にさせるためには、男子がよく援助しなければなりません。いま一部の女性は、夫のために社会活動に積極的に参加できず、活動で支障をうけています。一部の男子は、妻に子育てに専念し、自分の世話をしてくれることを要求するそうですが、これは時代おくれの非常に誤った思考方式です。

 党組織は、男子にたいする教育を正しくおこない、かれら自身が模範的に働くだけでなく、その妻も革命にいっそう積極的に寄与するよう、同志的に誠意をもって助力するようにさせるべきです。

 女性幹部陣容をしっかりとかためるためには、後続幹部養成事業を系統的におこなわなければなりません。女性幹部陣容を拡大するのは一時的な事業ではなく、幹部事業で日ごろからおこなうべき重要な事業です。我々の活動家が、女性幹部陣容を速やかに拡大するという党の方針を、たんに幹部構成における女性の比率をいまより高める一時的な問題としてとらえ、この事業を平素からとらえていかないならば、いくらもたたないうちにまた、元のもくあみになってしまうでしょう。したがって、すべての党組織は、女性幹部の候補を多く掌握し、系統的に育てる事業を計画的におし進めなければなりません。

 何よりも、女性労働者が大勢集結している工場、企業所で、まえもって堅実な人を候補として掌握し、党組織と社労青をはじめ、勤労者団体組織の初級幹部をさせながら、活動をつうじて系統的に育てるべきです。また、党の幹部養成機関でも女性幹部を多く養成し、当面は女性活動家養成のための特設班を設け、そこに優秀な女性を入れてはやく養成すべきです。また、大学で学んでいる女子学生のなかからも、今後幹部として選抜できるしっかりした学生をあらかじめ理解、掌握し、大学党組織との連係のもとに社労青活動をはじめ、各種の社会・政治活動をつうじて鍛え、活動方法も教えながら意識的に育てるべきです。

 党組織は、女性を思いきって登用してからは、実際の活動をつうじて能力を高めるべきです。

 女性を幹部に多く登用しても、彼女たちに文書整理をさせるだけで、事務室の留守番役をつとめさせ、仕事を教えないようでは、結局、女性は幹部としての役目を果たせなくなり、女性幹部陣容を拡大するかいがなくなります。責任幹部は、女性幹部をつれて指導活動に出むき、活動方法を教えたり、単独任務を与えて自立的に活動できるよう胆力をつちかい、彼女たちが活動に自信と勇気をもって、すべての仕事をたくみに処理できる活動家に育つようにすべきです。また、ある程度鍛えられた女性は、次席幹部に選抜、配置し、将来彼女たちが責任ある位置で働けるよう、実践闘争のなかで教える措置も積極的に講じなければなりません。

 女性幹部陣容を大胆に拡大するのは、わが党の歴史に前例のないことであり、党の幹部事業における一つの革命です。我々が、女性を幹部に選抜、育成する事業で転換を起こせば、幹部革命を促進し、幹部陣容の強化で大きな前進をもたらすようになるでしょう。

 すべての部門、すべての単位で女性を思いきって幹部に登用し、積極的に教育して、女性のなかから党および政権機関、勤労者団体、行政・経済機関の有能な幹部がたくさん育つようにすべきです。

出典:朝鮮民主主義人民共和国サイト「朝鮮の出版物」


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