金 正 日

映画芸術論
−1973年4月11日−


朝鮮・平壌
外国文出版社
1989


注 釈
はじめに

 現代は偉大なチュチェの時代である。チュチェの時代は、人民大衆が世界の主人として登場し、自己の運命を自主的に、創造的に切り開いていく歴史の新しい時代である。

 不滅のチュチェ思想の旗のもとに人民大衆が自主性を求めてたたかうのは、現代のとどめることのできない基本的趨勢となっている。いままさに、この時代の潮流のなかで、世界のいたるところで新しい秩序と体制が確立されている。

 こんにち我が国では、金日成同志の賢明な指導のもとに革命と建設のすべての分野にチュチェ思想が立派に具現され、世紀的な一大変革が起こっており、民族繁栄の新時代が開かれている。

 この歴史的な新時代を反映する文学・芸術は当然、チュチェの文学・芸術とならなくてはならない。チュチェの文学・芸術は、新時代の要求と人民大衆の志向に合致する共産主義的文学・芸術である。

 労働者階級が共産主義的文学・芸術の建設において、搾取階級の好みと情緒にあわせてつくられた古い文学・芸術のなかから取り入れるべきものはなにもない。また、長い歴史的過程でもたらされた文学・芸術の遺産の場合でも、それをそのまま継承することはできない。

 時代の要求にかなったチュチェの文学・芸術を建設するためには、かならず文学・芸術革命を起こさなくてはならない。

 文学・芸術革命は、内容と形式、創作体系と創作方法の全領域で古いものを打破し、新しいチュチェの文学・芸術を建設するための思想・文化分野における深刻な階級闘争である。

 現段階において、文学・芸術革命で力を集中すべき基本的対象の一つは映画芸術である。映画芸術は、文学・芸術全般の発展にとって重要な位置をしめる芸術であり、革命と建設の強力な思想的武器となる。したがって、映画芸術に力を集中して突破口を開き、その成果を文学・芸術全般に一般化していくのは、文学・芸術革命で我々がかならず堅持すべき基本原則である。

 労働者階級の党が新しい文学・芸術を建設するためには、偉大なチュチェ思想を唯一の指導指針とし、すべての問題をチュチェの要求どおりに解決していかなければならない。

 我々は、時代の要求と労働者階級の歴史的使命からして、チュチェの文学・芸術の建設と創造をめざす我々の方式の文学・芸術理論を確立し、実践に具現しつつ、たえず新しい道を開拓していくであろう。



生活 と 文学

映画 と 演出

性格 と 俳優

映像 と 撮影

画面 と 美術

場面 と 音楽

芸術 と 創作

創作 と 指導

著作「映画芸術論」の構成は、次のとおりです。


ページのトップ


inserted by FC2 system