金 正 日

祖国統一の3大原則を貫徹するために断固たたかおう
朝鮮労働党中央委員会の責任幹部との談話 
−1972年7月14日− 


 さる7月4日の南北共同声明が発表されて以来、内外ではひきつづき大きな反響が起きています。祖国の統一を渇望する南北朝鮮の全人民と海外同胞は、大きな感激と喜びをもって南北共同声明を熱狂的に支持歓迎しており、金日成同志が示した祖国統一の3大原則を貫徹して一日も早く国の統一を実現しようとする熱望でわき立っています。世界の多くの国の政府と政党、大衆団体も南北共同声明に全面的な支持を表明しています。

 南北共同声明がこのように全朝鮮人民と世界の進歩的人民の熱烈な歓迎と支持を受けているのは、それが朝鮮民族の切々たる統一念願と朝鮮問題の公正な解決を望む世界人民の要求を正しく反映しているからです。ほぼ、30年間もつづいている祖国の分断は、朝鮮民族に計り知れない不幸と苦痛をもたらし、国の統一的発展を妨げているばかりでなく、アジアと世界の平和を脅かす要因となっています。南北高位級会談が開かれて南北共同声明が発表された結果、わが国の緊張を緩和し、統一問題を平和的に解決しうる基礎が築かれ、祖国統一の前途には明るい展望が開かれました。じつに、南北共同声明の発表は、全民族に統一の希望をいだかせ、朝鮮人民の統一意志を全世界に誇示した歴史的な出来事です。

 しかし、我々は、情勢の他の側面についても注目せざるをえません。南北共同声明の発表を契機に全国土が統一の熱望でわき立ち、民族的団結の雰囲気が高まっているいま、南朝鮮では南北共同声明の基本精神に背くただならぬ動きがあらわれています。南朝鮮当局者は、自主、平和統一、民族大団結の3大原則に同意し、それを基本内容とする南北共同声明に署名しましたが、共同声明を発表して後ろを向くや、一枚の文書に運命を託することはできない、米軍の南朝鮮駐屯は長ければ長いほどよいと、共同声明に反する発言を公然とおこなっています。また、かれらは、共和国北半部にたいする誹謗中傷を中止しておらず、祖国の統一をめざしてたたかう南朝鮮人民をひきつづき弾圧しています。

 南朝鮮当局者のこのような発言と行動は決して偶然なものではありません。きのう、板門店でおこなわれた南北連絡代表の接触で、南朝鮮当局者の不穏当な言動を追及された南側代表は、反省するだの、南朝鮮内部の複雑な事情のためだから了承してほしいだのと弁明したそうです。我々は、分裂主義者の見えすいた話を真に受けてはならず、かれらの浅知恵にあざむかれてはなりません。南朝鮮為政者の言動は、南北共同声明の発表後、南朝鮮人民のあいだで急速に高まる祖国統一の気運に水をさし、ひいては、南北共同声明そのものを裏返そうとする下心のあらわれであると言えます。

 我々は、南朝鮮の為政者が南北共同声明を発表し、後ろを向いては共同声明の基本精神と内容に背く発言と行動をこととしているのにたいし警戒心を高めなければならず、かれらがなにを狙っているのかをはっきり見抜いて適切に対処しなければなりません。これまで南朝鮮当局者は、南北対話に必死になって反対し、「勝共統一」を叫んできました。そういうかれらが、このたび我々の南北協商提議に応じ、祖国統一の3大原則に同意したのはなんのためでしょうか。それは、決してかれらが「勝共統一」の野望を捨てたり、祖国の自主的平和統一を願ってのことではありません。南朝鮮当局者が祖国統一の3大原則に同意し、南北共同声明に署名したのは、「勝共統一」のための「実力」培養に必要な時間を稼ぐことに主な目的があるといえます。かれらは、共和国の社会主義勢力が政治、経済、軍事のすべての面にわたって、かれらより優勢である状況のもとで、いま直ちに、力の対決によっては勝ち目がないことを知り、遅延戦術を使っているのです。言いかえれば、我々との協商にのぞみ、時間を引き延ばしながら緊張を一時緩和したあと、アメリカ帝国主義と日本帝国主義の援助を受けて「勝共統一」のための「実力」を培養しようという下心をもっているのです。また、かれらは、祖国統一の3大原則を受け入れることによって祖国統一に関心があるかのように印象づけて南朝鮮人民を欺瞞し、かれらの反動的支配体制をいっそう強化しようとする陰険な目的も追求しています。

 南朝鮮の為政者が腹に一物もって二面戦術を用いる状況のもとで、南北共同声明を履行し、祖国の自主的平和統一を実現する闘争は長期性と困難さをおびざるをえません。我々は、敵との困難な闘争を覚悟しなければなりません。
 我々はこれから祖国統一問題を解決する闘争において、金日成同志が示し、南北共同声明で確認された祖国統一の3大原則の貫徹を基本としていかなければなりません。

 今度の南北高位級会談で達成した最も大きな成果は、ほかならぬ金日成同志が示した祖国統一の3大原則に北と南が共同で合意したことです。祖国統一問題を外部勢力の干渉なしに民族自決の原則で自主的に解決し、武力行使によらずに平和的方法で祖国を統一し、思想と理念、体制の違いを超越して全民族の大団結をはかるという祖国統一の3大原則は、朝鮮民族の統一念願と意志を集大成した最も正当な統一綱領であり、民族共同の統一憲章であります。北と南が祖国統一の3大原則に合意し、その履行を全民族と世界人民の前に誓約することによって、朝鮮人民は明確な原則と基準をもって祖国統一のための闘争を力強く展開していけるようになりました。祖国統一の3大原則こそは、統一と分裂、愛国と売国を区別する試金石です。民族共同の統一大綱である祖国統一の3大原則がもたらされることによって、我々は南北の対話を正しい方向に導いていける確固たる基礎をもち、この原則をもって統一の道を広げていけるようになりました。

 今後、いかに困難で複雑な状況が生じようとも、我々は祖国統一の3大原則を固守しなければならず、これにしっかり依拠して祖国統一のための闘争を展開しなければなりません。祖国統一の3大原則の基本精神をにごらせたり、その意義を弱めようとするあらゆる傾向とは強くたたかわなければなりません。祖国統一の3大原則は、寸分の譲歩も許されません。我々は、南朝鮮当局者が祖国統一の3大原則にどのような立場でのぞむかを注視しなければならず、かれらが不純な目的をもって祖国統一の3大原則をねじまげたり、そこから離脱できないようにしなければなりません。

 祖国統一の3大原則を貫徹するうえでなによりも重要なのは、自主の旗を高くかかげて南朝鮮から米軍を撤退させ、日本軍国主義の再侵略策動を阻止、破綻させるためにたたかうことです。

 いま、わが国の自主権を侵害し、祖国の統一を阻んでいる外部勢力は南朝鮮を占領しているアメリカ帝国主義であり、わが国にたいする再侵略の野望を遂げようと狂奔している日本軍国主義勢力です。共和国北半部には、いかなる外国軍隊もいません。今度、南朝鮮当局者が外部勢力に依存したり、干渉されることなく国の統一を自主的に達成することに同意した以上、我々は米軍撤退の問題を強くとりあげなければなりません。いままで、南朝鮮の為政者は「北からの南侵の脅威」があるから南朝鮮に米軍が駐屯すべきだといってきましたが、今度の南北共同声明で祖国統一を武力行使によらず、平和的方法で実現すべきことを確認したので、これからはその口実も通じなくなりました。我々は南朝鮮当局者に、祖国を自主的に、平和的に統一するため、米軍を南朝鮮から撤退させ、アメリカと締結した「韓米相互防衛条約」などの侵略的で売国的な「条約」や「協定」を廃棄するよう主張すべきです。同時に、アメリカ帝国主義の庇護のもとに復活した日本軍国主義の再侵略策動に反対するよう、南朝鮮当局者に促すべきです。

 南朝鮮当局者は、外部勢力に依存することなく祖国を自主的に統一するという原則に同意しながらも、国連は外部勢力とは考えないだの、「韓国」駐屯「国連軍」と「国連韓国統一復興委員団」も外部勢力でないだのという途方もないことを言っています。国連が外部勢力でないというのは、事大主義的で売国的な外部勢力依存政策を合理化しようとする詭弁にすぎず、これは祖国を自主的に統一するという基本原則を放棄し、これからもひきつづき外部勢力に頼ろうとする下心をさらけだしたものであるとしか他に解釈のしようがありません。我々は、南朝鮮の為政者がもちだした詭弁の不当性と売国的・反民族的本質をことごとく暴露し、かれらが祖国統一の3大原則をねじまげていることをきびしく追及すべきです。

 朝鮮で軍事的緊張を緩和し、戦争が勃発しうる根源を除去する実際的措置を講じるのは、祖国統一の3大原則を貫徹するための重要な要求です。

 武力による統一はすなわち同胞同士の内戦を意味します。これは、朝鮮民族の利益に背くことであり、世界人民の念願にも合致しません。わが党は、終始一貫、祖国の統一を平和的方法で実現することを主張し、その貫徹のためにあらゆる努力を傾けてきました。アメリカ帝国主義者とかれらに追従する南朝鮮反動勢力の侵略政策によって、朝鮮人民は3年にわたる戦争の惨禍をこうむり、戦後も軍事的緊張状態がつづいてきました。

 わが国の軍事的緊張を緩和して戦争を防止するためには、南北共同声明の精神に即して北と南が相手側に反対して武力を行使しないという協定を結ばなければなりません。そして、戦争の禍根であるアメリカ帝国主義侵略軍隊を南朝鮮から撤退させた基礎のうえで、北と南の武力を大幅に縮小しなければなりません。これとともに、南北双方が情勢を激化させる行為をしないようにし、武力衝突を防ぐ積極的な措置を講じなければなりません。このような実際的措置を講じないなら、祖国の統一を平和的方法で実現することを宣言したとはいえ、それは空談義にしかならないでしょう。

 南朝鮮当局者は祖国統一の3大原則に同意しましたが、かれらに心から祖国を平和的に統一する意思があるかは疑わしいものです。いま、南朝鮮当局者は、南北対話を成功裏におし進めるためには、力によるバックアップが必要であるとして「総力安保体制」のいっそうの強化について喧伝しており、共和国北半部にたいする誹謗中傷をつづけているばかりでなく、軍事境界線一帯で「山岳地帯非常訓練」「遊撃訓練」「渡河作戦訓練」といった各種の軍事演習を次々とくりひろげています。南北共同声明の発表後、南朝鮮でくりひろげられているこのような騒ぎは、我々を刺激し情勢をひきつづき緊張させようとする故意の行動としか他に解釈のしようがありません。

 思想と理念、体制の違いを超越して民族の大団結を遂げるのは、南北共同声明で明らかにされた祖国統一の3大原則の一つです。

 我々は南北共同声明の精神に従い、南朝鮮当局者に「反共」の看板のもとに強行している南朝鮮人民にたいするファッショ的弾圧を中止し、南朝鮮社会を民主化せよという要求をつきつけるべきです。南朝鮮社会を民主化し、人民に民主的自由と権利を保障せよというのは、決して内政干渉ではなく、南朝鮮の資本主義制度をかえよという要求でもありません。南朝鮮のファッショ支配層は、「北からの南侵の脅威」という口実のもとに昨年「非常事態」を宣言し、祖国の統一を求める愛国的人民を数多く逮捕、投獄し、野党への弾圧を強化しました。昨年、南朝鮮ファシスト一味が「非常事態」を宣言したのは、南北赤十字団体の予備会談の開催を契機に南朝鮮人民のあいだに急激にもりあがった平和統一の気運に恐れをなし、それを圧殺するためであり、「南侵の脅威」というのは「非常事態」を宣言するための口実にすぎません。我々に「南侵」の意思がないということは幾度も明らかにしており、そのうえ、今度の南北共同声明で平和的方法による祖国の統一を約束したのですから、南朝鮮当局者は当然、「南侵の脅威」を口実にして宣言した「非常事態」を解除すべきであり、祖国の統一を求める人民への弾圧を中止し、政党、大衆団体の活動の自由を保障しなければなりません。南北共同声明に示された民族大団結の原則は、祖国の自主的平和統一を願う人であるなら、共産主義者であろうと民族主義者であろうと、思想と政見、信教と党派の違いを越えてみなが一つに団結しようというものであるため、「反共法」や「国家保安法」のようなファッショ悪法も当然廃止されるべきです。これは、祖国統一の3大原則と南北共同声明の合意事項を履行するための必須の要求です。祖国統一の3大原則と南北共同声明の基本精神に忠実であろうとする人であるなら、このような要求に反対したり拒否する理由はありえません。ところが南朝鮮当局者は、南北共同声明が発表されて民族団結の気運が高まっているときに、公然と「国家保安法」を廃棄できないと言っており、数日前の殺人裁判では祖国の統一のために一命を投じてたたかった愛国者に極刑と重刑を言い渡す犯罪行為をおかしました。これは、祖国統一の3大原則にたいする露骨な挑戦行為です。

 南北共同声明発表以後の諸般の事実は、南朝鮮の為政者には、祖国を自主的に、平和的に統一する意思がなく、依然として「勝共統一」の野望を捨てていないことを実証しています。かれらが祖国統一の3大原則と南北共同声明に同意したのは、このような黒い下心をかくすための欺瞞術策にすぎません。

 南朝鮮の為政者が追求している二面戦術の目的と下心は明白ですが、我々は南北関係の改善と祖国の自主的平和統一をめざして忍耐づよく努力しなければなりません。我々は、南朝鮮当局者の南北共同声明の合意事項に背く行為にたいしては強い打撃を加える一方、現在、開かれている協商の扉をもっと大きく開き、ようやく開催された南北協商をいっそう発展させるため積極的に努力すべきです。昨年からおこなわれている南北赤十字団体の会談を進捗させ、それが国の分断によって南北に離散した家族、親戚の苦痛を軽減し、祖国の統一を早めるのに寄与するようにしなければなりません。

 南北協商で重要なのは、政治協商を拡大発展させることです。

 南朝鮮当局者は、今度の南北高位級会談が開かれる前まで、我々との政治協商に反対しました。かれらは祖国統一問題を解決するうえで、いわゆる「段階論」を主張して、まず手紙のやりとりのような人道的交流を実現し、そのあとで経済・文化交流をおこない、そのつぎの段階で南北政治協商をおこなって統一問題を解決すべきだと主張しました。ところが、このたび南北高位級会談がおこなわれ、祖国統一の3大原則を基本内容とする南北共同声明が発表されることによって、かれらの「段階論」は破綻し、政治協商が人道的交流や経済・文化交流よりも先に開始されました。我々は、北と南が合意したとおり南北調整委員会を一日も早く構成して運営すべきであり、それを通じて南北関係の改善と祖国統一のために提起される重要な問題を協議して解決しなければなりません。南北対話では、常に民族共同の利益から出発して北南間の共通点をみつけだし、相違点は後回しにする原則で対話を成功へと導かなければなりません。

 政治協商で重要なのは、南朝鮮執権者との協商をおこなうと同時に、次第に南朝鮮の野党とも接触して南北政治協商が多角的な協商になるようにすることです。そうしてこそ、祖国統一のための闘争を民族あげての事業にかえ、南朝鮮の為政者が祖国統一の3大原則と南北共同声明に自分勝手に違反したり、それを無視したりできないようにすることができます。南北の経済交流とスポーツ・文化交流も広範におこなわなければなりません。可能なすべての分野で接触と交流を実現し、できるだけ多くの人が北と南を往来しながら接触できるようにしなければなりません。南北間で自由に往来しながら緊密に接触し、広範に協商してこそ、長期間の隔絶状態から生じた不信と誤解を解消し、理解を深めていくことができ、ひいては民族の団結を達成することができます。また、接触と往来の過程を通じて、人びとは北と南の現実をよりよく知り、祖国統一問題についてより正しい認識をもつようになるでしょう。

 祖国統一の3大原則を具現して祖国の自主的平和統一を達成する闘争は、愛国と売国、民族自主精神と外部勢力依存思想との深刻な闘争です。南朝鮮の為政者が祖国統一の3大原則に合意しながらも「対話のある対決」を喧伝している状況のもとで、我々はかれらのいかなる挑発と対決政策にも対応できる万端の準備をととのえなければなりません。これまでの経験は、民族の統一熱望が高まり、北南間に緊張緩和の兆しがあらわれるたびに対決騒ぎをくりひろげ、情勢を緊張させるのが敵の常套手段であることを示しています。

 こんにちの諸情勢は、党員と勤労者にたいする教育をいっそう強化して、かれらを政治的、思想的にさらにしっかりと準備させることを求めています。南北共同声明が発表されたからといって、これからは祖国統一問題が順調に解決されるものと考え、緊張をゆるめてはなりません。今後、南北合作が実現し、南北間に人の往来と経済・文化交流が実現すれば、多くの南朝鮮の人が北半部を訪れ、北半部の人が南朝鮮に行くようになるでしょう。敵がそういう機会に共和国北半部にブルジョア思想をはびこらせて資本主義制度をうち立てようとあらゆる策動をするであろうことは明らかです。現在、共和国北半部の全人民がわが党の革命思想で武装し、党のまわりにかたく団結しているからといって、我々の内部にブルジョア思想が浸透するはずはなく、我々の社会に資本主義的要素が復活するはずはないと思うのは誤りです。緊張をゆるめ、党員と勤労者にたいする思想教育をおろそかにするならば、ブルジョア思想が浸透し、資本主義的要素が息を吹き返し、そうなれば、これまでかちとった革命の獲得物を危険におとしいれかねないということを肝に銘じるべきです。我々は、現情勢の要求に即応して党員と勤労者にたいする思想教育をさらに深化させて、かれらをわが党の唯一思想であるチュチェ思想で武装させ、各階層の大衆との活動を正しくおこなって広範な大衆を党のまわりにかたく団結させなければなりません。

 我々はまた、社会主義経済建設を強くおし進めて、国の経済的威力をいっそう強化し、わが国の社会主義制度の優位性を高く発揚させなければなりません。共和国北半部に樹立された社会主義制度は、資本主義制度より比べようもなくすぐれています。我々の社会主義制度の優位性については訪朝する外国人が口をそろえて述べており、南北赤十字団体の予備会談に参加した南側代表でさえも認めています。だからといって、我々は自己満足してはなりません。我々の社会主義制度はすぐれてはいますが、社会主義の優位性を余すところなく発揚させるためには、我々が各分野でより多くの仕事をしなければなりません。特に、社会主義経済建設をより立派におこなって我々の社会の物質的・技術的基礎をいっそう強固にし、人民の生活をさらに豊かにして、誰がきてみても我々の社会主義制度のすばらしさが肌で感じられるようにしなければなりません。

 祖国統一の3大原則を具現して祖国の自主的平和統一を促進するためには、世界の広範な人民が朝鮮民族の統一偉業を積極的に支持声援し、アメリカをはじめ、帝国主義者の妨害策動にたいする糾弾の声を高めるようにすべきです。

 現在、南朝鮮の為政者が南北共同声明の基本精神と合意内容に反する行為をしている背後にはアメリカがあります。アメリカ帝国主義者は口では南北共同声明を歓迎すると言っていますが、南北対話が進展して祖国統一の気運が高まるのを快く思っていません。アメリカ帝国主義者は、内外的に直面している難局から抜けだすために、いわゆる「ニクソン・ドクトリン」をうちだし、アジアではアジア人同士でたたかわせ、朝鮮では朝鮮人同士でたたかわせる戦術を使っており、南朝鮮の為政者には南北協商をするにしても現在の分断状態をひきつづき維持することを要求しています。それは、南北共同声明発表後のアメリカ帝国主義者の態度に如実にあらわれています。アメリカ帝国主義者は南北共同声明が発表されるやいなや、南北間に平和統一にかんする会談がおこなわれるとしても、アメリカは南朝鮮軍隊の近代化計画をひきつづきおし進める、南朝鮮駐屯の米軍を縮減する計画はない、と言って、南朝鮮にたいする軍事的占領をひきつづき維持しようとする意図をむきだしにしました。

 我々は、世界の人民にわが党の自主的平和統一路線を広く宣伝し、朝鮮の統一に反対して南朝鮮占領をつづけようとするアメリカ帝国主義者の侵略と干渉策動を暴露しなければなりません。これまで、アメリカ帝国主義者とその手先の欺瞞的な「南侵」騒ぎと、我々にたいする悪宣伝のため、世界の少なからぬ人びとはわが党の自主的平和統一政策をよく知らないばかりか、我々が武力による「赤化統一」をはかっているものと誤解しています。これから、祖国統一の3大原則と南北共同声明を世界の人民に広く宣伝し、わが国の情勢を緊張させ、朝鮮の自主的平和統一を妨げているのは、ほかならぬアメリカ帝国主義者とその手先であることを、かれらにはっきりのみこませるべきです。我々は、国連の看板を盗用して南朝鮮を占領しているアメリカ帝国主義侵略軍を撤退させ、「国連韓国統一復興委員団」を解体させる活動をくりひろげなければなりません。我々は、対外宣伝と対外活動を積極的に展開して、世界の進歩的人民が共同でアメリカ帝国主義者に圧力を加え、かれらが南朝鮮から自己の侵略兵力を撤退させ、わが国の統一問題に干渉できないようにすべきです。

 世界の進歩的人民に、日本軍国主義者の南朝鮮再侵略策動にも注目を向けさせなければなりません。日本軍国主義者は、朝鮮が永久に南北に分断されていることを望んでおり、南朝鮮を再侵略する機会をうかがっています。アメリカ帝国主義者が南朝鮮から追い出されれば日本軍国主義者は、いかなる口実を設けてでも南朝鮮を再侵略しようとするでしょう。我々は、日本軍国主義者のかつての野蛮な侵略行為と、こんにちかれらが企んでいる再侵略の野望をことごとく暴露して、日本軍国主義者を世界人民から孤立させ、南朝鮮を再侵略できないようにすべきです。

 祖国の自主的平和統一を早めるためにたたかうのは、全党と全人民に提起されている最も重要かつさし迫った課題です。我々は、すべての党員と勤労者に、金日成同志が示した祖国統一の3大原則と、わが党の自主的平和統一路線の正当さを深く認識させ、全人民がその貫徹をめざして積極的にたたかうようにしなければなりません。

 出典:朝鮮・外国文出版社発行の冊子


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