金 正 日

洞、居住人民班の活動を改善しよう
平壌市西城区域下新洞の活動家との談話
−1972年7月11日−

 以前の下新洞地区は水田と沼地でしたが、金日成同志の賢明な指導と配慮によって、いまは近代的な重層文化住宅の立ち並ぶ大きな住宅地帯にかわりました。現在の下新洞全景を見て、昔、ここが洪水のため人の住めないところであったと想像する人は誰もいないでしょう。

 遊び場がつくられたので子どもたちが喜んでいることでしょう。まだ空地がありますが、住宅のまわりや空地に子どもの遊び場をもっとつくってやるべきです。子どもの遊び場に学童が背伸び運動や体力の鍛練ができるよう鉄棒などの各種運動器具を設け、樹木をもっと植え、その下にベンチも置くべきです。こうして、児童や生徒が遊んだり、勉強したりできるようにすべきです。

 わが国では、金日成同志の配慮によって、すべての子どもを国家と社会が責任をもって保育しているので、母親がなんの心配もなく職場に出ています。

 すべての子どもを国家が責任をもって集団的に保育するのは、わが党と国家の重要な共産主義的施策の一つです。

 子どもを国家が責任をもって集団的に保育してこそ、育ちゆく新しい世代を幼年時から組織生活と規律生活に習慣づけ、集団主義精神と共産主義的道徳品性をそなえた人間に育て、女性を社会に進出させて革命化することができます。

 偉大な領袖金日成同志は、工場や住宅を新たに建設するときには、なによりも先に託児所と幼稚園を建てさせ、洞ごとに託児所と幼稚園を設けて、職業婦人が託児所と幼稚園に幼児をあずけられるよう大いなる愛情と配慮をめぐらしています。子どもと女性にたいする金日成同志の愛情と配慮にはかぎりがありません。

 しかし、下新洞には、いまなお洞幼稚園がないので、職業婦人は幼児を職場の幼稚園に連れて行き、家庭婦人の幼児は幼稚園に通えないありさまです。下新洞では洞幼稚園を早く建て、洞内のすべての子どもが洞幼稚園に通えるようにすべきです。こうして、子どもと女性にたいする金日成同志の愛情と配慮が洞内のすべての子どもと女性に早くゆきわたるようにすべきです。

 洞の託児所、幼稚園の建設は、社会的運動で進めるべきです。平壌市だけでも洞の数はたいへんなものですが、国家がそれらの託児所、幼稚園をすべて建設することはできません。洞の託児所、幼稚園を機関、企業所が受け持って社会的運動で建設する一方、洞の力で建設する運動も起こすべきです。

 洞の住民のなかに職場に勤めていない家庭婦人が少なくないのですから、仕事の手配と思想動員を正しくおこなうならば、洞幼稚園の建設くらいはたいした問題にならないはずです。建設は骨がおれるでしょうが、家庭婦人がみんなで力を合わせれば、洞の託児所や幼稚園くらいは十分建てられるでしょう。日曜日や出勤前の朝の時間を利用して所帯主も動員すべきです。

 職場に勤めていない下新洞内の家庭婦人が、自力で洞幼稚園を建てる決心で建設に参加しているなら、それは非常によいことです。

 今後、洞の活動を正しくおこなわなければなりません。

 洞の活動は、家庭を単位として生活する職業やレベルもまちまちの各階層の住民、特に、職場に勤めていない家庭婦人を主な対象とする活動なので骨がおれますが、非常に誉れある重要な活動です。洞は社会の細胞である家庭でなりたっているので、社会が強化されるか否かは少なからず洞の活動にかかっています。

 洞の活動家は、金日成同志の人民への配慮がひとしくゆきわたるよう常にこまかく気をくばり、家庭を革命化し、洞内のすべての住民を金日成同志のまわりにかたく団結させて全仝社会の革命化をいっそう速くおし進めていかなければなりません。

 金日成同志は、洞の活動に大きな期待をかけています。金日成同志は洞の活動と居住人民班の活動を強化するため、日ごろから現地で指導しているばかりか、このたびは人民班長を有給にする大きな政治的信頼と配慮をめぐらしました。

 みなさんは重要な活動を担当しているという栄誉を深く胸にきざみ、金日成同志のあつい政治的信頼と期待に忠誠をもってこたえるため、責任をもって仕事にあたらなければなりません。

 洞の活動家は、洞内の住民にたいする教育を正しくおこない、かれらの生活を責任をもって見守らなければなりません。洞内の住民の生活をよく知っていなければならず、かれらのあいだで提起される問題をそのつど解決すべきです。副食物や石炭を切らしてはいないかを日常的に調べ、住民が生活上少しの不便も感じないようにすべきです。職場に勤めていない女性には、家内作業班などを組織して働ける条件をととのえてやる必要があります。金日成同志が教えているように、家庭婦人が家庭副業をすれば住民の収入が増え、生活も豊かになります。今後、下新洞でも家内作業班を組織して活発に運営すべきです。

 洞内の美化運動に力を入れるべきです。

 牡丹峰区域北塞洞での金日成同志の教えを下新洞でも立派に実行すべきです。いまの下新洞は殺風景な感じがしますが、洞を文化的にきれいにととのえ、住民が自分の家をよく手入れするようにしなければなりません。平壌市が美化運動で全国の手本となるためには、市内のすべての洞を北塞洞のようにととのえなければなりません。住宅の間道をすべて舗装し、周辺をきれいに整理し、樹木もたくさん植えて公園の中に住宅が座るようにすべきです。下新洞には平屋はなく、重層住宅だけなので、活動家が仕事の手配さえ綿密にすれば、洞を十分きれいにととのえることができます。

 チョンリマ(千里馬)人民班称号獲得運動を強化し、一人のスパイ、破壊分子も忍びこめないよう、洞をいっそうしっかりとかためなければなりません。

 洞の活動家は、人民班長との活動を強化しなければなりません。人民班長に積極的にはたらきかけて、かれらが各時期の金日成同志の教えとその具現である党の路線と政策をそのつど立派に実行し、洞に課される経済課題を間違いなく実行するようにしなければなりません。

 わが国では、社会の仝構成員が居住人民班に属して生活しているため、家庭をしっかりかためて革命化する問題も、すべての班員の生活に不便がないようにする問題も、居住人民班の活動をどう進めるかにかかっています。居住人民班の活動を強化すれば、不純分子が足場をつくるすぎがなくなり、わが国の社会主義制度をいっそうかたく守ることができます。

 金日成同志は、居住人民班の活動に深い関心を払い、常にことこまかに指導しています。

 このたび有給人民班長の職制を設けたのは、居住人民班の活動にたいする金日成同志の大きな期待のあらわれであり、人民班長にたいするあつい信頼のあらわれです。人民班長が、党のあつい政治的信頼を肝に銘じて居住人民班の活動にいっそう励むようにしなければなりません。

 西城区域下新洞第50人民班は、チョンリマ人民班称号の獲得にととまらず、班の活動をいっそう力強くおし進めて、必ず二重チョンリマ人民班にならなければなりません。そのためには、人民班長が勇気をだしていっそう仕事に励まなければなりません。

 チョンリマ作業班運動は、社会の全構成員を共産主義思想で武装させ、作業班を一つの共産主義的集団につくりあげて社会主義建設をいっそう速くおし進めるための共産主義的大進軍運動です。二重チョンリマ人民班になるためには、すべての人民班員が、金日成同志の革命思想で武装し、居住人民班が一つの家庭のように団結しなければなりません。人民班員は党の唯一思想体系を確立する学習に励むとともに、誰もが居住人民班の活動に積極的に参加すべきです。これには幹部もすべて参加させなければなりません。

 金日成同志は居住人民班の活動を強化するためには、幹部から人民班の生活に模範的に参加しなければならないと教えています。一部の幹部は自分の属している人民班も知らず、誰が班長なのかも知らないありさまですが、これはたいへんな間違いです。

 幹部が先頭に立って居住人民班の活動を助け自分の家庭を模範家庭にすべきです。人民班長は、自分の班に住む幹部に班の実情を知らせて班会議にもたびたび参加させる必要があります。

 人民班では、美化運動を重要な課題として力強くおし進めなければなりません。

 人民班の美化運動が立派におこなわれてこそ、金日成同志の心労を軽減することができます。すべての家庭が、家をきれいにととのえて模範家庭、模範所帯になる運動を進めるべきです。住宅のまわりをきれいに整理し、道路を舗装し、人民班を整然とととのえなければなりません。そうすれば、美化運動において平壌市が全国の手本になることができます。ところが、いま一部の人は家一つきれいにできず金日成同志に心配をかけています。

 昔は一間の家さえなくて穴蔵のような住いで暮らしていた人が、いまは金日成同志の恩恵で立派な住宅で暮らしていながら、家を満足に管理できなくて金日成同志に心配をかけるというのは非常に心苦しい話です。

 人民班長は家をきれいにととのえるうえで模範を示し、居住人民班の美化運動に班員を積極的に奮い立たせるべきです。

 人民班では、児童・生徒にたいする教育にしっかり取り組み、不良少年が出ないようにすべきです。二親が職場に出ている家庭の場合、学校から帰ってきた子どもの世話をする人がいないので、人民班長が責任をもってかれらの面倒をみるべきです。学校から帰った児童・生徒が大通りで遊ばないように勉強室をつくり、数人ずつ集まって勉強できるようにすべきです。そうすれば、不良少年が出るようなことはないでしょう。

 人民班長は、常に人民班員が警戒心を高め、社会主義的生活様式を確立することにも深い関心を払うべきです。

 居住人民班の活動を正しくおこなうためには、人民班長が誰よりも金日成同志の教えと党の政策をよく知り、その実行の先頭に立たなければなりません。人民班長は政治活動と組織活動の仕方を知らなければならず、自分の班の各家庭の暮らしまでくわしく知っているべきです。どの所帯は家族が何人で、どの所帯はさじがいくつあるといったことまですべて知っていなければならず、石炭や副食物が不足していないかを常に調べてよく面倒をみてやるべきです。

 子どもを立派に育てるためには母親自身が共産主義者にならなければならないのと同じように、居住人民班を立派にととのえるためには人民班長が人民の忠僕になり、共産主義者にならなければなりません。

 下新洞第7党細胞の書記が7年間書記を務めているのなら、長いほうです。居住党細胞の活動は非常に重要です。

 党細胞の活動でいちばん重要なのは、党員のあいだで党の唯一思想体系を確立することです。

 全社会に党の唯一思想体系を確立することは、こんにちわが党に提起されている最も重要な課題です。

 党員のあいだで党の唯一思想体系を確立するためには、すべての党員を党の唯一思想、金日成同志の偉大を革命思想で武装させる学習を強化しなければなりません。

 党細胞では党学習を計画的におこなって日常化し、いつ、どこにあっても党員に金日成同志の教えとその具現である党の路線と政策を解説すべきです。こうして、細胞内のすべての党員が、金日成同志の革命思想で武装し、党政策の実行にこぞって立ち上がるようにすべきです。これが、党細胞の最も重要かつ第一義的な任務です。

 党細胞は、細胞内のすべての党員が、経済課題の遂行において模範になるよう正しくはたらきかけるべきです。

 居住党細胞は、党員がヒマの養蚕で模範になるようかれらを呼び起こさなければなりません。養蚕を上手にすれば、少なからぬ外貨を獲得することができるし、それだけ国を助けることになります。すべての家庭で蚕を飼うようにすべきです。

 党細胞は、細胞内のすべての党員と家庭婦人が、洞と人民班、自分の家庭の暮らしをきちょうめんにし、節約運動を力強くくりひろげるようにしなければなりません。

 居住党細胞は、党員と家庭婦人が党の示した課題を着実に遂行する一方、6か年人民経済計画の遂行のために積極的に勤労支援に参加するようにしなければなりません。

 党細胞はまた、党員の党生活を正しく指導すべきです。

 党細胞は細胞総会を定期的に開き、すべての党員に常に任務を分担しなければなりません。

 居住党細胞は、工場、企業所や機関の党細胞とは異なり、主として職場に勤めていない家庭婦人と老人で構成されているので、それに適した任務の分担をおこなうべきです。家庭婦人には家庭婦人に適した任務を与え、老人には老人に適した任務を与えることにし、どの題目を学習して討論会で発表するといった政治的任務と、経済課題遂行の任務を適切に組み合わせて分担すべきです。任務分担はすべての党員にもれなく与え、それを正しく実行するよう援助すべきです。

 党員の党生活過程は、党員が党組織から与えられた任務を遂行する過程であり、党員が党の任務を立派に遂行すれば、それだけ党細胞の活動もスムーズに運ぶようになります。

 また党細胞は、家庭婦人の革命化、労働者階級化に大きな力をそそがなければなりません。

 金日成同志が教えているように、全社会の革命化、労働者階級化において女性の革命化、労働者階級化は非常に重要な問題です。

 わが国では、女性が人口の半分を占めており、家庭婦人が少なくありません。家庭婦人にたいする教育を強化して、彼女らをすべて革命化すれば、家庭の革命化もスムーズにいくばかりでな子女性の革命化をすみやかにおし進めることができます。それゆえ、居住党細胞は、家庭婦人の革命化に力をそそがなければなりません。居住党細胞は、細胞内の党員からまず革命化し、かれらがすべての家庭婦人を革命化する活動の先頭に立つようにすべきです。

 いま一部の女性のあいだには、職場に出ないにもかかわらず居住人民班の活動にもよく参加せず、家もきれいに片付けず、なるがままに安逸な暮らしをする傾向が少なからずあられれています。そのため、子どもたちにも悪い影響を及ぼしています。家庭婦人の頭に残っている個人主義、利己主義の思想を根こそぎにせずには、彼女らを革命化することも、家庭の革命化を満足に進めることもできません。

 人びとの頭に残っている個人主義、利己主義など、いっさいの古い思想と慣習をなくすためには、ねばり強い思想教育ときびしい思想闘争をおこなわなければなりません。

 居住党細胞は、集団教育と個別教育を正しく結合して、家庭婦人の頭に残っている古い思想と慣習を根こそぎにする闘争を根気よく進めるべきです。1回でだめなら10回、20回でも会って、欠陥がなおるまで教育しなければなりません。

 家庭婦人を社会に積極的に進出させるべきです。これは彼女らを革命化するよい方途の一つです。

 居住党細胞は家庭婦人の教育に力を入れて、彼女らを革命化、労働者階級化し、党のまわりにかたく団結させて、家庭と居住人民班を一つの共産主義的集団にしなければなりません。

出典:『金正日選集』2巻

<注>居住人民班 党と国家の政策を実践し、国家・社会活動を遂行し、住民の文化的な生活を保障するため、居住地域を単位に一定数の所帯で組織される朝鮮の国家・社会生活の基層組織。


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