金 正 日

青少年に対する革命伝統教育をいっそう強化するために
朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部の活動家との談話
-1969年8月12日-


 青少年を共産主義的革命家に育てあげる問題に深い関心を払うべきです。

 私は今回、両江道内の革命史跡地を見て回りながら、どうすれば育ちゆく新しい世代を真の革命家に育てあげることができるだろうかと考え続けました。人々を真の革命家に育てるというのは容易なことではありません。特に、新しい世代を教育する問題はなおさらそうです。

 今日、我が国には、党員と大衆の教育に有利な条件が整っています。新聞、放送、映画などの教育手段がいっさい整っており、党員教育体系と大衆教育体系も確立されています。

 しかし、人々を自覚的な不屈の革命家に育てるのに、ある程度難儀する面がなきにしもあらずです。それは、人民が社会主義制度のもとで、だれもが心配のない幸せな暮らしをしている事情と関係しています。

 今日、朝鮮人民は食・衣・住の心配を知らず、搾取や抑圧も知らずに暮らしています。わけても、戦後に生まれた新しい世代は、搾取と抑圧はもとより戦争の試練もへていません。こうした状況のもとで、ややもすれば人々の革命性がうすれ、特に新しい世代を温室育ちの草花のようにひ弱い人間にしてしまう恐れがあります。

 育ちゆく新しい世代を革命の頼もしい交替者、党と領袖に忠実な真の共産主義的革命家に育てられるかどうかは、金日成同志によってきりひらかれたチュチェの革命偉業を完遂できるかいなかという根本的問題にかかわっています。

 金日成同志によって切り開かれたチュチェの革命偉業を完遂するためには、我々はまだ多くのことをしなければならず、困難な闘争を覚悟しなければなりません。

 我々は全民族の悲願である祖国統一の偉業をなし遂げ、この地に社会主義・共産主義の楽園を築かなければなりません。祖国統一と社会主義をめざす朝鮮人民のたたかいは、世界帝国主義の元凶であるアメリカ帝国主義と直接対峙している困難な状況のもとで進められています。

 我々は、今後、革命の前途に厳しい試練の時期が到来しうることを片時も忘れてはなりません。新しい世代を、いかなる難関と試練にも屈することなく乗り越えていけるよう正しく教育することなしには、烈士が血みどろの闘争によってかちとった革命の獲得物を守りぬくことも、革命を代を継いで最後まで続けることもできません。

 もちろん今、青年の思想・精神状態は極めてすぐれています。我が党が創立当初から青年問題に大きな意義を付与し、青年を革命的に教育する活動に大きな力を入れてきたので、今日、青年は党と領袖への忠誠心が高く、革命性が強く、道徳の面でも健全です。しかし、我々はこれに満足してはならず、革命発展の新たな要求に即応して青少年学生に対する教育をさらに深めなければなりません。

 最近、金日成同志は、解放後我が党の機構には青年事業部があったが、あのころのように、党中央委員会と道、市、郡の党委員会に青年事業部を別個に設置し、青年との活動をさらに深めるべきだと述べました。我々は青年に対する教育をいっそう強化して、新しい世代を朝鮮革命の頼もしい継承者、交替者、真の革命家に育てあげるべきです。

 新しい世代を真の革命家に育てあげるというのは、金日成同志が朝鮮革命の開拓期に育てた青年共産主義者のような、忠実で不屈の革命家に育てることを意味します。

 金日成同志が育てた青年共産主義者と抗日遊撃隊員は、革命的世界観の確立した闘士であり、共産主義的革命家の立派な模範でした。

 抗日革命闘士は、塗炭の苦しみにあえぐ民族の運命を救い、朝鮮革命を勝利へと導く人は金日成同志以外にいないという揺るぎない信念をいだき、金日成同志に従ってためらうことなく厳しい闘争の道に立ち、金日成同志にあくまで忠誠を尽くしました。抗日革命闘士は、金日成同志から与えられた革命任務はいかなる逆境にあっても無条件遂行するという強い心構えと、革命任務をまっとうせずには死することもできないという高い自覚をもって戦い、個人の名誉や利益のためではなく、ひたすら祖国の独立と人民の解放のために、青春も生命もためらいなくささげて戦いました。まことに、抗日革命闘士の崇高な品格と革命的気概は、今日、青少年が見習うべき革命家のかがみです。

 我々は、新しい世代が活動と生活のすべての面で抗日革命闘士をそのとおり見習うようにすべきです。それでこそ、青少年を、いかに困難で複雑な環境にあっても党と領袖を断固守り、チュチェの革命偉業の完成のためにあくまでたたかう堅実な共産主義的革命家に育てあげることができます。

 新しい世代を抗日革命闘士のような真の革命家に育てるためには、革命伝統教育を決定的に強めなければなりません。

 我が党の継承している革命伝統は、金日成同志が二十星霜にわたる抗日革命闘争の過程で築きあげた栄えある伝統であり、かけがえのない朝鮮革命のとうとい財産です。革命伝統教育を強化してこそ、青少年が朝鮮革命の歴史的根源を明確に知り、金日成同志によって切り開かれたチュチェの革命偉業をあくまで完成するために強くたたかうことができるのです。

 我が党が継承している革命伝統の主なる特徴は、不滅のチュチェ思想を礎石とし、チュチェ思想によって貫かれているチュチェの伝統であり、比類なく困難な革命のイバラの道をかきわけてくる過程で、金日成同志みずからが築きあげた栄えある伝統であるというところにあります。

 こうした特性からして、我が党の革命伝統は限りなく豊かで深奥な内容で満たされています。我が党の革命伝統には、金日成同志が抗日闘争の炎の中で積みあげたとうといい業績と経験はもとより、革命の最も正しい指導思想と共産主義的革命精神、革命的で人民的な活動方法と活動作風が全面的にもりこまれています。それゆえ、我が党の輝かしい革命伝統で武装させるのは、人々を革命的世界観の確立した熱烈な共産主義的革命家、革命の頼もしい継承者に育てあげるための必須の要求です。

 青少年を我が党の革命伝統で武装させるうえで重要なのは、革命戦跡地と史跡地を通じての教育を強化することです。

 じっと座って講義を受け、書物を読むだけでは、革命伝統を血とし肉とすることはできません。青少年を革命伝統で武装させるためには、革命戦跡地を訪ねて金日成同志の歩んだ道程を踏査行軍したり、抗日遊撃隊員のように炊飯や宿営をしてみるといった体験もさせる必要があります。そうすれば、我が党の革命伝統がどのように築かれ、金日成同志によって築かれた革命伝統がいかにとうといものであるかをいっそう深く感じることができます。革命戦跡地と革命史跡地は、金日成同志の栄えある革命闘争史を生き生きとした事実と実物を通して見せるので、非常に大きな教育的意義があります。

 革命戦跡地と史跡地を立派に整え、その踏査を広く行うのは、党員と勤労者、青少年を不屈の革命精神で武装させ、我が党の革命伝統を汚れなく固守し継承するうえで極めて重要な位置を占めています。ところが、これまで革命戦跡地と史跡地を整えることはおろそかにされ、その踏査も満足に行われませんでした。両江道内には少なからぬ革命戦跡地や史跡地がありますが、どれ一つまともに整えられておらず、そこへ行ってみた人も多くありません。党中央委員会の活動家にしても、話に聞いただけで、白頭山に登ってみたことのない人が多いとのことですが、このことからしても、これまで革命伝統教育がいかにおろそかにされてきたかがわかります。

 革命戦跡地と史跡地の踏査を広く行って、多くの人が白頭山に登ってみたり、革命戦跡地や史跡地を見て回るようにしなければなりません。これは登山や景勝地めぐりといった単なる遊覧ではなく、金日成同志によって築きあげられた抗日の革命伝統をより深く学びとり、民族の誇りと革命的自覚を強める立派な学習です。

 白頭山は民族の魂が宿っている朝鮮のシンボルであり、朝鮮革命が根をおろした革命の聖山です。

 金日成同志はまさに祖宗の山、白頭山でチュチェの旗を高く掲げて抗日武装闘争を組織指導し、日本帝国主義の百万の大軍を打ち破り祖国の解放をなし遂げることによって、朝鮮民族の英知と気概をいかんなくとどろかせました。だれでも、白頭山に登ってその荘厳な気象と抗日革命烈士の血潮の跡をとどめている由緒ある山並みを見渡すなら、力と勇気が湧き、白頭の革命精神をもってあくまで革命をなし遂げようとと固く決心するでしょう。

 革命戦跡地と史跡地の踏査は夏場はもとより、冬期に行うのも結構なことです。冬期に白頭山の荒れ狂う吹雪を体験してこそ、抗日革命闘士がいかに強靭な意志をもって険しい血戦の道をかきわけてきたのかを深く感じ、自分自身も抗日革命烈士のように、立ちはだかる難関と試練を勇敢に乗り越え、屈することなくたたかおうという決意を新たにすることができます。冬期の革命戦跡地と史跡地への踏査は、特に苦労を知らずに育った新しい世代を革命的に鍛えるうえでたいへん有益です。

 若いときの苦労は金でも買えないという言葉がありますが、これには人間生活の深奥な哲学がもりこまれているといえます。鉄は高熱でたぎる炉の中で鋼鉄となり、草花は雨風にうたれ、野山で育ってこそ強く美しい花を咲かせるものです。人間も、厳しい試練と難関を乗り越える困難なたたかいのなかでのみ、不屈の革命家に成長することができるのです。問題は、今日のような平和な環境のなかで、苦労を知らずに育つ新しい世代をどうすれば革命的に鍛えることができるか、ということです。ここで重要なのは、青少年みずからが自分を革命的に鍛えるために、困難な闘争の場に意識的に飛びこむようにすることであり、そのためには、思想教育をいっそう深めていかなければなりません。

 「学びの千里の道」「解放の千里の道」の踏査行軍などは、青少年学生を革命的に教育し鍛えるよい方法です。

 金日成同志が幼少の身で百里の道をひとりで歩いた歴史的な路程を行軍する過程で、青少年学生は金日成同志の偉大さと高邁な志をいっそう深く体得し、身心ともに鍛えられるでしょう。青少年学生のあいだで「学びの千里の道」と「解放の千里の道」の踏査行軍を毎年定期的に行って、金日成同志への忠誠心を培い、意志と体力を鍛えるようにすべきです。

 革命伝統教育を格式化せず、いろいろな形式と方法で多様化すべきです。革命博物館と革命事績館などの革命伝統教育の拠点が各地に設けられているのですから、党員と勤労者、青少年の教育に有効に利用すベきです。

 『抗日パルチザン参加者の回想記』と革命伝統教育資料の学習も強化すべきです。

 先ごろ中央機関のある活動家に、最近『労働新聞』に載った抗日パルチザン参加者の回想記を読んでみたかと聞いてみると、以前に学習したものだが、今一度読みかえしてみると、金日成同志の偉大な品格と抗日革命闘士の崇高な革命精神がいっそう、胸あつく感じられ、自分も抗日革命闘士のように生き、たたかおうという決意を新たにするようになったと言いました。

 苦難に満ちた抗日武装闘争の時期、金日成同志の革命活動と金日成同志に従ってたたかった抗日遊撃隊員の気高い思想的・精神的品格を示す歴史的事実が感銘深く記述されている抗日パルチザン参加者の回想記は、今日、党員と勤労者を革命的に教育する真の生活の教科書となっています。

 今一部の幹部は、用紙の不足にかこつけて革命伝統教育資料の発行部数を減らそうとしていますが、それではいけません。革命伝統に関する書物がなければ、革命伝統で武装するのに必要な思想的糧を与えることができません。用紙が不足しているとしても、回想記をはじめ、革命伝統教育の資料を多く出版して勤労者と青少年に広く利用させるべきです。

 革命伝統をテーマにした映画と小説などをたくさん創作し、文学・芸術作品で人々を教育する活動に力を入れるべきです。

 映画はだれでも見ればすぐ内容がわかり、深い感銘を与えるので、大衆教育の強力な手段となります。最近、党の指導のもとに、劇映画『村人のなかで』や『遊撃隊の五兄弟』など思想性・芸術性の高い革命伝統テーマの映画が少なからず製作されました。劇映画『遊撃隊の五兄弟』は金日成同志から高く評価され、人民賞を受けた作品です。この映画は、勤労者を党の唯一思想で武装させ、革命化、労働者階級化するうえで大きな役割を果たしています。

 このたび劇映画『血の海』のロケ地へ行ってみましたが、創作団メンバーの熱意が高く、ロケーションも順調に進んでいました。速度戦を繰り広げ、劇映画『血の海』を早急に完成すべきです。党の方針どおり速度戦を強力に展開すれば、映画製作で速度と質をともに高めることができます。速度を速めれば質が落ちるのではないかと心配するのは古い考え方であり、消極性と保守主義のあらわれです。

 劇映画『血の海』は金日成同志が創作した不朽の名作『血の海』を映画化するものなので、原作の深奥な思想的内容が十分に生かされるよう、形象化の水準を高めるべきです。そのためには、俳優に対する要求の度合を強めなければなりません。演出家がいくら立派な演出手法を用いても、俳優の演技水準が低ければ効を奏しません。劇映画『血の海』は深みのある作品なので、音楽的効果も最大限に高めるべきです。この映画に入れる歌を聞いてみると、『解放かちとり早よ帰れ』『お母さんがにっこり笑えば』などの数曲を除いては、これといったものがありません。作曲家の作曲レベルを高めるべきです。映画は歌がよくなければ、作品の基本思想を生かすことも、人々を感動させることもできません。

 数日前、先に撮影した劇映画『血の海』のラッシュ・プリントの一部を見ましたが、映画が非常にすぐれています。この映画が上映されれば、大きな反響を呼び起こすでしょう。映画を最高の水準で立派につくって公開すべきです。劇映画『血の海』が公開されれば、鑑賞会や主人公の模範に学ぶ運動も行って、勤労者の革命的教育に大いに役立てられるようにすべきです。

 革命伝統教育は、実践と密接に結びつけて行わなければなりません。

 革命伝統教育は、たんに抗日革命闘争の時期の歴史的事実を教えるのが目的ではありません。それはあくまでも、党員と勤労者に金日成同志の不滅の革命業績と抗日革命闘士の崇高な革命精神を学ばせ、革命と建設を成功裏に遂行するところにあります。したがって、抗日パルチザン参加者の回想記の題目を一つ学習しても、その基本思想を自分の血とし肉とし、それを活動と生活に具現して、抗日遊撃隊員のように革命的に働き、たたかい、生活するようにしなければなりません。それでこそ、革命伝統教育が実質的に効果をあらわし、実践を通して革命伝統をいっそう輝かせていくことができます。

 革命伝統教育の幅を広げるべきです。金日成同志は、我が党が創立されて数十年たった今日、革命伝統教育を抗日革命闘争時期の資料だけで行うのは幅が狭いとして、革命伝統教育の幅を広げるよう教えています。

 抗日革命闘争だけでなく、アメリカ帝国主義侵略者に抗して戦った三年間の苛烈な祖国解放戦争も、戦争の廃虚をかきわけて都市と農村を新しく築いた戦後復興建設と社会主義建設のたたかいも、朝鮮人民が行った偉大な革命闘争です。

 金日成同志は解放後、各段階の革命闘争と建設事業を賢明に導き、輝かしい業績を積みあげることによって、抗日の革命伝統をさらに発展させ豊富にしました。朝鮮人民は金日成同志への抗日革命烈士の忠実性と不屈の闘争精神を受け継ぎ、祖国解放戦争と社会主義建設で英雄的な偉勲を立てました。

 祖国解放戦争の時期、人民軍の勇士たちは苛烈な戦場で、体ごと肉弾となって敵の戦車めがけて突進し、李寿福英雄のようにうら若い身で敵の銃眼をふさぎ、祖国の寸土を死守しました。すべてが破壊され、まともなレンガ一枚なかった戦後の厳しい日々にも、人民は金日成同志がいる限り、どんなに被害がひどく条件が困難であっても再び新しい生活を築くことができるという確信をいだき、敢然として復興建設に立ち上がり、自力更生、刻苦奮闘の革命精神を高く発揮してあらゆる難関を克服し、廃虚の中から自主、自立、自衛の社会主義国を誇らしくうち立てました。

 我が国の青少年は、苛烈を極めた祖国解放戦争の砲声を聞くこともなく、戦後の復興建設場で一滴の汗を流すこともなく、安らかに育った新しい世代です。青少年を抗日革命烈士の気高い革命精神で武装させるとともに、祖国解放戦争で人民軍と人民が発揮した集団的英雄主義に見習い、戦後の復興建設とチョンリマ(千里馬)大高揚の時期に労働者階級が発揮した戦闘的気風を学びとるようにしなければなりません。そうしてこそ、前進途上の難関を勇敢に乗り越え、継続革新、継続前進し、党と革命にあくまで忠実であることができます。

 我が党の栄えある革命伝統を継承し発展させるうえで重要なのは、革命伝統の純潔を保つことです。

 革命伝統の純潔を保つか否なかは、我が党の存亡と朝鮮革命のあしたの運命にかかわる重大な問題です。根が腐れば木が病むように、革命伝統の純潔が保たれなければ党が病むようになり、党が病めば革命を台無しにしてしまいます。全党に唯一思想体系を確立して党を組織的、思想的に強化する活動も、革命と建設で提起される問題を成功裏に解決する活動も、金日成同志によって築きあげられた革命伝統を汚れなく継承し発展させてこそ、円滑に遂行することができます。

 革命伝統の純潔を固守するのは、金日成同志の戦士である我々の最も崇高な任務です。

 かつて党内に潜入していた悪質分子が、革命伝統の幅を上下左右に広げるべきだと途方もないことを言って、彼らの「功績」を押し立てようと狡猾に策動したとき、思想分野の活動家がそれに反対して適時にたたかえなかったのは、苦い教訓です。我々はこの教訓を忘れてはならず、今後、2度とそのようなことがあらわれないようにすべきです。

 我々は党員と勤労者と青少年学生に対する革命伝統教育を強めて、現世代だけでなく後世の人々も金日成同志が築きあげた革命伝統のみを知り、それを引き続き汚れなく受け継ぎ、白頭の革命精神を永遠に輝かせていくようにすべきです。


 (注1)「学びの千里の道」 金日成主席が学びの大志をいだいて11歳の幼い年に一人で長白県八道溝(中国)から万景台まできた110余里の道のり。(朝鮮の10里は日本の里にあたる)

 主席は朝鮮の文字をいっそうよく学び、祖国の悲惨な現実を直接体験するようにという父の遠大な志を体して学びの千里の道についた。

 1923年3月16日の朝、父母と弟に見送られて八道溝を発ち、3月29日、故郷の万景台にたどり着いた。千古の原始林を通り抜け、寒風と吹雪が吹きすさぶ谷間を渡らなければならない、この学びの千里の道は、幼い金日成主席にとって遠く困難な道であった。


 (注2)「解放の千里の道」 金日成主席が祖国解放の遠大な志をいだいて1925年1月22日から2月3日まで万景台と八道溝間の110余里の区間を歩いた道のり。父が逮捕されたという知らせを受けた金日成主席は、父の志を継いで国を取り戻す闘争に立つことをかたく誓い、万景台を発って10日目に葡坪の鴨緑江のほとりに着いた。葡坪までの道のりでは、深い積雪を踏みわけ、吹雪と1月の酷寒にたえなければならず、千古の原始林を一人で通過しなければならなかった。金日成主席は、朝鮮が独立しなければ、再び帰ってはくるまいと悲壮な誓いをたてて鴨緑江を渡った。

出典:「金正日選集」 1巻

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