金 正 日

金日成同志の革命思想にもとづく党員の思想・
意志の統一と団結を強化しよう
金日成総合大学経済学部政治経済学科第3学年1班党細胞総会での結語 
−1962年9月19日− 

 我々は、数日間にわたる党細胞総会で、これまで党員の党生活にあらわれた欠陥を取り上げて深刻な思想闘争を繰り広げました。

 今回の細胞総会では、党組織に心を許さず、いわゆる気心が通じ合う人同士が寄り集まって人の悪口を言い、人の意見を尊重せずに自分の意見だけが正しいと言い張るなど、集団の団結に支障をきたす言行が集中的に批判されました。細胞総会ではまた、集団の団結に支障をきたす言行を一日も早くなくすための適切な方途についても討議しました。

 わたしは、今日みなさんに金日成同志の革命思想にもとづく党員の思想・意志の統一と団結を強化するためのいくつかの問題について述べたいと思います。

 党の統一と団結は、労働者階級の党の生命でありすべての勝利の決定的な保証です。

 党の統一と団結を強化してこそ、党の存在そのものを維持し、党の戦闘力と指導力を高めることができるのです。

 党の統一と団結を強化するのは、アメリカをはじめ、帝国主義者の侵略策動が露骨になり、国際共産主義運動内に日和見主義が台頭し、革命と建設に大きな弊害をもたらしているこんにち、特に重要な問題として提起されています。

 党の思想・意志の統一と団結は、金日成同志の革命思想にもとづいてなし遂げられなければなりません。金日成同志の革命思想は、労働者階級の唯一の指導思想です。

 労働者階級の党の統一と団結は、必ず一つの思想、領袖の思想にもとづいてなし遂げられなければなりません。領袖の思想にもとづいて統一され、団結していない党は事実上、党とは言えず、そのような党は烏合の衆にすぎません。

 わが党は、党をみずから創立し導いている金日成同志の偉大な革命思想にもとづいて統一、団結をなし遂げなければなりません。

 金日成同志の革命思想は、朝鮮人民の進むべき道を示す最も科学的で革命的な指導思想であり、わが党と人民の組織的意思です。わが党内には、金日成同志の革命思想以外のいかなる思想も許容されません。

 党の統一、団結が、金日成同志の革命思想にもとづいてなされてこそ、真の統一、団結、不抜の統一、団結となるのです。

 党の統一と団結を強化するには、すべての党細胞が党員を思想・意志のうえでかたく団結させなければなりません。

 党細胞は、わが党の基層組織であり党員の党生活の拠点です。人が健康であるためには、人体の有機体をなすすべての細胞が健全でなければならないように、全党の統一と団結をなし遂げるには、党の基層組織である細胞内の党員が思想・意志のうえでかたく団結しなければなりません。人体のある部分に腫れ物ができると全身がぞくぞくするように、党の基層組織である細胞内の党員が団結しなければ、それだけ全党の統一と団結に支障をきたすことになります。

 我々は、党の統一と団結の強化が党の運命にかかわるきわめて重要な問題であることを明確に認識し、一つの思想・意志にもとづいてかたく団結するために極力努力しなければなりません。

 党員の思想・意志の統一と団結を強化するためには、何よりもまず金日成同志の革命思想で武装しなければなりません。

 金日成同志の革命思想は、我々党員の思考と行動の唯一の基準です。

 党員が金日成同志の革命思想で武装しなければ、思考と行動の基準を失い、種々の過ちを犯すようになります。これまで一部の党員が過ちを犯したのも、結局は金日成同志の革命思想で武装せず、その革命思想を思考と行動の唯一の基準としなかったことに主な原因があります。

 歴史的経験は、金日成同志の革命思想で武装するために努力しない人は、結局は反党反革命分子になってしまうことを示しています。

 抗日武装闘争の時期、ある変節漢はわかりもしない古典の命題を丸暗記し、金日成同志の革命思想で武装するための学習をおろそかにしたため、朝鮮革命の路線も知らず、革命情勢も正しく判断できず、果ては革命を裏切る道をたどりました。

 党中央委員会1956年8月総会で暴露されたある分派分子は、党政策の学習はせず、いつも外国の新聞を読み、党の声とは違ったことを言いました。党内に潜入していた頑迷固陋な教条主義者、事大主義者もそうでした。

 ところがいま、一部の人は金日成同志の革命思想を体得するための学習をおろそかにしています。

 金日成同志の革命思想で武装するための学習をおろそかにする党員は、実際党員の資格がありません。学生党員が金日成同志の革命思想で武装するための学習をおろそかにすると、二重の病に冒されることになります。一つは、党員証を身につけてはいるものの、党員の本分を果たせない病気であり、いま一つは、学生帽をかぶってはいるものの、学生の本分を忘れてしまう病気です。学生党員が金日成同志の著作と党政策の学習をおろそかにすると、革命的修養を積むことができず、学生の本務も遂行できません。

 我々は、大学時代に『金日成選集』をはじめ、金日成同志の著作を全面的に研究、学習し、金日成同志の革命思想を深く体得しなければなりません。金日成同志の革命思想を深く体得することは、社会科学、自然科学の専攻を問わず、すべての学生にとって第一の任務です。特に、社会科学を専攻する学生は、人一倍、金日成同志の革命思想を体得するための学習に励むべきです。

 次に、セクト主義、地方主義、家族主義の本質と弊害をはっきりと知り、そのさ細な要素にも断固反対してたたかわなければなりません。

 セクト主義、地方主義、家族主義は、党の統一と団結を崩す有害な思想潮流です。分派分子は例外なく階級の裏切り者であり、革命の破壊者です。分派分子を放置すると、それがはびこり、しまいには党を破壊してしまいます。それゆえ、党の思想・意志の統一を強化し、革命と建設を円滑に進めるためには、党内から分派の残滓を適時に一掃しなければなりません。

 わが党は、1956年8月総会と1958年の第1回党代表者会議で長い来歴をもつ分派の残滓を一掃することによって、わが国の共産主義運動の統一と団結をなし遂げました。

 だからといって、決して党内における反分派闘争が終わったわけではありません。積弊となっていた分派分子は党内から一掃されましたが、セクト主義の余毒は完全に除かれたとは言えません。革命と建設が深化し、困難な闘争が展開されると、分派分子が生まれる恐れがあります。

 我々は、わが党の反分派闘争の経験と教訓を深く学習し、分派の本質と弊害を明確に認識する必要があります。

 地方主義、家族主義は、分派の温床です。

 地方主義、家族主義は、本質においてセクト主義と大差ありません。差異があるとすれば、その危険性と弊害において差異があるだけです。地方主義、家族主義が高じると、結局はセクト主義になります。我々は、地方主義、家族主義の思想的傾向に対して常に警戒心を高めなければなりません。

 一部の人は、我々は学生なのだから、我々の間に地方主義、家族主義があるはずがないと言っていますが、それは間違った考えです。

 今回の会議で批判されましたが、党組織に心を許さず、「気心が通じ合う人」同士が寄り集まって欠点をかばい合い、組織や同志の陰口をたたくといったことは、みな地方主義、家族主義の要素です。

 党生活をする人にとって、「気心が通じ合う人」などあり得ません。個人の生活では親しい人やそれほど親しくない人があり得ますが、党生活ではこういったことは絶対許されません。「気心が通じ合う人」同士が寄り集まって欠点をかばい合い、組織や同志の陰口をたたくのは好ましくない傾向です。

 意見があれば組織に提起し、原則にもとづいて解決すべきです。人の前では何も言わずに、陰でなんだかんだと悪口を言うのは、集団の団結を妨げる不正な行為です。

 我々は、「気心が通じ合う人」同士が寄り集まって、党組織に心を許さず、組織や同志の陰口をたたくといった行為と強くたたかうべきです。

 こざかしさと個人英雄主義にも反対すべきです。

 こざかしさと個人英雄主義は、小ブルジョア思想の残滓であり、集団の原則的団結をなし遂げるうえで大きな妨げとなります。

 もちろん、入学当時に比べるとかなり是正されたと言えますが、いまなお一部の党員の活動と生活にはこざかしさと個人英雄主義が見られます。

 一部の人は、大学に入る前に政治経済学を多少学んだからといって、学習の過程で何か問題が提起されると、自分だけが知っているかのように得意がり、党細胞や民青(朝鮮民主青年同盟)の活動をした経験があるからといって、初級幹部が手配する活動をよしとせず、彼らの要求によく応じようとしません。

 こざかしさと個人英雄主義に染まると傍若無人に振る舞うようになり、それが高じると組織や集団も無視するようになります。我々は、党員の間に見られるこざかしさと個人英雄主義の傾向に反対してたたかい、それを根絶しなければなりません。

 次に、革命的組織生活を強化しなければなりません。

 人々は、組織生活を通じて革命的修養を積み、一つの思想的きずなでかたく結ばれます。

 これまで細胞の党員が思想・意志のうえでかたく団結できなかったのは、党細胞が革命的組織生活を強化するための努力を怠り、党員の間に自覚的な党生活の気風を確立しなかったことに主な原因があります。

 これまで一部の初級幹部は、みな同じ学生であり、大学にいるのはせいぜい4〜5年なのだから、人に耳障りなことを言う必要はないとして、党員の党生活に対する指導と統制をおろそかにしました。一部の党員は、大学時代には批判を受けない程度に生活すればよいとして、党生活に誠実に参加しませんでした。

 我々は、臨時観念を捨て、党生活に自発的に、誠実に参加すべきです。

 党生活に忠実であるためには、組織に対する観点を正さなければなりません。党組織を離れては党員の政治生活はあり得ません。党員が党組織の懐を離れるのは、幼児が母の懐を離れるのと同じです。

 党員は、党組織を愛し、組織の利益を重んじ、組織の規律に服従し、組織の決定と指示をあくまで実行する組織性を身につけなければなりません。

 党員は、党組織の指導と統制を受けるために意識的に努力しなければなりません。

 誰しも組織の統制からはずれると、おごりたかぶって安逸をむさぼるようになり、あげくの果ては思想的な変質をきたし、革命隊伍から脱落することになります。

 かつて一部の人は、組織に報告もせずに外出し、これについて同志たちが批判しても受け入れようとしませんでした。このような勝手気ままな行動は、組織に依拠しようとしない誤った態度であり、集団の思想・意志の団結を妨げる有害な行動です。

 党員はまた、批判と自己批判に積極的に参加しなければなりません。党員は、お人好しに同志の不正なおこないを見ても批判しなかったり、かばったりしてはなりません。

 不正行為について手厳しく批判し、思想闘争を強化してこそ、欠点をすぐに是正して活動を積極的に推し進め、組織と集団の戦闘的な団結をなし遂げることができるのです。

 みなさんはこのたび批判に積極的に参加し、胸に秘めていたことをすべて述べたので、きまり悪い気持ちがほぐれ、気分がせいせいしたことでしょう。

 今後は、さ細な欠点でも見逃してはならず、すぐさま批判を加えて是正させるべきです。

 党員の思想・意志の統一と団結を強化するためには、初級幹部が対人活動を正しくおこない、活動方法と作風を改善しなければなりません。

 いま、党員の党生活にさまざまな欠陥が見られ、党員が思想・意志のうえで団結していないのは、初級幹部が対人活動を正しくおこなわず、活動方法と作風が粗雑であることにも多少の原因があります。

 対人活動は、相手の準備の程度と特性に合わせておこなうべきです。人は、それぞれ性格や趣味が違い、生い立ちも異なるのですから、対人活動を一律におこない、ただ欠点を指摘するだけにとどまってはなりません。

 初級幹部は、党員の組織・思想生活の状況をつぶさに掌握し、党生活の指導を綿密におこなうとともに、解説と説得、批判と闘争の方法で彼らを絶えず教育すべきです。

 初級幹部は、チョンサンリ(青山里)方法の要求どおりに、大衆のなかに深く入って彼らと歩調を合わせ、政治活動を先行させて党員を革命課題の遂行へと立ち上がらせるべきです。特に初級幹部は、学習と生活において率先垂範しなければなりません。

 初級幹部が学習をおろそかにし、訓練にも誠実に参加せず、党組織の規律もきちんと守らずに、党員たちの前でどなり散らすと、おのずと党員たちとも疎遠になり活動を満足におこなうことができません。

 党細胞委員会がその責務を全うするには、委員長、副委員長とすべての委員がそれぞれの任務を責任をもって遂行しなければなりません。大将一人で戦はできぬという言葉があるように、党細胞委員長だけが奔走するようではどうしようもありません。

 党細胞委員会が集団協議を強化し、党細胞総会で決定した問題はどんなことがあっても実行するという厳格な規律を打ち立てなければなりません。

 我々は今回、すべての党員を一つの思想・意志で団結させることが決して容易ではないことを痛感しました。我々は、今回の党細胞総会を通じて一つの思想鍛練の学校を出たと言えます。今回の党細胞総会を契機に、積もった垢をきれいに洗い落とし、さっぱりした気分で新たな出発することになりました。

 このたび数日間にわたって開かれた党細胞総会は、党員の党性を鍛え、集団の思想・意志の団結をなし遂げるうえで重要な契機になるものと思います。おそらく、みなさんは、このパムナムゴル(粟の木の谷)でおこなわれた党細胞総会のことを永久に忘れないでしょう。我々は、金日成同志の革命思想にもとづいて思想・意志のうえでかたく団結し、真の革命戦士、不屈の共産主義闘士となるために極力努力すべきです。

出典:『金正日選集』増補版1


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