金 日 成

新 年 の 辞
−1990年1月1日− 


 親愛なる同志のみなさん!

 同胞、兄弟姉妹のみなさん!

 我々は、創造と建設でつづられた1980年代の最後の年を輝かしくかざり、新たな希望と自信にみちて1990年代の初年を迎えています。

 私は1990年の新春を迎えて、共和国北半部の全人民と南半部の兄弟、そして在日同胞をはじめ、海外のすべての同胞に熱烈な祝賀と心からのあいさつを送ります。

 私は、社会主義諸国の人民と非同盟諸国の人民をはじめ、世界5大陸の進歩的人民と友人に新年のあいさつを送ります。

 1989年は、朝鮮人民の歴史において輝かしい位置をしめる誇り高い年でした。

 昨年我々は、社会主義建設の膨大な目標の達成と世界青年学生祭典の成功をめざす全人民的な大進軍運動を力強くくりひろげ、この両戦線でいずれも人々を驚嘆させる誇らしい勝利を達成しました。

 英雄的な労働者階級と勤労者、人民軍軍人は、党の戦闘的呼びかけにこたえて高度の革命性と創意を発揮し、順川ビナロン連合企業所をはじめ、工場、企業所と思想・文化生活の重要な拠点である文化施設、近代的なサービス施設と住宅を建てる壮大な大建設闘争で輝かしい偉勲を立てました。平壌市をはじめ、全国各地にあいついで建てられた数多くの記念碑的建造物は、労働党時代に日とともに繁栄するチュチェ朝鮮の躍動する姿を示しており、これは、朝鮮人民に自力で社会主義の新生活を創造する自主的人民の誇りと自負をいだかせています。

 昨年の全人民的な大建設戦闘によって、我が国の工業の自立的土台はさらに強固なものとなり、社会主義建設を力強く推進できるより有利な条件がととのいました。

 社会主義農村問題にかんするテーゼ発表25周年にあたる昨年、農民は農業部門を担当した社会主義的勤労者としての強い責任感をもって、農村テーゼが示した課題を実行するために奮闘し、我が国の社会主義農業経営制度をいっそう強固にし、農業生産で新たな高揚を起こしました。

 技術的にも、思想的、文化的にも極めて立ち後れていた我が国の農村において、農民の労働者階級化、農業の工業化が急テンポで推進され、農村が急速に都市化されつつあるこんにちの現実は、農村に深く根をおろした社会主義的集団経営の優越性と、我が党の農村テーゼの大きな生命力を明白に実証しています。

 我々は、社会主義建設において難問題である農民問題と農業問題を主体的立場で立派に解決することによって、社会主義農村建設の模範を創造したことを堂々と誇ることができます。

 昨年、我が国で盛大におこなわれた第13回世界青年学生祭典は、世界の進歩的人民に深い印象を残した意義深い行事でした。我々は祭典を通じて、全人民が党のまわりに一心同体となってかたく団結し、助けあい導きあってともに発展し、ともに幸せな暮らしを営んでいる我々の社会の真の姿を示し、思想と体制、信教の違いを超越して世界のすべての進歩的人民とかたく手を握り、自主、平和の新世界を建設しようとする朝鮮人民の志向と意志をはっきりと示しました。平壌祭典の歴史的意義は、世界の人民に社会主義のみがすべての人に社会的人間の本性にかなった自主的で創造的な生活を保障することができ、自主性にもとづいてこそ諸人民間の真の国際主義的友好と団結をなし遂げ、人類の明るい未来を切り開いていくことができるという信念をいだかせたところにあります。

 昨年、朝鮮人民が、思想革命、技術革命、文化革命を力強く進め、社会主義建設の各分野で達成した輝かしい成果は、我が党が一貫して堅持している主体的な革命路線の正しさと、我が国の社会主義制度の底知れない生命力の力強い示威となります。

 私は昨年、帝国主義者の反社会主義策動がかつてなく強化され、敵の狂気じみた攻勢が我が共和国に集中された厳しい環境のもとで、いささかの動揺もなくひたすら我が党に従って革命の道を確信にみちて歩み、社会主義建設で英雄的偉勲を立てた労働者と農民、勤労インテリ、勇敢な人民軍軍人をはじめ、全人民にあつい感謝を送ります。

 1990年代に入る今年、朝鮮人民には重大かつ栄誉ある革命課題が提起されています。

 1990年代は、朝鮮人民が大きな抱負とかたい信念をいださ、いっそう奮発して力強く前進すべき希望の年代であり、闘争の年代です。

 チュチェの革命偉業の勝利をめざして長いあいだ苦難にみちたたたかいをつづけてきた朝鮮人民は、こんにち歴史の重要な転機に立たされています。祖国の大地に社会主義の楽園を建設し、民族の悲願である祖国の統一をなし遂げる朝鮮人民の聖なる偉業は、我々自身が20世紀の最後の10年間をどうたたかうかによってその勝敗が左右されるでしょう。

 我々は満々たる闘志と自信をもって、激動する歴史の流れに主動的に対処し、希望にみちた1990年代に社会主義建設の新たな高峰に勝利の旗をひるがえさなければなりません。

 我々は第3次7か年計画の4年目にあたる今年、自力更生、刻苦奮闘の革命精神を発揮し、最大限の増産と節約のための大衆あげての運動を力強くくりひろげ、社会主義建設でいま一度革命的大高揚を起こすべきです。

 今年、基本建設部門では、順川ビナロン連合企業所の第2段階建設と沙里院カリ肥料連合企業所の建設、200万トン能力の製鋼工場の建設と発電所の建設に力を集中すべきです。重要プロジェクトの建設に参加している建設者と人民軍軍人は、社会主義建設でキーポイントとなる主要攻略戦線を受け持った建設者としての高い自覚をもって創造的積極性と集団的英雄主義を発揮し、建設において新たな「90年代の速度」を創造すべきです。

 電力、石炭、鉄鋼材の生産増大をはかるのは、現段階における社会主義経済建設のキーポイントです。

 電力、石炭、鉄鋼材の生産を早急に増大させなければ、社会主義大建設を力強くおし進めることも、人民経済各部門の生産を正常化することもできません。電力工業、石炭工業、金属工業部門では、大胆に技術を革新し、設備を補強し、進んだ生産方法を積極的に導入して、電力、石炭、鉄鋼材の生産を決定的に増大させなければなりません。国家経済機関の幹部は、電力工業、石炭工業、金属工業部門の要件保障を先行させる原則で、経済組織活動を正しくおこない、これらの部門の生産を高い水準で正常化することによって、人民経済の各部門がさらに活力のある発展を遂げるようにすべきです。

 重工業を優先的に発展させながら、同時に軽工業と農業を発展させるのは、我が党が一貫して堅持している路線です。

 我々がすでに築きあげた軽工業の土台は極めて膨大なものであり、それを効果的に利用するのは現段階における軽工業部門の重要な課題です。我々は、軽工業部門の工場をさらに現代化し、さまざまな方法で原料と資材を供給する積極的な対策を講じて、軽工業部門のすべての工場をフルに操業させなければなりません。軽工業部門では、党中央委員会第6期第16回総会の決定を立派に実行して、今年度に織物生産を決定的に増やし、人民の好みに合った良質の日用品と食品をより多く生産しなければなりません。

 我々は、農業の発展においても輝かしい展望をもっています。我が国における社会主義農業経営制度の優越性をひきつづき高く発揮させ、30万ヘクタールの海面干拓をおこなって西海を肥沃な農地にかえ、農村技術革命をおし進めて農業の工業化、現代化を実現するならば、我々の望む理想的な社会主義農村が立派に建設されるでしょう。

 今年、農業部門では、水利化をより高い水準で完成し、機械化、化学化を力強く推進し、主体的農法の要求どおり農業を科学的、技術的に営んで、党が提示した農業生産目標を必ず達成しなければなりません。

 我々は今年、軽工業と農業を早急に発展させると同時に、平壌市をはじめ、都市と農村に近代的な住宅を大々的に建設して、人民の食・衣・住の問題を社会主義的要求に合わせてさらに円滑に解決しなければなりません。

 人民の社会主義的生活を開花させる我が党の方針は、社会生活の3大分野である政治生活と文化生活、物質生活をともに発展させることです。全人民が国家と社会の主人として、政治、経済、文化の各分野で自主的で創造的な生活を営むところに社会主義的生活の真の優越性があります。こんにち朝鮮人民は、誰もが社会・政治組織の誇り高い構成員として最も誉れ高く生きがいのある政治生活をおこなっており、健全で豊かな文化生活を営んでいます。朝鮮人民は物質生活においても、なに一つ心配のない安定した生活をひとしく営んでいます。我々が良質の一般消費物資をより多く生産して商店にとりそろえておくならば、人民の生活にはこれといった不自由がなくなるでしょう。我々は今後、人民の政治生活と文化生活をひきつづき発展させ、特に人民により豊かな物質生活を保障するため積極的に努力しなければなりません。

 こんにち、我々に提起されている膨大な課題は、我が国の社会主義をチュチェの要求どおりより立派に建設するためのものであり、それを成功裏になし遂げる鍵も、チュチェ思想が具現された我が国社会主義制度の優越性を高く発揮させるところにあります。

 朝鮮人民は実生活を通じて、社会主義制度こそは人民大衆に国家と社会の主人の地位を確固と保障する最も人民的な制度であり、人民大衆の底知れない創造力を発揮させる最も生命力のある制度であることを切実に体験しています。社会主義制度の優越性はおのずと発揮されるのでなく、それは、もっぱら党の正しい指導のもとに、人民大衆が革命と建設の主人としての責任と役割を果たすとき高度に発揮されるのです。

 我々には、党の正しい指導があり、自己の歴史的使命を深く自覚した立派な人民があります。人民政権を強化し、その機能と役割をたえず高め、思想、技術、文化の3大革命を力強くおし進めるという我が党の総路線は、社会主義・共産主義建設の正しい道を示す最も正当な路線であり、我が党の創始したチョンサンリ(青山里)精神、チョンサンリ方法とテアン(大安)の事業体系は、党の指導と革命的大衆路線を正しく結びつけ、社会主義社会を効果的に管理運営し、社会主義建設を成功裏に促進させる最もすぐれた活動体系であり、活動方法であります。

 我々は社会主義建設において、我が党の総路線をひきつづき堅持し、すべての部門、すべての単位でチョンサンリ精神、チョンサンリ方法とテアンの事業体系を立派に運用しなければなりません。

 我々は、党をいっそう強化し、党の指導的役割をたえず高め、「我々の方式で生きよう!」というスローガンを高くかかげ、社会生活のすべての分野で主体性を確立していかなければなりません。

 我々の不抜の力の源は、党と人民大衆が渾然一体となって社会主義・共産主義をめざすたたかいで生死をともにすることにあります。我々は今後、いかなる風が吹こうとも、党は人民を信頼し、人民は党を信頼し、明るい未来を展望し確信と楽観をもってたたかうことによって、聖なるチュチェの革命偉業をあくまで完成しなければなりません。

 民族の分裂に終止符をうち祖国を統一することは、歳月の流れとともに、ますますさし迫った課題として提起されています。

 1940年代にはじまった民族の分裂が1990年代を迎えるこんにちにいたるまで持続しているのは、民族の自主性の見地からしても、世界の自主化の見地からしても、とうてい容認することのできない歴史の悲劇です。こんにち朝鮮民族は、北と南、海外のどこで暮らそうとも、ひたすら祖国を統一しようという一つの熱望に燃えており、必ず祖国を統一するという、不動の意志と信念にみちています。

 昨年、南朝鮮では、過酷なファッショ的弾圧がつづくなかでも、青年学生をはじめ、人民各階層の統一運動が力強く展開され、特に北南間の障壁をうちこわし、自由な接触と往来を実現しようとする気運がいつにもまして高まりました。南朝鮮人民の一致した統一念願をいだいて、「全民連」顧問の文益煥牧師と「全大協」代表の若年の女子大学生林秀卿が死線を越えて平壌を訪れ、北の同胞と感激的な対面を果たすことによって、全同胞の統一熱望をさらにもりあげ、祖国統一の切実さと朝鮮民族の確固たる統一意志を内外に示しました。

 我々には、北と南が共同で合意し宣言した祖国統一綱領である、自主、平和統一、民族大団結の3大原則があり、それを具現した合理的な統一方案があります。我々が示した高麗民主連邦共和国創立方案は、北と南がともに受け入れることのできる最も公明正大で現実性のある方案であり、全朝鮮人民と世界の進歩的人民の広範な支持を受けています。

 それにもかかわらず、我が国の統一がいまだに実現していないのは、朝鮮分断の永久化を企む外部勢力の干渉と妨害策動がつづき、一部の人がそれに追随して、統一問題の解決に人為的な障害をつくりだしているためです。南朝鮮当局者は口では統一について云々していますが、実際には統一を妨げる行動をつづけています。国が分断された状態のままで国連に加盟して「2つの朝鮮」を合法化しようとし、「対話窓口の一本化」を主張して、北南間の接触と交流を実現するためにたたかう人々を罪人とし、処刑しているかれらの行動は、民族の一致した統一意思に背を向け、朝鮮の分断を永久化しようとする帝国主義者の意思を代弁しているものと解釈するほかありません。

 祖国統一の問題は民族の運命を決定する重大な問題であるだけに、少数の当局者や特定階層の意思によって左右されるものではありません。民族の統一気運がとどめがたい勢いで沸騰し、世界に自主化の波がとうとうたる流れをなしているこんにち、実のない対話や政治的かけひきによって時間を費やし、統一を遅延させるならば、それは、歴史と民族にたいする大きな罪悪となるでしょう。

 祖国統一の途上に横たわる障害と難関を克服し、統一問題の解決に根本的な転換をもたらすためには、祖国統一偉業業を名実ともに全民族的偉業にする決定的な救国対策を立てる必要があります。

 我々は、全民族の統一念願と切実な要求を反映して、北南間の障壁をうちこわして自由往来を実現し、北と南が相互に全面開放することを主張します。

 なによりもまず、軍事境界線の南側地域に築かれたコンクリート障壁から取り払わなければなりません。

 コンクリート障壁は、民族分裂と北南対決の象徴であり、世界のどの国にも見られないこうした障壁を存続させているということは朝鮮民族の恥です。

 南朝鮮当局者に真に統一の意思があるならば、実際の行動をもってそれを示すべきです。コンクリート障壁をそのままにして、いくら「開放」だの「統一」だのといっても、世人はそれを信じないでしょう。他の国で分断の障壁を開放したことにたいしアメリカも歓迎し、南朝鮮当局も歓迎している以上、我が国にあるコンクリート障壁を崩せない理由はなにもないはずです。

 軍事境界線の我が方の地域にはいかなる障壁も築かれておらず、ただ境界線のしるしである鉄条網があるのみです。我々は、これをいつでも取り除くことができます。

 コンクリート障壁を取り払い、北と南の自由な往来を実現しなければなりません。北と南の労働者、農民、青年学生と政治家、経済人、文化人、宗教家をはじめ、各階層の人士が差別なく相手側の地域を自由に往来し、制限を受けることなく接触し活動できるようにすべきです。

 北と南は、自由往来の実現にとどまらず、政治、経済、文化をはじめ、各分野を互いに全面的に開放する道に進むべきです。

 分断の障壁を取り払い、北と南のあいだの自由往来と全面的開放を実現するためには、遅滞なく北南間の協商が実現されなければなりません。

 我々は、このような協商のため、北と南の最高位級の参加する当局と各政党の首脳の協商会議を招集することを提案します。

 北南間の障壁が取り払われ、自由往来と全面的開放が実現すれば、全朝鮮民族の意思と力を合わせて外部勢力の干渉を排し、祖国の統一を自主的に、平和的に実現することができるでしょう。

 我々は今年、現在おこなわれている北南当局間の会談と国会会談をはじめ、各分野の会談も活発に推進させるでしょう。また我々は、幅広い協議をへて民族共同の統一方途を確定するために、北と南の当局と政党、団体の代表が参加する民族統一協商会議を実現するためにもひきつづき真摯な努力を傾けるでしょう。

 北と南、海外のすべての朝鮮同胞は、祖国統一の旗のもとにいっそうかたく団結してたたかい、今年を分断の障壁を取り払い、統一の扉を開くうえで歴史的転換の年にすべきです。

 こんにち、国際舞台では、社会主義と帝国主義、進歩と反動とのたたかいが先鋭化しており、人民の自主偉業は帝国主義者の重大な挑戦に直面しています。

 帝国主義者は、平和と進歩の砦である社会主義を瓦解させ、自主の道に進む人民に再び搾取と従属のくびきをはめようと狂気になって策動しています。帝国主義者は、「平和」と「緩和」の幕裏で人民を武装解除させ、自主と進歩の道に進む国々にたいする侵略を強めており、「援助」と「協力」の看板のもとに他国にたいする干渉と従属化の策動を露骨に強行しています。帝国主義者は各種の変装術を用いますが、それはすべて世界の人民の理性をくもらせ、かれらの侵略的かつ略奪的な目的を果たすための狡猾な術策にすぎません。

 最近、アメリカ帝国主義者は、世界に向かって冷戦の終息と平和時代の到来を宣言し、後ろを向くやいなや主権国家であるパナマにたいする武力侵攻を公然と強行しました。これは、帝国主義者の喧伝する「平和」「緩和」なるものがいかに大きな欺瞞であり、かれらがいかに傲慢無礼な侵略者であるかを十分に示しています。世界の進歩的人民は、このように破廉恥きわまる卑劣な帝国主義者と同じ天をいただいて暮らすことを恥としており、帝国主義者の侵略行為を憤激して糾弾しています。

 こんにち、帝国主義者は滅亡に瀕したかれらの深刻な危機をおおいかくし、虚勢をはって歴史の流れを逆転させようと愚かに策動していますが、自主の道を進む人民の前途を阻むことはできないでしょう。

 人類の未来は決して帝国主義に属するものではなく、帝国主義が滅亡し社会主義が勝利するのは動かしがたい歴史の法則です。

 人間による人間の搾取と抑圧をなくし、世界の主人、自己の運命の主人として自主的に生きようとする人民大衆の世紀の願望を遂げる道は、搾取階級の社会と決別し、社会主義に進む以外はありません。人類は、この道を求め、この道を切り開くために長いあいだ曲折の多い陣痛を体験し、困難かつ厳しい闘争をつづけてきました。社会主義は、人類の最も偉大な獲得物であり、躍動する生命力と希望を与える人類の理想です。

 社会主義への道は前人未到の道であるため、前進途上で不測の出来事にぶつかることもあり、紆余曲折をへることもあります。社会主義を建設する方法も、変化する現実に即応してたえず改善され、完成されなければなりません。しかし、人類が、社会主義の道に進まなければならないという歴史の真理はかわるものではありません。

 歴史の主体である人民大衆は、いかなることがあろうとも帝国主義に反対し、社会主義に進まなければならないという根本原則から離脱してはなりません。

 原則が必ず勝利するということは、歴史によって実証された真理です。世界の革命的人民は、帝国主義者の策動に対処して反帝・自主の原則、社会主義の原則をかたく守り、不屈の闘志と信念をもって人類の未来を切り開くためにあくまでたたかわなければなりません。

 我が党と共和国政府は、今年も一貫して自主・平和・親善の対外政策を実行していくでしょう。

 我々は、いかなる複雑な状況や環境が生じても、かわることなく自主的立場を堅持し、平和と社会主義の東方の砦をかたく守りぬくでしょう。

 こんにち朝鮮半島は、依然として世界の平和愛好人民の憂慮をかもしだす危険な核戦争の根源地となっています。我々は、朝鮮につくりだされた核戦争の危険を除去して緊張を緩和し、朝鮮半島を非核地帯・平和地帯にかえるたたかいをさらに力強く展開するでしょう。

 我が党と共和国政府は、社会主義諸国人民と非同盟諸国人民をはじめ、世界の進歩的諸国人民との友好・協力関係を発展させ、自主と平和、民族独立と社会進歩をめざす各国人民のたたかいを積極的に支持声援するでしょう。

 発展途上諸国が、新植民地主義的従属からぬけだし、完全な自主独立を達成する道は、集団的自力更生の原則に立って団結と協力を強化することにあります。我々は、真の平等と互恵の立場で私心のない協力の精神をもって、政治、経済、文化の各分野にわたって南南協力を発展させるため積極的に努力するでしょう。

 我々に提起された90年代の雄大な闘争目標は、全人民を新たな英雄的偉勲へと呼んでおり、我が党のチュチェ思想は勝利の道を示しています。

 みなともに、チュチェ思想の旗、社会主義の旗を高くかかげ、党の指導に従って社会主義の完全な勝利と祖国の自主的平和統一のために、全世界の自主化のために力強くたたかいましょう。

出典:『金日成著作集』42巻


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