金 日 成

新 年 の 辞
 −1988年1月1日−


 親愛なる同志のみなさん!

 同胞、兄弟姉妹のみなさん!

 我々は、祖国の隆盛繁栄をめざす創造と建設でわき立つ壮大なたたかいのなかで誇らしい一年を送り、新たな抱負と確信にみちて1988年の新春を迎えました。

 私は、勝利と栄光に輝く新年を迎え、共和国北半部の全人民と南朝鮮の兄弟、そして、在日同胞をはじめ、海外のすべての同胞に熱烈な祝賀とあいさつを送ります。

 昨年、朝鮮人民は、朝鮮労働党第6回大会が示した社会主義経済建設の雄大な綱領である10大展望目標の達成をめざす第3次7か年計画の初年度の闘争を成功裏に進めました。

 我々は昨年、基幹工業部門の重要目標を達成し、人民の食・衣・住の問題を円滑に解決するための物質的・技術的土台の強化を経済建設の戦略的課題とし、基本建設に力を集中しました。

 朝鮮人民は党の指導のもとに、社会主義大建設の初の進軍で無比の英雄主義を発揮して輝かしい勤労の偉勲を立て、第3次7か年計画遂行の突破口を開くことによって、1987年を誇らしい勝利の年として輝かしました。

 第3次7か年計画の遂行において第一義的意義をもつ電力生産目標を達成するため、昨年、発電所の建設者たちは、険しい山に40キロの水路トンネルを貫通させる困難な工事を遂行し、膨大な規模の松院(ソンウォン)ダム第1段階工事を成功裏に終えて泰川(テチョン)発電所の建設で決定的な前進を遂げ、渭原(イウォン)発電所、順川(スンチョン)火力発電所の建設と西頭水(ソドゥス)発電所第3段階工事を力強く推進しました。また、我が国における最大規模の水力発電所である金剛山発電所の建設において最も重要かつ困難な工事を進め、寧遠(ニョンウォン)発電所、南江(ナムガン)発電所をはじめ、大小の各発電所の建設を積極的に促進しました。

 我々は昨年、人民経済の自立性のいっそうの強化と人民の物質・文化生活の向上にとって重要な意義をもつ、総合的大化学工業基地である順川ビナロン連合企業所の建設に力を集中するとともに、強力な軽金属生産基地である沙里院(サリウォン)カリ肥料連合企業所の建設を推進しました。順川ビナロン連合企業所の建設者は、不屈の闘争精神を発揮して膨大な建設工事を成功裏に推進し、ついに初のカーバイド炉に点火できるようにしました。

 端川(タンチョン)地区の建設者は、党の戦闘的呼びかけに呼応して集団的革新を起こし、端川マグネシア工場の拡張工事、雲松(ウンソン)粉砕・ふるい分け場の建設を完成して、マグネシア・クリンカーの生産能力を200万トンの水準に到達させ、重要な非鉄金属生産基地である端川製錬所の第1段階建設を完成しました。

 北部鉄道の建設を担当した青年建設者は、集団的英雄主義を発揮し、東部と西部を連結する鉄道全区間の諸施設工事を基本的に終え、100余キロ区間の鉄道を開通して、この地域の地下資源の開発と輸送ネックの解消に大きく寄与しました。

 光復(クァンボク)通りの建設者は、首都建設者としての誇りをいだき、大規模の困難かつ複雑な建設工事を急ピッチで推進し、我々の首都建設史に輝く新しいページを記しました。

 昨年、英雄的労働者階級をはじめ全勤労者は、愛国的献身性と創造的積極性を発揮し、万年大計の記念碑的建造物を数多く建設しただけでなく、社会主義建設のすべての部門で国の富強発展と人民の福祉増進に寄与する貴重な成果を達成しました。我々は、これを高い矜恃と自負をもって誇ることができます。

 昨年、社会主義建設でおさめたすべての誇らしい成果は、党員と勤労者が、チュチェ思想と抗日の革命伝統で武装し、党の指導に従うならば、常に百戦百勝するという確固たる信念をもって、あらゆる難関と障害を克服し、英雄的にたたかった結果です。我々が1年間にこのように膨大な規模の基本建設を急ピッチで推進することができたのはまた、人民が、これまで党の指導のもとに刻苦奮闘し、社会主義の自立的民族経済を建設したからです。

 私は、第3次7か年計画の雄大な目標の達成をめざす大建設行軍で勤労者と人民軍軍人が立てた勤労の偉勲を高く評価し、党の路線と政策に従い社会主義建設の各部門で献身的にたたかった労働者、農民、勤労インテリをはじめ、全人民に深い感謝を送ります。

 1988年は、共和国創建40周年にあたる意義深い年です。

 我々は今年、社会主義建設の各分野でいま一度一大高揚を起こすことによって、おり重なる難関と試練を克服し、自主、自立、自衛の社会主義国家に飛躍した我が共和国の威力を世界に誇示し、共和国創建40周年を勝利者の大祝典として輝かさなければなりません。

 社会主義建設において今年我々に提起される中心的課題は、すでに大きな歩みを踏みだした大建設行軍をさらに力強くおし進めることです。

 なによりもまず、電力工業、石炭工業、金属工業など基幹工業部門の生産技術的土台を拡大強化するための建設事業にひきつづき大きな力をそそがなければなりません。そうしてこそ、我が国の社会主義の自立的民族経済の威力をいっそう強化し、10大展望目標の達成をめざす全般的な建設事業を強力に推進することができます。

 電力工業部門では、現在進行中の泰川発電所、渭原発電所、順川火力発電所の建設と西頭水発電所の第3段階工事を上半期内に終えて120万キロワット以上の発電能力を造成し、金剛山発電所、寧遠発電所、煕川(ヒチョン)発電所、南江発電所、金野江(クムヤガン)発電所の建設を力強く推進すべきです。

 石炭工業部門では、安州(アンジュ)地区、順川地区、北部地区をはじめ、埋蔵量の多い各地区の炭鉱を大々的に改造拡張し、新しい炭鉱を開発して石炭生産をいちだんと増大させなければなりません。

 金属工業部門では、金策(キムチェク)製鉄連合企業所の第2段階拡張工事を一・四半期内に終え、チョンリマ(千里馬)製鋼連合企業所に国内の原料と燃料による200万トン能力の製鋼工場の新設に取り組み、埋蔵量の豊富な茂山(ムサン)鉱山連合企業所をさしあたり1000万トン、やがては1500万トン能力の近代的な大規模鉄精鉱生産基地に拡充する事業を大胆に展開すべきです。

 化学工業と軽工業を発展させ、人民の食・衣・住問題を円滑に解決するための建設を促進するのは、こんにち我々が社会主義建設で力をそそぐべき中心的課題の一つです。

 我々は、今年も順川ビナロン連合企業所と沙里院カリ肥料連合企業所の建設に力を集中しなければなりません。順川ビナロン連合企業所が建設されれば、年間、100万トンのカーバイド、75万トンのメタノール、10万トンのビナロン、90万トンの窒素肥料、25万トンの塩化ビニール、25万トンの苛性ソーダ、40万トンの炭酸ソーダなど各種の化学製品と30万トンの蛋白質飼料を生産することができます。沙里院カリ肥料連合企業所を建設し、青丹(チョンダン)地区に豊富に埋蔵されているカリ長石を年間300万トン処理しても、51万トンのカリ肥料と42万トンのアルミナ、1000万トン以上のセメント生産が可能になります。

 順川ビナロン連合企業所と沙里院カリ肥料連合企業所の建設に動員された人民軍軍人とすべての建設者は、党と革命にたいする忠実性と英雄的闘争精神を遺憾なく発揮し、建設工事の質を高めて計画どおりに終えることにより、祖国の繁栄と人民の幸せのための我が党の遠大な構想が一日も早く実現するようにしなければなりません。

 光復通りと平壌市の重要対象の建設を担当した建設者は、建設期日を繰り上げ建設物の質を最上のレベルで保障して、平壌市をいっそう壮大かつ美しい近代的都市にかえなければなりません。

 全国的範囲で進められている大建設を成功裏に保障し、たえず増大する生産に輸送を追いつかせるためには、人民経済の先行者である鉄道に大きな力をそそぎ、輸送能力の決定的な向上をはからなければなりません。

 現在、鉄道の輸送能力を高める重要な方途は、鉄道を電化、重量化することです。まだ電化されていない区間の電化を全部終え、8軸電気機関車と100トン貨車を大量に生産して、鉄道の重量化を早急に実現すべきです。

 我が党の社会主義農村問題にかんするテーゼは、社会主義農村建設の最も正確な道を示す綱領であり、テーゼに示された農業の水利化、電化、機械化、化学化の4大技術革命の課題を数年内に完成するというのは、我が党の確固たる決心です。我々は、党の農業第一主義の方針をひきつづき堅持し、トラクター、トラックと我が国の実情に適した近代的農業機械と各種の化学肥料を大量生産して農村へ送り、農業の水利化を新たな高い段階で完成するための50万ヘクタールの散水式畑地潅漑工事を大衆的運動で展開すべきです。同時に、海面干拓と新しい土地開墾運動を強力に展開し、耕地面積を増やさなければなりません。農業部門の幹部と農業勤労者は、国の米倉を受け持った主人としての高い自覚をもって主体的農法の要求どおり営農に力を入れ、今年の農業生産に新たな転換をもたらさなければなりません。

 社会主義建設の今年度の課題は、第3次7か年計画を成功裏に遂行する確たる展望を開き、人民生活を画期的に向上させる誇らしい闘争課題です。今年度の課題を立派に遂行することは、共和国北半部での社会主義の完全な勝利を早めるうえで重要な意義をもつだけでなく、たたかう南朝鮮人民を大いに励まし、自主の新しい生活を切り開いていく世界の進歩的人民にチュチェ思想の正当性と生命力を明白に示すことになるでしょう。

 思想、技術、文化の3大革命は、社会主義・共産主義建設において我が党が一貫して堅持していくべき総路線です。我々は、今年もチュチェ思想の旗を高くかかげ、思想革命、技術革命、文化革命をひきつづき力強く推進していくべきです。

 社会主義建設の成果は、革命の主体である人民大衆の革命的熱意と創造的積極性をどのようにくみあげるかにかかっています。我々は、実生活を通してその真理性が検証されたチョンサンリ(青山里)精神、チョンサンリ方法と、それを具現したテアン(大安)の事業体系をひきつづき堅持していかなければなりません。人民経済の各部門、各単位で社会主義制度本来の要求と我が国の実情にかなったチュチェの社会主義経済管理システムと方法を具現して、党委員会の集団指導を強化し大衆路線を貫くことにより、社会主義制度の優越性を遺憾なく発揮させ、生産と建設で不断の高揚と革新を起こさなければなりません。

 今年我々に提起された課題は膨大なものですが、我々はそれを十分実現できるすべての条件と可能性をもっています。朝鮮人民は、我が党の指導のもとにすべての難関と試練に打ちかって勝利の道を走りつづけてきた、鍛練され洗練された英雄的人民です。すべての党員と勤労者は、党のまわりにかたく団結し、勝利の信念と革命的楽観をもって自力更生、刻苦奮闘の革命精神を発揮して力強くたたかい、社会主義建設のすべての分野でいま一度世人を驚嘆させる奇跡を生んで、チュチェ朝鮮の革命的気概を誇示すべきです。

 1987年は、我が祖国の北と南で国の平和と平和統一をめざす闘争が力強く展開された一年でした。

 我が党と共和国政府は、自主、平和統一、民族大団結の崇高な理念にもとづき、国の緊張緩和をはかり、平和統一の有利な局面をもたらすため、北南高位級政治・軍事会談の開催を提案し、ついで昨年、段階的な軍縮提案と民族団結の5つの方案を示し、それを実現するため積極的にたたかいました。

 昨年、南朝鮮では、アメリカの庇護のもとに30年近く持続してきた軍事ファッショ独裁に終止符をうち、社会の民主化と自主化を実現し、国の平和統一をなし遂げるための各階層人民の闘争がまる一年間、力強く展開されました。

 ファッショ的な「4.13措置」反対闘争から6月人民抗争と7〜9月にかけての労働者のたたかいをへて12月の軍政終息闘争にいたる英雄的闘争の日々、南朝鮮人民は、自主、民主、統一への強烈な願望と不屈の闘志を遺憾なく示威し、アメリカの教唆を受ける軍事独裁勢力に甚大な打撃を与えました。特に、先ごろ南朝鮮でおこなわれた「大統領選挙」では、投票者の過半数をはるかに上回る1200万名の人民が軍政の延長を拒否し、民政を要求する自己の意思を明白に表明することにより、なんぴともこの強力な闘争勢力を無視することができなくなったことを示しました。

 私は、過酷な軍事独裁体制のもとでも屈することなく反米・反ファッショ闘争を勇敢に展開し、自己の解放闘争史に誇らしいページを飾った南朝鮮の労働者、農民、青年学生、知識人をはじめ、各階層の人民と愛国的民主人士に崇高な敬意を表します。

 南朝鮮では、軍政の終息と民政の樹立という絶対多数の人民の念願にもかかわらず、人民の頭上には依然として軍事ファッショ独裁が君臨しつづけ、「政権交代」がなされるとしてもなんの希望も期待ももつことができなくなりました。これまでの経験は、南朝鮮にアメリカの植民地的支配がつづくかぎり、人民の民主主義への要求も、社会的変革への念願も実現しえないことを改めて証明しました。南朝鮮人民は、ここから教訓をくみとるべきであり、もっぱら団結した闘争によって自己の運命を開くために反米自主化のスローガンを前面にかかげ、反ファッショ民主化と祖国統一偉業をさらに促進しなければなりません。

 こんにち、祖国の自主的平和統一偉業を実現するのは、全朝鮮人民に提起されている最も切迫した課題です。

 祖国統一への全民族の熱望はとどめることのできないものとなっており、祖国統一をめざす我が党と共和国政府の正当な方案と真摯な努力は内外人民のますます大きな支持と共感を呼んでいます。

 全般的な国際情勢も次第に緩和の兆しを見せており、朝鮮問題の平和的解決を期待する世界の平和愛好人民の声も日を追って高まっています。

 国の統一をどれほど早めるかは、もっぱら統一問題解決の直接の当事者である北と南の共同の努力にかかっています。

 現在、国の自主的平和統一のために切実に求められるのは、なによりも北と南が互いに和解し団結しようという姿勢と立場に立つことです。

 そもそも祖国統一問題は、誰が食うか食われるかという問題ではなく、一方が他方を圧倒して優位を占める問題でもなく、北と南がともに同じ血筋を引く同胞として民族的団結をなし遂げる問題です。歴史的経験が示しているように、互いに不信と対決、分裂を追求するならばいくら対話をしても成果は期待できず、まして、互いに力によって勝負を決めようとしては、統一問題はいつになっても解決されません。

 北と南の対決と分裂は、外部勢力に漁夫の利を与えるだけです。外部勢力に翻弄され、はかり知れない民族的災厄と苦痛を体験させられた40余年にわたる恥辱の歴史と訣別し、民族的利益を守るためには、同族同士で張り合うのでなく、和解し団結し、統一をめざして力を合わせていく姿勢をとらなければなりません。

 国の統一のために切実に必要なのはまた、北南間の軍事的対決を解消し、緊張を緩和することです。

 我々が再三表明しているように、軍事的対決状態は双方間の誤解と不信の要因となります。同族同士が互いに信頼し和解するためには、ふところにかくしている刃物をまず出さなければなりません。

 たとえ、いますぐには国の統一の実現がむずかしいとしても、我々は互いに膨大な兵力を対峙させて民族の惨禍をまねく戦争の要因を存続させることなく、互いに平和に暮らしていく道を模索すべきです。

 我々は、どうあっても軍事的対決を解消し、戦争の危険を除去する用意を示すべきであり、北南間で互いに侵略しないことを確約する不可侵宣言を採択する決断をくだすべきです。

 北南間の不可侵宣言は、現在の軍事停戦委員会中立国監視委員会の権能を高め、中立国監視軍を組織する方法でその履行が保障されるようにすることができるでしょう。

 こんにち民族の和解と団結をはかり、緊張を緩和するのは、北南間の対話と統一問題を解決する最小限の原則的要求です。

 我々は、このような原則的立場に立ちさえすれば、誰とでも手を取り合って国の統一に有益なことをすることができるものと信じています。このような立場が偽りなく示されるならば、我々は、南朝鮮の各階層人民と政党、団体および在野の各界人士はいうまでもなく、執権者たちとも人民の意に背かないかぎりいつでも会って対話をするであろうし、すべての人と個別的に、または集団的にも会って虚心坦懐に意見を交換するでしょう。

 いま少なからぬ人は、南朝鮮の内部状況からしても北南関係からしても、1988年度が最も緊張と複雑さをおびた時期になるだろうと、深く憂慮しています。

 我々は、世界が注視している今年の朝鮮半島の情勢を、決定的に国の平和と平和統一に有利にかえなければなりません。

 我々はこうした念願から、今年中にチーム・スピリット合同軍事演習をはじめ、大規模の軍事演習を中止する問題、多国間の軍縮会談を開催する問題、第24回オリンピック競技大会を北と南が共催する問題、相互間の誹謗中傷を中止する問題などが、早急に協議、解決されるべきだと主張します。

 北と南は、以上のようないくつかの当面の問題を解決して、今年を民族の和解と団結の新たな転機をもたらす歴史的な年にしなければなりません。そのために、我々は双方の当局者を含む諸政党、大衆団体の代表と各界人士が参加する北南連席会議の招集を提案するものです。北南連席会議が開催されれば、北と南の隔絶状態をうちこわし、全民族が渇望する国の平和と平和統一を促進するうえで新たな局面を開くことができるでしょう。

 我が国の統一問題を根本的に解決するためには、我々とアメリカとの関係問題を解決しなければなりません。

 アメリカが、こんにちまで3者会談を回避し、南朝鮮にたいする軍事的占領をつづけているのは、かれらが世界平和はもちろん、地域問題すら解決する意思をもっていないことを示しています。

 公正な立場からすれば、アメリカは核兵器を保有していない我々と対峙して南朝鮮に核兵器をもちこみ、そこを核基地にするなんの名分もありません。アメリカの核兵器が他の社会主義国を的にしているのであるなら、かれらはソ連とのあいだに核兵器縮減条約を締結したいまとなっては当然、南朝鮮からも核兵器を撤去すべきでしょう。アメリカは、我々と平和協定を締結し、好ましくなかった過去の歴史を一日も早く清算すべきであり、平和を志向する時代の趨勢に合わせて朝米関係の新しいページを開いていくべきでしょう。

 我々は、国の統一問題を解決する最も合理的な方途は、北と南が互いに相手側の存在を認める基礎のうえに立って、中立、非同盟の一つの連邦国家を創設することであるとみなします。

 祖国の自主的平和統一のためには、北と南のいずれにいようと海外にいようと、すべての朝鮮人がひとしく聖なる民族的偉業の実現に向けて立ち上がらなければなりません。

 総聯の活動家と在日同胞をはじめ、海外のすべての同胞は、祖国の人民とともに、民族の和解と団結をはかり、祖国の自主的平和統一を促進するため、さらに力強くたたかわなければなりません。

 我が党と共和国政府の積極的な対外活動により、昨年、我が国と社会主義諸国、非同盟諸国をはじめ、世界の平和愛好諸国との友好のきずながいっそう強まり、朝鮮革命の国際的連帯が強化されました。

 私は、朝鮮人民の正義の偉業に支持と連帯を寄せている世界各国の人民と友人に深い謝意を表し、新年の祝賀とあいさつを送ります。

 現在、国際政治舞台で提起されている最も重要な問題は、核戦争の根源を取り除き平和を守ることです。

 最近ソ連とアメリカのあいだに締結された一部核兵器の撤廃にかんする条約は、全般的核軍縮を実現する途上での有意義な出発点になるとみることができます。南朝鮮にアメリカの膨大な核兵器が展開されているため、恒常的な核惨禍の脅威にさらされている朝鮮人民は、世界の各地域に非核・平和地帯を設置し、核兵器を完全に撤廃することに切実な利害をもっています。

 世界の平和を脅かし、国際緊張を激化させる根本原因は、依然として帝国主義者の侵略と略奪政策にあります。戦争に反対し平和を守るための世界人民のたたかいが日増しに拡大強化されているにもかかわらず、帝国主義者は、力の政策を放棄せず、なおも軍備拡張と軍備競争をこととしており、新植民地主義的方法によって発展途上諸国にたいする搾取と略奪を強化しています。そのため、世界的範囲で「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」現象が日増しに著しくなっており、それは発展途上諸国の人民にはかり知れない苦痛と不幸をもたらしているのみか、帝国主義諸国の政治的・経済的危機を深める結果をまねいています。帝国主義者は現在の危機を脱するため、経済を軍事化し、社会主義諸国に反対し、発展途上諸国の人民にたいする搾取を強化する道に走ることにより、人類共同の繁栄を志向する歴史の基本潮流に逆行しており、諸国間の不信をあおり、国際緊張を激化させています。

 こうした状況にあって、すべての平和愛好人民はかたく団結し、帝国主義者の侵略と新たな戦争挑発策動を阻止、破綻させ、平和を守るために断固たたかわなければなりません。

 発展途上諸国の人民と被抑圧人民が、完全な民族解放をなし遂げ、自主的な新しい社会を建設するためには、反帝民族解放闘争をひきつづき力強く展開しなければならず、不公平な旧国際経済秩序をうちこわし、公正な新国際経済秩序をうち立てるためにたたかわなければなりません。さしあたり、発展途上諸国の人民は、南南協力の全面的な拡大発展のために共同の努力を傾けるべきです。

 我が党と共和国政府は、今年も反帝・自主の旗を高くかかげ、社会主義諸国の人民、非同盟諸国の人民をはじめ、世界の進歩的人民との友好・協力関係を発展させ、民族の独立と新社会の建設をめざす諸国人民の闘争を断固支持声援するとともに、世界の平和と安全を守るため積極的に努力するでしょう。

 今年、我々に提起されている課題は、子孫万代の繁栄のための壮大かつ栄誉ある課題であり、それは常に党に忠実であった朝鮮人民を新たな英雄的偉勲へと呼んでいます。

 みなともにチュチェ思想の革命的旗を高くかかげ、党の指導のもとに社会主義の完全な勝利と祖国の自主的平和統一をめざして力強くたたかいましょう。

出典:『金日成著作集』41巻 


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