金日成「朝鮮労働党建設の歴史的経験」


5 革命と建設にたいする党の指導

 労働者階級の党は、革命の参謀部であります。革命闘争と建設事業の命運はもっぱら党の指導的役割にかかっており、党の指導は革命と建設の勝利のための基本的要因であります。

 党は革命と建設を正しく指導しなければなりません。党隊列を組織的、思想的にうちかため、広範な大衆を党のまわりに結集して革命隊伍を強化するのも、革命闘争と建設事業を成功裏に進めるところに目的があります。革命と建設を指導するのは、労働者階級の党の重要な任務であります。

 革命と建設にたいする党の指導は、政治的指導であります。

 党の政治的指導の本質は、革命闘争と建設事業を政策的に指導し、政治活動をおこなって人々を動かす方法で指導することにあります。党は革命闘争と建設事業の目標と方向を示し、政治活動、対人活動をとおして大衆を革命課題の遂行へと奮起させ、党の路線と政策が正しく実行されるよう掌握、指導しなければなりません。党は人々を教育し、組織動員する政治組織であるため、命令や指示をくだす行政的方法ではなく、もっぱら党的方法、政治的方法で革命と建設を指導しなければなりません。

 我が党は創立当初から我が国における革命闘争と建設事業を正しく指導し、その過程で貴重な成果と経験をつみました。

 党が革命と建設を正しく指導するためには、正確な路線と政策を作成して提示し、その実行する闘争を巧みに指導しなければなりません。

 党の路線と政策は、革命と建設の戦略と戦術であり、闘争の指針であります。党が路線と政策を正確に作成して提示しなければ、革命闘争と建設事業を正しい方向と方途に従って成功裏に進めることはできません。

 我が党は、すべての路線と政策を我が国の具体的実情に即して自主的にうち立てました。解放直後からこんにちにいたるまで我が党の示したすべての路線と政策は、あくまでも自己の信念と独自の判断にもとづき、我が国の実情に即してうち立てられたものです。

 我が党は路線と政策の樹立において、特に主観主義を警戒しました。党が路線と政策の作成で主観主義に陥ると、それは非常に重大な結果をまねきます。人民大衆の志向と現実的条件を無視して主観主義的に立てた路線と政策は人民大衆に受け入れられず、したがって、それは満足に実行されません。我が党は、常に大衆のなかに深く入ってかれらの志向と要求を正確に把握し、具体的な現実を全面的に分析したうえで、それにかなった路線と政策をうち立てました。それゆえ、我が党のすべての路線と政策は革命と建設の正確な指針となり、強力な推進力となっています。

 我が党は路線と政策を正確にうち立てたばかりでなく、それを実行する闘争を正しく指導しました。

 党の路線と政策は、人民大衆がそれを自分自身のものとしてうけとめ、それを実行する闘争に自発的に立ち上がってこそ成功裏に実行されるものです。我が党は党員と勤労者のあいだで党政策宣伝を強化し、かれらが党政策の本質と正当さ、その遂行方途を明確に知り、それを自分自身のものとしてうけとめるようにしました。これとともに、組織・政治活動に力を入れて、大衆の団結した力と創造的知恵を党政策の貫徹へと力強く動員しました。

 党が革命と建設を指導するうえで重要なのは、権力の問題を正しく解決し、それにもとづいて革命闘争と建設事業をおし進めることであります。

 権力にかんする問題は、革命の基本問題であります。革命は自主性のための闘争であり、自主性は国家権力によって保障されます。労働者階級の党は権力の問題を正しく解決してこそ、人民大衆を国家と社会の真の主人に変え、人民大衆のつきることのない力に依拠して革命と建設で提起されるすべての問題を成功裏に解決していくことができます。

 権力の問題が非常に重要であるため、我々は解放直後ただちにこの問題の解決に取り組みました。権力の問題を解決するための我が党の闘争は、極めて複雑かつ困難な状況のもとでおこなわれました。解放後アメリカ帝国主義の南朝鮮占領による我が国の分裂と、革命隊伍に潜入した左右の日和見主義者の策動は、権力の問題を解決するための我が党の闘争に多くの難関をもたらしました。当時、右傾投降分子は、我が国にブルジョア共和国を樹立すべきだといい、極左分子はただちにソビエト政権をうち立てて社会主義革命をおこなうべきだと主張しました。これは、いずれも我が国の社会発展の客観的要求を無視した誤った見解でした。

 我々は、つとに抗日革命闘争の時期、朝鮮革命の任務と我が国の社会・階級関係を科学的に分析したうえで、労働者階級の指導する労農同盟にもとづき、広範な人民大衆の統一戦線に依拠する人民政権を樹立するという主体的な政権建設路線をうちだしました。この路線は遊撃区で立派に具現され、その正しさが実証されました。

 解放後我が党は、抗日革命闘争の時期にうちだされた人民政権建設路線と、その実現をめざす闘争で得た貴重な経験にもとづき、内外の敵のあらゆる妨害策動を成功裏にはねのけて人民政権を樹立し、権力の問題を立派に解決しました。

 我々の人民政権は、朝鮮革命の要求と勤労人民大衆の念願から出発して、我が国の実情に即して我々自身が選択し、我々自身の手で樹立し、我々自身が運営する主体的な政権であります。人民政権は労働者階級をはじめ、人民大衆全体の利益を代表し擁護する真の民主主義的政権であり、広範な大衆のなかに根をおろし、かれらとの血縁的な結びつきをもつ真の人民の政権であります。

 人民政権の創建によって、朝鮮人民は歴史上はじめて、自己の手中に権力をおさめた国家と社会の真の主人となり、革命と建設の強力な武器をもつようになりました。

 我が党は革命発展の要請に即応して人民政権を強化し、その機能と役割をたえず高めました。こうして、人民民主主義独裁政権として出現した人民政権は、反帝反封建民主主義革命を遂行して社会主義へ移行する過渡期にいたりプロレタリアートの独裁政権に強化発展しました。

 我が党の指導のもとに、人民政権は革命と建設の武器としての自己の使命を立派に遂行し、国家と社会の主人である人民大衆に自主的で創造的な生活を十分に保障しています。

 我々の人民政権こそは、反帝反封建民主主義革命と社会主義革命を遂行する段階に適した政権であるばかりでなく、社会主義・共産主義の建設をめざしてたたかう時期にも適合する最もすぐれた政権であります。

 我が党は、人民政権を武器として革命闘争と建設事業を正しく指導してきました。

 解放後、我々には反帝反封建民主主義革命を遂行すべき課題が提起されました。我が党は反帝反封建民主主義革命の遂行を当面の闘争綱領としてかかげ、その実現をめざしてたたかいました。

 反帝反封建民主主義革命の遂行において第一義的に提起された課題は、土地問題を解決することでした。土地問題を正しく解決してこそ、農村に根をおろしている反動勢力の経済的基盤を取り除き、農民を封建的搾取と抑圧から解放し、農業生産力のすみやかな発展をはかることができました。我が党は、我が国農村の階級関係と土地所有関係、土地にたいする農民の宿望を考慮して土地没収対象を正しく規定し、地主の土地を無償で没収して、土地をもたないか少ししかもたない農民に無償で分与する方法で土地改革を実施しました。我々は土地改革の勝利を保障するため、雇農と貧農に依拠し、中農と同盟をむすび、富農を孤立させる階級政策を実施し、農民大衆の革命的熱意を高め、農民にたいする労働者階級の指導と援助を強めました。こうして、土地改革の歴史的課題を一か月たらずの短い期間に徹底的に遂行しました。

 我が党は土地改革についで重要産業を国有化し、勤労者の民主主義的自由と権利を全面的に保障するための民主諸改革を実施して、北半部での反帝反封建民主主義革命の課題を立派に遂行し、革命的民主基地を強固にきずきあげました。

 労働者階級の指導する反帝反封建民主主義革命が社会主義革命へ移行するのは、革命発展の合法則的過程であります。

 戦後の我が国の情勢は、社会主義革命を積極的におし進めることを求めていました。我が党は新たな情勢の要請からして、1955年4月テーゼで社会主義革命を本格的におし進める路線をうちだしました。

 個人農経営の協同化は、社会主義革命の基本的課題の一つであります。我が党は戦後、我が国の具体的な実情にてらして、農業の技術改造に先がけて経営形態を社会主義的に改造する方針をうちだし、農業協同化運動を力強くくりひろげました。

 当時、反党反革命分派分子は、工業が発達しておらず、近代的な農業機械のない状態で農業を協同化するのは「時期尚早」だといって、我が党の農業協同化方針に反対しました。もちろん、当時にしてみれば我が国の生産力と技術発展水準が低いのは事実でした。しかし、農業協同化は必ずしも工業化を実現したうえでのみ可能というわけではありません。生産力と技術発展水準は比較的低くても、生活が古い生産関係の改造を切実に求め、またそれを担当できる革命勢力がととのっているならば、農業協同化を遅滞なく実現しなければなりません。

 我が党は農業協同化運動の指導にあたって、自発性の原則を厳守するようにしました。我々は協同化運動において強制的方法を排し、農民を協同経営に自発的に参加させるため、農民にたいする思想教育を強化する一方、経験的段階を設定し、実践的模範をもって農民に協同経営の優位性を示すようにしました。また、農民の財産所有程度と思想的レベルに差がある実情を考慮し、農業協同経営の形態をいろいろと規定し、農民にそれぞれの意思によってそのうちの一つの形態を選択させるようにしました。

 自発性の原則によって各階層の農民を協同経営に受け入れるにあたって、我が党は貧農にしっかりと依拠しつつ中農との同盟を強化し、富農を制限し、徐々に改造する階級政策を実施しました。

 我が党の独創的な方針と積極的な指導によって、我が国の農業協同化運動は非常に順調に進み、4、5年という短い期間に成功裏に完成されました。

 私営商工業の社会主義的改造は、農業の協同化とともに、社会主義革命の重要な課題であります。我が党は私営商工業の社会主義的改造の実現にあたって、我が国の資本主義的商工業の特性を考慮して、資本主義的商工業者を収奪するのではなく、改造する方針をとり、かれらを各種形態の協同経営に参加させる方法で私営商工業の社会主義的改造を成功裏に実現しました。

 都市と農村で古い生産関係の社会主義的改造が立派に実現した結果、我が国の北半部には搾取と抑圧のない先進的な社会主義制度が樹立されました。

 社会主義革命が勝利し、社会主義制度が樹立されたのちは、思想、技術、文化の三大革命が基本的な革命課題として提起されます。

 社会主義制度が樹立されたのちにも思想・技術・文化分野には旧社会の遺物が残っており、そのため、社会主義社会には階級的差と労働の差をはじめ、さまざまな格差が存続するようになります。社会主義革命によって人民大衆の社会的・政治的自主性が実現されたとしても、旧社会の遺物が残っており、社会生活にさまざまな格差が存続するかぎり、人民大衆の自主性が完全に実現したとはいえません。

 人民大衆の自主性は、旧社会の遺物を一掃してはじめて完全に実現するのであり、旧社会の遺物を一掃するためには社会主義社会においても革命をつづけなければなりません。三大革命は社会生活の基本的領域である人々の思想生活、労働生活、文化生活の各分野に残っている旧社会の遺物を一掃し、新しい共産主義思想と技術、文化を創造する闘争であります。思想、技術、文化の三大革命を強力におし進めるならば、搾取と従属からぬけだした勤労者を古い思想と技術、文化の束縛からも解放し、人民大衆の自主性を完全に実現することができます。

 我が党は社会主義制度が樹立したのち、思想、技術、文化の三大革命を社会主義社会で遂行すべき革命の基本内容に、共産主義を建設するまで遂行すべき継続革命の課題として規定し、思想革命、技術革命、文化革命を力強くくりひろげました。

 我が党は三大革命の遂行において、思想革命を確固と優先させる原則を堅持しています。これは、人間の活動における思想・意識の規制的役割と革命闘争における思想活動の重要性にたいする科学的な分析にもとづく、最も正しい方針であります。

 思想革命は本質において、社会の全構成員を革命化、労働者階級化して真の共産主義的革命家につくりあげる人間改造事業であり、勤労者の革命的熱意と創意を高める政治活動であります。我が党は党員と勤労者の思想教育と思想闘争を強化し、かれらが組織生活を通じて不断に鍛えられ革命的に教育されるようにしています。これとともに、思想革命を革命闘争の実践活動と密接に結びつけることによって、すべての勤労者が革命課題の遂行過程を通じて自分自身をいっそう鍛えるようにしています。

 技術革命は生産力を発展させて人民の物質的福祉を増進し、労働の本質的差をなくし、勤労者を骨のおれる労働から解放する事業であります。技術革命はたんに技術の発展をはかる実務的課題ではなく、搾取と抑圧から解放された勤労者を自然の束縛からも解放する重要な政治的課題であります。我が党は技術革命を成功裏に遂行するため、科学者、技術者の責任感と役割を高め、労働者と科学者、技術者の創造的協力を強めることに深い関心を払っており、技術革新運動を大衆的運動としてくりひろげています。

 文化革命は旧社会が残した文化的後進性を一掃し、社会主義・共産主義文化を創造するたたかいであります。文化革命の中心的課題は全社会のインテリ化を実現することです。我が党は、文化革命を成功裏に遂行するため、社会主義的民族文化建設路線を示し、教育と科学、文学・芸術など文化建設の各分野でそれを貫いています。

 我が党は、革命発展の現実的要求に応じて三大革命にたいする指導を強化するため三大革命グループ運動を発起し、党の中核と青年インテリで三大革命グループを組織して人民経済の各部門に派遣しました。三大革命グループ運動は、政治的・思想的指導と科学的・技術的指導を結びつけ、上部が下部を助け、勤労人民大衆を奮起させて思想、技術、文化の三大革命をおし進める威力ある革命指導方法であります。我々は三大革命グループ運動を強力に展開して思想、技術、文化の三大革命を積極的に推進しています。

 三大革命路線の正当さと生命力は、実践を通じて十分に証明されています。

 我々は、思想、技術、文化の三大革命を社会主義・共産主義建設の総路線としてひきつづき堅持し、それにたいする指導を強化して思想革命・技術革命・文化革命を積極的におし進め、社会生活のすべての分野を共産主義的に改造しなければなりません。

 革命と建設にたいする党の指導で重要なのは、経済建設にたいする党の指導を強化することです。

 経済建設は、権力を掌握した労働者階級の党に提起される最も重要な革命課題の一つであります。経済建設を立派に進めてこそ、国を富強にし、生産力を高度に発展させ、人民の物質・文化生活をたえず向上させることができます。また、国の政治的独立と自主性をゆるぎなく保障し、国防力も強化することができます。したがって、政権党の党活動は、常に経済課題の遂行と密接に結びつけられるべきであり、党のすべての活動は経済建設をスムーズに進捗させる方向で進められなければなりません。

 我が党は、政権を握った当初から経済の急速な発展とその威力の強化に大きな力をそそぎました。

 我が党はチュチェ思想を経済建設分野に具現して自立的民族経済建設路線を示し、それを貫く闘争を正しく指導してきました。

 自立的民族経済を建設するというのは、みずからの力に依拠して独り立ちできる経済、自国人民に奉仕する経済を建設することを意味します。自立的民族経済は、みずからの力で動き、多方面的に発達し、現代技術で装備された総合的な経済であり、自国の経済建設と人民生活に必要なものを基本的に国内生産で保障する人民的な経済であります。

 我が党は、自立的民族経済の建設において重工業を優先的に発展させながら、同時に軽工業と農業を発展させるという経済建設の基本路線を堅持してきました。我が党の経済建設の基本路線は、我が国の経済発展の合法則的要求と現実的可能性にたいする具体的な検討にもとづいて示された正しい路線であり、自立的民族経済の建設を成功裏に促進させる革命的な路線であります。

 我々が重工業を優先的に発展させながら、同時に軽工業と農業を発展させる路線を堅持したがゆえに、あれほどひどかった戦争の廃墟のなかから、短期間に自立的民族経済の基盤を強固にきずき、立ち後れた農業国であった我が国を強力な社会主義工業国に変えることができました。

 人民経済の主体化、現代化、科学化の実現は、社会主義の自立的民族経済の建設で提起される重要な課題であります。人民経済の主体化、現代化、科学化をおし進めて民族経済の自立性をゆるぎなく保障し、人民経済の技術装備をたえず現代化し、すべての生産活動を科学化するならば、社会主義・共産主義の物質的・技術的土台を強固なものにすることができます。我々は人民経済の主体化に第一義的な力をそそぐ一方、人民経済の現代化、科学化を同時に力強くおし進めることによって、社会主義経済建設で大きな成果を達成しました。

 我々は、今後とも重工業を優先的に発展させながら、同時に軽工業と農業を発展させる経済建設の基本路線を堅持し、人民経済を主体化、現代化、科学化を力強く展開しなければなりません。

 社会主義的生産関係が確立したのち、経済建設を促進するために労働者階級の党に提起される重要な課題は、経済管理の問題を正しく解決することであります。社会主義社会の特質に即して経済管理の問題を正しく解決してこそ、社会主義制度の優位性を全面的に発揮させて、社会主義的経済土台をうちかため、生産を急テンポで成長させることができます。

 我が党は、社会主義社会の特質と現実発展の要求に即応してテアン(大安)の事業体系を創造し、経済管理の問題を立派に解決しました。

 テアンの事業体系は、工場、企業所が、党委員会の集団指導のもとにすべての経営活動をおこない、政治活動を先行させ、生産者大衆を奮起させて提起された経済課題を遂行し、上部が責任をもって下部を援助する経済管理体系であります。テアンの事業体系の本質は、経済管理に革命的大衆路線を具現しているところにあります。経済管理に革命的大衆路線を具現しているところに、テアンの事業体系の威力があるのです。

 我が党は、工業管理体系とともに新たな農業指導体系と科学的な計画化体系を確立し、すべての経済指導機関がテアンの事業体系の要求どおり政治活動を先行させ、経済組織活動を綿密におこない、社会主義経済法則と各種の経済的テコを正しく利用して経済を科学的、合理的に管理運営するようにしています。

 我が党は、テアンの事業体系の要求に即応して各級党委員会に経済活動にたいするかじとりを正しくおこなわせています。党委員会が経済活動にたいするかじとりをするというのは、党委員会の集団的討議にもとづいて党政策の実行方向と方途を規定し、正しい決定を採択し、党員と勤労者を奮起させて、それを徹底的に実行するよう政治的に裏打ちすることを意味します。言いかえれば、党委員会が経済活動にたいするかじとりをするというのは、党政策にもとづいて経済活動にたいする方向的指導と方法的指導をおこなうことを意味します。党委員会のかじとりは、行政・経済活動にたいする党の指導を円滑に実現できるようにし、経済機関の自立性と責任感をいちだんと高めさせます。各級党委員会は、経済活動にたいするかじとりを正しくおこない、党の経済政策を貫かなければなりません。

 革命と建設にたいする党の指導で重要なのは、革命武力を建設し、それにたいする党の指導を実現することであります。

 革命は反革命との力の対決であり、革命闘争と建設事業は帝国主義者と国内反動派をはじめ、階級の敵との熾烈な階級闘争のなかで進められます。革命が反革命を打ち破り、帝国主義者の侵略と反動派の破壊策動から社会主義・共産主義建設偉業を頼もしく防衛するためには、必ず革命武力を建設しなければなりません。

 革命武力の建設で提起される重要な問題は、武装力を党と革命にかぎりなく忠実な党の武装力にすることであります。

 党への忠実性は、革命武力の生命であります。革命武力の基本的使命は党を擁護し、党の革命偉業を防衛することであります。革命武力をその使命に忠実な党の武装力にするためには、党の中核を根幹力量とし、労働者、農民をはじめ、勤労人民の息子、娘で、その隊伍をかため、軍事部門にたいする党の指導をゆるぎなく保障しなければなりません。

 革命武力の建設で一貫して堅持すべき基本原則は、自衛を実現することであります。国防において自衛を実現するというのは、自力で自国と自民族を防衛することを意味します。革命と建設で提起される問題は、すべてみずからの力で解決すべきでありますが、特に国防事業を自力で進めることが極めて重要であります。もちろん国防事業においても兄弟諸国の援助をうけることはできます。しかし、他国に頼って自国を守ることはできず、自分自身の力が弱くては外部の援助も効果を発揮することができません。国防事業では、あくまでもみずからの力を基本としなければなりません。

 我が党は、自衛の革命的原則を具現し、革命武力を建設するために力強くたたかいました。

 正規武力は、革命武力の基本をなし、正義の革命戦争において主導的役割を果たします。正規武力の建設は、解放後、完全な自主独立国家建設の不可欠の要求であったばかりでなく、我が国につくられた情勢と関連して提起される重要かつ切実な問題でありました。それゆえ我々は、解放直後、党を創立し人民政権を樹立する活動とともに、正規武力を建設する活動を力強くおし進めました。

 正規武力の建設において我々に提起された重要な課題は、有能な軍事・政治幹部を養成することでありました。有能な軍事・政治幹部なくしては、正規武力を建設することも、その威力を強化することもできません。我々は、軍事・政治幹部の養成を正規武力建設のすべての活動に優先させ、これに第一義的な力をそそぎました。我々は、正規武力の建設に必要な幹部問題を自力で解決するため、解放直後、万難を排して平壌学院と中央保安幹部学校を設け、労働者、農民出身の軍事・政治幹部を多数養成しました。このような事前準備と抗日革命闘争の時期に得た革命武力建設の経験をふまえて、党と革命の頼もしい防衛者である人民軍を組織することによって、朝鮮人民革命軍を正規武力に強化発展させました。

 国防事業も人民のための事業であり、人民自身の事業であります。全人民が一枚岩のように団結し、祖国防衛に決起するならば、いかなる侵略者をも、ゆうにしりぞけることができます。我々は労農赤衛隊をはじめ、民間武力を組織し、その戦闘力を不断に強化しました。

 我が党は、全軍幹部化、全軍現代化・全人民の武装化、全国土の要塞化を基本内容とする軍事路線を示し、それを貫いて人民軍を一当百の革命軍隊に強化し、全人民を武装させ、全国土を難攻不落の要塞に変えました。

 国防において自衛を実現するには、経済建設と国防建設を適切に組み合わせなければなりません。

 言うまでもなく、新社会建設の重要な任務は経済建設を成功裏におこなうことです。だからといって、経済建設にのみ偏重し、国防建設をおろそかにしてはなりません。自主独立国家は、経済建設と国防建設をともに掌握していかなければならず、情勢の要求に応じて、それを適切に組み合わせなければなりません。

 我が党は、常に経済建設と国防建設に深い関心を払い、敵の侵略策動が露骨になって戦争の危険が迫ったときには、経済建設と国防建設を並進させる方針をうちだし、国防建設に大きな力をそそぎました。我々はこのように、国防工業の物質的・技術的土台をたえず強化することによって、必要な兵器と戦闘技術機材を自力で生産供給できるようになりました。

 こんにち我が国につくりだされた軍事・政治情勢は、我々の革命武力をいっそう強化することを求めています。我々は、新たな情勢の要求にこたえて革命武力を全面的に強化し、敵の挑発策動によって、いつなんどき戦争が起きても、それに対処できるよう万端の準備をととのえていなければなりません。

 労働者階級の党は、対外活動をおこなわなければならず、国家の対外活動全般を統一的に指導しなければなりません。

 個々の国の革命は世界革命の一環であり、各国の労働者階級の党は国際共産主義運動の一部隊であります。個々の国の党と人民の革命闘争は、国際的な支持声援のなかで発展し、世界革命の勝利は世界各国の党と人民の共同闘争によって達成されます。

 労働者階級の党は、対外活動を積極的にくりひろげ、国の対外活動全般を統一的に正しく指導してこそ、自国の革命に有利な国際的環境をつくりだし、世界革命にたいする自己の任務をまっとうすることができます。

 我が党が対外活動で一貫して堅持している基本理念は、自主、親善、平和であります。我が党はこれまで自主、親善、平和の理念を具現して対外政策を作成し、それにもとづいて対外活動をくりひろげ、国家機関と大衆団体の対外活動を正しく指導してきました。

 対外関係で自主性を堅持することが極めて重要であります。我々は、すべての対外政策を朝鮮人民の利益と革命の要求に即応して独自に決定し、国際関係分野で提起されるすべての問題を自分自身の判断と定見によって処理し、完全な平等と相互尊重の原則でほかの党、他の国との関係を発展させてきました。

 我々は、社会主義勢力と国際共産主義運動の団結と協力を強化するためにねばり強く努力しました。

 社会主義勢力と国際共産主義運動は、現代の最も強力な革命勢力であり、人類史の発展を促す決定的な要因であります。我々は、社会主義諸国との親善のきずなをかたくすることに、常に第一義的な関心を払いました。社会主義諸国は、共通の目的と理想をめざしてたたかう階級的兄弟であります。我々は、マルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の旗のもとに、社会主義諸国とかたく団結し、友好・協力関係を発展させるため全力をつくしてきました。

 我々は、社会主義諸国間に意見の相違が生じたときにも、団結のためのふいごを踏んだことはあっても、団結に害を及ぼすふいごを踏んだことは一度もありません。我々は、社会主義諸国が、第1に帝国主義に反対し、第2に植民地民族解放運動と各国の労働運動を支持し、第3にひきつづき社会主義・共産主義へと進み、第4に内政不干渉、相互尊重、平等、互恵の原則を守るならば、たとえ意見の相違があるにしても、それをあとまわしにし、この4つの原則にもとづいて団結することを主張してきました。

 我々のたゆみない努力によって、現在、我が国と社会主義諸国間の友好・協力関係は新たな高い段階で立派に発展しています。

 我が党は、共産党、労働者党との関係で提起される諸問題を接触と協商を通じて相互の理解と同志的な協力の精神で解決することによって、国際共産主義運動の統一と団結の強化に積極的に寄与しています。

 我々は、非同盟運動の強化発展と第三世界諸国との友好・協力関係を発展させるため積極的に努力しています。我々は、非同盟運動の根本原則と反帝・自主の崇高な理念にもとづいて非同盟諸国、第三世界諸国との友好と団結を強化しており、経済・技術協力と文化交流を広く発展させています。

 我々は、我が国の自主権を尊重し、我が国に友好的な資本主義諸国とも善隣関係を結び、経済・文化交流を発展させています。

 たたかう国の人民の闘争を支持声援するのは、我が党と人民の崇高な国際主義的義務であります。我々は、被抑圧人民の植民地民族解放闘争を全力をあげて援助しており、民主主義的自由と階級的解放をめざす資本主義諸国の労働者階級と勤労者大衆の闘争を支持し、反帝・自主をめざす世界各国人民の闘争を断固支持声援しています。

 我が党は、世界の恒久平和と安全のためにたたかっています。

 我が党と人民は、世界の平和愛好人民とともに、帝国主義者の侵略と戦争策動に反対して断固たたかっており、特に朝鮮半島をはじめ、東北アジア地域での戦争の危険を取り除き、平和を守るため積極的にたたかっています。

 我が党は今後とも、自主、親善、平和の旗を高くかかげ、社会主義諸国と非同盟諸国をはじめ、世界のすべての進歩的な国々との団結と友好・協力関係を積極的に発展させることによって、朝鮮革命の国際的連帯をたえず強めていくでありましょう。


(注)「金九」と「1955年4月テーゼ」は、注釈集を参照。


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