金日成「朝鮮労働党建設の歴史的経験」


4 党と人民大衆の統一団結

 党と人民大衆の統一団結を実現するのは、労働者階級の党建設の重要な原則であり、党と革命隊伍を強化する決定的な保証であります。党は人民大衆との統一団結を実現し、大衆的基盤をかためてこそ不抜の威力をもち、人民大衆の底知れない力に依拠して革命闘争と建設事業を成功裏におし進めることができます。

 我々は、党と人民大衆が混然一体となるという党建設の原則を具現するため積極的にたたかうことによって、党と人民大衆の統一団結を立派に実現しました。

 党と人民大衆の統一団結の実現において重要なのは、党を勤労人民の大衆的政党に建設することです。

 労働者階級の党は、労働者、農民、勤労インテリの先進分子を広く結集する大衆的政党になってこそ、広範な人民大衆の利益を代表する前衛隊として大衆のなかに深く根をおろし、人民大衆と混然一体となることができます。

 我々は解放後、我が国の情勢と党自体の発展の要求に即応して共産党を勤労人民の大衆的政党に発展させる方針をうちだし、それを短期間に立派に実現しました。

 解放直後、我が国には鍛えられた共産主義者があまりおらず、労働者階級はまだ幼弱であり、人民は共産主義にたいする正しい認識をもっていませんでした。こうした実情下にあって、共産党を大衆的政党に発展させずには、党勢を早急に拡大強化することも、広範な大衆を党のまわりに結集することもできませんでした。

 共産党を大衆的政党に発展させることは、当時、勤労者を網羅するほかの政党が存在した事情と関連しても切実な問題でありました。解放後、北半部には労働者階級の政党である共産党とともに、勤労者を網羅する新民党がありました。そのため、勤労者大衆を分裂させる危険が増大していた状況下にあって、革命勢力の分裂を防ぎ、勤労者大衆を一つの政治勢力としてかたく結集し、新しい祖国の建設を力強くおし進めるためには、勤労者大衆の利益を統一的に代表する大衆的政党を建設が必要でありました。

 共産党と新民党を合同して大衆的政党を建設する必要性は誰にも明白であったにもかかわらず、分派分子は、共産党が新民党と合同すれば党が小ブルジョアジー化するだの、党の指導思想か変わらなくてはならないだのといって、党の合同に反対しました。

 我々は、党の合同に反対する分派分子の策動を断固しりぞけ、党と革命発展の要求に即して1946年8月、共産党と新民党を合同して労働党を創立しました。こうして、我が党は、労働者、農民、勤労インテリの先進分子で組織された大衆的政党に強化発展しました。

 我々は共産党と新民党の合同を、両党の中央委員会で先に討議し、傘下の各級党組織の討議にかけたのち、細胞から上にあがっていく方法でおこないました。これは両党の組織的結合の民主主義的実現を可能にした、極めて正しい措置でありました。

 党の合同によって、我が党は広範な大衆のなかに深く根をおろし、党のまわりに革命勢力をいっそうかたく結集できるようになりました。労働党の創立は、勤労者大衆の分裂を防ぎ、労働者、農民、勤労インテリの同盟を強化し、革命闘争と建設事業における人民大衆の役割をさらに強めました。これは、大衆的政党建設路線の正しさと生命力の明白な示威であり、我が党の建設史において重要な意義をもつ貴重な成果であります。

 大衆的政党建設路線は、解放直後の我が国の具体的な現実と我が党発展のさし迫った要求にこたえてうちだした路線ではありますが、広範な人民大衆が自主性をめざす闘争に積極的に参加し、社会主義・共産主義への人民大衆の志向が日ましに高まっているこんにちの時代的要請にも合致し、革命と建設の前進にともない、労働者階級と農民、勤労インテリの社会的・経済的地位と利害関係がさらに密着し、かれらの団結と協力が日ましに強まっている社会発展過程の合法則的要求にも合致する路線であると考えます。

 党と人民大衆の統一団結の実現において重要なのは、党の外郭団体である勤労者団体を組織し、その機能と役割をたえず高めることです。

 勤労者団体は、勤労者の大衆的政治組織であり、党のベルトであります。勤労者団体は各階層の大衆を教育して党のまわりに結集し、党は勤労者団体を通じて大衆との連係を実現します。したがって、党と人民大衆との統一団結を実現するためには、勤労者団体を組織し、その機能と役割をたえず高めなければなりません。

 勤労者団体の組織においては、階級別、階層別の統一的な勤労者団体をつくることが重要です。階級別、階層別の統一的な勤労者団体を組織し、そこに該当する階級と階層をすべて結集すれば、大衆運動の分裂を防ぎ、革命隊伍の統一団結をなし遂げることができます。

 解放後我が党は、抗日革命闘争期の大衆団体建設経験にもとづき、階級別、階層別の勤労者団体を組織し、該当する階級と階層を統一的に結集する方針を示しました。我々は党の方針に従って短期間に階級別、階層別の勤労者団体を組織し、所属政党と信教の相違にかかわりなく、労働者、事務員は職業同盟に、農民は農民同盟に、女性は女性同盟に結集しました。特に我が党は、民主青年同盟を結成し、祖国の未来の主人公である青年を統一的に結集することに大きな力をそそぎました。

 解放直後、我が国には、共産主義青年同盟、学生同盟、解放青年同盟、キリスト教青年会、白衣青年同盟など多くの青年団体が組織され活動していました。階級の敵は反動的な青年団体を組織し、青年運動の分裂をはかってあらゆる策動を弄し、各政党もそれぞれ自分のまわりに青年を引き寄せようとしました。このような事態を放置するならば、青年運動の分裂は必至でした。我が党は、青年運動の分裂を防ぎ、民主主義の旗のもとに各階層の青年を結集するため、共産主義青年同盟を主動的に解散し、民主青年同盟を組織しました。民主青年同盟は、民主主義を志向する各階層のすべての青年を結集する大衆的青年組織として、我が党の指導のもとに活動する青年の唯一の政治組織でありました。民主青年同盟の創立によって、広範な青年を党のまわりにかたく結集し、青年運動の統一と団結をいっそう強化できるようになりました。

 勤労者団体を組織したのちは、革命の発展にふさわしく勤労者団体を強化発展させることが重要です。我が国における社会主義制度の樹立によって生じた新しい環境はそれに適応して勤労者団体組織を強化発展させることを要求しました。我が党は変化した現実の要求にこたえて、個人農当時の農民組織であった農民同盟を発展的に解体し、新たに農業勤労者同盟を組織し、民主青年同盟を社会主義労働青年同盟に強化発展させました。また、職業同盟の性格と任務を新たに規定し、女性同盟の組織体系を整備し、活動体系を改編させました。

 我が党は勤労者団体の特性に即して、それにたいする指導をたえず強めました。

 勤労者団体は党によって組織され活動する政治組織であるので、党の指導をぬきにしては、大衆的政治組織として活動することも、存在することもできません。勤労者団体はもっぱら党の指導のもとでのみ、その使命と役割を果たすことができます。

 勤労者団体にたいする党の指導で重要なのは、勤労者団体を党にかぎりなく忠実な組織にすることです。党を擁護するのは、勤労者団体の最も重要な使命であります。我々は、勤労者団体が組織内に党の唯一思想体系を確立し、党の路線と政策を断固擁護し、それを貫徹するようにしました。

 勤労者団体にたいする党の指導で重要なのはまた、勤労者団体にその任務を正しく遂行させることです。勤労者団体の基本的任務は、同盟員を教育して党のまわりにかたく結集し、かれらを革命闘争と建設事業に力強く奮い立たせることです。我々は、勤労者団体が同盟員の思想教育と組織生活を強化し、革命的熱意と創造的積極性を引きだし、社会主義建設で集団的革新を起こすようにしました。

 勤労者団体にその任務を正しく遂行させるためには、自立性を高めなければなりません。勤労者団体の自立性を高めることは、勤労者団体の活動にたいする党の指導の基本的要求です。勤労者団体に自立性があってこそ、その使命と特性に即して同盟員との活動を自立的に、創意的におこなうことができます。我が党は常に、勤労者団体の特性にかなった活動方向とその遂行方途を正しく示し、党組織が勤労者団体に思いきって仕事をまかせ、積極的に援助し、活動条件を十分に保障するようにさせました。

 こんにち、我が党の外郭団体である職業同盟、社労青、農業勤労者同盟、女性同盟の各組織は、党の頼もしいベルトとして強化発展しており、党の指導のもとに自己の本務を能動的に遂行しています。

 我々は今後、勤労者団体にたいする党の指導をさらに強化し、すべての勤労者団体がその使命をより立派に遂行できるようにしなければなりません。特に、社労青組織の機能と役割を高め、我が党の後続隊でありチュチェ偉業の継承者である青少年を社会主義・共産主義建設の頼もしい担い手に育てあげ、青年が社会主義建設の各部門で困難な仕事の先頭に立つようにすべきです。

 党と人民大衆との統一団結の実現において主要なのは、統一戦線活動に力を入れることです。

 階級社会には社会経済的地位と政治的見解の異なる諸階級と階層が存在しており、したがって、かれらの利益を代表する多くの政党と大衆団体が組織され活動するようになります。労働者階級の党が民主主義を志向する政党、大衆団体との統一戦線を実現するのは、党の社会的基盤を拡大強化し、反革命勢力を孤立、弱体化させ、強力な革命勢力をととのえるうえで戦略的意義をもちます。

 解放直後、我が国では民主党、青友党などの民主的政党や、さまざまな階級と階層の利益をそれぞれ代表する多くの大衆団体が結成され、活動していました。我が党が民主的諸政党、大衆団体との統一戦線を実現することは、当時の朝鮮革命発展の切実な要求でした。そこで我が党は、愛国的で民主的な政党、大衆団体と連合して統一戦線を結成し、それにもとづいて民主主義人民共和国を創建することを党の基本政治路線としてかかげ、その実現をめざしてたたかいました。

 我が党は、人民政権の樹立と民主改革の実施において、主動的に民主的政党、大衆団体との共同行動を展開し、それにもとづいて1946年7月、常設的な統一戦線組織である民主主義民族統一戦線を結成しました。こうして、北半部では各政党、大衆団体の連合形態の統一戦線が立派に実現し、すべての愛国勢力が我が党を中心にかたく団結するようになりました。

 我が党は国内情勢の変化にともない、それに即応して統一戦線活動を強化しました。我が党は、アメリカ帝国主義とその手先が亡国的な単独政府をつくり国土の分断を永久化しようと策動する重大な情勢に対処し、南北朝鮮のすべての民主勢力と統一戦線を結成し、それにもとづきアメリカ帝国主義とその手先の民族分裂策動に反対する民族あげての闘争を展開しました。いっとき共産主義者を敵視していた金九(キムグ)のような人物でさえ我が党の広い包容力と正しい統一戦線政策に感服し、我々と手を取りあって民族大団結と祖国統一の道に踏みだしました。アメリカ帝国主義とその手先の民族分裂策動に反対する民族あげての闘争の過程で、全朝鮮人民の総意によって我が共和国が創建されました。

 我が党は、祖国を愛し、統一を望む南北朝鮮の進歩的な政党、大衆団体と愛国的人民を一つの民主勢力に総結集するため、1949年6月、祖国統一民主主義戦線を結成しました。祖国統一民主主義戦線には、李承晩の直系政党を除く南北朝鮮の70余の政党、大衆団体が参加しました。

 我が党は、統一戦線活動の強化において終始一貫、独自性を維持し、主導的役割を果たす原則を堅持しました。労働者階級の党が、ほかの政党、大衆団体と連合して統一戦線を実現するからといって、独自性を失い、原則的立場を放棄してはなりません。我が党は、いかなる状況のもとにあっても自己の政治的立場を堅持し、原則的問題においては譲歩したり妥協したりしませんでした。我が党は統一戦線内の全構成員に党の政治路線を解説、宣伝する活動を強化し、ほかの政党、大衆団体との関係において常に積極的な行動をとり、各政党、大衆団体が正しい道を歩むよう導きました。こうして、統一戦線内のすべての政党、大衆団体が心から我が党を信頼し、従うようにしました。

 我が党はまた、下部統一戦線を基本とし、それにもとづいて上層統一戦線を実現する原則を堅持することによって、統一戦線をスムーズに実現することができました。

 我が党が統一戦線活動で得た経験は、南北朝鮮の民主的政党、大衆団体と各階層の人民、すべての海外同胞が団結し、祖国の自主的平和統一をなし遂げる闘争を展開するうえで、またとない貴重な元手となります。我々は、かつて南北朝鮮のすべての民主勢力が団結して我が共和国を創建した歴史的経験を生かし、民族大団結の旗のもとに国と民族を愛する南北朝鮮のすべての民主的政党、大衆団体と人民、海外同胞との強力な反米救国統一戦線を結成し、それにもとづいて民族至上の課題である祖国の自主的平和統一の達成をめざす闘争をさらに強力にくりひろげなければなりません。

 党と人民大衆の統一団結の実現するうえで重要なのは、各階層大衆との活動を正しくおこなうことです。

 我が党は労働者、農民、勤労インテリなど勤労人民大衆の前衛隊であり、大衆は我が党の社会的基盤であります。各階層大衆との活動を正しくおこなってこそ、広範な大衆を党のまわりに結集し、党の社会的基盤を強めることができます。

 我が党は階級路線と大衆路線に従い、ごく少数の反動層を徹底的に孤立させ、広範な大衆を最大限に獲得するため、大衆との活動を階級別、階層別の特性に応じて強化してきました。

 我が党は労働者階級との活動に第一義的な力を入れました。

 労働者階級は最も先進的で革命的な階級であり、朝鮮革命の指導階級であります。労働者階級は高度の革命性と組織性、規律性をそなえており、革命闘争と建設事業で中核的役割を果たします。労働者階級との活動に力を入れ、かれらを党のまわりにかたく結集してこそ、我が党が強固な階級的基盤のうえに強化発展し、全社会の労働者階級化を成功裏に推進することができます。

 我が党は労働者階級の隊伍を組織的、思想的に強化し、かれらを革命化するため積極的に努力しました。労働者階級を革命化するため、我が党は工場、企業所の党組織の機能と役割を高め、労働者階級のあいだで思想教育と組織的鍛練を強化し、労働者階級の革命性と組織性、規律性をたえず高めるようにし、特に、新しい世代の労働者階級の階級意識を向上させることに深い関心を払いました。こうして、労働者階級が我が党を支える柱となり礎となり、我が党の革命偉業を完成する闘争で前衛的役割を果たすようにしました。

 こんにち、我が国の労働者階級は党の指導に忠誠をもって従い、社会主義建設の先頭に立って力強く前進しており、朝鮮革命の指導階級としての使命を立派に果たしています。

 我が党は農村に深く根をおろし、農民との活動を強化しました。

 農民は労働者階級の最も信頼すべき同盟者であり、我が革命隊伍の基本部隊の一つであります。農民との活動に力を入れ、かれらを党のまわりに結集してこそ、党の農村基盤をかため、革命隊伍を強化することができます。

 我が党は農民大衆を党のまわりに結集するため、革命発展の各時期ごとに農民問題の解決に深い関心を払い、正しい農村階級政策を樹立し、それを貫徹しました。特に、我々は社会主義革命を通じて農民を社会主義農業勤労者に改造したのち、農民の思想・意識水準と文化・技術水準を高め、かれらの革命化、労働者階級化を促進することに重点をおいて農民との活動を強化しました。各級党組織が農村の具体的特性と農民のレベルに応じて農民との活動を着実におこなった結果、農民を革命化、労働者階級化においては大きな前進がもたらされました。

 こんにち、我が党の農村基盤は強固なものとなり、農民は社会主義建設の頼もしい担い手として、党の社会主義農村建設方針を支持し、その貫徹のために奮闘しています。

 我が党は、科学者、技術者など勤労インテリとの活動に深い関心を払いました。

 勤労インテリは労働者、農民とともに我が党の構成部分であり、革命と建設の強力な力量です。インテリとの活動に力を入れ、かれらを党のまわりに結集してこそ、社会発展の要求に即して経済と文化、科学と技術をすみやかに発展させ、全社会のインテリ化を成功裏に実現することができます。革命と建設が高い段階に深化発展し、社会発展における科学と技術の役割が大きくなるほど、インテリとの活動はいっそう重要な問題として堤起されます。

 インテリとの活動で重要なのは、旧社会に奉仕した古いインテリの問題を正しく解決することです。我が国の古いインテリは、そのほとんどが富裕な家庭の出身として、かつては搾取社会に奉仕しましたが、植民地国のインテリとして民族的蔑視と差別待遇をうけたので、反帝思想と民主主義的思想をもっていました。我が党は古いインテリのこのような特性を考慮に入れ、かれらを党と労働者階級に奉仕するインテリに改造する方針をうちだし、たゆみなく教育しました。こうして、久しい前に古いインテリは社会主義的に教育改造され、インテリの二面性の問題は完全に解決されました。

 古いインテリが社会主義的に教育改造され、新しい勤労人民出身のインテリが多く育つにつれ、我が党はインテリの革命化に大きな力をそそぎました。我々はインテリの思想教育と組織生活を強め、かれらを革命的に教育し鍛練し、インテリが常に現実のなかにはいり、労働者階級の革命的影響をうけるようにしました。こうして、すべてのインテリが、みずからを徹底的に革命化し、党と革命に忠実につくすようにさせました。

 こんにち、我が国のインテリは、社会主義的勤労インテリとして党の示す道を確信をもって進んでおり、政治、経済、文化など各部門で党の路線と政策を貫徹するたたかいに力と才能を傾けています。

 我が党は、社会・政治生活の経歴と家族関係の複雑な大衆を、我が党の熱烈な支持者、革命の積極分子に変えるため、たゆまず努力しました。

 革命発展の特殊性により、我が国の住民の社会的・政治的構成は非常に複雑になりました。社会・政治生活の経歴と家族関係の複雑な大衆の大部分は基本階級出身であり、かれらはかつて階級意識が低かったため、一時、敵に利用された人とその家族です。かれらは革命に意識的に反対する敵対的勢力ではなく、我が党が獲得すべき人たちです。複雑な大衆を党と革命の側に獲得することは、党の大衆的基盤をかため、革命勢力を拡大し、全社会の政治的・思想的統一と団結を強化するうえで重要な意義をもちます。

 社会・政治生活の経歴と家族関係の複雑な大衆との活動において、我が党は一貫して本人の現在の思想と行動を基本にして各人を評価し、一人でも多く党と革命の側に獲得する原則を堅持しました。階級的成分とは、人々の思想上の構成成分のことであり、それは社会的環境と人々の社会経済的地位の変化にともなって変わるものです。階級的成分の複雑な人であっても、社会が発展し、革命的教育をうければ、立派な人になれます。

 我が党は人々を家族関係と経歴によってのみ評価したのではなく、現在の思想状態を基本にして評価し、複雑な大衆をためらうことなく信じて包容し、積極的に教育しました。党を信頼し、党に従い、仕事に熱意を示す人にたいしては社会・政治生活で差別せず、革命課題を思いきってまかせ、かれらの活動成果と功労を公正に評価しました。こうして、かれらが社会のれっきとした主人であるという高い自負をいだき、自分の前途を楽親し、活気にあふれて働き、革命闘争と建設事業に献身できるようにしました。

 我が党は、積極的な教育を通じて複雑な大衆を党と革命の側に獲得し、全社会を明るくむつまじい大家庭に変えました。我が党の経験は、人々をためらうことなく信頼し、ねばり強く教育するならば、意識的な反動分子でないかぎり、いかなる人でもすべて教育改造できるということを示しています。

 各階層大衆との活動は、革命闘争と建設事業が非常に高い段階に達しているこんにちでも依然として重要な問題として提起されています。我々は革命発展の要請に即応して各階層大衆との活動をさらに積極化することによって、社会の全構成員を徹底的に革命化、労働者階級化しなければなりません。

 党と人民大衆の確固たる統一団結を実現するためには、党活動において大衆路線を貫かなければなりません。

 我が党の大衆路線は、革命と建設において人民大衆の利益を擁護し、革命と建設におけるすべての問題を人民大衆の役割を高めて解決していくことです。

 我々は抗日革命闘争の時期から人民大衆の利益を擁護し、人民大衆に依拠してすべての問題を解決していくことを最も重要な革命的準則として大衆路線を貫徹し、政権を握ったのちにも大衆路線の貫徹に深い関心を払ってきました。

 大衆路線を貫くためには、人民大衆の利益を擁護しなければなりません。

 党が人民大衆の利益を擁護するというのは、革命と建設において勤労人民大衆の自主的志向と要求を尊重し、その実現のために積極的にたたかうことを意味します。勤労人民大衆の利益を擁護することは、党と大衆との連係を強め、革命の大衆的基盤をかためる重要な保証となります。

 党と大衆との連係は党にたいする大衆の信頼にもとづいて結ばれ、党にたいする大衆の信頼は党の人民的な政策にもとづいて生まれます。党が大衆の利益をおかしたり、人民の意思に反する政策を実施するならば、大衆の信頼をうけることができず、結果的には大衆との血縁的な結びつきをもつことも、広範な大衆を革命の側に獲得することもできません。

 我が党は、勤労人民大衆の利益を擁護することをその活動の最高原則とし、常に人民大衆の利益を擁護し、人民の幸福のためにすべてをつくしてきました。我が党は決定を一つ採択するにしても、まず人民の要求を考慮し、工場を一つ建設するにしても人民の便宜を先に考えました。解放直後、鋼材は非常に不足していましたが、労働者の健康と生命を先に考え、城津(ソンジン)製鋼所の原鉄炉を爆破しました。我が党の実施した政策はすべて人民の利益と幸福のためのものでした。それゆえ、人民は我が党に自己の運命を全的にゆだね、党の呼びかけとあれば水火をもいとわずたたかっています。党は人民のためにつくし、人民は党を信頼し従うところに、我々の不敗の力の源があり、すべての勝利の決定的な裏付けがあるのです。

 大衆路線を貫くためには、革命と建設における勤労人民大衆の役割を高めなければなりません。

 革命と建設において勤労人民大衆の役割を高めるというのは、大衆の創造的エネルギーと革命的熱意を奮い起こして革命と建設のすべての問題を解決していくことを意味します。勤労人民大衆の創造的エネルギーと知恵を正しく引きだすならば、いかなる困難な問題をも成功裏に解決し、革命と建設の勝利をおさめることができます。

 我が党は常に、人民大衆の創造的役割を高めて革命と建設の膨大な課題を遂行し、人民大衆の力に依拠して立ちはだかる難関と試練を克服しました。我が党は全人民を立ち上がらせて各段階の社会革命を立派に遂行し、社会主義的工業化の歴史的課題を短期間のうちに立派に遂行しました。我々は祖国解放戦争の厳しい試練も人民大衆の力に依拠して克服し、戦後、反党反革命分派分子の悪らつな攻撃も人民大衆の力に依拠して粉砕しました。我々が革命と建設で達成したすべての勝利と成果は朝鮮人民の創造的闘争の貴い結実であります。

 我々はひきつづき革命的大衆路線を堅持し、徹底的に貫かなければなりません。人民大衆の自主的要求と志向に即して路線と政策を実施し、いかなる場合にも人民の利益をおかす傾向を絶対に許してはなりません。そして、大衆を一つの政治勢力としてかたく団結させ、かれらの創造的知恵と革命的熱意を奮い起こしてすべての問題を解決していかなければなりません。



ページのトップ


inserted by FC2 system