金 日 成

ユーゴスラビア共産主義者同盟中央委員会機関紙
『コムニスト』責任主筆の質問に対する回答
−1985年10月3日− 
 
  朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮労働党の指導のもとに、すぐる40年間めざましい社会経済的発展を遂げました。
 『ゴムニスト』の読者のために、貴党の歩んできた闘争の道のりと、貴国が久しい前から社会主義革命と建設で指導指針としてきたチュチェ思想について、より多くのことをお話ししていただきたいと思います。

  今年、わが党は、創立40周年を迎えます。わが党が創立されたのは40年前ですが、わが党は深い歴史的根源をもっており、60年に近い長期の闘争の道のりを歩んできました。朝鮮の共産主義者は、日本帝国主義の植民地支配から祖国を解放するため長期にわたる困難な武装闘争を展開し、抗日革命闘争の過程で築かれた強固な組織的・思想的基礎と栄えある革命伝統にもとづいてわが党を創立しました。

 わが党は創立以来この40年間、各段階の革命闘争と社会主義建設を成功裏に導き、祖国の歴史に末永く輝く偉大な業績を積みあげました。

 わが党は、人民大衆を導いて人民政権を樹立し、民主主義革命と社会主義革命を成功裏に遂行し、社会主義経済建設と文化建設、国防建設を力強く促進してきました。こうして、搾取と抑圧が支配していたわが国に、最も先進的な社会主義制度をうち立て、貧しく立ち後れていたわが国を、強固な自立的民族経済とさん然たる民族文化と強力な自衛的国防力をもった社会主義国家に発展させました。わが党は、アメリカ帝国主義者とその手先の武力侵攻に抗する3年間の祖国解放戦争を勝利に導き、民族の尊厳と革命の獲得物を立派に守りぬきました。

 こんにち、わが党は、第6回党大会が示した社会主義建設の雄大な綱領を実現するために闘っています。1980年に開かれたわが党第6回大会は、朝鮮革命の新たな発展段階の要請に即応して全社会をチュチェ思想化するという闘争綱領を示しました。いまわが国のすべての勤労者は、第6回党大会が示した雄大な綱領を高くかかげ、思想、技術、文化の3大革命路線を貫き、社会主義経済建設の10大展望目標を達成するために力強く闘っています。

 わが党は、革命闘争と建設事業において、常にチュチェ思想を確固たる指導指針として闘っており、これまで朝鮮人民がおさめたすべての成果はチュチェ思想を具現した結果であります。

 あなたは、チュチェ思想について多くのことを話すよう求めました。

 チュチェ思想は、朝鮮の共産主義者がマルクス・レーニン主義をわが国の現実に創造的に適用し、革命の進路を自主的に切り開いて闘っていく過程で得た革命思想です。

 わが党の指導思想であるチュチェ思想を一言で特徴づけていうならば、それは人間中心の世界観であり、人民大衆の自主性を実現するための革命学説であります。

 チュチェ思想は、人間の本質的属性と世界における人間の地位と役割を明らかにすることにより、人間の運命を成功裏に開けるようにする科学的で革命的な世界観を確立しました。人間は自主性と創造性、意識性をもった社会的存在であり、まさに、これによって人間は世界における主人の地位を占め、すべてを決定する役割を果たします。人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するというのがほかならぬチュチェ思想の基礎をなしている哲学的原理です。

 人間は、世界を支配する主人の地位にあり、世界を改造し変革する役割を果たすため、自己の運命の主人として、その運命をみずから切り開いていくようになるのです。チュチェ思想は結局、人間は自己の運命の主人であるという真理を明らかにしています。人間は自己の運命の主人であるということ、これがチュチェ思想の真髄であり、ここにチュチェ思想の革命的本質があるのです。

 チュチェ思想は、人民大衆を中心にすえて、社会発展の合法則性と革命の原理を明らかにします。

 歴史の主体は、人民大衆です。これは、歴史の中心に人民大衆が立っており、社会的運動が人民大衆によって進められるということを意味します。

 社会的運動は人民大衆の自主的要求によって起こり、人民大衆の創造的能力によっておし進められます。人民大衆の自主的要求と創造的能力がたえず高まり、それにともなって社会が改造され変化していくのが社会発展の合法則的過程です。

 人民大衆の運命は、社会革命を通じて開かれていきます。革命は、本質において人民大衆の自主性を擁護し実現するための組織的な闘争であります。革命によって古い社会関係と社会制度が改造、変革され、革命闘争の過程で人民大衆の社会的地位と役割はさらに高まります。

 革命の主人は人民大衆であり、革命をおし進める力もまた人民大衆にあります。人民大衆の自主的志向と要求によって革命が起こり、人民大衆の創造的能力によって革命の勝利が達成されます。

 革命の最終的目的は、人民大衆の自主性を完全に実現することにあります。人民大衆の自主性を完全に実現するためには、階級的または民族的支配と従属を一掃し、思想、技術、文化など社会生活のすべての分野で旧社会の遺物を完全になくし、社会関係と生産力を高度に発展させなければなりません。

 革命の主人は人民大衆であり、革命をおし進める力もまた人民大衆にあるという革命の原理から、それぞれの国における革命の主人はその国の人民であり、革命勝利の要因もその国の人民の力であるという結論がでます。したがって、各国の人民が革命で勝利を達成するためには、必ず自国の革命に対し主人としての態度をとらなければなりません。

 人民大衆が革命と建設に対し主人としての態度をとるというのは、主人としての立場を守り、主人としての役割を果たすということを意味します。言いかえれば、自主的立場と創造的立場を守るということを意味します。

 各国の人民は、革命と建設に対する主人としての態度をとり、思想における主体、政治における自主、経済における自立、国防における自衛を実現しなければなりません。主体、自主、自立、自衛、これがチュチェ思想の示す革命の指導原則です。

 チュチェ思想の正しさと生命力は、朝鮮革命の実践を通じて実証されました。わが党は、今後もチュチェ思想の旗を高くかかげ、革命と建設を力強くおし進めていくでしょう。


  祖国の統一を達成するのは、全朝鮮人民の最大の民族的念願であり、また貴党に提起されている最も重大な革命課題です。
 あなたが朝鮮の自主的平和統一のために長期間にわたって示している諸提案と、その実現のために傾けている努力はよく知られています。
 あなたは、統一の展望と現在おこなわれている会談の展望について、どのように評価なさいますか。

  あなたが正しく指摘したように、祖国を統一するのは、こんにちわが党に提起されている最も重要かつさし迫った革命課題であり、我々は祖国の統一を自主的に、平和的に実現するためあらゆる努力を尽くしています。

 わが党は、対話を通じて北南間の緊張を緩和し、民族の和解と団結をなし遂げることによって、国の統一問題を平和的に解決しようとする原則的な立場を一貫して堅持してきました。

 我々の主動的な発起によって、現在、北と南のあいだには経済会談と赤十字会談がおこなわれており、北南国会会談のための予備接触もおこなわれています。
 わが党と共和国政府は、現在おこなわれている北南対話に好ましい結実をもたらし、北と南のあいだの幅広い協商と多方面にわたる合作と交流を実現するためひきつづき粘り強く努力するでしょう。

 北南対話の展望は、南朝鮮側がどのような立場と姿勢で対話にのぞむかにかかっています。

 対話は双方か互いに相手となっておこなうものであるため、ある一方の努力だけでは成功裏に進められません。北南対話がはかどって立派を結実をもたらすようにするためには、対話双方がともに誠実な立場と姿勢で対話にのぞまなければなりません。ところが現在、対話にのぞむ立場と姿勢において、我々と南朝鮮側のあいだには根本的な違いがあります。我々の立場は、なんとしてでも民族の分裂に終止符を打ち、わが国を一つの朝鮮に統一しようとするものであり、南朝鮮側の立場は、民族の分裂を永久化して「二つの朝鮮」をつくろうとするものです。我々の立場は、全朝鮮人民の一致した志向を反映していますが、南朝鮮側の立場は、南朝鮮を永久の植民地にしようとするアメリカの要求を反映しています。いま南朝鮮当局者は、口では対話を唱えながら、対話の幕裏で南北対決と反共を鼓吹し、緊張を激化させていますが、これは対話の進展を妨げる好ましからぬ行動です。

 南朝鮮側がひきつづき現在のような誤った立場に立って対話にのぞむならば、北南対話は原則的な合意に達することができず、時間だけ引き延ばすことになるでしょう。もし、南朝鮮側が心から国の統一問題を解決しようとする誠実な立場に立ち返るならば、北南対話の前途には明るい展望が開かれるでしょう。

 我々は、南朝鮮側がアメリカの「二つの朝鮮」政策に追従する事大・売国の立場を捨てて民族自主の立場にもどり、誠実な態度で北南対話の場にのぞむよう期待しています。

 現在、内外の分裂主義者の策動によって、祖国統一の前途には大きな障害と難関が横たわっていますが、我々は国の統一展望に対して楽観しています。

 こんにち、南朝鮮人民と海外同胞を含む全朝鮮人民はひとしく国の統一を願い、祖国の自主的平和統一を実現するため積極的に闘っています。また、正義と平和を愛する世界の進歩的人民は、わが国が平和的に統一されることを願い、国の自主的平和統一をめざす朝鮮人民の闘いを積極的に支持声援しています。

 人民の願いが現実となり、正義の偉業が勝利するのは歴史の流れです。朝鮮人民は、世界の進歩的人民の支持声援のもとに、全民族の団結した力をもって力強く闘いつづけ、必ずや祖国統一の偉業を成就するでしょう。


  朝鮮民主主義人民共和国の非同盟運動加盟は、貴国に限らず、非同盟運動の影響力を拡大強化した、極めて有意義な出来事でした。
 最近ルアンダで開かれた非同盟諸国外相会議は、非同盟諸国が現世界の死活的問題(平和、諸国間の協力、発展問題)の解決により広範に参加すべき必要性を示しています。
 非同盟運動の現段階と展望について、評価してくださるよう望みます。

  非同盟運動は、あらゆる支配と従属に反対し、自主性を志向する進歩的な運動です。反帝・自主をめざす闘争のなかで非同盟運動は、世界的範囲を包括する極めて幅広い運動に拡大され、強力な革命勢力に成長しました。

 こんにち非同盟運動は、その隊列に世界5大陸の百余の新興諸国を結集しており、世界情勢の発展と国際問題の解決において重要な役割を果たしています。国連をはじめ、国際舞台での非同盟諸国の発言権は強まっており、非同盟諸国の共同の努力によって、多くの国際問題が新興諸国人民の意思と利益に即して正しく解決されています。非同盟運動の勝利的前進は、帝国主義者の侵略と戦争策動に甚大な打撃を与えており、新社会の建設をめざす世界の進歩的人民の闘いを強く鼓舞激励しています。

 非同盟運動の強化に恐れをなした帝国主義者は、非同盟運動を内部から分裂、瓦解させようと狡猾に策動しています。しかし、帝国主義者のいかなる陰謀策動も、自主性を志向して力強く進む非同盟運動の勝利的前進を阻むことはできません。最近アンゴラの首都ルアンダでおこなわれた非同盟諸国外相会談がこれを実証しています。ルアンダ外相会議は、非同盟運動を本来の目的から離脱させようともくろむ帝国主義者の圧力をはねのけ、非同盟運動の基本原則と目的をあらためて確認し、上程された議題を成功裏に討議し、政治宣言と経済宣言、南アフリカに関する特別宣言を採択しました。これは、非同盟運動の正しさと牽引力をいま一度示した、鼓舞的な成果であると思います。

 現段階における非同盟運動の最も重要な任務は、新たな世界大戦の危険を防ぎ、世界の平和と安全を守ることです。

 帝国主義者の侵略と戦争策動のため、現国際情勢は緊張を極めており、新たな世界大戦、核戦争の危険は日を追って増大しています。当面の情勢は、世界の平和愛好人民が団結して帝国主義者の侵略と戦争政策を阻止破綻させ、平和を守る闘いを強力に展開することを求めています。非同盟諸国は、世界のすべての平和愛好勢力と団結して帝国主義者の軍備増強政策と核戦争策動を阻止破綻させ、核兵器を完全に撤廃し、世界の各地域に非核地帯・平和地帯を設置し、それを拡大するため積極的に闘うべきであります。非同盟諸国をはじめ、世界の反戦平和愛好勢力が力を合わせて闘うならば、戦争を防ぎ、平和を守ることができるでしょう。

 こんにち非同盟諸国に提起されている重要な問題は、経済的自立を実現し、新国際経済秩序をうち立てることです。

 非同盟諸国は経済的自立を実現してこそ、帝国主義者の新植民地主義的略奪から抜けだし、人民を飢餓と貧困から解放し、政治的独立を強固にすることができます。

 非同盟諸国が経済的自立を実現するためには、自己の力と国内源泉を最大限に動員するとともに、集団的自力更生の原則のもとに南南協力を発展させなければなりません。非同盟諸国は、農業をはじめ各分野において、多方面にわたる合作と交流を実現する積極的な措置を請じ、それを実践に移すためともに努力すべきです。

 旧国際経済秩序は、植民地主義制度の産物であり、帝国主義者の搾取と略奪のテコであります。帝国主義者は、旧国際経済秩序に依拠して非同盟諸国、発展途上諸国に対する搾取と略奪を強化しています。現在、多くの発展途上国が法外な債務を負っているのも、旧国際経済秩序によってもたらされた結果です。非同盟諸国は、不公平な旧国際経済秩序をうちやぶり、自主・平等・互恵の原則にもとづく新国際経済秩序を確立するために闘うべきです。       

 非同盟運動を拡大発展させるためには、この運動の全構成国が非同盟運動の根本原則を守り、団結を強めるために努力しなければなりません。

 団結は非同盟運動の威力の源であり、反帝・自主偉業の勝利の決定的な裏付けであります。非同盟諸国はかたく団結してこそ、時代と歴史に対して担った重大な任務を立派に遂行することができます。

 非同盟諸国は、帝国主義者の分裂・離間策動に団結の戦略で対抗し、団結した力で敵の陰謀策動をことごとく粉砕すべきであります。非同盟諸国は、常に団結を第一義とし、すべてをこれに服従させなければなりません。非同盟諸国は、互いに政治的に積極的に支持しあい、国際舞台で共同歩調をとり、行動の一致を保障しなければなりません。

 朝鮮民主主義人民共和国は、非同盟運動の構成国として、常に非同盟運動の崇高な理念と原則に忠実でありつづけ、非同盟運動の団結を強化するため積極的に努力するでしょう。

 非同盟運動の展望についていうならば、この運動は今後さらに拡大発展するでしょう。現在、帝国主義者の陰謀策動のため、さまざまな難関が生じていますが、非同盟運動は全構成国の団結した努力によってつきあたる障害と難関を克服し、反帝・自主の道を力強く前進するでしょう。


  朝鮮民主主義人民共和国の自主的で自立的な対外政策の原則と目標はどのようなものでしょうか。

  すでに広く知られているように、わが党と共和国政府の対外政策の基本理念は、自主・親善・平和です。わが党と共和国政府のすべての対外政策と対外活動はこの理念に根ざしています。

 わが党と共和国政府は、自主性の原則にもとづいて世界各国との友好関係を発展させ、世界の平和と安全を守るために闘っています。

 自主性は、共和国政府の対外活動の根本原則です。共和国政府は、すべての対外政策をわが国の実情と朝鮮人民の利益から出発して独自に決定し、国際関係分野で提起されるすべての問題を朝鮮革命と世界革命の利益に即して自己の判断と信念に従って解決しています。我々は、いかなる外部勢力もわが国の内政に干渉したり、朝鮮民族の尊厳を踏みにじったりすることを許さず、また我々自身も自己の意思を他国に強要せず、他国の利益と自主権を侵そうとしません。

 共和国政府は、対外関係で社会主義諸国との友好・団結の強化に第一義的な関心を払っています。我々は、マルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の原則にもとついて、すべての社会主義国との友好・協力関係を発展させています。我々は昨年、ソ連および東欧社会主義諸国、そして中国を訪問し、これらの国との友好・団結のきずなをさらに強くし、わが国と社会主義諸国との伝統的な友好・協力関係を新たな高い段階へと発展させました。

 共和国政府は、非同盟諸国をはじめ、第三世界諸国との団結・協力の強化にも大きな力をそそいでいます。我々は、非同盟運動の共通の理念と自主・平等・互恵の原則にもとづいて非同盟諸国、第三世界諸国と国家関係を発展させており、政治、経済、文化の各分野にわたってこれらの国との団結と協力を強化しています。

 共和国政府はまた、わが国の自主権を尊重し、わが国に対し友好的な資本主義諸国とも友好関係を結び、経済・文化交流を発展させています。     

 帝国主義者の侵略と戦争政策に反対し、平和を守るために闘うのは、わが共和国の一貫した対外活動の原則です。共和国政府は、アジアと全世界で緊張を緩和し、戦争の危険を取り除き、恒久平和を実現するために闘っています。朝鮮人民は、帝国主義者の侵略的軍事ブロックの解体、核軍備競争の阻止、全般的かつ完全な軍備撤廃の実現、世界各地域における非核地帯・平和地帯の設置をめざして闘っている世界平和愛好人民の隊列に確固と立っています。

 わが共和国政府は、今後とも自主・親善・平和の旗を高くかかげ、社会主義諸国と非同盟諸国をはじめ、すべての反帝・自主勢力とかたく団結し、帝国主義者の侵略と新たな戦争挑発策動に反対して、世界の恒久平和と安全を保障するため力強く闘うでしょう。


  主席同志、あなたは国際労働運動と共産主義運動を発展させるため大きな努力を払い、また払っております。
 国際労働運動と共産主義運動の現在の過程と、各国における社会主義建設の戦略と戦術を自主的にうち立てようとする各国共産党のより強力な志向は、この運動内に肯定的な変化をもたらしており、社会の進歩的変革をめざす、闘争のいろいろな方途と形式、方法は、社会発展の客観的合法則性となっています。したがって、これらのことを必ず尊重すべきであります。
 朝鮮労働党は、現在の労働運動と共産主義運動の動きをどのように評価しているのでしょうか。

  各国の労働者階級の党が自主性を堅持することは、国際労働運動と国際共産主義運動の発展において極めて重要な意義をもちます。共産主義運動は、もともと共産主義者と人民が自己の信念に従って自主的におこなう運動であり、個々の国の労働者階級の党は国際共産主義運動の一部隊であります。

 個々の国において労働者階級の党は、自国の革命を責任をもって自力で遂行しなければなりません。労働者階級の党は、自国の具体的な実情に即して自主的に革命の戦略と戦術を立て、自国人民の力に依拠して革命と建設をおし進めなければなりません。そうしてこそ、革命と建設を成功裏に遂行し、世界革命に実質的な貢献をすることができます。

 自主性は、プロレタリア国際主義と矛盾しないばかりか、プロレタリア国際主義を強化するための基礎となります。社会主義諸国と世界各国の共産党、労働者党が、自主性を堅持する基礎のうえで団結するとき、国際共産主義運動の最も強固な統一団結をなし遂げることができ、各国の革命勢力が強化され、革命と建設が成功裏に進められるとき、国際共産主義運動の威力が最大限に強化されます。

 こんにち、世界各国の共産党、労働者党は、社会主義・共産主義偉業を成功裏に遂行するための自己の戦略と戦術をもち、それにもとづいて力強く前進しており、相互の団結と協力関係を発展させ、国際共産主義運動の統一団結を強化するため積極的に努力しています。

 わが党は、これを非常に好ましいこととして評価し、今後、社会主義諸国とすべての共産党、労働者党の共同の努力によって国際共産主義運動はより強固な統一団結をなし遂げ、さらに力強く前進するものと確信しています。


  国際労働運動は、これまでに蓄積した経験を再検討する時期を経過しており、この運動の新たな戦略をうち立てるための努力を傾けています。
 あなたは、21世紀前夜に、この戦略の展望をどう見ておられるのでしょうか。

  国際労働運動は、歴史の舞台に出現した当初からこんにちにいたる長い期間、革命的道にそってたえず発展してきました。この過程で国際労働運動は、重なる成功と挫折、勝利と失敗から多くの経験を積み、教訓をくみ取り、正しい戦略と勝利の進路を求めて大きな努力を傾けてきました。

 先にも述べたように、現在、各国の労働者階級の党は、国際労働運動と国際共産主義運動の経験と教訓にもとづいて、自国の具体的実情と革命任務にかなった新たな闘争戦略をうち立て、その実現をめざして積極的に闘っています。

 いま労働運動は、団結を志向しています。各国で労働者階級の戦列はかたく結集し、地域的または世界的規模で労働運動の団結と連帯が強まっています。

 現在、労働運動発展の趨勢は、労働者階級をはじめ、人民大衆の革命的志向を反映しています。我々は、これから、国際労働運動が人民大衆の志向と時代の要請に即応してたえず発展するものと確信しています。


  あなたとチトー同志によってもたらされた、朝鮮民主主義人民共和国とユーゴスラビア社会主義連邦共和国、朝鮮労働党とユーゴスラビア共産主義者同盟間の関係は上昇一路をたどっています。
 主席同志、あなたはこのような友好関係と経済協力をどう評価し、このような協力のあり方かどのようなものであるべきかについてお聞かせください。

  朝鮮とユーゴスラビアの両国、両党間の友好・協力関係は、ヨシプ・ブロズ・チトー同志と私との2回にわたる有意義を対面があって以来、日増しに好ましく発展してきました。私は昨年再びユーゴスラビアを訪問し、新たな発展段階に入った両国間の友好・協力関係を満足感をもって確認し、今後、それをさらに高い段階に拡大発展させることでユーゴスラビアの指導者と合意しました。

 我々両国の指導者と人民の積極的な努力によって、こんにち、朝鮮とユーゴスラビア間の友好・協力関係は全面的な開花期に入っています。両国間の党的、国家的関係が密接になり、相互の支持と連帯が強まっており、経済・技術協力と貿易関係を発展させる諸対策が講じられています。両国は、重要な国際問題に対し、共通の見解をもって国際舞台で共同歩調をとっており、非同盟運動を強化し、世界の平和と安全を守るため、緊密に協力し合っています。

 朝鮮とユーゴスラビア両国、両党間の関係は、完全な平等と互恵、プロレタリア国際主義の原則にもとづく階級的兄弟間の真の同志的関係であり、いかなる力によっても切り崩すことのできない強固な友好・協力関係であります。これは、両国における社会主義建設の促進と社会主義勢力および国際共産主義運動、非同盟運動の強化に寄与しています。

 私は、両国、両党の関係が立派に発展していることを満足に思っています。

 朝鮮とユーゴスラビアは、ひとしく社会主義国であり、非同盟運動の構成国であります。両国は、帝国主義に反対し、社会主義・共産主義偉業と非同盟運動の崇高な理念を実現するため、ともに闘っています。

 社会主義諸国、非同盟諸国間の関係は、互いに心から支持し協力する、同志的で兄弟的な関係であるべきです。朝鮮とユーゴスラビアの関係は、このような原則で今後もたえず発展すべきであり、経済協力をはじめ各分野にわたって、多方面的にいっそう拡大しなければなりません。

 ユーゴスラビア人民との友好・団結を重んじているわが党と人民は今後も、朝鮮とユーゴスラビアとの友好・協力関係をさらに拡大発展させるため、最善を尽くすでしょう。

 私はこの機会をかりて、ユーゴスラビア人民に心からのあいさつを送り、ユーゴスラビアの共産主義者と人民が、ユーゴスラビア共産主義者同盟第12回大会の決定を貫徹する闘いで、さらに大きな成果をおさめるよう望むものです。
出典:『金日成著作集』39巻 

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