私はきょう皆さんに、機械工業を発展させるうえて提起される若干の問題について述べようと思います。
私がいつも言っていることですが、機械工業は重工業の中核であり、技術進歩の基礎です。機械工業を発展させてこそ、人民経済のすべての部門を速やかに発展させることができます。採掘工業を先行させて人民経済各部門で求められている原料と燃料を十分に供給するためにも機械工業を発展させなければならず、自動車、トラクターのような運輸機材の需要を円滑にみたすためにも機械工業を発展させなければなりません。ところが一部の幹部は、人民経済各部門で求められている設備を機械工業を発展させて自給しようとはせず、輸入しようとばかりしています。政務院の一部の責任幹部は、自動車のようなものまで輸入しようとして、自動車工業の発展に関心を払っていません。我々がいままで外国から自動車を買い入れた資金で自動車工場を充実させていたなら、わが国の自動車工業は世界的水準に引き上げられていたはずです。
私は、近代的な自動車工場を建設しておきながらも幹部が自動車を自力で生産しようとせず、ひきつづき輸入しようとするので、自動車の輸入を禁止する主席命令を示達しました。にもかかわらず、一部の幹部は主席命令が下達される以前に契約したものだからといって、ひきつづき自動車を買い入れています。
国産車の質はまだ高いとはいえないので、性能のすぐれた自動車が是非とも必要な部門では外車を少々輸入すべきですが、それ以外には絶対に輸入してはなりません。これからは、自動車工業を発展させて、そのような自動車もすべて国産化すべきです。
わが国のような小さい国で、人民に豊かな暮らしをさせるためには、決定的に機械工業を発展させなければなりません。
いま、ヨーロッパの一部の国では、機械工業を発展させてよい暮らしをしています。チェコスロバキアのような国では、久しい前から機械工業を発展させてきたので、機械を輸出してよい暮らしをしています。チェコスロバキアでは、我々が抗日武装闘争をはじめる前から、すでに機関銃をつくって輸出していました。抗日武装闘争の時期、遊撃隊員は敵からチェコスロバキア製の機関銃をろ獲するといちばん喜んだものです。日本製の機関銃は銃弾を30発装てんしますが、重いうえによく故障するので喜ばれませんでした。ところが、チェコスロバキア製の機関銃は銃弾を20発しか装てんできませんが、軽くて故障がないので便利でした。遊撃隊員は、チェコスロバキア製の機関銃１丁と日本製の機関銃３丁を取り替えようといってもいやだと言いました。
機械工業を発展させることが重要なので、私は祖国解放戦争の困難な時期にも、機械工業の基礎を築くようにしました。熙川工作機械工場も戦時中に建設をはじめました。
戦時中、私がモスクワに行ったとき、そこには東欧人民民主主義諸国の共産党、労働者党の党首が全部きていました。
そのとき、それらの党首のなかで私がいちばん若かったのですが、彼らは私を熱烈に歓迎してくれました。私は彼らに、我々が戦争で勝利すれば、人民経済を早く復興発展させなければならないから援助してほしいと言うと、みんな援助してくれると言いました。戦後、チェコスロバキアは自動車修理工場を、ハンガリーは工作機械工場を、ポーランドは機関車修理工場をそれぞれ一つずつ提供してくれました。戦後、社会主義諸国の供与をうけた工場は故障した自動車や機関車を修理する工場でしたが、我々の機械工業の発展に一定の寄与をしました。
我々は、アメリカ帝国主義をうちやぶったその勢いで戦後復興建設の時期に自力更生の革命精神を高く発揮し、廃墟のなかから機械工場を建設して機械工業の新しい歴史を創造しました。戦後我々が困苦欠乏にたえて機械工業を建設したので、機械工業は飛躍的な発展を遂げました。戦後、機械工業部門では素手の状態で自動車とトラクターをつくりだし、工作機械の子生み運動をくりひろげて１年間に１万余台もの工作機械を増産しました。ところが、近年になって、機械工業の発展はにぶっています。
現在、機械工業部門では、これといった新しい工作機械をつくりだしておらず、自動車やトラクターなどの運輸機材の性能向上においても成果をあげておらず、特注設備も満足に生産していません。我々が自動車やトラクターの生産をはじめてからもう20年も過ぎましたが、いまなお性能のよいものがつくられておらず、旋盤も近代的なものがつくられていないありさまです。
機械工業が急速な発展を遂げていない原因は第１に、機械工業部門に対する党の指導と統制が弱く、政務院が機械工業部門にそれほど関心を払わないところにあり、第２に、機械工業部門の責任幹部が革命的情熱と積極性、創意性を発揮して活動しないところにあります。それで今度、覇気にあふれて活動できる若い人を機械工業委員長に任命しました。政務院の委員長、相は、仕事を直接手配し、指導しなければならないので、若い人が適任です。機械工業部門の責任幹部が革命的情熱をもち、創意性と積極性を発揮して働くならば、機械工業を速やかに発展させることができます。
我々はすでに、機械工業を速やかに発展させることのできる強固な土台を築き、機械工業部門の技術者、専門家も多数養成しました。以前、機械工業が発達しているというヨーロッパのある国に行ってみましたが、それほどのものではありませんでした。当時、その国の人は、１万トンプレスを１台製作してたいへん自慢していました。我々には6000トンプレスもあり、大型機械を製作した経験もあります。機械設計の問題も近いうちに解決されます。
機械工業部門の責任幹部は、国の経済発展において機械工業のしめる位置の重要さを明確に認識し、現実発展の要求に即応して機械工業を画期的に発展させるため積極的に努力しなければなりません。
何よりもまず、工作機械の生産に大きな力を入れるべきです。
工作機械を増産することは、機械工業部門の第一の課題です。
工作機械を大量に生産してこそ、それを輸出して外貨を獲得し、工作機械の国内需要もみたすことができます。
いま一部の工場、企業所の生産が正常化されない原因は、原料と資材を十分に供給できないところにもありますが、主としては修理基地がなくて故障した機械設備をそのつど修理、整備できないところにあります。いくら近代的な工場を建設しても、修理基地を立派に整えて機械設備を適時に修理、整備しなくては、それをまともに運営することができません。しかし、工作機械をそれほど生産できないので、工場、企業所の修理基地を満足に整えられないありさまです。
機械工業部門では、工作機械の生産に力を入れ、どうあっても工作機械の生産を画期的に増やさなければなりません。
私が、工作機械の生産を増やすようひきつづき強調していますが、機械工業部門ではいまだにこの課題をまともに実行していません。もし、姜永昌同志が生きていたなら、なんとしてでも工作機械の生産を増やして、増大する工作機械の需要を円滑にみたしているはずです。私がたびたび姜永昌同志を引き合いに出すのは、彼が私の意図を的確につかんでそれを実行するため積極的に努力したからです。彼は私がなにがしかの問題を提起すると積極的に支持し、それを実行するため懸命に努力しました。最初工作機械の子生み運動を発起したときにも、まっ先に支持したのは姜永昌同志でした。
何年度だったか、東海岸地区を現地指導するため汽車に乗っていく途中、姜永昌同志を呼んで、いま、工作機械が非常に不足しているので工作機械の子生み運動を展開する考えだが、機械専門家であるあなたはどう考えるかと聞いてみました。彼はたいへんよい考えだ、工作機械の子生み運動によってつくった工作機械では精度の高い機械は生産できないが、精度の高くない農業機械のようなものはいくらでも生産できるといいました。当時、工作機械の子生み運動を展開したので、外国に依存せずとも機械工業をいちだんと発展させ、社会主義建設を力強くおし進めることができました。
機械工業部門ではまず、熙川工作機械工場と４月３日工場をはじめ、工作機械工場をフルに操業させて既存の工作機械生産能力を最大限に利用する一方、その生産能力をさらに高めるために努力しなければなりません。熙川工作機械工場に労働力さえもうすこし補充すれば、工作機械生産をいちだんと増やすことができるとのことなので、労働力を補充してでもその工場をフルに操業させる対策を講じなければなりません。
不足する工作機械の問題を解決するためには、人民経済の各部門、各単位で工作機械の子生み運動を広く展開し、必要な工作機械を自力で生産するようにしなければなりません。
工作機械の種類を増やすべきです。工作機械の生産を増やせと言われたからといって、種類に関係なくつくりやすいものばかりつくりだすならば、機種間のバランスを保つことができず、機械工場の生産を正常化することができません。工作機械工場では、工作機械の台数を増やすと同時に、種類を増やす運動を力強く展開して旋盤、ボール盤、ターニングミル、ボーリング盤をはじめ、必要な工作機械はすべて自力で生産しなければなりません。
大型工作機械も大量に生産すべきです。大型工作機械の生産を増やしてこそ、採掘機械工場を拡張し、採掘設備をより多く生産して炭鉱、鉱山と建設場に送ることができます。龍城機械連合企業所での大型工作機械の生産を増やすようにすべきです。
龍城機械連合企業所が努力すれば、年間、大型工作機械を150台にとどまらず、200台、300台でも生産することができます。
大型工作機械は、あまり多く生産する必要がありません。大型工作機械は、年に150台ずつ生産しても需要をみたすことができるでしょう。龍城機械連合企業所に必要な歯車研削盤とねじ切盤を早く輸入して提供すべきです。
工作機械の生産を増やすとともに、オートメ化された工作機械をつくるために努力しなければなりません。
わが国では、まだオートメ化された工作機械をつくれないので、輸入しています。もう機械工業の歴史も長いのですから、オートメ化された工作機械を自力でつくるべきであって、ひきつづき輸入に依存してはなりません。いま、一部の国がわが国で生産した工作機械を買っていくからといって、それに満足してはなりません。一部の国がわが国で生産した工作機械がよいというのは、質が高いからではありません。
工作機械工場では、現在生産している工作機械もひきつづき生産する一方、オートメ化された近代的な工作機械を生産するために努力しなければなりません。
次に、採掘設備の生産を増大させる対策をしっかりと立てなければなりません。
石炭、鋼鉄、電力、非鉄金属をはじめ、展望目標に予見されている主要生産目標を成功裏に達成するためには、採掘設備をたくさん生産して炭鉱、鉱山と建設場に送らなければなりません。採掘設備は炭鉱、鉱山だけでなく、発電所、道路、鉄道などの建設場をはじめ、必要とするところがたくさんあります。
社会主義経済建設の10大展望目標に予見されている電力生産目標を達成するためには、採掘設備を大量に生産して水力発電所の建設場に供給しなければなりません。これから電力を1000億kWh生産するためには、水力発電所だけでも約700億kWhは生産しなければなりません。そのためには、新たな水力資源開発方式による水力発電所をたくさん建設しなければなりません。電力工業省が調べた資料によると、わが国にはまだまだ水力資源が豊富だとのことです。新たな水力資源開発方式による水力発電所を建設するためには、数多くのトンネルや水路の工事をしなければなりませんが、採掘設備なしにはこの膨大な工事をやり遂げることができません。
鉄道建設場にも、採掘設備をたくさん供給すべきです。現在進行中の北部内陸地帯の鉄道工事を終えるためには、長いトンネルだけでも数十個は貫通させなければなりません。この工事がスムーズにいかないので心配していたところなのですが、最近、人民軍がトンネル工事の半分を受け持つといいました。トンネル工事を人民軍隊が担当するにせよ、ほかの機関が担当するにせよ、トンネルを掘るためには削岩機をはじめ採掘設備を供給しなければなりません。
採掘設備を大量に生産するためには、採掘機械工場に大型工作機械をはじめ、必要な機械設備を十分に供給しなければなりません。採掘機械工業部門で要求する工作機械300台を、今年の12月から来年の２月までに毎月100台ずつ無条件優先的に供給すべきです。
採掘機械工場では、工作機械を国家から供給してもらおうとばかりせず、工作機械の子生み運動を展開して単能設備ばかりでなく、大型工作機械も自力で生産して使うようにすべきです。
採掘機械工業を発展させるためには、機械工業委員会が採掘工業委員会採掘機械工業総局の活動をよく援助しなければなりません。今後、機械工業部門で会議を開くときには、採掘工業委員会採掘機械工業総局の幹部も参加させて、提起される問題を互いに協力して解決するようにしなければなりません。機械工業委員会と採掘機械工業総局は、互いに関係のある部門ですから、提起される問題を協議して解決すべきです。
次に、運輸機材の生産に力を入れなければなりません。
人民経済のすべての部門、すべての単位で緊張した輸送問題を解決し、生産を正常化するためには、自動車、トラクターなどの運輸機材を大量に生産しなければなりません。
いま、自動車工場とトラクター工場に規格鋼材をはじめ、必要な資材を十分に供給できないので、自動車とトラクターを大量に生産できずにいます。自動車とトラクターを計画どおり生産できないので、供給しなければならない単位に適時に供給できないありさまです。
機械工業部門では、自動車工場とトラクター工場に力を入れて計画を狂いなく遂行し、生産能力をいっそう高め、製品の質を高めるために努力しなければなりません。特に、自主号トラックを大量に生産しなければなりません。炭鉱、鉱山、建設などの部門では自主号トラックをたくさん要求しています。
各種のエンジンを大量に生産する対策を立てるべきです。各種のエンジンを量産せよと言われたからといって、エンジン工場を新設したり、ほかの工場にエンジン生産基地を別個に設けたりする必要はありません。いま、８月８日工場で船用エンジンをはじめ、各種のエンジンを生産しているのですから、その工場で特注設備をひきつづき生産する一方、エンジン生産系統を発展させて200馬力、400馬力、1000馬力、2000馬力、2500馬力のエンジンなど必要なエンジンを全部生産するようにしなければなりません。
次に、特注設備の生産にも力を入れるべきです。
機械工業部門では、圧延設備と製鉄・製鋼設備、発電設備をはじめ、人民経済の各部門で要求される特注設備を適時に生産供給するために努力しなければなりません。
大型酸素分離機を製作する対策を立てるべきです。
大型酸素分離機を製作すれば、カーバイド生産に酸素熱法を導入することができ、製鋼所と製鉄所に必要な酸素分離機の問題も解決することができます。いまは溶鉱炉に酸素を吹き込んで銑鉄を生産するのが世界的な趨勢となっています。これからは、新設する製鉄所に設置する酸素分離機を全部自力で製作しなければなりません。
黄海製鉄所に１万2000立方メートルの酸素分離機を１台設置することを予見していますが、6000立方メートルの酸素分離機を2台設置してもかまわないなら、あえて１万2000立方メートルの酸素分離機をつくる必要はありません。もちろん、１万2000立方メートルの酸素分離機は、6000立方メートルの酸素分離機にくらべ製作しやすく、建設費も少なくてすむので利点もありますが、わが国の実情では建設費が多くかかっても、１万2000立方メートルの酸素分離機１台をつくるよりは6000立方メートルの酸素分離機2台を製作するほうが合理的だと思います。１万2000立方メートルの酸素分離機を１台利用してそれが故障すれば、製鉄所の生産全般に支障を与えますが、6000立方メートルの酸素分離機２台を利用すれば、１台が故障してもあとの１台はひきつづき稼働させることができます。
外国で１万立方メートル以上の酸素分離機を製作しているからといって、わが国でもそのように大型のものをつくる必要はありません。外国でそうしているからといって、むやみにその真似をするのは、あたかもスズメがコウノトリの歩き方を真似るようなものです。スズメが短い足でコウノトリの歩き方を真似ては股が裂けてしまいます。
我々は、発電機も10万KWのものや20万KWのものをつくるのではなく、わが国の実情に合う５万KWのものをつくるべきです。
わが国の実情では、大型発電機を１基設置するより、小型発電機を数基設置するほうが有利です。
現在、北倉火力発電所には10万KWの発電機、平壌火力発電所には5万KWの発電機を設置しているので、北倉火力発電所の発電機が１基ストップすれば、10万KWの電力損失がありますが、平壌火力発電所の発電機が１基ストップすれば、５万KWの電力損失があるだけです。それで私は、火力発電所に20万KWの発電機を設置しようという一部の活動家の意見に反対しました。大きな国で20万KWの発電機１基がストップするのはさほど問題になりませんが、わが国で20万KWの発電機１基がストップするというのは容易ならぬことです。
私の考えでは、楽元機械工場ですでに酸素分離機の生産をはじめたのですから、その工場の酸素分離機職場を充実させて6000立方メートルの酸素分離機をロット生産させるのがよいと思います。楽元機械工場で6000立方メートルの酸素分離機を１カ月に１台ずつ生産して、１年に12台生産するとしても結構なことです。１万立方メートルの酸素分離機は、現在生産中のものを完成し、それ以上は生産しないことにするのがよいでしょう。
大安重機総合工場をフルに操業するために努力しなければなりません。大安重機総合工場の特注設備生産能力は非常に大きいので、その工場だけフルに操業させても少なからぬ特注設備を生産することができます。しかし、大安重機総合工場は建設されて以来、まだフルに操業したことがありません。機械工業担当の副総理と機械工業委員会の責任幹部は、大安重機総合工場に関心を払って、なんとしてでもフルに操業させなければなりません。
これから、大安重機総合工場では、主に高カロリー炭ボイラーと低カロリー炭ボイラー、蒸気タービン、水力タービンといった発電設備の製作を基本にする一方、圧延設備をはじめ、必要な設備を製作しなければなりません。
次に、建設機械をたくさん生産する対策を立てるべきです。
現在、わが国には数多くの機械工場がありますが、建設機械を生産する工場はいくらもありません。そのため、建設現場に行ってみると、国産の建設機械はあまり見あたらず、外国から買い入れた建設機械がたくさんあります。平壌市内の建設現場に行ってみても、外国製の建設機械は多いのですが、国産の建設機械はそれほどありません。建設機械工場を拡充し、建設機械をたくさん生産する対策を早急に立てなければなりません。
次に、集積回路工場のプラント輸入を急がなければなりません。
集積回路工場を早くプラント輸入して集積回路を生産してこそ、生産工程をオートメ化し、技術革命を成功裏に遂行することができます。
機械工業部門の生産工程をすべてオートメ化するのは無理だとしても、それを実現できる土台を築いてから第７回党大会を迎えなければなりません。そうしてこそ、第７回党大会をさらに意義深い大会にすることができます。
機械工業委員会と他の委員会がそれぞれ集積回路工場をプラント輸入するのではなく、一つだけ輸入すべきです。集積回路工場はどの部門がプラント輸入するとしても一つにとどめ、そこで人民経済の各部門に必要な集積回路を生産、供給すべきです。
電子工業部門の技術者を養成する対策を早急に立てなければなりません。
電子工業を発展させるためには、電子工業部門の技術者を早急に養成しなければなりません。いま、電子工業部門の技術者が少ないので、集積回路工場を輸入してもそれを運営するのが問題です。集積回路工場をプラント輸入してもそれを運営できる技術者がいなくては用をなしません。
機械工業部門の技術者養成事業が問題となっています。以前、私が教育事業を直接指導していたときは、将来を見通して技術者を系統的に養成したので、幹部問題がさほど提起されませんでした。最近、教育事業を掌握しなかったせいか、技術者養成事業がはかばかしくありません。政務院では、金策工業大学、平壌機械大学のような技術系の大学を全般的に検討して、電子工業部門の技術者と機械工業部門の幹部を系統的に養成する対策をしっかりと立てなければなりません。
機械工業部門の設計陣を強化し、設計士の水準を高めなければなりません。
機械工業都市の建設について構想してみるべきです。
私の考えでは、熙川市を機械工業都市にするのがよいと思います。熙川地区は降水量が多く、湿気が少し多いのが欠点ですが、それでも熙川市を機械工業都市にするのは悪くありません。熙川市には、熙川工作機械工場や２月２６日工場をはじめ機械工場が多いのですから、これからもうすこし力を入れて建設すれば、立派な機械工業都市になるでしょう。熙川市を機械工業都市にするためには、熙川工作機械工場の各工作機械加工職場を近代的に建設しなければなりません。
将来は、亀城市も機械工業都市にすべきです。もとは亀城市を機械工業都市にすることを予見してその地区に機械工場を多く建設しました。亀城地区には４月３日工場をはじめ、少なからぬ機械工場があるので、そこに近代的な工作機械工場をもう一つ新設すれば、亀城市は大きな機械工業都市になるでしょう。
南浦市大安地区も機械工業都市にすることができるでしょう。
機械工業部門では、私がきょう述べた方向で、第２次７カ年計画と社会主義経済建設の10大展望目標を成功裏に達成するための具体的な対策案を作成して私に直接提出すべきです。
機械工業委員会の責任幹部はけっして小心になってぐずぐずすることなく、仕事を大胆におし進めるべきです。大口をたたき、ガミガミ言ったりするのが仕事を大胆におし進めることではありません。大口をたたいたり、ガミガミ言ったりしないで、仕事の手配を綿密にして締まりのある仕事の仕方をすべきです。
機械工業委員会の責任幹部は、仕事の過程でわからないことがあったり技術上の問題が提起されれば、機械工業担当副総理の援助をうけるべきです。機械工業担当副総理は、第１副総理の仕事を補佐する一方、機械工業委員会の責任幹部の仕事を技術的にバックアップすべきです。このたび、機械工業担当副総理に国家科学技術委員会の仕事まで担当させたのも、国家科学技術委員会をして技術革命の遂行に第一義的な力をそそがせるためです。
我々は、人工衛星の打ち上げや月世界への飛行を望んでいるのではないのですから、国家科学技術委員会は、人民経済の主体化、現代化、科学化の実現と技術革命の遂行において提起される科学技術上の問題の解決に力を入れなければなりません。
いま、新しい技術革新案はたくさん提起されていますが、国家科学技術委員会ではそれを生産に導入するための適切な措置を講じていません。機械工業担当副総理は、新しい技術革新案が提起されれば、それをそのつど生産に導入するよう、国家科学技術委員会を正しく指導しなければなりません。
